JPH0687795A - ニトロ化合物、アミン化合物およびイミド化合物 - Google Patents

ニトロ化合物、アミン化合物およびイミド化合物

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JPH0687795A
JPH0687795A JP23949792A JP23949792A JPH0687795A JP H0687795 A JPH0687795 A JP H0687795A JP 23949792 A JP23949792 A JP 23949792A JP 23949792 A JP23949792 A JP 23949792A JP H0687795 A JPH0687795 A JP H0687795A
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compound
group
reaction
nitro
solvent
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JP23949792A
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English (en)
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Kazuo Takebe
和男 武部
Yasuhiro Hirano
泰弘 平野
Mitsuhiro Shibata
充弘 柴田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】イミド化合物およびその原料となるアミン化合
物およびニトロ化合物を提供する。 【構成】 (R1 ,R3 はアルキル基、シクロアルキル基、フェニ
ル基、アルコキシ基;R2 はH、アルキル基、シクロア
ルキル基;R4 はアルキル基、シクロアルキル基、アル
コキシ基、OH;L,Mは0〜4、Pは0〜7の整数;
nは0〜10である。Dは重合可能な不飽和二重結合を
有する二価の有機基である)で表されるイミド化合物。 【効果】このイミド化合物を硬化することによって得ら
れるポリイミド樹脂は、耐熱性に優れ、低沸点溶媒に高
濃度で溶解するため作業性に優れた化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なニトロ化合物、
アミン化合物およびそれから誘導されるイミド化合物に
関する。このイミド化合物は硬化することによって耐熱
性のポリイミド樹脂となる。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子分野、航空機・車両等
の輸送機器分野等においては機器の高性能化、小型軽量
化にともない耐熱性のより優れた材料が望まれている。
従来、該分野においてはエポキシ樹脂、マレイミド樹脂
およびポリイミド樹脂が用いられている。しかし、エポ
キシ樹脂は機械特性、電気特性に優れているが耐熱性が
必ずしも充分ではない。また、ポリイミド樹脂は優れた
耐熱性を有しているが、不溶不融であるため成形が困難
な場合が多い。成形加工性を改良したポリイミドとして
付加型のビスマレイミド樹脂が公知であるが、N,N’
−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミドに代表さ
れる公知のビスマレイミド類はDMF(N,N−ジメチ
ルホルムアミド)、NMP(N−メチル−2−ピロリド
ン)等の高沸点の極性溶媒にしか溶解しないため作業性
に劣る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、その
硬化物が耐熱性に優れ、低沸点溶媒に高濃度で溶解する
ため作業性に優れたイミド化合物およびその原料となる
アミン化合物およびニトロ化合物を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次のとう
りである。 (1)一般式(a)
【化4】 (式中、R1 およびR3 は、炭素数6以下のアルキル基
もしくはシクロアルキル基、フェニル基または炭素数4
以下のアルコキシ基を示し、かつR1 およびR3は互い
に同一であっても異なっていてもよい。R2 は水素原子
または炭素数6以下のアルキル基もしくはシクロアルキ
ル基を示す。R4 は、炭素数6以下のアルキル基もしく
はシクロアルキル基、炭素数4以下のアルコキシ基また
は水酸基を示す。LおよびMは0〜4、Pは0〜7の整
数を示し、R4 の置換位置はナフタレン核内で特に限定
されない。R1 、R3 またはR4 が複数の場合互いに同
一であっても異なっていてもよい。平均繰り返し単位数
nは0〜10である。)で表されるニトロ化合物。
【0005】(2)一般式(b)
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、L、M、Pおよびn
の意義は一般式(a)の場合と同じである。)で表され
るアミン化合物。
【0006】(3)一般式(c)
【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、L、M、Pおよびn
の意義は一般式(a)の場合と同じである。Dは重合可
能な炭素数2〜24の不飽和二重結合を有する炭素数2
〜24の二価の有機基を示す。)で表されるイミド化合
物。
【0007】第一の発明の一般式(a)で表されるニト
ロ化合物において、R1 、R2 、R 3 、R4 の炭素数6
以下のアルキル基もしくはシクロアルキル基としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシルの各基、R1 、R3 、R4 の炭素数
4以下のアルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、ブトキシの各基がそれぞれあげられる。
【0008】第一の発明のニトロ化合物はポリ(ニトロ
フェノキシフェニル)ナフチルアルカン類であり、ニト
ロベンゼン類とナフトイル基含有多価フェノール化合物
との反応によって得られる。ここで用いられるニトロベ
ンゼン類としては、クロロニトロベンゼン、ブロモニト
ロベンゼン、クロロニトロトルエン、ブロモニトロトル
エン、クロロニトロキシレン、ブロモニトロキシレン、
クロロフェニルニトロベンゼン、クロロニトロアニソー
ル、ブロモニトロアニソール、ジニトロベンゼン等の各
種異性体および誘導体があげられる。これらのニトロベ
ンゼン類は単独のみならず、二種以上の混合物として用
いることもできる。
【0009】またここで用いられるナフトイル基含有多
価フェノール化合物は、特願平3−263658号に示
される方法で製造することができる。すなわち、フェノ
ール類とナフトイル化合物をHCl、H2 SO4 等の無
機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、チオグリコール
酸等の有機酸、ルイス酸等の酸性触媒、またはイオン交
換樹脂存在下、40〜150℃の温度で縮合反応させ、
反応後、水洗、未反応フェノール類の留去等、後処理す
る周知の方法によりナフトイル基含有多価フェノール化
合物が得られる。このように、ナフトイル基含有多価フ
ェノール化合物を単離してもよいし、反応後の反応溶液
をそのままニトロ化反応に用いてもよい。
【0010】ここで用いられるフェノール類としては、
フェノール、クレゾール、キシレノール、nープロピル
フェノール、イソプロピルフェノール、nーブチルフェ
ノール、イソブチルフェノール、アミルフェノール、n
ーヘキシルフェノール、メチルnーブチルフェノール、
シクロヘキシルフェノール、メチルシクロヘキシルフェ
ノール、フェニルフェノール、メトキシフェノール、エ
トキシフェノール、nープロポキシフェノール、nーブ
トキシフェノール等の各種異性体があげられる。また、
ナフトイル化合物としては、ナフトアルデヒド、メチル
ナフトアルデヒド、エチルナフトアルデヒド、nーブチ
ルナフトアルデヒド、nーヘキシルナフトアルデヒド、
シクロヘキシルナフトアルデヒド、メトキシナフトアル
デヒド、エトキシナフトアルデヒド、nープロポキシナ
フトアルデヒド、nーブトキシナフトアルデヒド、ヒド
ロキシナフトアルデヒド、メチルナフチルケトン等の各
種異性体があげられる。
【0011】また、一般式(a)における平均繰り返し
単位数nは、フェノール類とナフトイル化合物の仕込み
モル比や触媒量など合成条件により、任意に調節するこ
とができる。nが0のとき目的物の融点や溶融粘度が最
も低く取扱い易いので好ましい場合が多いが、硬化物の
物性バランスを調整する場合など必要に応じてnを0以
上10以下程度とする、いわゆるより多官能にすること
ができる。
【0012】ナフトイル基含有多価フェノール化合物と
ニトロベンゼン類の反応については塩基性化合物存在
下、フェノール類とニトロベンゼン誘導体とを反応させ
る公知の方法が適用できる。文献を具体的に例示すると
Org.Synth.,445(Vol II)、米国
特許第4538006号明細書、J.Org.Che
m.,33,1245(1968)、J.Org.Ch
em.,50(20),3717(1985)、J.O
rg.Chem.,50(17),3091(198
5)、特開昭61−194055公報、特開昭62−7
0347公報、Macromolecules,25,
64(1992)等があげられる。
【0013】ニトロベンゼン類は通常ナフトイル基含有
多価フェノール化合物の水酸基1当量に対し0.8モル
から1.4モルを使用し、好ましくは0.95モルから
1.1モルの量が使用され、さらに好ましくは0.97
5から1.025モルの量が使用される。この量が0.
8モル未満の時は目的のポリ(ニトロフェノキシフェニ
ル)ナフチルアルカン類の他に水酸基の残存したニトロ
体の占める割合が大きくなり製品の純度が下がる。また
使用量が1.4モルを超えると未反応のニトロベンゼン
類が製品中に残存しやすくなるためそれぞれ好ましくな
い。
【0014】反応に用いる塩基性化合物としては水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムの様な水酸化アルカリ金属
塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの様なアルカリ金属
炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭
酸水素アルカリ金属塩、ナトリウムメチラート、カリウ
ム−t−ブトキシド等のアルコキシド類、水素化リチウ
ム、水素化ナトリウム等の水素化物等が用いられる。こ
れらは単独で用いても良いが、二種以上を併用しても問
題はない。ハロゲン化ニトロベンゼン類を用いる場合に
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの様な塩基性の強
い水酸化アルカリ金属塩を用いることが反応時間短縮や
水溶性不純物が生成しにくいこと等から好ましく、ジニ
トロベンゼン類では炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの様
なアルカリ金属炭酸塩や炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム等の炭酸水素アルカリ金属塩等の弱塩基化合物
を用いることが爆発回避等安全性の面から好ましい。
【0015】反応には公知の触媒を用いることが可能で
ある。例えばOrg.Synth.,445,(Vol
II)に掲載されている方法で調製された活性銅粉あ
るいは銅塩を用いることができる。四級アンモニウム塩
や四級リン塩、クラウンエーテル、ポリエチレングリコ
ール等の環状ポリエーテルや鎖状ポリエーテル、またそ
の末端アルキルエーテル等、含窒素環状ポリエーテルや
含窒素鎖状ポリエーテル、またその末端アルキルエーテ
ル等の層間移動触媒を用いることができる。これらは単
独で用いても良いが、二種以上を併用しても問題はな
い。使用する溶媒としてはジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、1−メチル
−2−ピロリドン、スルホラン、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン等の非プロトン性溶媒が用いられ
る。これらの溶媒の使用量は特に限定はないが通常、原
料に対し1から10倍重量倍の溶媒を用いる。反応中に
水が生成する場合には系外に水を出すために、水と共沸
するトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の炭化水
素、ハロゲン化炭化水素等を加えて共沸脱水を行なう手
法を併用しても良い。
【0016】好ましい製造法の例としては、ニトロベン
ゼン類とナフトイル基含有多価フェノール化合物をジメ
チルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒を用いて、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ存在
下、反応温度40〜110℃で縮合反応を行い、反応
後、反応溶液を水、アルコール等の沈澱可能な溶媒に注
入し目的物を析出させ濾別後、洗浄・濾過を繰り返した
のち、乾燥することにより目的物を製造する方法があげ
られる。。
【0017】第二の発明であるアミン化合物は、ポリ
(アミノフェノキシフェニル)ナフチルアルカン類であ
り、前記第一の発明のニトロ化合物を公知の方法で還元
することで得られる。例えば工業有機化学(東京化学同
人)記載の接触還元法等やChem.Lett.,25
9(1975)記載の塩化第二鉄・六水和物の存在下ヒ
ドラジンで処理する方法があげられる。
【0018】(1)水素を用いる接触還元方法 反応溶媒としては反応に関与しないものであればとくに
限定はないが、例えばイオン交換水、工業用水等の水、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブ
タノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール等のグリコー
ル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、メトキシエタノール、セロソルブアセテート等の
エーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭
化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、
酢酸ブチル、ブチルラクトン等の鎖状または環状エステ
ル類、ジメチルホルムアミドや1−メチル−2−ピロリ
ドン等の非プロトン性極性溶媒等が使用される。これら
は単独で用いても良いが、二種以上を併用しても問題は
ない。溶媒の使用量は原料を完全に溶かす量か、それ以
下の量を用いて原料を懸濁させたまま反応を進めても良
い。通常は原料に対し1〜30重量倍の溶媒が用いられ
る。
【0019】使用される触媒はパラジウム、ニッケル、
白金、コバルト、銅等の金属または坦持触媒、ラネー触
媒を、ポリ(ニトロフェノキシフェニル)ナフチルアル
カン類に対し金属として0.001〜20重量%、好ま
しくは0.005〜5重量%用いる。触媒は予め溶媒に
懸濁させておくか、反応の進行に合わせて徐々に反応系
に加えても良い。必要に応じてトリエチルアミン等のア
ミン類やキノリン、イソキノリン等の含窒素芳香族類化
合物を反応制御のため反応溶媒に対し1ppm〜1重量
%加えることも可能である。反応条件についてはナフタ
レン環自体が容易に還元されてしまうため慎重に設定す
る必要がある。通常反応温度は0〜150℃、圧力は常
圧〜30kg/cm2 の範囲であり好ましくは温度0〜
100℃、圧力は常圧〜10kg/cm2 の範囲であ
る。反応時間は通常4〜24時間程度である。
【0020】(2)ヒドラジンを用いる還元方法 活性炭、セライト、アルミナ、シリカゲル等に坦持させ
た塩化第二鉄・六水和物、白金、パラジウムあるいはラ
ネーニッケル等を触媒として使用することが可能であ
る。これらの中でも塩化第二鉄・六水和物を触媒として
用いる方法が副生成物の生成の低さや大過剰のヒドラジ
ンを必要としない点で好ましい。触媒として使用する塩
化第二鉄・六水和物の量はポリ(ニトロフェノキシフェ
ニル)ナフチルアルカン類のニトロ基1 当量に対し0.
00005〜0.05モル程度であり、好ましくは0.
0005〜0.005モルである。
【0021】また使用する活性炭の量はポリ(ニトロフ
ェノキシフェニル)ナフチルアルカン類に対し1〜20
重量%、好ましくは5〜15重量%である。還元のため
ヒドラジン・一水和物はポリ(ニトロフェノキシフェニ
ル)ナフチルアルカン類のニトロ基1当量に対し化学量
論より1.5倍モル以上必要である。通常は1.5〜3
倍モルの範囲であり、好ましくは1.75〜2.5倍モ
ルである。これらの範囲より少ないと還元されないニト
ロ基が残存する。また過剰に過ぎると溶媒を回収する
際、回収溶媒中にヒドラジンが混入したり洗浄水中に高
濃度のヒドラジンが混入しやすくなりそれぞれ好ましく
ない。反応温度は通常40〜120℃で行われるが、6
0〜90℃の範囲が反応時間や反応制御の面で好まし
い。
【0022】60〜90℃の温度でヒドラジン・一水和
物を1〜10時間の範囲で滴下する。発熱が激しいため
反応スケールが3000ミリリットルを超える時は反応
制御のため2〜5時間の間で滴下するのが好ましい。滴
下終了後、同温で反応が完結するまで保温を続ける。通
常2〜10時間程度で反応は終わる。反応の終点は薄層
クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、G
PC等の測定装置で容易に確認することができる。続い
て濾過操作により活性炭を濾別し、濾液の溶媒を減圧下
に留去し溶媒の回収を行う。流動性を損なわない程度に
濃縮された反応溶液を水、アルコール等の貧溶媒中に排
出するかまたは逆に貧溶媒を濃縮釜内部に滴下して生成
した結晶を濾過する手法で、あるいは溶媒を回収した後
に粗結晶としてポリ(アミノフェノキシフェニル)ナフ
チルアルカン類を得ることができる。結晶を水洗した
後、アルコール系溶媒等の貧溶媒を加えて加熱撹拌した
後、熱時濾過を行うことにより高純度の結晶が得られ
る。更に高純度化が必要な場合はアミンのまま、もしく
は塩酸塩の様な酸性化合物の塩にしてから再結晶により
精製することができる。以上の方法によりナフチル基を
分子中に含有する新規アミン化合物が得られる。
【0023】第三の発明であるイミド化合物は、前記第
二の発明のアミン化合物と不飽和ジカルボン酸無水物を
公知の方法で反応させてイミド化することによって得る
ことができる。例えば、従来の無水酢酸等の脱水剤を用
いてイミド化する公知の方法や、特公平2−58267
号公報に記載されている方法が適用できる。具体的に
は、アミン化合物中のアミノ基1当量に対し、不飽和ジ
カルボン酸無水物を1〜1.3モル用い、芳香族炭化水
素溶媒またはハロゲン化炭化水素溶媒と非プロトン性極
性溶媒の混合溶媒中で付加反応させ、酸性触媒存在下、
80〜200℃の温度範囲で0.5〜10時間脱水閉環
反応を行う。
【0024】本発明で用いられる不飽和ジカルボン酸無
水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸、無水ジクロロマレイン酸およびこれら不
飽和ジカルボン酸無水物とジエン類のディールズ・アル
ダー反応生成物、例えば、無水マレイン酸とシクロペン
タジエン、フランおよびテルピネンとのディールズ・ア
ルダー反応生成物等があげられる。
【0025】芳香族炭化水素溶媒としては、例えばベン
ゼン、トルエン、キシレン等が用いられ、ハロゲン化炭
化水素溶媒としては、例えばクロロホルム、1,2−ジ
クロロエタン、クロルベンゼン等が用いられる。非プロ
トン性極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等が
使用できる。混合溶媒中、芳香族炭化水素溶媒またはハ
ロゲン化炭化水素溶媒と非プロトン性極性溶媒との混合
比は、50:50〜99:1程度である。この混合溶媒
は通常、原料に対して1〜10重量倍で使用される。反
応終了後、反応溶液を貧溶媒に滴下し目的生成物を析出
させ、ついで濾別、洗浄、乾燥させることにより製品が
得られる。
【0026】第三の発明のイミド化合物は、公知の方法
で硬化することができる。例えば、本発明のイミド化合
物は低融点であり単独で加熱溶融することにより強靱な
硬化物を得る。また、低沸点溶媒に高濃度で溶解するの
で、ワニス化が容易でガラスクロスに含浸させた後、短
時間で溶媒を留去しプリプレグが得られる。低沸点溶媒
としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等があ
げられる。得られたプリプレグを数枚積み重ねプレス成
形することで硬化板を得る。
【0027】イミド化合物は、単独で用いることも可能
であるが、架橋反応を促進する目的で、種々の重合開始
剤および触媒を添加することも可能である。また、他種
のイミド化合物やポリイミドを添加することも可能で、
そのほかに、アミン類(ポリアミンも含む)およびアリ
ルフェノール類との付加反応による硬化や、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ビニル化合物、アクリレート、メ
タクリレート、シアン酸エステル、シリコーン樹脂等と
の併用により、目的に応じた変性を行うこともできる。
さらに用途に応じて、シリカ等の充填剤やガラス繊維、
炭素繊維、アラミド繊維等の補強材を用いることができ
る。
【0028】
【発明の効果】本発明のイミド化合物は、従来のビスマ
レイミド化合物と比較して、これを成形、硬化して得ら
れる成形物の耐熱性が優れるのみならず、イミド化合物
が低沸点溶媒に高濃度で溶解するので接着剤、塗料、プ
リプレグ、積層板、成形材料、注型材料など幅広い分野
に使用することができる。また、本発明のアミン化合物
は、上記の特徴を有するイミド化合物の製造中間体とし
て有用なものである。さらにまた、本発明のニトロ化合
物は、上記のアミン化合物の製造中間体として有用なも
のである。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 実施例1 ニトロ化合物の合成 撹拌装置、温度計および冷却器の付いた1リットル四ツ
口フラスコに2,6−キシレノール 110.0g
(0.900モル)、p−トルエンスルホン酸・1水和
物 7.79g(0.041モル)、1−ナフトアルデ
ヒド 64.0g(0.401モル)およびトルエン
110gを仕込み、還流温度122℃まで昇温し、5時
間保温した。この間反応により生成する水は共沸脱水管
により反応系外に留去し、トルエンは反応系内に連続的
に戻した。反応終了後、内温80℃で10%水酸化ナト
リウム水溶液 17.2g(0.043モル)を添加し
中和した。その後、ジメチルスルホキシド194.2g
を加え、内温140℃でトルエンを減圧留去した。内温
80℃まで冷却し96%水酸化カリウム 45.8g
(0.816モル)を加え、内温100℃で1時間撹拌
溶解した。その後、p−クロロニトロベンゼン 13
8.7g(0.880モル)を仕込み、100℃で21
時間保温した。保温終了後、ジメチルスルホキシド 3
00gを仕込み室温まで冷却した。この溶液を、高速撹
拌している水 2000gに注入し、結晶を析出させ
た。結晶を濾別後、メタノール 1250gで2回洗浄
し、80℃で減圧乾燥することにより黄色結晶(PNX
Nとする。)210gを得た。
【0030】1H−NMR(クロロホルムd3 )δ(p
pm)は、2.05(s12H)、6.23(s1
H)、7.44(dd4H)、7.51(dd4H)、
6.93(s4H)、7.41〜7.51(m4H)、
7.87〜8.07(m3H)であった。IR(KBr
錠)は、1340cm-1および1580〜1600cm
-1(ニトロ基)に特徴的な吸収がみられた。FD−MS
分析の結果、目的物の分子量に相当する624のフラグ
メントが認められた。GPC分析による目的物の平均繰
り返し単位数n(一般式(a)参照)は0であった。
【0031】実施例2 アミン化合物の合成 撹拌装置、温度計および冷却器の付いた2リットル四ツ
口フラスコにPNXN190g(0.305モル)、活
性炭 19g、塩化第二鉄・6水和物 1.0g(0.
366ミリモル)およびメチルセロソルブ 950gを
仕込み、内温120℃で30分撹拌した後、80℃まで
降温した。ヒドラジン・1水和物 61.0g(1.2
2モル)を1時間で滴下し、80℃で3時間保温した
後、熱濾過、メチルセロソルブ 200gで洗浄し、活
性炭を除去した。濾液を80℃で減圧濃縮し、トルエン
に注入することで結晶を析出させた。結晶を濾別後、ト
ルエン 500gで2回洗浄し、80℃で減圧乾燥する
ことで、白色結晶(PAXNとする。)92gを得た。
【0032】1H−NMR(クロロホルムd3 )δ(p
pm)は、2.04(s12H)、3.32(s4
H)、6.14(s1H)、6.56(s8H)、6.
83(s4H)、7.40(dd2H)、7.36〜
7.46(m3H)、7.83〜8.08(m2H)で
あった。IR(KBr錠)は、3350〜3450cm
-1(アミノ基)に特徴的な吸収がみられた。FD−MS
分析の結果、目的物の分子量に相当する564のフラグ
メントが認められた。GPC分析による目的物の平均繰
り返し単位数n(一般式(b)参照)は0であった。
【0033】実施例3 イミド化合物の合成 撹拌装置、温度計および冷却器の付いた500ミリリッ
トル四ツ口フラスコに無水マレイン酸 32.4g
(0.33モル)、アセトン 76gを仕込み撹拌溶解
した。この溶液に、あらかじめPAXN 84.4g
(0.15モル)をアセトン 287gに溶解した溶液
を内温20℃で1時間かけて滴下し、さらに6時間保温
した。酢酸ニッケル・4水和物 0.32g(0.00
13モル)、トリエチルアミン 9.1g(0.09モ
ル)を仕込み、内温40℃で無水酢酸 39.8g
(0.39モル)を1時間かけて滴下し、40℃で11
時間反応した。反応終了後、反応液を高速撹拌している
水 1500gに滴下し結晶を析出させた。結晶を濾別
後、水 1500g続いて、メタノール 500gで洗
浄し、60℃で減圧乾燥することで黄色結晶(PAXN
−Mとする。)102gを得た。
【0034】1H−NMR(クロロホルムd3 )δ(p
pm)は、2.07(s12H)、6.12(s1
H)、6.77(s4H)、6.88(s4H)、7.
03(dd8H)、7.41(dd2H)、7.39〜
7.50(m3H)、7.85〜8.08(m2H)で
あった。IR(KBr錠)は、1710cm-1(イミド
環由来)に特徴的な吸収がみられた。FD−MS分析の
結果、目的物の分子量に相当する724のフラグメント
が認められた。GPC分析による目的物の平均繰り返し
単位数n(一般式(c)参照)は0であった。PAXN
−Mの溶解性テストの結果を表1に示した。表1から明
らかなように、本発明のイミド化合物は従来のマレイミ
ドと比較して低沸点溶媒に高濃度で溶解するので、幅広
い分野に使用することができる。
【0035】
【表1】 (注) 1.溶解性は25℃における溶解度(溶液100グラム
中の溶質のグラム数)を示す。◎:溶解度50以上、
○:溶解度40、×:溶解度10以下 2.略称の意味 BMI:N,N’−4,4’−ジフェニルメタンビスマ
レイミド MIBK:メチルイソブチルケトン THF:テトラヒドロフラン
【0036】応用例1 実施例3で得られたPAXN−M20重量部およびトリ
フェニルホスフィン0.5重量部をメチルセロソルブ8
0重量部に室温にて撹拌溶解し均一なワニスを得た。こ
のワニスをガラスクロス(カネボウ(株)製 KS−1
600)に含浸させ、160℃で10分間オーブン中で
乾燥しプリプレグを得た。得られたプリプレグから樹脂
脂粉を揉み落とし、樹脂粉を200℃で5時間プレス成
形することで均一な硬化物を得た。この硬化物のガラス
転移温度は183℃(熱機械分析法で測定)であった。
【0037】比較応用例1 応用例1おいてANPA−Mの代わりにN,N’−4,
4’−ジフェニルメタンビスマレイミドを用いて同一条
件下でワニス化を試みたが結晶が完全に溶解せず均一な
ワニスが得られなかった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】反応には公知の触媒を用いることが可能で
ある。例えばOrg.Synth.,445,(Vol
II)に掲載されている方法で調製された活性銅粉あ
るいは銅塩を用いることができる。四級アンモニウム塩
や四級リン塩、クラウンエーテル、ポリエチレングリコ
ール等の環状ポリエーテルや鎖状ポリエーテル、またそ
の末端アルキルエーテル等、含窒素環状ポリエーテルや
含窒素鎖状ポリエーテル、またその末端アルキルエーテ
ル等の層間移動触媒を用いることができる。これらは単
独で用いても良いが、二種以上を併用しても問題はな
い。使用する溶媒としてはジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、1−メチル
−2−ピロリドン、スルホラン、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン等の非プロトン性溶媒が用いられ
る。これらの溶媒の使用量は特に限定はないが通常、原
料に対し1から10倍重量の溶媒を用いる。反応中に
水が生成する場合には系外に水を出すために、水と共沸
するトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の炭化水
素、ハロゲン化炭化水素等を加えて共沸脱水を行なう手
法を併用しても良い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】応用例1 実施例3で得られたPAXN−M20重量部およびトリ
フェニルホスフィン0.5重量部をメチルセロソルブ8
0重量部に室温にて撹拌溶解し均一なワニスを得た。こ
のワニスをガラスクロス(カネボウ(株)製 KS−1
600)に含浸させ、160℃で10分間オーブン中で
乾燥しプリプレグを得た。得られたプリプレグから樹脂
を揉み落とし、樹脂粉を200℃で5時間プレス成形
することで均一な硬化物を得た。この硬化物のガラス転
移温度は183℃(熱機械分析法で測定)であった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】比較応用例1 応用例1においてPAXN−Mの代わりにN,N'
4,4' −ジフェニルメタンビスマレイミドを用いて同
一条件下でワニス化を試みたが結晶が完全に溶解せず均
一なワニスが得られなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(a) 【化1】 (式中、R1 およびR3 は、炭素数6以下のアルキル基
    もしくはシクロアルキル基、フェニル基または炭素数4
    以下のアルコキシ基を示し、かつR1 およびR3は互い
    に同一であっても異なっていてもよい。R2 は水素原子
    または炭素数6以下のアルキル基もしくはシクロアルキ
    ル基を示す。R4 は炭素数6以下のアルキル基もしくは
    シクロアルキル基、炭素数4以下のアルコキシ基または
    水酸基を示す。LおよびMは0〜4、Pは0〜7の整数
    を示し、R4 の置換位置はナフタレン核内で特に限定さ
    れない。R1 、R3 またはR4 が複数の場合互いに同一
    であっても異なっていてもよい。平均繰り返し単位数n
    は0〜10である。)で表されるニトロ化合物。
  2. 【請求項2】一般式(b) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、L、M、Pおよびn
    の意義は一般式(a)の場合と同じである。)で表され
    るアミン化合物。
  3. 【請求項3】一般式(c) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、L、M、Pおよびn
    の意義は一般式(a)の場合と同じである。Dは重合可
    能な不飽和二重結合を有する炭素数2〜24の二価の有
    機基を示す。)で表されるイミド化合物。
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