JPH0686681A - Pha菌体内分解酵素 - Google Patents

Pha菌体内分解酵素

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JPH0686681A
JPH0686681A JP4279099A JP27909992A JPH0686681A JP H0686681 A JPH0686681 A JP H0686681A JP 4279099 A JP4279099 A JP 4279099A JP 27909992 A JP27909992 A JP 27909992A JP H0686681 A JPH0686681 A JP H0686681A
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JP
Japan
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dna
pha
intracellular
degrading
gene
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JP4279099A
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English (en)
Inventor
Mitsusane Saito
光實 斉藤
Haruhisa Saegusa
治久 三枝
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Denka Co Ltd
Kanagawa University
Original Assignee
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Kanagawa University
Denki Kagaku Kogyo KK
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Filing date
Publication date
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生分解性プラスチックとして期待され、微生
物が蓄積する脂肪族ポリエステルであるポリヒドロキシ
アルカノエート(PHA)利用のため、PHA菌体内分
解酵素の遺伝子を解明するとともにその酵素を単離・精
製し、その性質等を調べ、PHAの分解経路をはじめ、
その有効な阻害剤を見出す助けとする。 【構成】 微生物の染色体DNAからPHA菌体内分解
酵素遺伝子を単離・クローニングし、次に得られたPH
A分解活性を有するポリペプチドをコードするDNAの
塩基配列を決定する。配列の決定したDNA又はその断
片から組換え体DNA、形質転換体、及び酵素の製造法
が提供される。 【効果】 微生物のPHA分解遺伝子を含むDNAの塩
基配列を解析し、PHA分解酵素を大量に得ることが出
来、PHA分解酵素の性質を検討することが可能にな
り、PHAの産生効率の向上に役立てることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリヒドロキシアルカ
ノエート(以下、PHAと略す)分解活性を有するポリ
ペプチドをコードするDNA、そのDNAとベクターD
NAとよりなる組換え体DNA、その組換え体DNAで
形質転換せしめられた形質転換体、及び該形質転換体を
利用したPHA菌体内分解酵素の製造法に関する。ま
た、こうして得られた分解酵素の性質を検討し、その有
効な阻害剤を見出し、それを培養液中に添加することに
より、PHA産生効率を高められることが期待される。
同時にPHA菌体内分解酵素をコードするDNAを用い
て、その欠損株を取得することも容易に行うことができ
る。本発明は、特にポリヒドロキシアルカノエートのう
ちポリ−3−ヒドロキシブチレート(以下、PHBと略
す)分解活性を有するポリペプチドをコードするDN
A、そのDNAとベクターDNAとよりなる組換え体D
NA、その組換え体DNAで形質転換せしめられた形質
転換体、及び該形質転換体を利用したPHA菌体内分解
酵素の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】PHA
は微生物が細胞内封入体(inculusion bo
dy)として蓄積する脂肪族ポリエステルであり、環境
中に存在する微生物により容易に分解されることから生
分解性プラスチックとして期待されている。このPHA
を産生する微生物については様々な研究が成され、特に
生合成経路は比較的よく調べられているが、分解経路に
ついては不明な点が多く、PHA菌体内分解酵素を単離
・精製しその性質等を調べるには至っていない。また、
PHAを菌体内に蓄積させる際この分解活性を抑えるこ
とにより、その産生効率の向上が期待される。
【0003】このような状況のもとで、本発明者らは、
鋭意研究を行ない、その結果PHAのうちの一つである
PHB産生微生物の一種であるズーグロエア・ラミゲラ
よりPHB菌体内分解酵素を遺伝子組換えの手法で単離
するとともに、その遺伝子を用いた組換えDNAで形質
転換せしめたPHB菌体内分解酵素高生産性の組換え微
生物を取得した。本発明者らは更に研究を進め、前記組
換え手法で得られたPHAのうちの一つであるPHB菌
体内分解に関与する遺伝子の塩基配列の決定を試みそれ
に成功すると共に、PHB菌体内分解に直接関与する遺
伝子部分を特定化した。さらに本発明者らは、このよう
にして育種した組換え微生物がPHB菌体内分解酵素を
著量生産することを見出した。こうして、本発明者ら
は、PHBはPHAのうちの一つであることからPHA
産生微生物の一種である微生物よりPHA菌体内分解酵
素を遺伝子組換えの手法で単離することができることを
認識するとともに、その遺伝子を用いた組換えDNAで
形質転換せしめたPHA菌体内分解酵素高生産性の組換
え微生物を取得し得るとの考えに到達した。そしてPH
A菌体内分解に関与する遺伝子の塩基配列の決定をする
と共に、PHA菌体内分解に直接関与する遺伝子部分を
特定化することが出来ること、さらにこのようにして育
種した組換え微生物がPHA菌体内分解酵素を著量生産
しうるものであるとの考えのもとに本発明を完成した。
【0004】即ち、本発明は、(1) ポリヒドロキシ
アルカノエート(PHA)分解活性を有するポリペプチ
ドをコードするDNA、(2) 上記(1)のDNAを
ベクターに組み込んでなる組換え体DNA、(3) 上
記(2)の組換え体DNAで形質転換せしめられた形質
転換体、(4) 上記(3)の形質転換体を培養し、得
られた組換え体からPHA菌体内分解酵素を採取するこ
とを特徴とするPHA菌体内分解酵素の製造法に関す
る。特に、本発明は、(5) 配列表の配列番号1に示
した塩基配列の第395番目から第1151番目に対応
して示したアミノ酸配列またはそれと実質的に同等の機
能を有するポリペプチドあるいは配列番号1に示した塩
基配列の第3173番目から第3956番目に対応して
示したアミノ酸配列またはそれと実質的に同等の機能を
有するポリペプチドをコードするDNA、あるいは配列
表の配列番号1に示した塩基配列の第395番目から第
1151番目または第3173番目から第3956番目
あるいはそれらと実質的に同等の機能を有する塩基配列
を有するDNA、(6) 上記(5)のDNAをベクタ
ーに組み込んでなる組換え体DNA、(7) 上記
(6)の組換え体DNAで形質転換せしめられた形質転
換体、(8) 上記(7)の形質転換体を培養し、得ら
れた組換え体からPHA菌体内分解酵素を採取すること
を特徴とするPHB菌体内分解酵素の製造法に関する。
ここでポリヒドロキシアルカノエート(PHA)とは、
代表的にはヒドロキシアルカノエートモノマーにおける
炭素数3〜12程度のものであり、例えばポリヒドロキ
シアルカノエートあるいはエステルが挙げられるほか、
ポリヒドロキシアルカノエートのホモポリマーのみでな
く、広くその共重合体、例えば3−ヒドロキシブチレー
トと炭素数3〜12程度のその他のヒドロキシアルカノ
エートとの共重合体などをいうことができる。しかし、
これらに限定すること無く、本発明の目的の範囲内であ
れば広く当業者に知られたものを含んでいてよく、例え
ば、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−
ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシバリレー
トおよびポリ−3−ヒドロキシオクタノエートなど、ポ
リ−4−ヒドロキシブチレートなどが好ましく、特にポ
リ−3−ヒドロキシブチレートが好ましい。
【0005】以下、本発明を更に詳細に説明する。 (1)PHA菌体内分解酵素に関与する遺伝情報を担う
DNAの単離 本発明のPHA菌体内分解活性を有するポリペプチドを
コードするDNA(以下、単にPHA分解遺伝子ともい
う。)は、PHAの分解に関与する遺伝情報を担うDN
Aから製造することができる。このPHAの分解に関与
する遺伝情報を担うDNAとしては、例えばPHAの分
解に関与する遺伝情報を担うDNAを有する微生物、具
体的にはズーグロエア属細菌から得られるものが挙げら
れる。このPHA菌体内分解遺伝子は、PHAの分解に
関与する遺伝情報を担うDNAを有する微生物の染色体
DNAから、公知のPHA菌体内分解酵素に関与する遺
伝情報を担うDNAの塩基配列のうちの一部をプローブ
として利用したハイブリダイゼーションの手法などによ
り単離取得することが出来る。また、このDNAは、そ
れが一旦単離取得されたならば、慣用方法に従ってその
DNA中の塩基配列の大部分あるいは一部分を利用し
て、それをプローブとして用いて、他の生物を検索し
て、その生物の保有する遺伝子のうちに、PHAの分解
に関与する遺伝情報を担うものを見つけ出し、次にその
ようにして同定された遺伝子を遺伝子組換え技術の手法
を応用して切り出して、それを大量に得、それをこの当
初のPHAの分解に関与する遺伝情報を担うDNAを有
する微生物に由来するものと同様に用いることは、当業
者であれば容易に理解し得るところのものである。
【0006】また、本発明のPHAの菌体内分解に関与
する遺伝情報を担うDNA源としては、上記したような
手法の適用できるグラム陰性あるいはグラム陽性細菌で
あってPHA菌体内分解酵素をコードする遺伝子を有す
るものがあげられる。この他にも、PHA分解遺伝子を
有するものであれば、動物、植物、下等生物、高等生物
の区別なく利用することが可能である。PHA分解遺伝
子源として使用しうる微生物としては、ズーグロエア
属、アルカリゲネス属、ロドバクター属、あるいは、ロ
ドスビリルム属に属するものが挙げられる。 (2)PHA菌体内分解酵素をコードするDNAの塩基
配列の決定 次に単離取得されたPHA菌体内分解活性を有するポリ
ペプチドをコードするDNA領域を含む部分は、これを
当業者によく知られたベクターに結合し大腸菌などの宿
主細胞を用い、得られた組換え体コロニーをハイブリダ
イゼーションの手法など、例えば、コロニーハイブリダ
イゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、
ハイブリダイゼーション・トランスレーションアッセイ
法、プラス・マイナス法などによってにより同定して、
当該染色体由来のPHA菌体内分解活性を有するポリペ
プチドをコードするDNAを大量に調製する。次にこう
して得られたPHA菌体内分解活性を有するポリペプチ
ドをコードするDNA部分を再度当業者によく知られた
ベクターに結合し大腸菌などの宿主細胞に導入し、得ら
れた組換え体をPHA菌体内分解酵素活性測定系にか
け、得られたクローンを検定して、PHA菌体内分解酵
素活性を有する形質転換体をうる。次にこの形質転換体
からPHA菌体内分解活性を有するポリペプチドをコー
ドするDNA領域を含む部分を制限酵素を用いて切りだ
す。
【0007】上記形質転換体からの組換え体DNAおよ
び目的のPHA分解遺伝子を持つDNA断片の調製は通
常の方法を用いて行うことができる。例えば、培地中で
増殖させた該形質転換体を収穫し、細胞壁をリゾチーム
処理等の細胞破壊法として知られた方法により壊し、次
に核酸画分を分離した後、密度勾配遠心などの方法によ
り所望の画分に分ける。こうして得られたプラスミドを
含有する画分は、次に適当な制限酵素で処理することに
より、適度な断片にすることができると共にまた選択的
に所望のPHA菌体内分解活性を有するポリペプチドを
コードするDNA断片とすることができる。DNAの塩
基配列を決定するのに適した程度まで断片化されたDN
Aは、次に当該分野でよく知られた方法により処理され
てその塩基配列を決定することができる。DNA断片の
DNA塩基配列の決定法としては、Maxam−Gil
bert法、ジデオキシ・シークエンス法、ジデオキシ
・チェイン・ターミネーション法(Sanger,Sc
ience,214,1205(1981))等があげ
られる。このような方法の内には、適当な制限酵素を作
用させ、制限酵素地図を作製した上で、必要な断片をサ
ブクローン化する方法や、ショットガン・クローニング
法、PCRにより遺伝子を増幅する方法、核酸分解酵素
によりディリーションする方法などの様々な手法が含ま
れていることはもちろんである。次に、こうしてDNA
塩基配列の決定されたDNAのうちからPHA菌体内分
解活性を有するポリペプチドをコードしているDNA領
域を決定する。決定したDNA塩基配列の中でオープン
・リーディング・フレームを検索する。その中でPHA
菌体内分解酵素をコードすると思われるDNA領域を制
限酵素で切り出し、再度これを用いて発現ベクターを構
築し、それを適当な宿主中で発現させ、こうして得られ
た発現物中の活性をPHA菌体内分解酵素活性測定系に
かけて検討し、最終的に確認される。
【0008】上記のようにして構造解析されたDNAか
ら、PHA菌体内分解酵素をコードするDNA以外の領
域を除くには、様々な方法でPHAの分解に不必要な領
域を欠失させることによってなすことができる。このよ
うな方法としては、BAL31ヌクレアーゼやエキソヌ
クレアーゼIIIによる欠失法、制限酵素切断サイトを
利用した組換え法などがあげられる。この際、本発明に
従えば遺伝子の固有のプロモーターを他のものに変更し
たり、部位特異的変異を導入してプロモーターの強度を
変化させることが、現在の遺伝子操作技術を用いること
により、容易に行いうる。従って、そのように一部を変
更したDNA断片であっても、PHA菌体内分解活性を
示すポリペプチドをコードするDNAを含むDNA断片
であれば、全て本発明に含まれることは明白である。ま
た、本発明のPHA菌体内分解活性を示すポリペプチド
をコードするDNAを含むDNA断片としては、PHA
菌体内分解活性を示すポリペプチドをコードするDNA
に加えて、その遺伝子を生体内で発現させるのに重要な
役割を担う制御領域、例えば、遺伝子の転写プロモータ
ー、リボソーム結合部位、転写のターミネーターなどを
コードするDNAをも含んだものがあげられる。
【0009】本発明に従えば、一旦そのPHA菌体内分
解活性を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基
配列が明らかにされることにより、その機能を損なわな
い範囲でその塩基の置換あるいは欠失を当該分野におい
てよく知られた方法を適用して容易に行なうことができ
る。例えば、相当するアミノ酸をコードする遺伝暗号の
縮重を利用したもの、生物の遺伝暗号の利用率を考慮し
た変換あるいはPHA分解の機能に悪影響を及ぼさない
ようなアミノ酸配列の変換のための塩基の置換、付加ま
たは欠失処理などがあげられる。更にまた、このような
改変のうちには、PHA分解の活性中心のみを保存し、
その他の部分を大幅に変化させるようにそのDNAの配
列及び長さを変えることも含まれる。従って、本発明の
PHA菌体内分解酵素をコードするDNAとしては、以
上のような改変を施したものすべてが含まれることは当
業者であれば容易に理解し得るところのものである。以
上のような事情に鑑み、本発明のPHA菌体内分解酵素
をコードするDNAは、本発明の思想を実質的に利用し
て得られ、本発明のDNAと実質的に同一の機能を有す
るものすべてを含有するものである。
【0010】(3)PHA分解遺伝子を持つ組換え体D
NAの作製 PHAの分解に関与する遺伝情報を担うDNAを含む断
片から、適当な手段を施してDNA合成に不必要な領域
を欠失させたDNAは、それを適当なベクターDNAに
再び組み込むことにより、宿主細胞に再び導入すること
が出来る。本発明の上記PHA菌体内分解酵素をコード
するDNAを宿主細胞に導入し、そしてそれをその導入
された宿主細胞内で発現させるために用いられるベクタ
ーDNAとしては、適当な宿主細胞内で、PHA分解遺
伝子を発現できるものであれば特に制限なく使用し得
る。このようなベクターDNAとしては、上記PHA菌
体内分解酵素をコードするDNAを組み込むことの出来
るものであり、組換えたベクターDNAで宿主細胞を形
質転換できるものであり、そして得られた形質転換体の
細胞内で導入されたPHA菌体内分解酵素をコードする
DNAの発現ができるものであれば特に限定されず、如
何なるものも使用することが出来る。このようなベクタ
ーDNAとしては、宿主細胞中で自律複製可能であり、
さらに組換え宿主細胞のみを選別できるような適当な選
択マーカーなどが付与されたものがあげられる。さらに
また、このようなベクターDNAは公知のベクターDN
A等から当業者が容易に製造し得るようなものであって
もよい。このようなベクターDNAとしては、例えばプ
ラスミドベクター、ファージベクター、コスミドベクタ
ーから選ばれたものがあげられる。また、このようなベ
クターDNAは他の宿主株との間で遺伝子交換が可能な
シャトルベクターであってもよいし、ランナウェイベク
ターやスリーパーベクターなど遺伝子産物の発現効率を
向上せしめるために特別に工夫されたものであってもよ
い。さらに、このようなベクターDNAは、lacUV
5プロモーター、trpプロモーター、tacプロモー
ター、lppプロモーター、tufBプロモーター、r
ecAプロモーター、Pプロモーター等の制御因子を
適宜付与されたものであってもよい。このような形質発
現などに係わる因子等を導入するためには、遺伝子組換
え技術の分野でよく知られた方法を適宜選択して適用す
ることにより行うことができる。上記ベクターDNA
に、上記PHA菌体内分解酵素をコードするDNAを組
み込むには、まず、上記ベクターDNAに適当な制限酵
素を作用させ、得られたベクターDNA断片を、上記P
HA菌体内分解酵素をコードするDNA断片とを混合
し、これにDNAリガーゼを作用させることによりなし
うる。この際、必要に応じ当該分野で知られたリンカー
付与、ブラントエンド化等の処理を加えることもでき
る。このようにして得られた組換え体DNAは次に適当
な宿主細胞の中に導入される。
【0011】(4)複数のPHA分解遺伝子を持つ組換
え体DNAの作製 同一のプラスミド上に複数のPHA分解遺伝子を組み込
めば、より良好な結果が得られる。複数のPHA分解遺
伝子を組み込む際のその様式は、固有のプロモーターを
持つPHA分解遺伝子が複数個導入されていてもよい
し、複数のPHA分解遺伝子がポリシストロニックに転
写されるオペロンとして導入されていてもよいし、また
これらの組み合わせであってもよい。導入する遺伝子の
数に特に制限はなく、組換え体DNA及びそれを含む形
質転換体の安定性を損なわない範囲であればよい。組換
え体DNAを作製する場合、このための技術としては制
限酵素による切断、リガーゼによる連結、化学合成DN
Aの利用、ヌクレアーゼによる欠失、部位特異的変異に
よる塩基置換など、通常の遺伝子操作で用いられる技術
を適宜選択して適用することにより行なうことができる
が、この際に、プロモーターの変更やその他のPHA分
解遺伝子を発現させるための塩基配列の改変を行っても
よい。このようにして得られた組換え体DNAは次に適
当な宿主細胞の中に導入される。
【0012】(5)組換え体DNAの宿主細胞への導入 上記のようにして作製した組換え体DNAを導入するた
めの宿主細胞としては、上記で得られた組換えベクター
でもって形質転換されて、PHA分解遺伝子を発現させ
ることができるようなものであれば、特に制限なく使用
することが出来る。このような宿主細胞としては、本発
明の目的に沿ってPHA分解遺伝子の発現を達成し得る
限り、グラム陰性菌あるいはグラム陽性菌の区別なく、
さらには、下等細胞あるいは高等細胞の区別なく、動物
由来細胞であろうと植物由来細胞であろうと使用でき
る。組換え体DNAを導入するためには、組換え体DN
Aをコンピテント細胞に接触せしめる、エレクトロポレ
ーション、インビトロパッケージング法などを用いて適
当な増殖期にある宿主に、組換えファージベクターを感
染させる方法等など当業者によく知られた方法から適宜
選択して用いることが出来る。
【0013】(6)形質転換体によるPHA菌体内分解
酵素の製造 本発明により得られたPHA菌体内分解酵素産生形質転
換体は、適当な栄養培地中で培養することにより、それ
を大量に得ることができる。培養に用いられる培地は微
生物の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物質等を含む
通常の培地である。更に、ビタミン、アミノ酸等の有機
微量栄養素を添加すると望ましい結果が得られる場合が
多い。培養は、好気的条件下でpH4〜10、温度20
〜60℃の任意の範囲に制御して1〜3日間培養を行え
ばよい。形質転換体を用いる場合、使用する菌株に応じ
てアンピシリン、クロラムフェニコール等の抗生物質を
培養液に添加してもよい。大量に培養して得たPHA菌
体内分解酵素産生形質転換体の細胞からPHA菌体内分
解酵素を単離精製するにあたっては、まず、生物体を機
械的方法、酵素処理方法、自己溶解法、超音波処理法な
どの方法によって破壊し、粗抽出液を得、ついでこれを
硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウムなどの塩析剤ある
いはアセトン又はエタノールなどの溶媒による蛋白質沈
澱法、電気泳動法、ゲル濾過法あるいは分子ふるいクロ
マトグラフィー法、限外濾過法、逆相クロマトグラフィ
ー法、高速液体クロマトグラフィー法、イオン交換クロ
マトグラフィー法、アフィニティクロマトグラフィー
法、吸着クロマトグラフィー法、などの方法を単独ある
いは適宜組み合わせて用いて適用することにより行うこ
とが出来る。
【0014】以下、本発明のPHA菌体内分解酵素のう
ち特にPHB菌体内分解酵素を例に挙げて更に詳細に説
明する。 (A)PHB菌体内分解酵素に関与する遺伝情報を担う
DNAの単離 本発明のPHB分解活性を有するポリペプチドをコード
するDNA(以下、単にPHB分解遺伝子ともいう。)
としては、配列表の配列番号1に示した塩基配列の第3
95番目から第1151番目に対応して示したアミノ酸
配列またはそれと実質的に同等の機能を有するポリペプ
チドあるいは配列番号1に示した塩基配列の第3173
番目から第3956番目に対応して示したアミノ酸配列
またはそれと実質的に同等の機能を有するポリペプチド
をコードするDNAが挙げられる。また、好ましくは配
列表の配列番号1に示した塩基配列の第395番目から
第1151番目または第3173番目から第3956番
目あるいはそれらと実質的に同等の機能を有する塩基配
列をコードするDNAを挙げることができる。特には、
配列表の配列番号1に示した塩基配列の第395番目か
ら第1151番目に対応して示したアミノ酸配列をコー
ドするDNAあるいは配列表の配列番号1に示した塩基
配列の第3173番目から第3956番目に対応して示
したアミノ酸配列をコードするDNAを挙げることがで
きる。また配列表の配列番号1に示した塩基配列の第3
95番目から第1151番目をコードするDNAあるい
は配列表の配列番号1に示した塩基配列の第3173番
目から第3956番目をコードするDNAが好ましい。
これらのDNAは、PHBの分解に関与する遺伝情報を
担うDNAを、例えば染色体DNAとして有する微生
物、特には細菌から取り出して製造することができる。
このPHBの分解に関与する遺伝情報を担うDNA有す
る微生物としては、例えばズーグロエア属細菌から得ら
れたものが挙げられる。このズーグロエア属細菌として
はPHB産生ズーグロエア属細菌株であれば特に限定さ
れないが、特に好ましいものとしてはズーグロエア・ラ
ミゲラ(Zoogloea ramigera)I−1
6−Mを挙げることができる。また、このDNAは、そ
れが一旦単離取得されたならば、慣用方法に従ってその
DNA中の塩基配列の大部分あるいは一部分を利用し
て、それをプローブとして用いて、他の生物を検索し
て、その生物の保有する遺伝子のうちに、PHBをはじ
めとしてPHAの分解に関与する遺伝情報を担うものを
見つけ出し、次にそのようにして同定された遺伝子を遺
伝子組換え技術の手法を応用して切り出して、それを大
量に得、それをこのズーグロエア属細菌に由来するもの
と同様に用いることは、当業者であれば容易に理解し得
るところのものであることは上記したと同じである。
【0015】従って、本発明のPHBの菌体内分解に関
与する遺伝情報を担うDNA源としては、ズーグロエア
属細菌のみでなく、上記したような手法の適用できるグ
ラム陰性あるいはグラム陽性細菌であってPHB菌体内
分解酵素をコードする遺伝子を有するものがあげられ
る。このような細菌としては、アルカリゲネス属細菌、
ロドバクター属細菌、あるいは、ロドスビリルム属細菌
なども利用できよう。この他にも、PHB分解遺伝子を
有するものであれば、動物、植物、下等生物、高等生物
の区別なく利用することが可能であることは上記したと
同じであるが、シュードモナス属細菌なども利用できよ
う。PHB分解遺伝子源として好ましい微生物としては
上記したズーグロエア属、アルカリゲネス属、ロドバク
ター属、あるいは、ロドスビリルム属に属するものが挙
げられる。このようなものの代表的な例としてはズーグ
ロエア・ラミゲラI−16−M、アルカリゲネス・ユー
トロファス(Alcaligenes eutroph
us)ATCC17699、ロドバクター・スファエロ
イズATCC17023、ロドスビリルム・ルブラムH
aDSM107、及びロドスビリルム・ルブラムS1D
SM467などを挙げることができる。
【0016】(B)PHB菌体内分解酵素をコードする
DNAの塩基配列の決定 次にズーグロエア属細菌由来のPHB菌体内分解に関与
する遺伝子を含むDNAを例にあげて、PHB菌体内分
解酵素をコードするDNAの単離及びその塩基配列の決
定法について説明する。ここで使用しうるズーグロエア
属細菌由来のPHB菌体内分解に関与する遺伝子の供給
株としては、具体的にはズーグロエア・ラミゲラI−1
6−Mよりクローン化されたPHB分解遺伝子を含む約
9.3KbのBamHI/BamHI断片を組み込んだ
プラスミドDNAをもつ形質転換体大腸菌C600のほ
か、約6.2KbのBamHI/SalI断片を組み込
んだプラスミドDNAをもつ形質転換体大腸菌C600
(pZD034)があげられる。また、約3.4Kbの
EcoRI/EcoRI断片を組み込んだプラスミドD
NAをもつ形質転換体大腸菌C600(pZD010)
および約2.8KbのSmalI/SalI断片を組み
込んだプラスミドDNAをもつ形質転換体大腸菌C60
0(pZD020)もあげられる。この約6.2Kbの
BamHI/SalI断片を組み込んだプラスミドDN
Aをもつ形質転換体大腸菌C600(pZD034)株
は工業技術院微生物工業技術研究所に、微工研菌寄第1
3133号(FERM P−13133)として寄託さ
れている。
【0017】上記形質転換体からの組換え体DNAおよ
び目的のPHB分解遺伝子を持つDNA断片の調製は上
記したように通常の方法を用いて行うことができる。上
記したようにDNAの塩基配列を決定するのに適した程
度まで断片化されたDNAは、次に当該分野でよく知ら
れた方法により処理されてその塩基配列を決定すること
ができる。DNA断片のDNA塩基配列の決定法として
は、上記した方法等があげられる。次に、こうしてDN
A塩基配列の決定されたDNAのうちからPHB菌体内
分解活性を有するポリペプチドをコードしているDNA
領域を決定し、決定したDNA塩基配列の中でオープン
・リーデイング・フレームを検索する。その中でPHB
菌体内分解酵素をコードすると思われるDNA領域を制
限酵素で切り出し、再度これを用いて発現ベクターを構
築し、それを適当な宿主中で発現させ、こうして得られ
た発現物中の活性を検討して最終的に確認される。上記
のようにして構造解析されたDNAから、PHB菌体内
分解酵素をコードするDNA以外の領域を除くには、様
々な方法でPHBの分解に不必要な領域を欠失させるこ
とによってなすことができる。このような方法として
は、上記した方法等があげられる。この際、本発明に従
えば遺伝子の固有のプロモーターを他のものに変更した
り、部位特異的変異を導入してプロモーターの強度を変
化させることが、現在の遺伝子操作技術を用いることに
より、容易に行いうる。従って、そのように一部を変更
したDNA断片であっても、PHB菌体内分解活性を示
すポリペプチドをコードするDNAを含むDNA断片で
あれば、全て本発明に含まれることは明白である。
【0018】また、本発明のPHB菌体内分解活性を示
すポリペプチドをコードするDNAを含むDNA断片と
しては、PHB菌体内分解活性を示すポリペプチドをコ
ードするDNAに加えて、その遺伝子を生体内で発現さ
せるのに重要な役割を担う制御領域、例えば、遺伝子の
転写プロモーター、リボソーム結合部位、転写のターミ
ネーターなどをコードするDNAをも含んだものがあげ
られる。本発明に従えば、一旦そのPHB菌体内分解活
性を有するポリペプチドをコードするDNAの塩基配列
が明らかにされることにより、その機能を損なわない範
囲でその塩基の置換あるいは欠失を当該分野においてよ
く知られた方法を適用して容易に行なうことができる。
また、このような改変のうちには、PHB分解の活性中
心のみを保存し、その他の部分を大幅に変化させるよう
にそのDNAの配列及び長さを変えることも含まれる。
従って、本発明のPHB菌体内分解酵素をコードするD
NAとしては、以上のような改変を施したものすべてが
含まれることは当業者であれば容易に理解し得るところ
のものである。以上のような事情に鑑み、本発明のPH
B菌体内分解酵素をコードするDNAは、本発明の思想
を実質的に利用して得られ、本発明のDNAと実質的に
同一の機能を有するものすべてを含有するものである。
【0019】(C)PHB分解遺伝子を持つ組換え体D
NAの作製ならびに形質転換体の作製 PHB分解遺伝子を持つ組換え体DNAの作製並びに複
数のPHB分解遺伝子を持つ組換え体DNAの作製、更
には組換え体DNAの宿主細胞への導入は、上記したよ
うにして行うことが出来る。上記のようにして作製した
組換え体DNAを導入するための宿主細胞としては、上
記で得られた組換えベクターでもって形質転換されて、
PHB分解遺伝子を発現させることができるようなもの
であれば、特に制限なく使用することが出来る。このよ
うな宿主細胞としては、本発明の目的に沿ってPHB分
解遺伝子の発現を達成し得る限り、グラム陰性菌あるい
はグラム陽性菌の区別なく、さらには、下等細胞あるい
は高等細胞の区別なく、動物由来細胞であろうと植物由
来細胞であろうと使用できる。PHB分解遺伝子の発現
に適した宿主細胞としては大腸菌、ズーグロエア属細菌
などが挙げられる。
【0020】(D)形質転換体によるPHB菌体内分解
酵素の製造 本発明により得られたPHB菌体内分解酵素産生形質転
換体は、適当な栄養培地中で培養することにより、それ
を大量に得ることができる。培養に用いられる培地は微
生物の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物質等を含む
通常の培地である。更に、ビタミン、アミノ酸等の有機
微量栄養素を添加すると望ましい結果が得られる場合が
多い。培養は、好気的条件下でpH4〜10、温度20
〜60℃の任意の範囲に制御して1〜3日間培養を行え
ばよい。形質転換体を用いる場合、使用する菌株に応じ
てアンピシリン、クロラムフェニコール等の抗生物質を
培養液に添加してもよい。また、大量に培養して得たP
HB菌体内分解酵素産生形質転換体の細胞からPHB菌
体内分解酵素を単離精製するにあたっては、上記した方
法のいずれもが利用できる。
【0021】
【実施例】以下にPHAのうちの一つであるPHAの分
解活性に関与したPHB菌体内分解遺伝子についてクロ
ーニングした例を具体的に示して本発明を説明する。 実施例1 (1)PHB菌体内分解酵素をコードする遺伝子のクロ
ーニング 以下、ズーグロエア・ラミゲラI−16−M株をDNA
供与体として用い、該菌体のPHB菌体内分解遺伝子を
大腸菌の宿主、ベクター系を利用してクローニングし
た。染色体DNAの調製はDavern法(C.I.D
avern,Proc.Natl.Acad.Sci.
U.S.A.,55,792(1966)を改良して行
った。即ち、DNA供与体であるズーグロエア・ラミゲ
ラI−16−Mを100mlの完全培地(0.2%K
HPO、0.1%KHPO、0.5%カザミノ
酸、0.5%酵母エキス;pH7.0)で約18時間培
養し、培養液から菌体を集菌した後、TE緩衝液(10
mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下ト
リスと略す)、1mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリ
ウム(以下EDTAと略す);pH8.0)で洗浄し
た。10mlのリゾチーム溶液(50mMグルコース、
25mMトリス、10mMEDTA、4mg/mlリゾ
チーム;pH8.0)に懸濁した後、37℃で60分間
反応させた。10%のドデシル硫酸ナトリウム(以下S
DSと略す)水溶液1mlを添加して55℃で10分間
加温した。20mlのTE緩衝液を加えた後、1.5m
lのRNase溶液(1mg/ml)を加え37℃で1
5分間反応させた。更にプロテアーゼKを1mg加え4
5分間反応させた。これからエチジウム・ブロマイド−
塩化セシウム密度勾配超遠心法により染色体DNAを精
製した。Molecular Cloning.Col
d Spring Harbor Laborator
y.New York.1982記載の方法に従い、染
色体DNAを制限酵素BamHIで切断し、アガロース
ゲル電気泳動で分離した後、アルカリゲネス・フェカリ
スの菌体外PHB分解酵素の遺伝子(例えば、約2K
b、T,Saito,et al.,J.Bacter
ol.,171,184(1989))をプローブとし
てサザンハイブリダイゼーションを行った結果、約9.
3kbの位置にバンドが得られた。その位置からDNA
を切り出し、シャロミドベクター(例えば、シャロミド
9−36)に連結し、大腸菌を用いてクローニング
し、更にコロニーハイブリダイゼーションにより目的の
DNAだけを得た。
【0022】(2)制限酵素地図の作製 4つの代表的な制限酵素、即ちBamHI、SalI、
EcoRIおよびSmaIを用いて(1)で得られた約
9.3kbのDNA断片の制限酵素切断地図を作製し
た。これを図1に示す。 (3)サブクローニング (2)で得られた約9.3kbのBamHI−BamH
IのDNA断片から約6.2kbのBamHI−Sal
Iを得、次ぎにこれをpUC19に連結した。ベクター
としてpUC18を用いても行った。同様に(2)で得
られた約9.3kbのBamHI−BamHIのDNA
断片から約3.4kbのEcoRI−EcoRIおよび
約3.0kbのSmaI−SalIを得、次ぎにこれを
それぞれpUC19に連結した。 (4)遺伝子の発現及びPHB菌体内分解活性測定 (3)で得られたサブクローンを大腸菌JM109に導
入した後、これをLB培地で培養し、超音波破砕法で菌
体を破砕し、遠心分離により菌の菌体内溶分を得た。次
にPHB菌体内分解活性測定は、アルカリゲネス・ユー
トロファスから得られたPHB顆粒をプロテアーゼ(例
えば、アルカラーゼ)処理したものを基質として用い
た。活性の値としては、PHB顆粒から遊離した3−ヒ
ドロキシ酪酸の量で表わした。結果を表1に示した。な
お、約6.2KbのBamHI/SalI断片を組み込
んだプラスミドDNAをもつ形質転換体大腸菌C600
(pZD034)株は工業技術院微生物工業技術研究所
に、微工研菌寄第13133号(FERM P−131
33)として寄託されている。
【0023】実施例2 PHB菌体内分解遺伝子の塩基配列の決定 実施例1で得られた約3.4kbのEcoRI−Eco
RI断片と約3.0kbのSmaI−SalI断片域を
M13ファージを用いたジデオキシ法により塩基配列を
決定した。この配列を配列表の配列番号1に示した。
その4018塩基対からなる塩基配列中には、第395
番目のATGから始り、第1151番目のTAGで終わ
る塩基対のオープンリーディングフレームおよび第31
73番目のATTから始り、第3956番目のTAGで
終わる塩基対のオープンリーディングフレームがそれぞ
れ存在した。このオープンリーディングフレームに対応
したアミノ酸配列を有するポリペプチドがPHB菌体内
分解酵素活性を示すことは、実施例1(3)において得
られた組換えベクターを用いての実施例1(4)におい
て行われた実験の結果からも支持されている。
【0024】実施例3 形質転換体によるPHB菌体内分解酵素の製造 (3)で得られたサブクローン(例えば、約3.4kb
のEcoRI−EcoRI断片および約3.0kbのS
maI−SalI断片を有する組換えベクター)を大腸
菌JM109に導入した後、LB培地で37℃一晩前培
養する。次に550nmの吸光度が0.1になるように
本培養液に植菌する。550nmの吸光度が1.0付近
になったところでIPTGによるインダクションを行
い、その後24時間培養を続ける。培養終了後集菌し、
TE緩衝液による洗浄後超音波破砕を行う。この時のP
HB菌体内分解活性を表1に示した。
【表1】
【0025】
【発明の効果】微生物より単離したPHA分解遺伝子を
含むDNAの塩基配列を解析することによりPHA菌体
内分解酵素の必須領域をベクターDNAに組み込みPH
A菌体内分解酵素大量に得ることが出来た。これによ
り、PHA菌体内分解酵素の性質を検討することが可能
になり、PHAの産生効率の向上に役立てることが出来
る。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(1)で得られた約9.3kbのDN
A断片の制限酵素切断地図を示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 15/55 C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/14 C12R 1:19) (72)発明者 三枝 治久 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7東 洋海事ビル8階

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシアルカノエート分解活性
    を有するポリペプチドをコードするDNA。
  2. 【請求項2】 ポリヒドロキシアルカノエートがポリ−
    3−ヒドロキシブチレートまたはその共重合体である請
    求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1に示した塩基配列の
    第395番目から第1151番目に対応して示したアミ
    ノ酸配列またはそれと実質的に同等の機能を有するポリ
    ペプチドあるいは配列番号1に示した塩基配列の第31
    73番目から第3956番目に対応して示したアミノ酸
    配列またはそれと実質的に同等の機能を有するポリペプ
    チドをコードする請求項1記載のDNA。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号1に示した塩基配列の
    第395番目から第1151番目に対応して示したアミ
    ノ酸配列をコードする請求項1記載のDNA。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号1に示した塩基配列の
    第3173番目から第3956番目に対応して示したア
    ミノ酸配列をコードする請求項1記載のDNA。
  6. 【請求項6】 配列表の配列番号1に示した塩基配列の
    第395番目から第1151番目または第3173番目
    から第3956番目あるいはそれらと実質的に同等の機
    能を有する塩基配列をコードする請求項1記載のDN
    A。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号1に示した塩基配列の
    第395番目から第1151番目をコードする請求項1
    記載のDNA。
  8. 【請求項8】 配列表の配列番号1に示した塩基配列の
    第3173番目から第3956番目をコードする請求項
    1記載のDNA。
  9. 【請求項9】 ポリヒドロキシアルカノエート分解活性
    を有するポリペプチドをコードするDNAをベクターに
    組み込んでなる組換え体DNA。
  10. 【請求項10】 請求項2〜8のいずれか一つに記載の
    DNAをベクターに組み込んでなる請求項9記載の組換
    え体DNA。
  11. 【請求項11】 ポリヒドロキシアルカノエート分解活
    性を有するポリペプチドをコードするDNAをベクター
    に組み込んでなる組換え体DNAで形質転換せしめられ
    た形質転換体。
  12. 【請求項12】 該組換え体DNAが請求項10に記載
    のDNAをベクターに組み込んでなるものである請求項
    11記載の形質転換体。
  13. 【請求項13】 ポリヒドロキシアルカノエート分解活
    性を有するポリペプチドをコードするDNAをベクター
    に組み込んでなる組換え体DNAで形質転換せしめられ
    た形質転換体を培養し、次に得られたポリヒドロキシア
    ルカノエート菌体内分解酵素を採取することを特徴とす
    るポリヒドロキシアルカノエート菌体内分解酵素の製造
    法。
  14. 【請求項14】 形質転換体が請求項12に記載のもの
    である請求項13記載の製造法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0863209A3 (en) * 1997-01-08 1999-12-01 Taisei Corporation Polyhydroxyalkanoate depolymerase and process for producing the same

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
J.BACTERIOL.=1989US *
J.BIOL.CHEM.=1991US *

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Effective date: 19961001