JP2612583B2 - キサンタンガムの組換dnaによる製造 - Google Patents

キサンタンガムの組換dnaによる製造

Info

Publication number
JP2612583B2
JP2612583B2 JP62502275A JP50227587A JP2612583B2 JP 2612583 B2 JP2612583 B2 JP 2612583B2 JP 62502275 A JP62502275 A JP 62502275A JP 50227587 A JP50227587 A JP 50227587A JP 2612583 B2 JP2612583 B2 JP 2612583B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transferase
dna
nucleotide sequence
gum
iii
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62502275A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01502555A (ja
Inventor
カページ,マイケル,エー
ドゥハーティ,ダニエル,エイチ
ベトラッチ,マイケル,アール
バンダースライス,レベッカ,ダブリュ
Original Assignee
ゲティ サイエンティフィック デベロップメント カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ゲティ サイエンティフィック デベロップメント カンパニー filed Critical ゲティ サイエンティフィック デベロップメント カンパニー
Publication of JPH01502555A publication Critical patent/JPH01502555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2612583B2 publication Critical patent/JP2612583B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/04Polysaccharides, i.e. compounds containing more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/52Genes encoding for enzymes or proenzymes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/04Polysaccharides, i.e. compounds containing more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic bonds
    • C12P19/06Xanthan, i.e. Xanthomonas-type heteropolysaccharides

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 この出願は1986年3月26日に出願された米国特許出願
No.844,322の一部継続出願である。
キサンタンガムは、キサントモナス(Xanthomonas
属の細菌により、特にX.カンペストリス(campestr
is)種の微生物により天然に生産される。キサンタンガ
ムはその異常な物理的性質、すなわちその非常に高い比
粘度及びその疑似塑性のため、種種の用途において広範
に使用されている。2つの特定の用途において、キサン
タンガムは食品中に増粘剤として使用され、油回収の増
強において移動変調節及びプロフィール修正剤として使
用される。さらに、キサンタンガムは石油掘削流体の形
成のために有用である。
化学的には、キサンタンガムは陰イオン性ヘテロポリ
サッカライドである。このポリマーの返復単位は5個の
糖成分、具体的には2個のグルコース、1個のグルクロ
ン酸及び2個のマンノース成分から成るペンタマーであ
る。この糖残基は、グルコース成分がポリマー鎖の主鎖
を構成しそしてマンノース−グルクロン酸−マンノース
残基の側鎖がおよそ交互のグルコース成分から延びてい
るように配置されている。例えばJanson,E.P.等、Carbo
hydrate Research 45:275−282(1975)(引用によりこ
の明細書に組み入れる)により記載されているように、
通常、この基本構造は特異的にアセチル化及びピルビル
化されている。
今日、キサントモナス・カンペストリス及び関連キサ
ントモナス種のみがキサンタンガムの製造のために使用
することができる起源である。しかしながら、これらの
生物は低い最適温度(27℃〜30℃)、及び遅い増殖速度
を有し、そして偏性好気性であり、これらのすべてが発
酵コストを上昇させる。キサンタンの生産が極度に発酵
液の粘度を上昇せしめ、従って酸素移動速度を低下せし
め、所望の生成物濃度を達成するために高価な通気、冷
却及び撹拌装置の使用を必要なものとする。
本発明者等は、キサンタンの生産に必要な遺伝子クラ
スターをコードするポーダブルDNA配列を発見し、そし
てこれらのポータブル配列をプラスミドベクター上にク
ローン化した。適当な宿主、特に脱窒細菌において使用
される場合、これらのプラスミドベクターは、経済的且
つ商業的に実行可能で態様でこの発明の方法に従うキサ
ンタンガムの生産をもたらすであろう。この技法はま
た、キサンタンガムの変形体を製造するために用いるこ
ともできよう。この様な変形ポリサッカライドは、キサ
ンタン生産を担当する遺伝子クラスターの染色体コピー
内に変異を含有するX.カンペストリスの変異株により生
産されることが知られている。これらの変形ガムの例は
1985年8月6日に出願された“A Polysaccharide Polym
er Made by Xanthomonas"と題するVanderslice等の米国
出願No.762,878、及び1986年3月26日に出願された“Fa
mily of Xanthan−Based Polysaccharide Polymers Inc
luding Non−Acety−lated and/or Non−Pyruvylated G
um and Acety−lated and Non−Acetyleted Polytetram
er Gum"と題するDoherty等の米国出願No.844,435中に開
示されている。これらの特許出願の両者を引用によりこ
の明細書に組み入れる。この様な変異をプラスミドベク
ター上に含有するポータブルDNA配列のプラスミドベク
ターへのクローニング、及びこれに続く、この組換体プ
ラスミドの適当な細菌への移行が、この変異をその染色
体中に担持する変異したX.カンペストリス株により生産
される特定のキサンタンガム変形体ポリサッカライドと
同等なポリサッカライドの前記細菌による合成をもたら
すであろう。
発明の概要 この発明の1つの目的は、キサンタンガムの製造方法
を提供することであり、この方法においては30℃より高
い温度において発酵を行うことができ、そして/又はこ
の方法は嫌気的条件下で行うことができる。この発明の
他の目的は、ポリサッカライドを生産することができそ
して好ましくは30℃以上でそして/又は嫌気的条件下で
増殖することができる微生物を用いる、キサンタンガム
の製造のための組換DNA法を提供することである。この
方法により製造されたキサンタンガムはキサントモナス
・カンペストリスにより生産されたそれと化学的に同等
である。種々の生合成遺伝子中の変異によりもたらされ
る他のポリサッカライドも代替宿主において生産され得
る。
これらのポリサッカライドの組換DNA合成を容易にす
るため、ポリサッカライドの生産を指令することができ
るポータブルDNA配列を提供することがこの発明の他の
目的である。これらのポータブル配列を含有するベクタ
ーを提供することもこの発明の目的である。これらのベ
クターを、商業的に有用な量のキサンタンガム及び他の
ポリサッカライドを得るために組換系において使用する
ことができる。
この発明の他の目的及び利点は一部は以下の記載にお
いて示され、そして一部は以下の記載から自明であり、
又はこの発明の実施から知られるであろう。これらの目
的及び利点は、添付された請求の範囲において特に指摘
された手段及び組み合わせにより実現されそして達成さ
れるであろう。
これらの目的を達成するために、そして本発明の目的
に従って、キサンタンガムの製造方法が記載され、この
方法は好ましくは30℃以上において、そして/又は嫌気
的条件下でポリサッカライドを生産することができる微
生物を用いる。これらの方法により製されたポリサッカ
ライドは、1つの態様においてはキサントモナス・カン
ペストリスにより生産されるそれと化学的に同等であ
り、そして他の態様においてはVanderslice等(前
掲)、及びDoherty等(前掲)により開示された変形体
ガムと化学的に同等である。
ポータブル配列は合成配列であってもよく又は制限断
片(“天然"DNA配列)であってもよい。好ましい態様に
おいては、ポータブルDNA配列は、X.カンペストリスの
ライブラリーから単離され、そして代替宿主に移行した
場合、キサントモナス・カンペストリスにより生産され
たそれと化学的に同等のキサンタンガムの生産を指令す
ることができる。
他方、前記の目的を達成するため、そして本発明の目
的に従って、前記のポータブルDNA配列を用いてキサン
タンガム及び他のポリサッカライドの微生物的製造をも
たらす組換DNA法が開示される。この組換DNA法は、 a) X.カンペストリスにより生産されるポリサッカラ
イドと化学的に同等のポリサッカライド又は構造的にキ
サンタンと関連する新規なポリサッカライドのいずれか
を生産するように代替宿主微生物を指令することができ
るポータブルDNA配列を用意し; b) 宿主微生物中に移行することができそしてその中
で複製することができるベクターであって、前記ポータ
ブルDNA配列によりコードされたガム生合成酵素の発現
のための要素を含有するベクターに、該ポータブルDNA
配列をクローニングし; c) 好ましくは高い合成速度で、上昇した温度でそし
て/又は嫌気的条件下で前記ポータブルDNA配列を指令
のもとにポリサッカライドを生産することができる宿主
微生物中に、該ポータブルDNA配列を含有する前記ベク
ターを移行せしめ; d) 前記ベクターノ維持及び前記ポリペプチドの合成
のために適当な条件下で前記宿主微生物を培養し;そし
て、 e) 前記ポリサッカライドを採取する; ことを含んで成る。
この発明の好ましい太陽においては、ポータブルDNA
配列は、次の酵素、すなわちトランスフェラーゼI、ト
ランスフェラーゼII、トランスフェラーゼIII、トラン
スフェラーゼIV、トランスフェラーゼV、アセチラー
ゼ、カタラーゼ、及びポリメラーゼの生産を指令するこ
とができるDNA配列を含んで構成される。キサンタンガ
ムの生合成において使用されるこれらの酵素は第1図に
示され、そしてこの後さらに詳細に記載される。
さらに、前記の目的を達成するため、そして本発明の
目的に従って、上記のポータブルDNA配列の少なくとも
1つをそれぞれが含有する一連のクローニングベクター
が提供される。特に、プラスミドpRK290−H336、及びpX
209が開示される。
プラスミドpX209を担持するE.コリ(coll)LE392
(TX209)株、及びプラスミドpRK290−H366を担持する
E.コリLE392(pRK290−H366)株は、American Type Cul
ture Collection(ATCC)、Rockville,Marylandに、そ
れぞれ受託番号No.67051及びNo.67049として1986年3月
21日に寄託された。
前記の一般的記載及び下記の詳細な記載は単に例示的
且つ説明的なものであって、請求の範囲のごとくこの発
明を限定するものではないと理解すべきである。添付さ
れた図面は、この明細書に組み込まれそしてその一部を
成し、この発明の種々の態様を例示し、そしてこの明細
書の記載と相俟ってこの発明の原理を説明するのに役立
つ。
図面の簡単な説明 第1図はX.カンペストリスにおけるキサンタンガムの
生合成経路を示す。
第2図は、λ655(+)の制限地図である。
第3図は、λ708(+)の制限地図である。
第4図は、ガム遺伝子クラスターを含有するX.カンペ
ストリスのゲノムの領域のBamH I制限地図である。数値
は断片の分子サイズ(キロベース;kb)である。
第5a図は、クローニングベクターpMW79の一般構造及
び関連制限エンドヌクレアーゼ開裂部位を示す。
第5b図は、例6に記載するごとき、BamH Iによる種々
のλ組換体の部分消化又は完全消化からのpMW79のBamH
I部位にクローン化されたガム遺伝子DNAのセグメントの
代表的な例を示す。但しこれがすべてではない。
第6図は、ガム遺伝子クラスターの近傍のX.カンペス
トリスDNAのBamH I制限地図と関連付けて示された、2
個の組換体λファージ〔λ708(8)及びλ655(B)〕
の部分的制限地図を示す。4個の組換プラスミド(pX20
6,pX207,pX208、及びpX209)中に担持されたガム遺伝子
DNAのクローン化されたセグメントも示されている。簡
単にするため、これらのプラスミドのpMW79ベクター配
列は示されていないが、これらの造成の詳細は例6に記
載する。
第7図は、ガム遺伝子クラスターDNAのBamH I制限地
図内での22個の挿入変異(insertion mutation)の位置
を示す。中空円はTn10のBgl II Terr断片のインビトロ
で生じた挿入を示し、他方黒円はイヒビボで誘導された
Tn挿入を示す。例2に示すように、これらの挿入を担持
する変異体の表現型分類が後に示される。
第8図は、ガム遺伝子クラスター中の6個のセットの
代表的変異のBamH I制限地図内の位置を示す。X925,X92
8,X975,X1008及びX655株は示された位置に、Tn10の挿入
変異又はTn10のBgl II Terr断片を担持する。X974株は
1.35kbのBamH I断片の欠失及びその位置におけるBgl II
Terr断片の置換を有する。制限地図の下方には、前記
の変異体の補完実験において使用される代表的なプラス
ミドが示されている。簡単にするため、クローン化X.カ
ンペストリス配列のみが示されており、ベクターpMW79
配列は省略されている。プラス記号(+)はプラスミド
による変異の好結果の補完を示し、他方マイナス記号
(−)は補完の失敗を示す。実験及び説明の詳細は例8
に記載する。
第9図は、第10に詳細に記載するような、プラスミド
pRK290、及び組換体λ655(L′)からpRK290のBgl II
部位にクローン化されるDNAの種々の断片の部分的制限
地図を示す。
第10図は、キサンタンの生合成を指令する遺伝子クラ
スターを含有するキサントモナス・カンペストリスDNA
の16,080塩基対セグメントのヌクレオチド配列から成
る。
第11図は、DNAの16kb断片に含有される遺伝子の構成
及び構造の概観を示す。図中の最上の線はBamH I制限地
図を示し、そして配列中の各BamH I制限部位の位置を示
す。フレーム分析曲線の上に引かれた線は単離されそし
て特徴付けられた変異の幾つかのおよその位置を示す。
示されているフレーム分析曲線は、第1(青線)、第2
(赤線)及び第3(黒線)ヌクレオチド位置におけるG
+C含量の分布を示す。なお、第3ヌクレオチド位置に
おけるG+C含量の分布は全配列にわたって非−ランダ
ムであり、このDNAの実質上すべてが蛋白質生成物をコ
ードしていることが示される。各蛋白質のリーディング
フレームは非−ランダムG+C分布の各領域内の中間地
を有するヌクレオチド位置により定義される。3つのヌ
クレオチド位置においてG+C分布が変化する点が1つ
の遺伝子の始まり又は終り、あるいは1つの遺伝子の終
りであり且つ次の遺伝子の始まりである点を示す。各場
合において、これらの点は該当するリーデングフレーム
中の開始コドン又は終止コドンの存在と関連することが
見出された。
フレームの分析曲線の下方の分離された矢印は配列中
の各遺伝子の位置及び範囲を示すために描かれる。便宜
上、我々は1文字により各遺伝子を命名し、そして“g
p"を前に付したその文字を用いてその蛋白質生成物命名
する。各矢印の上にその蛋白質生成物の分子量がkDで示
される。各矢段の下に、各遺伝子生成物の名称が文字名
称、並びに遺伝子の機能が変異体表現型に由来する場合
のためのその機能的名称として示される。
第13図は、DNA配列内の位置900,3400及び12,400近傍
に同定される仮想の転写ターミネーターの可能性ある二
次構造を示す。
第14図は、DNA配列中位置732−808から同定されるプ
ロリンtRNAの折りたたまれた二次構造を示す。
第15a図は、組換体プラスミドpRK290−H336中に担持
されるクローン化されたX.カンペストリスDNA内の種々
のTnKに挿入変異の位置を示す。
第15b図は、一連の欠失変異体においてX.カンペスト
リス染色体から除去されたDNAの範囲を示す。
第16a図は、プラスミドpRK290−HA3内の、インビトロ
で形成されたkanr挿入及び欠失変異の位置を示す。
第16b図は、プラスミドpRK290−H336内の、7個のイ
ンビトロで形成されたKanr挿入変異の入を示す。
好ましい態様の詳細な記載 本発明者等はキサントモナス・カンペストリスにおけ
るキサンタンガムの生合成が第1図に示された経路を介
して進行すると信ずる。この図は、イソプレノイド脂質
“キャリヤー”分子にリンクしたキサンタンガムのペン
タサッカライド(5個の糖)反復単位の集成を示す。こ
のペンタサッカライドの集成は、ペンタサッカライド反
復単位中に存在する5個の個々の糖成分の特定の且つ定
められた順序での逐次的付加により進行することが示さ
れる。各固有の糖付加はその特定の段階に特異的な特定
の酵素活性により触媒される。糖は特定の糖ヌクレオチ
ドにより提供される。この酵素活性をこの明細書中では
“トランスフェラーゼ”と称する。個々の酵素活性はさ
らい、各トランスフェラーゼ活性が触媒する逐次的に順
序付けられた糖付加における段階を示すローマ数文I〜
Vにより命名される。
成熟キサンタン中及びペンタサッカライド前駆体中に
存在する2個のマンノース糖成分は修飾されることが知
られる。トランスフェラーゼIIIの活性により段階3で
付加されるマンノース成分はアセチル化されることが知
られる。成熟キサンタン中にアセチル化された形で存在
するこの成分の割合は可変的である。この明細書におい
てアセチラーゼと称する酵素活性はマンノースへのアセ
チル基の付加を触媒するが、アセチラーゼが機能する生
合成経路の配列中の正確な位置は現在知られていない。
同様に、段階5においてトランスフェラーゼVの活性に
より付加されるマンノース糖成分はピルビル化されるこ
とが知られる。この明細書においてケタラーゼと称する
酵素活性はピルビン酸基の付加を触媒する。やはり、成
熟キサンタンガム中でピルビル化されることが観察され
るこれらのマンノース成分の割合は可変的であり、そし
てケタラーゼが作用する生合成経路中の点は現在知られ
ていない。
ペンタサッカライド前駆体ユニットは、この明細書に
おいて“ポリメラーゼ”と称する活性により触媒される
その後の酵素反応において重合される。このポリメラー
ゼ活性は、それが結合しているイソプレノイド脂質キャ
リヤー分子からのペンタサッカライドサブユニットの遊
離、これに伴うそのペンタサッカライドの、リピドに連
結されたペンタサッカライド、デカサッカライド又は基
本ペンタサッカライド反復のより高次の配列への付加を
触媒し、受容体初期キサンタン分子の重合度の増加をも
たらす。
Vanderslice等及びDoherty等(前掲)の係属中の米国
特許出願(両者を引用によりこの明細書に組み入れる)
に示されるように、他のポリサッカライドが発見されて
おり、これをキサンタンの“変形体(variant)”と記
載しよう。これらは、Vanderslice等の“ポリトライマ
ー”(そのアセチル化基及び非−アセチル化形の両者、
並びにDoherty等の“ポリテトラマー”(アセチル化形
及び非−アセチル化形)、及び非−アセチル化、非−ピ
リビル化、又は非−アセチル且つ非−ピルビル化ペンタ
マーキサンタンガムを包含する。キサンタン経路中に発
見された酵素の前記の記載から、及び新しく発見された
変異体生物の下記の記載から、これらの変形体ガムの組
換DNA法による製造のために必要な材料がこの明細書中
に本質的に記載されることが明らかである。例えば、ポ
リテトラマーは、非−アセチル化ポリテトラマー合成プ
ラスミドガトランスフェラーゼVをコードする遺伝子及
びアセチラーゼをコードする遺伝子の両者を欠いてい
る、トランスフェラーゼVをコードするDNA配列を有し
ない組換−DNA系において合成されるであろう。
トランスフェラーゼIVの活性を特異的に不活性化した
キサントモナス・カンペストリスの変異が同定されてい
る。この変異を有する金株X655がVanderslce等により記
載されており、そしてAmerican Type Culture Collecti
on(ATCC),Rockville Marylandに受託番号No.53195と
して寄託されている。このX.カンペストリス変異株X655
中のその特定の欠損の同定が、X655株中の変異の部位が
位置する染色体の領域からのX.カンペストリス染色体DN
A配列のクローニングを導いた。例1,2及び7に後記する
ようにして変異誘発及び分析技法を用いてX655変異の部
位の近傍のDNA配列中の変異を誘導しそして表現型形質
を分析した。この発明の基礎として、他のトランスフェ
ラーゼ活性をコードする遺伝子が、トランスフェラーゼ
IVの活性の必要成分をコードするものとしてX655株中に
同定される遺伝子の近傍にクラスターとなっているもの
と信じられる。なぜなら、細菌において、代謝経路のク
ラスター化が存在することが知られているからである。
X655株中のトランスフェラーゼIV欠損の知識を用い
て、X655株中のトランスフェラーゼIV欠損を惹起する変
異の部位を含むX.カンペストリス染色体DNAの大セグメ
ント(35kb)をクローニングし、そして遺伝的及び物理
的に分析した。このDNA内の多数の変異を誘導し、そし
て特徴付けた。これらの変異の遺伝的位置及びこれらの
変異を担持する変異株の表現型の分析により、X.カンペ
ストリス染色体中の、及び移行可能なプラスミドベクタ
ー上のポータブルDANセグメントとしてのこのDNA配列が
トランスフェラーゼI,II,III及びIV、アセチラーゼ、並
びにケタラーゼの活性のために必要な蛋白質をコードす
る遺伝子を含有することの直接証明が与えられた。これ
らのデーターから、プラスミドpRK290−H336及びpX209
中にクローン化されたポータブルDNAセグメントがトラ
ンスフェラーゼI〜V、アセチラーゼ、ケタラーゼ、ポ
リメラーゼ、及びおそらく、キサンタンの生合成に必要
な又はこれに関連する未だ特徴ずけられていない他の活
性のために必要な蛋白質をコードする遺伝子を含有する
という結論が導かれる。キサンタンの生合成のためのこ
の“遺伝子クラスター”をポータブルDNA配列として含
有するプラスミドベクターの、キサントモナス・カンペ
ストリス以外の細菌への移行を用いて、発酵条件を換え
ることによりキサンタンガムの製造コストを下げること
ができよう。
今日まで、キサントモナス・カンペストリス及び関連
のキサントモナス種のみがキサンタンガムの製造に用い
ることができる微生物源である。しかしながら、これら
の生物は低い最適温度(27℃〜30℃)、及び低い増殖速
度を有し、そして偏性好気性菌であり、これらのすべて
が発酵のコストを上昇せしめる。さらに、既存の好気的
発酵技法は、発酵液が高い酸素移動速度を有するように
低い粘度の発酵液を必要とする。しかしながら、キサン
タンはエキソポリサッカライドであるから、キサンタン
の生成が発酵液の粘度を極端に上昇せしめ、このため酸
素移動速度が低下し、そして所望の生成物濃度を達成す
るために高価な通気、撹拌、及び冷却装置の使用が必要
となる。
より高い最適温度及びより速い増殖速度を有し、そし
て適当な窒素源が供給された場合に嫌気的に増殖する能
力を有するであろう脱窒細菌を、キサンタンガムの生産
を指令することができるポータブルDNA配列によって形
質転換することができることが本発明者等により提案さ
れた。これらの生物におけるキサンタンの製造は、使用
されている現在の種の場合より安価であろう。さらに、
本発明者等は、キサンタンの生産を担当する遺伝子クラ
スターをコードするポータブルDNA配列を発見してお
り、そしてこれらのポータブル配列を含有するプラスミ
ドベクターを持っている。適当な宿主、特に脱窒細菌中
で使用される場合、これらのプラスミドは、経済的な且
つ商業的に実現可能な態様でこの発見の方法に従うキサ
ンタンガムの製造をもたらすであろう。さらに、提案さ
れた利点のいくつかのみを有する細菌宿主が代替生産宿
主として期待される。
この発明の追加の態様は、この明細書に記載されるポ
ータブルDNA配列の1又は複数を含有する既知の又は現
在知られていないベクターを用いる場合に予想される。
特に、これらのベクターが次の性質、すなわち(1)所
望の宿主の宿主中で安定であること、(2)所望の宿主
中に適切なコピー数で存在することができること、
(3)制御可能なプロモーターを有すること、及び
(4)ポータブルDNA配列が挿入されるであろう部位以
外の部位上に存在する選択可能な形質をコードする少な
くとも1個のDNA配列を有すること、を有することが好
ましい。
細菌宿主及びプラスミドベクターの下記の非限定的リ
ストは、上記の基準に合致するように容易に変えること
ができそしてそれ故にこの発明において使用するために
好ましい組合せを示していると信じられる(第1表)。
このような変更は、手入可能な文献及びこの明細書中に
含まれる教示に基いて当業者により容易に行われる。
ガム生合成遺伝子の大クラスターが、すべての既知ガ
ム生合成遺伝子を欠失したX.カンペストリス及びX.カン
ペストリスX1107株を包含する広範囲の種類のグラム陰
性細菌種に移行しそして維持され得る広宿主域DNA複製
開始点を含有するプラスミド上にクローン化された。プ
ラスミドpRK290−H336は補完によりX1107をキサンタン
生産株に転換する。
pRK290−H336のごときプラスミドを代替宿主に入れる
場合、キサンタンの生合成が起こるためには多くの段階
が適切に行なわれなければならない。まず、生合成酵素
をコードする遺伝子が転写されそして翻訳されて適切な
レベルで機能的生合成酵素が与えられなければならな
い。第二に、生合成酵素が前駆体をキサンタンガムに重
合せしめることができるように、代替宿主はアセチル−
CoA、ホスホエノールピルビン酸、UDP−グルコース、UD
P−グルクロン酸及びGDP−マンノースのための十分な合
成能力を含んでいなければならない。第三に、多種蛋白
質複合体が有効な生合成ユニットである場合には、クラ
スターによりコードされた生合成酵素は凝集しなければ
ならない。第四に、キサンタンが培地に分泌されるよう
に、その複合体(又は個々の酵素)の構造物は有向性
(vectoria)ポリサッカライドを提供しなければならな
い。
遺伝学、分子生物学、化化学、発酵工学、微生物生理
学、及び組換DNA技法の当業者による実施はおそらく、
キサンタン生合成遺伝子を発現しそして細胞外キサンタ
ンガムを生産することができる代替宿主の単離を簡単且
つ明瞭なものとするものであろう。
例 例1 この例は、キサンタンガムの欠損を有する変異株を生
じさせるために用いられた変異誘発及びスクリーニング
方法を示す。
B 1459 S4Lを米国農務省のNorthern Regienal Resear
ch Laboratoriesから得た。これはストレプトマイシン
に対する染色体耐性により遺伝的に標識されており、そ
してプラスミドpRK2013::Tn10を含有するE.コリLE392と
の接合における受容体として使用された。Figurski,D.
H.及びHelinskih,D.R.,Proc.Nitl.Acad.Sci,USA,76:164
8−1652(1976)(引用によりこの明細書に組み入れ
る)により記載されているように、プラスミドpRK2013
はカナマイシン耐性をコードするTn903を含有する。こ
のプラスミドはX.カンペストリス中で複製することがで
きない。トランスポゾンTn10はテトラサイクリンに対す
る耐性をコードする。ストレプトマイシン及びテトラサ
イクリン、又はストレプトマイシン及びテトラサイクリ
ンに対して耐性を有するトランスコンジュガント(tran
sconjugant)を選択した。前者は受容体当り約4×10-6
の頻度で生じ、そしておそらくTn10のトランスポジショ
ンによって起こる。後者は、受容体当り約3×106の頻
度で起こり、そしておそらくキサントモナス・カンペス
トリスのゲノムへのTn10のトランスポジションから起こ
る。
これらのトランスコンジュガントの中から栄養要求株
が約2%の頻度で見出されたこれらの要求は、種々の栄
養要求の間に広く分布していた。このことは、これらの
トランスポゾンがX.カンペストリス中の挿入のための特
に好ましい座を有しないことを示す。栄養要求株の原栄
養復帰株が選択され、そしてほとんどが薬剤感受性であ
ることが見出された。このことは、栄養要求性がトラン
スポゾン挿入により生じたことを示唆する。
二重耐性トランスコンジュガント間でキサンタンガム
欠損変異株についてスクリーニングするため、キサンタ
ンガム生産コロニーと非生産コロニとの間の形態的区別
を増強するコンゴーレッド色素(200μg/ml)を固体培
地に加えた。30℃にて7日間及び12日間のインキュベー
ションの後コロニー形態を試験した。キサンタンガム欠
損変異株が約10-4の頻度で見出された。以後、インビポ
でキサンタンを生産しない株をGum-株と称し、そしてや
はりGum-株であってTn10の挿入により生じたものをさら
にgum::Tn10変異株とすることができる。
例2 この例はGum-変異株の生化学的表現型、及び表現型の
評価に使用した方法を説明する。
キサンタンガムの生合成経路の検討のための無細胞系
の使用に関する基本的な方法はIelpi,L.Couso,R.O.及び
Bankert,M.O.FEBS Letters 130:253−256(1981)(引
用によりこの明細書に組み入れる)により記載されてい
る。この明細書に記載するGum-単離体を分析するために
この方法の変法を使用することができることが見出され
た。この新規な方法のため、一般に、適当な緩衝液、好
ましくはEDTAを含む緩衝液の存在下で微生物、好ましく
はキサントモナス・コンペストリスの細胞を溶解し、そ
して外部から添加された基質を処理することができる適
当な生合成酵素を得ることによってインビトロ無細胞系
を調製する。細胞溶解の別の方法は、例えば音波処理、
洗剤処理、酵素処理及びこれらの組合わせを使用するこ
とができるが、これらに限定されない。
一般に、Gum-変異株の生合成経路中の欠損段階を決定
するため、この微生物の細胞溶解物を、UDP−グルコー
ス、GDP−マンノース、UDP−グルクロン酸、アセチル−
CoA及びホスホエノールピルビン酸を含む適当な基質と
共にインキュベートした。基質の選択は、分析しようと
する段階に依存する。生合成過程は、1つの態様におい
ては、ポリマーユニットへの放射性標識基質の導入によ
ってモニターすることができる。生合成中間体の同定を
可能にするために、当業者に知られている他の方法を使
用することもできる。特に、脂質キャリヤーからの加水
分解後にオリゴサッカライド中間体を分離しそして同定
するための発色法が開発されている。これらには薄層ク
ロマトグラフィー(TLC)及び高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)が含まれる。
キサンタンの無細胞生合成は、3種類すべての特定の
糖ヌクレオチドの添加に依存する時間依存的逐次過程で
あることが見出された。標識された基質の非特異的導入
のバックグラウンドは最小であり、そしてキサンタン−
特異的中間体又はガム画分中のキサンタンポリマーの検
出を妨げない。
脂質キャリヤー、特にC55イソプレノイドピロホスフ
ェートの関与が幾つかのポリサッカライド生合成経路に
おいて示された。さらに、キサンタンの生合成における
ピロホスホリルが連結された脂質キャリヤーの関与が示
され、そして確認された。従って、少なくともペンタサ
ッカライドまでのキサンタン生合成中間体がこれらのキ
ャリヤー脂質を含む有機可溶画分中に回収され得ること
が見出された。
中間体生成物の回収のためのこの明細書に記載されて
いる方法を用いて、インビトロ条件下で変異株X.カンペ
ストリスの溶解物が、正常なキサンタンの生合成のため
に必要なすべての基質の存在下でさえ、蓄積された中間
体及にキサンタンガムの新規なトランケート形を生産す
ることが見出された。特定のブロックポイントによりど
の特定の酵素活性が欠けているかが示される。Gum-株を
分析し、そして生化学的表現型を帰属せしめた。これら
の生化学的表現型が、変異株の遺伝子型の決定を可能に
する。例えばインビトロで脂質キャリヤー上にセロビオ
ースを蓄積する変異株はトランスフェラーゼIIIの遺伝
子に欠損を有すると言われる。
すべての基質が供給された場合にGum-変異株の細胞溶
解物が正常なキサンタンガムを生産する場合、生合成経
路中のすべての酵素が正常であると結論される。すなわ
ち、インビボでガムを生産することができないのは必要
な基質の1つが存在しない結果である。基質が提供され
た場合にインビトロでのみガムを生産することができる
Gum-変異株のクラスが見出された。これらのGum-変異株
は、1986年3月24日に出願された“Process for the Sy
nthesis of Sugar Nucleotides Using Recombinant−DN
A Methods"と題するBetlach等の米国出願No.843,349に
一層十分に検討されている。これらすべての変異株がガ
ムクラスターからマップされた。
これらの無細胞研究の具体的な方法がこの明細書に記
載される。Jeames,A.等、U.S.Department of Agricultu
re,ARS−NC−51,14頁(1976)(引用によりこの明細書
に組み入れる)により記載されているようにして、Gum-
誘導体を2%(w/v)グルコースを補充されたYM(酵母
−マルト培地)中で増殖せしめた。培養物を30℃、30rp
mにて後期対数期まで増殖せしめた。細胞をYM+2%(w
/v)グルコースプレート上で検定した。細胞を遠心分離
によって集め、そして冷Tris−HCl(70mM,PH8.2)によ
り洗浄した。洗浄された細胞を10mM EDTAを含有するTri
s−HCl(70mM,pH8.2)中に再懸濁し、そしてGarcia,R.
C.等,European Journal of Biochemistry 43:93−105
(1975)(引用によりこの明細書に組み入れる)に類似
する方法により3回凍結−解凍を行った。この方法によ
り細胞が破砕され、このことはこの処理の後の懸濁液の
粘度の上昇及び生存細胞の完全な喪失(1/106の生存細
胞)により証明された。凍結−解冷による細胞溶解物を
小分けして−80℃で凍結した。BIO RADアッセイ(BIO R
AD Laboratories,リッチモンド,カリホリニア)により
蛋白質濃度を決定し、細胞溶解物1ml当り5〜7mgの細胞
蛋白質であることを見出した。
Ielpi,L.,Couso,R.O.及びDankert,M.A.(前掲)に記
載されているようにして、凍結−解凍された細胞溶解物
のアリコート(300〜400μgの蛋白質に相当する)、DN
AアーゼI(10μg/ml)、及びMgCl2(8mM)を20℃にて4
0分間プレインキュベートした。所望の放射性標識糖ヌ
クレオチド(UDP−グルコース及びGDP−マンノース)を
含み、そしてUDP−グルクロン酸を含むか又は含まない
同容量の70mM Tris−HCl(pH8.2)を加え、そして20℃
にてインキュベートした。種種の時点で、EDTAを4mMと
なるように添加することにより反応を停止した。サンプ
ルを遠心し、ペレットを緩衝液により2回洗浄した。ガ
ム画分の分析を可能にするため、上清を一緒にし、キャ
リヤーキサンタン(100μg)を添加し、そしてキサン
タン+合成されたポリマーをエタノール(60%)−KCl
(0.8%)により沈澱せしめた。沈澱したポリマーを水
中に再懸濁し、そしてさらに2回再沈澱して取り込まれ
なかった標識を除去した。ガム画分に取り込まれた放射
能を液体シンチレーションカウンターで決定し、そして
データーを処理して取り込みをピコモルとして得た。
脂質キャリヤーに連結された中間体の分析を可能にす
るため、洗浄されたペレットを、クロロホルム:メタノ
ール:水(1:2:0.3)により2回抽出した。穏和な酸分
解(pH2,90℃,20分間)及びアルカリ性ホスファターゼ
処理(ウシアルカリ性ホスファターゼ、50mM MgCl2、及
び10mMグリシン緩衝液、pH9.8,37℃,一夜)により脂質
に連結された生合成中間体を遊離オリゴサッカライドに
転換した。サンプルをクロロホルム:メタノール(2:
1)により逆抽出し、そして遠心分離した。水相を取り
出し、そして真空中で容量を減少させて、薄層クロマト
グラフィーによる分析を行った。
ブタノール:ジオキサン:水(35:50:20)による3回
展開を用いてシリカゲル(Baker250μm、前形成レー
ン)上で薄層クロマトグラフィーを行った。炭酸−14に
より放射能標識された化合物を、標準現象のKodak X−O
mat ARフィルムを用いる−80℃でのオートラジオグラフ
ィーにより検出した。糖標準はアニリン−ジフェニルア
ミン(シグマ・ケミカル社から得られる酸性化されたア
セトン中1.8%アニリン及び1.8%ジフェニルアミン)に
より可視化した。キサンタン生合成中間体の移動度を糖
標準の移動取と比較した。二重標識オリゴサッカライド
の放射能分析のため、妨害スプレーにより処理されてい
ないシリカゲルをかき取り、溶出し、そしてオートクエ
ンチ(autoquench)補償を用いるベックマンLS−7500シ
ンチレーションカウンター中でプラスチックバイアル中
Budget−Solve Aqueous Counting Cocktail(RPI)を用
いて計数した。シンチレーションデーターを処理して〔
3H〕−標識物質及び〔14C〕−標識物質の絶対量を得、
化合物中の糖のモル比を計算することを可能にした。
インビトロで分析されたGum-株を幾つかの方法で測定
した:(1)グルコール又はセロビオースによるキャリ
ヤー脂質の負荷を評価するため放射性標識されたUDP−
グルコースのみ、(2)グルコースとマンノースとのモ
ル比を決定するため非−標識UDP−グルクロン酸並びに
二重放射性標識UDP−グルコース及びGDP−マンノース、
そして(3)中間体及びガム画分中のマンノースとグル
クロン酸との分子非を比較するため非−標識UDP−グル
コース並びに二重放射性標識GDP−マンノース及びUDP−
グルクロン酸。アセチル化又はピルビル化に欠損を有す
ることが疑われる変異株を、Ielpi等,Biochem.Biophys.
Res.Comm.102:1400−1408(1981)及びIelpi等,Bioche
m.Intern.:323−333(1983)(両者を引用によりこの
明細書に組み入れる)の方法により、放射性標識された
アセチル−CoA及びホスホエノールピルビン酸を取り込
むそれらの能力についてチェックした。
菌株は2つの主たる表現型に属した。1つのグループ
はインビボ及びインビトロでのガムの合成に欠けてい
た。これらの変異株はいずれもガムDNAクラスターに変
異的挿入を有していた。他のグループは、インビボでは
ポリサッカライドを合成することができなかったが、基
質が提供された場合にインビトロでキサンタンガムを合
成することができた。これらの変異株はいずれも、ガム
クラスターにリンクしないDNA中に変異的挿入を有して
いた。これらの変異株を糖ヌクレオチドの存在について
試験し、そして糖ヌクレオチドの生合成の種々の段階に
欠損を有することが見出された。
ガムの生合成経路中にブロックを有する変異株に幾つ
かのタイプがあることが見出された。可能性ある生化学
的表現型及び本発明者等の観察をこの明細書及び第7図
に示す。これらの特定の表現型を与える幾つかの変異の
地図位置が示されている。
トランスフェラーゼI及び未知の欠損 多くの変異株細胞溶解物が有機画分への放射性標識の
貧弱な取り込みを示し、少量のグルコールがバックグラ
ウンド以上に検出された唯一の糖であった。ガム画分中
にポリマー物質は検出されなかった。この少量のグルコ
ースがTLC及び/又はHPLCにより示された。この表現型
について幾つかの説明が可能である。このクラスにおい
て見られるグルコースのレベルは、S4−Lについて3種
類すべての糖ヌクレオチドが存在する場合に見られる非
−キサンタン特異的な又は“追跡不能の(unchaseabl
e)”グルコールに類似している。この表現型は、グル
コースによる脂質キャリヤーの負荷を許容しないトラン
スフェラーゼIの欠損の結果であろう。他方、これは生
合成の開始に影響を与える他の遺伝子中の欠損に基き、
トランスフェラーゼIの発現に直接又は間接に影響を与
えるのかもしれない。
トランスフェラーゼII 脂質キャリヤー上でのグルコースの有意な蓄積を示す
2つの変異株細胞溶解物が観察された。グルコールは脂
質キャリヤー上のセロビオースに重合しなかった。これ
らの細胞溶解物はGDP−マンノース及びUDP−グルクロン
酸の存在により影響を受けなかった。ガム画分に放射性
標識された物質は見出されなかった。この欠損はトラン
スフェラーゼIIの遺伝子内にあると考えられる。
トランスフェラーゼIII 幾つかの細胞溶解物からの無細胞生合成反応混合物の
放射能分析は、UPD〔14C〕グルコースの存在下で有機画
分がよく負荷する(S4−Lレベルの37%)ことを示し
た。3種類すべての糖ヌクレオチドの存在下で、グルコ
ースによる負荷は同じ高レベルであったが、しかしマン
ノース又はグルクロン酸の取り込みは存在しなかった。
ガム画分はポリマー物質(セルロース)が合成されなか
ったことを示した。有機画分からの遊離した糖をTLCに
より分析し、そしてこれらの変異株が非常に効率的にセ
ロビオースを合成することが示された。セロビオースは
有機画分に蓄積した。GDP−マンノース又はUDP−グルク
ロン酸の存在はセロビオースの蓄積に影響を与えずセロ
ビオースがさらに加工されるようには見えなかった。こ
れらのデーターは、これらの変異株をトランスフェラー
ゼIIIに欠損を有することを示している。
トランスフェラーゼIV 幾つかの変異株細胞溶解物〔X655(ATCC No.53195)
からの細胞溶解物を含む〕は、有機画分中に、グルコー
スとマンノースとのモル比2:1を有する、脂質に連結さ
れたトライマー中間体〔Vanderslice等(前掲)の米国
特許出願中に記載されている〕の蓄積を示す。このグル
ープの各細胞溶解物のガム画分は放射性標識されたポリ
トライマーガムを含有する。これらの変異は、グルクロ
ン酸を脂質に連結されたオリゴサッカライド前駆体に移
行せしめるグリコシルトランスフェラーゼであるトラン
スフェラーゼIVの遺伝子に存在する。
トランスフェラーゼV このタイプの変異株は脂質キャリヤー上にテトラマー
オリゴサッカライドを蓄積し、そしておそらく末端マン
ノース及びピルビン酸を欠く変形されたポリサッカライ
ドを生産するであろう。
ポリメラーゼ ポリメラーゼの欠損を伴う変異株は脂質に連結された
ペンタマー組立ブロックを蓄積し、そしてこれらを重合
せしめることができない。この表現型は観察されなかっ
た。ポリマラーゼのための欠損遺伝子は、負荷無し、又
は生物体に対する致死的表現型のごとき異る生化学的表
現型をもたらすであろう、特に、ポリメラーゼ変異株は
トランスフェラーゼI表現型を示すかもしれない。
アセチラーゼ及びケタラーゼ これらの欠損はGum+株中に見出された。増殖の後、1
2,000xg、10℃〜20℃にて30分〜1時間にわたる培養液
の遠心によりポリサッカライドを収得した。上清から沈
澱したガムを加水分解の後にHPLCにより分析した。加水
分解されたガムのHPLC分析が示すところによれば、幾つ
かの変異株をピルビン酸を伴わないキサンタンガムを生
産し、そして幾つかの変異株は2:2:1のモル比でグルコ
ース/マンノース/グルクロン酸を含みアセテートを伴
わないキサンタンガムを生産する。インビトロデーター
によりこれらの結果が確認された。これらの変異株は、
それぞれケタラーゼ又はアセチラーゼを欠いている。
例3 例3は、λ1059中X.カンペストリスの全ゲノムDNAの
ライブラリーの調製を記載する。
バクテリオファージλ1059は、Karn等,Pre.Natl.Aca
d.Sci.U.S.A.77:5172−5176(1980)(引用によりこの
明細書に組み入れる)により造成された置換クローニン
グベクターである。このファージの染色体は2個のBamH
I部位により境堺が定められる14kbの中央領域を含む。
この中央BamH I断片(以後、スタッファー(stuffer)
断片と称する)はファージの増殖のために必要な遺伝子
機能を含有せず、そしてそれ故に除去しそして外来DNA
と置き変えることができる。ベクターの2つのアームは
λの複製及び成熟のためのすべての必須の遺伝的機能を
含有する。ベクターDNAの左アームと右アームとの間に6
kb〜24kbのサイズのDNA断片を連結することにより生存
可能なファージ粒子が生成される。左アームと右アーム
との相互連結は生存可能なファージ粒子をもたらさな
い。ゲノムのサイズが、ファージヘッドに適切にパッキ
ングされるためには小さ過ぎるからである。
λ1059の“スタッファー”断片は左側のプロモーター
(pL)の制御のもとにλred(エキソ及びβ遺伝子)及
びγを担持する。これらの遺伝子はベクターにSpi+表現
型を付与する。すなわち、ファージはrecA-株で増殖す
ることができるが、しかしバクテリアファージP2に対し
て溶源性である株では増殖することができない。pLも
“スタッファー”断片上に位置するため、Spi+表現型の
発現はベクターの左アームと右アームとの間の“スタッ
ファー”の方向によって影響を受けない。
BamH Iにより消化されたベクターDNAを、BamH Iの付
着末端と適合性である“付着末端”を生じさせるいずれ
かの制限酵素(例えば、Bgl II 、Bcl I、及びSau3A)
による消化によって調製されたゲノムDNAと連結する。S
au3AによるゲノムDNAの開裂が、高分子量DNA断片のおよ
そランダムな集団を生じさせるために効果的な方法であ
る。なぜなら、この酵素による開裂のための認識部位は
平均して256bp毎に1個存在するからである。外来DNAの
挿入部を含有する生存可能なファージ粒子はSpi-表現型
を発現し、そしてそれ故にP2溶原株で増殖するが、しか
recA-株では増殖しないであろう。
高分子量(100kbより大)ゲノムDNAを2のS4−L ri
f−101から、Biochem.Biophys.Acta 72:619−629(引用
によりこの明細書に組み入れる)に記載されているよう
なSaito及びMuriaにより記載された方法を用いて単離し
た。高分子量のX.カンペストリスのゲノムDNAを、主と
して15〜20kbのサイズを有する断片の集合を生じさせる
反応条件を用いてSau3Aにより部分消化した。多数連結
現象からの擬似連を回避するため、Sau3A消化により生
成した断片を10−40%シュークロースグラジエント上で
十分に分画して15〜24kbのサイズとした。小アリコート
を0.4%アガロースゲル上で泳動することによりDNAのサ
イズを確認した。
GsCl勾配中での平衡遠心により精製されたファージ粒
子からファージλDNAを単離した。λ1059DNAをBamH I及
Sal Iで消化した。BamH I消化により、左アーム及び
右アームが“スタッファー”断片から分離される。Sal
I消化により“スタッファー”がさらに開裂され、そし
てこれによって連結中でのクローニングベクターの再構
成が制限される。BamH I−Sal I消化されたベクターDNA
のアリコート2μgを、X.カンペストリスのDNAのSau3A
開裂により生成した15〜24kb断片0.6μgと混合し、そ
してT4リガーゼにより連結する。ベーリンガー・マンハ
イムから得られるλパッケージグミックスを用いて、連
結されたDNAをインビトロパッケージした。
パッケージされたDNAの稀釈物を用いて3種類の異る
E.コリ株、すなわち、非制限株Km392、ereA-株KRO、及
びPD溶原株Q359に感染せしめた。K392株はproCに挿入
されたTn5を担持するLE392であり、そしてYoung,R.A.,S
cience 222:778−782(1983)(引用によりこの明細書
に組み入れる)により記載されている。KM392の感染は
1×106タイターを与え、他方KRO及びQ359の感染はそれ
ぞれ6×104及び1.2×105のタイターを与えた。KM392で
のタイターは全生存ファージの日数である。KROでのタ
イターはX.カンペストリスDNAの挿入部を有しないファ
ージの数を示し、他方Q359でのタイターはX.カンペスト
リスDNAの挿入部を含有するファージの数を示す。BamH
I及びSal IによるベクターDNAの二重消化により、再連
結現象によるλ1059粒子の有意な数の形成が回避されて
いるはずであるから、X.カンペストリスDNAの挿入部を
含有しない生存ファージの数が比較的大であったことは
驚くべきことであった。さらに、KROでのタイターとQ35
9でのタイターを加えることにより決定された生存ファ
ージの合計数がKM392の感染から決定された全生存ファ
ージのおよそ5分の1であったことが注目される。これ
らの結果の1つの説明は、挿入DNAを有する又は有しな
いファージのプレート効率が、KM392での場合に比べてK
RO及びQ359の両者での場合約5分の1であることであ
る。言い換えれば、X.カンペストリスDNAの挿入部を有
するか又は有しないファージの数は実際には、KRO及びQ
359の合計タイターよりも5倍大である。
この説明を、挿入DNAを含有するKM392上で増殖するフ
ァージの比率を決定することにより試験した。
KM392に増殖する単離されたプラーク48個中に存在す
るファージを楊枝により1滴の無菌緩衝液に移し、そし
て次に、Q359細胞、KRO細胞及びKM392細胞のローン(la
wn)上にプリントした。単離ファージのすべてがKM392
上で増殖し、62%がQ359上で増殖したがKRO上では増殖
せず、そして38%がKRO上で増殖したがQ359では増殖し
なかった。すなわち、X.カンペストリスDNAの挿入部を
担持する。KM392上で増殖するファージの数は62%であ
った。この値は66%(1.5×105/1.8×105)の予想値と
よく一致し、そして挿入DNAを含有する生存ファージの
実際の数は6×105であることを示している。
X.カンペストリスDNAが好結果にクローン化されたこ
とを示す追加の証拠は、KM392及びQ359上では増殖する
がKRO上では増殖しない6個の独立のクローン通に存在
するDNAを単離することにより得られた。各単離された
ファージ染色体のサイズはλ1059の染色体のサイズより
わずかに大きいことが見出され、各クローン中に存在す
る挿入部が14kbの“スタッファー”断片より大きいこと
が示された。各単離体かのDNAのBamH I消化は、それぞ
れがλ1059のBamH I制限パターンとは異る特有の制限パ
ターンを有することを示した。
例4 この例は、XカンペストリスDNAのライブラリーのス
クリーニングを記載し、そしてキサンタンの生合成に関
与する遺伝子の幾つかがクラスターを形成している(群
がっている)ことを示す。
キサンタンガムを生産しないX.カンペストリスの変異
株をTn10変異誘発を用いて単離した。Tn10によりコード
されているテトラサイクリン耐性を用いて、35個のgu
m::Tn10変異株からのTn10及び染色体DNAを含有する制限
エンドヌクレアーゼ断片をクローニングした。Tn10挿入
部位を挟むこれらの染色体配列は、λゲノムライブラリ
ー中にクローン化された野生型X.カンペストリスDNA配
列を同定するため、及びgum::Tn10変異の物理的マップ
を調製するために使用されるハイブリダイゼーションプ
ローブを提供した。
例3に記載したようにして、gum::Tn10から染色体DNA
を抽出し、そして精製した。このDNAを制限エンドヌク
レアーゼPst Iにより完全消化した。この酵素はTn10内
を開裂しない。従って、1つの染色体Pst I断片は、挿
入部に隣接するX.カンペストリス染色体DNAに融合した
無傷のTn10要素を含有するであろう。消化されたDNAをP
st Iで消化されたプラスミドRSF1010に、次の様にして
連結した。
反応物のアリコートをアガロースゲル上で泳動せしめ
ることにより消化をモニターした。典型的な連結反応に
おいては、約8μgのプラスミド及び約5μgの染色体
DNAを合計容量200μ中で混合した。約20ユニットのT4
DNAリガーゼ(ニュー・イングランド・バイオラブス)
を加え、そして12℃にて約16時間インキュベートした。
形質転換の前に反応物のアリコートをアガロースゲル電
気泳動することにより、連結の程度を測定した。
連結生成物を使用してE.コリLE392を形質転換し、ス
トレプトマイシンに対する耐性(RSF1010に担持されて
いる)又はテトラサイクリンに対する耐性についてスク
リーニングした。次に、全連結反応物を用いてE.コリLE
392を形質転換した。Tetr形質転換体についての選択
は、RSF1010の大Pst I断片(これは複製機能を提供す
る)及びTn10を含有する染色体DNAのPst I断片(これは
テトラサイクリン耐性を提供する)の両者を含有する組
換プラスミドについて選択するはずである。形質転換方
法については、連結混合物をエタノール沈澱せしめ、50
μの緩衝液に再懸濁し、そして約3×109/mlの濃度の
細胞(CaCl2処理によって形質転換−コンピテントにさ
れたもの)0.2〜1.0mlに加える。この混合物を氷上で45
分間インキュベートし、43℃にて2分間ヒートションク
にかけ、ルリア(Luria)培地で5倍に稀釈し、37℃で6
0分間インキュベートし、そして最後に濃縮し、そして
適切な薬剤を含有する培地上にプレートする。
Tn10を含有する染色体DNAとのすべての連結物が、ク
ローン化されたTn10 DNAを担持する組換プラスミドを含
有する幾つかのテトラサイクリン耐性形質転換体をもた
らした。RSF1010のみにより、DNAを用いないで、そして
最も有意義には、Tn10を担持しないS4−L str−101から
抽出された染色体DNAを用いる連結混合物による対照形
質転換からはテトラサイクリン耐性形質転換体は得られ
なかった。しかしながらこの対照連結におけるストレプ
トマイシン耐性形質転換体の頻度は他の連結から得られ
るストレプトマイシン耐性形質転換体の頻度と同等であ
った。
テトラサイクリン耐性形質転換体を、Tn10を担持する
組換プラスミドの存在について分析した。コロニを拾
い、そして10μg/mlテトラサイクリンを含有するLB中で
一夜増殖せしめた。Clewell及びHelsinki,Biochemisty
62:1159−1166(1969)(引用によりこの明細書に組み
入れる)により記載された標準的透明細胞溶解物技法を
用いてプラスミドDNAを調製した。適切な制限エンドヌ
クレアーゼを用いる消化によりプラスミドを分析した。
プラスミド上のTn10の存在を試験するため、Hind III消
化を行った。Tn10は、長さが4.5kb及び0.5kbの2つの内
Hind III断片を含有する。従って、Hind IIIで切断さ
れた場合、すべての組換プラスミドはこれら2つの断片
を生ずるべきである。さらに、Pst Iで切断された場
合、すべての組換体は、RSF1010に由来する8.1kb断片+
9.3kbより大であるべき第二のより大きな断片をもたら
すべきである。これは、それ自体9.3kbの長さを有す
る、Tn10を含有する染色体DNAのPst I断片である。
試験されたほとんどすべてのプラスミドがこれらの基
準によればTn10を含有しているようであった。しかしな
がら、Pst I消化はしばしば2個より多くのPst I断片の
存在を示した。おそらく、これらの“余分”の断片は多
数連結現象の結果であろう。この様な組換体をハイブリ
ダイゼーションプローブとして使用すれば、注目の遺伝
子からの配列を含有するPst I断片へのアニーリングの
ほかに、余分なPst I断片に対して相同なDNA断片へのア
ニーリングが起こるであろうから、これらの余分な断片
は望ましくない。
余分のPst I断片を除去するため、次にTn10含有断片
を“再クローン化”した。CsCl勾配により精製されたプ
ラスミドを調製し、そしてPst Iで完全生した。消化生
成物を低DNA濃度(約10μg/ml)において連結した。こ
の比較的低い濃度において、ほとんどの連結現象が線状
断片を環化せしめるはずである。時としてダイマー環が
形成され、そしてより高次のマルチマーはまれである。
反応混合物をアリコートのゲル電気泳動により連結の
程度を測定した。一般に、マルチマーの形成はほとんど
観察されなかった。連結反応物を用いてE.コリLE392を
形質転換し、そしてテトラサイクリン耐性形質転換体を
選択した。次に、これらの形質転換体中に存在するプラ
スミドを分析した。これらはほとんど常に所望の組換体
構造を有することが見出された。すなわち、これらは、
2個の、そして2個のみのPst I断片を含有しており、
1つはRSF1010由来の8.1kb断片でありそして第2はTn10
と隣接ゲノムDNAとを含有するX.カンペストリス染色体
断片である、9.3kbより大きい断片であった。これらの
得られる組換体プラスミドをpTXnnnと命名した。ここ
で、Tはテトラサイクリン耐性を意味し、そしてXnnn
は、そこからテトラサイクリン耐性がクローン化された
gum::Tn10の株番号である。例えば、プラスミドpTX655
は、gum::Tn10変異株X655からのテトラサイクリン耐性
決定基をクローニングすることにより誘導された。
X655と称するGum-変異株は、正常なペンタマー構造で
はなくトライマー構造のサブユニットを有するポリサッ
カライドを生産する。この変異株はVanderslice等(前
掲)により一層十分に記載されている。この変異により
定義されるガム生合成遺伝子は、ガムの生合成を行うよ
うに同等に発現されそして制御される遺伝子のクラスタ
ーの部分のようである。この可能性を試験するため、プ
ラスミドpTX655とハイブリダイズするX.カンペストリス
DNAを担持するλ1059クローンし以後、λ655(+)と称
する〕26個のセットを単離し、そして精製した。遺伝子
バンクは増幅されていないので、各クローンは独立の連
結現象に由来するX.カンペストリスDNAを含有してい
た。この効果は、X655変異により定義されるガム遺伝子
を担持するゲノムの領域内で染色体にそって“歩く”こ
とである。各クローン化断片は約15kbであるから、この
“歩み”は約30kbをカバーする。
次に、26個のファージクローンのセットを、今度は35
個のgum::Tn10のそれぞれからのクローン化プローブDNA
とハイブリタイズせしめた。35個のプラスミドプローブ
の内24個が、このセット中の20個のファージクローンの
すべて又は幾つかとハイブリダイズすることが見出され
た。これらの結果は、ガム遺伝子の少なくとも幾つか
は、X655変異により定義されるガム生合成遺伝子、トラ
ンスフェラーゼIVを含有するX.カンペストリスのゲノム
と同じ領域中でクラスターを形成していることを示して
いる。
26個のλ655(+)組換ファージは、pTX655中にクロ
ーン化されたPst I断片の周辺に集中した約30kbのX.カ
ンペストリス染色体DNAを、集団として含有する。これ
らのファージに対して他の34個のpTXプラスミドをハイ
ブリダイズせしめることにより、他のGum-変異株のいず
れがこの30kbセグメント内にTn30挿入を有するかが決定
された。35個のpTXプラスミドのすべてをニックトラン
スレーションにより放射性標識し、そして負対照として
役立つλ1059クローニングベクターDNA、並びにフィル
ターに結合したλ655(+)ファージDNAにハイブリダイ
ズせしめた。
ニックトランスレーションは、50mM Tris−HCl(pH7.
5)、10mM EDTA、1mM DTT、及び50μg/mlのBSA(シグマ
・ペンタックス,フラクションV)中で行った。典型的
な反応容量は30μであり、そして一般に0.4μgのDNA
を加えた。コールドdNTPはそれぞれ20μM存在し、そし
32P−標識dNTPはそれぞれ3.3μM存在した。各ホット
dNTPと共に合計80μCiの32Pが添加された。この反応混
合物をDNAアゼI(1μの0.1μg/ml溶液)により37℃
にて1時間インキュベートした。次に、この反応混合物
に1μのE.コリDNAポリメラーゼI〔Richardson等(1
964)により定義される場合5ユニット〕を加えた。37
℃にて30分間のインキュベーションの御、反応混合物を
キャリヤーDNAと共にエタノー沈澱した。ペレットを70
%エタノールで洗浄し、真空乾燥し、そして200μの1
0mM Tris−HCl(pH8.0)、1.0mM EDTA中に再懸濁した。
次の方法によりハイブリダイゼーションを行った。Da
vis等(1980)の方法を用いてニトロセルロースフィル
ターに結合したλDNAを調製した。これらのフィルター
を、5×SSPE,5×デンハート溶液(Maniatis等,前
掲)、0.1%SDS及び50%のホルムアミド(100μg/mlの
変性された音波処理されたウシ胸腺DNAを含有する)中
で、揺り器上で、42℃にて4〜16時間プレハイブリダイ
ズせしめた。ハイブリダイゼーション反応自体は2×SS
PE,1×デンハート溶液、50%ホルムアミド(100μg/ml
の変性され音波処理されたウシ胸腺DNAを含有する)中
で行った。放射性標識された32PプローブDNAを0.1N NaO
H中で変性せしめ、そして1/10容量の2M Tris−HCl(pH
8.0)の添加により中和した。典型的には、ハイブリダ
イゼーション反応混合物ml当り106cpmの導入された32P
を添加した。ハイブリダイゼーション混合物を42℃にて
12〜20時間、揺り器上でインキュベートした。次に、フ
ィルターを室温にて、2×SSPE中で1回、そして次に0.
1×SSPE中で1回洗浄した。フィルターをワットマン3MM
ペーパー上にプロットし、そして空気乾燥した。次に、
フィルターをコダックX−OMAT ARフィルム上に起き、
そして4〜16時間−70℃にて暴露した。デュポン・コル
ネックス強化スクリーンを使用した。
35個のプラスミド中25個がλ655(+)ファージDNAの
幾つか又はすべてにハイブリダイズすることが見出され
た。すなわち、gum::Tn10変異のかなり大きな部分(約6
0%)がこのクローン化30kb領域内に位置していたが、
有意の数のものがこのDNA断片外に位置した。
ハイブリダイゼーションデータは、どのプローブがハ
イブリダイズし、そしてどれがハイブリダイズしないか
に基いてα655(+)ファージの分類を可能にする。こ
れらのハイブリダイゼーションパターンは各ファージ中
にクローン化されたDNAセグメントを反映する。クロー
ン化されたDNA断片のそれぞれはX.カンペストリス染色
体の連続する単一片であるから、ゲノム中の変異の順序
がハイブリダイゼーションのクラスから推定された。特
定のDNA断片の存在又は不存在は特定のプローブへのハ
イブリダイゼーションの成否とよく相関する。
制限地図及びハイブリダイゼーションデーターは、変
異X708がX.カンペストリスDNAのクローン化3kbセグメン
トの一端の非常に近くに位置することを示した。従っ
て、pTX708プラスミドにハイブリダイズする組換ラムダ
ファージを単離することによって、X.カンペストリスの
染色体は“歩かれた(walked)”。26個のこのような組
換体を拾い、そして上記の制限マッピングにより分析し
た。このセットのファージがクローン化領域を約8kb延
長した。
次に、36個すべてのpTXプラスミドプローブを、λ655
(+)ファージとのハイブリダイゼーションにおいて用
いられたのと同じ方法を用いて、このセットの組換ファ
ージとハイブリダイズせしめた。同じ25個のpTXプロー
ブがλ708(+)ファージの幾つか又はすべてにアニー
ルし、そしてλ655(+)ファージにハイブリダイズし
ない同じセットのプローブはλ708(+)ファージのい
ずれにもハイブリダイズしなかった。再び、λ708
(+)ファージの制限地図は、特定のDNA断片の存在又
は不存在と特定のプラスミドプローブへのハイブリダイ
ゼーションとの相関関係を許容した。従って、要約する
と、これらのハイブリダイゼーションから、25の変異が
トランスフェラーゼIV-株655中に担持された変異の近傍
のDNA領域にクラスターを成している(群がっている)
ことが見出された。10個の変異はこのDNA領域に位置し
なかった。これらの変異の幾つかは上に記載されてお
り、そしてBetlach等(前掲)により記載されている。
例5 この例はクラスターを形成したガム生合成遺伝子を担
持するクローン化DNAの制限地図の作成を記載する。
Tn10挿入変異の集合により定義される多数のガム遺伝
子X655変異の位置の周辺にクラスターを形成しているこ
とが見出されたので、これらの遺伝子を担持するX.カン
ペストリスの領域を、制限酵素地図の作成によりさらに
特徴付けた。これは、ガム遺伝子クラスターを担持する
オーバーラップする断片のセットを構成する26個のファ
ージクローンのそれぞれ中に存在するクローン化DNAの
制限酵素地図を作成することにより達成された。
ファージクローンのそれぞれはクローン化されたX.カ
ンペストリスDNAのほかにα1059DNAを含有するため、X.
カンペストリスDNAからのλDNAの識別を容易に可能にす
る制限酵素を用いて制限酵素分析を行った。一つのこの
ような酵素はBamH Iである。λ1059の2つのアームのい
ずれにもBamH I部位が存在しないため、各BamH I消化物
中に存在するλDNAは常に2つのバンド中に存在する。2
0kbと同じか又はこれより大きい1つは左アームからの
αDNAを含有し、9kbと同じか又はこれより大きい他方は
右アームからのλDNAを含有する。
26個のファージクローンのそれぞれから単離されたDN
AをBamH Iにより消化した。生成した制限断片のサイズ
は20kbより大きなものから0.5kbより小さなものまであ
るので、消化物を低%アガロースゲル(大断片を分離す
るため)上でそして高電圧において(最小の断片の拡散
を減少せしめるため)泳動せしめた。ゲルはしばしば0.
4%アガロース濃度を用い、そして100Vにおいて約5時
間泳動を行った。各ゲルはBamH Iで消化されたファージ
クローンのサンプル、野性型λDNAのHinb III消化物
(サイズ標準として使用するため)、及びλ1059DNAのB
amH I消化物(サンブル消化物中のベクターDNAの位置を
示すため)を含有した。サンプル消化物中の各制限断片
が泳動した距離を測定し、そして野性型λDNAの消化物
から調製した標準曲線を用いて分子サイズに換算した。
26個のファージクローンのそれぞれ中に存在するDNA
BamH I称物により生じた制限パターンを分析すること
により、ファージクローンのそれぞれ中のオーバーラッ
プするDNAの領域を決定した。オーバーラップのパター
ンから、各消化物中の制限断片の順序を決定した(第2
図)。
X708変異の位置がクローン化DNAの1端に非常に近い
ため、ハイブリダイズしなかった10個のpTXプローブDNA
の1つ又は複製はオーバーラップするファージクローン
のセット中に含まれるDNAの領域のすぐ外側に位置する
可能性がある。遺伝子バンクからのpTX708とハイブリダ
イズする1セットのλクローンを単離することにより、
この可能性を試験した。こうして、ガム遺伝子クラスタ
ーに近接するX.カンペストリスのゲノムの領域をX708中
に存在するGum-変異の位置を越えて成長した。これらの
クローン中に含まれるDNAについてBamH I制限地図を作
成した(第3図)。
0.4%アガロースゲル上で検出されなかった非常に小
さいBamH I制限地図(0.5kb未満)が存在するか否かを
決定するため、全クローン化領域に由来するDNAを含有
する選択されたファージクローンをBamH Iで消化し、そ
して5%ポリアクリルアミドゲル上で泳動せしめた。こ
のゲルは30bpという小さい断片を分離することができ
る。この実験により、300bp及び190bpのサイズを有す
る、今まで検出されなかった2個のBamH I断片の存在が
示された。
これらのデーターの他の分析により、300bp断片は1.0
5kb断片と1.4kb断片との間に位置し、そして190bp断片
は5.8kb断片と1.05kb断片との間に位置することが示さ
れた。BamH I制限地図データー及びプローブハイブリダ
イゼーションデーターのすべてを組み合わせて、キサン
タンガムの生合成に関与する遺伝子のクラスターを担持
するX.カンペストリスの染色体の領域の物理的及び遺伝
的地図を作成した(第4図)。
例6 例6はλ1059ライブラリーからのガム遺伝子クラスタ
ーDNAの広宿主域ベクターpMW79へのサブクローニングを
記載する。
ベクターpMW79は、Wood等,J.Bact.14:1448−1451(19
81)(引用によりこの明細書に組み入れる)により詳細
に記載されている。要約すれば、これは、広宿主域Inc
−QプラスミドRSF1010及び古典的なE.コリ・クローニ
ングベクターpBR322を含んで成るキメラプラスミドであ
る(第5a図を参照のこと)。pMW79は広範囲の種類のグ
ラム陰性細菌に移行し、そしてその中で増加すことがで
き、そしてpBR322中に存在する有用なクローニング部位
の多くの維持している。このプラスミドのpBR322部分中
のクローニング部位を主として使用し、そして時に、テ
トラサイクリン耐性遺伝子中に存在する部位を使用し
た。
λ1059ファージクローン655(I)は本発明者等のTn1
0変異により定義されるガム遺伝子を担持するX.カンペ
ストリスのゲノムの完全な領域を含有する。ファージク
ローンI中のX.カンペストリスDNAをプラスミドクロー
ニングベクターpMW79にサブクローニングした。
λクローン655(I)から単離したDNAの部分BamH I消
化物をpBR322及びpMW79のBamH I限定消化物と連結し
た。連結されたDNAを用いてKM392を形質転換し、Ampr
質転換体を選択した。合計1200個のAmpr形質転換体をテ
トラサイクリンを含有する寒天プレート上にプリントシ
テどの形質転換体がTessであり、そしてそれ故にpMW79
のTet遺伝子中に位置するユニークBamH I部位に挿入部
を含有するらしいかを決定した。60個のAmprTets形質転
換体を単離し、そしてストリーク−純化した。次に、プ
ラスミドDNAを各形質転換体から単離し、BamH Iで消化
し、そして消化物を0.4%アガロースゲル上で泳動せし
めることによりX.カンペストリスDNAの存在及び範囲を
確認した。
単離されたプラスミドの大部分が挿入DNAを含有して
いなかった。しかしながら、19個が挿入部を含有するこ
とが見出された。19個の内9個が単断片挿入部を含有し
ており、他方10個は2個以上の断片の複合された挿入部
を含有していた。クローン化DNA中に2個以上のBamH I
断片が存在する10個すべての場合において、これらの断
片はλクローン655(I)のBamH I制限地図上で接近し
ている。この知見は、λクローン655(I)中のBamH I
断片の順序が正しいことの独立の証拠を提供する。右端
の1.0kb断片を除き、λクローン655(I)中に存在する
キサントモナスDNAのすべてがサブクローン誘導体の1
又は複数中に示される。
5.5kb断片又は11.5kb断片(これらはλクローン655
(I)中には含まれない)を含有するpMW79のクローン
を別々の実験において、λクローン655(C)及びλク
ローン708(8)のBamH I限定消化物とBamで消化された
pMW79とを連結することによって調製した。こうしてpMW
79中にクローン化されたX.カンペストリスDNA断片の代
表例を第5b図に示す。
一連の段階において、キサンタンガムの生合成に遺伝
的に関連する領域を含むDNAの単一の大(20kb)セグメ
ントをpMW79にクローン化した。このクローニングにお
いて行われた方法は次の通りであった。ファージλクロ
ーン655(B)(第2図)DNAをBgl II及びHind IIIによ
り完全消化し、そしてBamH I及びHind IIIにより完全消
化されたプラスミドpMW79DNAと連結した。BamH I及びBg
l IIは異る配列を切断するがしかし同一の付着末端を生
じさせる。従って、BamH I末端はBgl II末端に連結する
ことができる。連結生成物を用いてE.コリを形質転換
し、pMW79によりコードされているアンピシリン耐性に
ついてスクリーニングした。88個のAmpr形質転換体をテ
トラサイクリン耐性についてスクリーニングし、そして
75個のTets単離体を見出した。pMW79のBamH I−Hind II
I領域へのクローニングがテトラサイクリン耐性の不活
性化をもたらす。Hind III及びBamH I末端は一緒に連結
されてプラスミドを再シールすることができず、再環化
のためにはDNA断片の挿入が必要であるので、Tets形質
転換体が高頻度で生ずる。6個のTets形質転換体のプラ
スミドを分析した。小規模透明細胞溶解物を調製し、Ba
mH Iで消化し、そしてアガロースゲル上で泳動せしめ
た。2個の形質転換体が所望の断片を担持するプラスミ
ドを有することが証明された。1つの単離体を多量プラ
スミド調製のために増殖せしめた。このプラスミドDNA
をCsCl密度勾配遠心により精製し、そして種々の制限エ
ンドヌクレアーゼ消化に再分析した。このプラスミド
(今pX206と称する)は、これらの制限エンドヌクレア
ーゼの切断パターンにより証明する場合、第6図に示す
ように期待された構造を有していた。
例6に示すごとく、λ708(8)の8kbのBgl II断片を
クローニングすることを試みた。精製したλ708(8)D
NAをBgl IIにより完全消化し、そしてBamH Iで切断した
pMW79 DNAと連結した。連結混合物を用いてE.コリを形
質転換し、やはりAmprについて選択した。166個のAmpr
形質転換体をテトラサイクリンに対する耐性について試
験し、そして49個のTets単離体を見出した。これらの内
18個からのプラスミドDNAを単離し、そして注目のBgl I
I断片を担持すると思われる1つの組換プラスミドを見
出した。この株から大量の透明な細胞溶解物を調製し、
そしてCsCl勾配によりプラスミドDNAを精製した。その
後の分析により、このプラスミドは注目の断片を有する
が、しかし第二の余分のBgl II断片を同様に含有してい
ることが示された。
この思いがけない組換体の構造が一層有用なサブクロ
ーンを造成する機会を提供した。偶然にも、このプラス
ミド中のBgl II及びCla Iの部位の位置が、Cla I及びBg
l IIにより消化しそして次にガム遺伝子クラスター中で
隣接する2kb Cla I−Bgl II断片中に連結する機会を提
供した。この造成により、プラスミド中に存在するクロ
ーン化DNAはBgl II部位を越えて2kbだけ延長され、この
余分のDNAは遺伝子置換実験を促進するのに有用であっ
た。さらに、この造成物はクローン化されたキサントモ
ナスDNA内にユニークHind III及びBgl II部位を有して
いた。pX207と称するこのプラスミドの構造を第6図に
示す。
次に、λ655(B)の大(8kb)Bgl II−Cla I断片をp
X207に挿入し、pX207の小(2kb)Bgl II−Cla Iセグメ
ントを置き換えた。プラスミドpX207をこれらの両酵素
により消化し、そしてやはりBgl II及びCla Iで消化さ
れたλ組換体λ655(B)のDNAに連結した。Cla I及びB
gl IIによる二重消化により形質転換体中の組換プラス
ミドが選択される。なぜなら、Bgl II末端はCla I末端
に連結されることができず、そしてそれ故にpX207は第
二のBgl II−Cla I断片がそれに連結されない限り再環
化することができないからである。確かに、試験された
12個の形質転換体のすべてが組換プラスミドを含有して
おり、そしてそれらの内の1個が目的の組換体であるこ
とが証明された。このプラスミドpX208を第6図に示
す。このプラスミドは、隙間をなす4.5kb Bgl II断片の
右側Bgl II部位から11.5kb BamH I断片のCla I部位まで
のガム遺伝子を含有する。次に、欠けている4.5kb Bgl
II断片をpX208に挿入してpX209と称する目的の大サブク
ローンを生成せしめた。
pX208プラスミドDNAをBgl IIで消化して線状化した。
欠けている4.5kb Bgl II断片を分取用アガロースゲルか
らの電気溶出により精製し、そしてBgl IIで切断したpX
208に連結した。連結生成物を用いてE.コリを形質転換
し、そしてアンピシリン耐性形質転換体を得た。この連
結において、組換体の選択は存在せず、そして簡単なス
クリーニング方法は存在しない。コロニーハイブリダイ
ゼーション技法(Maniatis等,前掲)により、組換プラ
スミドについて形質転換体をスクリーニングした。この
方法は、注目のDNAセグメントについてλクローンをス
クリーニングするために使用されるプラーク・ハイブリ
ダイゼーション法に類似する。形質転換体を、楊枝によ
り“マスター”プレート上に順序付けられた例として移
す。次に、このマスタープレートを用いてニトロセルロ
ースフィルター上のコピーを作る。このフィルターコピ
ーを寒天プレート上でインキュベートし、該寒天から該
フィルターを通して拡散する栄養により該フィルターの
表面上に細菌を増殖せしめる。次に、フィルター上の細
菌をその場で溶解し、そしてDNAを不可逆的にフィルタ
ーに結合せしめる。放射性標識したDNAを用いてこのフ
ィルターをプローブすることができる。この場合、放射
性標識された4.5kb Bgl II断片を使用する。この断片を
得た組換体のみがプローブとハイブリダイズした。ほと
んどの形質転換体が再環化されたプラスミドpX208のみ
を含有し、そしてハイブリダイズしなかった。576個の
形質転換体を、ニックトランスレーション法によって32
Pにより標識された4.5kb Bgl II DNAを用いてスクリー
ニングした。これらの内、このプローブハイブリダイズ
する20個の形質転換体が見出された。これらの形質転換
体の内の幾つかからのプラスミドDNAを分析して4.5kb断
片の存在及びその方向を確認した。12個のこのような仮
定の形質転換体を、アガロースゲル電気泳動を用いて分
析した。これらの内11個が予想したBgl II 4.5kb断片を
含有しており、そしてこの11個の内8個が正しい方向で
断片を担持していた。これらの8個の内1個を拾ってさ
らに分析した。pX209と称するこのプラスミドを第6図
に示す。
例7 この例は、pMW79上に担持されたクローン化ガス遺伝
子DNAセグメントの、インビボ及びインビトロでの領域
特異的(regionally−directed)変異誘発のための方法
を記載する。
領域特異的変異誘発を、プラスミドpMW79中に担持さ
れたガムDNAのサブクローン化部分に対して行った。こ
れらのクローン化DNAセグメントをトランスポゾンによ
りインビボで、そして組換DNA技法を用いてインビトロ
で変異誘発せしめることにより、クローン化X.カンペス
トリスDNA内に挿入、欠失、及び置換変異を生成せしめ
た。これらの変異により付与される表現型を検討するた
め、変異を担持するプラスミドをX.カンペストリスにも
どし、そして次にプラスミドに担持された変異した遺伝
子が相同性組換により染色体に挿入されている組換体を
同定した。Tn10によりコードされているテトラサイクリ
ン耐性が、プラスミドから染色体への変異の移行につい
ての便利な選択系を提供する。
プラスミドに担持されたX.カンペストリスDNAとX.カ
ンペストリス染色体との間の組換を検討するために設計
された予備実験において、モデル系としてプラスミドpT
X655を使用した。このプラスミドは、プラスミドRSF101
0中にクローン化された2.3kbのX.カンペストリスPst I
断片の中ほどにTn10挿入部を担持する。この実験は、プ
ラスミドpRK2013を用いてpTX655を可動化(mobillse)
して、Tn10によりコードされているテトラサイクリン耐
性の移行について選択することにより、それをE.コリか
らX.カンペストリスに移行せしめることである。このメ
イティング(mating)の最初の結果は変則的であり、そ
してTn10はプラスミド上に担持されている場合にはX.カ
ンペストリス中で効率的にテトラサイクリン耐性を発現
しないこと、しかしTn10がX.カンペストリスの染色体中
に担持されている場合には薬剤耐性がより効率的に発現
されることを示した。この現象はE.コリ中のTn10につい
ても記載された。そこでは、染色体中に挿入された1個
のTn10のコピーを担持する株は多コピープラスミド上に
Tn10を担持する株よりも、有意に高い濃度のテトラサイ
クリンに対しても耐性であることが示された。上記のメ
イティングからのTetrのX.カンペストリスの選択は、テ
トラアシクリン上で非常に貧弱に増殖する(すなわち、
小さく水っぽいコロニーのみ)子孫を高頻度(受容体当
り0.5)でもたらした。長期間のインキュベーションの
後、大きな割合(25%)のコロニーがより激しく増殖す
る細胞のセクターを生成した。これらのセクターの50%
より多くが形態的にGum-のようであった。これらはおそ
らく、プラスミドに担持されたTn10挿入を含有するDNA
と野性型染色体DNAとの間の組換により生ずるであろ
う。Tn10が染色体中に組み換えられる場合、高レベルの
Tetrが得らえ、そして激しく増殖するベクターが観察さ
れる。これらのGum-Tet+セクターを拾い、そしてテトラ
サイクリン上に再ストリークした場合、これらはよく増
殖し、そして特徴的Gum-形態を示した。このことは、も
とのX655変異が、プラスミドに担持されたTn10挿入の染
色体への組換により再構成されたことを強く主張してい
る。
Kleekner等,Geneties90:426−461(1978)(引用によ
りこの明細書に組み入れる)により記載されているよう
に、λ173を用いてX.カンペストリスDNAを含有するプラ
スミド中にTn10を導入した。このバクテリオファージは
溶菌機能の温度感受性レプレッサー及びTn10挿入を非必
須遺伝子中に含有する。このファージのアリコートを使
用して、注目の組換プラスミドを担持するλ−感受性E.
コリを、0.1の感染倍率にて30℃で感染せしめた。45分
間後(ファージの吸着、DNAの注入、及びテトラサイク
リン耐性の発現を可能にするため)、細菌をペレット化
してすべての未吸着ファージを除去する。次に、細胞を
ルリア(Luria)培地に再懸濁し、そして168個の細胞を
含有するアリコートを、20μg/mlのテトラサイクリン、
100μg/mlのアンピシリン及び2.5mMピロリン酸ナトリウ
ムを含有するルリアプレーウート上にプレートした。テ
トラサイクリンはTn10について選択を行い、他方ピロリ
ン酸塩はマグネシウムをキレート化して二次ファージ感
染を最少にする。プレートを42℃でインキュベートする
ことにより溶原菌の生成を最少にする。Tetr生存株が10
-7〜10-6の頻度で生ずる。プラスミド変異誘発の目的で
デザインされた実験において、1010個の細胞を109個の
ファージで感染せしめ、102プレートを拡げる。24時間
のインキュベーションの後、各プレートからのコロニー
を4mlのルリア培地に懸濁し、そして氷上にプールし
た。遠心分離の後、リゾチーム−トリトン透明化細胞溶
解法を用いて細胞からプラスミドを抽出し、そして次に
プラスミドDNAを臭化エチジウム−塩化セシウム密度勾
配遠心により精製する。さらに精製した後、このプラス
ミドを使用してE.コリLE392を形質転換し、Ampr,Tetr
ついて選択する。次に、各形質転換体からプラスミドDN
Aを抽出し、そしてBamH Iで切断してX.カンペストリスD
NA又はベクターDNAへの挿入を位置付ける。次に、X.カ
ンペストリス配列中に挿入されたTn10を有するプラスミ
ドをGum+X.カンペストリスに移行せしめる。このメイテ
ィングからのテトラサイクリン耐性X.カンペストリスの
選択はしばしば、前記のごとく、相同性組換を介して
の、プラスミドに担持されたTn10挿入部のX.カンペスト
リス染色体への移動をまたらす。次に、これらの染色体
挿入を有するX.カンペストリスの表現型特性を分析する
ことができる。
Tn10のインビボ挿入を単離するための第二の方策も用
いた。この方策はTn10源として例1に記載したプラスミ
ドpRK2013::Tn10を用いた。AmprpMW79レプリコン(pX11
3の)とpRK2013との間の不適合性、及びpX133中のSam I
制限部位の不存在を利用する。RifrAmprE.コリ(pX11
3)をRifsE.コリ(pRK2013::Tn10)と交配してRifrAmpr
Tetrを選択する。プラスミド不適合性を用いるAmprTetr
の選択は、pX113へのTn10のトランスポジジョンを指示
する細胞に有利である。数千個のコロニーのプールから
プラスミドDNAを精製し、そして次に制限エンドヌクレ
アーゼSma Iにより完全に切断した。プラスミドpRK201
3::Tn10はプラスミドのベクター内にSma I部位を有し、
他方Tn10中にはSma I部位が存在しない。生ずるDNAを用
いての自然の(native)E.コリをAmprTetrに形質転換し
た。pX113::Tn10プラスミドのみが形質転換の間にこの
表現型を提供するはずである。これらの幾つかはクロー
化されたキサントモナス・カンペストリス配列内にTn10
の挿入部を含有していた。このようなプラスミドに担持
された挿入変異は、前記の遺伝子置換を介してX.カンペ
ストリス染色体に導入することができた。
Tn10テトラサイクリン耐性決定基の有用な性質を利用
するために、インヒビトロ変異誘発実験も計画された。
Tn10から2.8kb Bgl II断片も精製した。先行研究によ
り、この断片はテトラサイクリン耐性を付与する蛋白質
をコードする遺伝子及び該耐性遺伝子の発現を制御する
蛋白質をコードする制御遺伝子を無傷のまま含有するこ
とが示されている。E.コリにおいては、少なくとも、こ
の制御遺伝子が、プラスミドに担持されたテトラサイク
リン耐性と染色体に位置するテトラサイクリン耐性との
間の観察される差異のために機能的でなければならな
い。ゲル片からのDNAの電気泳動溶出により分取用アガ
ロースゲルから注目のDNA断片を精製した(Maniatis等,
1982)。溶出されたDNAをフェノールで2回抽出し、エ
タノール沈澱せしめ、70%エタノールで洗浄し、真空乾
燥し、そして適当な緩衝液に再懸濁した。
次に、このDNA断片を、種々のpMW79誘導体に担持され
たクローン化ガム遺伝子DNA内に存在するBgl II及びBam
H I部位にインビトロ挿入した。これらの新規な造成物
を調製するに当って、BamH Iにより切断されたDNAの付
着末端はBgl IIにより消化されたDNAの付着末端と同一
であり、それ故にBgl IIで切断されたDNAをBamH I部位
に連結することができることを利用した。プラスミドDN
Aを20〜80μg/mlの臭化エチジウムの存在下でBamH Iに
より消化した。エチジウムの存在下ではこの制限酵素の
活性が撹乱される。その結果、この消化はわずかに切断
された線状生成物を高比率でもたらす。直感的に、切断
されるBamH I部位は幾分不規則に選択されると予想さ
れ、そしておよそその通りである。精製されたBgl II T
etr断片を線状断片のこの集団に連結することができ
る。連結生成物を用いてE.コリを形質転換し、そしてテ
トラサイクリン耐性形質転換体を選択した。これらの形
質転換体からプラスミドを抽出し、そして制限エンドヌ
クレアーゼ消化により分析した。次に、BamH I部位又は
Bgl II部位のいずれかにBgl II Tetr断片の挿入を担持
するプラスミドをX.カンペストリスに交配し(matin
g)、そして染色体Tetr要素とプラスミド−担持Tetr
素との異るテトラサイクリン耐性を利用して、置換を生
じさせる相同性組換現象を同定した。この技法をわずか
に変更して、欠失変異も造成した。臭化エチジウムの存
在下で消化されたプラスミドDNAがBamH Iによる2個以
上の開裂を受けた場合、2個の開裂された部位に挾まれ
たセグメントが失われた。Tetr Bgl II断片をこの様な線
状プラスミド分子に連結した場合、生ずる組換体はガム
遺伝子DNAのセグメントの欠失を含んでいた。さらに、
ガム遺伝子DNAの非隣セグメントを一緒に連結すること
によってガム遺伝子の欠失を含むプラスミドを故意に造
成した。2つのこの様なクローン化された非隣接ガム遺
伝子カラスターDNAセグメントへの連結点にTetr Bgl II
断片が存在すれば、遺伝子置換を介して非常に多きな欠
失をキサントモナス・カンペストリス染色体中に導入す
ることがしばしば可能であった。例えば、ガム遺伝子ク
ラスターから15kbのDNAが欠失した欠失株X1107をこの技
法により造成した。
ガム遺伝子DNAの多くのサブクローン化されたセグメ
ントにインビボ及びインビトロ領域特異的変更誘発を適
用することにより多数のプラスミドに担持された挿入が
得られ、これらは次に、遺伝子置換実験においてテトラ
サイクリン耐性X.カンペストリス誘導体を生じさせた。
これらの挿入変異の幾つかの物理的地図を第7図に示
す。これらの遺伝子置換株の染色体DNAのサザンハイブ
リダイゼーション分析を行うことにより、染色体挿入の
位置がそれらが由来するプラスミド−担持挿入の位置に
対応することを確認した。これらの実験のため、前記の
各仮定の遺伝子置換株から全染色体DNAを調製した。精
製されたDNAを診断的制限エンドヌクレアーゼ、通常はB
amH I,Bgl II,EcoR I,Hind IIIもしくはPst I,又はこれ
らのある組合せにより消化した。DNA消化物をアガロー
スゲル上で泳動せしめ、ニトロセルロースフィルターに
移し、そして放射性標識されたプラスミドDNAによりプ
ローブした。オートラジオグラフがハイブリダイゼーシ
ョンパターンを示し、これを野性型対照と比較してTn10
又はBgl II Tetr断片の挿入の位置及び方向を推定す
る。第7図に示される挿入のすべてが純粋な遺伝子置換
株であることが見出された。すなわち、ハイブリダイゼ
ーションによりプラスミド配列は検出されず、そして染
色体DNAは示された挿入変異により、そして他の明らか
な現象によらないで、野性型から変化していた。これら
すべての挿入変異の表現型を例2に記載したインビトロ
及び/又はインビボ法により試験した。こうして同定さ
れた表現型を第7図に示す。
例8 この例は、プラスミドベクター上に担持されたクロー
ン化ガム生合成遺伝子のX.カンペストリスにおける発現
を示す補完実験において使用される方法を記載する。
ガム遺伝子DNAのセグメント、及びガム遺伝子クラス
ター内にGum-挿入変異を有するプラスミドを用いて補完
実験を行った。これらの実験の結果を第8図に要約す
る。これらの実現において、プラスミドをX.カンペスト
リス受容株に交配(mating)し、そしてストレプトマイ
シン耐性の選択を用いてそこに保持した。各受容株から
プラスミドDNAを調製し、そしてこのプラスミドDNAを制
限エンドヌクレアーゼ消化及びアガロースゲル電気泳動
により分析することによってプラスミドの存在を確認し
た。プラスミドの喪失が補完された菌株におけるGum+
現型の喪失と相関することを証明するため、プラスミド
キュアー“(curing)”実験を行った。一般に、変異株
は変異挿入部位にわたるプラスミドDNAにより補完され
た。例えば、プラスミドpX110はX925,X928,X975、及びX
655を補完したが、しかし欠失変異株X974を補完しなか
った。プラスミドpX110により担持されるガム遺伝子DNA
は、すべての補完された変異の挿入部位を有意に越えて
延びる。しかしながら、第8図に見られるように、X974
中の欠失変量はpX110中に担持されるクローン化ガムDNA
の右側終点まで右に延びる。従って、pX110はX974株中
の欠失により除去された遺伝子の無傷のコピーを担持し
ていない可能性がある。実際に、pX110によりX974の補
完が得られないことはこれがこの場合に当ることを主張
している。
驚くべき結果は、pX206がX947を補完しなかったこと
である。このプラスミドはまたX975も補完しないが、し
かしクローン化されたセグメントはX975挿入の部位を越
えて1.0kbだけ延びる。X975において変異している遺伝
子の発現のために必要とされる幾つかの要素(例えば、
プロモーター)がpX206中のクローン化セグメントの外
側に位置するのがもっともらしい。pX206がX947を補完
しないことは一層当惑させることである。なぜなら、ク
ローン化ガム遺伝子DNAは変異部位を越えて両方向に4
〜5kb延びるからである。しかしながら、この特定の交
配(mating)が異常に低い頻度のプラスミドの移行をも
たらした点において、これはユニークであった。この頻
度は、この実験における他のすべての交配において観察
されたものより3オーダー低かった。他のすべての交配
においては、プラスミドpX206はより高い頻度で移行
し、そして受容体としてX974を用いる他のすべての交配
において一層高い移行頻度が観察された。従って、その
特定の染色体変異とその特定のクローン化DNAセグメン
トの組合わせから来る負の影響があるかもしれない。
補完結果のほとんどが簡単に説明され得る。プラスミ
ドに担持されたガム遺伝子は少なくともX.カンペストリ
スにおいては発現され得る。
例9 この例は、ガム生合成遺伝子クラスターからのDNAの
配列決定を説明する。
ガム遺伝子クラスターを含有するDANのクローン化セ
グメントのヌクレオチド配列は、Sanger等、ProcNat
l.Acad.Sci.USA,74:5463−5468(1977)(引用によりこ
の明細書に組み入れる)により記載されたジデオキシ・
チェイン・ターミネーション法を用いて決定される。ガ
ム遺伝子クラスター中に含まれるBamH I断片のそれぞれ
をMBクローニングベクターMP18又はMP19にクローン化し
た。次に、各クローン化断片を、Henikoff,Gene28:351
−359(1984)(引用によりこの明細書に組み入れる)
により記載された方法を用いてサグクローニングした。
オーバーラップするサブクローン中に含まれるDNAを配
列決定することにより、完全なクローン化BamH I断片の
ヌクレオチド配列を得ることができる。これまで0.3,1.
4,1.5及び2.2kb BamH I断片について2本のDNA鎖のそれ
ぞれの完全配列が次の様に決定された。
0.3,1.4及び1.5kb断片は次の通りである: 2.2kb BamH I断片の配列は次の通りである: キサントモナスDNAのG+C含量は比較的高い(Berge
y′s Manual of Systematic Bacteriology,Vol.1,1984,
William及びWilkins,バルチモア,メリーランド,には6
5〜70%として報告されている)。この高いG+C含量
のため、配列決定ゲル上でのバンドの圧縮が比較的高頻
度で起こる。この問題は2つの方法により解決された。
(1)DNAの両鎖からヌクレオ配列を導き、その結果す
べての配列を鎖の相補性により確認することができる。
(2)デオキシイノシンをデオキシグアノシンの代りに
使用することにより、バンドの圧縮が大きな問題となる
領域の配列を得た。誤差を避けるためのこれらの方法に
もかかわらず、DNAの高G+C含量から来る技術的困難
のために、示された配列にはわずかな不確実性が存在す
る。
例10. この例は、ガム生合成遺伝子をコードすることが知ら
れているDNAのすべてを含有するX.カンペストリスDNAの
大セグメントのクローン化を記載する。
ガム遺伝子クラスターをX.カンペストリスから代替生
産生物に効率的に移行せしめるため、ガム遺伝子クラス
ターを、Titta等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:7347−7
351(1980)(引用によりこの明細書に組み入れる)に
より記載されているプラスミドpRK290にクローン化し
た。このプラスミドベクターは低コピー数、広宿主域を
有し、そしてE.コリから広範囲の種類のグラム陰性細菌
に接合により移行され得る。制限酵素Dra Iは、ガム遺
伝領域のクローン化X.カンペストリスDNAのどこも切断
しないが、しかしながらX.カンペストリス遺伝子バンク
造成において使用されたλクローニングベクター内を数
ケ所切断することが見出された。従って、Dra Iによる
組換バクテリオファージDNAの断片により幾つかのDNA断
片が生じ、その1つが完全なX.カンペストリスの挿入部
及びその両端に融合した比較的少量のλDNA(約3kb)を
含有する。従って、ガム遺伝子を含有すると信じられる
すべてのX.カンペストリスDNAを含有するλ組換体を選
択し、多量のそのファージDNAを精製し、該DNAをDra I
により消化し、そしてX.カンペストリス挿入部DNAを含
有する制限断片を精製し、次にクローン化することが決
定された。
ガム遺伝子DNAを担持する各λファージの単離の後、
各ファージについてBamH I制限地図を作成した。変異分
析の結果として、クローン化DNAのセグメントがガム遺
伝子を担持している様子が現われた。例2に示したλ65
5(L′)が無傷のガム遺伝子クラスターを含有するこ
とが示された。従って、最初のクローン化努力のために
このファージが選択された。標準的技法を用いて、λ65
5(L′)の大規模(1)細胞溶解物を調製した。こ
の溶解物は合計約8×1011のファージ粒子を提供した。
このファージ粒子をポリエチレングリコール沈澱及びCs
Cl密度遠心により精製した。このビリオンからファージ
DNAを抽出し、そして約225μgの収量を得た。
およそ半分の精製λ655(L′)DNA(120μg)をEco
R Iメチラーゼ及びBamH Iメチラーゼで処理した。これ
らの酵素は、対応する制限エンドヌクレアーゼにより認
識されそして開裂されるヌクレオチド配列を認識し、そ
して修飾、例えばメチル化する。メチル化により、配列
はそのエンドヌクレアーゼによる開裂に対して耐性とな
る。メチル化は、平滑末端を有しそしてそれ故に連結反
応における貧弱な基質であるDra断片の末端におけるBam
H I又はEcoR Iオリゴヌクレオチドリンカーの使用を可
能にする。メチル化反応の成功は、EcoR I及びBamH Iに
よる開裂に対するλ655(L′)DNAの耐性を分析するこ
とによりモニターされる。メチル化されたDNAは、約20
倍過剰量の各酵素により2時間の消化において検知でき
る程開裂されなかった。
次に、約100μgのメチル化DNAをDra Iにより完全消
化し、そして次に約80μgのこのDNAを8bpBamH Iオリゴ
ヌクレオチドリンカーと連結反応せしめた。このリンカ
ーは小二本知平滑末端DNAであって、このDNAは高濃度の
DNA及びDra Iλ655(L′)断片に対して約100モル過剰
の該リンカー断片を用いる反応において、平滑Dra I末
端に連結される。次に、連結されたリンカー断片をBamH
Iで開裂せしめることにより、BamH Iで切断されたベク
ターへのクローニングのために適当な付着末端を生じさ
せることができる。しかしながら、BamH I消化に先立っ
て、DNAをシュークロース勾配を通して沈降せしめるこ
とにより分画する。この分画の目的は2つある。第一
に、シュークロース勾配沈降の分離性は20kb断片の他の
Dra I断片からの絶対的な精製を提供するわけではない
が、20kb断片の大きな濃縮が達成される。第二に、未連
結のBamH Iリンカー分子を除去することができる。これ
らの小DNAセグメントは実質的に勾配に入らないからで
ある。従って、20kb Dra I断片を含有する勾配画分は、
実際的な目的のためには、リンカーDNAを全く含有しな
いであろう。このことは重要なことである。なぜなら、
リンカーDNAは次の消化及び/又は直結段階を潜在的に
妨害することができるからである。5mlの5%−20%シ
ュークロース勾配を通してDra I消化物を遠心した。画
分(約250μずつ)を集め、そして各画分のアリコー
トをアガロースゲル上で泳動せしめることにより分析し
た。20kb Dra I断片を含有する画分をプールし、エタノ
ー沈澱せしめ、緩衝液に再懸濁し、そしてさらに使用す
るために貯蔵した。
次に、20kbのDra I断片をBamH Iで消化して付加され
たリンカー分子を開裂せしめ、そしてクローニングのた
めに適当な単鎖DNA末端を生じさせた。BamH I末端と同
じ単鎖DNA末端を生じさせるBgl IIによりプラスミドpRK
290を消化した。50mM Tris−HCl(pH7.9)、10mM MgC
l2,20mMジチオスレイトール及び1.0mM ATP中で連結反応
を行った。0.2μgのpRK290(Bgl IIにより消化された
もの)及び0.1μgの20kb Dra I断片(BamH Iで消化さ
れたもの)を含有する20μの反応混合物をT4 DNAリガ
ーゼ(6Weissユニット)により触媒した。反応を12℃に
て一夜(約18時間)進行せしめた。
次に、この連結反応の生成物を用いてE.コリを形質転
換した。テトラサイクリン耐性形質転換体を選択し、そ
して次にクローン化ガム遺伝子クラスターを含有する組
換プラスミドの存在についてスクリーニングした。この
スクリーニングは、個々のテトラサイクリン耐性形質転
換体を、Gum-変異を(ガム遺伝子クラスター内に)含有
するX.カンペストリスと交配(mating)せしめ、テトラ
サイクリン耐性のX.カンペストリスへのコンジュガル・
トランスファー(conjugal transfer)を選択し、そし
て生ずるガム表現型を視覚的にアッセイすることにより
達成された。ほとんどの交配(mating)がGum-TetrX.カ
ンペストリスを生じさせたが、少数は非常に粘稠な状態
のTetrコロニーをもたらした。これらの交配においてE.
コリにより担持されたプラスミドの分析は、pRK290及び
挿入されたガム遺伝子クラスターDNAを含んで成る組換
プラスミドの存在を示した。
5個の組換プラスミドを分析した。精製されたプラス
ミドをCsCl密度勾配遠心により調製し、そしてBamH I消
化及びアガロースゲル電気泳動により分析した。生じた
制限断片をλ655(L′)BamH I消化生成物と比較し
た。ベクターpKR290はBamH I部位を有さず(BamH Iリン
カーを担持するDra I断片はBgl II部位にクローン化さ
れた)、そしてλ655(L′)ファージはクロン化X.カ
ンペストリスDNAの外側にBamH I部位を含有しない。従
って、BamH Iは同じセットのX.カンペストリスDNA断片
を生成すべきである。しかしながら、わずか2個のpRK2
90誘導体(H627及びH806)がλ655(L′)中に存在す
BamH I断片のすべてを含有していた。他の3個の組換
体はそれぞれ、これらのBamH I断片の唯一の且つ隣接す
るサブセットを含有していた。これらの切除された部分
を有するクローンについての最も可能性ある説明は、Ba
mH I部位のメチル化(クローニングのためのDra I断片
の調製の段階)が不完全だったことである。すなわち、
小比率のBamH I部位がメチル化されず、そしてそのため
に、付加されたリンカーを開裂せしめるために使用され
たその後のBamH I消化に対して保護されなかったのであ
る。例えば、5%のBamH I部位が保護されなかったな
ら、Dra I断片の40%が未メチル化BamH I部位を含有す
るであろう。次のBamH I消化によりこれらの部位が開裂
され、そしてpRK290中にクローン化され得る切除された
断片の一群を生じさせるであろう。最初の反応をチェッ
クするために使用されたBamH Iメチル化の測定は5%レ
ベルの未メチル化BamH I部位を検出しなかったのであろ
う。おそらく上記のようにして不完全なクローンが生じ
たのであろう。ともかく、5個のクローンの構造を第9
図に示す。
例11. この例は、免疫測定を用いることにより、ガム生合成
クラスターによりコードされた酵素がX.カンペストリス
中に少量のみ存在したことを示す。
蛋白質は、二次元電気泳動法により示した。野性型X.
アンペストリスを、精ヌクレオチド前駆体を合成するこ
とができないがしかしインビトロブキサンタンを合成す
ることができるX.カンペストリスと比較した。これら2
株はガム生合成酵素を含有する。UDP−グルコースデヒ
ドロゲナーゼとして提案される蛋白質は第二の株のパタ
ーンにおいて欠けていた。完全なガム生合成カラスター
について欠失を有するX.カンペストリス株も分析した。
幾つかの蛋白質が欠失株の抽出物から欠けていた。ガム
生合成酵素に相当すると提案されるスポットの強度は非
常に低かった。
追加のデーターが与えられる。2.2kb BamH I断片の中
央部の挿入変異は、トランスフェラーゼIII活性を欠くG
um-変異をもたらす。この挿入は、2.2kb BamH I断片のD
NA配列中のおよそ1132位に存在する。DNA配列は、配列
のこの領域に大リーディングフレーム(ORF)が存在す
ることを示す。トランスフェラーゼIII活性を有する仮
定の蛋白質生成物はおよそ738位のA+G開始コドンか
ら始まる。この開始コドンから8塩基対上流はリボソー
ム結合部位(AGGAGA)である。ORFは、トランスフェラ
ーゼIII活性を規定する挿入変異が位置するBgl II部位
を越えて明らかに十分延びる。
当業界において知られており、そしてHopp及びWoods
により開発されそして“Prediction of Protein Antige
nic Determinations from Amino Acid Sequences"と題
してProc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.78,No.6,3824−3828
頁,1981年6月(引用によりこの明細書に組み入れる)
に記載されてている親水性プロットにより、予定される
蛋白質配列の幾つかの領域に対応するペプチドを、それ
らの予想される免疫系性のために選択した。選択された
ペプチド、及び2.2kb BamH I断片内のそれらの位置を第
2表に示す。
固相ペプチド合成によりペプチドを合成し、ウシ血清
アルブミンに接合せしめそしてラビットを免疫感作する
ために用いた。4回の免疫感作の後、超免疫血清が免疫
感作用ペプチドに対して得意的な抗体のかなりの力価を
含有していることが、Eva Engvall,Methods in Enzymol
ogy,Vol 70,419−439頁,1980“Enzyme Imunno Assay EL
ISA and EMIT"に記載されており、そして当業界におい
て広く使用されているELISA(エンザイム−リンクド・
イムノソルベント・アッセイ)により見出された。
これらの特異的抗体はまた、Towbin,H.Staehelin,T.
及びgordon,J.により“Electrophovetic Transfer of P
roteins from Polyacrylamide Gels to Nitrocellulose
Sheets:Procedure and Some Applications"と題してNa
tl.Acad.Sci.USA,76:4350−4351(1976)(引用により
この明細書に組み入れる)に記載されているウエスタン
イムノプロットにおいて、2.2kg BamH I断片によりコー
ドされている、X.カンペストリスS4−Lの細胞溶解物の
40kd蛋白質とも反応した。この蛋白質に、ガムクラスタ
ーDNAが欠損している株であるX1107、又は2.2kb BamH I
断片中に変異挿入を有する株であるX928の細胞溶解物中
には存在しなかった。この40kb蛋白質はSL−4におい
て、クマッシーブルーによるゲル中の蛋白質の直接染色
法(感度が低い)により可視化されず、従ってガム生合
成蛋白質は全細胞蛋白質に対して非常に小割合に過ぎな
い。ガム生合成蛋白質の低い発現は、S4−Lにおけるキ
サンタンガム生産のために十分であると思われる。
例12. この例は、インビボブGum-であるX.カンペストリスの
種々の株、及び代替宿主として期待される細菌において
同定される特定の糖ヌクレオチドプールを検討する。
幾つかのGum-株は、糖ヌクレオチドUDP−グルコー
ス、GDP−マンノース及びUDP−グルクロン酸が供給され
た場合にインビトロでキサンタンを生産することができ
た。これらの変異株は、キサンタン自体の生合成にでは
なく糖ヌクレオチドの合成に欠損を有していた。次に、
これらの変異株は色素トルイジンブルーに対して感受性
であることが見出された。トルイジンブルー感受性につ
いて他のGum-株をスクリーニングすることにより追加の
ヌクレオチド変異株が得られた。
インビトロでGum+であるがしかしイヒビボでGum-であ
る株における特定の糖ヌクレオチド欠損を同定するため
に次の方法を用いた。各株からの単離されたコロニーを
拾い、そして125mlのエルレンマイヤーフラスコ中、2
%のグルコースを含有する10mlのYM培地(1中酵母エ
キス3g、マルトエキス3g、及びペプトン5%)に接種し
た。培養物を30℃、250rpmにて24時間、又は濁るまでイ
ンキュベートした。YMG培地から5%の接種物を、炭素
源としてグルコースを含有する無機塩培地を移し、そし
て30℃にて24時間増殖せしめた。培養物を遠心分離によ
り回収し、塩で2回洗浄し、そして600nmにて100の吸光
を与えるのに十分な容量に再懸濁した。1.5mlのサンプ
ルを、20mMの濃度になるのに十分なグルコースを収容し
たエルレンマイヤーフラスコに入れた。各サンプルを40
0rpmにて30℃の水浴中で10分間インキュベートし、次に
1mlを取り出し、そしてエッペンドルフ遠心管中0.1mlの
11N蟻酸に加えた。チューブにキャップをし、内容物を
5秒間活動ミキサー上で混合し、次にチューブをドライ
アイス−アルコール浴に入れた。すべてのサンプルを処
理した後、チューブをドライアイス浴から取り出し、空
温で解凍し、そして5分間遠心して細胞破片をペレット
にした。上清を予備冷却した15mlのコニカル遠心チュー
ブに入れ、そしてドライアイス−アルコール浴中で凍結
した。凍結したサンプルを凍結乾燥機に入れ、そして凍
結した。各チューブの内容物を0.2mlのHPLC緩衝液すな
わちトリエチルアミン(アルドリッチ)によりpH6.5に
調製された40mMリン酸に溶解した。サンプルを0.45μm
フィルターを通して過してミクロサンプルバイアルに
入れ、そして4.6mm×250mmC18逆相イオン対カラムに注
入し、40℃、0.8ml/分の流速で分析した。保持時間を同
じ条件下で泳動した標準のそれと比較することにより、
そして注目の領域中に溶出する化合物のスペクトルを試
験することにより、糖ヌクレオチドを同定した。
X.カンペストリスの糖ヌクレオチド変異株の4つのク
ラスを次の方法により同定した。
(1) UDP−グルコース及びUDP−グルクロン酸を合成
することができない変異株: (2) GDP−マンノースを合成することができない変
異株: (3) UDP−グルコースを合成することができるが、
しかしUDP−グルクロン酸を合成することができない変
幾株:及び (4) UDP−グルコースを合成することができない変
異株。
X.カンペストリスの野性型株からの抽出物はキサンタ
ン合成に必要とされる糖ヌクレオチドのすべてを有して
いた。キサンタン生合成経路自体に欠損を有するGum-
は野性型細胞よりも高濃度の前駆体糖ヌクレオチドを有
していた。これらのデーターは、野性型株におけるキサ
ンタン合成の速度が前駆体糖ヌクレオチドの供給により
制限されることであろうことを示している。
パラコッカス・デニトリフィカンス(Paracoccus de
nitricicans)(ATCC 17741)、シュードモナス・スツ
ッチェリ(Pseudomonas stutzeri)(ATCC 17588)、
及びシュードモナス・パーフェクトマリナ(Pseudomona
s perfectomarina)(ATCC 14405)中の糖ヌクレオチ
ドを、X.カンペストリスのために開発された方法を用い
て分析した。すべての生物をDENITE培地、すなわち炭素
源として2%のグルコースを含有する無機塩培地中で12
時間増殖せしめた。細胞を集め、洗浄し、そして600nm
にて100の吸光度になるように再懸濁した。細胞ペレッ
トは、嫌気的増殖のために要求されるチトクローク合成
が抑制された脱窒細菌に典型的なピンク色を有していた
(増殖中の酸素の制限に対して典型的な反応)。次に、
追加の電子受容体として25mM硝酸塩をインキュベーショ
ン混合物に含めた。細胞懸濁液を、硝酸塩を伴って、及
び伴わないで、20mMグルコースと共に5分間インキュベ
ートし、次に蟻酸により抽出した。抽出物を凍結乾燥
し、TEA−リン酸緩衝液に溶解し、そしてHPLCにより分
析した。注目の領域におけるピークのスペクトルにより
確認した場合、パラコッカス・デニトリフィカンスはUD
P−グルコース及びGDP−マンノースを有していたが、UD
P−グルクロン酸検出不能であった。同様に、シュード
モナス・パーフェクトマリナ及びシュードモナス・スツ
ッチェリはUDP−グルコース及びGDP−マンノースを有し
ていた。UDP−グルクロン酸はいずれの生物からの抽出
物中にも検出されなかった。
例13 この例は、幾つかのガム生合成酵素が代替宿主E.コリ
中で発現されたことを示す。
多くのガムクラスターDNA断片を、プラスミドpKO−1
から調製された発現ベクターpp3中にクローン化した。
このプラスミドはK.Mckenny等,Gene Amplification and
Analysis,Vel II,エルゼビール,北オランダ,381頁,19
81年(引用によりこの明細書に組み入れる)により記載
されている。
トランスフェラーゼIIIをコードするガムクラスター
の2.2kb BamH I断片をpp3にクローン化してpJP1を得
た。pJP1により形質転換されたE.コリJM105を富培地中
で培養し、IPTG(10-3M)により誘導し、そして37℃に
て3時間の後、遠心分離により収得した。プレンチプレ
スを18,000psiにて2回通すことにより細胞溶解物を調
製し、そして10%SDS−アクリルアミドゲル上で泳動せ
しめることにより分子量によって蛋白質を分離した。こ
れらの蛋白質を、トランスフエラーゼIIIに対して特異
的な抗体を用いてウエスタン・イムノブロット法により
プローブした。JM105(pJP1)の細胞溶解物は40kd蛋白
質の明瞭なバンドを示した。挿入部を含有しないpp3に
より同様に処理されたE.コリの細胞溶解物を40kd蛋白質
を有しなかった。IPTGにより誘導されたJM105(pJP1)
細胞においてさえ、X.カンペストリスのクローン化DNA
からの40kd蛋白質はクマッシーブルー染色により可視化
されず、そしてそれ故に全細胞蛋白質に対して小比率で
あった。E.コリJM105(pJP1)の電気−プロットをマフ
ィニティー精製された抗体によりプローブした場合、こ
の抗体はトランスフェラーゼIIIとのみ反応した。この
ガム生合成遺伝子はE.コリJM105中で明瞭に発現され
た。
E.コリFD10 98(F′1acIQ)を形質転換するために使
用されたpp3にクローン化されたガム生合成DNAクラスタ
ーの断片の発現により他の証拠が与えられる。FD1098
は、不対称細胞分裂により、染色体DNAを含有しないが
しかしpp3由来のプラスミドのコピーを含有するミニセ
ルを生じさせる株である。遺伝子発現の分析のためのミ
ニセルの使用はJ.E.Clark−Curtiss及びR.Curtiss III
によりMethods in Enzymology 101:347−362(1983)
(引用によりこの明細書に組み入れる)により記載され
ている。一連のシュークロース勾配を通しての遠心分離
により全体細胞からミニセルが分離された後、ミニセル
をIPTGにより誘導し、そしてpp3由来のプラスミドによ
りコードされた蛋白質の発現の間それらを放射性ラベル
する。ミニセルを収得し、10%SDS−アクリルアミドゲ
ル上で泳動せしめ、そして発現された蛋白質をオートラ
ジオグラフィーにより可視化する。
ガム生合成DNAは、この方法により可視化される幾つ
かの蛋白質を明瞭にコードしていた。40kdの蛋白質はE.
コリにおいて再び見られ、そしてこれは2.2kb BamH I断
片の存在に依存した。分子量47kdの蛋白質は3.5kb BamH
I断片によりクローン化されていた。27kdの蛋白質は3.
5kd及び1.35kdのBamH I断片を含むX.カンペストリスDNA
によりコードされている。E.コリのミニセルにおける他
のガム生合成蛋白質についての消去は不確実である。ガ
ムクラスターDNAの発現は、X.カンペストリスにおいて
そうであるように、代替宿主E.コリにおいて低かった。
例14 この例は、代替宿主における遺伝子発現の達成のため
の手段を意図する。
生合成遺伝子のガムクラスターは、代替宿主に導入さ
れた場合、転写されないか又は翻訳されないことが予想
される。生合成遺伝子のすべてではないが幾つかが発現
されることも予想される。核酸プローブ、及びガムクラ
スターによりコードされた蛋白質に対して向けられた抗
体を用いて、クラスター内のすべての遺伝子の転写及び
翻訳が測定されよう。
遺伝子の幾つか又はすべてが転写されない場合には、
クラスターの適当な位置に制御可能なプロモーターが付
加されよう。グラム陰性種及びグラム陽性種からのRNA
ポリメラーゼを包含する細胞のRNAポリメラーゼは以上
にありふれている。転写の開始を可能にするDNA配列は
当業者に十分理解されており、そのようなプロモーター
を容易に導入することができる。
同様に、グラム陽性及びグラム陰性の両者のリボゾー
ム係合部位(これは翻訳のか開始に使用される)は、転
写された任意のmRNAの翻訳を達成するために十分に理解
されている。部位特異的変異誘発の標準的方法を用い
て、野性型Xカンペストリスにおける発現対比して不適
切に発現されるガムクラスター酵素は、代替宿主におけ
る正しい生産のために調整されよう。
例15 この例は、ガム生合成酵素の上昇した熱安定性を記載
する。
この発明は、可能性ある代替宿主として30℃より高温
で増殖する生物の使用をもくろんでいる。キサンタンの
生合成は、X.アンペストリスにおいて27℃と30℃の間の
温度において最適に行われる。ガムの生合成に関与する
酵素が30℃より高温においてはよく機能しないがしかし
発現はされるのであれば、その酵素は、1983年9月16日
に出願された米国特許出願No.532,765の継続出願をして
1985年10月28日に出願された米国特許出願(引用により
この明細書に組み入れる)Liao等“Method for the Gen
eration and Detection of Enzyme Variants with Enha
nced Thermostability and Activity"中に記載されてい
るように、熱安定変形体に変えられよう。蛋白質中の1
個のアミノ酸置換が、酵素が機能する最高温度を10℃以
上も上昇せしめることができる。この明細書中に記載さ
れる遺伝子配列はこのような置換を容易に可能にする。
例16 この例は、代替宿主がポリサッカライドを合成するこ
とを可能にするであろう追加の改良を記載する。
ガム生合成遺伝子を含有し、そしてそれらの遺伝子の
転写及び翻訳を行うことができる代替宿主が全く又は有
意な速度でポリサッカライドを生産しない場合があろ
う。
最初の実験は、もしそれが起こるとすれば、糖ヌクレ
オチド前駆体(UDP−グルコース、UDP−グルクロン酸及
びGDP−マンノース)の富化及び可能性ある合成速度に
向けられよう。糖ヌクレオチド経路のキー酵素のコード
遺伝子は、Betlach等(前掲)により記載された方法を
用いてX.カンペストリスから得ることができる。特定の
糖ヌクレオチドプールが適切なポリサッカライドの生産
のために低すぎる場合、適切なX.カンペストリス遺伝子
が代替宿主に付加されよう。次に代替宿主は適当なポリ
サッカライドをもたらすか、又は速度が低いままであろ
う。
ポリサッカライド合成の速度が低いままであれば、ポ
リサッカライドを生産するようにガム遺伝子クラスター
及び必要であれば、糖ヌクレオチド経路が機能すること
を可能にする酵素について、X.カンペストリスのゲノム
の他のすべての領域を探査することにより、第二の改良
が試みられるであろう。例3において造成された約20,0
00塩基対の長さのX.カンペストリスのゲノム断片のライ
ブラリーが、Titta等により記載された標準的技法によ
り接合的に、すべてのガムクラスター遺伝子及び糖ヌク
レオチド遺伝子を有するがなおポリサッカライドを生産
しない代替宿主に加えられるであろう。このライブラリ
ーの受容体は、ペトリ皿プレート上で粘質コロニーにつ
いて観察されよう。ポリサッカライドを生産するコロニ
ーはそれを行わないものから容易に識別される。密集し
ていても103個の細菌コロニーを含むペトリ皿プレート
が容易に観察される。X.カンペストリスDNA断片上に存
在する他の遺伝子クラスターがポリサッカライドの生産
のために要求される欠損した遺伝子生成物を提供するか
否かを見るため、少数の受容体のみが観察されなければ
ならない(103未満)。
この実験がポリサッカライド生産株を得るのに失敗す
れば、受容体代替宿主の全集合(今、よく発現されるガ
ム生合成遺伝子、欠損した糖ヌクレオチド酵素、必要で
あればさらにX.カンペストリスからの20,000塩基対のDN
A断片の無作為集合を含む)が、塩基対置換を生じさせ
る化学物質(例えば、ニトロソブァニジン、2−マイノ
プリン又はエチルメタン、但しこれらに限定されない)
により変異処理されよう。粘質コロニーを観察するため
に、変異処理された細菌が寒天培地上にプレートされる
であろう。粘質コロニーはX.カンペストリスの幾つかの
トランスポジションで誘導されたGum-変異の非常にまれ
に復帰株として見出された。与えられた代替宿主の108
より多くの変異処理されたコロニーがポリサッカライド
の生産についてスリリーニングされるであろう。
代替宿主の選択は少数の最良の候補に限定される必要
はない。プラスミドpRK290−H336は広宿主域を有し、そ
して多数の可能性ある代替生産株に接合しより移動させ
ることができる。糖ヌクテオチド生合成酵素を担持する
類似の造成物を作り、多くの代替宿主を試みることがで
きる。今まで、pRK29−H336は可能性ある生産株シュー
ドモナス・プチドス(Pseudomonas putida)、シュド
モナス・セパシス(Pseudomonas cepacis)、シュード
モナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrifi
cans)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomo
nas fluorescens)、シュードモナス・スツッチェリ
Pseudomonas stutzeri)、エシェリシャ・コリ(Esc
herichia coli)、及びエンテロバクター・クロアカエ
Enterobacter cloacae)中に入れらている。
代替宿主の選択のための1つの選択は、細胞外ポリサ
ッカライド生合成を行うことができることが知られてい
る細菌を選択することであろう。これらの株は、pRK20
−H336が該株に導入される前に本来的ポリサッカライド
生合成ができないように容易に変異され得る。この様な
株は、ポリサッカライドの合成及び分泌を促進するため
にX.カンペストリスのガム生合成酵素及び/又は生合成
中間体と相互作用しなければならない重要な遺伝子産物
を含有することができよう。プラスミド移行実験はこの
ように簡単であるから、ガムを生産する広く多様な能力
を有する宿主が試みられよう。
この提案されている発明は、生合成酵素のガム遺伝子
クラスター、適切な糖ヌクレオチドの生合成をもたらす
遺伝子及び無作為X.カンペストリスDNA断片をその内に
有する、ポリサッカライド生産性の代替宿主をもくろみ
る。さらに、金株は金株改良の最終段階から多数の塩基
対置換変異を含有することができる。代替宿主から標準
的方法により無作為X.カンペストリスDNA断片及び糖ヌ
クレオチド生合成遺伝子が好結果に除去されよう。リサ
ッカライド生産が変化しないままであれば、これらのDN
A断片は代替宿主生産株において使用されないであろ
う。
最後に、好結果の代替宿主が、変形体ポリサッカライ
ドの合成を惹起するガム生合成クラスター中の変異と組
合わせて使用されよう。従って、代替宿主は、代謝速
度、増殖湿度及び嫌気的代謝からの利点の組合せを伴っ
て、キサンタンガム、Vanderslice等及びDoherty等のキ
サンタン変形体、及び他の任意のエキソポリサッカライ
ドの製造のために使用されよう。
例17 この例は、キサンタンガム生合成に関与する遺伝子の
クラスターを含有するキサントモナスのゲノムDNAの16k
bの範囲につてのヌクレオチド配列の誘導体化を記載す
る。ここに示されるDNA配列の部分(すなわち、0.3、1.
4、1.5及び2.2kbのDamH I断片の配列は1986年3月26日
に出願されたCapage等の“Recombinan+−DNA Mediated
Production of Xanthan Gum"と題する特許出願にすでに
試されている。先行の配列は、配列決定ゲル上のバンド
の圧縮の領域を分離するためにデオキシイノシンを使用
した配列決定反応から導かれた一層最近の結果により週
栄された。この例はまた、DNA配列の適切な分析がガム
遺伝子の構造及び構成をいかに表わすかを示す。
DNAの全16kbセグメントの完全なヌクレオチド配列
が、第10図中の二本鎖ホーマットにおいて示される。配
列の上鎖は、第4図に示されるBamH I制限地図の左から
右の方向において5′から3′に読まれる。Bibb等、Ge
ne30:157−166(1984)(引用によりこの明細書に組み
入れる)により記載されているコンピューター法を用い
て、各方向に、配列の3つの可能なリーディングフレー
ムを定義する3つのヌクレオチド位置のそれぞれにおけ
るG+C分布を決定した。これらのフレーム分析の結果
は、このDNAのすべてが左から右の方向に転写されるこ
とを示した。従って、第10図に示す配列の上鎖がコード
差配列(すなわち、TとUとが置き換えられたmRNAの配
列である。配列により定義される遺伝子の正確な位置は
第3表中に示すデーターから得ることができる。
DNAの16kbセグメント中に含まれる遺伝子の方向及び
構造の概観を第11図に示す。図中の上線はBamH I制限地
図であり、そして第10図に示される配列中のBamH I制限
部位の各々の位置を示す。第11図中、フレーム分析曲線
上に引かれた線は、単離されそして特徴付けられた(例
1,2,7,19,20)変異の幾つかのおよその位置を示す。第1
1図に示されるフレーム分析曲線は、第1(青線)、第
2(赤線)及び第3(黒線)ヌクレオチド位置における
G+C含量の分布を示す。なお、3つのヌクレオチド位
置のG+C含量の分布は全配列のほとんどにわたって非
−ランダムであり、このDNAの実質的にすべてが蛋白質
生成物をコードしていることが示される。配列にそう非
−ランダムG+C分布の各領域が蛋白質生成物をコード
するDNAの領域を示す。各蛋白質のリーディングフレー
ムが、非−ランダムG+C分布の各領域内の中間値を有
するヌクレオチド位置により定義される。3つのヌクレ
オチド位置においてG+C分布が変化する点が、1つの
遺伝子の始まりもしくは終り、又は1つの遺伝子の終り
であって次の遺伝子の始まりを示す。各場合において、
これらの点は適切なリーディングフレーム内の開始又は
終止コドンの存在と関連することが見出された。
フレーム分析曲線の下方に、配列中の各遺伝子の位置
及び範囲を示すために、分離された矢印が描かれてい
る。便宜上、各遺伝子は1文字で示されており、“gp"
を前に付した文字がその蛋白質生成物を示すために使用
される。各矢印の上に、蛋白質生成物の分子量がkDで示
してある。各矢印の下に、各遺伝子生成物の名称が、遺
伝子機能が変異体表現型に由来する各場合について、そ
の文字名称及び機能名称として示されている。
フレーム分析曲線は、3つのヌクレオチド位置のそれ
ぞれにおけるG+C含量がランダムな分布を示す配列の
2つの領域(塩基番号900,3400及び12400に中心を有す
る)が存在することを示す。従って、DNAのこれら3つ
の領域は蛋白質生成物をコードすることが予想されなか
った。これらの領域の2つのすべてが、ステム−ループ
二次構造を形成するGC−リッチ領域により先行される
T′の並びを含む配列の領域により規定される転写停止
シグナルを含有する。これらのターミネーターの二次構
造を第13図に示す。転写ターミネーターの位置に基い
て、16kbセグメントのDNAは3つの転写ユニット中へ限
界を定めない。第11図の下方の矢印は転写ユニートI,I
I,及びIIIと称される3つのユニットのそれぞれの転写
の範囲、位置、及び方向を示す。
各転写ユニット内の第一遺伝子の始まりと各ターミネ
ーターとの間のDNA配列は転写開始の点を特定する配列
(プロモーター)を含有すべきである。文献に報告され
た結果が示すところによれば少なくとも幾つかのシュー
ドモナス・プロモーターの配列はE.コリ・プロモーター
の配列に類似するから、3つの転写ユニットのそれぞれ
中のDNA配列の適切な領域を、−10(プリブロウ・ボッ
クス)及び−35の位置の両者におけるE.コリプロモータ
ーの共通配列への相同性について試験した。転写を開始
するためのDNAへのRNAポリメラーゼの結合の特定におい
てこれらの2つの配列の内最も重要なものがプリブノウ
・ボックスの配列であると一般に信じられる。プリブノ
ウ・ボックス及び−35ヘキサマーの共通配列はそれぞれ
TAtdaT及びTTGAca(大文字は各ヘキサマーの高度に保有
されたヌクレオチドを示す)である。従って、仮定のプ
ロモーターを定義するための最小の規準は配列TANNNT
(“N"は任意のヌクレオチドである)を有するヘキサマ
ーの配列である。
転写ユニットI及びIIIは、最小の規準、すなわちプ
リブノウ・ボックスの第一、第二及び第六ヌクレオチド
との相同性、のみを満たす仮定のプロモーター(それぞ
れ1199位及び12664位における)を含有することが見出
された。すなわち、これら2つの転写ユニットのための
仮定のプロモーターの位置は非常に仮説的である。転写
ユニットIIは、E.コリプロモーターの共通配列に強い相
同性を有する配列を有する仮定のプロモーター(およそ
3580位)を含有していた。プレブノウ・ボックスの配列
は6個のヌクレオチド中4個との相同性を示し、そ3個
が高度に保存されていることが示される。−35ヘキサマ
ーの配列は6個のヌクレオチド中5個との相同性を示
し、その4個が高度に保存されていることが示される。
2個のヘキサマー間の距離は16塩基対であり、16〜19塩
基対の共通(consensus)距離と完全に一致する。すな
わち、配列決定データーのみからプロモーターを明確に
同定することは不可能であるが、転写ユニットIIの仮定
のプロモーターが正しい可能性が非常に高い。
第10,11,及び12図、並びに第3表に示されるデーター
(一緒に考慮して)はガム遺伝子の構造及び構成の統一
された様子を示し、そして容易に受け入れられる特定の
情報系を提供する。例えば、第11図は、非−アセチル変
ガムを生産するキサントモナス細胞を生じさせる挿入変
異が4.7kb BamH I断片中に存在することを示している。
変異は、39.9kDの分子量を有する蛋白質生成物(gpF)
を規定するフレーム2ORFを含有する領域中のDNA配列の7
000位附近に位置する。DNA配列内の遺伝子の正確な位置
を第3表に示す。この情報を用いて第10図中の遺伝子の
DNA配列を位置付けることができる。第11図は、遺伝子
がトランスクリプションユニットII内に位置し、そして
おそらくアセチラーゼ酵素として機能することを示す。
アセチラーゼ酵素の予想されるアミノ酸配列を第12図
に、蛋白質配列にわたって分布する疎水性アミノ酸残基
の高い比率を酵素が含有することを示す追加のデーター
と共に示す。従って、アセチラーゼ酵素はおそらく最近
膜中で機能する。
0.3kb BamH I断片の左側BamH I部位の第一ククレオチ
ドで始まり、そして800位附近の転写ターミネーターに
延びるDNA配列の領域は、ガムの生合成に関与する遺伝
子を含有するキサントモナス染色体の領域の外側に存在
するらしいDNAである。この領域のDNA配列は、0.3及び
1.4kb BamH I断片の境界を定めるBamH I部位を含むフレ
ーム3ORFが存在することを示す。ORFは24.4kDの分子量
を有する蛋白質生成物(gpA)を規定する。遺伝子内に
位置するBamH I部位への挿入はGum+表現型を有するキサ
ントモナス細胞をもたらす。従って、gpAは、ガム生合
成に関与する遺伝子を含有するキサントモナス染色体の
領域中の0.3kb BamH I断片の左のどこかで始まる転写ユ
ニット中の最後の遺伝子であろう。
gpAの末端と転写ターミネーターとの間のDNA配列の領
域はプロリンtRNA遺伝子を含有することが見出された。
このtRNA転写物の折りたたまれた二次構造を第14図に示
す。アンチコドンループの上のG及びCヌクレオチド
(第14図中円で囲んで示す)はおそらく転写におけるこ
のtRNAの機能を妨たげるであろう。このtRNA遺伝子及び
全ガム遺伝子クラスターを完全に除去する染色体欠失並
びにアンチコドンループへの挿入は、欠失の場合には生
存するがしかしGum-であり、そして挿入の場合にはGum+
であるキサントモナス細胞を生じさせる。従って、この
プロリンtRNA遺伝子は生存又はガムの生合成のために必
須ではない。
転写ユニットI内に含まれるDNA配列の領域について
のフレーム分析曲線(第11図)は、キサントモナス染体
のこの領域が大フレーム10RFを含有することを示す。開
始及び終止コドンの位置(第3表)は、ORFがそれぞれ2
3.3及び42.8kDの分子量を有する有2個蛋白質(gpB及び
gpC)を含むことを示す。1.4及び1.5kb BamH I断片内に
Tn10挿入を含むキサントモナス変異株を特徴付けるため
に行われた研究からの最初の結果は、これらの蛋白質は
いずれも“チャージャー無し(no charger)”変異表現
型を示すことを示した。しかしながら、変異株からの染
色体DNAのサザンブロットはDNAが転移(rearrangemen
t)を受けることを明瞭に示したから、これらの結果は
不確かである。補完実験からのさらに最近の結果は、1.
5kb BamH I断片の欠失がキサントモナス細胞において致
死的であることを示した。キサントモナス変異株X1231
はDNAの完全な16kbセグメント(1.5kb BamH I断片を含
有する)の欠失を含有し、そしてこの株はGum-である
が、十分に生存し続ける。従って、gpCもしくはgpB又は
その両者が、機能的なガム遺伝子経路を含有するキサン
トモナス細胞において生存のために必須である。
転写ユニットIIを規定するDNA(第11図)は9kbより長
く、そして7つの遺伝子生成物をコードしている。gpJ
を規定するDNAの領域への挿入の効果はまだ明らかでな
い。予備的な結果は、この領域での挿入がおそらく致死
的であることを示唆する。gpGを規定するORF内の幾つか
の位置での挿入により、ガムの量は幾分少ないが正常ら
しいガムを生産する粘質コロニーを形成するキサントモ
ナス細胞が得られる。gpG中に含有されるアミノ酸の疎
水性(第12図)は、この遺伝子生成物がおそらく膜蛋白
質であることを示す。我々は、挿入変異誘発からの不都
合な効果がなんら存在しないらしいことを説明すること
ができない。転写ユニットII中の2個の遺伝子(gpF及
びgpH)はガムの生合成において自明の役割を演ずる。
これら2つの遺伝子の変異表現型は、gpFがアセチラー
ゼであり、そしてgpHがトランスフェラーゼIIIであるこ
とを示す。2つの遺伝子gpD及びgpIは“チャージャー無
し(no charger)”の変異表現型を示す。この表現型
は、トランスフェラーゼIを規定する遺伝子並びにガム
遺伝子の転写及び/又は翻訳の制御に関与する遺伝子生
成物について予想されよう。この表現型はまた、ガムの
生合成のために必要な酵素複合体保持するために構造的
役割を演ずる遺伝子生成物について予想されよう。トラ
ンスフェラーゼ酵素を規定する予想される5個の遺伝子
の3個はこれらの変異表現型から明らかに固定された。
これらは、それぞれトランスフェラーゼIII,IV,及びII
であるgpH、gpK、及びgpMである(第11図を参照のこ
と)。これらの遺伝子の3個すべてが比較的低い疎水性
プロフィール有するアミノ酸から成り(第12図)、そし
てガム遺伝子クラスターの右側のDNA中に位置する。こ
れらの性質がキサントモナスのトランクフェラーゼ酵素
の一般的特徴であれば、gpDをガムの生合成のために必
要な仮定の制御又は構造蛋白質として残して、gpDはト
ランスフェラーゼIとしての改良の候補である。gpEに
より占められるDNAの領域への挿入は正常なガム遺伝子
経路を含有するキサントモナス細胞において致死的であ
る。1.5kb BamH I断片中に位置する遺伝子の場合にもそ
うであるように(前記)、gpE自体は細胞の生存のため
に必須の蛋白質ではない。なぜなら、gpEを含む染色体
の領域を失った欠失株はGum-ではあるがしかし生存する
からである。gpE並びにgpC及び/又はgpBは、生成物がg
pE、gpC、及び/又はgpBの酵素活性によりさらに代謝さ
れなければ、毒性である生成(ガム遺伝子の機能により
生産される)の蓄積を防止するのに必要な蛋白質でなけ
ればならない。従って、これらの蛋白質は細胞からのキ
サンタンガムの重合及び輪において機能するらしい。
12570位の転写ターミネーターに続きそして1.0kb断片
の右側BamH I部位を越えて(すなわち、配列決定された
DNAの末端を越えて)延びるDNAは、第三転写ユニットで
あると我々が信じるものを規定する。なお、転写ユニッ
トIIの末端を規定する転写ターミネーターは、わずか−
4.4kカロリー/moleの自由エネルギー強さ(G)を有す
るむしろ短いヘアーピンを有する。ヘアピンの強さが転
写停止の効率に関連するのであれば、この領域で連写の
読み取りの通過が生じる可能性がある。転写ユニットII
Iは明らかに、蛋白質生成物がトランスフェラーゼIV(g
pK)、ケタラーゼ(gpL)、及びトランスフェラーゼII
(gpM)であることを示す変異表現型により定義される
少なくとも3つの遺伝子を含有する。トランスフェラー
ゼII遺伝子は、1.0kb BamH I断片の左側BamH I部位から
227塩基対中にある15284位で終る。この点を越えて配列
決定されたDNAの末端に右側に延びて、フレーム分析曲
線は、蛋白質生成物をコードするDNAに特徴的な、3つ
のヌクレオチド位置における非−ランダムG+C分布を
示す。我々はこの領域におけるORFの位置、範囲、又は
数を明確に規定することはできなかったが、フレーム分
析プロフィールが明らかに示すところによれば、このDN
Aは、少なくとも1個の遺伝子、又はおそらく1個の遺
伝子と第二の遺伝子の小部分を含み、これはまだ配列決
定されていないDNAに延びる1.0kb断片の右側BamH I部位
を含む。他方、1.0kb断片の右側BamH I部位への挿入、
及び左側BamH I部位の右側におよそ300塩基対に位置す
る1.0kb断片内の挿入はいずれもGum+表現型をもたら
す。
一般に、膜蛋白質は高い比率の疎水性アミノ酸(すな
わち、Phe、Trp、Tyr、Ile、Leu、Met、及びVal)を含
有する。ガム遺伝子蛋白質のどれが細菌膜中に位置する
らしいかを決定するため、コンピューターを使用して各
蛋白質配列内の疎水性アミノ酸の比率及び疎水性領域の
分布を決定した。これらのデーターは第12図中に示さ
れ、そして蛋白質gpP、gpE、gpF、gpG、及びgpJが比較
的高比率で疎水性アミノ酸残基(40%より多い)を含有
し、これらが各アミノ配列にわたって分布していること
を示している。従って、これらの蛋白質はおそらく膜蛋
白質である。
例18 この例は、ガム生合成クラスターによりコードされる
酵素が異なる属の幾つかの代替宿主株中で発現されるこ
とを示す。
トランスフェラーゼIIIを認識する抗体をアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより精製し、そしてウエスタ
ンイムノプロットにおいてトランスフェラーゼIIIを検
出するために使用した。トランスフェラーゼIIIとして
同定される40kb蛋白質に対して特異的な抗ペプチド抗体
を含有する血清の製造を例11に記載する。これらの血清
の1つを、カルボジイミドを介してCH−セファロースに
接合した免疫感作用ペプチドから成るペプチドアフィニ
ティーカラムに吸着せしめた。特異的抗ペプチド抗体を
アフィニティーカラムからグリシン−HCl(0.2M,pH2.
6)により溶出し、そしてTrisにより中和した。精製さ
れた血清はウエスタンイムノブロット(前記)上でトラ
ンスフェラーゼIIIを特異的に認識した。
アフィニティー精製された抗ペプチド抗血清を用い
て、ガムクラスターDNA(例16)を含有するプラスミド
(pKR290−H336)又はそれを含有しないプラスミド(pK
R290−H11)を含有する代替宿主の細胞溶解物中のトラ
ンスフェラーゼIIIの存在又は不存在を検出した。試験
した株を第4表に示す。ウエスタンイムノブロット上で
のトランスフェラーゼIIIの存在は、ガムクラスターDNA
が代替宿主株中で発現されることを示した。トランスフ
ェラーゼIIIはpKR290−H336を有するシュードモナス・
デニトリフィカンス、シュードモナス・スツッチェリ、
及びシュードモナス・プチダにおいて発現された。シュ
ードモナス・スツッチェリでの発現レベルはキサントモ
ナス・カンペストリスそれ自体におけるそれとほとんど
同等であった。これらの代替宿主でのpKR290−H336から
のトランスフェラーゼIIIの発現はおそらく、4.7kb Bam
H I断片の左端に位置する本来のX.カンペストリスのプ
ロモーター配列において開始されるメッセンジャーRNA
の翻訳に基くであろう。例17に示したガム遺伝子クラス
ターのDNA配列は、トランスフェラーゼIIIとベクターpR
K290のプラスミドDNAとの間の仮定の2個の強力な転写
ターミネーターを同定する。位置814−844、及び3457−
3493に存在するこれらのターミネーター配列は、該ター
ミネーターの上流の転写を開始するRNAポリメラーゼ分
子による、トランスフェラーゼIII及び他の下流遺伝子
の転写をおそらく防止するであろう。従って、トランス
フェラーゼIIIを遺伝子を含有する転写物はガム遺伝子D
NA内で生じなければならず、そしておそらく3580位附近
の4.7kb BamH I断片中に位置する仮定のプロモーター配
列から生ずる。このことは、ガム遺伝子クラスター中に
存在し、そしてX.カンペストリスにより通常使用される
転写シグナルがまた、これらの代替宿主中で認識されそ
して使用されることを主張するものである。このこと
は、pRK290−H336により担持されている多くの又はすべ
てのガム遺伝子が代替宿主中で転写され、そしておそら
く翻訳されることを意味している。
試験されたE.コリ株においては、このプラスミド造成
物から該酵素は発現されなかった。明らかに、E.コリで
のキサントモナスDNAの発現のためには、E.コリのため
の適切な発現シグナルが存在しなければならない。例13
は、的切なE.コリ発現シグナルを有するプラスミドであ
るpp3からのトランスフェラーゼIIIの発現を示した。ガ
ム生合成クラスターによりコードされた他の蛋白質が種
々の代替宿主株において発現され得ることが予想され
る。
例19 この例は、組換プラスミドpRK290−H336及びpRK290−
HA3により担持されたクローン化ガム遺伝子DNAの領域特
定変異誘発のための方法を記載する。
例10に記載されているプラスミドpRK290−H336に担持
されたガム遺伝子DNA(H336)、及びpRK290−HA3に担持
されたガム遺伝子DNA(HA3)に対して領域特定変異誘発
を行った。これらのクローン化DNAセグメントをインビ
トロでトランスポゾン変異誘発にかけ、そして組換DNA
技法の使用によってインビトロで変異誘発せしめて、ク
ローン化X.カンペストリスDNA内に挿入及び欠失変異を
生じさせた。この様な特異を有するプラスミドを、H336
により担持されるガム遺伝子DNAのすべて又はほとんど
すべてを欠く欠失変異株を包含するX.カンペストリス受
容株に移した。次に、変異体プラスミドを担持する生ず
る受容体株は、プラスミドの変異から生ずるガム表現型
を直接示す。この方法は、今まで使用された(例7)遺
伝子置換段階の必要性を排除する。
トランスポゾン変異誘発は、Kleckner等、Gene32:369
−397(1984)により記載されてそして“因子12"と称さ
れており、そしてこの明細書においてTnK12(Kleckner
の因子12)と称されるトランスポゾンを用いた。このト
ランスポゾンは、Tn5のカラマイシン耐性決定基を含有
するDNAセグメントを担持する。さらに、このDNAセグメ
ントはまた、ストレプトマイシンに対する耐性をコード
する遺伝子を担持する。この遺伝子はE.コリ中では機能
しないが、しかし他のグロム陰性細菌中では活性である
ことが示された。すでに、我々はこの遺伝子がキサント
モナスにおいて活性であり、そしてプラスミド上でキサ
ントモノスに導入された場合にストレプトマイシン耐性
表現型を与えることを示した。従って、キサントモナス
のTnK12の移行はカナマイシン及びストレプトマイシン
に対する同時耐性を同様に付与し、従ってTnK12挿入を
担持するプラスミドについての強力な選択を提供するの
が当然である。
プラスミド移行実験においてX.カンペストリス受容株
の選択のために我々がしばしば使用しなければならない
薬剤であるリファンピシンに対する耐性を有するE.コリ
株KK7133の染色体にTnK12は担持されている。従って、
我々は、我々の最初のTnK12トランスポジション実験に
おいて受容株として欠失株X1107(第15図)のクロラム
フェニコール耐性(Cam)誘導体を単離し、そして使用
した。最初の実験は次のようにして行われた。プラスミ
ドpRK290−H336を、精製されたプラスミドDNAを用いる
形質転換によりNK7133株に導入した。次に我々は、供与
体としてNK7133(pRK290−H366)、動員体(mobilize
r)としてLE392(pRK2013)、そして受容体としてX1107
Camrを用いて三親(triparental)勾配(mating)を行
った。これらの株の新鮮な一夜培養物をLB中で1回洗浄
し、そして3mlずつの親を一緒に混合し、そして0.45μ
mフィルターを通して過した。次に、フィルターをLB
プレート上で30℃にて4時間インキュベートした。次
に、細胞をフィルターから3.0ml(合計)のYM培地を再
懸濁した。アリコートを、クロラムフェニコール、カナ
マイシン及びストレプトマイシン、又はストレプトマイ
シンのみを含有するYMGプレート上にプレートした。各
タイプの培地15プレートずつのそれぞれに0.1mlの再懸
濁された勾配混合物を拡げた。プレートを30℃にて6〜
12日間インキュベートし、そして計算した。この実験か
ら本発明者等は最終的に100個のKanrStrrコロニーを得
た。これらのほとんどがGum+であり、そして外観的に野
生型であった。7個がGum-であり、そして5個のコロニ
ーが明瞭に粘質であったが、しかし野生型Gum+とは形態
的に異るようであった。X1107のこれらのKan+Strr誘導
体の15個を、EコリHB101及びX.カンペストリスS4L rif
−101(R68.45tet::Tn7)との三親交雑により交配させ
た。プラスミドR68.45tet::Tn7は接合活性プラスミドR6
8.45のテトラサイクリン感受性誘導体である。この交配
において、このプラスミドは、E.コリへのpRK290−H33
6::TnK12誘導体の移行を指令する動員体として役立つ。
テトラサイクリン耐性をコードするプラスミド遺伝子は
不活性化される(Tn7の挿入により)から、10μg/mlの
テトラサイクリン上での37℃における増殖による選択に
よるTetrE.コリについての選択は、HB101へのpRK290−H
336誘導体の移行について特異的な選択をもたらす。こ
れらのプラスミドの物理的構造の分析はキサントモナス
におけるよりE.コリにおいて技術的に容易である。14回
の交配のすべてが、受容体当り105〜104の頻度でHB101
のTetr誘導体をもたらした。
これらの株からプラスミドDNAを調製し、そして制限
エンドヌクレアーゼ消化、及びアガロースゲル電気泳動
により分析した。特定の制限断片の分子量の分子量を、
断片の移動度と既知分子量を有するDNA断片標準の電気
泳動移動度とを比較することにより決定した。特定の酵
素により生成された制限断片のパターンは、TnK12挿入
の位置を決定することを可能にした。これらを第15図に
示す。pRK290−H336のクローン化ガム遺伝子DNA断片中
に11個の挿入が存在することが見出された。これらの挿
中のすべてが、特定の変異体プラスミドがX1107中に存
在する場合に粘質表現型又はGum-をもたらした。2個の
Gum+プラスミドが分子のpRK290位置中にTnK12挿入部を
含むことが見出された。これはGum+表現型と一致する。
1つの挿入がベクター中であるがしかしガム遺伝子DNA
の比較的近くに存在した。X1107(pRK290−H336.13)株
は多量のガムを生産するが、この挿入がわずかに異るGu
m表現型(形態的に)をもたらした。このプラスミド変
異誘発系がクローン化ガム遺伝子DNA内の変異を効率的
に単離しそして延在することを可能にした。幾つかの小
さい変更を伴ってこの方法を用いて、本発明者等はpRK2
90−H336中の一組のTnK12挿入変異を単離し、そして特
長付けた。幾つかの実験において、異る1つのX.カンペ
ストリスGum-欠損株を用いて、この欠損株X1231(第15
図を参照のこと)はpRK290−H336により担持されたガム
遺伝子DNAのすべてについて欠損している。幾つかの実
験はまた、異る選択方法を用いた。例えば、幾つかの場
合、TnK12のE.コリからX.カンペストリスへの移行を選
択するために、カナマイシン+ストレプトマイシン、又
はストレプトマイシンのみを用いた。最終的に、pRK290
−H336へのTnK12の挿入45個を単離し、そして分析し
た。これらのほとんどはガム遺伝と共に存在することが
見出され、そしてほとんどが単純挿入であったが、幾つ
かは二次的DNA転移の証拠を示した。
挿入及び欠失変異をさらに、トランスポゾンTn903の
1.3kb制限断片を用いるインビトロ変異誘発により、pRK
290−H336及びpRK−HA3において単離した。この断片
は、EcoR I、BamH I、Sal I、Acc I、Hin II、及びPst
Iを含む種々の制限酵素によりプラスミド(pUC4−K)
から切り出すことができる。Hinc II消化は平滑末端を
有するDNA断片をもたらし、この末端はDNA“リンカー”
分子の付加によって変形して他の制限部位に連結され得
るDNA末端を生じさせることができる。
一般に、この断片による挿入変異誘発の方法は、例7
に記載したようにプラスミドpMM79中に担持されたクロ
ーン化ガム遺伝子DNA内での挿入及び欠失変異を単離す
るために使用された方法に類似する。プラスミドpUC4−
Kを適切な制限エンドヌクレアーゼにより消化し、そし
て次に1.3kb Kanr断片を、ゲル片からの電気溶出により
分取用アガロースゲルから精製した。Kamr断片の末端に
DNAリンカー分子を付加する必要がある場合、pUC4−K
Hinc II消化物を所望のリンカー分子に連結した後、
分取電気泳動の段階を実施した。KanrDNA断片のこれに
続く精製により未連結のリンカー分子を除去した。次
に、精製された1.3kb Kanr断片をインビトロ変異誘発実
験に用いた。これらの実験においては、反応に加える制
限酵素の量を制限することにより、精製されたプラスミ
ドDNAに対して部分的制限エンドヌクレアーゼ消化を行
った。適当な量の所定の酵素を反応に加えることによ
り、わずかに切断された線状分子を高比率で得た。各特
定の酵素の適当な量は実験値に決定した。次に、精製さ
れたKanr断片を部分消化されたプラスミドDNAに連結す
る。この連結反応の生成物を用いてE.コリを形質転換
し、そしてカナマイシン耐性形質転換体の選択によりプ
ラスミド中のある制限部位に挿入されたKanrDNA断片を
含有する組換プラスミド分子を選択する。Kamr形質転換
体からのプラスミドDNAを分析して特定の挿入変異の位
置を同定する。制限エンドヌクレアーゼにより2回以上
切断されたプラスミド分子にKanrDNA断片が連結された
場合、欠失変異が得られた。プラスミドH336及びHA3中
に形性された挿入及び欠失変異を第15図に示す。
インビボ及びインビトロで生じた挿入変異の表現型を
分析するため、変異体プラスミドを接合によりX.カンペ
ストスGum-欠失変異に移した。pRK290−H336の変異誘導
体を、プラスミドにより担持された挿入変異の影響がガ
ム表現型が反映するであろう欠失変異株X1231に移し
た。多くの変異の表現型を例2に記載した方法によりイ
ンビトロ及び/又はインビボで分析した。ある挿入変異
を担持するプラスミドは欠失株X1231に移行することが
できなかった。これらの挿入変異が致死的であるか、又
はX.カンペストリスにおいて非常に不都合である可能性
が最も強い。これらの変異及び他の致死変異を例20に記
載する。
例20 この例は、ガム遺伝子クラスター内の致死変異の証明
を記載し、そしてこれらの致死変異により不活性化され
た蛋白質の可能性ある機能について検討する。
例19に記載したように、pRK290−H336に担持されたク
ローン化ガム遺伝子DNAへの1.3kb Kanr断片のインビト
ロ挿入により変異をガム遺伝子DNA中に単離した。これ
らの挿入変異プラスミドをE.コリ中で造成しそして分析
した。これらの変異株のGum表現型を評価するため、本
発明者等は次に、変異体プラスミドをGum-欠失株X1231
に接合により移すことを試みた。ほとんどの変異体プラ
スミドが標準的三親交配により効率的にX1231に移行し
た。しかしながら、少数の変異体プラスミドはX1231に
移行せず、又は低頻度で移行した。
1つのこの様なプラスミドはpRK290−H336.KR9(KR
9)であった。このプラスミドはガム遺伝子クラスター
のDNAセグメント内の6089位のEcoR I部位への挿入を含
み、そして例17に記載したようなgpEをコードするオー
プンリーディングフレームを中断する。これは、この遺
伝子を中断する、今まで得られた唯一の挿入である。こ
の挿入変異体プラスミドpRK290−H336.KR9をX1231移す
ための本発明者等の最初の試みは失敗し、この実験を反
復した場合も同様であった。この結果は、KR9挿入がX.
カンペストリスにおける致死変異である可能性を示唆し
た。次に、本発明者等はKR9を他のX.カンペストリス株
に移すことを試みた。受容株X1231及びX77(野生型)、
並びにX1205すなわち11.5kb BamH I断片のHind III部位
と2.2kb断片の右側BamH I部位との間でガムDNAを欠くGu
m-欠失株を用いて交配を行った。この株は4.7kb BamH I
断片の無傷のコピーを有し、そしてそれ故に挿入KR9に
より不活性化された遺伝子の無傷のコピーを有する。こ
の実験において、KR9を再びX1231に移した。しかしなが
ら、プラスミドは容易にX77及びX1205に移った。X1205
株においては、プラスミドは“ガム状”表現型をもたら
した。このことは、X1205の染色体欠失により失われた
遺伝子の機能がプラスミド上のクローン化ガム遺伝子DN
Aの対応するセグメントにより補完されたことを示す。
これらの結果は、KR9挿入が致死変異であるとする見解
と一致する。しかしながら、KR9変異により不活性化さ
れた遺伝子は必須遺伝子自体ではあり得ない。なぜな
ら、この遺伝子は多数の大きな欠失株、例えばX1231、X
1107、及びX1106において除去されており、これらは生
存可能であるからである。従って、ガム生合成経路の残
りが機能可能なままである場合にのみKR9変異が致死的
であるようである。
配列内の11.716位のSpe I部に挿入変異を担持する2
つの挿入変異体プラスミドについて同等の結果が観察さ
れた。これらの変異体プラスミドpRK290−H336.KSp12
(KSp12)及びpRK290−H336.KSp13(KSp13)は挿入され
たKanrDNA断片の方向のみを異にする。一連のX.カンペ
ストリス受容株を用いる標準的三親交配において、両プ
ラスミドはGum+受容株X1229に、及びその染色体中に3.5
kb BamH I断片の野生型コピーそしてそれ故にgpJをコー
ドする遺伝子の野生型コピーを担持するGum-受容体X121
7に効率的に移行した。これら2つのプラスミドのGum-
受容株X1205への移行はおよそ3オーダー低く、そしてG
um-株X1231への移行はさらに低い。X1205での欠失は3.5
kb BamH I断片を除去するが、しかしその他の点ではX12
17と同じである。X1231は最大のガム遺伝子欠失であ
り、そしてpRK290H336並びにその挿入誘導体例えばKSp1
2及びKSp13により担持されたクローン化ガム遺伝子DNA
のすべてを除去する。これらの結果は、KSp12及びKSp13
の挿入がX.カンペストリスにおいて有害であるか又は致
死的であり得ることを示している。
やや異る実験方法を用いて、本発明者等は好適にも、
ガム遺伝子クラスターの残りが無傷である場合に1.5kb
BamH I断片の欠失致死的であることを見出した。第10図
に示すようにプラスミドpRK290−HA3(HA3)は1.4kb及
び1.5kb BamH I断片以外のすべてのガム遺伝子クラスタ
ーDNAを含有する。1.5及び4.7kb BamH Iセグメントを画
するBamH Iにおけるガムクラスターの破壊の効果を決定
するため、本発明者等はHA3プラスミドを担持する欠失
株X1106の表現型を決定することに興味をもった従っ
て、HA3のベクター部分内にTnK12挿入を担持するHA3誘
導体(HA3.1)を欠失X1106に移した。この株は粘質であ
ることが見出され、これはガムの生合成にために必須の
遺伝子はこのBamH I部位を含有しないことを示した。さ
らに、これはHA3.1のクローン化ガム遺伝子が該プラス
ミドから離れて発現されることを示している。
しかしながら、本発明者等がHA3.1を欠失X1107及びX1
231に移すことを試みた際、さらに興味深い観察が行わ
れた。本発明者等は、1.5kb BamH Iセグメントの効果的
な欠失(X1107中)並びに1.5及び1.4kb BamH I断片の両
者の欠失(X1291中)から生ずる表現型を分析すること
を望んだ。本発明者等が見出したことは、HA3.1がいず
れの欠失株にも移行し得ないことであった。この実験を
反復し、そして結果を確かめた。HA3.1はX1106及びX77
(野生型)に容易に移行したが、しかしX1107又はX1231
には移行することができなかった。従って、本発明者等
は、1.5kb BamH Iセグメントの欠失、並びに1.5kb及び
1.4kb BamH セグメントの欠失はいずれも致死変異であ
ると結論する。しかしながら、欠失株X1107及びX1231の
両者は1.5kb BamH I断片を欠きそして生存するので、こ
の欠失により除去された遺伝情報はそれ自体必須でない
ことが真実でなければならない。再び、このことは、ガ
ム遺伝子経路の残りが機能的である場合に1.5kb BamH I
断片の欠失が致死的となることを示唆している。
本発明者等は、ガム遺伝子カラスター中の少なくとも
3つの異る変異が致死表現型を有する証拠を得た。この
致死性は、ガム生合成経路の少なくともある部分が活性
のままである場合にのみ現われるようである。欠けた機
能により通常では代謝される毒性生成物の蓄積がこの致
死性を説明することができるかもしれない。このような
モデルにおいては、他のある種の遺伝子機能が欠ける場
合にガム生合成経路(又はそのある部分)の活性が致死
性をもたらすのかも知れない。例えば、このような遺伝
子はポリメラーゼをコードしているかも知れない。C55
脂質が増殖…細胞壁合成…のために必須の他の少なくと
も1つの細胞機能において絶対的に必須であるから、C
55脂質に結合したペンタサッカライドの合成が致死的で
あるのかもしれない。すなわち、代謝されない形態への
C55脂質の引退が致死性を惹起するのかもしれない。あ
るいは、この様な遺伝子は細胞からのポリマーの輸送に
関与する蛋白質をコードしているのかも知れない。輸送
系の非存在下でのポリマーの合成が細胞増殖に体する有
害効果を有しそして致死的であり得るのかも知れない。
“致死的”遺伝子がトランスフェラーゼをコードしてい
る可能性もある。トランスフェラーゼ遺伝子は今日まで
同定されていない。おそらく、トランスフェラーゼV欠
損は致死的であり得よう。このものは微生物に対して毒
性のポリマー(ポリテトラマー)の生合成をもたらすか
らである。例えば、ポリテトラマーはキサンタンを正常
に分泌する輸送系により輸送されるであろう。
経路中の早い段階におけるガム生合成のブロッキング
が致死性を抑制するという仮説を試験することができよ
う。この実験においては、大Gum-欠失と糖ヌクレオチド
変異との間に二重変異を構成する。UPD−グルコース合
成を欠く株はキサンタン生合成を開始することができ
ず、そしてそのためにこの致死性に従わない。従って、
致死的挿入変異を担持するプラスミドはこの様な二重変
異対に容易に移行し、そしてそれにより維持される。こ
れが正しいことが証明されれば、糖ヌクレオチドが外的
に供給されるキサンタン生合成のインビトロ分析を通し
て、“致死遺伝子”によりコードされた機能を同定する
ことができよう。この発明の方法及び生成物において種
種の変法及び変形を行うことができることが当業者にと
って明らかであろう。従って、この発明の変法及び変形
は、それらが、添付された請求の範囲及びその均等の範
囲に入る限り、この発明はそれらを含むことが意図され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12P 19/04 C12R 1:38) (C12P 19/04 C12R 1:145) (C12P 19/06 C12R 1:01) (C12P 19/06 C12R 1:19) (72)発明者 ベトラッチ,マイケル,アール アメリカ合衆国,コロラド 80303,ボ ウルダー,ウェスト ムーアヘッド サ ークル 4848 (72)発明者 バンダースライス,レベッカ,ダブリュ アメリカ合衆国,コロラド 80303,ボ ウルダー,タントラ パーク サークル 1011 (56)参考文献 特開 昭56−49703(JP,A)

Claims (38)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリトリマー又は非アセチル化ポリトリマ
    ーである変異形キサンタンの製造のための組換DNA法で
    あって、 (a)(i)非アセチル化ポリトリマーの製造のため
    に、トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、ト
    ランスフェラーゼIII及びポリメラーゼをコードするヌ
    クレオチド配列を含んで成る少なくとも1つのベクター
    を含有する細胞を得、又は (ii)ポリトリマーの製造のため、トランスフェラーゼ
    I、トランスフェラーゼII、トランスフェラーゼIII、
    アセチラーゼ及びポリメラーゼをコードするヌクレオチ
    ド配列を含んで成る少なくとも1つのベクターを含有す
    る細胞を得; (b)前記細胞を前記ポリトリマー又は非アセチル化ポ
    リトリマーの合成のために適当な条件下で培養し;そし
    て (c)前記ポリトリマー又は非アセチル化トリポリマー
    を単離する; ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記ヌクレオチド配列が、キサントモナス
    (Xanthomonas)から得られる、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記細胞が、シュードモナス・プチダ(Ps
    eudomonas putida)、シュードモナス・セパシア(Pseu
    domonas cepacia)、シュードモナス・デニトリフィカ
    ンス(Pseudomonas denitrificans)、シュードモナス
    ・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュ
    ードモナス・スツッチェリ(Pseudomonas stutzeri)、
    エセリシア・コリ(Escherichia coli)及びエンテロバ
    クター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)から成る
    群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記細胞がキサントモナスである、請求項
    1に記載の方法。
  5. 【請求項5】ポリテトラマー又は非アセチル化ポリテト
    ラマーである変異形キサンタンの製造のための組換えDN
    A法であって、 (a)(i)非アセチル化ポリテトラマーの製造のため
    に、トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、ト
    ランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV及びポリ
    メラーゼをコードするヌクレオチド配列を含んで成る少
    なくとも1つのベクターを含有する細胞を得、又は (ii)ポリテトラマーの製造のために、トランスフェラ
    ーゼI、トランスフェラーゼII、トランスフェラーゼII
    I、トランスフェラーゼIV、アセチラーゼ及びポリメラ
    ーゼをコードするヌクレオチド配列を含んで成る少なく
    とも1つのベクターを含有する細胞を得; (b)前記細胞を前記ポリテトラマー又は非アセチル化
    ポリテトラマーの合成のために適当な条件下で培養し;
    そして (c)前記ポリテトラマー又は非アセチル化ポリテトラ
    マーを単離する; ことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】前記ヌクレオチド配列が、キサントモナス
    (Xanthomonas)から得られる、請求項5に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】前記細胞が、シュードモナス・プチダ(Ps
    eudomonas putida)、シュードモナス・セパシア(Pseu
    domonas cepacia)、シュードモナス・デニトリフィカ
    ンス(Pseudomonas denitrificans)、シュードモナス
    ・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュ
    ードモナス・スツッチェリ(Pseudomonas stutzeri)、
    エセリシア・コリ(Escherichia coli)及びエンテロバ
    クター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)から成る
    群から選択される、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記細胞がキサントモナスである、請求項
    5に記載の方法。
  9. 【請求項9】キサンタンガムポリペンタマー、あるいは
    非アセチル化ポリペンタマー、非ピルビル化ポリペンタ
    マー又は非アセチル化非ピルビル化ポリペンタマーであ
    る変形体キサンタンポリペンタマーの製造のための組換
    えDNA法であって、 (a)(i)非アセチル化非ピルビル化ポリペンタマー
    の製造のために、トランスフェラーゼI、トランスフェ
    ラーゼII、トランスフェラーゼIII、トランスフェラー
    ゼIV、トランスフェラーゼV及びポリメラーゼをコード
    するヌクレオチド配列を含んで成る少なくとも1つのベ
    クターを含有する細胞を得; (ii)非ピルビル化ポリペンタマーの製造のために、ト
    ランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、トランス
    フェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トランスフェ
    ラーゼV、アセチラーゼ及びポリメラーゼをコードする
    ヌクレオチド配列を含んで成る少なくとも1つのベクタ
    ーを含有する細胞を得; (iii)非アセチル化ポリペンタマーの製造のために、
    トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、トラン
    スフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トランスフ
    ェラーゼV、ケタラーゼ及びポリメラーゼをコードする
    ヌクレオチド配列を含んで成る少なくとも1つのベクタ
    ーを含有する細胞を得;又は (iv)キサンタンガムポリペンタマーの製造のために、
    トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、トラン
    スフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トランスフ
    ェラーゼV、アセチラーゼ、ケタラーゼ及びポリメラー
    ゼをコードするヌクレオチド配列を含んで成る少なくと
    も1つのベクターを含有する細胞を得; (b)前記細胞を前記キサンタンガムポリペンタマー、
    非ピルビル化ポリペンタマー、非アセチル化ポリペンタ
    マー、又は非アセチル化非ピルビル化ポリペンタマーの
    合成のために適当な条件下で培養し;そして (c)前記キサンタンガムポリペンタマー、非ピルビル
    化ポリペンタマー、非アセチル化ポリペンタマー、又は
    非アセチル化非ピルビル化ポリペンタマーを単離する; ことを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】前記ヌクレオチド配列が、キサントモナ
    ス(Xanthomonas)から得られる、請求項9に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】前記細胞が、シュードモナス・プチダ
    (Pseudomonas putida)、シュードモナス・セパシア
    (Pseudomonas cepacia)、シュードモナス・デニトリ
    フィカンス(Pseudomonas denitrificans)、シュード
    モナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescen
    s)、シュードモナス・スツッチェリ(Pseudomonas stu
    tzeri)、エセリシア・コリ(Escherichia coli)及び
    エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloaca
    e)から成る群から選択される、請求項9に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】前記細胞がキサントモナスである、請求
    項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】(i)トランスフェラーゼI、トランス
    フェラーゼII、トランスフェラーゼIII及びポリメラー
    ゼをコードするヌクレオチド配列、又は (ii)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、アセチラーゼ及びポリメラー
    ゼをコードするヌクレオチド配列、 を含んで成るベクター。
  14. 【請求項14】前記ヌクレオチド配列がキサントモナス
    のヌクレオチド配列である、請求項13に記載のベクタ
    ー。
  15. 【請求項15】(i)トランスフェラーゼI、トランス
    フェラーゼII、トランスフェラーゼIII、トランスフェ
    ラーゼIV及びポリメラーゼをコードするヌクレオチド配
    列、又は (ii)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、アセ
    チラーゼ及びポリメラーゼをコードするヌクレオチド配
    列、 を含んで成るベクター。
  16. 【請求項16】前記ヌクレオチド配列がキサントモナス
    のヌクレオチド配列である、請求項15に記載のベクタ
    ー。
  17. 【請求項17】(i)トランスフェラーゼI、トランス
    フェラーゼII、トランスフェラーゼIII、トランスフェ
    ラーゼIV、トランスフェラーゼV及びポリメラーゼをコ
    ードするヌクレオチド配列、 (ii)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トラ
    ンスフェラーゼV、アセチラーゼ及びポリメラーゼをコ
    ードするヌクレオチド配列、 (iii)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼI
    I、トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、ト
    ランスフェラーゼV、ケタラーゼ及びポリメラーゼをコ
    ードするヌクレオチド配列、又は (iv)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トラ
    ンスフェラーゼV、アセチラーゼ、ケタラーゼ及びポリ
    メラーゼをコードするヌクレオチド配列、 を含んで成るベクター。
  18. 【請求項18】前記ヌクレオチド配列がキサントモナス
    のヌクレオチド配列である、請求項17に記載のベクタ
    ー。
  19. 【請求項19】(i)トランスフェラーゼI、トランス
    フェラーゼII、トランスフェラーゼIII及びポリメラー
    ゼをコードするヌクレオチド配列、又は (ii)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、アセチラーゼ及びポリメラー
    ゼをコードするヌクレオチド配列、 を含んで成るベクターを含む微生物。
  20. 【請求項20】キサントモナスである、請求項19に記載
    の微生物。
  21. 【請求項21】キサントモナス・カンペストリスであ
    る、請求項19に記載の微生物。
  22. 【請求項22】グラム陰性細菌である、請求項19に記載
    の微生物。
  23. 【請求項23】シュードモナス・プチダ(Pseudomonas
    putida)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas ce
    pacia)、シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseud
    omonas denitrificans)、シュードモナス・フルオレセ
    ンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・
    スツッチェリ(Pseudomonas stutzeri)、エセリシア・
    コリ(Escherichia coli)及びエンテロバクター・クロ
    アカエ(Enterobacter cloacae)から成る群から選択さ
    れる、請求項19に記載の微生物。
  24. 【請求項24】(i)トランスフェラーゼI、トランス
    フェラーゼII、トランスフェラーゼIII、トランスフェ
    ラーゼIV及びポリメラーゼをコードするヌクレオチド配
    列、又は (ii)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、アセ
    チラーゼ及びポリメラーゼをコードするヌクレオチド配
    列、 を含んで成るベクターを含有する微生物。
  25. 【請求項25】キサントモナスである、請求項24に記載
    の微生物。
  26. 【請求項26】キサントモナス・カンペストリスであ
    る、請求項24に記載の微生物。
  27. 【請求項27】グラム陰性細菌である、請求項24に記載
    の微生物。
  28. 【請求項28】シュードモナス・プチダ(Pseudomonas
    putida)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas ce
    pacia)、シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseud
    omonas denitrificans)、シュードモナス・フルオレセ
    ンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・
    スツッチェリ(Pseudomonas stutzeri)、エセリシア・
    コリ(Escherichia coli)及びエンテロバクター・クロ
    アカエ(Enterobacter cloacae)から成る群から選択さ
    れる、請求項24に記載の微生物。
  29. 【請求項29】(i)トランスフェラーゼI、トランス
    フェラーゼII、トランスフェラーゼIII、トランスフェ
    ラーゼIV、トランスフェラーゼV及びポリメラーゼをコ
    ードするヌクレオチド配列、 (ii)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トラ
    ンスフェラーゼV、アセチラーゼ及びポリメラーゼをコ
    ードするヌクレオチド配列、 (ii)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トラ
    ンスフェラーゼV、ケタラーゼ及びポリメラーゼをコー
    ドするヌクレオチド配列、又は (iv)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トラ
    ンスフェラーゼV、アセチラーゼ、ケタラーゼ及びポリ
    メラーゼをコードするヌクレオチド配列、 を含んで成るベクターを含有する微生物。
  30. 【請求項30】キサントモナスである、請求項29に記載
    の微生物。
  31. 【請求項31】キサントモナス・カンペストリスであ
    る、請求項29に記載の微生物。
  32. 【請求項32】グラム陰性細菌である、請求項29に記載
    の微生物。
  33. 【請求項33】シュードモナス・プチダ(Pseudomonas
    putida)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas ce
    pacia)、シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseud
    omonas denitrificans)、シュードモナス・フルオレセ
    ンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・
    スツッチェリ(Pseudomonas stutzeri)、エセリシア・
    コリ(Escherichia coli)及びエンテロバクター・クロ
    アカエ(Enterobacter cloacae)から成る群から選択さ
    れる、請求項29に記載の微生物。
  34. 【請求項34】キサンタン及び変異形キサンタンポリサ
    ッカライドの製造のための組換DNA法であって、 (a)トランスフェラーゼI、トランスフェラーゼII、
    トランスフェラーゼIII、トランスフェラーゼIV、トラ
    ンスフェラーゼV、アセチラーゼ、ケタラーゼ及びポリ
    メラーゼから選択された少なくとも1種の蛋白質をコー
    ドするヌクレオチド配列を含んで成る少なくとも1つの
    ベクターを含有するキサントモナスを得; (b)前記キサントモナスを前記キサンタン又は変異形
    キサンタンポリサッカライドの合成のために適当な条件
    下で培養し;そして (c)前記キサンタン又は変異形キサンタンポリサッカ
    ライドを単離する; ことを特徴とする方法。
  35. 【請求項35】非アセチル化ポリトリマー、ポリトリマ
    ー、非アセチル化ポリテトラマー、ポリテトラマー、非
    アセチル化非ピルビル化キサンタンガムポリペンタマ
    ー、非ピルビル化キサンタンガムポリペンタマー、非ア
    セチル化キサンタンガムポリペンタマー及びキサンタン
    ガムポリペンタマーから選択されたポリサッカライドを
    製造するための、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】前記ヌクレオチド配列が、トランスフェ
    ラーゼI、トランスフェラーゼII、トランスフェラーゼ
    III、トランスフェラーゼIV、トランスフェラーゼV、
    アセチラーゼ、ケタラーゼ及びポリメラーゼから選択さ
    れた少なくとも2種の蛋白質をコードする、請求項34に
    記載の方法。
  37. 【請求項37】(a)トランスフェラーゼI、トランス
    フェラーゼII、トランスフェラーゼIII、トランスフェ
    ラーゼIV、トランスフェラーゼV、アセチラーゼ、ケタ
    ラーゼ及びポリメラーゼから選択された少なくとも1種
    の蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含んで成るベ
    クター。
  38. 【請求項38】(a)トランスフェラーゼI、トランス
    フェラーゼII、トランスフェラーゼIII、トランスフェ
    ラーゼIV、トランスフェラーゼV、アセチラーゼ、ケタ
    ラーゼ及びポリメラーゼから選択された少なくとも1種
    の蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含んで成るベ
    クターを含有する微生物。
JP62502275A 1986-03-24 1987-03-24 キサンタンガムの組換dnaによる製造 Expired - Lifetime JP2612583B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US84294486A 1986-03-24 1986-03-24
US842,944 1986-03-24
US2953087A 1987-03-23 1987-03-23
US029,530 1987-03-23
US29,530 1987-03-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01502555A JPH01502555A (ja) 1989-09-07
JP2612583B2 true JP2612583B2 (ja) 1997-05-21

Family

ID=26705047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62502275A Expired - Lifetime JP2612583B2 (ja) 1986-03-24 1987-03-24 キサンタンガムの組換dnaによる製造

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0326544B1 (ja)
JP (1) JP2612583B2 (ja)
AT (1) ATE128731T1 (ja)
CA (1) CA1338138C (ja)
DE (1) DE3751554T2 (ja)
NO (1) NO306476B1 (ja)
WO (1) WO1987005938A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3783145T2 (de) * 1986-02-06 1993-06-03 Merck & Co Inc Rekombinantes dns-plasmid zur herstellung von xanthangummi.
SG164261A1 (en) * 1986-03-24 2010-09-29 Texaco Development Corp Family of xanthan-based polysaccharide polymers including non- acethylated and/or non-pyruvylated gum
ATE118548T1 (de) * 1986-03-24 1995-03-15 Getty Scient Dev Co Herstellungsverfahren von zuckernukleotiden mittels rekombinantverfahrens.
ATE111958T1 (de) * 1987-04-14 1994-10-15 Shinetsu Chemical Co Herstellung von xanthan-gummi.
US6027925A (en) * 1997-06-12 2000-02-22 Shin-Etsu Bio, Inc. Production of non-native bacterial exopolysaccharide in a recombinant bacterial host
US7285409B1 (en) * 2000-05-09 2007-10-23 Fundacao De Amparo A Pesquisa Do Estado De Sao Paulo Isolated gum operon from Xyllela fastidiosa, isolated nucleic acid molecules therefrom, and uses thereof
US6537786B2 (en) 2000-09-01 2003-03-25 E. I. Du Pont De Nemours And Company Genes encoding exopolysaccharide production
US9453251B2 (en) 2002-10-08 2016-09-27 Pfenex Inc. Expression of mammalian proteins in Pseudomonas fluorescens
US7439044B2 (en) * 2003-03-21 2008-10-21 Cp Kelco U.S., Inc. High viscosity xanthan polymer preparations
PL1709170T3 (pl) 2004-01-16 2018-06-29 Pfenex Inc. Ekspresja białek ssaczych w Pseudomonas fluorescens
US8603824B2 (en) 2004-07-26 2013-12-10 Pfenex, Inc. Process for improved protein expression by strain engineering
US9580719B2 (en) 2007-04-27 2017-02-28 Pfenex, Inc. Method for rapidly screening microbial hosts to identify certain strains with improved yield and/or quality in the expression of heterologous proteins
EP2142651B1 (en) 2007-04-27 2013-05-22 Pfenex Inc. Method for rapidly screening microbial hosts to identify certain strains with improved yield and/or quality in the expression of heterologous proteins

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1167403A (en) * 1979-07-10 1984-05-15 Unilever Limited Microbial heteropolysaccharide
US4329448A (en) * 1979-07-10 1982-05-11 Lever Brothers Company Microbial heteropolysaccharide
ZA804119B (en) * 1979-07-10 1982-02-24 Unilever Ltd Microbial heteropolysaccharide
US4407951A (en) * 1980-07-14 1983-10-04 Standard Oil Company (Indiana) Xanthomonas campestris ATCC 31600 and process for use
DE3274467D1 (en) * 1981-05-22 1987-01-15 Kelco Biospecialties Ltd Production of xanthan having a low pyruvate content
DE3783145T2 (de) * 1986-02-06 1993-06-03 Merck & Co Inc Rekombinantes dns-plasmid zur herstellung von xanthangummi.
ATE118548T1 (de) * 1986-03-24 1995-03-15 Getty Scient Dev Co Herstellungsverfahren von zuckernukleotiden mittels rekombinantverfahrens.

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01502555A (ja) 1989-09-07
NO874878L (no) 1988-01-25
NO306476B1 (no) 1999-11-08
NO874878D0 (no) 1987-11-23
DE3751554T2 (de) 1996-06-13
EP0326544A1 (en) 1989-08-09
EP0326544A4 (en) 1989-10-04
CA1338138C (en) 1996-03-12
DE3751554D1 (de) 1995-11-09
EP0326544B1 (en) 1995-10-04
ATE128731T1 (de) 1995-10-15
WO1987005938A1 (en) 1987-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5854034A (en) DNA segments and methods for increasing polysaccharide production
Pradel et al. Structures of the rfaB, rfaI, rfaJ, and rfaS genes of Escherichia coli K-12 and their roles in assembly of the lipopolysaccharide core
RU2103364C1 (ru) Последовательность днк, белок и способ получения белка
RU1838410C (ru) Способ получени альфа-амилазы
Goldberg et al. Construction and characterization of Pseudomonas aeruginosa algB mutants: role of algB in high-level production of alginate
JP4561010B2 (ja) D−ヒダントインハイドロラーゼをコードするdna、n−カルバミル−d−アミノ酸ハイドロラーゼをコードするdna、該遺伝子を含む組み換えdna、該組み換えdnaにより形質転換された細胞、該形質転換細胞を用いるタンパク質の製造方法、および、d−アミノ酸の製造方法
CA1340411C (en) Process for the synthesis of sugar nucleotides using recombinant-dna methods
JP2612583B2 (ja) キサンタンガムの組換dnaによる製造
JPH028714B2 (ja)
JP3665905B2 (ja) マンヌロナンc−5エピメラーゼをコードする配列を含むdna化合物
US5559015A (en) Recombinant-DNA mediated production of xanthan gum
US5418156A (en) Agarase enzyme system from alteromonas strain 2-40
FR2559781A1 (fr) Nouveau vecteur plasmidique hybride de e. coli conferant le pouvoir de faire fermenter le saccharose et son procede de preparation
JP3488924B2 (ja) ベタインの異化に関して改変された細胞、それらの調製、および特に、代謝産物または酵素の生産のための使用
US5985668A (en) Sucrose metabolism mutants
KR900007970B1 (ko) 키산탄 검의 증산방법
Becker et al. Acquisition of resistance genes by the IncQ plasmid R1162 is limited by its high copy number and lack of a partitioning mechanism
CA1339011C (en) Dna fragment having the cyclodextrin glycosyltransferase structural gene, an expression vector and microorganims for the expression of said gene, and a process for the preparation of same
Weaver et al. Complementation of a Rhodopseudomonas sphaeroides ribulose bisphosphate carboxylase-oxygenase regulatory mutant from a genomic library
US4824786A (en) Methylotroph cloning vehicle
Chambert et al. Readthrough of the Bacillus subtilis stop codon produces an extended enzyme displaying a higher polymerase activity
Frost et al. Studies on the pili of the promiscuous plasmid RP4
FI91885B (fi) -amylaasia koodaava yhdistelmä-DNA ja menetelmiä sitä sisältävien mikro-organismien valmistamiseksi
JPS63269986A (ja) 遺伝子調節単位および、クローニング・発現系
CA1335576C (en) Methylotroph cloning vehicle