JP2003533166A - オイゲノールおよびフェルラ酸の異化作用の特異的不活性化遺伝子による置換フェノール生産のための生産株の構築 - Google Patents

オイゲノールおよびフェルラ酸の異化作用の特異的不活性化遺伝子による置換フェノール生産のための生産株の構築

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JP2003533166A JP2000579727A JP2000579727A JP2003533166A JP 2003533166 A JP2003533166 A JP 2003533166A JP 2000579727 A JP2000579727 A JP 2000579727A JP 2000579727 A JP2000579727 A JP 2000579727A JP 2003533166 A JP2003533166 A JP 2003533166A
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シユタインビユヘル,アレクサンダー
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ハーマン・ウント・ライマー・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、オイゲノールおよび/またはフェルラ酸の異化作用の酵素が、中間体コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バニリンおよび/またはバニリン酸が蓄積するような方式で不活性化されることを特徴とする、形質転換および/または変異された単細胞もしくは多細胞生物体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、置換メトキシフェノール、特にバニリンを生産するための、生産株
の構築および方法に関する。
【0002】 ドイツ特許出願公開第4 227 076号(置換メトキシフェノールの生産
方法、およびこの目的のために適当である微生物)は、新規なシュードモナス種
Pseudomonas sp.)を用いる置換メトキシフェノールの生産を
記述している。これに関して、出発材料はオイゲノールであり、そして生産物は
フェルラ酸、バニリン酸、コニフェリルアルコールおよびコニフェリルアルデヒ
ドである。
【0003】 また、Rosazza et al.(Biocatalytic tran
sformation of ferulic acid:an abunda
nt aromatic natural product;J.Ind.Mi
crobiol.15:457−471)によって記されている、フェルラ酸を
用いて可能となる生物変換の広範な総説が1995年に現れた。
【0004】 シュードモナス種由来の、コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド
、フェルラ酸、バニリンおよびバニリン酸合成のための遺伝子および酵素は、欧
州特許出願公開第0 845 532号に記述されている。
【0005】 トランス−フェルラ酸をトランス−フェルロイル−SCoAエステルへ、続い
てバニリンへ変換する酵素、そしてまた、そのエステルを切断する遺伝子が、t
he Institute of Food Research,Norwic
h,GBによってWO97/35999において記述されている。また、199
8年に、その特許の内容が、科学出版物の形態で公表された(Gasson e
t al.1998.Metabolism of ferulic acid
to vanillin.J.Biol.Chem.273:4163−41
70;Narbad and Gasson 1998.Metabolism
of ferulic acid via vanillin using
a novel CoA−dependent pathway in a n
ewly isolated strain of Pseudomonas fluorescens . Microbiology 144:1397−1
405)。
【0006】 ドイツ特許出願公開第195 32 317号は、発酵的に高収率でフェルラ
酸からバニリンを得るためのアミコラトプシス種(Amycolatopsis sp.)の使用を記述している。
【0007】 既知の方法は、それらが非常に低収率のバニリンしか達成できないか、または
比較的高価な出発化合物を使用させるかいずれかの不利益を蒙る。最後に述べら
れた方法(ドイツ特許出願公開第195 32 317号)は、高収率を達成す
るけれども、オイゲノールをバニリンに生物変換するためのシュードモナス種H
R199およびアミコラトプシス種HR167の使用は、2段階で実施される発
酵を必要として、結果的に、実質的に高い費用と時間の浪費をもたらす。
【0008】 したがって、本発明の目的は、比較的安価な原料オイゲノールを1段階工程で
バニリンに変換できる生物体を構築することである。
【0009】 この目的は、株が、オイゲノールおよび/またはフェルラ酸の異化作用の酵素
が、中間体コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バ
ニリンおよび/またはバニリン酸が蓄積するように不活性化されることを特徴と
する、単細胞もしくは多細胞生物体の生産株を構築するという手段によって達成
される。
【0010】 生産株は、単細胞もしくは多細胞であってもよい。したがって、本発明は、微
生物、植物もしくは動物に関してもよい。さらにまた、使用は、生産株から得ら
れる抽出物を用いてなされてもよい。本発明によれば、好ましくは、単細胞生物
体を用いることである。これら後者の生物体は、微生物または動物もしくは植物
細胞であってもよい。本発明によれば、真菌類および細菌類を用いることが、特
に好適である。最高に好適なのは、細菌類の種である。特に、オイゲノールおよ
び/またはフェルラ酸の異化作用が改変された後に、使用されてもよいそれらの
細菌類は、ロドコッカス(Rhodococcus)、シュードモナスおよびエ
シェリヒア(Escherichia)の種である。
【0011】 もっとも単純な場合には、既知の、慣用の微生物学的方法が、本発明にしたが
って使用されてもよい生物体を単離するために使用できる。
【0012】 かくして、オイゲノールおよび/またはフェルラ酸の異化作用に関与するタン
パク質の酵素活性は、酵素阻害剤を用いることによって変えることができる。さ
らにまた、オイゲノールおよび/またはフェルラ酸の異化作用に関与するタンパ
ク質の酵素活性は、これらのタンパク質をコードしている遺伝子を変異すること
によって変えることができる。そのような変異は、古典的方法によって、例えば
UV照射もしくは変異誘導化学薬品を使用することによってランダム様式で生成
することができる。
【0013】 組み換えDNA法、例えば欠失、挿入および/またはヌクレオチド置換は、新
規な生物体を単離するために同じく適当である。かくして、生物体の遺伝子は、
例えば、他のDNA要素(Ω要素)を用いて不活性化することができる。同様に
、適当なベクターが、改変および/または不活性化される遺伝子構造体によりイ
ンタクト遺伝子を置換するために使用することができる。これに関して、不活性
化されるべき遺伝子、および不活性化のために使用されるDNA要素は、古典的
なクローニング技術の手段またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の手段によっ
て得ることができる。
【0014】 例えば、本発明の一つの可能な実施態様では、オイゲノール異化およびフェル
ラ酸の異化作用は、適当な遺伝子中にΩ要素を挿入するか、または欠失を導入す
ることによって変えることができる。これに関して、上記組み換えDNA法は、
関連酵素の産生が遮断されるように、デヒドロゲナーゼ、シンテターゼ、ヒドラ
ターゼ−アルドラーゼ、チオラーゼもしくはデメチラーゼをコードしている遺伝
子の機能を不活性化するために使用できる。好ましくは、これらの遺伝子は、コ
ニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリルアルデヒドデヒドロゲナ
ーゼ、フェルロイル−CoAシンテターゼ、エノイル−CoAヒドラターゼ−ア
ルドラーゼ、β−ケトチオラーゼ、バニリンデヒドロゲナーゼまたはバニリン酸
デメチラーゼをコードしている遺伝子である。非常に特に好適には、欧州特許出
願公開第0845532号において特定されるアミノ酸配列をコードしている遺
伝子および/またはそれらの対立遺伝子変異体をコードしているヌクレオチド配
列である。
【0015】 したがってまた、本発明は、形質転換された生物体および変異体を作成するた
めの遺伝子構造体に関する。
【0016】 好適には、デヒドロゲナーゼ、シンテターゼ、ヒドラターゼ−アルドラーゼ、
チオラーゼもしくはデメチラーゼをコードしているヌクレオチド配列が、生物体
および変異体を単離するために不活性化される遺伝子構造体を使用することであ
る。特に好適には、コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリルア
ルデヒドデヒドロゲナーゼ、フェルロイル−CoAシンテターゼ、エノイル−C
oAヒドラターゼ−アルドラーゼ、β−ケトチオラーゼ、バニリンデヒドロゲナ
ーゼもしくはバニリン酸デメチラーゼをコードしているヌクレオチド配列が不活
性化される遺伝子構造体である。非常に特に好適には、図2a〜2rに描かれる
ヌクレオチド配列および/またはそれらの対立遺伝子変異体をコードしているヌ
クレオチド配列をもつ、図1a〜1rに与えられる構造を表す遺伝子構造体であ
る。これに関して、特に好適には、ヌクレオチド配列1〜18である。
【0017】 また、本発明は、これらの遺伝子構造体の部分配列ならびに機能的等価物を包
含する。機能的等価物は、個々の核酸塩基が、機能が変えられることなく置換(
ゆらぎ置換)されたDNAの誘導体を意味すると理解されるべきである。また、
アミノ酸は、これが機能の変化をもたらすことなくタンパク質レベルにおいて置
換されてもよい。
【0018】 1種以上のDNA配列が、遺伝子構造体の上流および/または下流に挿入され
てもよい。遺伝子構造体をクローニングすることによって、生物体の形質転換お
よび/またはトランスフェクションのため、そして/または生物体への接合的伝
達のために適当であるプラスミドもしくはベクターを得ることが可能である。
【0019】 さらにまた、本発明は、本発明にしたがって形質転換される生物体および変異
体を作成するためのプラスミドおよび/またはベクターに関する。これらの生物
体および変異体は、結果的に、既に記述された遺伝子構造体を宿す。したがって
、また本発明は、該プラスミドおよび/またはベクターを宿している生物体に関
する。
【0020】 プラスミドおよび/またはベクターの性質は、それらが何のために使用されよ
うとしているかに依存する。例えば、シュードモナス類におけるオイゲノールお
よび/またはフェルラ酸の異化作用のインタクト遺伝子を、オメガ要素により不
活性化された遺伝子により置換できるためには、一方では、シュードモナス類に
伝達できる(接合的伝達性プラスミド)が、他方では、これらの生物体において
複製することができず、結果的にシュードモナス類において不安定である(いわ
ゆる自殺プラスミド)ベクターを必要とする。そのようなプラスミド系によって
シュードモナス類に伝達されるDNAセグメントは、それらが相同組み換えによ
って細菌細胞のゲノム中に組み込まれた場合のみ、保持することができる。
【0021】 前記遺伝子構造体、ベクターおよびプラスミドは、種々の形質転換生物体もし
くは変異体を作成するために使用されてもよい。該遺伝子構造体は、インタクト
核酸配列を、改変および/または不活性化された遺伝子構造体によって置換する
ために使用することができる。形質転換もしくはトランスフェクションもしくは
接合によって得ることができる細胞では、インタクト遺伝子は、相同組み換えに
よって、改変および/または不活性化された遺伝子構造体により置換され、その
結果得られる細胞は、ここに、それらのゲノム中に改変および/または不活性化
された遺伝子構造体のみを保持する。この方法において、好ましくは、関連する
生物体が、コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バ
ニリンおよび/またはバニリン酸を生産できるように、遺伝子は、本発明にした
がって改変および/または不活性化することができる。
【0022】 ドイツ特許出願公開第4 227 076号および欧州特許出願公開第084
5532号において詳細に記述されている菌株シュードモナス種HR199(D
SM7063)の変異体は、なかんずく、図2a〜2rと組み合わせて図1a〜
1rから結果として起こる対応する遺伝子構造体を用いて、本発明にしたがうこ
の方法において構築された生産菌株の例である: 1.シュードモナス種HR199calAΩKm、これはコニフェリルアルコ
ールデヒドロゲナーゼをコードしているインタクトcalA遺伝子の代わりに、
ΩKmで不活性化されたcalA遺伝子を含有する(図1a;図2a)。
【0023】 2.シュードモナス種HR199calAΩGm、これはコニフェリルアルコ
ールデヒドロゲナーゼをコードしているインタクトcalA遺伝子の代わりに、
ΩGmで不活性化されたcalA遺伝子を含有する(図1b;図2b)。
【0024】 3.シュードモナス種HR199calAΔ、これはコニフェリルアルコール
デヒドロゲナーゼをコードしているインタクトcalA遺伝子の代わりに、欠失
で不活性化されたcalA遺伝子を含有する(図1c;図2c)。
【0025】 4.シュードモナス種HR199calBΩKm、これはコニフェリルアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼをコードしているインタクトcalB遺伝子の代わりに、
ΩKmで不活性化されたcalB遺伝子を含有する(図1d;図2d)。
【0026】 5.シュードモナス種HR199calBΩGm、これはコニフェリルアルデ
ヒドデヒドロゲナーゼをコードしているインタクトcalB遺伝子の代わりに、
ΩGmで不活性化されたcalB遺伝子を含有する(図1e;図2e)。
【0027】 6.シュードモナス種HR199calBΔ、これはコニフェリルアルデヒド
デヒドロゲナーゼをコードしているインタクトcalB遺伝子の代わりに、欠失
で不活性化されたcalB遺伝子を含有する(図1f;図2f)。
【0028】 7.シュードモナス種HR199fcsΩKm、これはフェルロイル−CoA
シンテターゼをコードしているインタクトfcs遺伝子の代わりに、ΩKmで不
活性化されたfcs遺伝子を含有する(図1g;図2g)。
【0029】 8.シュードモナス種HR199fcsΩGm、これはフェルロイル−CoA
シンテターゼをコードしているインタクトfcs遺伝子の代わりに、ΩGmで不
活性化されたfcs遺伝子を含有する(図1h;図2h)。
【0030】 9.シュードモナス種HR199fcsΔ、これはフェルロイル−CoAシン
テターゼをコードしているインタクトfcs遺伝子の代わりに、欠失で不活性化
されたfcs遺伝子を含有する(図1i;図2i)。
【0031】 10.シュードモナス種HR199echΩKm、これはエノイル−CoAヒ
ドラターゼ−アルドラーゼをコードしているインタクトech遺伝子の代わりに
、ΩKmで不活性化されたech遺伝子を含有する(図1j;図2j)。
【0032】 11.シュードモナス種HR199echΩGm、これはエノイル−CoAヒ
ドラターゼ−アルドラーゼをコードしているインタクトech遺伝子の代わりに
、ΩGmで不活性化されたech遺伝子を含有する(図1k;図2k)。
【0033】 12.シュードモナス種HR199echΔ、これはエノイル−CoAヒドラ
ターゼ−アルドラーゼをコードしているインタクトech遺伝子の代わりに、欠
失で不活性化されたech遺伝子を含有する(図1l;図2l)。
【0034】 13.シュードモナス種HR199aatΩKm、これはβ−ケトチオラーゼ
をコードしているインタクトaat遺伝子の代わりに、ΩKmで不活性化された aat 遺伝子を含有する(図1m;図2m)。
【0035】 14.シュードモナス種HR199aatΩGm、これはβ−ケトチオラーゼ
をコードしているインタクトaat遺伝子の代わりに、ΩGmで不活性化された aat 遺伝子を含有する(図1n;図2n)。
【0036】 15.シュードモナス種HR199aatΔ、これはβ−ケトチオラーゼをコ
ードしているインタクトaat遺伝子の代わりに、欠失で不活性化されたaat 遺伝子を含有する(図1o;図2o)。
【0037】 16.シュードモナス種HR199vdhΩKm、これはバニリンデヒドロゲ
ナーゼをコードしているインタクトvdh遺伝子の代わりに、ΩKmで不活性化
されたvdh遺伝子を含有する(図1p;図2p)。
【0038】 17.シュードモナス種HR199vdhΩGm、これはバニリンデヒドロゲ
ナーゼをコードしているインタクトvdh遺伝子の代わりに、ΩGmで不活性化
されたvdh遺伝子を含有する(図1q;図2q)。
【0039】 18.シュードモナス種HR199vdhΔ、これはバニリンデヒドロゲナー
ゼをコードしているインタクトvdh遺伝子の代わりに、欠失で不活性化された vdh 遺伝子を含有する(図1r;図2r)。
【0040】 19.シュードモナス種HR199vdhBΩKm、これはバニリンデヒドロ
ゲナーゼIIをコードしているインタクトvdhB遺伝子の代わりに、ΩKmで
不活性化されたvdhB遺伝子を含有する。
【0041】 20.シュードモナス種HR199vdhBΩGm、これはバニリンデヒドロ
ゲナーゼIIをコードしているインタクトvdhB遺伝子の代わりに、ΩGmで
不活性化されたvdhB遺伝子を含有する。
【0042】 21.シュードモナス種HR199vdhBΔ、これはバニリンデヒドロゲナ
ーゼIIをコードしているインタクトvdhB遺伝子の代わりに、欠失で不活性
化されたvdhB遺伝子を含有する。
【0043】 22.シュードモナス種HR199adhΩKm、これはアルコールデヒドロ
ゲナーゼをコードしているインタクトadh遺伝子の代わりに、ΩKmで不活性
化されたadh遺伝子を含有する。
【0044】 23.シュードモナス種HR199adhΩGm、これはアルコールデヒドロ
ゲナーゼをコードしているインタクトadh遺伝子の代わりに、ΩGmで不活性
化されたadh遺伝子を含有する。
【0045】 24.シュードモナス種HR199adhΔ、これはアルコールデヒドロゲナ
ーゼをコードしているインタクトadh遺伝子の代わりに、欠失で不活性化され
adh遺伝子を含有する。
【0046】 25.シュードモナス種HR199vanAΩKm、これはバニリン酸デメチ
ラーゼのα−サブユニットをコードしているインタクトvanA遺伝子の代わり
に、ΩKmで不活性化されたvanA遺伝子を含有する。
【0047】 26.シュードモナス種HR199vanAΩGm、これはバニリン酸デメチ
ラーゼのα−サブユニットをコードしているインタクトvanA遺伝子の代わり
に、ΩGmで不活性化されたvanA遺伝子を含有する。
【0048】 27.シュードモナス種HR199vanAΔ、これはバニリン酸デメチラー
ゼのα−サブユニットをコードしているインタクトvanA遺伝子の代わりに、
欠失で不活性化されたvanA遺伝子を含有する。
【0049】 28.シュードモナス種HR199vanBΩKm、これはバニリン酸デメチ
ラーゼのβ−サブユニットをコードしているインタクトvanB遺伝子の代わり
に、ΩKmで不活性化されたvanB遺伝子を含有する。
【0050】 29.シュードモナス種HR199vanBΩGm、これはバニリン酸デメチ
ラーゼのβ−サブユニットをコードしているインタクトvanB遺伝子の代わり
に、ΩGmで不活性化されたvanB遺伝子を含有する。
【0051】 30.シュードモナス種HR199vanBΔ、これはバニリン酸デメチラー
ゼのβ−サブユニットをコードしているインタクトvanB遺伝子の代わりに、
欠失で不活性化されたvanB遺伝子を含有する。
【0052】 さらに、本発明は、有機化合物の生物工学的生産方法に関する。特に、この方
法は、アルコール類、アルデヒド類および有機酸類を生産するために使用するこ
とができる。後者は、好ましくは、コニフェリルアルコール。コニフェリルアル
デヒド、フェルラ酸、バニリンおよびバニリン酸である。
【0053】 先に記述した生物体が新規方法において使用される。非常に特に好適である生
物体は、細菌類、特にシュードモナス種を含む。具体的には、前記シュードモナ
ス種は、好ましくは、次の方法のために用いることができる: 1.オイゲノールからコニフェリルアルコールを生産するための、シュードモ
ナス種HR199calAΩKm、シュードモナス種HR199calAΩGm
およびシュードモナス種HR199calAΔ。
【0054】 2.オイゲノールもしくはコニフェリルアルコールからコニフェリルアルデヒ
ドを生産するための、シュードモナス種HR199calBΩKm、シュードモ
ナス種HR199calBΩGmおよびシュードモナス種HR199calBΔ
【0055】 3.オイゲノールもしくはコニフェリルアルコールもしくはコニフェリルアル
デヒドからフェルラ酸を生産するための、シュードモナス種HR199fcsΩ
Km、シュードモナス種HR199fcsΩGm、シュードモナス種HR199 fcs Δ、シュードモナス種HR199echΩKm、シュードモナス種HR1
99echΩGmおよびシュードモナス種HR199echΔ。
【0056】 4.オイゲノールもしくはコニフェリルアルコールもしくはコニフェリルアル
デヒドもしくはフェルラ酸からバニリンを生産するための、シュードモナス種H
R199vdhΩKm、シュードモナス種HR199vdhΩGm、シュードモ
ナス種HR199vdhΔ、シュードモナス種HR199vdhΩGmvdhB ΩKm、シュードモナス種HR199vdhΩKmvdhBΩGm、シュードモ
ナス種HR199vdhΔvdhBΩGmおよびシュードモナス種HR199 dh ΔvdhBΩKm。
【0057】 5.オイゲノールもしくはコニフェリルアルコールもしくはコニフェリルアル
デヒドもしくはフェルラ酸もしくはバニリンからバニリン酸を生産するための、
シュードモナス種HR199vanAΩKm、シュードモナス種HR199va nA ΩGm、シュードモナス種HR199vanAΔ、シュードモナス種HR1
99vanBΩKm、シュードモナス種HR199vanBΩGmおよびシュー
ドモナス種HR199vanBΔ。
【0058】 オイゲノールは好適な基質である。しかしながら、また、さらなる基質を添加
するか、またはオイゲノールをその他の基質により置換することさえ可能である
【0059】 本発明にしたがって使用される生物体のための適当な栄養培地は、合成、半合
成もしくは複合培養基である。これらの培地は、炭素含有および窒素含有化合物
、無機塩類、適当であれば微量元素、およびビタミン類を含有してもよい。
【0060】 適当である炭素含有化合物は、炭水化物、炭化水素もしくは有機標準化学薬品
である。好ましく使用できる化合物の例は、糖類、アルコール類もしくは糖アル
コール、有機酸もしくは複合混合物である。
【0061】 糖類は好ましくはグルコースである。好ましく使用できる有機酸は、クエン酸
もしくは酢酸である。複合混合物の例は、麦芽エキス、酵母エキス、カゼインも
しくはカゼイン加水分解物である。
【0062】 無機化合物は、適当な窒素含有基質である。これらの例は、硝酸塩およびアン
モニウム塩である。また、有機窒素源が使用できる。これらの起源は、酵母エキ
ス、大豆粉、カゼイン、カゼイン加水分解物およびコーンスティープリカーを含
む。
【0063】 使用されてもよい無機塩類の例は、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、炭酸塩および燐
酸塩である。該塩類が含有する金属は、好ましくは、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、マンガン、カルシウム、亜鉛および鉄である。
【0064】 培養温度は、好ましくは、5〜100℃の範囲内である。15〜60℃の範囲
が特に好適であり、22〜37℃がもっとも好適である。
【0065】 培地のpHは、好ましくは2〜12である。4〜8の範囲が特に好適である。
【0066】 原則として、当業者に既知のすべてのバイオリアクターが、新規方法を実施す
るために使用することができる。好ましくは、液内培養法に適当であるすべての
装置が考えられる。これは、機械的混合機器をもっている容器でも、もっていな
い容器でも本発明にしたがって使用することができることを意味する。後者の例
は、振盪装置、およびバブルカラムリアクターもしくはループリアクターである
。前者は、好ましくは、いかなるデザインでも撹拌機を固定されたすべての既知
の装置を含む。
【0067】 新規方法は、連続的またはバッチ法で実施することができる。最大量の生産物
に達するために要する発酵時間は、使用される生物体の特定の性質に依存する。
しかしながら、原則的には、発酵時間は2〜200時間である。
【0068】 本発明は、実施例を参照しながら以下により詳細に説明される: オイゲノール資化菌株シュードモナス種HR199(DSM7063)の変異
株は、オメガ要素を挿入するか、または欠失を導入する方法によってオイゲノー
ル異化の遺伝子を特異的不活性化することによる標的方式において作成された。
用いられるオメガ要素は、抗生物質カナマイシン(ΩKm)およびゲンタマイシ
ン(ΩGm)に対する耐性をコードしているDNAセグメントであった。これら
の耐性遺伝子は、標準法を用いてTn5およびプラスミドpBBR1MCS−5
から単離された。コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリルアル
デヒドデヒドロゲナーゼ、フェルロイルーCoAシンテターゼ、エノイル−Co
Aヒドラターゼ−アルドラーゼ、β−ケトチオラーゼ、バニリンデヒドロゲナー
ゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、バニリンデヒドロゲナーゼIIおよびバニリ
ン酸デメチラーゼをコードしている遺伝子calAcalBfcsechaatvdhadhvdhBvanAおよびvanBは、標準法を用
いて菌株シュードモナス種HR199のゲノムDNAから単離され、そしてpB
luescriptSK-中にクローン化された。適当な制限エンドヌクレアー
ゼによる消化によって、DNAセグメントは、これらの遺伝子から除去される(
欠失)か、またはΩ要素により置換され(挿入)て、不活性化されているそれぞ
れの遺伝子をもたらした。この方式で変異された遺伝子は、接合的伝達性ベクタ
ー中に再クローン化され、続いて、菌株シュードモナス種HR199中に導入さ
れた。適当な選択が、それぞれの機能的野生型遺伝子を新しく導入された不活性
遺伝子により置換したトランスコンジュガント(transconjugant
)を得るために使用された。この方法において得られた挿入および欠失変異株は
、ここに、それぞれの不活性遺伝子のみを保持した。この操作は、1つの欠損遺
伝子のみを保持する変異株および数個の遺伝子がこの方式で不活性化された多重
変異株の両方を得るために使用された。これらの変異株は: a)オイゲノールを、コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェ
ルラ酸、バニリンおよび/またはバニリン酸へ; b)コニフェリルアルコールを、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バニリ
ンおよび/またはバニリン酸へ; c)コニフェリルアルデヒドを、フェルラ酸、バニリンおよび/またはバニリン
酸へ; d)フェルラ酸を、バニリンおよび/またはバニリン酸へ;そして e)バニリンをバニリン酸へ、 生物変換するために使用された。
【0069】 材料および方法 細菌の増殖するための条件 エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)の菌株が、Lur
ia−Bertani(LB)もしくはM9無機培地(J.Sambrook,
E.F.Fritsch and T.Maniatis.1989.Mole
cular cloning:a laboratory mannual.2
nd Edition.,Cold Spring Habor Labora
tory Press,Cold Spring Habor、New Yor
k)において37℃で増殖された。シュードモナス種の菌株は、Nutrien
t Broth(NB,0.8%,wt/vol)または無機培地(MM)(H
.G.Schlegel,et al.1961.Arch.Mikrobio
l.38:209−222)またはHR無機培地(HR−MM)(J.Rabe
nhorst,1996.Appl.Microbiol.Biotechno
l.46:470−474)において30℃で増殖された。フェルラ酸、バニリ
ン、バニリン酸およびプロトカテク酸は、ジメチルスルホキシド中に溶解され、
そしてそれぞれの培地に添加されて最終濃度0.1%(wt/vol)にされた
。オイゲノールは、直接、培地に添加されて最終濃度0.1%(vol/vol
)にされるか、またはMM寒天プレートの蓋における濾紙(円形フィルター59
5,Schleicher & Schuell,Dassel,German
y)に適用された。シュードモナス種のトランスコンジュガントおよび変異株が
増殖しつつある時、テトラサイクリン、カナマイシンおよびゲンタマイシンが、
最終濃度25μg/ml、100μg/mlおよび7.5μg/mlにおいてそ
れぞれ使用された。
【0070】 培養上澄液中の代謝中間体の定性的および定量的検出 培養上澄液が、いずれか直接または二重蒸留H2Oによる希釈後に、高圧液体
クロマトグラフィー(Knauer HPLC)によって分析された。クロマト
グラフィーは、Nucleosil 100 C18(7μm,250x4mm
)において実施された。0.1%(vol/vol)ギ酸およびアセトニトリル
が溶媒として使用された。物質を溶出するために使用された濃度勾配経過は、次
のとおりであった: 00:00−06:30 → 26%アセトニトリル 06:30−08:00 → 100%アセトニトリル 08:00−12:00 → 100%アセトニトリル 12:00−13:00 → 26%アセトニトリル 13:00−18:00 → 26%アセトニトリル バニリンデヒドロゲナーゼIIの精製 精製は4℃において実施された。
【0071】 粗抽出液 オイゲノールにおいて増殖されたシュードモナス種HR199細胞は、10m
Mリン酸ナトリウムバッファー,pH6.0において洗浄され、次いで、同じバ
ッファーに再懸濁され、そして圧力1000psiにおいてFrenchプレス
(Amicon,Silver Spring,Maryland,USA)を
2回通過させて破壊された。細胞ホモジネートは、超遠心(1h,100,00
0xg,4℃)に懸けられ、上澄液として得られる粗抽出液の可溶性画分を得た
【0072】 DEAESephacelにおける陰イオン交換クロマトグラフィー 粗抽出液の可溶性画分は、10mMリン酸ナトリウムバッファー,pH6.0
に対して一夜透析された。透析液は、10mMリン酸ナトリウムバッファー,p
H6.0で平衡化され、そして流速0.8ml/minをもつDEAE−Sep
hacelカラム(2.6cmx35cm,ベッドボリューム[BV]:186
ml)上に負荷された。カラムは、10mMリン酸ナトリウムバッファー,pH
6.0の2BVで洗浄された。バニリンデヒドロゲナーゼII(VDH II)
は、10mMリン酸ナトリウムバッファー,pH6.0(750ml)中0〜4
00mMNaClの直線塩濃度勾配により溶出された。10mlフラクションが
回収された。高いVDH II活性をもつフラクションが合体されてDEAEプ
ールが作成された。
【0073】 バニリンデヒドロゲナーゼ活性の決定 VDH活性は、光学的酵素試験を用いて30℃において決定された。容量1m
lである反応混合液は、リン酸カリウム0.1mmol(pH7.1)、バニリ
ン0.125μmol、NAD 0.5μmol、ピルビン酸塩(Na塩)1.
2μmol、乳酸デヒドロゲナーゼ(1U;ブタ心臓由来)および酵素溶液を含
有した。バニリンの酸化は、λ=340nm(εvanillin=11.6cm2/μ
mol)においてモニターされた。酵素活性は、1分当たりバニリン1μmol
を転化する酵素量に対応する1Uを用いて、単位(U)で与えられた。サンプル
中のタンパク質濃度は、Lowryらの方法(O.H.Lowry、N.J.R
osebrough,A.L.Farr and R.J.Randall.1
951.J.Biol.Chem.193:265−275)を用いて決定され
た。
【0074】 コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ活性の決定 CADH活性は、Jaegerら(E.L.Jaeger,Eggeling
and H.Sahm.1981.Current Microbiolog
y.:333−336)にしたがって光学的酵素試験を用いて30℃において
決定された。容量1mlである反応混合液は、トリス/HCl(pH9.0)0
.2mmol、コニフェリルアルコール0.4μmol、NAD 2μmol、
セミカルバジド0.1mmolおよび酵素溶液を含有した。NADの還元は、λ
=340nm(ε=6.3cm2/μmol)においてモニターされた。酵素活
性は、1分当たり基質1μmolを転化する酵素量に対応する1Uを用いて、単
位(U)で与えられた。サンプル中のタンパク質濃度は、Lowryらの方法(
O.H.Lowry、N.J.Rosebrough,A.L.Farr an
d R.J.Randall.1951.J.Biol.Chem.193:2
65−275)を用いて決定された。
【0075】 コニフェリルアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の決定 CALDH活性は、光学的酵素試験を用いて30℃において決定された。容量
1mlである反応混合液は、トリス/HCl(pH8.8)0.1mmol、コ
ニフェリルアルデヒド0.08μmol、NAD 2.7μmolおよび酵素溶
液を含有した。コニフェリルアルデヒドのフェルラ酸への酸化は、λ=400n
m(ε=34cm2/μmol)においてモニターされた。酵素活性は、1分当
たり基質1μmolを転化する酵素量に対応する1Uを用いて、単位(U)で与
えられた。サンプル中のタンパク質濃度は、Lowryらの方法(O.H.Lo
wry、N.J.Rosebrough,A.L.Farr and R.J.
Randall.1951.J.Biol.Chem.193:265−275
)を用いて決定された。
【0076】 フェルロイル−CoAシンテターゼ(フェルラ酸チオキナーゼ)活性の決定 FCS活性は、Zenkら(Zenk et al.1980.Anal.B
iochem.101:182−187)の方法の変法である光学的酵素試験を
用いて30℃において決定された。容量1mlである反応混合液は、リン酸カリ
ウム(pH7.0)0.09mmol、MgCl22.1μmol、フェルラ酸
0.7μmol、ATP 2μmol、補酵素A0.4μmolおよび酵素溶液
を含有した。フェルラ酸からCoAの形成は、λ=345nm(ε=10cm2
/μmol)においてモニターされた。酵素活性は、1分当たり基質1μmol
を転化する酵素量に対応する1Uを用いて、単位(U)で与えられた。サンプル
中のタンパク質濃度は、Lowryらの方法(O.H.Lowry、N.J.R
osebrough,A.L.Farr and R.J.Randall.1
951.J.Biol.Chem.193:265−275)を用いて決定され
た。
【0077】 電気泳動法 タンパク質含有抽出液は、Stegemannら(Stegemann et
al.1973.Z.Naturforsch.28c:722−732)の
方法を用いて、7.4%(wt/vol)ポリアクリルアミドゲルにおいてネイ
ティブ条件下で、そしてLaemmli(Laemmli,U.K.1970.
Nature(London)227:680−685)の方法を用いて11.
5%(wt/vol)ポリアクリルアミドゲルにおいて変性条件下で分画された
。Serva Blue Rが、非特異的タンパク質染色のために使用された。
コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリルアルデヒドデヒドロゲ
ナーゼおよびバニリンデヒドロゲナーゼを特異的に染色するために、ゲルは、1
00mM KPバッファー(pH7.0)において20分間再緩衝化され、続い
て、0.08%(wt/vol)NAD、0.04%(wt/vol)p−ニト
ロブルーテトラゾリウムクロリド、0.003%(wt/vol)フェナジンメ
トサルフェート、そして1mMのそれぞれの基質が、対応する発色バンドが可視
化されるまで添加された同じバッファー中で30℃でインキュベートされた。
【0078】 ポリアクリルアミドゲルからPVDFメンブランへのタンパク質の転移 タンパク質は、Semidry Fastblot装置(B32/33,Bi
ometra,Goettingen,Gemany)を用いて、製造者の指示
にしたがってSDS−ポリアクリルアミドゲルからPVDFメンブラン(Wat
ers−Millipore,Bedford,Mass.,USA)へ転移さ
れた。
【0079】 N末端アミノ酸配列の決定 N末端アミノ酸配列は、製造者の指示にしたがい、Protein Pept
ide Sequencer(Type477A,Applied Biosy
stems,Foster City,USA)およびPTHアナライザーを用
いて決定された。
【0080】 DNAの単離および操作 ゲノムDNAは、Marmurの方法を用いて単離された(J.Marmur
,1961.J.Mol.Biol.:208−218)。他のプラスミドD
NAおよび/またはDNA制限フラグメントは、標準法を用いて単離され、そし
て分析された(J.E.Sambrook,F.Fritsch and T.
Maniatis.1989.Molecular cloning:a la
boratory mannual.2nd Edition.,Cold S
pring Habor Laboratory Press,Cold Sp
ring Habor、New York)。
【0081】 DNAの伝達 コンピテントなエシェリヒア・コリ細胞が調製され、そしてHanahanの
方法を用いて形質転換された(D.Hanahan、1983.J.Mol.B
iol.166:557−580)。プラスミドを保持するエシェリヒア・コリ
S17−1菌株(ドナー)とシュードモナス種菌株(レシピエント)間の接合的
プラスミド伝達は、Friedrichら(B.Friedrich et a
l.1981.J.Bacteriol.147:198−205)の方法にし
たがってNB寒天プレート上か、または「ミニコンプリメンテーション(min
icomplementation)法」によって、C源として0.5%(wt
/vol)グルコン酸塩およびテトラサイクリン25μgもしくはカナマイシン
100μgを含有するMM寒天プレートにおいて遂行された。この場合、レシピ
エントの細胞は、接種ストリークとして1方向に適用された。次いで、5分後、
ドナー菌株の細胞が、接種ストリークとして、レシピエント接種ストリークと交
差するストリークによって適用された。30℃で48時間培養した後、トランス
コンジュガントは、交差部位のすぐ下流に増殖するが、一方ドナー菌株またはレ
シピエント菌株は、いずれも増殖することができない。
【0082】 ハイブリダイゼーション実験 DNA制限フラグメントは、50mMトリス−50mMホウ酸−1.25mM
EDTAバッファー(pH8.5)中0.8%(wt/vol)アガロースゲル
において電気泳動的に分画された(J.E.Sambrook,F.Frits
ch and T.Maniatis.1989.Molecular clo
ning:a laboratory mannual.2nd Editio
n.,Cold Spring Habor Laboratory Pres
s,Cold Spring Habor、New York)。正電荷をもつ
ナイロンメンブラン(孔径:0.45μm,Pall Filtrations
technik,Dreieich,Germany)上へのゲルからの変性D
NAの転移、続く、ビオチン化もしくはジゴキシゲニン標識DNAプローブとの
ハイブリダイゼーション、およびこれらのDNAプローブの調製は、すべて、標
準法を用いて遂行された(J.E.Sambrook,F.Fritsch a
nd T.Maniatis.1989.Molecular cloning
:a laboratory mannual.2nd Edition.,C
old Spring Habor Laboratory Press,Co
ld Spring Habor、New York)。
【0083】 DNA配列決定 ヌクレオチド配列は、各場合、製造者の指示にしたがって、「LI−COR」
DNA Sequencer Model 4000L」(LI−COR In
c.,Biotechnology Division,Lincoln,NE
,USA)を用い、そして「7−デアザ−dGTPを用いるサーモシークェナー
ゼ蛍光標識プライマーサイクルシークェンシングキット」(Amersham
Life Science,Amersham International
plc.,Little Chalfont,Buckinghamshire
,England)用いてSangerら(Sanger et al.197
7.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463−546
7)のジデオキシ鎖終結法にしたがって「非放射能的に」決定された。
【0084】 合成オリゴヌクレオチドは、Straussら(E.C.Strauss e
t al.1986.Anal.Biochem.154:353−360)の
「プライマー−ホッピング戦略」にしたがって配列決定を実施するために使用さ
れた。
【0085】 化学薬品、生化学薬品および酵素 制限酵素、T4DNAリガーゼ、λDNAおよび光学的酵素試験のための酵素
および基質は、C.F.Boehringer & Soehne(Mannh
eim,Germany)またはGIBCO/BRL(Eggenstein,
Germany)から得られた。[γ−32P]ATPは、Amersham/B
uchler(Braunschweig,Germany)から得られた。オ
リゴヌクレオチドは、MWG−Biotech GmbH(Eberberg,
Germany)から得られた。タイプNAアガロースは、Pharmacia
−LKB(Uppsala,Sweden)から得られた。すべての他の化学薬
品は、Haarmann & Reimer(Holzminden,Germ
any)、E.Merck AG(Darmstadt,Germany)、F
luka Chemie(Buchs,Swizerland)、Serva
Feinbiochemica(Heidelberg,Germany)もし
くはSigma Chemie(Deisenhofen,Germany)か
ら得られた。
【0086】 実施例 例1 カナマイシン(ΩKm)もしくはゲンタマイシン(ΩGm)に対する耐性を媒 介するオメガ要素の構築 ΩKm要素を構築するために、トランスポゾンTn5(E.A.Auerwa
ld,G.Ludwig and H.Schsller.1981.Cold
Spring Harb.Symp.Quant.Biol.45:107−
113;E.Beck,G.Ludwig,E.A.Auerswald,B.
Reiss and H.Schaller.1982.Genes 19:3
27−336;P.Mazodier,P.Cossart,E.Giraud
and F.Gasser.1985.Nucleic Acids Res
13:195−205)の2099bpBglIフラグメントが、調製規模に
おいて単離された。フラグメントは、Bal31ヌクレアーゼでそれを処理する
ことによって約990bpに短縮された。ここに、カナマイシン耐性遺伝子(ア
ミノグリコシド−3’−O−ホスホトランスフェラーゼをコードしている)のみ
を含有したこのフラグメントが、次に、SmaI切断pSKsymDNA(対称
的に構築された多重クローニング部位[SalI,HindIII,EcoRI
,SmaI,EcoRI,HindIII,SalI]を含有するpBlues
cript SK-誘導体)に連結された。SmaIフラグメント、EcoRI
フラグメント、HindIIIフラグメントもしくはSalIフラグメントとし
て得られるプラスミドからのΩKm要素を再単離することが可能であった。
【0087】 ΩGm要素を構築するために、プラスミドpBR1MCS−5(M.E.Ko
vach,P.H.Elzer,D.S.Hill,G.T.Robertso
n,M.A.Farris,R.M.Roop and K.M.Peters
on.1995.Genes 166:175−176)の983bpEaeI
フラグメントが、調製規模において単離され、次いで、マングビーン(mung
bean)ヌクレアーゼにより処理(一本鎖DNA分子末端の漸次消化)され
た。ここに、ゲンタマイシン耐性遺伝子(ゲンタマイシン−3−アセチルトラン
スフェラーゼをコードしている)のみを含有したこのフラグメントが、次に、S
maI切断pSKsymDNA(上記参照)に連結された。SmaIフラグメン
ト、EcoRIフラグメント、HindIIIフラグメントもしくはSalIフ
ラグメントとして得られるプラスミドからのΩGm要素を再単離することが可能
であった。
【0088】 例2 Ω要素を挿入するか、または欠失の手段によって不活性化されるべきシュード モナス種HR199(DSM7063)からの遺伝子のクローニング fcsechvdhおよびaat遺伝子は、E.コリS17−1菌株DS
M10439およびDSM10440から出発し、そしてプラスミドpE207
およびpE5−1を用いて、別々にクローン化された(欧州特許出願公開第08
45532号、参照)。定められたフラグメントが、これらのプラスミドから調
製規模で単離され、そして下記のように処理された: fcs遺伝子のクローニングでは、プラスミドpE207からの2350bp
SalI/EcoRIフラグメントおよびプラスミドpE5−1からの3700
bpEcoRI/SalIフラグメントが、2つのフラグメントが、EcoRI
末端で一緒に結合されるように、pBluescriptSK-中に同時にクロ
ーン化された。6050bpSalIフラグメントが、得られるハイブリッドプ
ラスミドから調製規模で単離され、そしてBal31ヌクレアーゼで処理されて
約2480bpに短縮された。PstIリンカーが、続いて、そのフラグメント
の末端に連結され、そしてPstIによる消化後に、フラグメントが、pBlu
escriptSK-中にクローン化された(pSKfcs)。E.コリXL1
blueの形質転換後、fcs遺伝子を発現し、そしてFCS活性0.2U/タ
ンパク質mgを表すクローンが得られた。
【0089】 ech遺伝子のクローニングでは、プラスミドpE207からの3800bp
HindIII/EcoRIフラグメントが、調製規模で単離され、そしてBa
l31ヌクレアーゼでそれを処理することによって約1470bpに短縮された
。次いで、EcoRIリンカーが、そのフラグメントの末端に連結され、そして
EcoRIによる消化後に、フラグメントが、pBluescriptSK-
にクローン化された(pSKech)。
【0090】 vdh遺伝子のクローニングでは、プラスミドpE207からの2350bp
SalI/EcoRIフラグメントが、調製規模で単離された。pBluesc
riptSK-中にクローン化後、フラグメントは、エキソヌクレアーゼIII
/マングビーンヌクレアーゼ系を用いて、約1530bpまで一端において端を
切り取られた。次いで、EcoRIリンカーが、そのフラグメントの末端に連結
され、そしてEcoRIによる消化後に、フラグメントが、pBluescri
ptSK-中にクローン化された(pSKvdh)。E.コリXL1blueの
形質転換後、VDH遺伝子を発現し、そしてVDH活性0.01U/タンパク質
mgを表すクローンが得られた。
【0091】 aat遺伝子のクローニングでは、プラスミドpE5−1からの3700bp
EcoRI/SalIフラグメントが、調製規模で単離され、そしてBal31
ヌクレアーゼでそれを処理することによって約1590bpに短縮された。次い
で、EcoRIリンカーが、そのフラグメントの末端に連結され、そしてEco
RIによる消化後に、フラグメントが、pBluescriptSK-中にクロ
ーン化された(pSKaat)。
【0092】 例3 Ω要素を挿入するか、またはこれらの遺伝子の構成領域を欠失することによる 上記遺伝子の不活性化 fcs遺伝子を含有するプラスミドpSKfcsが、BssHIIにより消化
されて、fcs遺伝子から切り取られる1290bpフラグメントが得られた。
再連結後、fcs遺伝子の欠失誘導体(fcsΔ)(図1iおよび2i、参照)
は、pBluescriptSK-中のクローン化形態において得られた(pS
fcsΔ)。さらに、フラグメントが切り取られた後、オメガ要素ΩKmおよ
びΩGmがその代わりに連結された。これは、pBluescriptSK-
のクローン化形態において得られるfcs遺伝子のΩで不活性化された誘導体( fcs ΩKm,図1gおよび2g、参照)および(fcsΩGm,図1hおよび
2h、参照)をもたらした(pSKfcsΩKmおよびpSKfcsΩGm)。
ハイブリッドプラスミドが、欠失またはΩ要素挿入によって不活性化されたfc 遺伝子を保持している、得られるE.コリ・クローンの粗抽出液中には、いか
なるFCS活性も検出することができなかった。
【0093】 ech遺伝子を含有するプラスミドpSKechが、NruIにより消化され
て、ech遺伝子から切り取られる53bpフラグメントと430bpフラグメ
ントが得られた。再連結後、ech遺伝子の欠失誘導体(echΔ,図1lおよ
び2l、参照)は、pBluescriptSK-中のクローン化形態において
得られた(pSKechΔ)。さらに、フラグメントが切り取られた後、オメガ
要素ΩKmおよびΩGmがそれらの代わりに連結された。これは、pBlues
criptSK-中のクローン化形態において得られるech遺伝子のΩで不活
性化された誘導体(echΩKmおよびechΩGm)をもたらした(pSK ch ΩKmおよびpSKechΩGm)。
【0094】 vdh遺伝子を含有するプラスミドpSKvdhが、BssHIIにより消化
されて、vdh遺伝子から切り取られる210bpフラグメントが得られた。再
連結後、vdh遺伝子の欠失誘導体(vdhΔ,図1oおよび2o、参照)は、
pBluescriptSK-中のクローン化形態において得られた(pSK
dhΔ)。さらに、フラグメントが切り取られた後、オメガ要素ΩKmおよびΩ
Gmがその代わりに連結された。これは、pBluescriptSK-中のク
ローン化形態において得られるvdh遺伝子のΩで不活性化された誘導体(vd ΩKmおよびvdhΩGm)をもたらし(pSKvdhΩKm,図1mおよび
2m参照)および(pSKvdhΩGm,図1nおよび2n参照)。ハイブリッ
ドプラスミドが、欠失またはΩ要素挿入によって不活性化されたvdh遺伝子を
保持している、得られるE.コリ・クローンの粗抽出液中には、いかなるVDH
活性も検出することができなかった。
【0095】 aat遺伝子を含有するプラスミドpSKaatが、BssHIIにより消化
されて、aat遺伝子から切り取られる59bpフラグメントが得られた。再連
結後、aat遺伝子の欠失誘導体(aatΔ,図1rおよび2r、参照)は、p
BluescriptSK-中のクローン化形態において得られた(pSKaa
Δ)。さらに、フラグメントが切り取られた後、オメガ要素ΩKmおよびΩG
mがその代わりに連結された。これは、pBluescriptSK-中のクロ
ーン化形態において得られるaat遺伝子のΩで不活性された化誘導体(aat ΩKm,図1pおよび2p参照)および(aatΩGm,図1qおよび2q参照
)をもたらした(pSKaatΩKmおよびpSKaatΩGm)。
【0096】 例4 接合的伝達性「自殺プラスミド」pSUP202中へのΩ要素で不活性化され た遺伝子のサブクローニング シュードモナス種HR199におけるインタクト遺伝子をΩ要素で不活性化さ
れた遺伝子を用いて置換できるためには、一方で、シュードモナス類に伝達する
ことができる(接合的伝達性プラスミド)が、他方では、これらの細菌において
複製することができず、結果的にシュードモナス類において不安定である(「自
殺プラスミド」)ベクターを必要とする。そのようなプラスミド系を用いてシュ
ードモナス類に伝達されるDNAセグメントは、それらが相同組み換え(Rec
A依存性組み換え)によって細菌細胞のゲノム中に組み込まれる場合のみ、保持
することができる。この場合には、「自殺プラスミド」pSUP202(Sim
on et al.1983.In:A.Puehler,Molecular
genetics of the Bacteria−plant inte
raction.Springer Verlag,Berlin,Heide
lberg,New York,pp.98−106)が使用された。
【0097】 PstIによる消化後、不活性遺伝子fcsΩKmおよびfcsΩGmが、プ
ラスミドpSKfcsΩKmおよびpSKfcsΩGmから単離され、そしてP
stI切断されたpSUP202DNAに連結された。連結混合物は、E.コリ
S17−1中に形質転換された。選択は、それぞれカナマイシンもしくはゲンタ
マイシンをまた含有するテトラサイクリン含有LB培地において実施された。ハ
イブリッドプラスミド(pSUPfcsΩKm)が不活性遺伝子fcsΩKmを
含有しているカナマイシン耐性形質転換株が得られた。対応するゲンタマイシン
耐性形質転換株のハイブリッドプラスミド(pSUPfcsΩGm)は、不活性
遺伝子fcsΩGmを含有した。
【0098】 EcoRIによる消化後、不活性遺伝子echΩKmおよびechΩGmが、
プラスミドpSKechΩKmおよびpSKechΩGmから単離され、そして
EcoRI切断されたpSUP202DNAに連結された。連結混合物は、E.
コリS17−1中に形質転換された。選択は、それぞれカナマイシンもしくはゲ
ンタマイシンをまた含有するテトラサイクリン含有LB培地において実施された
。ハイブリッドプラスミド(pSUPechΩKm)が不活性遺伝子echΩK
mを含有しているカナマイシン耐性形質転換株が得られた。対応するゲンタマイ
シン耐性形質転換株のハイブリッドプラスミド(pSUPechΩGm)は、不
活性遺伝子echΩGmを含有した。
【0099】 EcoRIによる消化後、不活性遺伝子vdhΩKmおよびvdhΩGmが、
プラスミドpSKvdhΩKmおよびpSKvdhΩGmから単離され、そして
EcoRI切断されたpSUP202DNAに連結された。連結混合物は、E.
コリS17−1中に形質転換された。選択は、それぞれカナマイシンもしくはゲ
ンタマイシンをまた含有するテトラサイクリン含有LB培地において実施された
。ハイブリッドプラスミド(pSUPvdhΩKm)が不活性遺伝子vdhΩK
mを含有しているカナマイシン耐性形質転換株が得られた。対応するゲンタマイ
シン耐性形質転換株のハイブリッドプラスミド(pSUPvdhΩGm)は、不
活性遺伝子vdhΩGmを含有した。
【0100】 EcoRIによる消化後、不活性遺伝子aatΩKmおよびaatΩGmが、
プラスミドpSKaatΩKmおよびpSKaatΩGmから単離され、そして
EcoRI切断されたpSUP202DNAに連結された。連結混合物は、E.
コリS17−1中に形質転換された。選択は、それぞれカナマイシンもしくはゲ
ンタマイシンをまた含有するテトラサイクリン含有LB培地において実施された
。ハイブリッドプラスミド(pSUPaatΩKm)が不活性遺伝子aatΩK
mを含有しているカナマイシン耐性形質転換株が得られた。対応するゲンタマイ
シン耐性形質転換株のハイブリッドプラスミド(pSUPaatΩGm)は、不
活性遺伝子aatΩGmを含有した。
【0101】 例5 「sacB選択系」を保持する接合的伝達性「自殺プラスミド」PHE55中 への欠失で不活性化された遺伝子のサブクローニング シュードモナス種HR199におけるインタクト遺伝子を欠失により不活性化
された遺伝子を用いて置換できるためには、pSUP202の場合において既に
記述された性質を保持するベクターを必要とする。欠失で不活性化された遺伝子
の場合には、Ω要素で不活性化された遺伝子に対して、シュードモナス種HR1
99における遺伝子の成功裏の置換を選択する方法が存在しない(抗生物質耐性
がない)ので、その他の選択系が使用されねばならなかった。「sacB選択系
」では、置換する欠失で不活性化された遺伝子が、抗生物質耐性遺伝子に加えて
sacB遺伝子を保持するプラスミド中にクローン化される。シュードモナス類
へのこのハイブリッドプラスミドの接合的伝達に続いて、プラスミドが、インタ
クト遺伝子が位置するゲノム中の部位における相同組み換え(第1の交差)によ
って組み込まれる。これは、インタクト遺伝子および欠失で不活性化された遺伝
子がpHE55DNAによって互いに分離されているこれら両方の遺伝子を保持
する「異型遺伝子接合(heterogenotic)」菌株をもたらす。これ
らの菌株は、そのベクターによってコードされている耐性を表し、そしてまた活
性sacB遺伝子を保持する。次の努力は、インタクト遺伝子と一緒のpHE5
5DNAが、次いで、第2の相同組み換えイベント(第2の交差)によってゲノ
ムDNAから分離されることである。この組み換えイベントは、ここに、不活性
遺伝子のみを保持する菌株をもたらす。さらに、pHE55にコードされた抗生
物質耐性およびsacB遺伝子は両方失われる。この菌株がスクロース含有培地
にストリークされる場合、その遺伝子産物が、スクロースを細胞のペリプラズム
に蓄積されるポリマーへ転化するので、sacB遺伝子を発現する菌株の増殖は
阻害される。第2の組み換えイベントが起きた結果、もはやsacB遺伝子を担
持しない細胞の増殖は、結果的に阻害される。欠失で不活性化された遺伝子の組
み込みを表現型で選択できるようにするためには、この遺伝子はインタクト遺伝
子と交換されない;代わりに、使用されるのは、置換されるべき遺伝子が既にΩ
要素の挿入によって「標識され」ている菌株である。成功裏の置換が起きる場合
、得られる菌株は、Ω要素によってコードされている抗生物質耐性を失う。
【0102】 PstIによる消化後、不活性遺伝子fcsΔが、プラスミドpSKfcsΔ
から単離され、そしてPstI切断されたpHE55DNAに連結された。連結
混合物は、E.コリS17−1中に形質転換された。選択は、テトラサイクリン
含有LB培地において実施された。ハイブリッドプラスミド(pHEfcsΔ)
が不活性遺伝子fcsΔを含有しているテトラサイクリン耐性形質転換株が得ら
れた。
【0103】 EcoRIによる消化後、不活性遺伝子echΔが、プラスミドpSKech Δから単離され、そしてマングビーンヌクレアーゼにより処理された(平滑末端
の生成)。そのフラグメントが、BamHI切断され、マングビーンヌクレアー
ゼ処理されたpHE55DNAに連結された。連結混合物は、E.コリS17−
1中に形質転換された。選択は、テトラサイクリン含有LB培地において実施さ
れた。ハイブリッドプラスミド(pHEechΔ)が不活性遺伝子echΔを含
有しているテトラサイクリン耐性形質転換株が得られた。
【0104】 EcoRIによる消化後、不活性遺伝子vdhΔが、プラスミドpSKvdh Δから単離され、そしてマングビーンヌクレアーゼにより処理された。そのフラ
グメントが、BamHI切断され、マングビーンヌクレアーゼ処理されたpHE
55DNAに連結された。連結混合物は、E.コリS17−1中に形質転換され
た。選択は、テトラサイクリン含有LB培地において実施された。ハイブリッド
プラスミド(pHEvdhΔ)が不活性遺伝子vdhΔを含有しているテトラサ
イクリン耐性形質転換株が得られた。
【0105】 EcoRIによる消化後、不活性遺伝子aatΔが、プラスミドpSKaat Δから単離され、そしてマングビーンヌクレアーゼにより処理された。そのフラ
グメントが、BamHI切断され、マングビーンヌクレアーゼ処理されたpHE
55DNAに連結された。連結混合物は、E.コリS17−1中に形質転換され
た。選択は、テトラサイクリン含有LB培地において実施された。ハイブリッド
プラスミド(pHEaatΔ)が不活性遺伝子aatΔを含有しているテトラサ
イクリン耐性形質転換株が得られた。
【0106】 例6 オイゲノール異化の遺伝子が、Ω要素の挿入によって特異的に不活性化された 菌株シュードモナス種HR199変異株の作成 菌株シュードモナス種HR199は、以下に挙げられるpSUP202のハイ
ブリッドプラスミドを宿しているE.コリS17−1菌株が、ドナーとして使用
される接合実験において、レシピエントとして使用された。トランスコンジュガ
ントは、Ω要素に対応する抗生物質を含有するグルコース含有無機培地において
選択された。pSUP202にコードされたテトラサイクリン耐性に基づいて、
「同型遺伝子接合」(二重交差による、Ω要素挿入で不活性化された遺伝子によ
るインタクト遺伝子の置換)および「異型遺伝子接合」(一回交差による、ハイ
ブリッドプラスミドのゲノム中への挿入)トランスコンジュガント間を区別する
ことが可能であった。
【0107】 変異株シュードモナス種HR199fcsΩKmおよびシュードモナス種HR
199fcsΩGmが、シュードモナス種HR199と、それぞれE.コリS1
7−1(pSUPfcsΩKm)およびE.コリS17−1(pSUPfcsΩ
Gm)とを接合させた後に得られた。ΩKmで不活性化されたか、またはΩGm
で不活性化された遺伝子(それぞれfcsΩKmおよびfcsΩGm)によるイ
ンタクトfcs遺伝子の置換は、DNA配列決定によって立証された。
【0108】 変異株シュードモナス種HR199echΩKmおよびシュードモナス種HR
199echΩGmが、シュードモナス種HR199と、それぞれE.コリS1
7−1(pSUPechΩKm)およびE.コリS17−1(pSUPechΩ
Gm)とを接合させた後に得られた。ΩKmで不活性化されたか、またはΩGm
で不活性化された遺伝子(それぞれechΩKmおよびechΩGm)によるイ
ンタクトech遺伝子の置換は、DNA配列決定によって立証された。
【0109】 変異株シュードモナス種HR199vdhΩKmおよびシュードモナス種HR
199vdhΩGmが、シュードモナス種HR199と、それぞれE.コリS1
7−1(pSUPvdhΩKm)およびE.コリS17−1(pSUPvdhΩ
Gm)とを接合させた後に得られた。ΩKmで不活性化されたか、またはΩGm
で不活性化された遺伝子(それぞれvdhΩKmおよびvdhΩGm)によるイ
ンタクトvdh遺伝子の置換は、DNA配列決定によって立証された。
【0110】 変異株シュードモナス種HR199aatΩKmおよびシュードモナス種HR
199aatΩGmが、シュードモナス種HR199と、それぞれE.コリS1
7−1(pSUPaatΩKm)およびE.コリS17−1(pSUPaatΩ
Gm)とを接合させた後に得られた。ΩKmで不活性化されたか、またはΩGm
で不活性化された遺伝子(それぞれaatΩKmおよびaatΩGm)によるイ
ンタクトaat遺伝子の置換は、DNA配列決定によって立証された。
【0111】 変異株シュードモナス種HR199fcsΩKmvdhΩGmは、シュードモ
ナス種HR199fcsΩKmと、E.コリS17−1(pSUPvdhΩGm
)とを接合させた後に得られた。ΩGmで不活性化された遺伝子(vdhΩGm
)によるインタクトvdh遺伝子の置換は、DNA配列決定によって立証された
【0112】 変異株シュードモナス種HR199vdhΩKmaatΩGmは、シュードモ
ナス種HR199vdhΩKmと、E.コリS17−1(pSUPaatΩGm
)とを接合させた後に得られた。ΩGmで不活性化された遺伝子(aatΩGm
)によるインタクトaat遺伝子の置換は、DNA配列決定によって立証された
。 変異株シュードモナス種HR199vdhΩKmechΩGmは、シュード
モナス種HR199vdhΩKmと、E.コリS17−1(pSUPechΩG
m)とを接合させた後に得られた。ΩGmで不活性化された遺伝子(echΩG
m)によるインタクトech遺伝子の置換は、DNA配列決定によって立証され
た。
【0113】 例7 オイゲノール異化の遺伝子が、構成領域を欠失することによって特異的に不活 性化された菌株シュードモナス種HR199変異株の作成 菌株シュードモナス種HR199fcsΩKm、シュードモナス種HR199 ech ΩKm、シュードモナス種HR199vdhΩKmおよびシュードモナス
種HR199aatΩKmは、以下に挙げられるpHE55のハイブリッドプラ
スミドを宿しているE.コリS17−1菌株が、ドナーとして使用される接合実
験において、レシピエントとして使用された。「異型遺伝子接合」トランスコン
ジュガントは、テトラサイクリン(pHE55にコードされた耐性)に加えてま
たΩ要素に対応する抗生物質を含有するグルコース含有無機培地において選択さ
れた。スクロース含有培地にストリークされた後、第2の組み換えイベント(第
2の交差)によってベクターDNAを消失したトランスコンジュガントが得られ
た。抗生物質を含有しないか、またはΩ要素に対応する抗生物質を含有する無機
培地におけるストリークによって、Ω要素挿入で不活性化された遺伝子が、欠失
で不活性化された遺伝子(抗生物質耐性なし)によって置換された変異株を同定
することが可能であった。
【0114】 変異株シュードモナス種HR199fcsΔは、シュードモナス種HR199 fcs ΩKmと、E.コリS17−1(pHEfcsΔ)とを接合させた後に得
られた。欠失で不活性化された遺伝子(fcsΔ)によるΩKmで不活性化され
た遺伝子(fcsΩKm)の置換は、DNA配列決定によって立証された。
【0115】 変異株シュードモナス種HR199echΔは、シュードモナス種HR199 ech ΩKmと、E.コリS17−1(pHEechΔ)とを接合させた後に得
られた。欠失で不活性化された遺伝子(echΔ)によるΩKmで不活性化され
た遺伝子(echΩKm)の置換は、DNA配列決定によって立証された。
【0116】 変異株シュードモナス種HR199vdhΔは、シュードモナス種HR199 vdh ΩKmと、E.コリS17−1(pHEvdhΔ)とを接合させた後に得
られた。欠失で不活性化された遺伝子(vdhΔ)によるΩKmで不活性化され
た遺伝子(vdhΩKm)の置換は、DNA配列決定によって立証された。
【0117】 変異株シュードモナス種HR199aatΔは、シュードモナス種HR199 aat ΩKmと、E.コリS17−1(pHEaatΔ)とを接合させた後に得
られた。欠失で不活性化された遺伝子(aatΔ)によるΩKmで不活性化され
た遺伝子(aatΩKm)の置換は、DNA配列決定によって立証された。
【0118】 例8 変異株シュードモナス種HR199vdhΩKmを用いる、オイゲノールのバ ニリンへの生物変換 菌株シュードモナス種HR199vdhΩKmが、6mMオイゲノールを含有
するHR−MM50mlにおいて光学濃度約OD600nm=0.6まで増殖さ
れた。17時間後、培養上澄液中に2.9mMバニリン、1.4mMフェルラ酸
および0.4mMバニリン酸を検出することができた。
【0119】 例9 変異株シュードモナス種HR199vdhΩGmaatΩKmを用いる、オイ ゲノールのフェルラ酸への生物変換 菌株シュードモナス種HR199vdhΩGmaatΩKmが、6mMオイゲ
ノールを含有するHR−MM50mlにおいて光学濃度約OD600nm=0.
6まで増殖された。18時間後、培養上澄液中に1.9mMバニリン、2.4m
Mフェルラ酸および0.6mMバニリン酸を検出することができた。
【0120】 例10 変異株シュードモナス種HR199vdhΩGmaatΩKmを用いる、オイ ゲノールのコニフェリルアルコールへの生物変換 菌株シュードモナス種HR199vdhΩGmaatΩKmが、6mMオイゲ
ノールを含有するHR−MM50mlにおいて光学濃度約OD600nm=0.
4まで増殖された。15時間後、培養上澄液中に1.7mMコニフェリルアルコ
ール、1.4mMバニリン、1.4mMフェルラ酸および0.2mMバニリン酸
を検出することができた。
【0121】 例11 変異株シュードモナス種HR199vdhΩKmを用いる、10 l発酵槽に おけるオイゲノールから天然バニリンの発酵生産 生産発酵槽は、pH7.0に調整され、そしてグリセロール12.5g/l、
酵母エキス10g/lおよび酢酸0.37g/lからなる培地において振盪培養
機(120rpm)上で32℃で増殖された24時間前培養液100mlを接種
された。発酵槽は、次の組成の培地9.9 lを含有した:酵母エキス1.5g
/l、KH2PO41.6g/l、NaCl0.2g/l、MgSO40.2g/
l。pHは、水酸化ナトリウム溶液によりpH7.0に調整された。殺菌後、オ
イゲノール4gがその培地に添加された。温度は32℃であり、通気は3Nl/
minであり、そして撹拌速度は600rpmであった。pHは、水酸化ナトリ
ウム溶液によりpH6.5に維持された。
【0122】 培養4時間後に、オイゲノールの連続添加が開始され、オイゲノール255g
が、発酵が65時間後に終了する時までに培養液に添加された。発酵終了時点で
、オイゲノール濃度は0.2g/lであった。バニリンの濃度は2.6g/lで
あった。また、フェルラ酸3.4g/lが存在した。
【0123】 この方法で得られたバニリンは、既知の物理的方法、例えばクロマトグラフィ
ー、蒸留および/または抽出によって単離することができ、そして天然香料製造
のために使用された。
【0124】 図面に関する説明的注釈: 図1a〜1r: 生物体および変異株を単離するための遺伝子構造体calA *:コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼについて不活性化された
遺伝子の部分calB *:コニフェリルアルデヒドデヒドロゲナーゼについて不活性化された
遺伝子の部分fcs *:フェルロイルーCoAシンテターゼについて不活性化された遺伝子の
部分ech *:エノイル−CoAヒドラターゼ−アルドラーゼについて不活性化され
た遺伝子の部分vdh *:バニリンデヒドロゲナーゼについて不活性化された遺伝子の部分aat *:β−ケトチオラーゼについて不活性化された遺伝子の部分 「*」標識された制限酵素切断部位が構築のために使用されたけれども、それ
らは、得られた構築物において、もはや機能しない。
【0125】 図2a:calAΩKm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2b:calAΩGm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2c:calAΔ遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2d:calBΩKm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2e:calBΩGm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2f:calBΔ遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2g:fcsΩKm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2h:fcsΩGm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2i:fcsΔ遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2j:echΩKm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2k:echΩGm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2l:echΔ遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2m:vdhΩKm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2n:vdhΩGm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2o:vdhΔ遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2p:aatΩKm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2q:aatΩGm遺伝子構造体のヌクレオチド配列 図2r:aatΔ遺伝子構造体のヌクレオチド配列
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 7/22 C12P 7/42 7/24 C12R 1:38 7/42 C12N 15/00 A //(C12P 7/22 5/00 A C12R 1:38) (C12P 7/24 C12R 1:38) (C12P 7/42 C12R 1:38) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 プリーフエルト,ホルスト ドイツ・デー−48291テルクテ・ポツトホ フスカンプ5 (72)発明者 オーフエルハーゲ,イエルク ドイツ・デー−59132ベルクカメン・ロテ ルバツハシユトラーセ42 Fターム(参考) 4B024 AA05 BA77 CA06 DA09 HA20 4B064 AC17 AC26 AD21 AD29 CA19 CD06 DA10 4B065 AA41X AB01 AC16 BA02 BB06 CA08 CA41

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイゲノールおよび/またはフェルラ酸の異化作用の酵素が
    、中間体コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェルラ酸、バニ
    リンおよび/またはバニリン酸が蓄積するように不活性化されることを特徴とす
    る、形質転換および/または変異誘発された単細胞もしくは多細胞生物体。
  2. 【請求項2】 オイゲノールおよび/またはフェルラ酸の異化作用が、対応
    する遺伝子中にΩ要素を挿入するか、または欠失を導入することによって改変さ
    れていることを特徴とする、請求項1記載の生物体。
  3. 【請求項3】 酵素コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリ
    ルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、フェルロイル−CoAシンテターゼ、エノイル
    −CoAヒドラターゼ−アルドラーゼ、β−ケトチオラーゼ、バニリンデヒドロ
    ゲナーゼもしくはバニリン酸デメチラーゼをコードしている1種以上の遺伝子が
    改変され、そして/または不活性化されていることを特徴とする、いずれか請求
    項1もしくは2記載の生物体。
  4. 【請求項4】 生物体が、単細胞、好ましくは微生物または植物もしくは動
    物細胞であることを特徴とする、請求項1〜3の一つに記載の生物体。
  5. 【請求項5】 生物体が、細菌、好ましくはシュードモナス種であることを
    特徴とする、請求項1〜4の一つに記載の生物体。
  6. 【請求項6】 酵素コニフェリルアルコールデヒドロゲナーゼ、コニフェリ
    ルアルデヒドデヒドロゲナーゼ、フェルロイル−CoAシンテターゼ、エノイル
    −CoAヒドラターゼ−アルドラーゼ、β−ケトチオラーゼ、バニリンデヒドロ
    ゲナーゼもしくはバニリン酸デメチラーゼ、または2種以上のこれらの酵素をコ
    ードしているヌクレオチド配列が改変され、そしてまたは不活性化されている遺
    伝子構造体。
  7. 【請求項7】 図1a〜1rに示される配列をもつ遺伝子構造体。
  8. 【請求項8】 図2a〜2rに示される配列をもつ遺伝子構造体。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8の一つに記載の少なくとも1個の遺伝子構造体
    を含有するベクター。
  10. 【請求項10】 生物体が、請求項9記載の少なくとも1個のベクターを宿
    していることを特徴とする、請求項1〜5の一つに記載の形質転換された生物体
  11. 【請求項11】 生物体が、それぞれのインタクト遺伝子の代わりに、ゲノ
    ム中に組み込まれている請求項6〜8の一つに記載の少なくとも1個の遺伝子構
    造体を含有していることを特徴とする、請求項1〜5の一つに記載の生物体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜5または10〜11の一つに記載の生物体が使
    用されることを特徴とする、有機化合物、特にアルコール、アルデヒドおよび有
    機酸の生物工学的生産方法。
  13. 【請求項13】 改変オイゲノールおよび/またはフェルラ酸の異化作用が
    、それ自体既知である微生物学的培養法の手段によって達成されることを特徴と
    する、請求項1〜5の一つに記載の生物体を作成する方法。
  14. 【請求項14】 オイゲノールおよび/またはフェルラ酸の異化作用におけ
    る改変、および/または対応する遺伝子の不活性化が、組み換えDNA法の手段
    によって達成されることを特徴とする、請求項1〜5または10〜11の一つに
    記載の生物体を作成する方法。
  15. 【請求項15】 コニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド、フェ
    ルラ酸、バニリンおよび/またはバニリン酸を生産するための、請求項1〜5ま
    たは10〜11の一つに記載の生物体の使用。
  16. 【請求項16】 形質転換および/または変異誘発された生物体を作成する
    ための、請求項6〜8の一つに記載の遺伝子構造体または請求項9記載のベクタ
    ーの使用。
JP2000579727A 1998-10-31 1999-10-20 オイゲノールおよびフェルラ酸の異化作用の特異的不活性化遺伝子による置換フェノール生産のための生産株の構築 Pending JP2003533166A (ja)

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