JP2008228628A - ニトリルヒドラターゼの製造方法 - Google Patents

ニトリルヒドラターゼの製造方法 Download PDF

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文昭 渡辺
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Abstract

【課題】ニトリルヒドラターゼを大量に生産するための方法の提供
【解決手段】ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子の塩基配列を、形質導入する宿主において使用頻度の高いコドンに変異させた、変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子、及び前記遺伝子を含む形質転換体を培養して得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取するニトリルヒドラターゼの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニトリルヒドラターゼの製造方法及びそれを使用したアミド化合物の製造方法に関する。
近年、ニトリル基を水和しアミド基に変換するニトリル水和活性を有する酵素であるニトリルヒドラターゼが発見され、該酵素または該酵素を含有する微生物菌体等を用いてニトリル化合物より対応するアミド化合物を製造する方法が開示されている。この製造方法は、従来の化学合成法と比較し、ニトリル化合物から対応するアミド化合物への転化率および選択率が高いことで知られている。
ニトリルヒドラターゼを生産する微生物としては、例えば、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレビシエラ(Klebsiella)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属等に属する微生物を挙げることができる。中でもロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1株はアクリルアミドの工業的生産に使用されており、有用性が実証されている。また、その菌株が産生するニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子も明らかとなっている(特許文献1参照)。
本発明者らは、アクリルアミド生産に使用する触媒コストを低減させることを目的として酵素の性能改良に取り組み、耐熱性やアクリルアミドに対する耐性の向上した変異酵素の取得に成功している(特許文献2参照)。
また、経済的な工業生産のためにはニトリルヒドラターゼ活性の高い菌の製造が必要であり、これまで本発明者らは尿素(特許文献3参照)、コバルトイオン(特許文献4参照)を添加して培養する方法や、ケトアルコールを使用して培養する方法(特許文献5参照)、酸素濃度を1ppm以上に維持して培養する方法(特許文献6参照)を開発している。
しかしながら、経済的な工業生産のために、さらに、大量のニトリルヒドラターゼを生産し得る方法の開発が求められている。
特許第3162091号公報 国際公開WO2005/116206号公報 特許第2029072号公報 特許第2029079号公報 特許第3467264号公報 特開第2002-17339号公報
一方、遺伝子工学の技術を用いて目的酵素を高発現させる方法として、本来の遺伝子で使用されているコドンを宿主のコドン使用頻度に従って変異させる方法がある。一例として、植物由来のS-ヒドロキシニトリルリアーゼを大腸菌で生産させるために、アミノ酸配列を変化させることなく大腸菌の使用頻度の高いコドンに変異させることで、S-ヒドロキシニトリルリアーゼの大量生産に成功している(特開第2004 - 194550号公報、特開第2005 - 245242号公報参照)が、ニトリルヒドラターゼに関する報告はない。
本発明は宿主にニトリルヒドラターゼを効果的に発現させて、ニトリルヒドラターゼを大量に生産するための方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、ニトリルヒドラターゼのコドンを、宿主の使用頻度の高いコドンに変異させたニトリルヒドラターゼ遺伝子を用いると、当該宿主においてニトリルヒドラターゼを効果的に発現させることができ、これにより、ニトリルヒドラターゼの生産量を増加させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子の塩基配列を、形質導入する宿主において使用頻度の高いコドンに変異させた、変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子。
(2)ニトリルヒドラターゼが、以下の(a)又は(b)に示すポリペプチドを含むものである上記(1)記載の遺伝子。
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチド
(3)ニトリルヒドラターゼが、以下の(a)又は(b)に示すポリペプチドを含むものである上記(1)記載の遺伝子。
(a)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号3で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチド
(4)ニトリルヒドラターゼが、以下の(a)又は(b)に示すポリペプチド及び以下の(c)又は(d)に示すポリペプチドを含むものである上記(1)記載の遺伝子。
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチド
(c)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
(d)配列番号3で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチド
(5)宿主がロドコッカス菌である上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の遺伝子。
(6)配列番号1で表される塩基配列を含む、変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の遺伝子を含む組換えベクター。
(8)上記(7)記載の組換えベクターで宿主を形質導入してなる形質転換体。
(9)宿主がロドコッカス菌である上記(8)記載の形質転換体。
(10)上記(8)又は(9)記載の形質転換体を培養して得られる培養物。
(11)上記(10)記載の培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とするニトリルヒドラターゼの製造方法。
(12)上記(8)又は(9)記載の形質転換体又は上記(10)記載の培養物をニトリル化合物と接触させアミド化合物を回収する、アミド化合物の製造方法。
(13)ニトリル化合物がアクリロニトリルである、上記(12)記載の製造方法。
本発明により、ニトリルヒドラターゼ遺伝子のコドンを宿主のコドン使用頻度に従い、使用頻度の高いコドンに変異させたニトリルヒドラターゼ遺伝子が提供される。さらに、本発明は前記の遺伝子を宿主に導入し、その宿主を培養することにより、ニトリルヒドラターゼを大量に製造することができる。
遺伝子工学の技術を用いて目的酵素を宿主に高発現させる方法として、本来の遺伝子で使用されているコドンを、宿主のコドン使用頻度に従って変異させる方法がある。
本発明においては、ニトリルヒドラターゼを宿主に高発現させるために、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子の塩基配列を、形質導入する宿主において使用頻度の高いコドンに変異させることを特徴とする。
1.ニトリルヒドラターゼ
ニトリルヒドラターゼは、ニトリル基を水和しアミド基に変換するニトリル水和活性を有する酵素であり、各種アミド化合物の工業的生産のために使用されている。
ニトリルヒドラターゼの構造は、αサブユニット(例えば配列番号3、図7(B))及びβサブユニット(例えば配列番号2、図7(A))のドメインが集合してなる高次構造をとり、補欠分子として非ヘム鉄原子、又は非コリン核コバルト原子を有している。これらのニトリルヒドラターゼは、それぞれ鉄型ニトリルヒドラターゼ及びコバルト型ニトリルヒドラターゼという呼称で区別されている。
尚、本明細書中において単に「ニトリルヒドラターゼ」という場合、野性型ニトリルヒドラターゼの他、変異型ニトリルヒドラターゼも含まれるものとする。「野性型ニトリルヒドラターゼ」とは、自然界の生物(例えば、土壌細菌等の微生物)より分離されるものと同じアミノ酸配列を有するニトリルヒドラターゼ、すなわち、当該酵素を構成するアミノ酸配列が、人為的に欠失、挿入若しくは他のアミノ酸で置換されておらず、天然由来の特性を保持したままのニトリルヒドラターゼを意味する。さらに、野性型ニトリルヒドラターゼには、既知のニトリルヒドラターゼのみならず、未知の生物由来のニトリルヒドラターゼが含まれる。一方、「変異型ニトリルヒドラターゼ」とは、野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列(例えば配列番号5及び/又は6)において、1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質を意味する。
ここで「ニトリルヒドラターゼ活性」とは、ニトリル化合物を、対応するアミド化合物に変換する水和反応(RCN+H2O→RCONH2)を触媒する活性を意味する。式中Rは、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3〜18のシクロアルキル基又はアリール基、あるいは、置換されていてもよい飽和又は不飽和複素環基である。
2.変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子
コドンを変異させる対象となるニトリルヒドラターゼ遺伝子は特に限定されるものではなく、いずれの生物由来のものも使用することができる。例えば、ロドコッカス属細菌のJ1株(特許第3162091号公報参照)、B774株、MS-38株(特開2005-328787号公報参照)、M8菌(SU1731814参照)、Cr4株(特開2000-175687号公報参照)、ATCC39484株(特開2001-292772号公報参照)、MW3株(WO2003/066800号公報参照)等由来のものを使用することができる。その他にはシュードノカルディア属細菌(特開平09-275978号公報参照)、バチルス属細菌(特開平09-248188号公報、US6153415参照)、コモモナス属細菌(WO 200212530号公報参照)、ノカルディア属細菌(Acc# AY141130、AY168347)、ジオバチルス属細菌(WO2004/108942号公報、特開2006-158323号公報参照)等由来のものも使用することができる。野性型ニトリルヒドラターゼ遺伝子の塩基配列の一例を、配列番号4に示す。
宿主において使用頻度の高いコドンに変異させた変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子は、基本的には、本来有するアミノ酸のコドンを、形質転換される宿主で高頻度に用いられる同一アミノ酸のコドンに変異させた遺伝子を意味する。但し、ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列の1又は数個に欠失、置換又は付加等の変異が生じたアミノ酸配列であって、ニトリルヒドラターゼ活性を有するものを排除するものではない。従って、そのようなアミノ酸の欠失、置換又は付加等の変異が生じたアミノ酸配列であってニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子も、宿主の使用頻度の高いコドンに変異させることができる。
ここで、コドン使用頻度とは、核酸配列からアミノ酸配列への情報変換過程において3塩基が使用される頻度を意味し、コドンとは、mRNA中の3個のヌクレオチドの並び方を意味する。上記情報変換過程では、3塩基が1単位となって1つのアミノ酸に翻訳される。64種類のコドンは20種類のアミノ酸に対応するため、遺伝暗号の縮重が存在し、1つのアミノ酸は1〜6種類の同義コドンを持つ。例えばValのコドンは、GUU、GUC、GUA、GUGの4種類が存在する。一つのアミノ酸に対して複数のコドンがある場合、生物はその複数のコドンを均等な割合で用いるのでなく、生物毎に特徴のある割合で特定のコドンに偏って用いられる。このような生物毎のコドン使用頻度(コドンユーセージ)は一部データベース化されており、コドンユーセージデータベース(http://www.kazusa.or.jp/codon/)で調べることができる。
しかしながら、このデータベースはほとんど発現しない遺伝子も頻度計算に用いられているため、このデータに従って遺伝子を改変しても高発現しない場合がある。そこで、これに加えて宿主菌で高発現している遺伝子のコドン使用頻度に従って、さらに使用頻度の高いコドンへと改変を行っても良い。
遺伝子を、その由来を異にする宿主において発現させるには、コドンを当該宿主において使用頻度の高いコドンに変異させることが有効である。例えば、ロドコッカス・ロドクロウス以外の生物由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子を、宿主ロドコッカス・ロドクロウスに用いる場合は、その生物由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子の塩基配列を、ロドコッカス・ロドクロウスの使用頻度の高いコドンに変異させることが好ましい。
ここで、使用頻度が「高い」とは、複数のコドンが存在するときは最低のコドン使用頻度よりも高いことを意味し、最も高い使用頻度である必要はない。また、コドンが1つしか存在しない場合(例えばMet及びTrp)は、使用頻度とは無関係に使用される。但し、宿主における発現効率を考慮すると、宿主において最も使用頻度の高いコドンを使用することが好ましい。より具体的には、宿主としてロドコッカス・ロドクロウスJ-1株を用いる場合、大量発現している遺伝子、例えばニトリルヒドラターゼやニトリラーゼのコドン使用頻度に従って、さらに使用頻度の高いコドンを使用してもよい。下記表1はロドコッカス・ロドクロウスにおけるニトリルヒドラターゼのコドン頻度を示し、表2はニトリルヒドラターゼの最頻用コドンを示す。従って、本発明においては、表2に示すコドンに遺伝子工学の技術を用いて本来のコドンを変異させることが好ましい。例えば、本来のニトリルヒドラターゼ遺伝子で使用されているValのコドンにおいて最低頻度のコドンは「GTA」である(表1)。なお、表1ではRNAのコドンで表記してある。従って、本発明においては、「gta」をロドコッカス・ロドクロウスJ-1株の頻用コドンである「gtt」、「gtc」又は「gtg」に変異させれば良く、最頻用コドンである「gtc」(表2)に変異させることがより好ましい。
Figure 2008228628
Figure 2008228628
さらに、上記のようにコドンを変異させる領域は、コード配列(CDS)内であれば限定されるものではなく、CDSの全てのコドンに対して変異させることも、部分的に1又は複数箇所を変異させることもできる。言い換えると、コドンを変異させるアミノ酸の数は、ニトリルヒドラターゼのアミノ酸432残基(αサブユニットは203アミノ酸(配列番号3、6)、βサブユニットは229アミノ酸(配列番号2、5))の内、1以上であれば良く、好ましくは1〜100、さらに好ましくは10〜70残基である。変異の対象となるサブユニットは、αサブユニットのみでも、βサブユニットのみでもよく、αサブユニット及びβサブユニットの両者でもよい。
また、ニトリルヒドラターゼ遺伝子の下流に存在するCDS(nhhG)のコドンを変異させてもよい。
また、野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列(例えば配列番号5及び/又は6)において、1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も、コドン変異の対象となる。
本発明の変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子は、野生型のニトリルヒドラターゼ遺伝子を部位特異的に変異させることで作製することができる。まず、ニトリルヒドラターゼの遺伝子は染色体DNAを調製し、サザンハイブリダイゼーション法やPCR法で得ることができる。さらに、得られたニトリルヒドラターゼ遺伝子を基にして、ヌクレオチドの1個又は複数個を変異させたポリヌクレオチドを作製することもできる。ヌクレオチドの変異は、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.」(Cold Spring Harbor Press (1989))、「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & Sons (1987-1997))、Kunkel, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 488-92 (1985)、Kramer and Fritz Method. Enzymol. 154: 350-67(1987)、Kunkel, Method. Enzymol. 85: 2763-6 (1988)等に記載の部位特異的変異誘発法等の方法に従って調製することができる。
また、ポリヌクレオチドに変異を導入するには、Kunkel法や Gapped duplex法等の公知手法により、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット、例えばQuikChangeTM Site-Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社製)、GeneTailorTM Site-Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社製)、TaKaRa Site-Directed Mutagenesis System(Mutan-K、Mutan-Super Express Km等:タカラバイオ社製)等を用いて行うことができる。
あるいは、本発明の変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子は、合成オリゴDNAを組み合わせたPCR法(assembly PCR)で伸長させて合成遺伝子として得ることもできる。このPCR法は、遺伝子の塩基配列のうち、まとまった範囲に集中的に変異を導入したいときに、より有効である。
assembly PCRを、30個の合成オリゴDNA(オリゴDNA1〜30)を組み合わせて行う場合を例に挙げて説明する。合成オリゴDNAは、センス鎖については奇数番号(オリゴDNA1, 3, 5, 7…, 29)で、アンチセンス鎖については偶数番号(オリゴDNA2, 4, 6, 8…, 30)で示すものとする。まず、変異を導入したい遺伝子領域のセンス鎖の5'末端側から、変異を導入した長さ30〜150ヌクレオチド(nt)のオリゴDNAを設計する。センス鎖オリゴは、オリゴDNA 1に続いてオリゴDNA 3を設計する。オリゴDNA 3の位置は、オリゴDNA 1に隣接して合成してもよく、適当な間隔(数nt〜数十nt)をあけて合成してもよい。同様にして、オリゴDNA 5, 7, 9…、29と合成を続けて、目的の領域の3'末端までオリゴDNAを設計する。
次に、アンチセンス鎖についても3'末端側から、変異を導入した30〜150ntのオリゴDNA2を設計する。アンチセンス鎖のオリゴDNA(2n)(n=1, 2, 3, …)の3'末端側の一部の配列は、それぞれ、センス鎖のオリゴDNA(2n-1) (n=1, 2, 3, …)の3'側の一部の配列と重複して相補鎖を形成するように設計し、アンチセンス鎖のオリゴDNA(2n)(n=1, 2, 3,…)の5'末端側の一部の配列は、それぞれ、センス鎖のオリゴDNA(2n+1) (n=1, 2, 3, …)の5'末端側の一部の配列と重複して相補鎖を形成するように設計する。例えば、オリゴDNA2の3'末端側の一部の配列は、DNA1の3'末端側の一部の配列と相補的となるように設計し、オリゴDNA2の5'末端側の一部の配列は、DNA3の5'末端側の一部の配列と相補的となるように設計する。センス鎖とアンチセンス鎖との間で重複する配列(相補鎖を形成する配列)の長さは、センス鎖又はアンチセンス鎖のオリゴDNAをそれぞれ隣接させて設計するか、間隔をあけて設計するかにより適宜設定することができ、例えば5〜50nt、好ましくは10〜40ntである。
そして、設計したオリゴDNAを既知の方法で合成し、PCR法によって合成オリゴヌクレオチドを集合させてセンス鎖及びアンチセンス鎖をそれぞれ1本の直鎖状断片とし、さらに末端のオリゴDNA(オリゴDNA1及びオリゴDNA30)をプライマーとして用い、PCRを行うことにより、本発明の変異を導入したニトリルヒドラターゼ遺伝子を得ることができる。ここで、PCRに用いるDNAポリメラーゼは特に限定されないが、正確性の高いDNAポリメラーゼであることが好ましい。例えば、Pwo DNA(ポリメラーゼロシュ・ダイアグノスティックス)、Pfu DNAポリメラーゼ(プロメガ)、プラチナPfx DNAポリメラーゼ(インビトロジェン)、KOD DNAポリメラーゼ(東洋紡)等が好ましい。
PCRの反応条件は、用いるDNAポリメラーゼの最適温度、合成するDNAによって異なるが、90〜98℃で5〜30秒、50〜65℃で5〜30秒、65〜80℃で30〜1200秒のセットを20〜200サイクルであることが好ましい。
また、本発明の変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子は、人工合成DNAとして合成して得ることもできる。
ロドコッカス菌由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子の全てのコドンを、ロドコッカス・ロドクロウスJ-1株における最頻用コドンに変異させた遺伝子の塩基配列を配列番号1及び図6-1、図6-2に示す。さらに、当該遺伝子によりコードされるアミノ酸配列を配列番号2及び3に示す。アミノ酸の欠失、置換又は付加等の変異のないニトリルヒドラターゼのコドンの変異を行う場合は、本来のニトリルヒドラターゼ遺伝子のコードするアミノ酸配列と、変異後のアミノ酸配列は一致する。
尚、図6-2の塩基配列は、図6-1の塩基配列の続きである。また、図6-1、図6-2には、βサブユニットとαサブユニットの開始コドン及び終始コドンの位置等も示した。
また、アミノ酸への翻訳にとって重要な塩基配列として、SD配列やKozak配列が知られており、これらの配列を変異遺伝子の上流に挿入することもできる。原核生物を宿主に用いるときにはSD配列を、真核細胞を宿主に用いるときにはKozak配列をPCR法などにより付加してもよい。
3.組換えベクター及び形質転換体
上記の方法によって得た本発明の変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子を、変異コドン情報の基礎とした宿主で発現させるために、遺伝子の上流に転写プロモーターを、下流にターミネーターを挿入して発現カセットを構築し、このカセットを発現ベクターに挿入することができる。あるいは、当該変異遺伝子を導入する発現ベクターに転写プロモーターとターミネーターがすでに存在する場合には、発現カセットを構築することなく、ベクター中のプロモーターとターミネーターを利用してその間に当該変異遺伝子を導入すればよい。ベクターに当該変異遺伝子を導入するには、制限酵素を用いる方法、トポイソメラーゼを用いる方法等を利用する。
本発明において使用されるベクターは、上記の変異遺伝子を保持するものであれば特に限定されず、それぞれの宿主に適したベクターを使用することができる。
また、本発明において形質導入に使用する宿主は、上記発現ベクター(組換えベクター)が導入された後、目的のニトリルヒドラターゼを発現することができる限り特に限定されるものではない。宿主としては、例えばロドコッカス菌、コリネバクテリウム菌、放線菌、大腸菌、枯草菌、酵母(Pichia、Saccharomyces)、カビ(Aspergillus)、昆虫細胞等が挙げられる。特に、本発明では、宿主がロドコッカス菌であるのが好ましい。
本発明の宿主微生物としてのロドコッカス菌(ロドコッカス属細菌)として、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC999株、ATCC12674株、ATCC17895株、ATCC15998株、ATCC33275株、ATCC184株、ATCC4001株、ATCC4273株、ATCC4276株、ATCC9356株、ATCC12483株、ATCC14341株、ATCC14347株、ATCC14350株、ATCC15905株、ATCC15998株、ATCC17041株、ATCC19149株、ATCC19150株、ATCC21243株、 ATCC29670株、ATCC29672株、ATCC29675株、ATCC33258株、ATCC13808株、ATCC17043株、ATCC19067株、ATCC21999株、ATCC21291株、ATCC21785株、ATCC21924株、IFO14894株、IFO3338株、NCIMB11215株、NCIMB11216株、JCM3202株、Rhodococcus rhodocrouse J-1株(FERM BP-1478)、ロドコッカス・グロベルルス(Rhodococcus globerulus)IFO14531株、ロドコッカス・ルテウス(Rhodococcus luteus)JCM6162株、JCM6164株、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)IFO12538株、IFO12320株、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)IFO3730株、JCM1313が挙げられる。好ましくは、ロドコッカス・ロドクロウス J-1株、ATCC 12674株、ATCC17895株、ATCC15998株等が、特に好ましくはロドコッカス・ロドクロウス J-1株が挙げられる。
本発明のプラスミドベクターは、宿主において安定に存在するものであれば特に制限されるものではない。例えば、ロドコッカス属細菌用のプラスミドベクターとしては、ロドコッカス属細菌で複製増殖可能なDNA領域を含むプラスミドであれば特に制限されない。例えばロドコッカス属細菌で複製増殖可能なDNA領域を含むプラスミドとしては、プラスミドpAN12、pNC903、pFAJ2600、pRC10、pRC20、pRC001、pRC002、pRC003またはpRC004に含まれるものが挙げられる。好ましくはプラスミドpRC001、pRC002、pRC003またはpRC004等に含まれるものが挙げられる。プラスミド pRC001 、pRC002、pRC003、pRC004は、それぞれ、ロドコッカス・ロドクロウス ATCC 4276、ATCC 14349、ATCC 14348、IFO 3338由来であり、特開平2-84198号公報、特開平4-148685号公報、特開平5-64589号公報、特開平5-68566号公報等に記載されている。さらに、プラスミドpSJ023等を用いることもできる。pSJ023は、形質転換体ATCC12674/pSJ023(FERM BP-6232)として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に平成9年3月4日付けで寄託されている。
本発明の形質転換体は、上記の本発明のベクターを宿主に導入することによって得ることができる。形質導入の方法としては、電気穿孔法、リポフェクション法、ヒートショック法、PEG法、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法等を挙げることができる。当業者であれば、宿主と発現ベクターの組み合わせに適した形質導入方法を選択して実施することができる。
4.ニトリルヒドラターゼの製造方法
本発明において、ニトリルヒドラターゼは、上記形質転換体を培養し、得られる培養物から採取することにより製造することができる。
宿主にロドコッカス菌を用いる場合、適当な培地に形質転換したロドコッカス菌を培養し、培養後に得られた培養物から、目的のニトリルヒドラターゼを得ることができる。
「培養物」とは、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。目的のニトリルヒドラターゼは、上記培養物中に蓄積される。
形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー等が挙げられる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅若しくは炭酸カルシウム等が挙げられる。
培養条件は、特に限定されないが、10℃〜45℃、好ましくは、10℃〜40℃の温度下で、5〜120時間、好ましくは5〜100時間程度行うことができる。また、場合により、本培養に先立ち、少量の前培養を行うこともできる。
ロドコッカス属細菌を宿主とした形質転換体の培養は、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、30〜40℃で行うことが好ましい。培養は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて適時pH調整を行うことが好ましい。
また、培養中に形質転換体からベクターの脱落を防ぐために、必要に応じて薬剤選択マーカーによる選択圧をかけた状態で培養してもよい。例えば、アンピシリン耐性遺伝子を含むベクターで形質転換した形質転換体を培養する場合、培養中に必要に応じてアンピシリンを培地に添加してもよい。
上記培養条件で培養すると、高収率でニトリルヒドラターゼを生産することができる。培養後、ニトリルヒドラターゼが菌体内又は細胞内に生産される場合には、ホモジナイザー処理などを施して菌体又は細胞を破砕することにより、目的のニトリルヒドラターゼを採取する。
ニトリルヒドラターゼ、すなわちタンパク質の採取方法は、タンパク質が形質転換体内に産生される場合は、まず、リゾチーム等の酵素を用いた溶解処理、超音波破砕処理、磨砕処理等により形質転換体を破壊する。次いで、濾過又は遠心分離等を用いて不溶物を除去し、粗タンパク質溶液を得る。この粗溶液から、塩析、各種クロマトグラフィー(例えばゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等)、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動等を単独で又は適宜組み合わせて標的タンパク質を取得する。
また、発現標的タンパク質が形質転換体外に産生される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により形質転換体を除去する。その後、酵素の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から標的タンパク質を取得することができる。発現対象遺伝子がニトリルヒドラターゼの場合、上述の方法で調製した形質転換体を培養して得られる培養物またはその処理物は次に示すアクリルニトリルのアクリルアミドへの変換反応等に供することができる。
また、本発明においては、上記の変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子又は上記ベクターからニトリルヒドラターゼを採取することも可能である。すなわち、本発明においては、生細胞を全く使用することなく無細胞タンパク質合成系を採用して、ニトリルヒドラターゼを産生することが可能である。
無細胞タンパク質合成系とは、細胞抽出液を用いて試験管などの人工容器内でタンパク質を合成する系である。なお、本発明において使用される無細胞タンパク質合成系には、DNAを鋳型としてRNAを合成する無細胞転写系も含まれる。
この場合、上記の宿主に対応する生物は、下記の細胞抽出液の由来する生物に相当する。ここで、上記細胞抽出液は、真核細胞由来又は原核細胞由来の抽出液、例えば、小麦胚芽、ウサギ網状赤血球、マウスL-細胞、HeLa細胞、CHO細胞、出芽酵母、大腸菌などの抽出液を使用することができる。なお、これらの細胞抽出液は濃縮されたものであっても濃縮されないものであってもよい。つまり、出芽酵母由来の細胞抽出液を用いて無細胞タンパク質合成を行う場合には、ニトリルヒドラターゼ遺伝子のコドンを、出芽酵母の頻用コドンに従って変異させた遺伝子を用いればよい。
細胞抽出液は、例えば限外濾過、透析、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿等によって得ることができる。さらに本発明において、無細胞タンパク質合成は、市販のキットを用いて行うこともできる。そのようなキットとしては、例えば試薬キットPROTEIOSTM(東洋紡)、TNTTM System(プロメガ)、合成装置のPG-MateTM(東洋紡)、RTS(ロシュ・ダイアグノスティクス)などが挙げられる。
上記のように細胞タンパク質合成によって得られるニトリルヒドラターゼは、前述のように適宜クロマトグラフィーを選択して、精製することができる。
5.アミド化合物の製造方法
上述のように製造されたニトリルヒドラターゼは、酵素触媒として物質生産に利用することができる。例えば、ニトリル化合物に、上述のニトリルヒドラターゼを接触させることにより、アミド化合物を製造することができる。「接触」とは、ニトリルヒドラターゼとニトリル化合物を同一の反応系又は培養系に存在させることを意味し、例えば、分離精製したニトリルヒドラターゼとニトリル化合物とを混合すること、ニトリルヒドラターゼ遺伝子を発現する細胞の培養容器にニトリル化合物を添加すること、当該細胞をニトリル化合物の存在下で培養すること、当該細胞の抽出液をニトリル化合物と混合することなどが含まれる。
酵素触媒としては、上述のように適当な宿主内で変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子が発現するように遺伝子導入を行い、宿主を培養した後の培養物、またはその処理物を利用することができる。処理物としては、例えば、培養後の細胞をアクリルアミド等のゲルで包含したもの、グルタルアルデヒドで処理したもの、アルミナ、シリカ、ゼオライト、珪藻土等の無機担体に担持したもの等が挙げられる。酵素触媒は、その活性が失活しない限り、リサイクル使用することが好ましい。失活の防止やリサイクルの容易さに鑑み、酵素触媒は処理物の形態で使用されることが好ましい。
基質として使用されるニトリル化合物は、酵素の基質特異性、酵素の基質に対する安定性等を考慮して選択される。ニトリル化合物としては、アクリロニトリルが好ましい。基質濃度は、0.1〜10% (W/V)が好ましく、5% (W/V)が特に好ましい。ニトリルヒドラターゼの触媒作用により、アクリロニトリルからアクリルアミドを効率良く生産することができる。
反応方法、及び反応終了後のアミド化合物の採取方法は、基質及び酵素触媒の特性により適宜選択される。反応は、pH6〜8の緩衝液または水中で行うことが好ましく、例えば、50 mM リン酸緩衝液(pH 7.7)中で行うことができる。反応で精製したアクリルアミドは、ガスクロマトグラフィーなどの公知の方法を用いて定量することができる。そして、アクリルアミドの産生量からニトリルヒドラターゼ活性を換算することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
高頻度コドン型ニトリルヒドラターゼ遺伝子の設計
ニトリルヒドラターゼ遺伝子を前記表2の最頻用コドンに変更した変異遺伝子を設計した(配列番号1)。尚、SD配列を含む配列はDNA配列を変異させなかった。設計したDNA配列はタカラバイオに合成を依頼した。合成したDNAは両末端にXbaI、Sse8387Iリンカーを結合し、pUC18のマルチクローニングサイトXbaI-Sse8387Iサイトに挿入し、プラスミドSYN678-1(図1)を得た。
ニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(組換えプラスミド)の作製
SYN678-1を制限酵素XbaIとSse8387Iで切断し、電気泳動したゲルから1.8Kbの断片を回収した。
実施例1と同様にpSJ034(図2)も制限酵素XbaIとSse8387Iで切断し、約12Kbの断片を回収した。pSJ034は、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌においてニトリルヒドラターゼを発現するプラスミドであり、特開平10-337185号公報に示す方法でpSJ023より作製した。なお、pSJ023は形質転換体ATCC12674/pSJ023(FERM BP-6232)として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に平成9年3月4日付けで寄託されている。
変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む1.8Kb断片を、DNA Ligation Kit(タカラバイオ)を用いてプラスミドpSJ034のXbaI-Sse8387I部位に連結し、高頻度コドン型ニトリルヒドラターゼを含むプラスミドpSJSY01(図3)を得た。
高頻度コドンを部分的に含むニトリルヒドラターゼ発現プラスミドの作製
以下のようにしてニトリルヒドラターゼのαサブユニット、βサブユニットのみを高頻度コドン型に変えたニトリルヒドラターゼ発現プラスミドを構築した。
(1)αサブユニットのみを高頻度コドン型に変えたニトリルヒドラターゼ発現プラスミドの構築
αサブユニットに高頻度コドン型ニトリルヒドラターゼを有するプラスミドは以下の手順で構築した。先ず、SYN678-1を鋳型としSNT-03(配列番号11)とSNT-04(配列番号12)をプライマーとしてPCR(PCR産物1、約1.0Kb、配列番号17、図10)を行った。また、同様にpSJ034を鋳型としSNT-01(配列番号9)とSNT-02(配列番号10)をプライマーとしてPCR(PCR産物2、約0.8Kb、配列番号18、図11)を行った。
尚、図10,11(配列番号17,18)において、塩基配列の大文字は野生型遺伝子を、小文字は高頻度コドン型遺伝子を示す。
(反応液組成)
SYN678-1(100倍希釈) 1μl
10×PCR Buffer(タカラバイオ) 5μl
プライマー SNT-03(配列番号11) 0.5μl
プライマー SNT-04(配列番号12) 0.5μl
2.5mM dNTP 4μl
滅菌水 38.5μl
ExTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ) 0.5μl
総量 50μl
(反応サイクル){93℃:30秒、55℃:30秒、72℃:1分}×25サイクル
(プライマー)
SNT-01:TCTAGAGATA TCGCCATTCC GTTGC(配列番号9)
SNT-02:gacgtgctcggaCATTATCGTATTCC (配列番号10)
SNT-03:GAATACGAT AATGtccgag cacgtc(配列番号11)
SNT-04:cctgcagg gctcagcaccgtcg (配列番号12)
上記配列(配列番号9〜12)中、大文字の箇所は、野生型遺伝子を、小文字は高頻度コドン型遺伝子を示す。
次に、それぞれのPCR産物を電気泳動したゲルから回収し、AssemblyPCRに使用した。AssemblyPCR はPCR産物1、PCR産物2と、プライマーSNT-01、04を添加してPCR反応をスタートさせ、94℃、1分過熱後に酵素を添加してPCR反応をスタートさせた。25サイクルのPCR反応後、3μlを電気泳動し、1.3Kbのバンドが増幅していることを確認した。
(反応液組成)
PCR産物1 0.5μl
PCR産物2 0.5μl
10×PCR Buffer(タカラバイオ) 5μl
プライマー SNT-01(配列番号9) 0.5μl
プライマー SNT-04(配列番号12) 0.5μl
2.5mM dNTP 4μl
滅菌水 38.5μl
総量 49.5μl
↓94℃:1分
↓ExTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ) 0.5μl
(反応サイクル){93℃:30秒、55℃:30秒、72℃:2分}×25サイクル
得られたPCR産物はpGEM-T Easy Vector System(プロメガ)を使用しクローニングした後、配列確認を行って目的のDNA配列(配列番号7、図8-1、図8-2)であることを確認した。このプラスミドを制限酵素XbaIとSse8387Iで切断し、1.8Kbの断片を回収し、pSJ034のXbaI-Sse8387I部位に連結し、αサブユニットが高頻度コドン型ニトリルヒドラターゼである発現ベクターpSJSY02(図4)を得た。
尚、図8-2の塩基配列は、図8-1の塩基配列の続きである。また、図8-1、図8-2(配列番号7)の塩基配列中、大文字の箇所は、野生型遺伝子を、小文字は高頻度コドン型遺伝子を示す。
(2)βサブユニットのみを高頻度コドン型に変えたニトリルヒドラターゼ発現プラスミドの構築
同様の手法を用いβサブユニットに高頻度コドン型ニトリルヒドラターゼを有する発現プラスミドを構築した。先ず、SNY678-1を鋳型としSNT-05(配列番号13)とSNT-06(配列番号14)をプライマーとしてPCR(PCR産物3、約0.8Kb、配列番号19、図12)を行った。同様にpSJ034を鋳型としSNT-07(配列番号15)とSNT-08(配列番号16)をプライマーとしてPCR(PCR産物4、約1.0Kb、配列番号20、図13)を行った。
図12,13(配列番号19,20)の塩基配列中、大文字の箇所は、野生型遺伝子を、小文字は高頻度コドン型遺伝子を示す。
次に、それぞれのPCR産物を電気泳動したゲルから回収し、AssemblyPCRに使用した。AssemblyPCR はPCR産物3、PCR産物4と、プライマーSTN-05、08を添加してPCR反応をスタートさせ、94℃、1分過熱後に酵素を添加してPCR反応をスタートさせた。25サイクルのPCR反応後、3μlを電気泳動し、1.3Kbのバンドが増幅していることを確認した。
(プライマー)
SNT-05: tctagagata tcgccattcc gttgc (配列番号13)
SNT-06: CGTGCTCGCTCACtatcgtattc (配列番号14)
SNT-07: gaatacgat aGTGAGCGAG CACG (配列番号15)
SNT-08: CCTGCAGGGCTCAGCACCGTCGG (配列番号16)
上記配列(配列番号13〜16)中、大文字の箇所は、野生型遺伝子を、小文字は高頻度コドン型遺伝子を示す。
得られたPCR産物はpGEM-T Easy Vector System(プロメガ)を使用しクローニングした後、配列確認を行って目的のDNA配列(配列番号8、図9-1、図9-2)であることを確認した。このプラスミドを制限酵素XbaIとSse8387Iで切断し、1.8Kbの断片を回収し、とpSJ034の1 XbaI-Sse8387I部位に連結し、βサブユニットが高頻度コドン型ニトリルヒドラターゼである発現ベクターpSJSY03(図5)を得た。
尚、図9-2の塩基配列は、図9-1の塩基配列の続きである。また、図9-1、図9-2(配列番号8)の塩基配列中、大文字の箇所は、野生型遺伝子を、小文字は高頻度コドン型遺伝子を示す。
ロドコッカス組換え菌の作製
以下のようにして、実施例2,3で作製した3種のプラスミド(pSJSY01、pSJSY02、pSJSY03)を導入したロドコッカス組換え菌を作製した。比較例として野生型ニトリルヒドラターゼ遺伝子を有するpSJ034を導入したロドコッカス組換え菌を作製した。
(1)ATCC12674菌コンピテントセルの作製
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC 12674株の対数増殖期の細胞を遠心分離器により集菌し、氷冷した滅菌水にて3回洗浄し、滅菌水に懸濁し、コンピテントセルを作製した。
(2)形質転換体の作製
実施例2及び3で調製したベクター(pSJSY01、pSJSY02、pSJSY03)各1μlと(1)で作製したコンピテントセルの菌体懸濁液各10μlとを混合し、各々氷冷した。キュベットに各混合液を入れ、遺伝子導入装置 Gene Pulser(BIO RAD)により20 KV/cm、200 OHMSで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液を氷冷下10分静置し、37℃で10分間ヒートショックを行った。その後、キュベットにMYK培地(0.5 %ポリペプトン、0.3 %バクトイーストエキス、0.3 %バクトモルトエキス、0. 2% K2HPO4 、0.2 % KH2PO4)500μlを加え、30 ℃、5時間静置した後、50μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布し、30 ℃、3日間培養した。
得られたコロニーに含まれるプラスミドを確認し、3種の形質転換体(ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC12674/pSJSY01、ATCC12674/pSJSY02、ATCC12674/pSJSY03)を得た。
また、比較対照としてATCC12674/pSJ034を作製した。
(3)プラスミドの調製
100 mlのMY培地(0.5 %ポリペプトン、0.3 %バクトイーストエキス、0.3 %バクトモルトマルツエキス、1 %グルコース、50μg/mlカナマイシン)に植菌し、24時間後に終濃度2%となるように滅菌した20 %グリシン溶液を添加し、さらに24時間培養した。培養後、遠心分離により菌体を回収し、菌体を40 ml TES緩衝液(10 mM Tris-HCl(pH8)、10 mM NaCl、1 mM EDTA)で洗浄後、11 mlのリゾチーム溶液(50 mM Tris-HCl(pH8)、12.5 %シュークロース、100 mM NaCl、1 mg/mlリゾチーム)に懸濁し、37℃にて3時間振盪した。これに1 mlの10 % SDSを加え室温で穏やかに1時間振盪し、さらに1 mlの5 M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2)を添加し、氷中で1時間静置した。その後、4℃にて10,000×g、1時間遠心し、上清を得た。ここに5倍量のエタノールを加え、−20℃で30分静置した後、10,000×g、20分間遠心した。沈澱物を30 mlの70%エタノールで洗浄した後、100μlのTE緩衝液に溶解してDNA溶液を得た。得られたDNA溶液はQIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン)を用い、以下の方法でさらに精製を行った。DNA溶液をBuffer P1と混合し、その後の操作はマニュアルに従い、最後に50μlの滅菌水で回収した。
(4)J-1菌コンピテントセルの調製
ロドコッカス・ロドクロウスJ-1菌は、Rhodococcus rhodocrouse J-1(FERM BP-1478)として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている。
10 mlのMYKG培地(0.5 %ポリペプトン、0.3 %バクトイーストエキス、0.3 %バクトモルトマルツエキス、0.2% KH2PO4、0.2% K2HPO4、1%グルコース)にJ-1菌を植菌し、30℃で培養した。17時間後、終濃度2%となるように滅菌した20 %グリシン溶液を添加し、さらに24時間培養した。この培養液を1%グリシンを含有した10 mlのMYKG培地に2%植菌し、さらに30℃で48時間培養を行った。この培養液を滅菌水で3回洗浄し、最後に滅菌水500μlに再懸濁した。得られた菌をコンピテントセルとして用いた。
(5)形質転換
上記(3)で調製した各プラスミド1μlと(4)で調整したJ-1菌コンピテントセル10μlを混合し、30分間氷冷した。キュベットにDNAと菌体との懸濁液を入れ、遺伝子導入装置 Gene Pulser(BIO RAD)により20 KV/cm、100 OHMSで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液を氷冷下10分静置し、37℃で10分間ヒートショクを行い、MYK培地(0.5 %ポリペプトン、0.3 %バクトイーストエキス、0.3 %バクトモルトエキス、0.2 % K2HPO4 、0.2% KH2PO4)500μl を加え30℃、24時間静置した。その後、10μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布し、30℃、3日間培養した。
得られたコロニーのプラスミドを確認し、3種の形質転換体(ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) J-1/pSJSY01、J-1/pSJSY02、J-1/pSJSY03)を得た。また、比較対照として、J-1/pSJ034も作製した。
ロドコッカス組換え菌の培養
実施例4で得られたロドコッカス組換え菌を前培養培地(2%グルコース、2%味液、0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.1 % K2HPO4、0.1 % KH2PO4、0.1 % MgSO4・7H2O、pH7.2)10mlに植菌し、30℃で48h培養した。さらに本培養培地(1.5%グルコース、0.3%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.1 % K2HPO4、0.1 % KH2PO4、0.1 % MgSO4・7H2O、0.002 %CoCl2・6H2O、2%尿素、カナマイシン 10μg/ml、pH7.2)100 mlに植菌し、30℃で89h振盪培養した。培養液は無菌的にサンプリングし、OD630測定と活性測定に使用した。
ニトリルヒドラターゼの活性測定は以下の方法で行った。まず、本培養後に得られた培養液0.3 mlと50 mMリン酸緩衝液(pH7.7)4.7 mlとを混合し、さらに5.0 %(w/v)のアクリロニトリルを含む50 mMリン酸緩衝液(pH7.7)5 mlを混合液に加えて、10 ℃で10分間反応させた。次いで、菌体を濾別して、ガスクロマトグラフィーを用いて、生成したアクリルアミドの量を定量し、アクリルアミドの量からニトリルヒドラターゼ活性を換算した。なお、分析条件は、以下に示す通りであった。
(分析条件)
分析機器:ガスクロマトグラフGC-14B(島津製作所製)
検出器:FID(200℃にて検出)
カラム:ポラパックPS(ウォーターズ社製カラム充填剤)を充填した1mガラスカラム
カラム温度:190℃
結果を表3,4に示す。尚、表4の値は比較例であるJ-1/pSJ034の液活性を1とした相対値で示した。
Figure 2008228628
Figure 2008228628
表4の結果より、高頻度コドン型遺伝子を有するpSJSY01、pSJSY02、pSJSY03は、野生型遺伝子を有するpSJ034と比較して、酵素の比活性は変化せず菌の生育量が向上するため、液活性として最大1.2倍に向上することが判った。
本発明により変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子が提供される。本発明のニトリルヒドラターゼ遺伝子は、野性型ニトリルヒドラターゼ遺伝子のコドンを宿主のコドン使用頻度に従い、使用頻度の高いコドンに変異させたものである。このため、本発明のニトリルヒドラターゼ遺伝子を宿主に導入し、その宿主を培養することにより、ニトリルヒドラターゼを大量に製造することができ、ニトリル化合物からアミド化合物を製造する際の触媒コストをより低減することができる。
プラスミドSYN678-1の構成図である。 プラスミドpSJ034の構成図である。 プラスミドpSJSY01の構成図である。 プラスミドpSJSY02の構成図である。 プラスミドpSJSY03の構成図である。 最頻用コドンに変異させたニトリルヒドラターゼ遺伝子の塩基配列(配列番号1)である(前半部分)。 最頻用コドンに変異させたニトリルヒドラターゼ遺伝子の塩基配列(配列番号1)である(後半部分)。 ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列である。(A)βサブユニット(配列番号3)、(B)αサブユニット(配列番号2)。 pSJSY02挿入配列(配列番号7)である(前半部分)。 pSJSY02挿入配列(配列番号7)である(後半部分)。 pSJSY03挿入配列(配列番号8)である(前半部分)。 pSJSY03挿入配列(配列番号8)である(後半部分)。 PCR産物1の塩基配列(配列番号17)である(実施例3)。 PCR産物2の塩基配列(配列番号18)である(実施例3)。 PCR産物3の塩基配列(配列番号19)である(実施例3)。 PCR産物4の塩基配列(配列番号20)である(実施例3)。
配列番号1:合成DNA
配列番号2:合成ポリペプチド
配列番号3:合成ポリペプチド
配列番号7:合成DNA
配列番号8:合成DNA
配列番号9:合成DNA
配列番号10:合成DNA
配列番号11:合成DNA
配列番号12:合成DNA
配列番号13:合成DNA
配列番号14:合成DNA
配列番号15:合成DNA
配列番号16:合成DNA
配列番号17:合成DNA
配列番号18:合成DNA
配列番号19:合成DNA
配列番号20:合成DNA

Claims (13)

  1. ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子の塩基配列を、形質導入する宿主において使用頻度の高いコドンに変異させた、変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子。
  2. ニトリルヒドラターゼが、以下の(a)又は(b)に示すポリペプチドを含むものである請求項1記載の遺伝子。
    (a)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチド
  3. ニトリルヒドラターゼが、以下の(a)又は(b)に示すポリペプチドを含むものである請求項1記載の遺伝子。
    (a)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (b)配列番号3で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチド
  4. ニトリルヒドラターゼが、以下の(a)又は(b)に示すポリペプチド及び以下の(c)又は(d)に示すポリペプチドを含むものである請求項1記載の遺伝子。
    (a)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチド
    (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (d)配列番号3で表されるアミノ酸配列において1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するポリペプチド
  5. 宿主がロドコッカス菌である請求項1〜4のいずれか1項に記載の遺伝子。
  6. 配列番号1で表される塩基配列を含む、変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の遺伝子を含む組換えベクター。
  8. 請求項7記載の組換えベクターで宿主を形質導入してなる形質転換体。
  9. 宿主がロドコッカス菌である請求項8記載の形質転換体。
  10. 請求項8又は9記載の形質転換体を培養して得られる培養物。
  11. 請求項10記載の培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とするニトリルヒドラターゼの製造方法。
  12. 請求項8又は9記載の形質転換体又は請求項10記載の培養物をニトリル化合物と接触させアミド化合物を回収する、アミド化合物の製造方法。
  13. ニトリル化合物がアクリロニトリルである、請求項12記載の製造方法。
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