JP2004215513A - 改良型ニトリルヒドラターゼ - Google Patents

改良型ニトリルヒドラターゼ Download PDF

Info

Publication number
JP2004215513A
JP2004215513A JP2003003455A JP2003003455A JP2004215513A JP 2004215513 A JP2004215513 A JP 2004215513A JP 2003003455 A JP2003003455 A JP 2003003455A JP 2003003455 A JP2003003455 A JP 2003003455A JP 2004215513 A JP2004215513 A JP 2004215513A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
substituted
amino acid
base
nitrile hydratase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003003455A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumiaki Watanabe
文昭 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2003003455A priority Critical patent/JP2004215513A/ja
Publication of JP2004215513A publication Critical patent/JP2004215513A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性の向上したニトリルヒドラターゼ及びそれをコードする遺伝子の提供。
【解決手段】特定のアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸残基が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質、である。具体的にはロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株由来のニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において、少なくとも一つ以上のアミノ酸残基を天然アミノ酸のグループから選択される残基で置換することにより、該酵素の耐熱性が向上したタンパク質である。それら改変されたニトリルヒドラターゼは耐熱性に優れている為、工業的に優位に利用することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性の向上した改良型ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子DNA、該遺伝子DNAを含む組換えDNA、該組換えDNAを含む形質転換体または形質導入体、および該形質転換体または形質導入体を用いたニトリルヒドラターゼ及びアミド化合物の製造方法に関する。
【従来の技術】
近年、ニトリル基を水和しアミド基に変換するニトリル水和活性を有する酵素であるニトリルヒドラターゼが発見され、該酵素または該酵素を含有する微生物菌体等を用いてニトリル化合物より対応するアミド化合物を製造する方法が開示されている。この製造方法は、従来の化学合成法と比較し、ニトリル化合物から対応するアミド化合物への転化率及び選択率が高いことで知られている。
ニトリルヒドラターゼを生産する微生物としては例えば、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレビシエラ(Klebsiella)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属等を挙げることができる。中でもロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株はアクリルアミドの工業的生産に使用されており、有用性が実証されている。また、その菌株が産生するニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子も明らかとなっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特許第3162091号公報
【発明が解決しようとする課題】
二トリルヒドラターゼは既にアクリルアミドの工業的生産に使用されている酵素であるが、現在使用されている酵素と比較し、さらに耐熱性の向上した酵素の取得は、反応時の酵素のコスト削減の観点から非常に有用である。よって、本発明の課題は、公知のニトリルヒドラターゼを改良し、耐熱性の向上した酵素を取得することにある。
【課題を解決するための手段】
かかる状況下、鋭意研究を行った結果、本発明者らはロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株由来のニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において、少なくとも一つ以上のアミノ酸残基を天然アミノ酸のグループから選択される残基で置換することにより、該酵素の耐熱性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)配列番号1記載のアミノ酸配列において、24番目のフェニルアラニン残基、89番目のイソロイシン残基、92番目のグルタミン酸残基、93番目のグルタミン酸残基、96番目のヒスチジン残基、103番目のグルタミン酸残基、167番目のアスパラギン残基、及び225番目のチロシン残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒダラターゼ活性を有するタンパク質。
(2)配列番号2記載のアミノ酸配列において、42番目のアスパラギン残基、80番目のアラニン残基、118番目のアラニン残基、及び132番目のアスパラギン酸残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒダラターゼ活性を有するタンパク質。
(3)配列番号1記載のアミノ酸配列において、少なくとも24番目のフェニルアラニン残基がロイシンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(4)配列番号1記載のアミノ酸配列において、少なくとも89番目のイソロイシン残基がフェニルアラニンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(5) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、92番目のグルタミン酸残基がリジンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(6) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、93番目のグルタミン酸残基がグリシンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(7) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、96番目のヒスチジン残基がアルギニンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(8) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、103番目のグルタミン酸残基がアスパラギン酸に置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(9) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、167番目のアスパラギン残基がセリンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(10) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、225番目のチロシン残基がヒスチジンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(11) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、42番目のアスパラギン残基がアスパラギン酸に置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(12) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、80番目のアラニン残基がトレオニンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(13) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、118番目のアラニン残基がバリンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(14) 配列番号2記載のアミノ酸配列において、132番目のアスパラギン酸残基がアスパラギンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(15) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、93番目のグルタミン酸残基がグリシンに、103番目のグルタミン酸残基がアスパラギン酸にそれぞれ置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(16) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、93番目のグルタミン酸残基がグリシンに、配列番号2記載のアミノ酸配列において、132番目のアスパラギン酸残基がアスパラギンにそれぞれ置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(17) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、96番目のヒスチジン残基がアルギニンに、配列番号2記載のアミノ酸配列において、42番目のアスパラギン残基がアスパラギン酸にそれぞれ置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(18) 配列番号1記載のアミノ酸配列において、92番目のグルタミン酸残基がリジンに、配列番号2記載のアミノ酸配列において、80番目のアラニン残基がトレオニンにそれぞれ置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
(19) 1〜18のいずれかに記載のタンパク質をコードする遺伝子DNA。
(20) 配列番号3記載の塩基配列において、70〜73番目、265〜267番目、274〜276番目、277〜279番目、286〜288番目、307〜309番目、499〜501番目、673〜675番目、及び688〜690番目の塩基のうち少なくとも1つの塩基が他の異なる塩基に置換されたことを特徴とするニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(21) 配列番号4記載の塩基配列において、124〜126番目、238〜240番目、352〜354番目、及び394〜396番目の塩基のうち少なくとも1つの塩基が他の異なる塩基に置換されたことを特徴とするニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(22) 配列番号3記載の塩基配列において、70〜73番目の塩基TTCがCTN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された遺伝子DNA。
(23) 配列番号3記載の塩基配列において、70番目の塩基チミンがシトシンに置換された遺伝子DNA。
(24) 配列番号3記載の塩基配列において、265〜268番目の塩基ATCがTTC又はTTTに置換された遺伝子DNA。
(25) 配列番号3記載の塩基配列において、265番目の塩基アデニンがチミンに置換された遺伝子DNA。
(26) 配列番号3記載の塩基配列において、274〜276番目の塩基GAAがAAA、又はAAGに置換された遺伝子DNA。
(27) 配列番号3記載の塩基配列において、274番目の塩基グアニンがアデニンに置換された遺伝子DNA。
(28) 配列番号3記載の塩基配列において、277〜279番目の塩基GAAがGGN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された遺伝子DNA。
(29) 配列番号3記載の塩基配列において、278番目の塩基アデニンがグアニンに置換された遺伝子DNA。
(30) 配列番号3記載の塩基配列において、286〜288番目の塩基CACがCGN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された遺伝子DNA。
(31) 配列番号3記載の塩基配列において、287番目の塩基アデニンがグアニンに置換された遺伝子DNA。
(32) 配列番号3記載の塩基配列において、307〜309番目の塩基GAGがGAC又はGATに置換された遺伝子DNA。
(33) 配列番号3記載の塩基配列において、309番目の塩基グアニンがチミンに置換された遺伝子DNA。
(34) 配列番号3記載の塩基配列において、499〜501番目の塩基AACがAGC又はAGTに置換された遺伝子DNA。
(35) 配列番号3記載の塩基配列において、500番目の塩基アデニンがグアニンに置換された遺伝子DNA。
(36) 配列番号3記載の塩基配列において、673〜675番目の塩基TACがCAC又はCATに置換された遺伝子DNA。
(37) 配列番号3記載の塩基配列において、673番目の塩基チミンがシトシンに置換された遺伝子DNA。
(38) 配列番号4記載の塩基配列において、124〜126番目の塩基AACがGAC又はGATに置換された遺伝子DNA。
(39) 配列番号4記載の塩基配列において、124番目の塩基アデニンがグアニンに置換された遺伝子DNA。
(40) 配列番号4記載の塩基配列において、238〜240番目の塩基GCCがACN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された遺伝子DNA。
(41) 配列番号4記載の塩基配列において、238番目の塩基グアニンがアデニンに置換された遺伝子DNA。
(42) 配列番号4記載の塩基配列において、352〜354番目の塩基GCCがGTN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された遺伝子DNA。
(43) 配列番号4記載の塩基配列において、353番目の塩基シトシンがチミンに置換された遺伝子DNA。
(44) 配列番号4記載の塩基配列において、394〜396番目の塩基GACがAAC又はAATに置換された遺伝子DNA。
(45) 配列番号4記載の塩基配列において、394番目の塩基グアニンがアデニンに置換された遺伝子DNA。
(46) 配列番号3記載の塩基配列において、277〜279番目の塩基GAGがGGN(NはA、G、C又はTを表す)に、307〜309番目の塩基GAGがGAT又はGACにそれぞれ置換された遺伝子DNA。
(47) 配列番号3記載の塩基配列において、278番目の塩基アデニンがグアニンに、309番目の塩基グアニンがチミンにそれぞれ置換された遺伝子DNA。
(48) 配列番号3記載の塩基配列において、277〜279番目の塩基GAGがGGN(NはA、G、C又はTを表す)に、配列番号4記載の塩基配列において、394〜396番目の塩基GACがAAC又はAATにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(49) 配列番号3記載の塩基配列において、278番目の塩基アデニンがグアニンに、配列番号4記載の塩基配列において、394番目の塩基グアニンがアデニンにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(50) 配列番号3記載の塩基配列において、286〜288番目の塩基CACがCGN(NはA、G、C又はTを表す。) に、配列番号4記載の塩基配列において、124〜126番目の塩基AACがGAC又はGATにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(51) 配列番号3記載の塩基配列において、287番目の塩基アデニンがグアニンに、配列番号4記載の塩基配列において、124番目の塩基アデニンがグアニンにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(52) 配列番号3記載の塩基配列において、274〜276番目の塩基GAAがAAA又はAAG に、配列番号4記載の塩基配列において、124〜126番目の塩基AACがGAC又はGATにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(53) 配列番号3記載の塩基配列において、274番目の塩基グアニンがグアデニンに、配列番号4記載の塩基配列において、124番目の塩基アデニンがグアニンにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
(54) 前記20〜53のいずれかに記載の遺伝子DNAをベクターDNAに挿入した組換えDNA。
(55) 前記54の組換えDNAを含む形質転換体又は形質導入体。
(56) 前記55の形質転換体又は形質導入体を培養し、得られる培養物から採取されたニトリルヒドラターゼ。
(57) 前記55の形質転換体又は形質導入体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とするニトリルヒドラターゼの製造方法。
(58) 前記55の形質転換体を培養して得られる培養物又は該処理物をニトリル化合物に接触させ、アミド化合物に採取することを含むアミド化合物の製造方法。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、耐熱性の向上したニトリルヒドラターゼの改良型ニトリルヒドラターゼを提供するものである。「ニトリルヒドラターゼ」とは、ニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する水和反応(RCN+2HO→RCONH)を触媒する酵素である。
ここで「耐熱性の向上したニトリルヒドラターゼ」とは、野生型ニトリルヒドラターゼが失活する温度範囲においても、酵素活性を保持できる性質を有する酵素を意味する。具体的には、変異体又は適当な変異遺伝子で形質転換を行った宿主内で発現したニトリルヒドラターゼにおいて、該変異体又は宿主を55℃以上で10分間以上、熱処理し、該処理後の酵素活性が、熱処理前の酵素活性と比較し、50%以上の残存しているものを意味する。
本発明の改良型ニトリルヒドラターゼは、例えば、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococus rhodochrous) J1株(以下、J1菌)由来のニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列を改変し、親株のそれと比較し耐熱性の向上した酵素を選択することにより得られる。その改変方法としては、J1菌にハイドロキシルアミンや亜硝酸等の変異源となる薬剤を接触・作用させる方法、紫外線照射のより変異を誘発する方法、J1菌由来のニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子(以下、ニトリルヒドラターゼ遺伝子)にPCRを用いてランダムに変異を導入する方法等を採用することができる。
その選択方法は、上記「耐熱性」の定義に該当する変異体(変異遺伝子)を選抜する。
このようにして得られた酵素としては、配列番号1(βサブユニット)のアミノ酸配列において、24番目のフェニルアラニン残基、89番目のイソロイシン残基、92番目のグルタミン酸残基、93番目のグルタミン酸残基、96番目のヒスチジン残基、103番目のグルタミン酸残基、167番目のアスパラギン残基、及び225番目のチロシン残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質である。
また、配列番号2(αサブユニット)のアミノ酸配列において、42番目のアスパラギン残基、80番目のアラニン残基、118番目のアラニン残基、及び132番目のアスパラギン酸残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質である。
さらに、上記の変異の複数を組み合わせ、複合変異体とすることにより、単変異体よりもさらに耐熱性の向上した変異酵素を創製することもできる。その際、上記12箇所のアミノ酸変異は、任意の変異の組み合わせで良い。
複合変異体を作製する手段は如何なる方法でもよく、例えば、合成一本鎖オリゴヌクレオチドを用いて部位特異的な置換を生じさせる方法、複数の異なる単変異個所を含むDNA断片を制限酵素で切断して連結させる方法により作成することができる。
耐熱性を損なわない限り、上記の変異に加えて、配列の欠失、置換、付加等が起こっていても構わない。例えば、配列番号1又は配列番号2に示されるアミノ酸配列の1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失してもよく、配列番号1又は配列番号2に示されるアミノ酸配列に1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が付加してもよく、あるいは、配列番号1又は配列番号2に示されるアミノ酸配列の1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が他のアミノ酸に置換してもよい。
次に、好ましいアミノ酸変異の態様を示す。例えば、Fβ24Lという表記は、「βサブユニット(配列番号1)の24番目のアミノ酸がフェニルアラニンからロイシンに置換される変異」を意味する。なおアミノ酸は1文字表記で記載している。
<変異と置換の態様>
単変異
1. Fβ24L
2. Iβ89F
3. Eβ92K
4. Eβ93G
5. Hβ96R
6. Eβ103D
7. Nβ167S
8. Yβ225H
9. Nα42D
10. Aα80T
11. Aα118V
12. Dα132N
複合変異
1. Eβ93G、Eβ103D
2. Eβ93G、Dα132N
3. Hβ96R、Nα42D
4. Eβ92K、Aα80T
上記のアミノ酸置換を生じさせるときの塩基置換は以下の通りである。
単変異1:配列番号1において、70〜73番目の塩基配列「TTC」をCTT、CTC、CTA又はCTGとなるように塩基を置換させる。特に、70番目のTをCに置換すること(TTC→CTC)が好ましい。
単変異2:配列番号1に示す塩基配列において265〜268番目の塩基配列「ATC」を、TTT又はTTCに置換させる。特に、265番目のAをTに置換させること(ATC→TTC)が好ましい。
単変異3:配列番号1に示す塩基配列において274〜276番目の塩基配列「GAA」を、AAA又はAAGに置換させる。特に、274番目のGをAに置換させること(GAA→AAA)が好ましい。
単変異4:配列番号1に示す塩基配列において277〜279番目の塩基配列「GAG」を、GGG、GGC、GGA又はGGTに置換させる。特に、278番目のAをGに置換させること(GAG→GGG)が好ましい。
単変異5:配列番号1に示す塩基配列において286〜288番目の塩基配列「CAC」を、CGC、CGG、CGA又はCGTに置換させる。特に、287番目のAをGに置換させること(CAC→CGC)が好ましい。
単変異6:配列番号1に示す塩基配列において307〜309番目の塩基配列「GAG」を、GAC又はGATに置換させる。特に、309番目のGをTに置換させること(GAG→GAT)が好ましい。
単変異7:配列番号1に示す塩基配列において499〜501番目の塩基配列「AAC」を、AGC又はAGTに置換させる。特に、500番目のAをGに置換させること(AAC→AGC)が好ましい。
単変異8:配列番号1に示す塩基配列において673〜675番目の塩基配列「TAC」を、CAC又はCATに置換させる。特に、673番目のTをCに置換させること(TAC→CAC)が好ましい。
単変異9:配列番号2に示す塩基配列において124〜126番目の塩基配列「AAC」を、GAC又はGATに置換させる。特に、124番目のAをGに置換させること(AAC→GAC)が好ましい。
単変異10:配列番号2に示す塩基配列において238〜240番目の塩基配列「GCC」を、ACC,ACG,ACA又はACTに置換させる。特に、238番目のGをAに置換させること(GCC→ACC)が好ましい。
単変異11:配列番号2に示す塩基配列において252〜254番目の塩基配列「GCC」を、GTC、GTG、GTA又はGTTに置換させる。特に、253番目のCをTに置換させること(GCC→ACC)が好ましい。
単変異12:配列番号2に示す塩基配列において394〜396番目の塩基配列「GAC」を、AAC又はAATに置換させる。特に、394番目のGをAに置換させること(GAC→AAC)が好ましい。
複合変異1〜4の塩基配列の置換に関しては、上記の単変異を組み合わせればよい。
上記の単変異又は複合変異が導入されたニトリルヒドラターゼ遺伝子(の調製は、例えば、部位特異的変異誘発法を使用すればよい〔Nucleic. Acid. Res. 10, 6487 (1982)、Molecular Cloning 2nd Edt, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕。
次にニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む組換えDNA及び形質転換(導入)体の調製方法に関して説明する。
組換えDNAは、ニトリルヒドラターゼ遺伝子で形質転換又は形質導入される宿主生物において、発現可能なように、ベクターに組み込むことが必要である。
宿主としては、例えば、大腸菌、枯草菌等の細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等を用いることもできる。
大腸菌を宿主とする場合、発現効率の高い発現ベクター、例えばtrcプロモーターを有する発現ベクターpKK233−2(アマシャムバイオサイエンス社製)、又はpTrc99A(アマシャムバイオサイエンス社製)などを用いることが好ましい。
ベクターとしてはプラスミドDNA、バクテリオファージDNA、レトロトランスポゾンDNA、人工染色体DNAなどが挙げられる。
ベクターには、ニトリルヒドラターゼ遺伝子のほか、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)等を連結することができる。なお、選択マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。
以下、宿主の種類及び宿主への組換えベクター導入方法に関して説明する。
細菌を宿主とする場合、大腸菌としては、例えばエッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等が挙げられ、ロドコッカス菌としては、例えばロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC12674、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC17895、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC19140等が挙げられる。
細菌への組換えベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)等が用いられる。酵母への組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。
動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞COS−7、Vero、CHO細胞、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞等が用いられる。動物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞、Sf21細胞等が用いられる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法等が用いられる。
植物細胞を宿主とする場合は、タバコBY−2細胞等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。植物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばアグロバクテリウム法、パーティクルガン法、PEG法、エレクトロポレーション法等が用いられる。
次にニトリルヒドラターゼの製造方法に関して説明する。
ニトリルヒドラターゼの製造は、上記方法で調製されたニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む形質転換(導入)体を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。
ここで「培養物」とは、培養上清、培養細胞若しくは培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。
本発明の形質転換(導入)体を培養する方法は、以下に例示した宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地は、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー等が挙げられる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、30〜40℃で行う。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)で誘導可能なプロモーターを有する発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときには IPTG等を培地に添加することができる。また、インドール酢酸(IAA)で誘導可能なtrpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはIAA等を培地に添加することができる。
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清等を添加した培地等が挙げられる。培養は、通常、5%CO存在下、37℃で1〜30日行う。培養中は必要に応じてカナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
形質転換体が植物細胞又は植物組織である場合は、培養は、通常の植物培養用培地、例えばMS基本培地、LS基本培地等を用いることにより行うことができる。培養方法は、通常の固体培養法、液体培養法のいずれをも採用することができる。
培養物からのニトリルヒドラターゼの採取方法は、タンパク質が菌体内又は細胞内に生産される場合には、超音波処理、凍結融解の繰り返し、ホモジナイザー処理、セルラーゼ、ペクチナーゼ等の酵素を用いた細胞溶解処理、超音波破砕処理、磨砕処理等を施して菌体又は細胞を破砕することにより目的のタンパク質採取する。その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から本発明のタンパク質を単離精製することができる。
また、本発明のタンパク質が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から本発明のタンパク質を単離精製することができる。
次に形質転換(導入)体を利用したアミド化合物の製造方法に関して説明する。
上記の培養法で得られた培養物、酵素等は、ニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する際の生体触媒として使用される。変換反応の基質として使用するニトリル化合物としては、生体触媒の基質特異性により適宜選択される。例えば、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochlrous)J−1株由来のニトリルヒドラターゼであれば、好適な基質はアクリロニトリルである。
生体触媒の使用形態、反応様式は、生体触媒の種類等により適宜選択される。例えば、生体触媒の使用形態としては、上記の培養物、精製酵素をそのまま使用しても良いし、それらを適当な担体に保持し固定化酵素として使用することもできる。
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターにFERM BP−1478として寄託されている。
<実施例1> 改良型ニトリルヒドラターゼ遺伝子の取得
(1)染色体DNAの調整
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株を100mlのMYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、1% グルコース、0.2% K2HPO4、0.2% KH2PO4、pH7.0)中、30℃にて72時間振盪培養した。
培養後、集菌し、集菌された菌体をSaline−EDTA溶液(0.1M EDTA、0.15M NaCl(pH8.0))4mlに懸濁した。懸濁液にリゾチーム8mgを加えて37℃で1〜2時間振盪した後、−20℃で凍結した。
次に、10mlのTris−SDS液(1%SDS、0.1M NaCl、0.1M Tris−HCl(pH9.0))を穏やかに振盪しながら加え、さらにプロテイナーゼK(メルク社)(終濃度0.1mg)を加え37℃で1時間振盪した。
次に、等量のTE飽和フェノールを加え撹拌後(TE:10mM Tris−HCl、1mM EDTA(pH8.0))遠心し、上層をとり2倍量のエタノールを加えたのちガラス棒でDNAを巻きとり、90%、80%、70%のエタノールで順次フェノールを取り除いた。
次に、DNAを3mlのTE緩衝液に溶解させ、リボヌクレアーゼA溶液(100℃、15分間の加熱処理済)を10μg/mlになるよう加え37℃で30分間振盪した。さらに、プロテイナーゼKを加え37℃で30分間振盪した後、等量のTE飽和フェノールを加え遠心し上層と下層に分離させた。
上層についてこの操作を2回繰り返した後、同量のクロロホルム(4%イソアミルアルコール含有)を加え同様の抽出操作を繰り返した(以後この操作をフェノール処理と呼ぶ)。その後、上層に2倍量のエタノールを加えガラス棒でDNAを巻きとり回収し、染色体DNA標品を得た。
(2)プラスミドの構築
まず、耐熱性評価のコントロールとして用いるため、通常のPCRにて野生型ニトリルヒドラターゼ遺伝子を増幅した。
以下のような組成のPCR反応液100μlを調製した。
なお、プライマーJH1−02(配列番号5)およびプライマーNH−17(配列番号6)の各々には、制限酵素NcoI切断認識部位および制限酵素HindIII切断認識部位が導入されており、増幅DNA産物を両制限酵素で切断することにより、後述する発現ベクターpTrc99AのNcoI部位−HindIII部位間に容易に挿入することが可能となる。
<反応溶液組成>
鋳型DNA(染色体DNA) 1μl
10× ExTaq Buffer(宝酒造社製) 10μl
プライマーJH1−02 1μl
プライマーNH−17 1μl
5mM dNTP 各々2μl
滅菌水 78μl
ExTaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社製) 1μl
<プライマー>
JH1−02:GGAATGAGGCCATGGATGGTATCC(配列番号3)
NH−17:GCGTAAGCTTCCGCGAGATCAGTATCCACCG(配列番号4)
PCRは、Thrmalcycler personal(宝酒造)を用いて(94℃ 30秒、65℃ 30秒、72℃ 3分)を30サイクル行った。
PCR終了後、反応液5μlを0.7%アガロースゲルにより電気泳動を行って、3kbの増幅断片の検出を行った。反応終了液をGFX column(アマシャムファルマシア)で精製し、制限酵素NcoIとHindIIで切断を行った。制限酵素処理を行ったPCR産物は0.7%アガロースゲルで電気泳動を行い、3kb付近のバンドを回収した。回収したPCR産物はLigation Kit(宝酒造)を用いてベクター(pTrc99AのNcoI−HindII部位)に結合し、JM109へ形質転換を行った。得られた形質転換体コロニーより数クローンをLB−Amp培地1.5mlに接種し、37℃で12時間振盪培養した。培養後、この培養物を遠心分離により集菌した後、Flexi Prep(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いることにより、プラスミドDNAを抽出した。得られたプラスミドDNAを制限酵素NcoIとHindIIIで切断後、0.7%アガロースゲルにより電気泳動を行い、ニトリルヒドラターゼ遺伝子断片(1.6kb)が正しく連結されているクローンを選んでpJH601(図1)と命名した。pJH601はJM109へ形質転換を行った(JM109/pJH601)。
なお、pJH601はFERM P−19175として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託されている。
(2) 変異遺伝子ライブラリーの構築
(1)で得られたプラスミドpJH601を基に、野生型ニトリルヒドラターゼ遺伝子へのランダム変異導入を行った。変異導入は、PCRにおけるヌクレオチドの誤取り込みによる塩基置換を利用した。使用したPCR反応液の組成とプライマーを以下に記す。
<反応液組成>
鋳型DNA(上記工程で調製したpJH601) 1μl
10× PCR Buffer(GIBCO社製) 10μl
50mM MgCl(GIBCO社製) 3μl
プライマーTrc−02 1μl
プライマーTrc−03 1μl
2.5mM dNTP 各々2μl
10mM dITP 2μl
10mM dBraUTP 2μl
滅菌水 71μl
Taq DNAポリメラーゼ(GIBCO社製) 1μl
<プライマー>
TRC−02:GGAATTCGTATAATGTGTGGAATTGTGAGC(配列番号7)
TRC−03:GGCTGAAAATCTTCTCTCATCCGCC(配列番号8)
PCRはThrmalcycler personal(宝酒造)を用いて(94℃ 30秒、65℃ 30秒、72℃ 3分)を30サイクル行った。
PCR終了後、反応液5μlを0.7%アガロースゲルにより電気泳動を行って、3kbの増幅断片の検出を行った。反応終了液をGFX column(アマシャムファルマシア)で精製し、制限酵素NcoIとHindIIIで切断を行った。制限酵素処理を行ったPCR産物は0.7%アガロースゲルで電気泳動し、3Kb付近のバンドを回収した。回収したPCR産物はLigation Kit(宝酒造)を用いてベクター(pTrc99AのNcoI−HindII部位)に結合し、JM109へ形質転換を行った。
(4)耐熱性ニトリルヒドラターゼのスクリーニング及び変異箇所の同定
工程(3)で得られた変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含むJM109形質転換体およびJM109/pHJ601を、LB−Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl含有)を1mlずつ入れた96穴ディープウェルプレートにそれぞれ接種し、37℃にて12時間液体培養した。得られた培養物を、55℃の温度下、30分間の熱処理に供した後、残存ニトリルヒドラターゼ活性の測定を行った。
活性測定は5% アクリロニトリル/50mMリン酸緩衝液pH 7.7を菌液に対して等量加え、30℃で30分反応させた。反応終了後、0.1Mリン酸を反応液と等量加え遠心分離し、その上清を適宜希釈しHPLCに供し、生成したアクリルアミド濃度を分析した(WAKOSIL 5C8(和光純薬)、5mMリン酸を含んだ10%アセトニトリル)。比較対照として熱処理を行わず4℃で保冷したものをそれぞれの相対コントロールとして残活性を求めた。
数千株の形質転換体についてスクリーニングを行った結果、野生株と比較して高い残活性を示す株が16株得られた。また、それら菌株を培養してプラスミドを回収し、塩基配列の決定を行った。塩基配列の決定はBeckmanCEQ−2000XLを使用した。結果を表1に示した。
【表1】
Figure 2004215513
<実施例2> 改良型ニトリルヒドラターゼの性質
実施例1で得られたプラスミドp3をJM109に再形質転換し(JM109/p3)、得られたコロニーをLB培地(アンピシリン、コバルト含有)で37℃、一晩培養した。菌体を遠心分離によって回収し、50mMリン酸緩衝液で2回洗浄し、菌体懸濁液とした。
得られた菌体懸濁液0.5mlを試験管に入れ、50℃〜60℃の各温度の水浴中で5〜20分間保温し、その後氷中で冷却した。
菌体の活性測定は以下の方法で行った。5%アクリロニトリルを含む50mMリン酸緩衝液pH8.0を菌体溶液と等量加え、30℃で30分反応させた。0.1Mリン酸を等量加え反応を停止し、遠心分離によって菌体を除去し、上清をHPLCで分析した。
比較対照としてJM109/pJH601を用いた。残活性は、熱処理を行わず4℃で保冷したもの(無処理区)の初期活性を100%とした相対活性で示した。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004215513
親株では60℃、5分の熱処理で残活性が5%に対し、変異酵素ではほぼ100%の残活性を保持していることから、変異酵素で耐熱性が向上していることが認められた。
<実施例3> ロドコッカス組換え体の作製
実施例1で取得した変異酵素の性質をロドコッカス菌組換え体で確認した。
(1) ロドコッカス菌導入用プラスミドの構築
以下の方法でp3の変異(Eβ93G)を有するロドコッカス菌導入用プラスミドを作製した。変異の導入は部位特異的変異導入法を用い、市販キット:QuikChange XL Site−Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)を使用した。実験は操作マニュアルに従った。変異を導入する鋳型プラスミドとしてpSJ034を使用した。pSJ034はロドコッカス菌においてニトリルヒドラターゼを発現するプラスミドであり、pSJ034はpSJ023より特開平10−337185号公報に示す方法で作製した。pSJ023は形質転換体ATCC12674/pSJ023(FERM P−16108)として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている。
変異を導入するための2種のプライマーを合成した。下線部は変異導入部位を示す。
NHM−F:gatcatcaccgaagaaggcgaaagcaccgtgtgc (配列番号9)
NHM−R:gcacacggtgctttcgccttcttcggtgatgatc (配列番号10)
変異を導入するためのPCRは以下の条件で、GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて95℃ 1分、(95℃ 50秒、60℃ 50秒、68℃ 20分)×18サイクル、68℃ 7分 の反応を行った。
pSJ034(10ng) 2μl
10× 反応Buffer 5μl
プライマーNHM−F(100ng/μl) 1μl
プライマーNHM−R(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
QuickSolution 3μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
PCR終了後、反応液10μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、約11kbの増幅断片の検出を行った。増幅断片を確認した後、1μl のDpnI(キットに付属)をPCR反応液に添加して37℃で1時間反応し、鋳型DNAの除去を行った。
次に、XL−10 ultraconpetent cell(キットに付属)を用いて形質転換を行った。2μlのDpnI処理済みのPCR反応液と45μlのコンピテントセルを混ぜ4℃で30分保温し、42℃で30秒ヒートショックを行った後、0.5mlのNZY+培地(1% NZアミン、0.5% 酵母エキス、0.5% NaCl、12.5mM MgCl2、12.5mM MgSO4、0.4% グルコース、pH7.5)を添加し、さらに37℃で1時間培養した。この培養液250μlをLBプレート(1% NaCl、1% トリプトン、0.5% 酵母エキス、2% 寒天、50mg/Lアンピシリン)にプレーティングし、37℃で1日培養した。
得られたコロニー数個をLB培地(50mg/Lアンピシリン)で培養し、FlexiPrepKit(アマシャムバイオサイエンス)を使用しプラスミドを調製した。最後に、得られたプラスミドの塩基配列の決定を行い、目的の変異が導入されていることを確認した。このようにしてEβ93Gの変異導入プラスミド:p3Rを得た。
(2)変異酵素遺伝子を導入したロドコッカス菌組換え体の取得
ロドコッカス ロドクロウス ATCC 12674 株の対数増殖期の細胞を遠心分離器により集菌し、氷冷した滅菌水にて3回洗浄し、滅菌水に懸濁した。(1)で調製したプラスミド p3R 1μlと菌体懸濁液10μlを混合し、氷冷した。キュベットにDNAと菌体の懸濁液を入れ、遺伝子導入装置 Gene Pulser (BIO RAD)により2.0KV、200 OHMSで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液を氷冷下10分静置し、37℃で10分間ヒートショクを行い、MYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、0.2%K2 HPO4 、0.2% KH2 PO4 )500μl を加え、30℃、5時間静置した後、50μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布し、30℃、3日間培養した。このようにして得られたロドコッカス属細菌組換え体(ATCC 12674/p3R)をMYK培地(50μg/mlカナマイシン含有)10mlに接種し、30℃で72時間前培養した。本培養はMYK培地(50μg/mlカナマイシン含有)100mlで行い、前培養から1%接種し、30℃で96時時間培養した。遠心分離により集菌し、100mMリン酸緩衝液(pH8.0)で菌体を洗浄し、最後に少量の緩衝液に懸濁した。
(3)ロドコッカス菌組換え体の耐熱性確認
得られたロドコッカス菌組換え体を用いて実施例2の方法と同様に耐熱性を調べた。比較対照として野生型ニトリルヒドラターゼを有するATCC12674/pSJ034を用意した。
得られた菌体懸濁液0.5mlを試験管に入れ、65℃、70の各温度の水浴中で10分間保温し、その後氷中で冷却した。残活性は、熱処理を行わず4℃で保冷したもの(無処理区)の初期活性を100%とした相対活性で示した。結果を表3に示す。
このようにATCC12674/pSJ034では70℃、10分の熱処理で残活性が4%に対し、ATCC 12674/p3Rでは46%の残活性を保持していることから、変異酵素で耐熱性が向上していることが認められた。
【表3】
Figure 2004215513
【発明の効果】
本発明により野生型ロドコッカス属ロドクロウスJ−1株由来のニトリルヒドラターゼより耐熱性の向上した改良型ニトリルヒドラターゼの塩基配列およびアミノ酸配列が提供される。さらには、野生型および改変型ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む組換えDNA、該組換えDNAを含む形質転換(導入)体、該形質転換(導入)体を用いたアミド化合物の製造法が提供される。本発明により、効率よくアクリルアミドを製造することが可能となる。
【配列表】
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
Figure 2004215513
【配列表フリーテキスト】
配列番号5:Synthetic DNA
配列番号6:Synthetic DNA
配列番号7:Synthetic DNA
配列番号8:Synthetic DNA
配列番号9:Synthetic DNA
配列番号10:Synthetic DNA
配列番号11:Synthetic DNA
配列番号12:Synthetic DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpJH601の制限酵素地図である。
【図2】プラスミドp3Rの制限酵素地図である。

Claims (58)

  1. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、24番目のフェニルアラニン残基、89番目のイソロイシン残基、92番目のグルタミン酸残基、93番目のグルタミン酸残基、96番目のヒスチジン残基、103番目のグルタミン酸残基、167番目のアスパラギン残基、及び225番目のチロシン残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒダラターゼ活性を有するタンパク質。
  2. 配列番号2記載のアミノ酸配列において、42番目のアスパラギン残基、80番目のアラニン残基、118番目のアラニン残基、及び132番目のアスパラギン酸残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒダラターゼ活性を有するタンパク質。
  3. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、少なくとも24番目のフェニルアラニン残基がロイシンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  4. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、少なくとも89番目のイソロイシン残基がフェニルアラニンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  5. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、92番目のグルタミン酸残基がリジンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  6. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、93番目のグルタミン酸残基がグリシンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  7. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、96番目のヒスチジン残基がアルギニンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  8. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、103番目のグルタミン酸残基がアスパラギン酸に置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  9. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、167番目のアスパラギン残基がセリンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  10. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、225番目のチロシン残基がヒスチジンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  11. 配列番号2記載のアミノ酸配列において、42番目のアスパラギン残基がアスパラギン酸に置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  12. 配列番号2記載のアミノ酸配列において、80番目のアラニン残基がトレオニンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  13. 配列番号2記載のアミノ酸配列において、118番目のアラニン残基がバリンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  14. 配列番号2記載のアミノ酸配列において、132番目のアスパラギン酸残基がアスパラギンに置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  15. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、93番目のグルタミン酸残基がグリシンに、103番目のグルタミン酸残基がアスパラギン酸にそれぞれ置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  16. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、93番目のグルタミン酸残基がグリシンに、配列番号2記載のアミノ酸配列において、132番目のアスパラギン酸残基がアスパラギンにそれぞれ置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  17. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、96番目のヒスチジン残基がアルギニンに、配列番号2記載のアミノ酸配列において、42番目のアスパラギン残基がアスパラギン酸にそれぞれ置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  18. 配列番号1記載のアミノ酸配列において、92番目のグルタミン酸残基がリジンに、配列番号2記載のアミノ酸配列において、80番目のアラニン残基がトレオニンにそれぞれ置換されたアミノ酸配列を含み、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載のタンパク質をコードする遺伝子DNA。
  20. 配列番号3記載の塩基配列において、70〜73番目、265〜267番目、274〜276番目、277〜279番目、286〜288番目、307〜309番目、499〜501番目、673〜675番目、及び688〜690番目の塩基のうち少なくとも1つの塩基が他の異なる塩基に置換されたことを特徴とするニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
  21. 配列番号4記載の塩基配列において、124〜126番目、238〜240番目、352〜354番目、及び394〜396番目の塩基のうち少なくとも1つの塩基が他の異なる塩基に置換されたことを特徴とするニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
  22. 配列番号3記載の塩基配列において、70〜73番目の塩基TTCがCTN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  23. 配列番号3記載の塩基配列において、70番目の塩基チミンがシトシンに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  24. 配列番号3記載の塩基配列において、265〜268番目の塩基ATCがTTC又はTTTに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  25. 配列番号3記載の塩基配列において、265番目の塩基アデニンがチミンに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  26. 配列番号3記載の塩基配列において、274〜276番目の塩基GAAがAAA、又はAAGに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  27. 配列番号3記載の塩基配列において、274番目の塩基グアニンがアデニンに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  28. 配列番号3記載の塩基配列において、277〜279番目の塩基GAAがGGN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  29. 配列番号3記載の塩基配列において、278番目の塩基アデニンがグアニンに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  30. 配列番号3記載の塩基配列において、286〜288番目の塩基CACがCGN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  31. 配列番号3記載の塩基配列において、287番目の塩基アデニンがグアニンに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  32. 配列番号3記載の塩基配列において、307〜309番目の塩基GAGがGAC又はGATに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  33. 配列番号3記載の塩基配列において、309番目の塩基グアニンがチミンに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  34. 配列番号3記載の塩基配列において、499〜501番目の塩基AACがAGC又はAGTに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  35. 配列番号3記載の塩基配列において、500番目の塩基アデニンがグアニンに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  36. 配列番号3記載の塩基配列において、673〜675番目の塩基TACがCAC又はCATに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  37. 配列番号3記載の塩基配列において、673番目の塩基チミンがシトシンに置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  38. 配列番号4記載の塩基配列において、124〜126番目の塩基AACがGAC又はGATに置換された請求項21記載の遺伝子DNA。
  39. 配列番号4記載の塩基配列において、124番目の塩基アデニンがグアニンに置換された請求項21記載の遺伝子DNA。
  40. 配列番号4記載の塩基配列において、238〜240番目の塩基GCCがACN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された請求項21記載の遺伝子DNA。
  41. 配列番号4記載の塩基配列において、238番目の塩基グアニンがアデニンに置換された請求項21記載の遺伝子DNA。
  42. 配列番号4記載の塩基配列において、352〜354番目の塩基GCCがGTN(NはA、G、C又はTを表す)に置換された請求項21記載の遺伝子DNA。
  43. 配列番号4記載の塩基配列において、353番目の塩基シトシンがチミンに置換された請求項21記載の遺伝子DNA。
  44. 配列番号4記載の塩基配列において、394〜396番目の塩基GACがAAC又はAATに置換された請求項21記載の遺伝子DNA。
  45. 配列番号4記載の塩基配列において、394番目の塩基グアニンがアデニンに置換された請求項21記載の遺伝子DNA。
  46. 配列番号3記載の塩基配列において、277〜279番目の塩基GAGがGGN(NはA、G、C又はTを表す)に、307〜309番目の塩基GAGがGAT又はGACにそれぞれ置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  47. 配列番号3記載の塩基配列において、278番目の塩基アデニンがグアニンに、309番目の塩基グアニンがチミンにそれぞれ置換された請求項20記載の遺伝子DNA。
  48. 配列番号3記載の塩基配列において、277〜279番目の塩基GAGがGGN(NはA、G、C又はTを表す)に、配列番号4記載の塩基配列において、394〜396番目の塩基GACがAAC又はAATにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
  49. 配列番号3記載の塩基配列において、278番目の塩基アデニンがグアニンに、配列番号4記載の塩基配列において、394番目の塩基グアニンがアデニンにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
  50. 配列番号3記載の塩基配列において、286〜288番目の塩基CACがCGN(NはA、G、C又はTを表す。) に、配列番号4記載の塩基配列において、124〜126番目の塩基AACがGAC又はGATにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
  51. 配列番号3記載の塩基配列において、287番目の塩基アデニンがグアニンに、配列番号4記載の塩基配列において、124番目の塩基アデニンがグアニンにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
  52. 配列番号3記載の塩基配列において、274〜276番目の塩基GAAがAAA又はAAG に、配列番号4記載の塩基配列において、124〜126番目の塩基AACがGAC又はGATにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
  53. 配列番号3記載の塩基配列において、274番目の塩基グアニンがグアデニンに、配列番号4記載の塩基配列において、124番目の塩基アデニンがグアニンにそれぞれ置換されたニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA。
  54. 請求項20〜53記載のいずれかに記載の遺伝子DNAをベクターDNAに挿入した組換えDNA。
  55. 請求項54記載の組換えDNAを含む形質転換体又は形質導入体。
  56. 請求項55記載の形質転換体又は形質導入体を培養し、得られる培養物から採取されたニトリルヒドラターゼ。
  57. 請求項55記載の形質転換体又は形質導入体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とするニトリルヒドラターゼの製造方法。
  58. 請求項55記載の形質転換体を培養して得られる培養物又は該処理物をニトリル化合物に接触させ、アミド化合物に採取することを含むアミド化合物の製造方法。
JP2003003455A 2003-01-09 2003-01-09 改良型ニトリルヒドラターゼ Pending JP2004215513A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003003455A JP2004215513A (ja) 2003-01-09 2003-01-09 改良型ニトリルヒドラターゼ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003003455A JP2004215513A (ja) 2003-01-09 2003-01-09 改良型ニトリルヒドラターゼ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004215513A true JP2004215513A (ja) 2004-08-05

Family

ID=32894715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003003455A Pending JP2004215513A (ja) 2003-01-09 2003-01-09 改良型ニトリルヒドラターゼ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004215513A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005116206A1 (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP2007043910A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP2007143409A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP2008061517A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Daiyanitorikkusu Kk 微生物触媒の培養法
JP2008253182A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP2010172295A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd 改良型ニトリルヒドラターゼ及びその製造方法
WO2012164933A1 (ja) * 2011-05-31 2012-12-06 ダイヤニトリックス株式会社 改良型ニトリルヒドラターゼ
CN109593750A (zh) * 2019-01-16 2019-04-09 江南大学 一种腈水合酶突变体、含该突变体的基因工程菌及其应用

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005116206A1 (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 改良型ニトリルヒドラターゼ
US7645605B2 (en) 2004-05-26 2010-01-12 Mitsubishi Rayon Co., Ltd Heat-resistant nitrile hydratase
US7803578B2 (en) 2004-05-26 2010-09-28 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Heat-resistant nitrile hydratase
JP2007043910A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP2007143409A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP2008061517A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Daiyanitorikkusu Kk 微生物触媒の培養法
JP2008253182A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP2010172295A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd 改良型ニトリルヒドラターゼ及びその製造方法
WO2012164933A1 (ja) * 2011-05-31 2012-12-06 ダイヤニトリックス株式会社 改良型ニトリルヒドラターゼ
US9382528B2 (en) 2011-05-31 2016-07-05 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Nitrile hydratase
US9388403B2 (en) 2011-05-31 2016-07-12 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Nitrile hydratase
CN109593750A (zh) * 2019-01-16 2019-04-09 江南大学 一种腈水合酶突变体、含该突变体的基因工程菌及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4922757B2 (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP4916709B2 (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP5069032B2 (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP5929910B2 (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP5915649B2 (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP4916685B2 (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP6741093B2 (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP5532618B2 (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ及びその製造方法
JP2004215513A (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
JP2008228628A (ja) ニトリルヒドラターゼの製造方法
JP2004222538A (ja) 改良型ニトリルヒドラターゼ
US9212356B2 (en) Modified ethylenediamine-N,N′-disuccinate:ethylenediamine lyase
JP4253195B2 (ja) 改変型エチレンジアミン−n,n’−ジコハク酸:エチレンジアミンリアーゼ
JP6156442B2 (ja) ニトリルヒドラターゼ遺伝子を置換した微生物
JP2010022334A (ja) 立体選択性を有するニトリルヒドラターゼ遺伝子
JP2005328787A (ja) ニトリルヒドラターゼ活性を有する新規な微生物、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子及びアミド化合物の製造方法
JP2011217665A (ja) ニトリルヒドラターゼ遺伝子を置換した微生物