JP2007143409A - 改良型ニトリルヒドラターゼ - Google Patents
改良型ニトリルヒドラターゼ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007143409A JP2007143409A JP2005338125A JP2005338125A JP2007143409A JP 2007143409 A JP2007143409 A JP 2007143409A JP 2005338125 A JP2005338125 A JP 2005338125A JP 2005338125 A JP2005338125 A JP 2005338125A JP 2007143409 A JP2007143409 A JP 2007143409A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amino acid
- acid sequence
- residue
- residues
- nitrile hydratase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Abstract
【解決手段】以下の(A)又は(B)のタンパク質。
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において特定のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(B) 上記(A)のタンパク質のアミノ酸配列において、上記特定のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
【選択図】なし
Description
ニトリルヒドラターゼを生産する微生物としては、例えば、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレビシエラ(Klebsiella)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属等に属する微生物を挙げることができる。中でもロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J1株はアクリルアミドの工業的生産に使用されており、有用性が実証されている。また、その菌株が産生するニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子も明らかとなっている(特許文献1参照)。さらに耐熱性の向上した酵素の取得は、反応時の酵素量の削減及びコスト削減等の観点から開発が望まれていた。
一方、自然界に存在する微生物から単離したニトリルヒドラターゼやその遺伝子を利用するのみならず、ニトリルヒドラターゼに対して、活性、基質特異性、Vmax、Km、熱安定性、基質に対する安定性、生成物に対する安定性等を変化させる目的でニトリルヒドラターゼに変異を導入することが試みられている(特許文献2及び3参照)。
しかしながら、野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列中の特定のアミノ酸残基に変異を導入することで、耐熱性又はアミド化合物耐性を向上させた具体的な例は少なく、さらには、耐熱性及びアミド化合物耐性を共に向上させた例は知られていない。これら、耐熱性及び/又はアミド化合物耐性の向上したニトリルヒドラターゼを開発し、アミド化合物の製造に用いることは、触媒コスト等の生産コストの観点などから非常に有用である。
(1) 以下の(A)又は(B)のタンパク質。
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)〜(i)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より44残基上流のアミノ酸残基
(b)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より42残基上流のアミノ酸残基
(c)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より26残基上流のアミノ酸残基
(d)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より10残基上流のアミノ酸残基
(e)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より41残基下流のアミノ酸残基
(f)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より43残基下流のアミノ酸残基
(g)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて3残基上流のアミノ酸残基
(h)上記C末端のアミノ酸残基から数えて118残基上流のアミノ酸残基
(i)上記C末端のアミノ酸残基から数えて173残基上流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)及び(b)のアミノ酸残基と下記(c)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基とが他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(b)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
(c)上記C末端のアミノ酸残基から数えて3残基上流のアミノ酸残基
(d)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より10残基上流のアミノ酸残基
(e)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より41残基下流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)及び(b)のアミノ酸残基と下記(c)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基とが他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(b)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
(c)上記C末端のアミノ酸残基から数えて118残基上流のアミノ酸残基
(d)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より44残基上流のアミノ酸残基
(e)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より42残基上流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)及び(b)のアミノ酸残基と下記(c)及び/又は(d)のアミノ酸残基とが他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(b)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
(c)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より26残基上流のアミノ酸残基
(d)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より43残基下流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)、(b)及び(c)のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(b)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
(c)上記C末端のアミノ酸残基から数えて173残基上流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(7) 上記(6)に記載の遺伝子DNAを含む組換えベクター。
(8) 上記(7)に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
(9) 上記(8)に記載の形質転換体を培養して得られる培養物から採取されるニトリルヒドラターゼ。
(10) 上記(8)に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とする、ニトリルヒドラターゼの製造方法。
(11) 上記(8)に記載の形質転換体を培養して得られる培養物又は当該培養物の処理物をニトリル化合物に接触させ、当該接触により生成されるアミド化合物を採取することを特徴とする、アミド化合物の製造方法。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載のタンパク質をコードする遺伝子DNA。
(7) 上記(6)に記載の遺伝子DNAを含む組換えベクター。
(8) 上記(7)に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
(9) 上記(8)に記載の形質転換体を培養して得られる培養物から採取されるニトリルヒドラターゼ。
(10) 上記(8)に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とする、ニトリルヒドラターゼの製造方法。
(11) 上記(8)に記載の形質転換体を培養して得られる培養物又は当該培養物の処理物をニトリル化合物に接触させ、当該接触により生成されるアミド化合物を採取することを特徴とする、アミド化合物の製造方法。
本発明によれば、さらに、上記改良型ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA、当該遺伝子DNAを含む組換えベクター、当該組換えベクターを含む形質転換体、当該形質転換体の培養物から採取されるニトリルヒドラターゼ及びその製造、並びに当該培養物又は当該培養物の処理物を用いたアミド化合物の製造方法を提供することができる。
1.改良型ニトリルヒドラターゼ
(a)野生型ニトリルヒドラターゼ
本発明の改良型ニトリルヒドラターゼは、野生型ニトリルヒドラターゼの改良型(変異型)であり、その由来は特に限定されるものではない。ここで、「野生型ニトリルヒドラターゼ」とは、自然界の生物(例えば、土壌細菌等の微生物)より分離され得るニトリルヒドラターゼを指し、当該酵素を構成するアミノ酸配列、及び当該酵素をコードする遺伝子の塩基配列が、人為的に欠失、挿入若しくは他のアミノ酸あるいは塩基で置換されておらず、天然由来の特性を保持したままのニトリルヒドラターゼを意味する。既知の微生物由来のニトリルヒドラターゼのみならず、未知の生物由来のニトリルヒドラターゼをも含む。
鉄型ニトリルヒドラターゼとしては、ロドコッカス属N-771株由来のものをその代表例として挙げることができる。この鉄型ニトリルヒドラターゼは、X線結晶構造解析がなされ、その立体構造が明らかになっている。その結果、当該酵素は、活性中心を形成するαサブユニットのシステインクラスター(Cys-Ser-Leu-Cys-Ser-Cys(配列番号32))中の4つのアミノ酸残基を介して非へム鉄と結合している。
コバルト型ニトリルヒドラターゼとしては、ロドコッカス・ロドクロウスJ1株(以下「J1菌」と称する場合がある)由来のもの、又はシュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)由来のものを代表例として挙げることができる。J1菌由来のコバルト型ニトリルヒドラターゼは、活性中心を形成するαサブユニットのシステインクラスター(Cys-Thr-Leu-Cys-Ser-Cys(配列番号33))で示される領域を介してコバルト原子と結合している。なお、シュードノカルディア・サーモフィラ由来のコバルト型ニトリルヒドラターゼのシステインクラスターは、上記J1菌由来のシステインクラスターにおける上流側(N末端側)から第4番目のシステイン(Cys)がシステインスルフィン酸(Csi)であり、最も下流側(C末端側)の第6番目のシステイン(Cys)がシステインスルフェン酸(Cse)である。
本発明は、野生型ニトリルヒドラターゼにアミノ酸置換を施した改良型(変異型)ニトリルヒドラターゼである。置換を施す対象となる野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列はGenBank(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)等のNCBIのデータベースに公表されている。
例えば、ロドコッカス・ロドクロウスJ1(FERM BP-1478)由来のαサブユニット(配列番号2、4)のアクセッション番号(Accession No.)は「P21219」であり、βサブユニット(配列番号1、3)のアクセッション番号は「P21220」である。また、ロドコッカス・ロドクロウスM8(SU1731814) 由来のαサブユニットのアクセッション番号は「ATT79340」であり、βサブユニットのアクセッション番号は「AAT79339」である。さらに、シュードモナス・サーモフィラ(Pseudomonas thermophila)JCM3095由来のαサブユニットのアクセッション番号は「1IRE A」であり、βサブユニットのアクセッション番号は「1IREB」である。
また、特定のアミノ酸残基が置換されたアミノ酸配列において、1個又は数個(例えば1個〜10個程度、好ましくは1個〜5個程度)のアミノ酸残基(但し、上記置換後のアミノ酸残基を除く。)が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有する改良型ニトリルヒドラターゼも本発明の範囲である。
(a)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側(N末端側)のC残基より(当該C残基を含めずに数えて)44残基上流(N末端側)のアミノ酸残基
(b)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より42残基上流のアミノ酸残基
(c)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より26残基上流のアミノ酸残基
(d)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より10残基上流のアミノ酸残基
(e)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側(C末端側)のC残基より(当該C残基を含めずに数えて)41残基下流(C末端側)のアミノ酸残基
(f)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より43残基下流のアミノ酸残基
(g)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて(当該C末端のアミノ酸残基を含めて数えて)3残基上流(N末端側)のアミノ酸残基
(h)上記C末端のアミノ酸残基から数えて118残基上流のアミノ酸残基
(i)上記C末端のアミノ酸残基から数えて173残基上流のアミノ酸残基
(j)上記C末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(k)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
・上記(a)〜(i)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基
・上記(j)及び(k)のアミノ酸残基と、上記(g)、(d)及び(e)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基
・上記(j)及び(k)のアミノ酸残基と、上記(h)、(a)及び(b)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基
・上記(j)及び(k)のアミノ酸残基と、上記(c)及び(f)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(i)のアミノ酸残基
・上記(a)のアミノ酸残基
・上記(b)のアミノ酸残基
・上記(c)のアミノ酸残基
・上記(d)のアミノ酸残基
・上記(e)のアミノ酸残基
・上記(f)のアミノ酸残基
・上記(g)のアミノ酸残基
・上記(h)のアミノ酸残基
・上記(i)のアミノ酸残基
・上記(f)及び(h)のアミノ酸残基
・上記(f)及び(i)のアミノ酸残基
・上記(h)及び(i)のアミノ酸残基
・上記(f)、(h)及び(i)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(d)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(e)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(g)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(d)及び(e)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(e)及び(g)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(d)及び(g)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(d)、(e)及び(g)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(a)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(b)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(h)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(a)及び(b)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(b)及び(h)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(a)及び(h)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(a)、(b)及び(h)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(c)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(f)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)、(c)及び(f)のアミノ酸残基
・上記(j)、(k)及び(i)のアミノ酸残基
当該ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列におけるC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基(アスパラギン)、及び上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基(バリン)が他のアミノ酸(例えばセリンなど)に置換されるとともに、
当該ニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列における補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より26残基上流のアミノ酸残基(セリン)、及び/又は上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より43残基下流のアミノ酸残基(グルタミン酸)が他のアミノ酸(例えばリジンやアラニン等)に置換された
アミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素タンパク質が好ましく挙げられる。このようなアミノ酸置換の態様の表記例としては、「Nβ←63S,Vβ←11A,Sα↑26A、Eα43↓K」等が挙げられる。また、上記一例としての改良型ニトリルヒドラターゼは、J1菌由来の野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列においてN末端側から第167番目のアミノ酸残基(アスパラギン)、及びβサブユニットのアミノ酸配列においてN末端側から第219番目のアミノ酸(バリン)が他のアミノ酸に置換されるとともに、αサブユニットのアミノ酸配列においてN末端側から第76番目のアミノ酸残基(セリン)、及び/又はαサブユニットのアミノ酸配列においてN末端側から第150番目のアミノ酸残基(グルタミン酸)が他のアミノ酸に置換され、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素タンパク質である、と言うこともできる。
なお、アミノ酸のアルファベット表記は通常の1文字で表すことができ、置換箇所までのアミノ酸残基数を表す数字(例えば「26」)の左側に表示したアルファベットは、置換前のアミノ酸の1文字表記を示し、右側に表示したアルファベットは置換後のアミノ酸の1文字表記を示している。
1.Vα↑44A
2.Pα↑42L
3.Sα↑26A
4.Nα↑10H
5.Eα↓41G
6.Eα↓43K
7.Sβ←3T
8.Iβ←118T
9.Sβ←173K
10.Iβ←118T,Eα↓43K
11.Iβ←118T,Sβ←173K
12.Eα↓43K,Sβ←173K
13.Iβ←118T,Eα↓43K,Sβ←173K
14.Nβ←63S,Vβ←11A,Nα↑10H
15.Nβ←63S,Vβ←11A,Eα↓41G
16.Nβ←63S,Vβ←11A,Sβ←3T
17.Nβ←63S,Vβ←11A,Nα↑10H,Eα↓41G
18.Nβ←63S,Vβ←11A,Eα↓41G,Sβ←3T
19.Nβ←63S,Vβ←11A,Nα↑10H,Sβ←3T
20.Nβ←63S,Vβ←11A,Nα↑10H,Eα↓41G,Sβ←3T
21.Nβ←63S,Vβ←11A,Vα↑44A
22.Nβ←63S,Vβ←11A,Pα↑42L
23.Nβ←63S,Vβ←11A,Iβ←118T
24.Nβ←63S,Vβ←11A,Vα↑44A,Pα↑42L
25.Nβ←63S,Vβ←11A,Pα↑42L,Iβ←118T
26.Nβ←63S,Vβ←11A,Pα↑42L,Iβ←118T
27.Nβ←63S,Vβ←11A,Vα↑44A,Pα↑42L,Iβ←118T
28.Nβ←63S,Vβ←11A,Sα↑26A
29.Nβ←63S,Vβ←11A,Eα↓43K
30.Nβ←63S,Vβ←11A,Sα↑26A,Eα↓43K
31.Nβ←63S,Vβ←11A,Sβ←173K
これらの中でも、上記19、23、27、28、30、及び31の態様でアミノ酸置換が施された改良型ニトリルヒドラターゼがさらに好ましく、上記27、30、及び31の態様でアミノ酸置換が施された改良型ニトリルヒドラターゼが特に好ましい。
Vα↑44A:塩基配列TGCACTCTGTGTTCGTGC(配列番号4における304〜321番目)の先頭のTより、130〜132塩基上流(5'末端側)に位置するコドン「GTG」をGCA、GCC、GCG又はGCTに置換させる。特に、131塩基上流に位置するTをCに置換させること(GTG→GCG)が好ましい。
Pα↑42L:塩基配列TGCACTCTGTGTTCGTGC(配列番号4における304〜321番目)の先頭のTより、124〜126塩基上流に位置するコドン「CCT」をCTA、CTC、CTG,CTT、TTA又はTTGに置換させる。特に、125塩基上流に位置するCをTに置換させること(CCT→CTT)が好ましい。
Sα↑26A:塩基配列TGCACTCTGTGTTCGTGC(配列番号4における304〜321番目)の先頭のTより、76〜78塩基上流に位置するコドン「TCA」をGCA、GCC、GCG又はGCTに置換させる。特に、78塩基上流に位置するTをGに置換させること(TCA→GCA)が好ましい。
Eα↓41G:塩基配列TGCACTCTGTGTTCGTGC(配列番号4における304〜321番目)の最後のCより、121〜123塩基下流(3'末端側)に位置するコドン「GAG」を、GGA、GGC、GGG又はGGTに置換させる。特に、122塩基下流に位置するAをGに置換させること(GAG→GGG)が好ましい。
Eα↓43K:塩基配列TGCACTCTGTGTTCGTGC(配列番号4における304〜321番目)の最後のCより、127〜129塩基下流に位置するコドン「GAG」を、AAA又はAAGに置換させる。特に、127塩基下流に位置するGをAに置換させること(GAG→AAG)が好ましい。
Iβ←118T:塩基配列GCG(配列番号3における685〜687番目(配列番号1のアミノ酸配列のC末端アミノ酸残基のコドン))の先頭のGより、349〜351塩基上流に位置するコドン「TCG」をACA、ACC、ACG又はACTに置換させる。特に、351塩基上流に位置するTをAに置換させること(TCG→ACG)が好ましい。
Sβ←173K:塩基配列GCG(配列番号3における685〜687番目(配列番号1のアミノ酸配列のC末端アミノ酸残基のコドン))の先頭のGより、514〜516塩基上流に位置するコドン「TCG」をAAA又はAAGに置換させる。特に、516塩基上流に位置するTをAに置換させ、515塩基上流に位置するCをAに置換させること(TCG→AAG)が好ましい。
Vβ←11A:塩基配列GCG(配列番号3における685〜687番目(配列番号1のアミノ酸配列のC末端アミノ酸残基のコドン))の先頭のGより、28〜30塩基上流に位置するコドン「GTC」をGCA、GCC、GCG又はGCTに置換させる。特に、29塩基上流に位置するTをCに置換させること(GTC→GCC)が好ましい。
ここで、「ニトリルヒドラターゼ活性」とは、ニトリル化合物を、対応するアミド化合物に変換する水和反応(RCN+H2O→RCONH2)を触媒する酵素である。活性測定は、基質であるニトリル化合物をニトリルヒドラターゼと接触させ、対応するアミド化合物に変換した後、当該アミド化合物を定量することにより算出することができる。基質としては、ニトリルヒドラターゼが反応すればいかなるニトリル化合物でも使用できるが、アクリロニトリルが好ましい。反応条件としては、基質濃度は2.5%、反応温度は10℃から30℃、反応時間は10分から30分の範囲で行う。酵素反応はリン酸を添加して停止させる。その後、HPLCにより、生成したアクリルアミドを分析することでアミド化合物の定量を行うことができる。
R−CONH2 (1)
(ここで、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基、置換されていてもよい炭素数3〜18のシクロアルキル基又はアリール基、あるいは、置換されていてもよい飽和又は不飽和複素環基である。)
で表されるアミド化合物が挙げられる。特に、式中、Rが「CH2=CH−」であるアクリルアミドが好ましい。
変異体を用いたタンパク質の機能、性質を研究する方法の一つに、ランダム変異導入法がある。ランダム変異導入法とは、特定のタンパク質をコードする遺伝子に対してランダムな変異を導入し、変異体を作製する方法である。PCRによるランダム変異導入法では、DNA増幅時に厳密度の低い条件を設定して、塩基の変異を導入する(Error prone PCR)ことができる。このError prone PCRでは、増幅されるDNAの全域に対して任意の部位に変異が導入される。そうすると、得られた任意の部位に変異が導入された変異体の機能を検討することによって、タンパク質固有の機能に重要なアミノ酸やドメインの情報を得ることができる。
当該変異は、野生型ニトリルヒドラターゼ遺伝子へのError prone PCRによるランダム変異の導入によって得ることができる。本発明は、Error prone PCR法により得られる改良型ニトリルヒドラターゼであって、宿主において野生型ニトリルヒドラターゼよりも耐熱性及び/又はアミド化合物耐性が向上しており、ニトリルヒドラターゼ活性の高いものをも含む。
Error prone PCRの鋳型となるニトリルヒドラターゼは、野生株由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子、Error prone PCRによる増幅産物であるDNAを用いることができる。
Error prone PCRの反応条件としては、例えば、反応液中のdNTP(dGTP、dCTP、dATP又はdTTP)のいずれか1種、2種又は3種の配合割合を他のdNTPに比べて減らした組成とする条件が挙げられる。これにより、DNA合成の際、配合割合を減らしたdNTPが必要な箇所においては、誤って他のdNTPが用いられる可能性が高くなり、変異が導入される。また、他の反応条件としては、反応液中のMgCl2及び/又はMnCl2量を増やした組成とする条件も好ましく挙げられる。
本発明の改良型ニトリルヒドラターゼには、例えば、配列番号3及び4の塩基配列で表される野生型であるロドコッカス・ロドクロウスJ1株由来の遺伝子に、βサブユニットのアミノ酸配列においてC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸置換、及び上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸置換に相当する変異を導入するとともに、αサブユニットの補欠分子結合領域を構成するC(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より26残基上流のアミノ酸置換、及び/又は上記C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より43残基下流のアミノ酸置換に相当する変異を導入した遺伝子によりコードされるものも含まれる。
このような改良型ニトリルヒドラターゼをコードするDNAは、野生型ニトリルヒドラターゼ遺伝子を基に、Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons (1987-1997)等に記載の部位特異的変位誘発法に従って調製することができる。DNAに変異を導入するには、Kunkel法や Gapped duplex法等の公知手法により、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット、例えばQuickChangeTM Site-Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社製)、GeneTailorTM Site-Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社製)、TaKaRa Site-Directed Mutagenesis System(Mutan-K、Mutan-Super Express Km等:タカラバイオ社製)等を用いて行うことができる。
このような改良型ニトリルヒドラターゼ遺伝子は、当該遺伝子配列若しくはその相補配列、又はこれらの断片をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーション、プラークハイブリダイゼーション、サザンブロット等の公知のハイブリダイゼーション法により、cDNAライブラリー及びゲノムライブラリーから得ることができる。ライブラリーは、公知の方法で作製されたものを利用することが可能であり、市販のcDNAライブラリー及びゲノムライブラリーを利用することも可能である。
「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄時の条件であって塩濃度が300〜2000mM、温度が40〜75℃、好ましくは塩濃度が600〜900mM、温度が65℃の条件を意味する。例えば、2×SSCで50℃等の条件を挙げることができる。当業者であれば、このようなバッファーの塩濃度、温度等の条件に加えて、その他のプローブ濃度、プローブの長さ、反応時間等の諸条件を加味し、本発明のニトリルヒドラターゼをコードするDNAを得るための条件を適宜設定することができる。
ハイブリダイゼーション法の詳細な手順については、Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed. (Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))等を参照することができる。ハイブリダイズするDNAとしては、本発明の遺伝子DNAに対して少なくとも40%以上、好ましくは60%、さらに好ましくは90%以上の同一性を有する塩基配列を含むDNA又はその部分断片が挙げられる。
野性型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列のうちの特定のアミノ酸残基を置換するアミノ酸(置換後のアミノ酸)の種類は、いずれも、置換後のアミノ酸を含むポリペプチド(タンパク質)がニトリルヒドラターゼ活性を有する範囲で適宜選択することができ、限定はされない。
ニトリルヒドラターゼ遺伝子は、形質転換される宿主生物において発現可能なように、ベクターに組み込むことが必要である。例えば、ベクターとしてはプラスミドDNA、バクテリオファージDNA、レトロトランスポゾンDNA、人工染色体DNAなどが挙げられる。
また、本発明において使用し得る宿主は、上記組換えベクターが導入された後、目的のニトリルヒドラターゼを発現することができる限り特に限定されるものではない。例えば、大腸菌及び枯草菌等の細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等を用いることができる。大腸菌を宿主とする場合、発現効率の高い発現ベクター、例えばtrcプロモーターを有する発現ベクターpkk233-2(アマシャムバイオサイエンス社製)又はpTrc99A(アマシャムバイオサイエンス社製)などを用いることが好ましい。
ベクターには、ニトリルヒドラターゼ遺伝子のほか、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)等を連結することができる。なお、選択マーカーとしては、例えばカナマイシン耐性遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。
細菌への組換えベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)等が用いられる。酵母への組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。
動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞COS-7、Vero、CHO細胞、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞等が用いられる。動物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞、Sf21細胞等が用いられる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法等が用いられる。
植物細胞を宿主とする場合は、タバコBY-2細胞等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。植物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばアグロバクテリウム法、パーティクルガン法、PEG法、エレクトロポレーション法等が用いられる。
本発明において、改良型ニトリルヒドラターゼは、上記形質転換体を培養し、得られる培養物から採取することにより製造することができる。
本発明は当該培養物から改良型ニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とする、改良型ニトリルヒドラターゼの製造方法をも含む。
本発明において、「培養物」とは、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。目的の改良型ニトリルヒドラターゼは、上記培養物中に蓄積される。
本発明の形質転換体を培養する培地は、宿主菌が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、ガラクトース、フラクトース、スクロース、ラフィノース及びデンプン等の炭水化物、酢酸及びプロピオン酸等の有機酸、エタノール及びプロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム及びリン酸アンモニウム等の無機酸、若しくは有機酸のアンモニウム塩、又はその他の含窒素化合物が挙げられる。その他、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカー、各種アミノ酸等を用いてもよい。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、必要に応じ、培養中の発泡を防ぐために消泡剤を添加してもよい。さらに、培地にはニトリルヒドラターゼの補欠分子であるコバルトイオンや鉄イオンを添加し、酵素の誘導剤となるニトリル類やアミド類を添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)で誘導可能なプロモーターを有する発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養するときには、IPTG等を培地に添加することができる。また、インドール酢酸(IAA)で誘導可能なtrpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した形質転換体を培養するときには、IAA等を培地に添加することができる。
上記培養条件で培養すると、高収率で本発明の改良型ニトリルヒドラターゼを上記培養物中、すなわち、培養上清、培養細胞、培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物の少なくともいずれかに蓄積することができる。
また、改良型ニトリルヒドラターゼが菌体内又は細胞内に生産される場合、菌体や細胞そのものを遠心分離、膜分離等で回収して、未破砕のまま使用することも可能である。
改良型ニトリルヒドラターゼが菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離やろ過等により菌体又は細胞を除去する。その後、必要に応じて硫安沈澱による抽出等により前記培養物中から改良型ニトリルヒドラターゼを採取し、さらに必要に応じて透析、各種クロマトグラフィー(ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等)を用いて単離精製することもできる。
また、本発明においては、生細胞を全く使用することなく、無細胞タンパク質合成系を採用して改良型ニトリルヒドラターゼを産生することが可能である。
無細胞タンパク質合成系とは、細胞抽出液を用いて試験管等の人工容器内でタンパク質を合成する系である。なお、本発明において使用される無細胞タンパク質合成系には、DNAを鋳型としてRNAを合成する無細胞転写系も含まれる。
この場合、上記の宿主に対応する生物は、下記の細胞抽出液の由来する生物に相当する。ここで、上記細胞抽出液は、真核細胞由来又は原核細胞由来の抽出液、例えば、小麦胚芽、大腸菌などの抽出液を使用することができる。なお、これらの細胞抽出液は濃縮されたものであっても濃縮されていないものであってもよい。
細胞抽出液は、例えば限外濾過、透析、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿等によって得ることができる。さらに本発明において、無細胞タンパク質合成は、市販のキットを用いて行うこともできる。そのようなキットとしては、例えば試薬キットPROTEIOSTM(東洋紡)、TNTTMSystem(プロメガ)、合成装置のPG-MateTM(東洋紡)、RTS(ロシュ・ダイアグノスティクス)などが挙げられる。
上記のように無細胞タンパク質合成によって得られる改良型ニトリルヒドラターゼは、前述のように適宜クロマトグラフィーを選択して、精製することができる。
上述のように製造された改良型ニトリルヒドラターゼは、酵素触媒として物質生産に利用することができる。例えば、ニトリル化合物に、上記改良型ニトリルヒドラターゼを接触させることにより、アミド化合物を製造することができる。
酵素触媒としては、前述のように適当な宿主内で改良型ニトリルヒドラターゼ遺伝子が発現するように遺伝子導入を行い、宿主を培養した後の培養物、又は当該培養物の処理物を利用することができる。処理物としては、例えば、培養後の細胞をアクリルアミド等のゲルで包含したもの、グルタルアルデヒドで処理したもの、アルミナ、シリカ、ゼオライト及び珪藻土等の無機担体に担持したもの等が挙げられる。
反応方法、及び反応終了後のアミド化合物の採取方法は、基質及び酵素触媒の特性により適宜選択される。酵素触媒は、その活性が失活しない限り、リサイクル使用することが好ましい。失活の防止やリサイクルを容易にすることに鑑み、酵素触媒は処理物の形態で使用されることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1) 変異遺伝子ライブラリーの構築
鋳型となるプラスミドとしては、βサブユニットのアミノ酸配列(配列番号3)のC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基がアスパラギン(N)からセリン(S)に変異し、かつ、上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基がバリン(V)からアラニン(A)に変異したプラスミドpAB002(図1)を用いた。
ここで、プラスミドpAB002の作製方法は、部位特異的変異導入法を用い、市販のキット:QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)を使用した。変異を導入する鋳型として、プラスミドpJH601(図2)を使用した。
プラスミドpJH601は野生型ニトリルヒドラターゼの発現プラスミドであり、受託番号FERM BP-10314として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に平成14(2002)年12月26日付けで国際寄託されている。
β←63−F: ccgaaatatgtgcggAGCaagatcggggaaatc (配列番号5)
β←63−R: gatttccccgatcttGCTccgcacatatttcgg (配列番号6)
変異を導入するためのPCRは、GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて以下の条件で行った。
鋳型プラスミドpHJ601(10ng) 2μl
10× 反応Buffer 5μl
プライマーβ←63-F(100ng/μl) 1μl
プライマーβ←63-R(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
QuickSolution 3μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
<反応条件>
95℃で1分
(95℃で50秒、60℃で50秒、68℃で14分)×18サイクル
68℃で7分
続いて、さらに変異を導入するための2種のプライマーを合成した。下線部は変異導入部位を示す。
β←11−F: gaaagacgtagtgtgcGCCgatctctgggaaccg (配列番号7)
β←11−R: cggttcccagagatcGGCgcacactacgtctttc (配列番号8)
上記と同様の方法で変異を導入するPCRおよびプラスミドの抽出を行い、得られたプラスミドの塩基配列の決定を行い、目的の変異が導入されていることを確認した。このようにして、Nβ←63S及びVβ←11Aのアミノ酸置換を生じさせる塩基置換が導入された変異導入プラスミド:pAB002を得た。
次に、ニトリルヒドラターゼ遺伝子へのランダム変異導入を行った。
ランダム変異導入は、PCRにおけるヌクレオチドの誤取り込みによる塩基置換(Error prone PCR)を利用した。
ニトリルヒドラターゼ遺伝子へのError prone PCRは、GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて以下の条件で行った。
鋳型プラスミド(pAB002)(10ng) 1μl
10× PCR Buffer(GIBCO社製) 10μl
50mM MgCl2(GIBCO社製) 3μl
プライマーTrc-02(100ng/μl) 1μl
プライマーTrc-03(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 8μl
10mM dITP 2μl
10mM dBraUTP 2μl
滅菌水 71μl
Taq DNAポリメラーゼ(GIBCO社製) 1μl
<プライマー>
TRC-02: ggaattcgtataatgtgtggaattgtgagc (配列番号9)
TRC-03: ggctgaaaatcttctctcatccgcc (配列番号10)
<反応条件>
(94℃で30秒、65℃で30秒、72℃で3分)×30サイクル
スクリーニングには、上記(1)で得られたニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む大腸菌JM109形質転換体、及び野生型ニトリルヒドラターゼを産生する大腸菌JM 109/ pJH601を使用した。LB-Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl2含有)を1mlずつ入れた96穴ディープウェルプレートに上記菌株を各々接種し、37℃で12時間液体培養した。次いで、培養液を60℃の温度下、20分間の熱処理に供した後、残存ニトリルヒドラターゼ活性の測定を下記の方法で行った。ランダムに変異導入したニトリルヒドラターゼ遺伝子を有する数万個の形質転換体についてスクリーニングを行った。
pE113: Nβ←63S,Vβ←11A,Nα↑10H,Eα↓41G,Sβ←3T
pE132: Nβ←63S,Vβ←11A,Vα↑44A,Pα↑42L,Iβ←118T
pE154: Nβ←63S,Vβ←11A,Sα↑26A,Eα↓43K
pE205: Nβ←63S,Vβ←11A,Sβ←173K
(1)プラスミドの構築
以下の方法でαサブユニットのアミノ酸配列において、補欠分子結合領域を構成するCTLCSC領域の最も上流側のC残基より、60残基上流の残基に変異(Nα↑60D)を有するロドコッカス菌用プラスミドを作製した。変異の導入は部位特異的変異導入法を用い、市販キット:QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)を使用した。実験は操作マニュアルに従った。変異を導入する鋳型プラスミドとしてpSJ034を使用した。pSJ034はロドコッカス菌においてニトリルヒドラターゼを発現するプラスミドである。pSJ034は、pSJ023より特開平10-337185号公報に示す方法で作製した。
なお、pSJ023は形質転換体「R. rhodochrous ATCC12674/pSJ023」であり、受託番号FERM BP-6232として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に平成9(1997)年3月4日付けで国際寄託されている。
変異を導入するための2種のプライマーを合成した。下線部は変異導入部位を示す。
β←63−F: ccgaaatatgtgcggAGCaagatcggggaaatc (配列番号5)
β←63−R: gatttccccgatcttGCTccgcacatatttcgg (配列番号6)
位置特異的変異導入PCRは、GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて以下の条件で行った。
鋳型プラスミドpSJ034(10ng) 2μl
10× 反応Buffer 5μl
プライマーβ←63−F(100ng/μl) 1μl
プライマーβ←63−R(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
QuickSolution 3μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
<反応条件>
95℃で1分
(95℃で50秒、60℃で50秒、68℃で14分)×18サイクル
68℃で7分
次に、XL10-GOLD ultracompetent cell(キットに付属)を用いて形質転換を行った。2μlのDpnI処理済みのPCR反応液と45μlのコンピテントセルを混ぜ4℃で30分保温し、42℃で30秒ヒートショックを行った。その後、当該菌液に0.5mlのNZY+培地(1% NZアミン、0.5% 酵母エキス、0.5% NaCl、12.5mM MgCl2、12.5mM MgSO4、0.4% グルコース、pH7.5)を添加し、37℃で1時間培養した。この培養液250μlをLBプレート(1% NaCl、1% トリプトン、0.5% 酵母エキス、2% 寒天、50mg/Lアンピシリン)にプレーティングし、37℃で1日培養した。
次に、p52Rを鋳型プラスミドとして上記と同様に以下の2種類のプライマーを用いて位置特異的に変異導入を行った。
β←11−F: gaaagacgtagtgtgcGCCgatctctgggaaccg (配列番号7)
β←11−R: cggttcccagagatcGGCgcacactacgtctttc (配列番号8)
このようにして、Nβ←63S及びVβ←11Aのアミノ酸置換を生じさせる塩基置換が導入された変異導入プラスミド:pAR002(図3)を得た。
続いて、pAR002を鋳型プラスミドとして上記と同様に以下の2種類のプライマーを用いて位置特異的に変異導入を行った。具体的には、さらにVα↑44A、Pα↑42L、Sα↑26A、Nα↑10H、Eα↓41G、Eα↓43K、Sβ←3T、Iβ←118T、及びSβ←173Kのうちのいずれか又は複数のアミノ酸置換を生じさせる塩基置換が導入されたプラスミドを作製した。
α↑44−F: gtggccaagtcctggGCGgaccctgagtaccgc (配列番号11)
α↑44−R: gcggtactcagggtcCGCccaggacttggccac (配列番号12)
α↑42−R: ccacttgcggtactcAAGgtccacccaggacttg (配列番号14)
α↑26−R: caccggcatagcccaaTGCcgccatcgcggccgt (配列番号16)
α↑10−R: gatgcgtttgggagtcGTGgaagaccgccgaaat (配列番号18)
α↓41−R: caaaccctgacCCCcacctcatcggggatgtcgaa (配列番号20)
α↓43−R: gtcccaaaccctgacCTTcacctcatcggggatg (配列番号22)
β←3−R: tcacgcagaGGTcaggtacggttcccag (配列番号24)
β←118−R: cggatcgaacttccgCGTcggcttcctgtccgtg (配列番号26)
β←173−R: gttttcgttccccatCTTctcccggaagaaccg (配列番号28)
各プラスミドの変異遺伝子配列によってコードされるアミノ酸配列中のアミノ酸残基の置換態様を以下に示す。
pER113: Nβ←63S,Vβ←11A,Nα↑10H,Eα↓41G,Sβ←3T
pER132: Nβ←63S,Vβ←11A,Vα↑44A,Pα↑42L,Iβ←118T
pER154: Nβ←63S,Vβ←11A,Sα↑26A,Eα↓43K
pER205: Nβ←63S,Vβ←11A,Sβ←173K
ロドコッカス・ロドクロウス ATCC 12674 株の対数増殖期の細胞を遠心分離器により集菌し、氷冷した滅菌水にて3回洗浄し、滅菌水に懸濁した。上記(1)で調製したプラスミド 1μlと菌体懸濁液10μlを混合し、氷冷した。キュベットにDNAと菌体の懸濁液を入れ、遺伝子導入装置 Gene Pulser (BIO RAD)により2.0KV、200 OHMSで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液の入ったキュベットを氷冷下10分間静置し、37℃で10分間ヒートショクを行った。その後、キュベットにMYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、0.2% K2HPO4 、0.2% KH2PO4 )500μl を加え、30℃、5時間静置した後、50μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布した。30℃、3日間培養後のコロニーを形質転換体とした。
得られたロドコッカス菌形質転換体を用いて、熱処理後の残存ニトリルヒドラターゼ活性を調べた。比較対照として、野生型ニトリルヒドラターゼを有するロドコッカス・ロドクロウスATCC12674/pSJ034(以下、ATCC12674/pSJ034という)を使用した。
菌体懸濁液のニトリルヒドラターゼ活性の測定は、下記の方法で行った。
菌体液0.2mlと50mMリン酸緩衝液(pH7.7)4.8mlとを混合し、さらに5.0%(w/v)のアクリロニトリルを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.7)5mlを混合液に加えて、10℃で10分間振盪しながら反応させた。
次いで、菌体を濾別して、ガスクロマトグラフィーを用いて生成したアクリルアミドの量を定量した。
分析機器: ガスクロマトグラフGC-14B(島津製作所製)
検出器: FID(検出200℃)
カラム: ポラパックPS(ウォーターズ社製カラム充填剤)を充填した1mガラスカラム
カラム温度: 190℃
加熱処理は、適宜希釈した菌体懸濁液0.5mlを試験管に入れ、65℃の温度下の水浴中で30分間保温し、その後氷中で冷却した。比較対照として、熱処理を行わずに4℃で保冷した各々の無処理菌を用いて活性測定を行い、得られた活性値を基準として、熱処理後の残存活性(%)を求めた。残存活性の結果を表2に示した。
実施例2で得られた形質転換体を用いて、アミド化合物耐性を評価した。当該評価は、下記反応液組成及び反応条件で行った。なお、反応に用いる各菌体懸濁液の菌量は、実施例2の(3)の方法で測定した活性の測定結果に従い、同一の酵素活性単位(U)量となるように100mMリン酸緩衝液(pH8.0)で調製した。比較対照として、野生型ニトリルヒドラターゼを有するATCC12674/pSJ034を使用した。
50%アクリルアミド溶液 95g
アクリロニトリル 3g
1Mリン酸緩衝液 1g
菌液(同一の酵素活性単位(U)量) 1g
<反応条件>
攪拌しながら20時間反応(30℃)
残存するアクリロニトリルの割合(%)の分析結果を表3に示した。
(1)ロドコッカス・ロドクロウスM8株(以下、M8株という。)由来ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含むプラスミドの構築
M8株はロシア菌株センターIBFM(VKPM S-926)から入手することができる。
M8株を100mlのMYK(0.5%ポリペプトン、0.3% バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、1% グルコース、0.2% K2HPO4、0.2% KH2PO4)培地(pH7.0)中、30℃にて72時間振盪培養した。培養液を遠心分離し、集菌した菌体をSaline-EDTA溶液(0.1M EDTA、0.15M NaCl(pH8.0))4mlに懸濁した。懸濁液にリゾチーム8mgを加えて37℃で1〜2時間振盪した後、−20℃で凍結した。
次に、DNAを3mlのTE緩衝液に溶解させ、リボヌクレアーゼA溶液(100℃、15分間の加熱処理済)を10μg/mlになるよう加え37℃で30分間振盪した。さらに、プロテイナーゼK(メルク社)を加え37℃で30分間振盪した。これに等量のTE飽和フェノールを加えて遠心分離後、上層と下層に分離した。
PCRは、Thermalcycler personal(宝酒造)を用いて以下の条件で行った。
鋳型DNA(染色体DNA) 1μl
10×ExTaq Buffer(宝酒造社製) 10μl
プライマーMH-01 1μl
プライマーMH-02 1μl
5mM dNTPmix 8μl
滅菌水 78μl
ExTaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社製) 1μl
<プライマー>
MH-01: ccatggatggtatccacgacacaggcggcatgacc (配列番号30)
MH-02: aagcttcacgctggcctcgagcgcctttgtccag (配列番号31)
<反応条件>
(94℃で30秒、65℃で30秒、72℃で3分)×30サイクル
M8株由来ニトリルヒドラターゼの塩基配列(配列番号29)に変異導入を行った。位置特異的変異導入は、使用したプラスミドがM8株由来ニトリルヒドラターゼ発現プラスミドのpMH301(図3)である以外は、実施例2の(1)と同様の方法で行った。
得られた変異導入プラスミドは、それぞれ、pMH058、pME113、pME132、pME154及びpME205と命名した。
各プラスミドの変異遺伝子配列によってコードされるアミノ酸配列中のアミノ酸残基の置換態様を以下に示す。
pMH058: Nβ←63S
pME113: Nβ←63S,Vβ←11A,Nα↑10H,Eα↓41G,Sβ←3T
pME132: Nβ←63S,Vβ←11A,Vα↑44A,Pα↑42L,Iβ←118T
pME154: Nβ←63S,Vβ←11A,Sα↑26A,Eα↓43K
pME205: Nβ←63S,Vβ←11A,Sβ←173K
当該プラスミドを大腸菌JM109に形質転換し、変異導入した形質転換体を作製した。得られた形質転換体は、LB-Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl2含有)10mlに接種し、37℃で12時間液体培養した。
上記(2)の工程で得られた培養物を60℃の温度下、20分間の熱処理に供した。次いで、ニトリルヒドラターゼの残存活性の測定を行った。活性測定は、実施例1の(2)と同様の方法で行った。比較対照として、熱処理を行わずに4℃で保冷した各々の無処理菌を用いて活性測定を行い、得られた活性値を基準として、熱処理後の残存活性(%)を求めた。残存活性の結果を表4に示した。
配列番号6:合成DNA
配列番号7:合成DNA
配列番号8:合成DNA
配列番号9:合成DNA
配列番号10:合成DNA
配列番号11:合成DNA
配列番号12:合成DNA
配列番号13:合成DNA
配列番号14:合成DNA
配列番号15:合成DNA
配列番号16:合成DNA
配列番号17:合成DNA
配列番号18:合成DNA
配列番号19:合成DNA
配列番号20:合成DNA
配列番号21:合成DNA
配列番号22:合成DNA
配列番号23:合成DNA
配列番号24:合成DNA
配列番号25:合成DNA
配列番号26:合成DNA
配列番号27:合成DNA
配列番号28:合成DNA
配列番号30:合成DNA
配列番号31:合成DNA
Claims (11)
- 以下の(A)又は(B)のタンパク質。
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)〜(i)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より44残基上流のアミノ酸残基
(b)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より42残基上流のアミノ酸残基
(c)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より26残基上流のアミノ酸残基
(d)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より10残基上流のアミノ酸残基
(e)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より41残基下流のアミノ酸残基
(f)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より43残基下流のアミノ酸残基
(g)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて3残基上流のアミノ酸残基
(h)上記C末端のアミノ酸残基から数えて118残基上流のアミノ酸残基
(i)上記C末端のアミノ酸残基から数えて173残基上流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質 - 以下の(A)又は(B)のタンパク質。
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)及び(b)のアミノ酸残基と下記(c)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基とが他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(b)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
(c)上記C末端のアミノ酸残基から数えて3残基上流のアミノ酸残基
(d)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より10残基上流のアミノ酸残基
(e)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より41残基下流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質 - 以下の(A)又は(B)のタンパク質。
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)及び(b)のアミノ酸残基と下記(c)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基とが他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(b)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
(c)上記C末端のアミノ酸残基から数えて118残基上流のアミノ酸残基
(d)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より44残基上流のアミノ酸残基
(e)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より42残基上流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質 - 以下の(A)又は(B)のタンパク質。
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)及び(b)のアミノ酸残基と下記(c)及び/又は(d)のアミノ酸残基とが他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(b)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
(c)αサブユニットのアミノ酸配列のうち補欠分子結合領域を構成するアミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も上流側のC残基より26残基上流のアミノ酸残基
(d)上記アミノ酸配列C(S/T)LCSCの最も下流側のC残基より43残基下流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質 - 以下の(A)又は(B)のタンパク質。
(A) 野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において下記(a)、(b)及び(c)のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質
(a)βサブユニットのアミノ酸配列のうちC末端のアミノ酸残基から数えて63残基上流のアミノ酸残基
(b)上記C末端のアミノ酸残基から数えて11残基上流のアミノ酸残基
(c)上記C末端のアミノ酸残基から数えて173残基上流のアミノ酸残基
(B) (A)のタンパク質のアミノ酸配列において、前記置換後のアミノ酸残基を除き、1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とするタンパク質 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のタンパク質をコードする遺伝子DNA。
- 請求項6記載の遺伝子DNAを含む組換えベクター。
- 請求項7記載の組換えベクターを含む形質転換体。
- 請求項8記載の形質転換体を培養して得られる培養物から採取されるニトリルヒドラターゼ。
- 請求項8記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とする、ニトリルヒドラターゼの製造方法。
- 請求項8記載の形質転換体を培養して得られる培養物又は当該培養物の処理物をニトリル化合物に接触させ、当該接触により生成されるアミド化合物を採取することを特徴とする、アミド化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005338125A JP4916709B2 (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005338125A JP4916709B2 (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007143409A true JP2007143409A (ja) | 2007-06-14 |
JP4916709B2 JP4916709B2 (ja) | 2012-04-18 |
Family
ID=38205572
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005338125A Active JP4916709B2 (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4916709B2 (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008253182A (ja) * | 2007-04-04 | 2008-10-23 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
WO2010055666A1 (ja) | 2008-11-14 | 2010-05-20 | 三井化学株式会社 | ニトリルヒドラターゼ変異体 |
JP2010172295A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 改良型ニトリルヒドラターゼ及びその製造方法 |
JP2011200132A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ニトリルヒドラターゼ遺伝子を欠失又は不活性化させた微生物 |
JP2011217665A (ja) * | 2010-04-08 | 2011-11-04 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ニトリルヒドラターゼ遺伝子を置換した微生物 |
WO2012164933A1 (ja) | 2011-05-31 | 2012-12-06 | ダイヤニトリックス株式会社 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
WO2012169203A1 (ja) | 2011-06-07 | 2012-12-13 | ダイヤニトリックス株式会社 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
JP2015154785A (ja) * | 2015-05-28 | 2015-08-27 | 三菱レイヨン株式会社 | ニトリルヒドラターゼ遺伝子を置換した微生物 |
WO2015186298A1 (ja) * | 2014-06-06 | 2015-12-10 | 三菱レイヨン株式会社 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
US11098299B2 (en) | 2016-12-28 | 2021-08-24 | Mitsui Chemicals, Inc. | Mutant nitrile hydratase, nucleic acid coding said mutant nitrile hydratase, expression vector and transformant including said nucleic acid, production method for said mutant nitrile hydratase, and production method for amide compound |
CN113444714A (zh) * | 2021-07-29 | 2021-09-28 | 浙江大学杭州国际科创中心 | 一种β亚基突变的腈水合酶突变体及其应用 |
WO2022172880A1 (ja) | 2021-02-10 | 2022-08-18 | 三菱ケミカル株式会社 | アルデヒドによるニトリルヒドラターゼの反応性向上 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004215513A (ja) * | 2003-01-09 | 2004-08-05 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
JP2005160403A (ja) * | 2003-11-10 | 2005-06-23 | Mitsui Chemicals Inc | ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の改変方法 |
WO2005116206A1 (ja) * | 2004-05-26 | 2005-12-08 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
-
2005
- 2005-11-24 JP JP2005338125A patent/JP4916709B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004215513A (ja) * | 2003-01-09 | 2004-08-05 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
JP2005160403A (ja) * | 2003-11-10 | 2005-06-23 | Mitsui Chemicals Inc | ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の改変方法 |
WO2005116206A1 (ja) * | 2004-05-26 | 2005-12-08 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
Cited By (36)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008253182A (ja) * | 2007-04-04 | 2008-10-23 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
US8871484B2 (en) | 2008-11-14 | 2014-10-28 | Mitsui Chemicals, Inc. | Nitrile hydratase variant |
WO2010055666A1 (ja) | 2008-11-14 | 2010-05-20 | 三井化学株式会社 | ニトリルヒドラターゼ変異体 |
JP2010172295A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-12 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 改良型ニトリルヒドラターゼ及びその製造方法 |
JP2011200132A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ニトリルヒドラターゼ遺伝子を欠失又は不活性化させた微生物 |
JP2011217665A (ja) * | 2010-04-08 | 2011-11-04 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | ニトリルヒドラターゼ遺伝子を置換した微生物 |
WO2012164933A1 (ja) | 2011-05-31 | 2012-12-06 | ダイヤニトリックス株式会社 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
KR20160108569A (ko) | 2011-05-31 | 2016-09-19 | 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 | 개량형 니트릴 히드라타제 |
US9388403B2 (en) | 2011-05-31 | 2016-07-12 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Nitrile hydratase |
CN103649312A (zh) * | 2011-05-31 | 2014-03-19 | 三菱丽阳株式会社 | 改良型腈水合酶 |
US9382528B2 (en) | 2011-05-31 | 2016-07-05 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Nitrile hydratase |
JPWO2012164933A1 (ja) * | 2011-05-31 | 2015-02-23 | 三菱レイヨン株式会社 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
AU2012264058B2 (en) * | 2011-05-31 | 2015-10-22 | Mitsubishi Chemical Corporation | Improved nitrile hydratase |
US9193966B2 (en) | 2011-06-07 | 2015-11-24 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Nitrile hydratase |
US9738885B2 (en) | 2011-06-07 | 2017-08-22 | Mitsubishi Chemical Corporation | Nitrile hydratase |
KR20150092770A (ko) | 2011-06-07 | 2015-08-13 | 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 | 개량형 니트릴 히드라타제 |
US10487320B2 (en) | 2011-06-07 | 2019-11-26 | Mitsubishi Chemical Corporation | Nitrile hydratase |
KR20150092767A (ko) | 2011-06-07 | 2015-08-13 | 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 | 개량형 니트릴 히드라타제 |
KR20150092769A (ko) | 2011-06-07 | 2015-08-13 | 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 | 개량형 니트릴 히드라타제 |
US10221410B2 (en) | 2011-06-07 | 2019-03-05 | Mitsubishi Chemical Corporation | Nitrile hydratase |
EP2811021A2 (en) | 2011-06-07 | 2014-12-10 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Improved nitrile hydratase |
KR20140002791A (ko) | 2011-06-07 | 2014-01-08 | 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 | 개량형 니트릴 히드라타제 |
WO2012169203A1 (ja) | 2011-06-07 | 2012-12-13 | ダイヤニトリックス株式会社 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
US10066225B2 (en) | 2011-06-07 | 2018-09-04 | Mitsubishi Chemical Corporation | Nitrile hydratase |
KR20150092768A (ko) | 2011-06-07 | 2015-08-13 | 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 | 개량형 니트릴 히드라타제 |
JPWO2015186298A1 (ja) * | 2014-06-06 | 2017-04-20 | 三菱レイヨン株式会社 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
KR20160145183A (ko) | 2014-06-06 | 2016-12-19 | 미쯔비시 레이온 가부시끼가이샤 | 개량형 니트릴 히드라타제 |
US10093912B2 (en) | 2014-06-06 | 2018-10-09 | Mitsubishi Chemical Corporation | Nitrile hydratase |
WO2015186298A1 (ja) * | 2014-06-06 | 2015-12-10 | 三菱レイヨン株式会社 | 改良型ニトリルヒドラターゼ |
RU2689606C2 (ru) * | 2014-06-06 | 2019-05-28 | Мицубиси Кемикал Корпорейшн | Улучшенная нитрилгидратаза |
CN110079516A (zh) * | 2014-06-06 | 2019-08-02 | 三菱化学株式会社 | 改良型腈水合酶 |
CN112941060A (zh) * | 2014-06-06 | 2021-06-11 | 三菱化学株式会社 | 改良型腈水合酶 |
JP2015154785A (ja) * | 2015-05-28 | 2015-08-27 | 三菱レイヨン株式会社 | ニトリルヒドラターゼ遺伝子を置換した微生物 |
US11098299B2 (en) | 2016-12-28 | 2021-08-24 | Mitsui Chemicals, Inc. | Mutant nitrile hydratase, nucleic acid coding said mutant nitrile hydratase, expression vector and transformant including said nucleic acid, production method for said mutant nitrile hydratase, and production method for amide compound |
WO2022172880A1 (ja) | 2021-02-10 | 2022-08-18 | 三菱ケミカル株式会社 | アルデヒドによるニトリルヒドラターゼの反応性向上 |
CN113444714A (zh) * | 2021-07-29 | 2021-09-28 | 浙江大学杭州国际科创中心 | 一种β亚基突变的腈水合酶突变体及其应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4916709B2 (ja) | 2012-04-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4916709B2 (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
JP5069032B2 (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
JP4922757B2 (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
JP5929910B2 (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
JP4916685B2 (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
JP5915649B2 (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
JP6690747B2 (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
JP5532618B2 (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ及びその製造方法 | |
JP2004215513A (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
JP2004222538A (ja) | 改良型ニトリルヒドラターゼ | |
AU2015203199A1 (en) | Improved nitrile hydratase |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080805 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20101105 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20110117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20110117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110308 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110506 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110816 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110930 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120110 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120125 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4916709 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150203 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |