JP2005160403A - ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の改変方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の改変方法を提供する。具体的には、ニトリルヒドラターゼの立体構造に変化を及ぼす変異をニトリルヒドラターゼ遺伝子に導入する事によって、ニトリルヒドラターゼ本来の活性は損なう事無く、活性等の該酵素の諸性質を変化させる事を含む改変方法及び該改変酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を含むプラスミド、細胞株、該細胞株を用いてニトリル化合物から対応するアミド化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】改変の対象となる領域をニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列中のアミノ酸に置換・挿入・削除等の変更を加える事によってニトリルヒドラターゼを改変し、該変更によって得られた改変酵素遺伝子を含むプラスミド、形質転換された細胞株を作製し、該細胞株を用いた該酵素の産生や該細胞株を培養して得られる培養液・細胞・細胞処理物を用いたニトリル化合物からの対応アミド化合物の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の性質を改変する方法に関するものである。また、本発明は性質が改変された酵素、及びそれをコードする遺伝子、該遺伝子を含有するプラスミド、該プラスミドにより形質転換された細胞株、該細胞株を用いてニトリルヒドラターゼを産生する方法、及び該細胞株を培養して得られる培養液・細胞・細胞処理物を用いてニトリル化合物から対応するアミド化合物を製造する方法に関する。本発明は、生体触媒を用いた物質生産の分野に於いて有用である。
種々の化合物のニトリル基を水和によりアミド基に変換するニトリル水和活性を有する酵素であるニトリルヒドラターゼが発見され、該酵素を産生する微生物株が多数開示されている。ニトリルヒドラターゼを用いてニトリル化合物よりアミド化合物を工業的に製造するためには、アミド化合物の製造コストに占める該酵素の製造コストを下げることが重要である。具体的には、酵素調製物の単位重量あたりの該酵素含有量を高くする必要がある。そこで、該酵素の遺伝子を用いて遺伝子工学の手法により該酵素を大量に発現させることを目的として、該酵素の遺伝子をクローニングする試みがなされている。
ニトリルヒドラターゼ活性を有する微生物としては、ロドコッカス ロドクロウス J−1株(ブタペスト条約に則って、受託番号FERM BP−1478として茨城県つくば市東一丁目一番一号 中央第6の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。)やシュードノカルディア サーモフィラ(本菌株は、理化学研究所微生物系統保存施設(埼玉県和光市広沢2−1)に番号JCM3095として保管され、何人にも請求により自由に分譲される。また、ブタペスト条約に則って、受託番号FERM BP−7379として独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。)が見い出されている。また、これらの株よりニトリルヒドラターゼが単離され、同酵素が、一般的にαサブユニット及びβサブユニットと呼ばれる2種類のポリペプチドを構成要素としている事が確認されている。そして、これらの株よりニトリルヒドラターゼ遺伝子が単離され、そのアミノ酸配列及び塩基配列が明らかにされた。更に、これらのニトリルヒドラターゼを形質転換体内で発現できるプラスミド及び同プラスミドにより形質転換された細胞株(例としてTG1/pNHJ10H及びMT−10822:これらはブタペスト条約に則って、前者は受託番号FERM BP−2777、後者は受託番号FERM BP−5785として独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。)が作出された。加えて、これらの細胞株によるニトリルヒドラターゼの生産及び該細胞株又はそれより得られるニトリルヒドラターゼをニトリル化合物と接触させる事による対応するアミド化合物の製造が可能となっている。(特許文献1から3、非特許文献1参照)
また、ニトリルヒドラターゼの立体構造を解析する試みもなされており、その解析結果は、PDB番号1AHJ、2AHJ、1IREとして公開されている。該酵素は、αサブユニットとβサブユニットが会合した2量体がその基本構造単位となっており、その2量体が更に会合して4量体や8量体、12量体(由来となる生物種によって異なる。)を形成してその活性を発揮している事が明らかとなっている。更に、その活性中心を形成する領域や構造も明らかになっており、活性中心は、反応溶媒に直接接触する酵素外側に露出した位置ではなく、酵素内部に包埋される様な位置に存在する事が知られている。活性の発揮に必須である金属原子(コバルト原子又は鉄原子:由来となる生物種によって異なる。)の活性中心への配位の様子も知られており、金属原子の配位に伴う現象として、活性中心を形成する領域を成すアミノ酸配列中のシステイン残基が翻訳後酸化を生じる事も明らかになっている。具体的には、αサブユニットのアミノ酸配列中のXCXLCSC(Cはシステインを、Xはセリン又はスレオニンを、Lはロイシンを、Cはシステインスルフィン酸(CYSTEINE SULFINIC ACID・3-SULFINOALANINE)を、Sはセリンを、Cはシステインスルフェン酸(CYSTEINE SULFENIC ACID・S-HYDROXY-CYSTEINE)を、X・X・X・X・Xは任意のアミノ酸を示す。)という配列で表される領域が活性中心への金属原子の配位を担う領域とされている。(非特許文献2から4参照)
しかし、ニトリルヒドラターゼ本来の活性は損なう事無く、活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性等の性質を改変する方法に関しては、具体的な手法を開示した発明は未だなされていない。特に、ニトリルヒドラターゼの立体構造に注目し、その構造を変化させる事によって上記の性質を改変する方法に関しては、その試み自体がなされていない。
尚、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を宿主細胞で発現させて酵素活性のあるニトリルヒドラターゼを生産する場合に該酵素の活性化に関与するタンパク質が存在する点が特許文献4に開示されている。
特許第1927162号公報 特許第3162091号公報 特許第3380133号公報 特許第3408737号公報 Kobayashi M, Nishiyama M, Nagasawa T, Horinouchi S, Beppu T,Yamada H. Cloning, nucleotide sequence and expression in Escherichia coli of two cobalt-containing nitrile hydratase genes from Rhodococcus rhodochrous J1. Biochim Biophys Acta. 1991 Dec 2;1129(1):23-33. Huang W, Jia J, Cummings J, Nelson M, Schneider G, Lindqvist Y. Crystal structure of nitrile hydratase reveals a novel iron centre in a novel fold. Structure. 1997 May 15;5(5):691-9. Nagashima S, Nakasako M, Dohmae N, Tsujimura M, Takio K, Odaka M, Yohda M, Kamiya N, Endo I. Novel non-heme iron center of nitrile hydratase with a claw setting of oxygen atoms. Nat Struct Biol. 1998 May;5(5):347-51. Miyanaga, A., Fushinobu, S., Ito, K., and Wakagi, T. Crystal structure of cobalt-containing nitrile hydratase. Biochem. Biochem Biophys Res Commun. 2001 Nov 16;288(5):1169-74.
本発明の目的は、ニトリルヒドラターゼ本来の活性は損なう事無く、活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性等の性質のうちの一つ以上を変化させる事を含む方法に関する具体的手法を提供する事である。具体的には、ニトリルヒドラターゼの立体構造に変化を及ぼす変異をニトリルヒドラターゼ遺伝子に導入する事によって上記の性質を改変する方法を提供する事である。更に、改変方法によって得られたニトリルヒドラターゼ、該ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子、該遺伝子を含むプラスミド、該遺伝子乃至該プラスミドにより形質転換された細胞株、該細胞株を用いた該ニトリルヒドラターゼの産生方法、及び該細胞株を培養して得られる培養液・細胞・細胞処理物を用いてニトリル化合物から対応するアミド化合物を製造する方法をも提供する事である。
本発明者らはかかる状況の下、特許文献2、特許文献3に開示されているニトリルヒドラターゼ遺伝子を例として、新規な観点に基づいて変異の対象となる領域を特定し、該領域を形成するアミノ酸残基に相当するアミノ酸配列中のアミノ酸に、置換、挿入又は削除等の変更を加える事によってニトリルヒドラターゼの改変方法を実施した。具体的には、非特許文献2から4やPDB番号1AHJ・2AHJ・1IREとして公開されているニトリルヒドラターゼの立体構造を参照し、鋭意解析を実施する事によって、目的に適う変更対象領域を特定した。より具体的には、立体構造の解析により、基質が酵素外部から活性中心に向かう際や生成物が活性中心から酵素外部に向かう際に通過する空洞を形成する領域、及び2量体形成に関与するαサブユニットとβサブユニット間の会合界面や2量体同士の会合に関与する界面を形成する領域を特定した。アミノ酸配列に置換、挿入又は削除等の変更を加える方法としては、特に限定されないが、遺伝子組換えの技法を用いた変異導入法を、その例として挙げる事が出来る。
更に、該変更後の該遺伝子の塩基配列を決定し、該遺伝子を含むプラスミド、該遺伝子乃至該プラスミドにより形質転換された細胞株を作製し、該細胞株を用いた該酵素の産生や該細胞株を培養して得られる培養液・細胞・細胞処理物を用いたニトリル化合物からの対応アミド化合物の製造を実施する事によって改変方法がニトリルヒドラターゼの性質にいかなる変化を及ぼしているかを観察した。改変対象となるニトリルヒドラターゼを構成するアミノ酸配列の様々な位置への変更及びそれによって得られた様々な改変酵素に関して鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記〔1〕から〔22〕に示す通りである。
〔1〕 ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
(a)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素のアミノ酸配列を、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列及び配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列とアラインメントする、
(b)アラインメント結果から、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列中の36番目スレオニンより48番目アスパラギンに至る領域、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の31番目リジンより51番目フェニルアラニンに至る領域、及び112番目リジンより127番目ロイシンに至る領域に相当するアミノ酸残基を特定する、
(c)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う、
〔2〕 ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
(d)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素のアミノ酸配列を、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列及び配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列とアラインメントする、
(e)アラインメント結果から、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列中の36・48・71・148・188・204番目に相当するアミノ酸残基、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の10・32・33・37・40・41・46・48・51・61・72・112・118・127・146・150・160・168・171・176・186・217・218番目に相当するアミノ酸残基を特定する、
(f)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う、
〔3〕 ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
(g)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を、PDB(Protein Data Bank)番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造と、アミノ酸配列に基づ
いたアラインメントを行う事により推定する、
(h)推定された立体構造に基づき、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖(Chain 1IRE:A)におけるN末から数えて2番目のヘリックス、及びB鎖(Chain 1IRE:B)におけるN末から数えて1番目のヘリックス、2番目のヘリックス、及びそれらにはさまれたループ部分とC末から数えて3番目のヘリックスに相当する領域のアミノ酸残基を特定する、
(i)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う、
〔4〕 ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
(j)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造と、アミノ酸配列に基づいたアラインメントを行う事により推定する、
(k)推定された立体構造に基づき、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖におけるN末から89番目のアミノ酸残基であるグルタミン、165番目のアミノ酸残基であるグルタミン酸に相当するアミノ酸残基、及びB鎖のN末から37番目のアミノ酸残基であるフェニルアラニン、48番目のアミノ酸であるロイシンに相当する4つのアミノ酸残基を特定する、
(l)特定された4つのアミノ酸残基の側鎖先端重原子を各々中心点とした立体構造上半径5Å内の範囲に側鎖先端重原子が含まれるアミノ酸残基を特定する、
(m)上記lで特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う、
〔5〕 ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
(n)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造と、アミノ酸配列に基づいたアラインメントを行う事により推定する、
(o)推定された立体構造に基づき、基質が酵素外部から活性中心に向かう際や生成物が活性中心から酵素外部に向かう際に通過する空洞を形成する領域を特定する、
(p)特定された領域を構成するアミノ酸残基の内、それを変更する事が空洞の大きさを変化させ、延いては基質/生成物の通過し易さ/し難さを制御するアミノ酸残基を特定する、
(q)上記pで特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う、
〔6〕 ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
(r)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造と、アミノ酸配列に基づいたアラインメントを行う事により推定する、
(s)推定された立体構造に基づき、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖におけるN末から89番目のアミノ酸であるグルタミン(A89Q)、165番目のアミノ酸であるグルタミン酸(A165E)に相当するアミノ酸残基、及びB鎖のN末から37番目のアミノ酸であるフェニルアラニン(B37F)、48番目のアミノ酸であるロイシン(B48L)に相当するアミノ酸残基の4つのアミノ酸残基を特定する、
(t)A165Eに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd1、A89Qに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd2、B37Fに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd3と規定し、d1から3の1つ以上を変化させるアミノ酸残基を特定する、
(u)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う、
〔7〕 (t)の工程が以下の(t’)のとおりである〔6〕に記載の改変方法、
(t’)A165Eに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd1、A89Qに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd2、B37Fに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd3、A165Eに相当するアミノ酸残基とB37Fに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd4、A89Qに相当するアミノ酸残基とB37Fに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd5と規定し、d1から5の1つ以上を変化させるアミノ酸残基を特定する、
〔8〕 改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素が下記の[A]と[B]の2種類のポリペプチドを含む事を特徴とする〔1〕から〔7〕の何れか一項記載の改変方法、
[A]配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列と40%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチド、
[B]配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列と25%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチド、
〔9〕 [A]のポリペプチドが下記[C]のポリペプチドであり、[B]のポリペプチドが下記[D]ポリペプチドである事を特徴とする〔8〕記載の改変方法、
[C]配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の少なくとも1箇所に関して置換、挿入又は削除を行ったアミノ酸配列、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の6・19・38・77・90・102・106・126・130・142・146・187・194・203番目のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、の何れかのアミノ酸配列から成るポリペプチド、
[D]配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列の少なくとも1箇所に関して置換、挿入又は削除を行ったアミノ酸配列、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列の20・21・108・200・212番目のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、の何れかのアミノ酸配列から成るポリペプチド、
〔10〕 [A]のポリペプチドが下記[E]のポリペプチドであり、[B]のポリペプチドが下記[F]のポリペプチドである事を特徴とする〔8〕記載の改変方法、
[E]配列表の配列番号7記載の塩基配列の704番目から1315番目によって成るORF(オープンリーディングフレーム)がコードするアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列から成るポリペプチド、
[F]配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から680番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列から成るポリペプチド、
〔11〕 改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素が構成要素として含む2種のポリペプチドの内、1つが〔10〕記載の[E]のポリペプチドであり、もう1つのロリペプチドが〔10〕記載の[F]のポリペプチドである事を特徴とし、且つ以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行うことにより、該酵素の活性、基質特異性、Vmax、Km、熱安定性、基質に対する安定性、生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
(d’)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素のアミノ酸配列を、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列とアラインメントする、
(e’)アラインメント結果から、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の48・51番目に相当するアミノ酸残基を特定する、
(f’)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う、
〔12〕 [A]のポリペプチドが下記[G]のポリペプチドである事を特徴とする〔8〕記載の改変方法、
[G]アミノ酸配列XCXLCSCで表される領域を含むポリペプチド
(ここにおいて、Cはシステインを、Xはセリン又はスレオニンを、Lはロイシンを、Cはシステインスルフィン酸(CYSTEINE SULFINIC ACID・3-SULFINOALANINE)を、Sはセリンを、Cはシステインスルフェン酸(CYSTEINE SULFENIC ACID・S-HYDROXY-CYSTEINE)を、X・X・X・X・Xは任意のアミノ酸を示す。)、
〔13〕 Xがバリン、Xがトリプトファン、Xがプロリンである事を特徴とする〔12〕記載の改変方法、
〔14〕 Xがチロシン、Xがプロリンである事を特徴とする〔13〕記載の改変方法、
〔15〕 XCXLCSCで表される領域を介して金属原子と結合している事を特徴とする〔12〕から〔14〕の何れか一項記載の改変方法、
〔16〕 金属原子がコバルト原子である事を特徴とする〔15〕記載の改変方法、
〔17〕 〔1〕から〔16〕の何れか一項記載の改変方法により得られる事を特徴とする改変酵素、
〔18〕 〔17〕記載の改変酵素をコードする遺伝子、
〔19〕 〔18〕記載の遺伝子を含む事を特徴とするプラスミド、
〔20〕 微生物を〔18〕記載の遺伝子又は〔19〕記載のプラスミドを用いる形質転換をすることにより得られる事を特徴とする形質転換体、
〔21〕 〔20〕記載の形質転換体を培養して得られる培養液、細胞、又はそれらの処理物から改変酵素を回収する工程を含む事を特徴とする改変酵素の調製方法、
〔22〕 〔20〕記載の形質転換体を培養して得られる培養液、細胞、又はそれらの処理物、又は〔21〕記載の調製方法により得られる改変酵素をニトリル化合物と溶媒中で接触させる事により該ニトリル化合物を対応するアミド化合物へと転化させる工程を含む事を特徴とするアミド化合物製造方法、
本発明により、ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を変化させる事を特徴とする手法を用いて、改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素を改変する方法が提供される。この方法を用いる改変方法としては、活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性等といった性質のうちの一つ以上が改変される事を特徴とする効果が得られる事がその効果として挙げられる。また本発明により、新規な変異点を有するニトリルヒドラターゼ、該酵素を構成するポリペプチド鎖をコードする遺伝子が提供される。更に、該遺伝子を含むプラスミド、該遺伝子乃至該プラスミドを含む形質転換体、該形質転換体を用いた該酵素の産生方法、及び該形質転換体を用いたニトリル化合物からの対応するアミド化合物の製造方法が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、ニトリルヒドラターゼ活性とは、ニトリル化合物を対応するアミド化合物に水和する活性を言う。該活性を有する酵素とは、一般的にはαサブユニット、βサブユニットと称される2種のポリペプチド鎖を構成要素とする事を特徴とし、ニトリルヒドラターゼ遺伝子とは、これら2種のポリペプチド鎖を形成する事を特徴とする2つのアミノ酸配列乃至それらをコードする事を特徴とする2つのORF(オープンリーディングフレーム)を成す塩基配列を指す。
シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼ(配列表の配列番号1及び2、特許文献3、非特許文献4、PDB番号:1IRE参照)を例にして具体的に述べると、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列から成るポリペプチド及びPDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖がαサブユニット、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列から成るポリペプチド及びPDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のB鎖がβサブユニットである。また、配列表の配列番号3記載の塩基配列から成るORFと配列表の配列番号4記載の塩基配列から成るORFとをニトリルヒドラターゼ遺伝子と言う。
また、ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼ(配列表の配列番号7、特許文献2、非特許文献1参照)の場合、配列表の配列番号7記載の塩基配列の704番目から1315番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列から成るポリペプチドがαサブユニット、配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から690番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列から成るポリペプチドがβサブユニットである。また、配列表の配列番号7記載の塩基配列がコードする2つのORFをニトリルヒドラターゼ遺伝子と言う。
本発明における改変方法とは、ニトリルヒドラターゼ本来の活性は損なう事無く、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる目的の下、改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を変化させる事を志向する手法であり、その特徴として、立体構造の解析により、基質が酵素外部から活性中心に向かう際や生成物が活性中心から酵素外部に向かう際に通過する空洞を形成する領域、及び/又は、2量体形成に関与するαサブユニットとβサブユニット間の会合界面や2量体同士の会合に関与する界面を形成する領域を特定し、該領域に存在するアミノ酸残基に相当するアミノ酸配列中のアミノ酸の何れか1箇所以上に、置換、挿入又は削除等の変更を加える工程を含む事が挙げられる。
シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼ(配列表の配列番号1及び2・特許文献3・非特許文献4・PDB番号:1IRE参照)を例にして具体的に述べると、基質が酵素外部から活性中心に向かう際や生成物が活性中心から酵素外部に向かう際に通過する空洞を形成する領域に存在するアミノ酸残基に相当するのは、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のB鎖におけるN末から数えて1番目のヘリックス・2番目のヘリックス・それらにはさまれたループ部分に相当する領域を形成するアミノ酸残基、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖におけるN末から89番目のアミノ酸残基であるグルタミン・165番目のアミノ酸残基であるグルタミン酸に相当するアミノ酸残基、及びB鎖のN末から37番目のアミノ酸残基であるフェニルアラニン・48番目のアミノ酸であるロイシンに相当する4つのアミノ酸残基の側鎖先端重原子を各々中心点とした立体構造上半径5Å内の領域に側鎖先端重原子が含まれるアミノ酸残基、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列中の36番目スレオニンより48番目アスパラギンに至る領域、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の31番目リジンより51番目フェニルアラニンに至る領域、及び112番目リジンより127番目ロイシンに至る領域に相当するアミノ酸残基、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の37・40・41・46・48・51・61・72・112・118・127番目に相当するアミノ酸残基等が挙げられる。
また、2量体形成に関与するαサブユニットとβサブユニット間の会合界面や2量体同士の会合に関与する界面を形成する領域に存在するアミノ酸残基に相当するのは、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖におけるN末から数えて2番目のヘリックス、B鎖におけるN末から数えて2番目のヘリックス、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列中の36番目スレオニンより48番目アスパラギンに至る領域、配列表の配列番号2記載の112番目リジンより127番目ロイシンに至る領域に相当するアミノ酸残基、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列中の36・71・148・188・204番目に相当するアミノ酸残基、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の10・32・33・112・118・127・146・150・160・168・171・176・186・217・218番目に相当するアミノ酸残基等が挙げられる。
更に、基質が酵素外部から活性中心に向かう際や生成物が活性中心から酵素外部に向かう際に通過する空洞を形成する領域を構成するアミノ酸残基の内、それを変更する事が空洞の大きさを変化させ、延いては基質/生成物の通過し易さ/し難さを制御するアミノ酸残基を特定する方法としては、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖におけるN末から89番目のアミノ酸であるグルタミン(A89Q)、165番目のアミノ酸であるグルタミン酸(A165E)に相当するアミノ酸残基、及びB鎖のN末から37番目のアミノ酸であるフェニルアラニン(B37F)、48番目のアミノ酸であるロイシン(B48L)に相当する4つのアミノ酸残基を特定し、A165EとB48Lとの最短重原子間距離をd1、A89QとB48Lとの最短重原子間距離をd2、B37FとB48Lとの最短重原子間距離をd3、A165EとB37Fとの最短重原子間距離をd4、A89QとB37Fとの最短重原子間距離をd5と規定し、d1から5の1つ以上を変化させるアミノ酸残基を特定する、該d1から3の1つ以上を変化させるアミノ酸残基を特定する等が挙げられる。
従って、対象となるニトリルヒドラターゼ(シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のものをその代表例として挙げる事が出来る。)に対して、上記の様にして特定した何れか1つ以上のアミノ酸残基に相当するアミノ酸配列中のアミノ酸に、置換、挿入又は削除等の変更を加える工程から成る改変方法は、本発明に含まれる。
また、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095以外の生物種由来のニトリルヒドラターゼ(例えばロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼ)をシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼの立体構造やアミノ酸配列とアラインメントし、上記のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基を見出し、相当するアミノ酸配列中のアミノ酸を変更する事による改変方法も本発明に含まれる。
以上に列挙した内容を実施するに当って、立体構造乃至アミノ酸配列に基づいたアラインメントを行うに際して、それに用いる手段は特に限定されないが、アミノ酸配列のアラインメントの手段としては日立ソフト社製のDNASISやフリーソフトのCLUSTALWやBLAST等の遺伝子配列解析ソフトが、アミノ酸配列のアラインメントに基づく立体構造のモデリングの手段としてはアクセルリス社製のモデラーやホモロジー等の蛋白質立体構造予測ソフトが、各々例として挙げられる。
一例を述べると、ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼ(配列表の配列番号7・特許文献2・非特許文献1参照)の場合、アラインメントの結果、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の48番目に相当するアミノ酸残基:Leuに相当するアミノ酸残基は、配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から690番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列の48番目に相当するアミノ酸残基:Trpであり、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の51番目に相当するアミノ酸残基:Pheに相当するアミノ酸残基は、配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から690番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列の51番目に相当するアミノ酸残基:Serである。これは、アミノ酸配列に基づいたアラインメントと立体構造に基づいたアラインメントとで一致する結果である。この2つのアミノ酸残基に相当するアミノ酸配列中のアミノ酸の何れか一方又は両方を変更する事による改変方法も本発明に含まれる。
尚、以上の改変方法を実施するに当って、アミノ酸残基に相当するアミノ酸配列中のアミノ酸を変更する為の変異導入手段に関しては、特に限定されないが、遺伝子組換えの技法を用いてアミノ酸配列中のアミノ酸を他のアミノ酸に置換する変異導入法を、その例として挙げる事が出来る。
また、意図して導入した変異以外に副次的に導入される変異によるアミノ酸配列や塩基配列の変化については、意図した変異導入による目的のニトリルヒドラターゼ活性を損なわない範囲内で、アミノ酸や塩基の置換、挿入又は削除が生じてもよい。
この様な副次的に導入される変異については以下の様な例を挙げる事が出来る。ある一定の塩基配列を有する遺伝子を鋳型として転写・翻訳された場合であっても、それを導入する宿主細胞の種類や培養に使用する栄養培地の成分や組成又は培養時の温度やpH等によっては、遺伝子発現後の宿主細胞内酵素による修飾などにより、初期の酵素作用は保持しているものの配列表におけるN末端付近のアミノ酸の1個又は2個以上が欠失したり、N末端に1個又は2個以上のアミノ酸が新たに付加した異型体を産生する事があり得る。その為、そのような異型なニトリルヒドラターゼをもたらす改変方法も本発明に含まれる。
本発明における改変方法の対象となる、改変前のニトリルヒドラターゼの例としては、ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼとシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼとを挙げる事が出来る。具体的には、配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から690番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列によって形成されるポリペプチド鎖と配列表の配列番号7記載の塩基配列の704番目から1315番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列によって形成されるポリペプチド鎖とを構成要素とするニトリルヒドラターゼと、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列によって形成されるポリペプチド鎖と配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列によって形成されるポリペプチド鎖とを構成要素とするニトリルヒドラターゼと、を挙げる事が出来る。
本発明における改変方法の対象となる、改変前のニトリルヒドラターゼには、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列と40%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチドと配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列と25%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチドとを構成要素とするニトリルヒドラターゼも含まれる。
配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列と40%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチドの例としては、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列から成るポリペプチド、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の少なくとも1箇所に関して置換、挿入又は削除の何れかの変更を施したアミノ酸配列から成るポリペプチド、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の6・19・38・77・90・102・106・126・130・142・146・187・194・203番目のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列から成るポリペプチド、配列表の配列番号7記載の塩基配列の704番目から1315番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列から成るポリペプチド等を挙げる事が出来る。
また、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列と40%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチドは、その配列中にXCXLCSC(ここにおいて、Cはシステインを、Xはセリン又はスレオニンを、Lはロイシンを、Cはシステインスルフィン酸(CYSTEINE SULFINIC ACID・3-SULFINOALANINE)を、Sはセリンを、Cはシステインスルフェン酸(CYSTEINE SULFENIC ACID・S-HYDROXY-CYSTEINE)を、X・X・X・X・Xは任意のアミノ酸を示す。)で表される領域を含むポリペプチドである事を特徴とする場合がある。加えて、Xがバリン、Xがトリプトファン、Xがプロリンであるポリペプチドである事を特徴とする場合がある。更に加えて、Xがチロシン、Xがプロリンであるポリペプチドである事を特徴とする場合がある。
上記の場合、XCXLCSCで表される領域を介して金属原子と結合している事を特徴とする場合がある。加えて、該金属がコバルトである事を特徴とする場合がある。
配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列と25%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチドの例としては、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列から成るポリペプチド、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列の少なくとも1箇所に関して置換、挿入又は削除の何れかの変更を施したアミノ酸配列から成るポリペプチド、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列の20・21・108・200・212番目のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列から成るポリペプチド、配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から690番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列から成るポリペプチド等を挙げる事が出来る。
一例を述べると、ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼの場合、配列表の配列表の配列番号7記載の塩基配列の704番目から1315番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列から成るポリペプチドと配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から690番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列から成るポリペプチドとを構成要素とするニトリルヒドラターゼであるので、本発明における改変方法の対象となる、改変前のニトリルヒドラターゼに含まれる。
また、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼは、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列から成るポリペプチドと配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列から成るポリペプチドとを構成要素とするニトリルヒドラターゼであるので、本発明における改変方法の対象となる、改変前のニトリルヒドラターゼに含まれる。
更に、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼから派生したニトリルヒドラターゼの例として、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼの構成要素の内、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列から成るポリペプチドが、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の少なくとも1箇所に関して置換、挿入又は削除の何れかの変更を施したアミノ酸配列から成るポリペプチド、或いは配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の6・19・38・77・90・102・106・126・130・142・146・187・194・203番目のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列から成るポリペプチドに置き換わったニトリルヒドラターゼである事、及び配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列から成るポリペプチドが、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列の少なくとも1箇所に関して置換、挿入又は削除の何れかの変更を施したアミノ酸配列から成るポリペプチド、或いは配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列の20・21・108・200・212番目のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列から成るポリペプチドに置き換わったニトリルヒドラターゼである事の、何れか一方又は両方の条件を満たすニトリルヒドラターゼを挙げる事が出来る。
シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼから派生したニトリルヒドラターゼも、本発明における改変方法の対象となる、改変前のニトリルヒドラターゼに含まれる。
本発明において、改変酵素とは、ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素を対象として改変方法を実施する事によって得られるニトリルヒドラターゼを言う。その例としては、上述の改変方法を用いて改変前のニトリルヒドラターゼの形質を変化させて得られる事を特徴とする改変酵素を、その例として挙げる事が出来る。
形質の変化としては、改変前のニトリルヒドラターゼと比較した場合、基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質(:該酵素が触媒として機能し、対応するアミド化合物に変換する事が可能な任意のニトリル化合物が例として挙げられる。)に対する安定性・生成物(:該酵素が触媒として機能し、任意のニトリル化合物を変換する事で得られる対応するアミド化合物が例として挙げられる。)に対する安定性等といった性質の何れか1つ以上の性質に関する変化を挙げる事が出来る。具体的な例としては、
1)相対的に、より嵩高いニトリル化合物を基質とし易くなる。
2)相対的に、より嵩の小さいニトリル化合物を基質とし易くなる。
3)任意のニトリル化合物を基質とする場合のVmaxが向上する。
4)任意のニトリル化合物を基質とする場合のKmが低減する。
5)酵素を任意の熱量に暴露した場合の不可逆的失活率が軽減する。
6)酵素を任意濃度の基質に暴露した場合の不可逆的失活率が軽減する。
7)反応中に任意濃度の生成物が存在する事による反応阻害率が軽減する。
8)酵素を任意濃度の生成物に暴露した場合の不可逆的失活率が軽減する。
等を挙げる事が出来る。
本発明における改変前のニトリルヒドラターゼを対象とした改変方法がもたらす形質変化の指標としては、基質特異性の変化をその代表例の1つに挙げる事が出来る。本発明における改変方法によって得られる改変酵素が、基質特異性の変化したものである場合、その改変酵素は、本発明における改変酵素に含まれる。
得られる改変酵素の基質特異性の変化を観察する方法としては、嵩高さの異なる複数種のニトリル化合物を基質とする反応を行い、生成する対応アミド化合物量の違いを測定する方法が挙げられる。その一例としては、アクリロニトリルを基質とする反応で生成するアクリルアミドとメタクリルニトリルを基質とする反応で生成するメタクリルアミドとのモル比を比較する方法がある。この場合、改変前の対象と比較して[生成するメタクリルアミドのモル量]÷[生成するアクリルアミドのモル量]の値が大きくなる方向に変化した改変酵素は、より嵩高いニトリル化合物を基質とし易くなる形質の変化を示したと言え、その値が小さくなる方向に変化した改変酵素は、より嵩の小さいニトリル化合物を基質とし易くなる形質の変化を示したと言える。
シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼ、及びシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼから派生したニトリルヒドラターゼを対象とした例においては、立体構造の解析により、基質が酵素外部から活性中心に向かう際や生成物が活性中心から酵素外部に向かう際に通過する空洞を形成する領域、及び/又は、2量体形成に関与するαサブユニットとβサブユニット間の会合界面や2量体同士の会合に関与する界面を形成する領域を特定し、該領域に存在するアミノ酸残基に相当するアミノ酸配列中のアミノ酸の何れか1箇所以上に、置換、挿入又は削除等の変更を加える工程を含む改変方法を実施した場合、改変前の対象と比較して、アクリロニトリルを基質とする反応で生成するアクリルアミドとメタクリルニトリルを基質とする反応で生成するメタクリルアミドとのモル比が変化した改変酵素が得られた。この事は基質特異性すなわち形質の変化したものであると言えるので、得られた改変酵素は、本発明における改変酵素に含まれる。
ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼを対象とした例においては、配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から690番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列の48番目に相当するアミノ酸残基:Trpを他のアミノ酸残基に変更する事による改変方法を実施した場合、改変前の対象と比較して、より嵩高いニトリル化合物を基質とし易くなる形質の変化を示した。従って、獲得した形質変化を示す蛋白質は、本発明における改変酵素に含まれる。
尚、得られる改変酵素が有する変異部位を組み合せる事によって、更なる形質の変化がもたらされる事は容易に類推される。従って、その様な変異部位の組み合せによって得られる改変酵素も、本発明における改変酵素に含まれる。
本発明において、改変酵素をコードする遺伝子とは、改変酵素を構成する2種のポリペプチド鎖を形成する事を特徴とする2つのアミノ酸配列乃至それらをコードする事を特徴とする2つのORFを成す塩基配列を指す。
本発明において、遺伝子を含む事を特徴とするプラスミドとは、改変酵素を構成する2種のポリペプチド鎖を形成する事を特徴とする2つのアミノ酸配列をコードする事を特徴とする2つのORFを成す塩基配列をその配列中に含有する事を特徴とするプラスミドを指す。
上記のプラスミドは、本発明における遺伝子に加え、各遺伝子の発現に必要な制御領域及び自律複製に必要な領域等の、任意の宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体や細胞株による改変酵素の産生を可能せしめる構成を有する事が出来る。ここでいう任意の宿主細胞とは、後述の実施例の様にその一例として大腸菌が挙げられるが、これに限定されるのものではなく、枯草菌等のバチルス属菌、酵母や放線菌等の他の微生物も用いる事が出来る。
発現に必要な制御領域としては、プロモーター配列(転写を制御するオペレーター配列を含む。)、リボゾーム結合配列(SD配列)、転写終結配列等を挙げる事が出来る。
具体的なプロモーター配列の例としては、大腸菌由来のトリプトファンオペロンのtrpプロモーター・ラクトースオペロンのlacプロモーター・ラムダファージ由来のPLプロモーター及びPRプロモーターや、枯草菌由来のグルコン酸合成酵素プロモーター(gnt)、アルカリプロテアーゼプロモーター(apr)、中性プロテアーゼプロモーター(npr)、α−アミラーゼプロモーター(amy)等が挙げられる。また、tacプロモーターやtrcプロモーターのように人為的に設計・改良された配列も利用出来る。
リボゾーム結合配列としては、大腸菌由来や枯草菌由来又はロドコッカスやシュードノカルディア本来の配列が挙げられるが、大腸菌や枯草菌等の所望の宿主細胞内で機能する配列であれば特に限定されるものではない。例えば、16SリボゾームRNAの3’末端領域に相補的な配列が4塩基以上連続したコンセンサス配列をDNA合成により作成してこれを利用してもよい。転写終結配列は必ずしも必要ではないが、ρ因子非依存性のもの、例えばリポプロテインターミネーター・trpオペロンターミネーター等が利用出来る。これら制御領域のプラスミド上での配列順序は、プロモーター配列とリボゾーム結合配列は本発明における遺伝子より5’末端側上流に位置する事が望ましく、転写終結配列は本発明における遺伝子より3'末端側下流に位置する事が望ましい。また、その様な制御領域により本発明における遺伝子を構成する各々のORFをコードする塩基配列が各々独立のシストロンとして発現されてもよいし、共通の制御領域によりポリシストロンとして発現されてもよい。
以上の要件を満たしているプラスミドベクターの例としては、大腸菌中での自律複製可能な領域を有しているpBR322、pUC18、pBluescript、pKK223−3、pSC101や、枯草菌中での自律複製可能な領域を有しているpUB110、pTZ4、pC194、ρ11、φ1、φ105等を挙げる事が出来る。また、2種類以上の宿主細胞内での自律複製が可能なプラスミドベクターの例として、pHV14、TRp7、YEp7、pBS7を挙げる事が出来る。
本発明における遺伝子を発現させて所望の活性を有するニトリルヒドラターゼを生産するに際しては、ニトリルヒドラターゼの活性化に関与する蛋白質が必要となる場合がある。
ニトリルヒドラターゼの活性化に関与する蛋白質とは、該蛋白質の発現の有無が、ニトリルヒドラターゼの活性化を直接左右する性質を有している蛋白質の事であり、特許文献4に記載されるシュードノカルディア サーモフィラ由来のニトリルヒドラターゼ活性化に関与する蛋白質(ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質)をその例として挙げる事が出来る。具体的には、ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質としては、配列番号:5のアミノ酸配列に示される144個のアミノ酸の配列により構成されるものをその例として挙げる事が出来る。また、配列番号:5のアミノ酸配列の一部でのアミノ酸の置換、挿入又は削除等により得られた異型蛋白質も、ニトリルヒドラターゼの活性化に関与するものであれば、ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質に含まれるものとする。この異型蛋白質としては、配列番号5のアミノ酸配列において1個以上のアミノ酸の置換、挿入又は削除等による変異を有し、ニトリルヒドラターゼの活性化に関与する性質を維持しているものを挙げる事が出来る。
ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質をコードする遺伝子としては、ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質をコードする遺伝子であれば特に限定されるものではない。この遺伝子としては、上記の配列番号:5のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子及び上記の異型蛋白質をコードする遺伝子を挙げる事が出来る。更に、このニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質をコードする遺伝子の好ましい例としては、配列番号:6の塩基配列を有する遺伝子を挙げる事が出来る。更に、ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質をコードする遺伝子には、配列番号:6に記載の塩基配列配列の1個または2個以上について塩基の置換・挿入・削除が行われた配列であっても、それがニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質をコードする遺伝子として機能する場合には、ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質をコードする遺伝子の範囲に含まれるものとする。
ニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質をコードする遺伝子を用いる場合としては、そのORFを本発明における遺伝子を成す2つのORFと共に、本発明におけるプラスミド中に含める例を挙げる事が出来る。その場合、これらORFのプラスミド上における順序は特に限定されず、また、3つのORFが同一の制御領域により制御されてもよく、2つのORFが同一の制御領域により制御され、残る1つのORFが他の2つとは異なる制御領域により制御されてもよく、3つのORFが各々異なる制御領域により制御されてもよい。
この様なベクタープラスミドに本発明における遺伝子を本発明における改変酵素の活性発現に必要な領域と共に挿入して本発明のプラスミドを構築する方法や該プラスミドを所望の宿主細胞に形質転換する方法及び該形質転換体内でニトリルヒドラターゼを産生させる方法には、例えば「Molecular Cloning 3rd Edition」(J.Sambrookら;Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001)等に記載されている分子生物学・生物工学・遺伝子工学の分野において公知の一般的な方法と宿主細胞が利用出来る。
本発明において、形質転換により得られる事を特徴とする形質転換体としては、本発明における遺伝子乃至プラスミドを用いて宿主細胞を形質転換する事により得られたものを含む。該形質転換体を培養する例としては、培養用の培地に植えた後、適当な培養温度(一般的には、20℃〜50℃)で生育させる事を特徴とする方法が挙げられる。
尚、宿主細胞が微生物の場合、上記の形質転換体を培養する培地としてLB培地やM9培地などが一般的に用いられるが、そのような培地成分に金属イオンを添加しても良い。添加する金属イオンとしては、Feイオン及びCoイオンが挙げられる。また、添加量としては、0.1μg/mL以上の添加が例として挙げられる。
本発明において、形質転換体を培養して得られる培養液、細胞、又はそれらの処理物から改変酵素を回収する工程を含む事を特徴とする改変酵素の調製方法としては、上記の形質転換体、該形質転換体の培養液、又は該形質転換体や該培養液の処理物からニトリルヒドラターゼ活性を回収する工程を有する特徴のある例を挙げる事が出来る。
本発明において、ニトリル化合物を対応するアミド化合物へと転化させる工程を含む事を特徴とするアミド化合物製造方法としては、上記の形質転換体、該形質転換体の培養液、または該形質転換体や該培養液の処理物、又は上記調製方法によって回収したニトリルヒドラターゼ活性を触媒として用いて、ニトリル化合物を対応するアミド化合に変換する工程を有する特徴のある例を挙げる事が出来る。
本発明における改変酵素又は該酵素活性を有する形質転換体を利用して、ニトリル化合物から対応するアミド化合物を製造する例としては、所望のニトリル化合物を、該酵素精製物や粗酵素調製物、本発明における形質転換体の培養液、培養液から得られる形質転換体、又は形質転換体の処理物と溶媒中で接触させる工程を含む方法が挙げられる。ここでいう処理物とは、該形質転換体からの抽出物や磨砕物、これらの抽出物や磨砕物のニトリルヒドラターゼ活性画分を分離して得られる粗酵素調製物、更に精製して得られる酵素精製物などの後分離物、該形質転換体や該形質転換体の抽出物、磨砕物または後分離物を適当な手段を用いて固定化した固定化物を含む。接触させる温度は特に限定されないが、好ましくは該ニトリルヒドラターゼが失活しない温度範囲内であり、より好ましくは氷点以上60℃以下である。
ニトリル化合物としては、本発明の改良酵素が基質として作用できる化合物であれば特に限定されないが、アセトニトリル・プロピオニトリル・アクリロニトリル・メタクリロニトリル・n−ブチロニトリル・イソブチロニトリル・クロトノニトリル・α−ヒドロキシイソブチロニトリル等といった炭素数2〜4のニトリル化合物がその例として挙げられる。該ニトリル化合物の溶媒中での濃度は、特に限定されるものではなく、また、反応温度も特に限定されないが、好ましくは該ニトリルヒドラターゼが失活しない温度範囲内であり、より好ましくは氷点以上50℃以下である。
以下に記載する実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって何等限定されるものではない。尚、各実施例及び比較例におけるHPLC分析は、カラムとして日本分光製のFinepak SIL C18−5(250×4.6φmm)を用い、4体積%のアセトニトリルを含む10mMリン酸水溶液を展開液として使用した。また、アクリルアミド、アクリロニトリル・アクリル酸・メタクリルアミド・メタクリロニトリル・メタクリル酸は210nmの吸光度により検出した。
ロドコッカス ロドクロウス J−1株からのゲノムDNA調製
500mlのバッフル付三角フラスコに下記の組成の培地100mlを調製し、121℃・20分間のオートクレーブにより滅菌した。
培地組成;
グルコース:10.0g/L、リン酸二水素一カリウム:0.5g/L、リン酸一水素二カリウム:0.5g/L、硫酸マグネシウム・七水和物:0.5g/L、酵母エキストラクト:1.0g/L、ペプトン:7.5g/L、尿素:7.5g/L、塩化コバルト・六水和物:10.0mg/L、pH7.2
この培地に特許文献1記載のロドコッカス・ロドクロウスJ−1株(FERM BP−1478として、前記の寄託機関に特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づいて寄託されており、万人に対し請求により分譲される)を一白菌耳植菌し、30℃・130rpmにて72時間培養した。遠心分離(15000G×15分間)により菌体のみを培養液より分離し、続いて、50mlの生理食塩水に該菌体を再懸濁した後に、再度遠心分離を行って湿菌体を得た。
上記で得た湿菌体2gに0.15MのNaClを含む50mMのEDTA・2Na水溶液(pH8.0)を40ml加えて菌体を懸濁し、90℃で10分間煮沸処理した。該処理液を37℃まで冷却した後に、卵白リゾチームを100mg加えて37℃で1時間保温した。次に20000U/mgのザイモリレースを30mg加えて37℃で1時間保温した。続いて20U/mgのプロテイネースKを5mg加えて37℃で1時間保温した。更に、10%SDS溶液を2ml添加して65℃で1時間保温した後、直ちにフェノール/クロロホルム抽出を行った。まず、TE(1mMのEDTA・2Naを含む10mMのトリス塩酸水溶液;pH8.0)で飽和させたフェノール液42mlを加え緩やかに攪拌した。遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を分離し、水相のみを分取した。この水相に上記のTE飽和フェノール液21mlとクロロホルム21mlを加えて再び緩やかに攪拌した後、遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を再度分離し、水相のみを再分取した。この水相にクロロホルム42mlを加えて再び緩やかに攪拌した後、遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を再度分離し、水相のみを分取した。この水相に1.1MのNaClを含むTE溶液4mlとエタノール92mlを加えてしばらく室温で放置した後、析出した糸状のDNAをガラス棒を用いて巻取った。70%・80%・90%のエタノール水溶液で順次脱水を行った後に風乾させた該DNAを40mlのTE溶液に再溶解させた。RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、制限酵素BamHIにより部分切断した。フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって部分切断された該DNAを再精製し、最終的に1.0μg/mlとなるようにTE溶液に溶解させた。
PCRを用いたロドコッカス ロドクロウス J−1株ゲノムDNAからのニトリルヒドラターゼ遺伝子の調製
特許文献2及び非特許文献1において明らかになっているニトリルヒドラターゼ遺伝子の塩基配列に基づいて、配列表の配列番号8及び9記載のプライマーを合成した。実施例1にて調製した部分切断された染色体DNA3μgを鋳型としてPCRを行った。PCR反応では、各プライマーを各々200ngとKODポリメラーゼ(東洋紡績社製)を1Uを含む全量50μlの系で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(58℃)15秒・伸長反応(68℃)2分間のサイクルを40回繰り返した。PCR反応の終了液をアガロース電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.8重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、約1.3kbpの増幅DNA産物の存在が確認できた。
続いて、アガロースゲルから約1.3kbpのDNA断片のみを切り出し、該アガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mlのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行った。まず、TE(1mMのEDTA・2Naを含む10mMのトリス塩酸水溶液;pH8.0)で飽和させたフェノール液1mlを加え緩やかに攪拌した。遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を分離し、水相のみを分取した。この操作を3回繰り返した後、得られた水相に上記のTE飽和フェノール液0.4mlとクロロホルム0.4mlを加えて再び緩やかに攪拌した後、遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を再度分離し、水相のみを再分取した。この水相にクロロホルム0.8mlを加えて再び緩やかに攪拌した後、遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を再度分離し、水相のみを分取した。この水相に1.1MのNaClを含むTE溶液80μlとエタノール1.7mlを加えて−80℃で30分間放置した後、遠心分離(15000rpm・20分間・4℃)によりDNA断片の沈殿を回収した。該DNA断片を風乾後、最終的に10μlのTEに溶解した。
精製した約1.3kbpの増幅DNA断片を制限酵素EcoRI及びScaIにより切断した後、アガロース電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.8重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、約1.3kbpのDNAの存在が確認できた。アガロースゲルからこの約1.3kbpのDNA断片を切り出し、該アガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mlのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行った。まず、TE(1mMのEDTA・2Naを含む10mMのトリス塩酸水溶液;pH8.0)で飽和させたフェノール液1mlを加え緩やかに攪拌した。遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を分離し、水相のみを分取した。この操作を3回繰り返した後、得られた水相に上記のTE飽和フェノール液0.4mlとクロロホルム0.4mlを加えて再び緩やかに攪拌した後、遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を再度分離し、水相のみを再分取した。この水相にクロロホルム0.8mlを加えて再び緩やかに攪拌した後、遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を再度分離し、水相のみを分取した。この水相に1.1MのNaClを含むTE溶液80μlとエタノール1.7mlを加えて−80℃で30分間放置した後、遠心分離(15000rpm・20分間・4℃)によりDNA断片の沈殿を回収した。該DNA断片を風乾後、最終的に10μlのTEに溶解した。
ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子を発現させる為のプラスミドベクターの調製
500mlのバッフル付三角フラスコに下記の組成の40μg/mLの硫酸第二鉄・七水和物及び10μg/mLの塩化コバルト・六水和物を含むLB液体培地を100ml調製し、121℃・20分間のオートクレーブにより滅菌した。
培地組成;
酵母エキストラクト:5.0g/L、ポリペプトン:10.0g/L、NaCl:5.0g/L、塩化コバルト・六水和物:10.0mg/L、硫酸第二鉄・七水和物:40.0mg/L、pH7.5
この培地に終濃度が100μg/mlとなるようにアンピシリンを添加した後、特許文献3記載のMT10822(FERM BP−5785)を一白菌耳植菌し、37℃・130rpmにて16時間培養した。遠心分離(15000G×15分間)により菌体のみを培養液より分離し、続いて、50mlの生理食塩水に該菌体を再懸濁した後に、再度遠心分離を行って湿菌体を得た。該湿菌体よりアルカリSDS抽出法によりpPT−DB1(図1)のプラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。
精製したプラスミド1μgを制限酵素EcoRI及びEco47IIIにより切断した後、アガロース電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.8重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、約3.3kbpと約1.3kbpのDNAの存在が確認できた。アガロースゲルから約3.3kbpのDNA断片のみを切り出し、該アガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mlのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行った。まず、TE(1mMのEDTA・2Naを含む10mMのトリス塩酸水溶液;pH8.0)で飽和させたフェノール液1mlを加え緩やかに攪拌した。遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を分離し、水相のみを分取した。この操作を3回繰り返した後、得られた水相に上記のTE飽和フェノール液0.4mlとクロロホルム0.4mlを加えて再び緩やかに攪拌した後、遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を再度分離し、水相のみを再分取した。この水相にクロロホルム0.8mlを加えて再び緩やかに攪拌した後、遠心分離(3000rpm・10分間)により水相と有機相を再度分離し、水相のみを分取した。この水相に1.1MのNaClを含むTE溶液80μlとエタノール1.7mlを加えて−80℃で30分間放置した後、遠心分離(15000rpm・20分間・4℃)によりDNA断片の沈殿を回収した。該DNA断片を風乾後、最終的に10μlのTEに溶解した。
ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼを活性発現させる為の形質転換体の構築
実施例2にて調製したEcoRI及びScaIにより切断された約1.3kbpのDNA断片と実施例3にて調製したEcoRI及びEco47IIIにより切断された約3.3kbpのDNA断片とを混合し、DNA連結反応に供した。反応産物により大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体No.200を得た。
500mLのバッフル付三角フラスコに40μg/mLの硫酸第二鉄・七水和物及び10μg/mLの塩化コバルト・六水和物を含む100mLのLB液体培地を調製し、121℃・20分間のオートクレーブにより滅菌した。この培地に終濃度が100μg/mLとなるようにアンピシリンを添加した後、形質転換体No.200を一白金耳植菌し、37℃・130rpmにて約20時間培養した。該培養終了液から遠心分離(5000G×15分間)により該形質転換体を分離した。続いて、分離した該形質転換体を50mLの生理食塩水に再懸濁した後に、再度遠心分離(5000G×15分間)により該形質転換体を分離した。
分離した該形質転換体0.1gを20mLの50mMリン酸カリウム水溶液(pH7.0)に懸濁し、これに0.5mLのアクリロニトリル又はメタアクリロニトリルを添加して30℃で緩やかに攪拌しながら1時間反応させた。反応終了後、HPLCを用いて反応終了液の分析を行った結果、該液中には、添加したニトリル化合物(アクリロニトリル又はメタアクリロニトリル)に相当するモル量のアミド化合物(アクリルアミド又はメタクリルアミド)のみが存在しており、ニトリル化合物(アクリロニトリル又はメタクリロニトリル)及び対応する有機酸(アクリル酸又はメタクリル酸)の存在は認められなかった。すなわち、転化率及び選択率は100%であった。
また、分離した該形質転換体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。その結果、該プラスミドはその配列中に配列表の配列番号6記載のニトリルヒドラターゼ活性化蛋白質をコードするORFと配列表の配列番号7記載のロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFとを含んでいる事が確認された。このプラスミドをpJ1H−DB1(図2)と名付けた。
改変前のニトリルヒドラターゼからの変異導入標的の抽出(1)
改変方法の対象として、ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼを例として用いた。請求項1から7に記載された変異導入の標的となるアミノ酸残基を特定する方法を例として用いて、標的の抽出を行った。請求項1・2記載の特定方法におけるアミノ酸配列のアラインメントには、日立ソフト社製のDNASISを用いた。請求項3から7記載の特定方法におけるアミノ酸配列のアラインメントに基づく立体構造のモデリングには、アクセルリス社製のモデラー乃至ホモロジーを用いた。
その結果、何れの方法を用いた場合も、抽出されたアミノ酸残基の中に、該ニトリルヒドラターゼを構成する2種のポリペプチドの1つであるβサブユニットのアミノ酸配列中の48番目のTrpが含まれていた。そこで、変異導入標的として、ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の48番目のTrpを例として用いる事とした。
改変前のニトリルヒドラターゼからの変異導入標的の抽出(2)
改変方法の対象として、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼを例として用いた。請求項1から7に記載された変異導入の標的となるアミノ酸残基を特定する方法を例として用いて、標的の抽出を行った。請求項1・2記載の特定方法におけるアミノ酸配列のアラインメントには、日立ソフト社製のDNASISを用いた。請求項3から7記載の特定方法におけるアミノ酸配列のアラインメントに基づく立体構造のモデリングには、アクセルリス社製のモデラー乃至ホモロジーを用いた。
その結果、基質が酵素外部から活性中心に向かう際や生成物が活性中心から酵素外部に向かう際に通過する空洞を形成する領域に存在するアミノ酸残基として抽出されたアミノ酸残基の内、該ニトリルヒドラターゼを構成する2種のポリペプチドの1つであるαサブユニットのアミノ酸配列中の36番目のThr、48番目のAsnを、もう1つのポリペプチドあるβサブユニットのアミノ酸配列中の32番目のVal、33番目のAla、37番目のPhe、40番目のThr、41番目のPhe、46番目のMet、48番目のLeu、51番目のPhe、61番目のAla、72番目のTrp、112番目のLys、118番目のPhe、127番目のLeuを、各々変異導入標的の代表例として用いる事とした。
改変前のニトリルヒドラターゼからの変異導入標的の抽出(3)
改変方法の対象として、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼを例として用いた。請求項1から7に記載された変異導入の標的となるアミノ酸残基を特定する方法を例として用いて、標的の抽出を行った。請求項1・2記載の特定方法におけるアミノ酸配列のアラインメントには、日立ソフト社製のDNASISを用いた。請求項3から7記載の特定方法におけるアミノ酸配列のアラインメントに基づく立体構造のモデリングには、アクセルリス社製のモデラー乃至ホモロジーを用いた。
その結果、2量体形成に関与するαサブユニットとβサブユニット間の会合界面や2量体同士の会合に関与する界面を形成する領域に存在するアミノ酸残基として抽出されたアミノ酸残基の内、該ニトリルヒドラターゼを構成する2種のポリペプチドの1つであるαサブユニットのアミノ酸配列中の36番目のThr、148番目のGly、188番目のThr、204番目のValを、もう1つのポリペプチドあるβサブユニットのアミノ酸配列中の10番目のThr、32番目のVal、33番目のAla、112番目のLys、118番目のPhe、127番目のLeu、146番目のArg、150番目のAla、160番目のArg、168番目のThr、171番目のLys、176番目のTyr、186番目のLeu、217番目のAsp、218番目のCysを、各々変異導入標的の代表例として用いる事とした。
改変酵素獲得を目的とした変異導入(1)
ニトリルヒドラターゼを構成するポリペプチドのアミノ酸配列に変異を導入する為に、宝酒造社製の「LA PCR in vitro mutagenesis Kit」を用いた部位特異的な変異導入を行った。以後、「LA PCR in vitro mutagenesis Kit」を単にキットと呼ぶ。以下の実施例では、基本的にキットの原理及び操作方法に従った。
実施例4にて構築したロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pJ1H−DB1に、実施例5にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の48番目のTrpを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpJ1H−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号13記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
PCR反応1及び2の反応終了液各5μLを用いたアガロース電気泳動(アガロース濃度1.0重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、何れも増幅DNA産物の存在が確認できた。Microcon100(宝酒造社製)を用いてそれぞれのPCR反応終了液より過剰なプライマー及びdNTPを除去した後、TEを加えて各々50μLの溶液を調製した。該TE溶液を各0.5μLずつ含む全量47.5μLのアニーリング溶液(組成はキットに記載の条件による)を調製し、熱変性処理(98℃)を10分間行った後、37℃まで60分間かけて一定の速度で冷却を行い、続いて37℃で15分間保持することによってアニーリング処理を行った。
アニーリング処理液にTaKaRa LA Taqを0.5μL加えて72℃で3分間加熱処理を行い、ヘテロ2本鎖を完成させた。これにM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol加えて全量を50μLとした後、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返すことによるPCR反応3を行った。
PCR反応3の反応終了液5μLを用いたアガロース電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.8重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、約1.9kbの増幅DNA産物の存在が確認できた。続いて、アガロースゲルから約1.9kbのDNA断片のみを切り出し、該アガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mLのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。
精製した約1.9kbの増幅DNA断片を制限酵素EcoRI及びHindIIIにより切断した後、この制限酵素処理液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。同様に、EcoRI及びHindIIIによりpJ1H−DB1を切断し、アガロースゲル電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.7%)を行い、アガロースゲルから約2.7kbのDNA断片のみを切り出した。切りだしたアガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mLのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。
この様にして得られた約1.9kbと約2.7kbのDNA断片をDNA連結反応に供した後、大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pJ1H−DB1と比較して、ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の48番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がTrp以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表1)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(2)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるαサブユニットのアミノ酸配列中の36番目のThrを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号14記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
PCR反応1及び2の反応終了液各5μLを用いたアガロース電気泳動(アガロース濃度1.0重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、何れも増幅DNA産物の存在が確認できた。Microcon100(宝酒造社製)を用いてそれぞれのPCR反応終了液より過剰なプライマー及びdNTPを除去した後、TEを加えて各々50μLの溶液を調製した。該TE溶液を各0.5μLずつ含む全量47.5μLのアニーリング溶液(組成はキットに記載の条件による)を調製し、熱変性処理(98℃)を10分間行った後、37℃まで60分間かけて一定の速度で冷却を行い、続いて37℃で15分間保持することによってアニーリング処理を行った。
アニーリング処理液にTaKaRa LA Taqを0.5μL加えて72℃で3分間加熱処理を行い、ヘテロ2本鎖を完成させた。これにM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol加えて全量を50μLとした後、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返すことによるPCR反応3を行った。
PCR反応3の反応終了液5μLを用いたアガロース電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.8重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、約1.9kbの増幅DNA産物の存在が確認できた。続いて、アガロースゲルから約1.9kbのDNA断片のみを切り出し、該アガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mLのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。
精製した約1.9kbの増幅DNA断片を制限酵素EcoRI及びHindIIIにより切断した後、この制限酵素処理液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。同様に、EcoRI及びHindIIIによりpPT−DB1を切断し、アガロースゲル電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.7%)を行い、アガロースゲルから約2.7kbのDNA断片のみを切り出した。切りだしたアガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mLのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。
この様にして得られた約1.9kbと約2.7kbのDNA断片をDNA連結反応に供した後、大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列中の36番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がThr以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表2)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(3)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるαサブユニットのアミノ酸配列中の48番目のAsnを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号15記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列中の48番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がAsn以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表3)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(4)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるαサブユニットのアミノ酸配列中の71番目のArgを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号16記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列中の71番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がArg以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表4)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(5)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるαサブユニットのアミノ酸配列中の148番目のGlyを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号17記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列中の148番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がGly以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表5)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(6)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるαサブユニットのアミノ酸配列中の188番目のThrを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号18記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列中の188番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がThr以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表6)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(7)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるαサブユニットのアミノ酸配列中の204番目のValを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号19記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列中の204番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がVal以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表7)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(8)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の10番目のThrを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号20記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の10番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がThr以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表8)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(9)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の32番目のValを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号21記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の32番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がVal以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表9)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(10)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の33番目のAlaを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号22記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の33番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がAla以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表10)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(11)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の37番目のPheを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号23記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の37番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がPhe以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表11)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(12)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の40番目のThrを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号24記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の40番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がThr以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表12)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(13)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の41番目のPheを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号25記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の41番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がPhe以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表13)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(14)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の46番目のMetを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号26記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の46番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がMet以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表14)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(15)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の48番目のLeuを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号27記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の48番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がLeu以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表15)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(16)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の51番目のPheを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号28記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の51番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がPhe以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表16)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(17)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の61番目のAlaを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号29記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の61番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がAla以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表17)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(18)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の72番目のTrpを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号30記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の72番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がTrp以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表18)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(19)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の112番目のLysを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号31記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の112番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がLys以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表19)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(20)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の118番目のPheを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号32記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の118番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がPhe以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表20)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(21)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の127番目のLeuを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号33記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の127番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がLeu以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表21)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(22)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の146番目のArgを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号34記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の146番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がArg以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表22)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(23)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の150番目のAlaを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号35記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の150番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がAla以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表23)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(24)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の160番目のArgを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号36記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の160番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がArg以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表24)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(25)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の168番目のThrを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号37記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の168番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がThr以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表25)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(26)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の171番目のLysを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号38記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の171番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がLys以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表26)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(27)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の176番目のTyrを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号39記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の176番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がTyr以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表27)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(28)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の186番目のLeuを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号40記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の186番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がLeu以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表28)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(29)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の217番目のAspを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号41記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の217番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がAsp以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表29)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変酵素獲得を目的とした変異導入(30)
実施例3にてMT10822より調製したシュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼをコードするORFを含むプラスミド:pPT−DB1に、実施例6又は7にて抽出した変異導入標的であるβサブユニットのアミノ酸配列中の218番目のCysを他のアミノ酸に変換する為の変異導入を施した。
10ngのpPT−DB1を鋳型として2種類のPCR反応を行った。PCR反応1は、配列表の配列番号42記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒・アニーリング(55℃)30秒・伸長反応(72℃)2分間の条件を25サイクル繰り返す事により行った。PCR反応2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成はキットに記載の条件による)で、PCR反応1と同様の操作により行った。
以後、実施例9と同様な操作を行って複数の形質転換体を得た。該形質転換体から各々プラスミドを調製し、RNaseAを30μg加えて37℃で1時間保温した後、フェノール抽出/クロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって該DNAを精製し、最終的に1.0μg/μlとなるようにTE溶液に溶解させた。続いて、ABI社製のシークエンシングキットとオートシークエンサー373Aを用いたダイデオキシ法によって塩基配列を決定した。
その結果、得られた形質転換体の有するプラスミドは、pPT−DB1と比較して、シュードノカルディア サーモフィラ JCM3095由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列中の218番目のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列がCys以外のアミノ酸をコードするコドンに相当する塩基配列に変化したものである事が判明した。
下記の(表30)に、得られた形質転換体の番号と変異箇所・アミノ酸配列の変化・塩基配列の変化との対応を示す。
Figure 2005160403
改変前のニトリルヒドラターゼと改変後の改変酵素との形質比較(1)
500mLのバッフル付三角フラスコに40μg/mLの硫酸第二鉄・七水和物及び10μg/mLの塩化コバルト・六水和物を含む100mLのLB液体培地を5つ調製し、121℃・20分間のオートクレーブにより滅菌した。各々の培地に終濃度が100μg/mLとなるようにアンピシリンを添加した。
各々の培地に実施例4にて得られた形質転換体No.200と実施例8にて得られた形質転換体No.201から204の計5種類の形質転換体を1種類ずつ各々5つの培地に一白金耳植菌した。37℃・130rpmにて約20時間培養した後、各々の培養終了液から遠心分離(5000G×15分間)により各形質転換体を分離した。続いて、分離した各形質転換体を50mLの生理食塩水に各々再懸濁した後に、再度遠心分離(5000G×15分間)により各形質転換体を分離した。
各形質転換体0.1gを20mLの50mMリン酸カリウム水溶液(pH7.0)に各々懸濁した後、10mL×2本に分注した。従って各形質転換体当り2本、合計10本の懸濁液が準備された。各形質転換体の懸濁液の1本には1mLのアクリロニトリルを、もう1本にはメタアクリロニトリルを添加して、30℃で緩やかに攪拌しながら10分間反応させた。
反応終了後、HPLCを用いて各反応終了液の分析を行った結果、各液中には反応しきれなかった基質であるニトリル化合物(アクリロニトリル又はメタクリロニトリル)と、反応によって生じた生成物である対応するアミド化合物(アクリルアミド又はメタクリルアミド)とが存在していた。尚、対応する有機酸(アクリル酸又はメタクリル酸)の存在は認められなかった。
各形質転換体ごとに、アクリロニトリルを基質とする反応で生成したアクリルアミドとメタクリロニトリルを基質とする反応で生成したメタクリルアミドとのモル比を比較した結果、下記の(表31)に示す様な違いが観察された。アクリロニトリルとメタクリロニトリルを比較した場合、メタクリロニトリルの方が嵩高いニトリル化合物である事から、この結果は、より嵩高い基質を水和し易くなった改変酵素が得られた事を示している。
Figure 2005160403
改変前のニトリルヒドラターゼと改変後の改変酵素との形質比較(2)
500mLのバッフル付三角フラスコに40μg/mLの硫酸第二鉄・七水和物及び10μg/mLの塩化コバルト・六水和物を含む100mLのLB液体培地を57つ調製し、121℃・20分間のオートクレーブにより滅菌した。各々の培地に終濃度が100μg/mLとなるようにアンピシリンを添加した。
が100μg/mLとなるようにアンピシリンを添加した。
各々の培地に、pPT−DB1によりHB101を形質転換して得られた形質転換体No.0と実施例9から37にて得られた形質転換体の内、No.40、No.40e、No.40f、No.42、No.42a、No.43、No.44、No.45、No.46、No.47、No.48、No.49、No.50、No.51、No.52、No.54、No.55、No.56、No.57、No.58、No.59、No.60、No.61、No.62、No.63、No.64、No.65、No.66、No.67、No.68、No.69、No.70、No.71、No.72、No.73、No.74、No.75、No.76、No.77、No.78、No.79、No.80、No.81、No.82、No.83、No.84、No.85、No.87、No.88、No.89、No.90、No.91、No.92、No.93、No.94、No.95の計56種類の形質転換体を1種類ずつを各々の培地に一白金耳植菌した。37℃・130rpmにて約20時間培養した後、各々の培養終了液から遠心分離(5000G×15分間)により各形質転換体を分離した。続いて、分離した各形質転換体を50mLの生理食塩水に各々再懸濁した後に、再度遠心分離(5000G×15分間)により各形質転換体を分離した。
各形質転換体0.1gを20mLの50mMリン酸カリウム水溶液(pH7.0)に各々懸濁した後、10mL×2本に分注した。従って各形質転換体当り2本、合計10本の懸濁液が準備された。各形質転換体の懸濁液の1本には1mLのアクリロニトリルを、もう1本にはメタアクリロニトリルを添加して、20℃で緩やかに攪拌しながら10分間反応させた。
反応終了後、HPLCを用いて各反応終了液の分析を行った結果、各液中には反応しきれなかった基質であるニトリル化合物(アクリロニトリル又はメタクリロニトリル)と、反応によって生じた生成物である対応するアミド化合物(アクリルアミド又はメタクリルアミド)とが存在していた。尚、対応する有機酸(アクリル酸又はメタクリル酸)の存在は認められなかった。
各形質転換体ごとに、アクリロニトリルを基質とする反応で生成したアクリルアミドとメタクリロニトリルを基質とする反応で生成したメタクリルアミドとのモル比を比較した結果、下記の(表32)(表33)(表34)に示す様な多様性が観察された。アクリロニトリルとメタクリロニトリルの嵩高さを比較した場合、メタクリロニトリルの方が嵩高いニトリル化合物である。この結果は、改変前のニトリルヒドラターゼと比較して、基質特異性の変化した改変酵素が得られた事を示している。
Figure 2005160403
Figure 2005160403
Figure 2005160403
本発明は、生体触媒を用いた物質生産の分野に於いて有用である。その例としては、ニトリルヒドラターゼと呼称される酵素乃至該酵素を活性発現する生体を触媒とするニトリル化合物の水和によって対応するアミド化合物に転換する物質生産を挙げる事が出来る。
MT10822より抽出したプラスミドpPT−DB1の制限酵素切断点地図である。(実施例3) ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼを活性発現させる為に構築したプラスミドpJ1H−DB1の制限酵素切断点地図である。(実施例4)
符号の説明
bla:β−ラクタマーゼをコードするORFを示す。
ColE1-ori:ColE1系の複製開始部位を示す。
lacZ:pUC18由来のラクトースオペロンのプロモーターおよびオペレーター領域を示す。
NHα:シュードノカルディア サーモフィラ由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットをコードするORFを示す。
NHβ:シュードノカルディア サーモフィラ由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードするORFを示す。
P16:シュードノカルディア サーモフィラ由来のニトリルヒドラターゼの活性化に関与する事を特徴とする蛋白質をコードするORFを示す。
nhhA:ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼのαサブユニットをコードするORFを示す。
nhhB:ロドコッカス ロドクロウス J−1株由来のニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードするORFを示す。

Claims (22)

  1. ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
    (a)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素のアミノ酸配列を、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列及び配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列とアラインメントする、
    (b)アラインメント結果から、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列中の36番目スレオニンより48番目アスパラギンに至る領域、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の31番目リジンより51番目フェニルアラニンに至る領域、及び112番目リジンより127番目ロイシンに至る領域に相当するアミノ酸残基を特定する、
    (c)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う。
  2. ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
    (d)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素のアミノ酸配列を、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列及び配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列とアラインメントする、
    (e)アラインメント結果から、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列中の36・48・71・148・188・204番目に相当するアミノ酸残基、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の10・32・33・37・40・41・46・48・51・61・72・112・118・127・146・150・160・168・171・176・186・217・218番目に相当するアミノ酸残基を特定する、
    (f)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う。
  3. ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
    (g)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を、PDB(Protein Data Bank)番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造と、アミノ酸配列に基づいたアラインメントを行う事により推定する、
    (h)推定された立体構造に基づき、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖(Chain 1IRE:A)におけるN末から数えて2番目のヘリックス、及びB鎖(Chain 1IRE:B)におけるN末から数えて1番目のヘリックス、2番目のヘリックス、及びそれらにはさまれたループ部分とC末から数えて3番目のヘリックスに相当する領域のアミノ酸残基を特定する、
    (i)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う。
  4. ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
    (j)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造と、アミノ酸配列に基づいたアラインメントを行う事により推定する、
    (k)推定された立体構造に基づき、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖におけるN末から89番目のアミノ酸残基であるグルタミン、165番目のアミノ酸残基であるグルタミン酸に相当するアミノ酸残基、及びB鎖のN末から37番目のアミノ酸残基であるフェニルアラニン、48番目のアミノ酸であるロイシンに相当する4つのアミノ酸残基を特定する、
    (l)特定された4つのアミノ酸残基の側鎖先端重原子を各々中心点とした立体構造上半径5Å内の範囲に側鎖先端重原子が含まれるアミノ酸残基を特定する、
    (m)上記lで特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う。
  5. ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
    (n)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造と、アミノ酸配列に基づいたアラインメントを行う事により推定する、
    (o)推定された立体構造に基づき、基質が酵素外部から活性中心に向かう際や生成物が活性中心から酵素外部に向かう際に通過する空洞を形成する領域を特定する、
    (p)特定された領域を構成するアミノ酸残基の内、それを変更する事が空洞の大きさを変化させ、延いては基質/生成物の通過し易さ/し難さを制御するアミノ酸残基を特定する、
    (q)上記pで特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う。
  6. ニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素において、以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除することにより、該酵素の活性・基質特異性・Vmax・Km・熱安定性・基質に対する安定性・生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、
    (r)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素の立体構造を、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造と、アミノ酸配列に基づいたアラインメントを行う事により推定する、
    (s)推定された立体構造に基づき、PDB番号1IRE記載のニトリルヒドラターゼ立体構造中のA鎖におけるN末から89番目のアミノ酸であるグルタミン(A89Q)、165番目のアミノ酸であるグルタミン酸(A165E)に相当するアミノ酸残基、及びB鎖のN末から37番目のアミノ酸であるフェニルアラニン(B37F)、48番目のアミノ酸であるロイシン(B48L)に相当するアミノ酸残基の4つのアミノ酸残基を特定する、
    (t)A165Eに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd1、A89Qに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd2、B37Fに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd3と規定し、d1から3の1つ以上を変化させるアミノ酸残基を特定する、
    (u)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う。
  7. (t)の工程が以下の(t’)のとおりである請求項6に記載の改変方法、
    (t’)A165Eに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd1、A89Qに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd2、B37Fに相当するアミノ酸残基とB48Lに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd3、A165Eに相当するアミノ酸残基とB37Fに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd4、A89Qに相当するアミノ酸残基とB37Fに相当するアミノ酸残基との最短重原子間距離をd5と規定し、d1から5の1つ以上を変化させるアミノ酸残基を特定する。
  8. 改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素が下記の[A]と[B]の2種類のポリペプチドを含む事を特徴とする請求項1から7の何れか一項記載の改変方法、
    [A]配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列と40%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチド、
    [B]配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列と25%以上の相同性を示すアミノ酸配列から成るポリペプチド。
  9. [A]のポリペプチドが下記[C]のポリペプチドであり、[B]のポリペプチドが下記[D]ポリペプチドである事を特徴とする請求項8記載の改変方法、
    [C]配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の少なくとも1箇所に関して置換、挿入又は削除を行ったアミノ酸配列、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の6・19・38・77・90・102・106・126・130・142・146・187・194・203番目のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、の何れかのアミノ酸配列から成るポリペプチド、
    [D]配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列の少なくとも1箇所に関して置換、挿入又は削除を行ったアミノ酸配列、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列の20・21・108・200・212番目のアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸に置換したアミノ酸配列、の何れかのアミノ酸配列から成るポリペプチド。
  10. [A]のポリペプチドが下記[E]のポリペプチドであり、[B]のポリペプチドが下記[F]のポリペプチドである事を特徴とする請求項8記載の改変方法、
    [E]配列表の配列番号7記載の塩基配列の704番目から1315番目によって成るORF(オープンリーディングフレーム)がコードするアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列から成るポリペプチド、
    [F]配列表の配列番号7記載の塩基配列の1番目から680番目によって成るORFがコードするアミノ酸配列と相同であるアミノ酸配列から成るポリペプチド。
  11. 改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素が構成要素として含む2種のポリペプチドの内、1つが請求項10記載の[E]のポリペプチドであり、もう1つのロリペプチドが請求項10記載の[F]のポリペプチドである事を特徴とし、且つ以下の工程により特定のアミノ酸残基を特定し、特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行うことにより、該酵素の活性、基質特異性、Vmax、Km、熱安定性、基質に対する安定性、生成物に対する安定性の何れか1つ以上の性質を変化させる改変方法、(d’)改変前のニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素のアミノ酸配列を、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列とアラインメントする、
    (e’)アラインメント結果から、配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列中の48・51番目に相当するアミノ酸残基を特定する、
    (f’)特定されたアミノ酸残基の内の1箇所以上に置換、挿入又は削除を行う。
  12. [A]のポリペプチドが下記[G]のポリペプチドである事を特徴とする請求項8記載の改変方法、
    [G]アミノ酸配列XCXLCSCで表される領域を含むポリペプチド
    (ここにおいて、Cはシステインを、Xはセリン又はスレオニンを、Lはロイシンを、Cはシステインスルフィン酸(CYSTEINE SULFINIC ACID・3-SULFINOALANINE)を、Sはセリンを、Cはシステインスルフェン酸(CYSTEINE SULFENIC ACID・S-HYDROXY-CYSTEINE)を、X・X・X・X・Xは任意のアミノ酸を示す。)。
  13. がバリン、Xがトリプトファン、Xがプロリンである事を特徴とする請求項12記載の改変方法。
  14. がチロシン、Xがプロリンである事を特徴とする請求項13記載の改変方法。
  15. CXLCSCで表される領域を介して金属原子と結合している事を特徴とする請求項12から14の何れか一項記載の改変方法。
  16. 金属原子がコバルト原子である事を特徴とする請求項15記載の改変方法。
  17. 請求項1から16の何れか一項記載の改変方法により得られる事を特徴とする改変酵素。
  18. 請求項17記載の改変酵素をコードする遺伝子。
  19. 請求項18記載の遺伝子を含む事を特徴とするプラスミド。
  20. 微生物を請求項18記載の遺伝子又は請求項19記載のプラスミドを用いる形質転換をすることにより得られる事を特徴とする形質転換体。
  21. 請求項20記載の形質転換体を培養して得られる培養液、細胞、又はそれらの処理物から改変酵素を回収する工程を含む事を特徴とする改変酵素の調製方法。
  22. 請求項20記載の形質転換体を培養して得られる培養液、細胞、又はそれらの処理物、又は請求項21記載の調製方法により得られる改変酵素をニトリル化合物と溶媒中で接触させる事により該ニトリル化合物を対応するアミド化合物へと転化させる工程を含む事を特徴とするアミド化合物製造方法。
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