JPWO2010055666A1 - ニトリルヒドラターゼ変異体 - Google Patents

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Abstract

本発明のニトリルヒドラターゼ変異体は、1つのアミノ酸置換により、ニトリルヒトラターゼの2つ以上の性質を改善する少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含む。

Description

本発明は、ニトリルヒドラターゼ変異体、及びそれをコードする遺伝子、該遺伝子を含むDNA、該遺伝子を含有するプラスミド、該プラスミドによる形質転換体、該形質転換体を用いてニトリルヒドラターゼ変異体を生産する方法に関する。
近年、種々の化合物のニトリル基を水和によりアミド基に変換するニトリル水和活性を有する酵素であるニトリルヒドラターゼが発見され、該酵素を産生する微生物株が多数開示されている。ニトリルヒドラターゼを用いてニトリル化合物よりアミド化合物を工業的に製造するためには、アミド化合物の製造コストに占める該酵素の製造コストを下げることが重要である。より具体的には、酵素調製物の単位重量あたりの活性値を高くする必要がある。
酵素調製物中の酵素量を増やすことにより活性値を高くする方法として、既に、該酵素をコードする遺伝子をクローニングし、遺伝子工学的手法により該酵素を大量に発現させる試みがなされている。
例えば、シュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)由来のニトリルヒドラターゼを形質転換体内で大量に発現できるプラスミド及び同プラスミドにより形質転換された細胞株が作出されている。加えて、該細胞株による該ニトリルヒドラターゼの生産及び該細胞株若しくはそれより得られる該ニトリルヒドラターゼをニトリル化合物と接触させる事による対応するアミド化合物の製造が可能となっている(特許文献1参照)。
一方、酵素分子そのものの高活性化が実現できれば、酵素調製物の活性値をより高くすることができる。
これまでその活性を損なうことなく、ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列中の特定のアミノ酸残基に変異を導入することにより、基質特異性、酵素安定性等が改良されたニトリルヒドラターゼ変異体を探索する試みがなされている(特許文献2〜4参照)。
なお、ロドコッカス・ロドクロウス由来のニトリルヒドラターゼ変異体として、特許文献5、6に記載のものがある。
特開平9−275978号公報 特開2004−194588号公報 特開2005−160403号公報 国際公開第2004/056990号パンフレット 特開2007−143409号公報 特開2008−253182号公報
しかしながら、特許文献1記載の野生型ニトリルヒドラターゼと比較し、その反応初速度及び酵素安定性が同時に向上した具体的な変異体は知られていない。反応初速度及び酵素安定性を同時に向上させることでアミド化合物の製造コストを削減できることが期待される。
本発明の目的は、高い反応初速度及び酵素安定性を有するニトリルヒドラターゼを提供することである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]3以下1以上のアミノ酸置換により、ニトリルヒドラターゼの2以上の性質を改善する少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体。
[2][1]に記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、改善される前記性質が反応初速度及び熱安定性であることを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体。
[3][1]又は[2]に記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、
配列表の配列番号:1に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:2に示されるβサブユニットとからなり、下記(a)〜(l)からなるアミノ酸置換位置より選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体。
(a)αサブユニットの92番目
(b)αサブユニットの94番目
(c)αサブユニットの197番目
(d)βサブユニットの4番目
(e)βサブユニットの24番目
(f)βサブユニットの79番目
(g)βサブユニットの96番目
(h)βサブユニットの107番目
(i)βサブユニットの226番目
(j)βサブユニットの110番目、及び、βサブユニットの231番目
(k)βサブユニットの206番目、及び、βサブユニットの230番目
(l)αサブユニットの13番目、αサブユニットの27番目、及び、βサブユニットの110番目
[4][3]に記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、さらに下記(m)〜(u)からなるアミノ酸置換位置より選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とするニトリルヒドラターゼ変異体。
(m)(b)又は(g)のとき、αサブユニットの13番目
(n)(b)又は(h)のとき、αサブユニットの27番目
(o)(d)及び(f)
(p)(f)のとき、βサブユニットの230番目
(q)(a)及び(i)
(r)(i)のとき、αサブユニットの13番目、及び、βサブユニットの206番目
(s)(a)及び(d)のとき、βサブユニットの206番目
(t)(c)及び(h)のとき、βサブユニットの230番目
(u)(f)のとき、βサブユニットの230番目、及び、βサブユニットの231番目
[5][3]に記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、(e)のとき、(a)、(c)、(f)、(i)、(h)、βサブユニットの230番目、及びβサブユニットの231番目からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換をさらに含むことを特徴とするニトリルヒドラターゼ変異体。
[6][1]〜[5]いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、
αサブユニットの13番目のアミノ酸が置換されているとき、IleがLeuに置換されており、
αサブユニットの27番目のアミノ酸が置換されているとき、MetがIleに置換されており、
αサブユニットの92番目のアミノ酸が置換されているとき、AspがGluに置換されており、
αサブユニットの94番目のアミノ酸が置換されているとき、MetがIleに置換されており、
αサブユニットの197番目のアミノ酸が置換されているとき、GlyがCysに置換されており、
βサブユニットの4番目のアミノ酸が置換されているとき、ValがMetに置換されており、
βサブユニットの24番目のアミノ酸が置換されているとき、ValがIleに置換されており、
βサブユニットの79番目のアミノ酸が置換されているとき、HisがAsnに置換されており、
βサブユニットの96番目のアミノ酸が置換されているとき、GlnがArgに置換されており、
βサブユニットの107番目のアミノ酸が置換されているとき、ProがMetに置換されており、
βサブユニットの110番目のアミノ酸が置換されているとき、GluがAsnに置換されており、
βサブユニットの206番目のアミノ酸が置換されているとき、ProがLeuに置換されており、
βサブユニットの226番目のアミノ酸が置換されているとき、ValがIleに置換されており、
βサブユニットの230番目のアミノ酸が置換されているとき、AlaがGluに置換され
βサブユニットの231番目のアミノ酸が置換されているとき、AlaがValに置換されていることを特徴とするニトリルターゼ変異体。
[7][3]〜[6]いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、更に下記(aa)〜(br)からなるアミノ酸置換より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸の置換を含むことを特徴とするニトリルヒドラターゼ変異体。
(aa)αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
(ab)αサブユニットの148番目のGlyをAsp、及び、αサブユニットの204番目のValをArg
(ac)βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
(ad)βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(ae)βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
(af)αサブユニットの6番目のLeuをThr、αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
(ag)αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの71番目のArgをHis、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
(ah)αサブユニットの36番目のThrをMet、αサブユニットの148番目のGlyをAsp、及び、αサブユニットの204番目のValをArg
(ai)βサブユニットの10番目のThrをAsp、βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(aj)βサブユニットの37番目のPheをLeu、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(ak)βサブユニットの37番目のPheをVal、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(al)βサブユニットの41番目のPheをIle、βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
(am)βサブユニットの46番目のMetをLys、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
(an)βサブユニットの48番目のLeuをVal、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
(ao)βサブユニットの127番目のLeuをSer、βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
(ap)αサブユニットの6番目のLeuをThr、αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの46番目のMetをLys、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
(aq)αサブユニットの6番目のLeuをThr、αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの48番目のLeuをVal、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
(ar)αサブユニットの6番目のLeuをAla、αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの127番目のLeuをSer、βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
(as)αサブユニットの6番目のLeuをThr、αサブユニットの36番目のThrをMet、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの10番目のThrをAsp、βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(at)αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの71番目のArgをHis、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの37番目のPheをLeu、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(au)αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの71番目のArgをHis、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの37番目のPheをVal、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(av)αサブユニットの36番目のThrをMet、αサブユニットの148番目のGlyをAsp、αサブユニットの204番目のValをArg、βサブユニットの41番目のPheをIle、βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
(aw)αサブユニットの148番目のGlyをAsp、αサブユニットの204番目のValをArg、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
(ax)αサブユニットの36番目のThrをGly、及び、αサブユニットの188番目のThrをGly
(ay)αサブユニットの36番目のThrをAla、及び、αサブユニットの48番目のAsnをGln
(az)αサブユニットの48番目のAsnをGlu、及び、βサブユニットの146番目のArgをGly
(ba)αサブユニットの36番目のThrをTrp、及び、βサブユニットの176番目のTyrをCys
(bb)βサブユニットの176番目のTyrをMet、及び、βサブユニットの217番目のAspをGly
(bc)αサブユニットの36番目のThrをSer、及び、βサブユニットの33番目のAlaをVal
(bd)βサブユニットの176番目のTyrをAla、及び、βサブユニットの217番目のAspをVal
(be)βサブユニットの40番目のThrをVal、及び、βサブユニットの218番目のCysをMet
(bf)βサブユニットの33番目のAlaをMet、及び、βサブユニットの176番目のTyrをThr
(bg)βサブユニットの40番目のThrをLeu、及び、βサブユニットの217番目のAspをLeu
(bh)βサブユニットの40番目のThrをIle、及び、βサブユニットの61番目のAlaをVal
(bi)βサブユニットの61番目のAlaをThr、及び、βサブユニットの218番目のCysをSer
(bj)βサブユニットの112番目のLysをVal、及び、βサブユニットの217番目のAspをMet
(bk)βサブユニットの61番目のAlaをTrp、及び、βサブユニットの217番目のAspをHis
(bl)βサブユニットの61番目のAlaをLeu、及び、βサブユニットの112番目のLysをIle
(bm)βサブユニットの146番目のArgをGly、及び、βサブユニットの217番目のAspをSer
(bn)βサブユニットの171番目のLysをAla、及び、βサブユニットの217番目のAspをThr
(bo)βサブユニットの150番目のAlaをSer、及び、βサブユニットの217番目のAspをCys
(bp)βサブユニットの61番目のAlaをGly、及び、βサブユニットの150番目のAlaをAsn
(bq)βサブユニットの61番目のAlaをSer、及び、βサブユニットの160番目のArgをMet
(br)βサブユニットの160番目のArgをCys、及び、βサブユニットの168番目のThrをGlu
[8][1]〜[7]いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子。
[9]配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットをコードする遺伝子と、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットをコードする遺伝子とからなる、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子において、下記(a)〜(l)からなる塩基置換位置より選ばれる、少なくとも1つの塩基置換を含むことを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子。
(a)配列番号:3の塩基配列の274番目〜276番目
(b)配列番号:3の塩基配列の280番目〜282番目
(c)配列番号:3の塩基配列の589番目〜591番目
(d)配列番号:4の塩基配列の10番目〜12番目
(e)配列番号:4の塩基配列の69番目〜71番目
(f)配列番号:4の塩基配列の235番目〜237番目
(g)配列番号:4の塩基配列の286番目〜288番目
(h)配列番号:4の塩基配列の319番目〜321番目
(i)配列番号:4の塩基配列の676番目〜678番目
(j)配列番号:4の塩基配列の328番目〜330番目、及び、配列番号:4の691番目〜693番目
(k)配列番号:4の塩基配列の616番目〜618番目、及び、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目
(l)配列番号:3の塩基配列の37番目〜39番目、及び、配列番号:3の塩基配列の79番目〜81番目、及び、配列番号:4の塩基配列の328番目〜330番目
[10][9]に記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子において、さらに下記(m)〜(u)からなる塩基置換位置より選ばれる、少なくとも1つの塩基置換を含むことを特徴とする遺伝子。
(m)(b)又は(g)のとき、配列番号:3の塩基配列の37番目〜39番目
(n)(b)又は(h)のとき、配列番号:3の塩基配列の79番目〜81番目
(o)(d)及び(f)
(p)(f)のとき、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目
(q)(a)及び(i)
(r)(i)のとき、配列番号:3の塩基配列の37〜39番目及び、配列番号:4の塩基配列の616番目〜618番目
(s)(a)及び(d)のとき、配列番号:4の塩基配列の616番目〜618番目
(t)(c)及び(h)のとき、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目
(u)(f)のとき、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目、及び、配列番号:4の塩基配列の691番目〜693番目
[11][9]に記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子において、(e)のとき、(a)、(c)、(f)、(i)、(h)、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目、及び配列番号:4の塩基配列の691番目〜693番目からなる塩基置換位置から選択される少なくとも1つの塩基の他の塩基への置換をさらに含むことを特徴とする遺伝子。
[12][9]〜[11]いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子において、
配列番号:3の塩基配列の37番目〜39番目が塩基置換されているとき、ATCがCTCに置換されており、
配列番号:3の塩基配列の79番目〜81番目が塩基置換されているとき、ATGがATCに置換されており、
配列番号:3の塩基配列の274番目〜276番目が塩基置換されているとき、GACがGAGに置換されており、
配列番号:3の塩基配列の280番目〜282番目が塩基置換されているとき、ATGがATCに置換されており、
配列番号:3の塩基配列の589番目〜591番目が塩基置換されているとき、GGCをTGCに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の10番目〜12番目が塩基置換されているとき、GTGをATGに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の69番目〜71番目が塩基置換されているとき、GTCがATCに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の235番目〜237番目が塩基置換されているとき、CACがAACに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の286番目〜288番目が塩基置換されているとき、CAGがCGTに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の319番目〜321番目が塩基置換されているとき、CCCがATGに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の328番目〜330番目が塩基置換されているとき、GAGがAACに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の616番目〜618番目が塩基置換されているとき、CCGがCTGに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の676番目〜678番目が塩基置換されているとき、GTCがATCに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目が塩基置換されているとき、GCGがGAGに置換されており、
配列番号:4の塩基配列の691番目〜693番目が塩基置換されているとき、GCCがGTCに置換されていることを特徴とする遺伝子。
[13][9]〜[12]いずれかに記載の遺伝子が、下記(aa)〜(br)からなる塩基置換位置より選ばれる、少なくとも1つの塩基置換を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子。
(aa)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、及び、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC
(ab)配列番号:3の塩基配列の442番目〜444番目のGGCをGAC、及び、配列番号:3の塩基配列の610番目〜612番目のGTCをCGC
(ac)配列番号:4の塩基配列の151番目〜153番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT
(ad)配列番号:4の塩基配列の352番目〜354番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
(ae)配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の556番目〜558番目のCTGをCGG
(af)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをACG、配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、及び、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC
(ag)配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の211番目〜213番目のCGTをCAT、及び、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC
(ah)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、配列番号:3の塩基配列の442番目〜444番目のGGCをGAC、及び、配列番号:3の塩基配列の610番目〜612番目のGTCをCGC
(ai)配列番号:4の塩基配列の28番目〜30番目のACCをGAC、配列番号:4の塩基配列の352番目〜354番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
(aj)配列番号:4の塩基配列の109番目〜111番目のTTCをCTC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
(ak)配列番号:4の塩基配列の109番目〜111番目のTTCをGTC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
(al)配列番号:4の塩基配列の121番目〜123番目のTTCをATC、配列番号:4の塩基配列の151番目〜153番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT
(am)配列番号:4の塩基配列の136番目〜138番目のATGをAAG、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをCGG、及び、配列番号:4の塩基配列の634番目〜636番目のTCCをTAC
(an)配列番号:4の塩基配列の142番目〜144番目のCTGをGTG、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをCGG、及び、配列番号:4の塩基配列の634番目〜636番目のTCCをTAC
(ao)配列番号:4の塩基配列の379番目〜381番目のCTGをTCG、配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の556番目〜558番目のCTGをCGG
(ap)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをACG、配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の136番目〜138番目のATGをAAG、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをCGG、及び、配列番号:4の塩基配列の634番目〜636番目のTCCをTAC
(aq)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをACG、配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の142番目〜144番目のCTGをGTG、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをCGG、及び、配列番号:4の塩基配列の634番目〜636番目のTCCをTAC
(ar)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをGCG、配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の379番目〜381番目のCTGをTCG、配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の556番目〜558番目のCTGをCGG
(as)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをACG、配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の28番目〜30番目のACCをGAC、配列番号:4の塩基配列の352番目〜354番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
(at)配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の211番目〜213番目のCGTをCAT、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の109番目〜111番目のTTCをCTC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
(au)配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の211番目〜213番目のCGTをCAT、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の109番目〜111番目のTTCをGTC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
(av)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、配列番号:3の塩基配列の442番目〜444番目のGGCをGAC、配列番号:3の塩基配列の610番目〜612番目のGTCをCGC、配列番号:4の塩基配列の121番目〜123番目のTTCをATC、配列番号:4の塩基配列の151番目〜153番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT
(aw)配列番号:3の塩基配列の442番目〜444番目のGGCをGAC、配列番号:3の塩基配列の610番目〜612番目のGTCをCGC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
(ax)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをGGG、及び、配列番号:3の塩基配列の562番目〜564番目のACCをGGC
(ay)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをGCG、及び、配列番号:3の塩基配列の142番目〜144番目のAACをCAA
(az)配列番号:3の塩基配列の142番目〜144番目のAACをGAA、及び、配列番号:4の塩基配列の436番目〜438番目のCGGをGGG
(ba)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の526番目〜528番目のTACをTGC
(bb)配列番号:4の塩基配列の526番目〜528番目のTACをATG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをGGC
(bc)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをTCG、及び、配列番号:4の塩基配列の97番目〜99番目のGCGをGTG
(bd)配列番号:4の塩基配列の526番目〜528番目のTACをGCC、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをGTC
(be)配列番号:4の塩基配列の118番目〜120番目のACGをGTG、及び、配列番号:4の塩基配列の652番目〜654番目のTGCをATG
(bf)配列番号:4の塩基配列の97番目〜99番目のGCGをATG、及び、配列番号:4の塩基配列の526番目〜528番目のTACをACC
(bg)配列番号:4の塩基配列の118番目〜120番目のACGをCTG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをCTC
(bh)配列番号:4の塩基配列の118番目〜120番目のACGをATT、及び、配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをGTC
(bi)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをACG、及び、配列番号:4の塩基配列の652番目〜654番目のTGCをTCC
(bj)配列番号:4の塩基配列の334番目〜336番目のAAGをGTG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをATG
(bk)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをCAC
(bl)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをCTC、及び、配列番号:4の塩基配列の334番目〜336番目のAAGをATT
(bm)配列番号:4の塩基配列の436番目〜438番目のCGGをGGG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをAGC
(bn)配列番号:4の塩基配列の511番目〜513番目のAAGをGCG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをACC
(bo)配列番号:4の塩基配列の448番目〜450番目のGCGをTCG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをTGT
(bp)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをGGC、及び、配列番号:4の塩基配列の448番目〜450番目のGCGをAAT
(bq)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをTCG、及び、配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをATG
(br)配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをTGT、及び、配列番号:4の塩基配列の502番目〜504番目のACGをGAG
[14][9]〜[13]いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子の5'末端上流に更に、遺伝子の発現に必要とされるプロモーター配列を含むDNAと、該プロモーターの3'末端の下流に、配列番号:7に含まれるリボゾーム結合配列とを含む、連結されたDNA。
[15][14]に記載のDNAを含む、プラスミド。
[16][15]に記載のプラスミドによって宿主細胞を形質転換して得られた形質転換体。
[17]ニトリルヒドラターゼ変異体の生産方法において、[16]に記載の形質転換体を培地で培養して、該形質転換体にプラスミドの有するニトリルヒドラターゼ遺伝子に基づくニトリルヒドラターゼ変異体を生産させる工程を含むことを特徴とするニトリルヒドラターゼ変異体の生産方法。
本発明によれば、配列表の配列番号:1に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:2に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼにおいて、上記(a)〜(l)からなるアミノ酸置換位置より選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含んでいる。これにより、ニトリルヒドラターゼの反応初速度及び酵素安定性を同時に向上させて、酵素調製物の単位重量あたりの活性値を高くするとともに、工業利用での温度変動等による酵素失活のリスクを低減することができる。したがって、より少ない酵素量でアミド化合物を安定に生産することができアミド化合物の製造コストを低減させることが可能になる。
本発明によれば、野生型ニトリルヒドラターゼよりも反応初速度及び酵素安定性が向上した新規なニトリルヒドラターゼ変異体を提供することができ、アミド化合物の製造コストに占める該酵素の製造コストを下げることができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態によってさらに明らかになる。以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明のニトリルヒドラターゼ変異体は、3以下1以上のアミノ酸置換により、ニトリルヒドラターゼの2以上の性質を改善する少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含んでいる。
本発明のニトリルヒドラターゼ変異体で改善される性質とは、ニトリル基を水和しアミド基に変換する反応そのものに関わる物性と、酵素安定性とがある。反応そのものに関わる物性とは、酵素の活性、基質特異性、Vmax、Km、及び、反応初速度がある。酵素安定性には、熱安定性、基質に対する安定性、生成物に対する安定性が含まれる。
本発明のニトリルヒドラターゼ変異体は、好ましくは、好熱性菌由来のニトリルヒドラターゼの性質を改善する少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むものである。好熱性菌の例としては、シュードノカルディア(Psuedonocardia)属に属するものが好適に使用でき、具体的にはシュードノカルディア・サーモフィラ(Psuedonocardia thermophila)が挙げられる。
より具体的には、本発明のニトリルヒドラターゼ変異体は、配列表の配列番号:1に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:2に示されるβサブユニットからなるニトリルヒドラターゼにおいて、表Iで示すように、(a)〜(l)から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換位置が他のアミノ酸に置換されている。こうすることで、本発明のニトリルヒドラターゼ変異体は、特許文献1記載の野生型ニトリルヒドラターゼよりも高い反応初速度及び酵素安定性を備えることができる。
Figure 2010055666
表Iで示す(a)〜(l)のアミノ酸置換は、複数組合せてもよいし、(a)〜(l)以外の異なる位置におけるアミノ酸置換と組み合わせることもできる。たとえば、(e)のとき、(a)、(c)、(f)、(i)、(h)、βサブユニットの230番目、及びβサブユニットの231番目からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸へ置換されていてもよい。(a)〜(l)に組合せることができるアミノ酸置換の例として、たとえば、表IIのものがある。
Figure 2010055666
本発明のニトリルヒドラターゼ変異体は、上記(a)〜(x)のいずれかのニトリルヒドラターゼ変異体にさらに表IIIで示すように配列番号1および配列番号2のニトリルヒドラターゼのアミノ酸位置(aa)〜(br)に変異が含まれていてもよい。
Figure 2010055666
Figure 2010055666
Figure 2010055666
Figure 2010055666
本発明において、「ニトリルヒドラターゼ活性」とは、種々の化合物のニトリル基を水和によりアミド基に変換するニトリル水和活性を指し、より好ましくは、アクリロニトリルをアクリルアミドに変換する活性をいう。
本発明において、「ニトリルヒドラターゼ活性を向上させた」とは、反応初速度を向上させることをいう。本発明における「反応初速度」は、次のようにして確認することができる。まず、基質として2.5%(v/v)のアクリロニトリルを含む、50mMトリス塩酸水溶液(pH8.0)にニトリルヒドラターゼ標品を加える。ニトリルヒドラターゼ標品に代えて、微生物の菌体及び培養液や、ニトリルヒドラターゼ粗精製物を用いることもできる。ニトリルヒドラターゼの添加後、20℃で15分間反応させる。反応液に1Mリン酸を加えて反応を停止し、生成したアクリルアミドを定量する。アクリルアミド量はHPLCによって分析することができる。
本発明における「反応初速度の向上」とは、反応初速度が野生型のニトリルヒドラターゼ、並びに従来公知のニトリルヒドラターゼ変異体と比較し有意に向上したことをいい、具体的には1.2倍以上に向上したことをいう。
本発明において、「酵素安定性を向上させた」とは、ニトリルヒドラターゼの熱安定性を向上させることをいう。熱安定性の向上したニトリルヒドラターゼは、蛋白質の構造安定性が強化されているものと見なされることから、加熱以外のストレス、即ち有機溶媒や、高濃度の基質、生成物に対する安定性も増していることが期待される。
本発明における「酵素の熱安定性」は、次のようにして確認することができる。まずニトリルヒドラターゼ標品を60℃にて2時間加熱処理した後に20℃に戻し、基質として2.5%(v/v)のアクリロニトリルを含む、50mMトリス塩酸水溶液(pH8.0)を加える。ニトリルヒドラターゼ標品に代えて、微生物の菌体及び培養液や、ニトリルヒドラターゼ粗精製物を用いることもできる。加熱処理した該ニトリルヒドラターゼと基質とを混和後、20℃で15分間反応させ、反応初速度を測定する。
本発明における「酵素の熱安定性の向上」とは、加熱処理後の反応初速度が、同様に加熱処理を加えた野生型のニトリルヒドラターゼ、並びに従来公知のニトリルヒドラターゼ変異体と比較し有意に向上したこと、具体的には1.2倍以上に向上したことをいう。
本発明における野生型のニトリルヒドラターゼとしては、特許文献1記載のシュードノカルディア・サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)由来のニトリルヒドラターゼが好ましく、該野生型ニトリルヒドラターゼを形質転換体内で大量に発現できるプラスミド及び同プラスミドにより形質転換された細胞株として、MT−10822(受託番号FERM BP−5785として茨城県つくば市東1-1-1 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成8年2月7日より寄託されている)を上げることができる。本発明における従来公知のニトリルヒドラターゼ変異体とは、特許文献1〜4記載のニトリルヒドラターゼ変異体を上げることができる。
本発明のニトリルヒドラターゼ変異体は、ニトリルヒドラターゼ活性を向上させるほか、次の特性を有する。該酵素は、αサブユニットとβサブユニットが会合した2量体がその基本構造単位となっており、その2量体が更に会合して4量体を形成する。αサブユニットの111番目のシステイン残基がシステインスルフィン酸(Cys-SOOH)に、113番目のシステイン残基がシステインスルフェン酸(Cys-SOH)にそれぞれ翻訳後修飾を受け、この修飾アミノ酸残基を介してαサブユニットのポリペプチド鎖とコバルト原子が結合し、活性中心を形成する。反応は、好ましくは0〜60℃の範囲で行うことができ、反応時のpHは通常、4〜10、好ましくは6〜9の範囲で選ばれる。
本発明のニトリルヒドラターゼ変異体は、以下のように製造することができる。
まず、ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするDNAを含むプラスミドを用意し、このプラスミドを用いて任意の宿主細胞を形質転換して形質転換体または細胞株を得る。ついで、上記の形質転換体や細胞株を培養してニトリルヒドラターゼ変異体を産生する。
野生型のニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子は、配列表の配列番号:3に示される塩基配列と、配列表の配列番号:4に示される塩基配列とからなる。配列表の配列番号:3に示される塩基配列は、配列表の配列番号:1からなるアミノ酸配列に対応し、配列表の配列番号:4に示される塩基配列は、配列表の配列番号:2からなるアミノ酸配列に対応する。配列番号3および/または配列番号4の塩基配列を塩基置換することでニトリルヒドラターゼ変異体をコードするDNAを得ることができる。具体的には、表Iで示す(a)〜(l)のアミノ酸置換は、表IV−1で示すように、塩基置換させることで実現することができる。
Figure 2010055666
また、表IIで示すアミノ酸置換は、表IV−2で示すように、塩基置換させることで実現することができる。
Figure 2010055666
また、表IIIで示すアミノ酸置換は、表Vで示すように、塩基置換させることで実現することができる。
Figure 2010055666
Figure 2010055666
Figure 2010055666
Figure 2010055666
Figure 2010055666
プラスミドとして、上記のようなニトリルヒドラターゼ変異体のαサブユニットをコードする遺伝子、βサブユニットをコードする遺伝子またはニトリルヒドラターゼ変異体遺伝子に加え、各遺伝子の発現に必要な制御領域及び自律複製に必要な領域などの、任意の宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体や細胞株によるニトリルヒドラターゼの産生を可能せしめる構成を有することができる。ここでいう任意の宿主細胞の一例として大腸菌が挙げられる。
発現に必要な制御領域としては、プロモーター配列(転写を制御するオペレーター配列を含む。)、リボゾーム結合配列(SD配列)、転写終結配列等を挙げることができる。具体的なプロモーター配列の例としては、大腸菌由来のトリプトファンオペロンのtrpプロモーター、ラクトースオペロンのlacプロモーター、ラムダファージ由来のPLプロモーター及びPRプロモーター等が挙げられる。また、tacプロモーターやtrcプロモーターのように人為的に設計・改変された配列も利用できる。
リボゾーム結合配列としては、配列番号:7に含まれる、TAAGGAGGTを有する配列が望ましく、これら制御領域のプラスミド上での配列順序は、プロモーター配列とリボゾーム結合配列はニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子より5'末端側上流に位置する事が望ましく、転写終結配列はニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子より3'末端側下流に位置する事が望ましい。また、その様な制御領域によりニトリルヒドラターゼ変異体のαサブユニット遺伝子及びβサブユニット遺伝子が各々独立のシストロンとして発現されてもよいし、共通の制御領域によりポリシストロンとして発現されてもよい。
以上の要件を満たしているプラスミドベクターの例としては、大腸菌中での自律複製可能な領域を有しているpBR322、pUC18、pBluescript、pKK223−3、pSC101を挙げる事ができる。
このようなプラスミドベクターに本発明のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子を該ニトリルヒドラターゼ変異体の活性発現に必要な領域と共に挿入して本発明のプラスミドを構築する方法、該プラスミドを所望の宿主細胞に形質転換する方法及び該形質転換体内でニトリルヒドラターゼを産生させる方法には、例えば「Molecular Cloning 3rd Edition」(J.Sambrookら;Cold Spring Harbor Laboratory Press,2001)等に記載されている分子生物学・生物工学・遺伝子工学の分野において公知の一般的な方法と宿主細胞が利用できる。
上記のプラスミドを所望の宿主細胞に形質転換して得られた形質転換体は、培地で培養することにより、該プラスミドの有するニトリルヒドラターゼ遺伝子に基づくニトリルヒドラターゼ変異体を生産することができる。宿主細胞が大腸菌の場合、該形質転換体を培養する培地としてLB培地やM9培地などが一般的に用いられるが、より好ましくはそのような培地成分にFeイオン及びCoイオンを0.1μg/mL以上存在させるとよく、該形質転換体を植菌した後、適当な培養温度(一般的には、20℃〜50℃)で生育させればよい。
本発明のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子を発現させて所望の酵素活性を有するニトリルヒドラターゼ変異体を生産する場合、ニトリルヒドラターゼの活性化に関与するタンパク質をコードする遺伝子が必要となる。
このニトリルヒドラターゼの活性化に関与するタンパク質とは、該タンパク質の発現の有無が、ニトリルヒドラターゼの活性化を直接左右する性質を有しているタンパク質の事であり、特開平11−253168号公報に記載されるシュードノカルディア・サーモフィラ由来のニトリルヒドラターゼ活性化に関与するタンパク質(ニトリルヒドラターゼ活性化タンパク質)をその代表例として挙げる事が出来る。該ニトリルヒドラターゼ活性化タンパク質の配列を配列表:5、及び、6に示す。
本発明のニトリルヒドラターゼ変異体を用いて以下のようにアミド化合物を製造することができる。まず、本発明のニトリルヒドラターゼ変異体を産生する形質転換体や細胞株を培養し、得られる培養液、細胞または細胞処理物を媒体中にてニトリル化合物と接触させる。こうすることで、対応するアミド化合物を製造する。
ここでいう細胞処理物とは、該形質転換体からの抽出物や磨砕物、これらの抽出物や磨砕物のニトリルヒドラターゼ活性画分を分離して得られる粗酵素調製物や更に精製して得られる酵素精製物などの後分離物、該形質転換体や該形質転換体の抽出物、磨砕物または後分離物を適当な手段を用いて固定化した固定化物の事を示している。接触させる温度は特に限定されないが、好ましくはニトリルヒドラターゼ変異体が失活しない温度範囲内であり、より好ましくは0℃〜60℃である。ニトリル化合物としては、本発明のニトリルヒドラターゼ変異体が基質として作用できる化合物であれば特に限定されないが、好ましくはアセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、n−ブチロニトリル、イソブチロニトリル、クロトノニトリル、α−ヒドロキシイソブチロニトリル等といった炭素数2〜4のニトリル化合物がその代表例として挙げられる。該ニトリル化合物の水性媒体中での濃度は、特に限定されるものではなく、また、反応温度も特に限定されないが、好ましくは該ニトリルヒドラターゼが失活しない温度範囲内であり、より好ましくは0℃〜60℃である。なお、より少ない酵素量でアミド化合物を生産するためには、アミド化合物の製造条件下において一定の安定性を有するニトリルヒドラターゼ変異体を用いると好ましい。
つづいて、本発明の作用効果について詳細に説明する。本発明者らは、鋭意精鋭を重ねた結果、3以下1以上のアミノ酸置換により、2以上の性質を改善する少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むことで、従来のニトリルヒドラターゼよりも反応そのものに関わる物性と、酵素安定性とをいずれも向上させたニトリルヒドラターゼ変異体を見出した。そして、特に、配列表の配列番号:1に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:2に示されるβサブユニットとからなるニトリルヒドラターゼについて、上記(a)〜(l)からなるアミノ酸置換位置より選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸を他のアミノ酸へ置換させることにより、ニトリルヒドラターゼの反応初速度のみならず、酵素安定性を同時に向上させることができることを見出した。こうすることで、酵素反応の効率化と酵素のハンドリングとの両立を実現することができる。また、反応初速度及び酵素安定性を同時に向上させたニトリルヒドラターゼを用いることで、酵素調製物の単位重量あたりの活性値を高くするとともに、工業利用での温度変動等による酵素失活のリスクを低減することができる。したがって、より少ない酵素量でアミド化合物を安定に生産することができアミド化合物の製造コストを低減させることが可能になる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって何等限定されるものではない。
[実施例1]リボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)の取得
鋳型として特許文献1の実施例3記載のプラスミドpPT−DB1、配列表の配列番号:7、及び、8に記載のプライマーを用いたPCR反応により、約0.7kbpの遺伝子断片を得た。上記PCR断片を制限酵素EcoRI及びNotIにより切断した後、この制限酵素処理液に対してフェノール/クロロホルム抽出とエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製した。同様に、EcoRI及びNotIによりpPT−DB1を切断、アガロースゲル電気泳動を行い、アガロースゲルから約3.9kbpのDNA断片のみを切り出した。この様にして得られた約0.7kbpと約3.9kbpのDNA断片をDNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて連結させ、上記のリボゾーム結合配列が改変されたニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を作製した。
該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(1)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、pPT−DB1に、表1で示される改変されたリボゾーム結合配列を有していることを確認した。
こうして得られた形質転換体(1)、及び、そのベースとなったpPT−DB1を含む形質転換体、MT−10822(受託番号FERM BP−5785として茨城県つくば市東1-1-1 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに平成8年2月7日より寄託されている)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度を以下の方法により比較した。
<反応初速度の比較>
試験管に40μg/mLの硫酸第二鉄・七水和物及び10μg/mLの塩化コバルト・二水和物を含む5mLのLB液体培地を調製し、121℃・20分間のオートクレーブにより滅菌した。この培地に終濃度が100μg/mLとなるようにアンピシリンを添加した後、各形質転換体を一白金耳植菌し、37℃・200rpmにて約20時間其々培養した。該培養終了液から40μLを取り、740μLの54mMトリス塩酸水溶液(pH8.0)に懸濁し、これに20μLのアクリロニトリルを添加して20℃で緩やかに攪拌しながら15分間反応させ、アクリルアミドを生成させた。反応終了後、HPLCを用いて反応液中のアクリルアミド含有量の分析を行った。
<酵素の熱安定性の比較>
上述の形質転換体の培養終了液から遠心分離(5000G、15分間)により各形質転換体を分離した。
各形質転換体0.1gを20mlの50mMトリス塩酸水溶液(pH8.0)に其々懸濁し、60℃にて2時間加熱処理した。加熱処理後に20℃に戻し、基質として0.5mlのアクリロニトリルを添加して、20℃で15分間反応させ、反応初速度を測定した。
〈分析条件〉
分析機器: 日本分光HPLC
カラム : YMC Pack ODS−A (150×6.00 mm)
分析温度: 40℃
移動相 : 3% アセトニトリル、10mM リン酸
反応及び分析は各形質転換体に対し3回以上行い、分注操作等でのデータのばらつきを補正した。
形質転換体(1)とMT−10822の反応初速度及び熱安定性、即ち、上記反応条件で生成したアクリルアミド量の比較の結果、表1で示される改変されたリボゾーム結合配列が新たに追加されたことにより、1.15倍の反応初速度の向上が見られ、熱安定性は維持された。
Figure 2010055666
[参考例1]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(2)
表2で示すようにニトリルヒドラターゼを(av)のアミノ酸置換位置で変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(2)を取得するために、特許文献2の実施例79に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(2)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(2)を得た。
[参考例2]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(3)
表2で示すようにニトリルヒドラターゼを(bc)のアミノ酸置換位置で変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(3)を取得するために、宝酒造社製の「LA PCR in vitro mutagenesis Kit」(以後、変異導入キットと呼ぶ)を用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型としてPCR反応を行った。
PCR反応No.1は、配列表の配列番号:9記載のプライマー及びM13プライマーM4(配列表の配列番号:10に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成は変異導入キットに記載の条件による)で、熱変性(98℃)15秒、アニーリング(55℃)30秒、伸長反応(72℃)120秒の条件を25サイクル繰り返す事により行った。
PCR反応No.2は、MUT4プライマー(配列表の配列番号:11に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号:12に配列を記載)を各々50pmol含む全量50μLの系(組成は変異導入キットに記載の条件による)で、PCR反応No.1と同様の操作により行った。
PCR反応No.1及びNo.2の反応終了液各5μLを用いたアガロース電気泳動(アガロース濃度1.0重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、増幅DNA産物の存在が確認できた。Microcon100(宝酒造社製)を用いてそれぞれのPCR反応終了液より過剰なプライマー及びdNTPを除去した後、TEを加えて各々50μLの溶液を調製した。該TE溶液を各0.5μLずつ含む全量47.5μLのアニーリング溶液(組成は変異導入キットに記載の条件による)を調製し、熱変性処理(98℃)を10分間行った後、37℃まで60分間かけて一定の速度で冷却を行い、続いて37℃で15分間保持することによってアニーリング処理を行った。
アニーリング処理液にTaKaRa LA Taq(タカラバイオ株式会社製)を0.5μL加えて72℃で3分間加熱処理を行い、ヘテロ2本鎖を完成させた。
これにM13プライマーM4(配列表の配列番号:10に配列を記載)及びM13プライマーRV(配列表の配列番号:12に配列を記載)を各々50pmol加えて全量を50μLとした後、熱変性(98℃)15秒、アニーリング(55℃)30秒、伸長反応(72℃)120秒の条件を25サイクル繰り返すことによるPCR反応No.3を行った。PCR反応No.3の反応終了液5μLを用いたアガロース電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.8重量%)によりDNA増幅産物の分析を行ったところ、約2kbの増幅DNA産物の存在が確認できた。
続いて、アガロースゲルから約2kbのDNA断片のみを切り出し、該アガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mLのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出及びエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。精製した約2kbの増幅DNA断片を制限酵素EcoRI及びHindIIIにより切断した後、この制限酵素処理液に対してフェノール/クロロホルム抽出及びエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。
同様に、EcoRI及びHindIIIにより実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を切断し、アガロースゲル電気泳動(シグマ社製タイプVII低融点アガロース使用;アガロース濃度0.7%)を行い、アガロースゲルから約2.7kbのDNA断片のみを切り出した。切りだしたアガロース片(約0.1g)を細かく粉砕し1mLのTE溶液に懸濁後、55℃で1時間保温してアガロースを完全に融解させた。この融解液に対してフェノール/クロロホルム抽出及びエタノール沈澱を行って該DNA断片を精製し、最終的に10μLのTEに溶解した。
この様にして得られた約2kbpと約2.7kbpのDNA断片をDNAライゲーションキット(宝酒造社製)を用いて連結させた後、大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換した。該形質転換体から抽出したプラスミドを鋳型とし、上記の操作を、配列番号:9記載のプライマーに換えて、配列番号:13記載のプライマーを用いて実施し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(3)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(3)を得た。
[参考例3]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(4)
表2で示すようにニトリルヒドラターゼを(bh)のアミノ酸置換位置で変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(4)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号14、及び、15に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(4)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(4)を得た。
Figure 2010055666
[実施例2]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(5)
表3で示すようにニトリルヒドラターゼを(a)及び(av)のアミノ酸置換位置で変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(5)を取得するために、前記の参考例1記載の形質転換体(2)より回収したプラスミド(2)を鋳型とし、配列表の配列番号:16に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(5)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(5)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例1記載のプラスミド(2)に、αサブユニットの92番目のAspをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。
こうして得られた形質転換体(5)、及び、そのベースとなった形質転換体(2)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(5)では、αサブユニットの92番目のAspをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(2)に対し、1.65倍の反応初速度の向上、及び、1.25倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例3]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(6)
表3で示すようにニトリルヒドラターゼを(a)及び(bc)のアミノ酸置換位置で変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(6)を取得するために、前記の参考例2記載の形質転換体(3)より回収したプラスミド(3)を鋳型とし、配列表の配列番号:16に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(6)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(6)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例2記載のプラスミド(3)に、αサブユニットの92番目のAspをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(6)、及び、そのベースとなった形質転換体(3)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(6)では、αサブユニットの92番目のAspをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(3)に対し、1.63倍の反応初速度の向上、及び、1.23倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例4]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(7)
表3で示すようにニトリルヒドラターゼを(a)及び(bh)のアミノ酸置換位置で変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(7)を取得するために、前記の参考例3記載の形質転換体(4)より回収したプラスミド(4)を鋳型とし、配列表の配列番号:16に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(7)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(7)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例3記載のプラスミド(4)に、αサブユニットの92番目のAspをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(7)、及び、そのベースとなった形質転換体(4)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(7)では、αサブユニットの92番目のAspをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(4)に対し、1.58倍の反応初速度の向上、及び、1.30倍の熱安定性の向上の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例4]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(8)
表4で示すようにニトリルヒドラターゼを(ak)のアミノ酸置換位置で変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(8)を取得するために、特許文献2の実施例68に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(8)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(8)を得た。
[参考例5]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(9)
表4で示すように(ap)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(9)を取得するために、特許文献2の実施例73に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(9)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(9)を得た。
[参考例6]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(10)
表4で示すように(bp)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(10)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:17、及び、18に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(10)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(10)を得た。
Figure 2010055666
[実施例5]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(11)
表5で示すように(b)及び(ak)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(11)を取得するために、前記の参考例4記載の形質転換体(8)より回収したプラスミド(8)を鋳型とし、配列表の配列番号:19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(11)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(11)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例4記載のプラスミド(8)に、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(11)、及び、そのベースとなった形質転換体(8)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(11)では、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(8)に対し、1.45倍の反応初速度の向上、及び、1.38倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例6]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(12)
表5で示すように(b)及び(ap)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(12)を取得するために、前記の参考例5記載の形質転換体(9)より回収したプラスミド(9)を鋳型とし、配列表の配列番号:19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(12)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(12)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例5記載のプラスミド(9)に、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(12)、及び、そのベースとなった形質転換体(9)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(12)では、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(9)に対し、1.40倍の反応初速度の向上、及び、1.25倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例7]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(13)
表5で示すように(b)及び(bp)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(13)を取得するために、前記の参考例6記載の形質転換体(10)より回収したプラスミド(10)を鋳型とし、配列表の配列番号:19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(13)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(13)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例6記載のプラスミド(10)に、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(13)、及び、そのベースとなった形質転換体(10)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(13)では、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(10)に対し、1.32倍の反応初速度の向上、及び、1.35倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例7]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(14)
表6で示すように(an)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(14)を取得するために、特許文献2の実施例71に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(14)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(14)を得た。
[参考例8]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(15)
表6で示すように(be)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(15)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:20、及び、21に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(15)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(15)を得た。
[参考例9]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(16)
表6で示すように(br)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(16)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:22、及び、23に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(16)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(16)を得た。
Figure 2010055666
[実施例8]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(17)
表7で示すように(c)及び(an)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(17)を取得するために、前記の参考例7記載の形質転換体(14)より回収したプラスミド(14)を鋳型とし、配列表の配列番号:24に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(17)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(17)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例7記載のプラスミド(14)に、αサブユニットの197番目のGlyをCysとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(17)、及び、そのベースとなった形質転換体(14)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(17)では、αサブユニットの197番目のGlyをCysとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(14)に対し、1.80倍の反応初速度の向上、及び、1.25倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例9]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(18)
表7で示すように(c)及び(be)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(18)を取得するために、前記の参考例8記載の形質転換体(15)より回収したプラスミド(15)を鋳型とし、配列表の配列番号:24に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(18)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(18)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例8記載のプラスミド(15)に、αサブユニットの197番目のGlyをCysとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(18)、及び、そのベースとなった形質転換体(15)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(18)では、αサブユニットの197番目のGlyをCysとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(15)に対し、1.86倍の反応初速度の向上、及び、1.40倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例10]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(19)
表7で示すように(c)及び(br)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(19)を取得するために、前記の参考例9記載の形質転換体(16)より回収したプラスミド(16)を鋳型とし、配列表の配列番号:24に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(19)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(19)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例9記載のプラスミド(16)に、αサブユニットの197番目のGlyをCysとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(19)、及び、そのベースとなった形質転換体(16)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(19)では、αサブユニットの197番目のGlyをCysとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(16)に対し、1.68倍の反応初速度の向上、及び、1.20倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例10]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(20)
表8で示すように(ar)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(20)を取得するために、特許文献2の実施例75に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(20)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(20)を得た。
[参考例11]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(21)
表8で示すように(ax)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(21)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:25、及び、26に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(21)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(21)を得た。
[参考例12]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(22)
表8で示すように(bd)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(22)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:27、及び、28に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(22)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(22)を得た。
Figure 2010055666
[実施例11]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(23)
表9で示すように(d)及び(ar)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(23)を取得するために、前記の参考例10記載の形質転換体(20)より回収したプラスミド(20)を鋳型とし、配列表の配列番号:29に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(23)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(23)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例10記載のプラスミド(20)に、βサブユニットの4番目のValをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(23)、及び、そのベースとなった形質転換体(20)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(23)では、βサブユニットの4番目のValをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(20)に対し、1.25倍の反応初速度の向上、及び、1.35倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例12]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(24)
表9で示すように(d)及び(ax)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(24)を取得するために、前記の参考例11記載の形質転換体(21)より回収したプラスミド(21)を鋳型とし、配列表の配列番号:29に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(24)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(24)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例11記載のプラスミド(21)に、βサブユニットの4番目のValをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(24)、及び、そのベースとなった形質転換体(21)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(24)では、βサブユニットの4番目のValをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(21)に対し、1.32倍の反応初速度の向上、及び、1.39倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例13]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(25)
表9で示すように(d)及び(bd)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(25)を取得するために、前記の参考例12記載の形質転換体(22)より回収したプラスミド(22)を鋳型とし、配列表の配列番号:29に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(25)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(19)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例12記載のプラスミド(22)に、βサブユニットの4番目のValをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(25)、及び、そのベースとなった形質転換体(22)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
形質転換体(25)と形質転換体(22)の反応初速度と熱安定性の比較の結果、形質転換体(25)では、βサブユニットの4番目のValをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(22)に対し、1.25倍の反応初速度の向上、及び、1.25倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例13]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(26)
表10で示すように(ao)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異したニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(26)を取得するために、特許文献2の実施例72に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(26)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(26)を得た。
[参考例14]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(27)
表10で示すように(at)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(27)を取得するために、特許文献2の実施例77に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(27)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(27)を得た。
Figure 2010055666
[比較例1]ニトリルヒドラターゼ活性が向上したアミノ酸置換体の取得(28)
表11で示すようにβサブユニットの8番目及び(ao)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(28)を取得するために、前記の参考例13記載の形質転換体(26)より回収したプラスミド(26)を鋳型とし、配列表の配列番号:30に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(28)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(28)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例13記載のプラスミド(26)に、βサブユニットの8番目のGlyをAlaとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(28)、及び、そのベースとなった形質転換体(26)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その比較の結果、形質転換体(28)では、βサブユニットの8番目のGlyをAlaとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(26)に対し、1.35倍の反応初速度の向上、及び、0.65倍の熱安定性の低下が見られた。
[比較例2]ニトリルヒドラターゼ活性が向上したアミノ酸置換体の取得(29)
表11で示すようにβサブユニットの8番目及び(at)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(29)を取得するために、前記の参考例14記載の形質転換体(27)より回収したプラスミド(27)を鋳型とし、配列表の配列番号:30に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(29)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(29)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例14記載のプラスミド(27)に、βサブユニットの8番目のGlyをAlaとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(29)、及び、そのベースとなった形質転換体(27)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(29)では、βサブユニットの8番目のGlyをAlaとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(27)に対し、1.40倍の反応初速度の向上、及び、0.31倍の熱安定性の低下が見られた。
[比較例3]ニトリルヒドラターゼ活性が向上したアミノ酸置換体の取得(30)
表11で示すようにβサブユニットの8番目及び(br)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(30)を取得するために、前記の参考例9記載の形質転換体(16)より回収したプラスミド(16)を鋳型とし、配列表の配列番号:30に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(30)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(30)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例9記載のプラスミド(16)に、βサブユニットの8番目のGlyをAlaとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(30)、及び、そのベースとなった形質転換体(16)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(30)では、βサブユニットの8番目のGlyをAlaとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(16)に対し、1.32倍の反応初速度の向上、及び、0.52倍の熱安定性の低下が見られた。
Figure 2010055666
[参考例15]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(31)
表12で示すように(au)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(31)を取得するために、特許文献2の実施例78に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(31)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(31)を得た。
[参考例16]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(32)
表12で示すように(bf)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(32)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:31、及び、32に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(32)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(32)を得た。
Figure 2010055666
[実施例14]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(33)
表13で示すように(f)及び(au)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(33)を取得するために、前記の参考例15記載の形質転換体(31)より回収したプラスミド(31)を鋳型とし、配列表の配列番号:33に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(33)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(33)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例15記載のプラスミド(31)に、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(33)、及び、そのベースとなった形質転換体(31)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(33)では、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(31)に対し、1.29倍の反応初速度の向上、及び、1.82倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例15]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(34)
表13で示すように(f)及び(bf)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(34)を取得するために、前記の参考例16記載の形質転換体(32)より回収したプラスミド(32)を鋳型とし、配列表の配列番号:33に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(34)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(34)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例16記載のプラスミド(32)に、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(34)、及び、そのベースとなった形質転換体(32)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(34)では、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(32)に対し、1.25倍の反応初速度の向上、及び、1.76倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例16]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(35)
表13で示すように(f)及び(bp)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(35)を取得するために、前記の参考例6記載の形質転換体(10)より回収したプラスミド(10)を鋳型とし、配列表の配列番号:33に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(35)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(35)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例6記載のプラスミド(10)に、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(35)、及び、そのベースとなった形質転換体(10)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(35)では、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(10)に対し、1.30倍の反応初速度の向上、及び、1.72倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例17]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(36)
表14で示すように(aa)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(36)を取得するために、特許文献2の実施例58に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(36)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(36)を得た。
[参考例18]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(37)
表14で示すように(ah)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(37)を取得するために、特許文献2の実施例65に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(37)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(37)を得た。
[参考例19]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(38)
表14で示すように(aq)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(38)を取得するために、特許文献2の実施例74に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(38)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(38)を得た。
Figure 2010055666
[実施例17]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(39)
表15で示すように(g)及び(aa)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(39)を取得するために、前記の参考例17記載の形質転換体(36)より回収したプラスミド(36)を鋳型とし、配列表の配列番号:34に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(39)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(39)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例17記載のプラスミド(36)に、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(39)、及び、そのベースとなった形質転換体(36)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(39)では、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(36)に対し、1.33倍の反応初速度の向上、及び、1.25倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例18]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(40)
表15で示すように(g)及び(ah)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(40)を取得するために、前記の参考例18記載の形質転換体(37)より回収したプラスミド(37)を鋳型とし、配列表の配列番号:34に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(40)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(40)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例18記載のプラスミド(37)に、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(40)、及び、そのベースとなった形質転換体(37)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(40)では、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(37)に対し、1.25倍の反応初速度の向上、及び、1.36倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例19]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(41)
表15で示すように(g)及び(aq)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(41)を取得するために、前記の参考例19記載の形質転換体(38)より回収したプラスミド(38)を鋳型とし、配列表の配列番号:34に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(41)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(41)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例19記載のプラスミド(38)に、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(41)、及び、そのベースとなった形質転換体(38)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(41)では、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(38)に対し、1.35倍の反応初速度の向上、及び、1.42倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例20]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(42)
表16で示すように(ae)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(42)を取得するために、特許文献2の実施例62に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(42)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(42)を得た。
[参考例21]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(43)
表16で示すように(bk)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(43)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:35、及び、36に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(43)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(43)を得た。
Figure 2010055666
[実施例20]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(44)
表17で示すように(h)及び(ae)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(44)を取得するために、前記の参考例20記載の形質転換体(42)より回収したプラスミド(42)を鋳型とし、配列表の配列番号:37に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(44)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(44)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例20記載のプラスミド(42)に、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(44)、及び、そのベースとなった形質転換体(42)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(44)では、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(42)に対し、1.34倍の反応初速度の向上、及び、2.25倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例21]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(45)
表17で示すように(h)及び(au)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(45)を取得するために、前記の参考例15記載の形質転換体(31)より回収したプラスミド(31)を鋳型とし、配列表の配列番号:68に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(45)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(45)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例15記載のプラスミド(31)に、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(45)、及び、そのベースとなった形質転換体(31)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(45)では、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(31)に対し、1.40倍の反応初速度の向上、及び、2.12倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例22]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(46)
表17で示すように(h)及び(bk)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(46)を取得するために、前記の参考例21記載の形質転換体(43)より回収したプラスミド(43)を鋳型とし、配列表の配列番号:37に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(46)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(46)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例21記載のプラスミド(43)に、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(46)、及び、そのベースとなった形質転換体(43)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(46)では、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(43)に対し、1.32倍の反応初速度の向上、及び、2.40倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[実施例23]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(47)
表18で示すように(i)及び(aa)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(47)を取得するために、前記の参考例17記載の形質転換体(36)より回収したプラスミド(36)を鋳型とし、配列表の配列番号:38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(47)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(47)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例17記載のプラスミド(36)に、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(47)、及び、そのベースとなった形質転換体(36)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(47)では、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(36)に対し、1.26倍の反応初速度の向上、及び、1.29倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例24]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(48)
表18で示すように(i)及び(ak)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(48)を取得するために、前記の参考例4記載の形質転換体(8)より回収したプラスミド(8)を鋳型とし、配列表の配列番号:38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(48)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(48)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例4記載のプラスミド(8)に、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(48)、及び、そのベースとなった形質転換体(8)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(48)では、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(8)に対し、1.35倍の反応初速度の向上、及び、1.27倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例25]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(49)
表18で示すように(i)及び(be)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異するニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(49)を取得するために、前記の参考例8記載の形質転換体(15)より回収したプラスミド(15)を鋳型とし、配列表の配列番号:38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の変異導入キットを用いた方法により、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(49)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(49)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例8記載のプラスミド(15)に、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(49)、及び、そのベースとなった形質転換体(15)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(49)では、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(15)に対し、1.25倍の反応初速度の向上、及び、1.30倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例22]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(50)
表19で示すように(af)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(50)を取得するために、特許文献2の実施例63に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(50)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(50)を得た。
[参考例23]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(51)
表19で示すように(bq)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミドを取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:39、及び、40に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(51)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(51)を得た。
[参考例24]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(52)
表19で示すように(bj)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(52)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:41、及び、42に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(52)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(52)を得た。
Figure 2010055666
[実施例26]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(53)
表20で示すように(m−1)及び(af)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(53)を取得するために、前記の参考例22記載の形質転換体(50)より回収したプラスミド(50)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、及び、19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(53)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(53)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例22記載のプラスミド(50)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(53)、及び、そのベースとなった形質転換体(50)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(53)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(50)に対し、1.67倍の反応初速度の向上と、1.45倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例27]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(54)
表20で示すように(m−1)及び(bq)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(54)を取得するために、前記の参考例23記載の形質転換体(51)より回収したプラスミド(51)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、及び、19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(54)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(54)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例23記載のプラスミド(51)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(54)、及び、そのベースとなった形質転換体(51)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(54)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(51)に対し、1.59倍の反応初速度の向上、及び、1.32倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例28]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(55)
表20で示すように(m−1)及び(bj)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(55)を取得するために、前記の参考例24記載の形質転換体(52)より回収したプラスミド(52)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、及び、19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(55)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(55)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例24記載のプラスミド(52)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(55)、及び、そのベースとなった形質転換体(52)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(55)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(52)に対し、1.62倍の反応初速度の向上、及び、1.26倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例25]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(56)
表21で示すように(am)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(56)を取得するために、特許文献2の実施例70に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(56)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(56)を得た。
[参考例26]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(57)
表21で示すように(ay)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(57)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:44、及び、45に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(57)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(57)を得た。
Figure 2010055666
[実施例29]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(58)
表22で示すように(m−2)及び(am)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(58)を取得するために、前記の参考例25記載の形質転換体(56)より回収したプラスミド(56)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、及び、34に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(58)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(58)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例25記載のプラスミド(56)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(58)、及び、そのベースとなった形質転換体(56)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(58)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(56)に対し、1.53倍の反応初速度の向上、及び、1.32倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例30]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(59)
表22で示すように(m−2)及び(at)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(59)を取得するために、前記の参考例14記載の形質転換体(27)より回収したプラスミド(27)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、及び、34に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(59)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(59)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例14記載のプラスミド(27)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(59)、及び、そのベースとなった形質転換体(27)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(59)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(27)に対し、1.49倍の反応初速度の向上、及び、1.28倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例31]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(60)
表22で示すように(m−2)及び(ay)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(60)を取得するために、前記の参考例26記載の形質転換体(57)より回収したプラスミド(57)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、及び、34に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(60)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(60)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例26記載のプラスミド(57)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(60)、及び、そのベースとなった形質転換体(57)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(60)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの96番目のGlnをArgとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(57)に対し、1.39倍の反応初速度の向上、及び、1.45倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[実施例32]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(61)
表23で示すように(n−1)及び(af)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(61)を取得するために、前記の参考例22記載の形質転換体(50)より回収したプラスミド(50)を鋳型とし、配列表の配列番号:46、及び、19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(61)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(61)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例22記載のプラスミド(50)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(61)、及び、そのベースとなった形質転換体(50)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(61)では、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(50)に対し、1.65倍の反応初速度の向上、及び、1.36倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例33]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(62)
表23で示すように(n−1)及び(ao)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異したニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(62)を取得するために、前記の参考例13記載の形質転換体(26)より回収したプラスミド(26)を鋳型とし、配列表の配列番号:46、及び、19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(62)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(62)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例13記載のプラスミド(26)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(62)、及び、そのベースとなった形質転換体(26)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(62)では、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(26)に対し、1.72倍の反応初速度の向上、及び、1.47倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例34]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(63)
表23で示すように(n−1)及び(ax)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(63)を取得するために、前記の参考例11記載の形質転換体(21)より回収したプラスミド(21)を鋳型とし、配列表の配列番号:46、及び、19に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(63)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(63)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例11記載のプラスミド(21)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(63)、及び、そのベースとなった形質転換体(21)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(63)では、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、αサブユニットの94番目のMetをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(21)に対し、1.55倍の反応初速度の向上、及び、1.27倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例27]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(64)
表24で示すように(aj)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(64)を取得するために、特許文献2の実施例67に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(64)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(64)を得た。
[参考例28]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(65)
表24で示すように(as)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(65)を取得するために、特許文献2の実施例76に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(65)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(65)を得た。
[参考例29]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(66)
表24で示すように(bb)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(66)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:47、及び、48に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(66)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(66)を得た。
Figure 2010055666
[実施例35]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(67)
表25で示すように(n−2)及び(aj)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(67)を取得するために、前記の参考例27記載の形質転換体(64)より回収したプラスミド(64)を鋳型とし、配列表の配列番号:46、及び、68に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(67)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(67)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例27記載のプラスミド(64)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(67)、及び、そのベースとなった形質転換体(64)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(67)では、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(64)に対し、1.53倍の反応初速度の向上、及び、2.23倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例36]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(68)
表25で示すように(n−2)及び(as)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(68)を取得するために、前記の参考例28記載の形質転換体(65)より回収したプラスミド(65)を鋳型とし、配列表の配列番号:46、及び、37に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(68)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(68)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例28記載のプラスミド(65)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(68)、及び、そのベースとなった形質転換体(65)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(68)では、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(65)に対し、1.55倍の反応初速度の向上、及び、2.15倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例37]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(69)
表25で示すように(n−2)及び(bb)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(69)を取得するために、前記の参考例29記載の形質転換体(66)より回収したプラスミド(66)を鋳型とし、配列表の配列番号:46、及び、37に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(69)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(69)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例29記載のプラスミド(66)に、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(69)、及び、そのベースとなった形質転換体(66)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(69)では、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの107番目のProをMetとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(66)に対し、1.46倍の反応初速度の向上、及び、1.92倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例30]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(70)
表26で示すように(al)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(70)を取得するために、特許文献2の実施例69に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(70)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(70)を得た。
[参考例31]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(71)
表26で示すように(aw)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(71)を取得するために、特許文献2実施例80に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(71)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(71)を得た。
[参考例32]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(72)
表26で示すように(bl)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(72)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:49、及び、50に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(72)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(72)を得た。
Figure 2010055666
[実施例38]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(73)
表27で示すように(q)及び(al)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(73)を取得するために、前記の参考例30記載の形質転換体(70)より回収したプラスミド(70)を鋳型とし、配列表の配列番号:16、及び、38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(73)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(73)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例30記載のプラスミド(70)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(73)、及び、そのベースとなった形質転換体(70)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(73)では、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(70)に対し、2.00倍の反応初速度の向上、及び、1.52倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例39]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(74)
表27で示すように(q)及び(aw)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(74)を取得するために、前記の参考例31記載の形質転換体(71)より回収したプラスミド(71)を鋳型とし、配列表の配列番号:16、及び、38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(74)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(74)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例31記載のプラスミド(71)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(74)、及び、そのベースとなった形質転換体(71)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(74)では、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(71)に対し、1.78倍の反応初速度の向上、及び、1.44倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例40]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(75)
表27で示すように(q)及び(bl)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(75)を取得するために、前記の参考例32記載の形質転換体(72)より回収したプラスミド(72)を鋳型とし、配列表の配列番号:16、及び、38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(75)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(75)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例32記載のプラスミド(72)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(75)、及び、そのベースとなった形質転換体(72)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(75)では、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(72)に対し、1.85倍の反応初速度の向上、及び、1.38倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例33]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(76)
表28で示すように(bi)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(76)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:51、及び、52に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(76)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(76)を得た。
[参考例34]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(77)
表28で示すように(bm)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(77)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:53、及び、54に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(77)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(77)を得た。
Figure 2010055666
[実施例41]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(78)
表29で示すように(o)及び(an)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(78)を取得するために、前記の参考例7記載の形質転換体(14)より回収したプラスミド(14)を鋳型とし、配列表の配列番号:29、及び、33に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(78)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(78)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例7記載のプラスミド(14)に、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(78)、及び、そのベースとなった形質転換体(14)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(78)では、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(14)に対し、1.60倍の反応初速度の向上、及び、1.46倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例42]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(79)
表29で示すように(o)及び(bi)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(79)を取得するために、前記の参考例33記載の形質転換体(76)より回収したプラスミド(76)を鋳型とし、配列表の配列番号:29、及び、33に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(79)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(79)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例33記載のプラスミド(76)に、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(79)、及び、そのベースとなった形質転換体(76)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(79)では、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(76)に対し、1.38倍の反応初速度の向上、及び、1.35倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例43]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(80)
表29で示すように(o)及び(bm)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(80)を取得するために、前記の参考例34記載の形質転換体(77)より回収したプラスミド(77)を鋳型とし、配列表の配列番号:29、及び、33に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(80)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(80)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例34記載のプラスミド(77)に、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(80)、及び、そのベースとなった形質転換体(77)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(80)では、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの79番目のHisをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(77)に対し、1.52倍の反応初速度の向上、及び、1.28倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例35]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(81)
表30で示すように(ag)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(81)を取得するために、特許文献2の実施例64に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(81)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(81)を得た。
[参考例36]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(82)
表30で示すように(ai)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(82)を取得するために、特許文献2の実施例66に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(82)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(82)を得た。
Figure 2010055666
[実施例44]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(83)
表31で示すように(p)及び(ag)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(83)を取得するために、前記の参考例35記載の形質転換体(81)より回収したプラスミド(81)を鋳型とし、配列表の配列番号:33、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(83)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(83)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例35記載のプラスミド(81)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(83)、及び、そのベースとなった形質転換体(81)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(83)では、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(81)に対し、1.25倍の反応初速度の向上、及び、2.16倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例45]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(84)
表31で示すように(p)及び(ai)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(84)を取得するために、前記の参考例36記載の形質転換体(82)より回収したプラスミド(82)を鋳型とし、配列表の配列番号:33、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(84)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(84)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例36記載のプラスミド(82)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(84)、及び、そのベースとなった形質転換体(82)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(84)では、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(82)に対し、1.27倍の反応初速度の向上、及び、2.10倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例46]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(85)
表31で示すように(p)及び(aq)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(85)を取得するために、前記の参考例19記載の形質転換体(38)より回収したプラスミド(38)を鋳型とし、配列表の配列番号:33、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(85)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(85)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例31記載のプラスミド(38)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(85)、及び、そのベースとなった形質転換体(38)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(85)では、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(38)に対し、1.33倍の反応初速度の向上、及び、2.52倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例37]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(86)
表32で示すように(ad)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(86)を取得するために、特許文献2の実施例61に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(86)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(86)を得た。
[参考例38]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(87)
表32で示すように(bg)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(87)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:55、及び、56に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(87)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(87)を得た。
Figure 2010055666
[実施例47]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(88)
表33で示すように(j)及び(ad)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(88)を取得するために、前記の参考例37記載の形質転換体(86)より回収したプラスミド(86)を鋳型とし、配列表の配列番号:57、及び、58に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(88)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(88)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例37記載のプラスミド(86)に、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(88)、及び、そのベースとなった形質転換体(86)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(88)では、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(86)に対し、1.29倍の反応初速度の向上、及び、1.62倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例48]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(89)
表33で示すように(j)及び(aj)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(89)を取得するために、前記の参考例27記載の形質転換体(64)より回収したプラスミド(64)を鋳型とし、配列表の配列番号:57、及び、58に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(89)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(89)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例27記載のプラスミド(64)に、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(89)、及び、そのベースとなった形質転換体(64)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(89)では、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(64)に対し、1.34倍の反応初速度の向上、及び、1.83倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例49]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(90)
表33で示すように(j)及び(bg)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(90)を取得するために、前記の参考例38記載の形質転換体(87)より回収したプラスミド(87)を鋳型とし、配列表の配列番号:57、及び、58に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(90)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(90)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例38記載のプラスミド(87)に、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(90)、及び、そのベースとなった形質転換体(87)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(90)では、βサブユニットの110番目のGluをAsn、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(87)に対し、1.25倍の反応初速度の向上、及び、1.46倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[実施例50]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(91)
表34で示すように(k)及び(ad)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(91)を取得するために、をコードするプラスミドを取得するため、前記の参考例37記載の形質転換体(86)より回収したプラスミド(86)を鋳型とし、配列表の配列番号:59、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(91)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(91)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例37記載のプラスミド(86)に、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(91)、及び、そのベースとなった形質転換体(86)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(91)では、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(86)に対し、1.44倍の反応初速度の向上、及び、1.42倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例51]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(92)
表34で示すように(k)及び(as)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(92)を取得するために、前記の参考例28記載の形質転換体(65)より回収したプラスミド(65)を鋳型とし、配列表の配列番号:59、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(92)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(92)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例28記載のプラスミド(65)に、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(92)、及び、そのベースとなった形質転換体(65)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(92)では、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(65)に対し、1.48倍の反応初速度の向上、及び、1.39倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例52]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(93)
表34で示すように(k)及び(av)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(93)を取得するために、前記の参考例1記載の形質転換体(2)より回収したプラスミド(2)を鋳型とし、配列表の配列番号:59、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(93)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(93)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例1記載のプラスミド(2)に、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(93)、及び、そのベースとなった形質転換体(2)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(93)では、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(2)に対し、1.36倍の反応初速度の向上、及び、1.52倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例39]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(94)
表35で示すように(bo)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(94)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:61、及び、62に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(94)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(94)を得た。
Figure 2010055666
[実施例53]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(95)
表36で示すように(l)及び(ag)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(95)を取得するために、前記の参考例35記載の形質転換体(81)より回収したプラスミド(81)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、46、及び、57に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(95)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(95)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例35記載のプラスミド(81)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(95)、及び、そのベースとなった形質転換体(81)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(95)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(81)に対し、1.53倍の反応初速度の向上、及び、1.76倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例54]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(96)
表36で示すように(l)及び(am)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(96)を取得するために、前記の参考例25記載の形質転換体(56)より回収したプラスミド(56)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、46、及び、57に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(96)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(96)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例25記載のプラスミド(56)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(96)、及び、そのベースとなった形質転換体(56)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(96)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(56)に対し、1.49倍の反応初速度の向上、及び、1.69倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例55]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(97)
表36で示すように(l)及び(bo)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(97)を取得するために、前記の参考例39記載の形質転換体(94)より回収したプラスミド(94)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、46、及び、57に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(97)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(97)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例39記載のプラスミド(94)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(97)、及び、そのベースとなった形質転換体(94)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(97)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、αサブユニットの27番目のMetをIle、及び、βサブユニットの110番目のGluをAsnとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(94)に対し、1.37倍の反応初速度の向上、及び、1.83倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例40]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(98)
表37で示すように(ab)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(98)を取得するために、特許文献2の実施例59に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(98)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(98)を得た。
Figure 2010055666
[実施例56]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(99)
表38で示すように(r)及び(ab)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(99)を取得するために、前記の参考例40記載の形質転換体(98)より回収したプラスミド(98)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、59、及び、38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(99)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(99)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例40記載のプラスミド(98)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(99)、及び、そのベースとなった形質転換体(98)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(99)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(98)に対し、1.85倍の反応初速度の向上、及び、1.36倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例57]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(100)
表38で示すように(r)及び(ai)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(100)を取得するために、前記の参考例36記載の形質転換体(82)より回収したプラスミド(82)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、59、及び、38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(100)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(100)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例36記載のプラスミド(82)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(100)、及び、そのベースとなった形質転換体(82)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(100)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(82)に対し、1.72倍の反応初速度の向上、及び、1.42倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例58]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(101)
表38で示すように(r)及び(bh)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(101)を取得するために、前記の参考例3記載の形質転換体(4)より回収したプラスミド(4)を鋳型とし、配列表の配列番号:43、59、及び、38に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(101)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(101)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例3記載のプラスミド(4)に、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(101)、及び、そのベースとなった形質転換体(4)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(101)では、αサブユニットの13番目のIleをLeu、及び、βサブユニットの206番目のProをLeu、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(4)に対し、1.65倍の反応初速度の向上、及び、1.29倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例41]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(102)
表39で示すように(ac)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(102)を取得するために、特許文献2の実施例60に記載のプラスミドを鋳型とし、実施例1記載の方法でリボゾーム結合配列を改変し、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(102)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(102)を得た。
Figure 2010055666
[実施例59]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(103)
表40で示すように(s)及び(ab)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(103)を取得するために、前記の参考例40記載の形質転換体(98)より回収したプラスミド(98)を鋳型とし、配列表の配列番号:16、29、及び、59に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(103)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(103)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例40記載のプラスミド(98)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(103)、及び、そのベースとなった形質転換体(98)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(103)では、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(98)に対し、2.50倍の反応初速度の向上、及び、1.57倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例60]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(104)
表40で示すように(s)及び(ah)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(104)を取得するために、前記の参考例18記載の形質転換体(37)より回収したプラスミド(37)を鋳型とし、配列表の配列番号:16、29、及び、59に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(104)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(104)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例18記載のプラスミド(37)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(104)、及び、そのベースとなった形質転換体(37)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(104)では、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(37)に対し、1.82倍の反応初速度の向上、及び、1.41倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例61]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(105)
表40で示すように(s)及び(ac)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(105)を取得するために、前記の参考例41記載の形質転換体(102)より回収したプラスミド(102)を鋳型とし、配列表の配列番号:16、29、及び、59に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(105)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(105)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例41記載のプラスミド(102)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(105)、及び、そのベースとなった形質転換体(102)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(105)では、αサブユニットの92番目のAspをGlu、及び、βサブユニットの4番目のValをMet、及び、βサブユニットの206番目のProをLeuとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(102)に対し、1.67倍の反応初速度の向上、及び、1.61倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例42]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(106)
表41で示すように(az)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(106)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:65、及び、53に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(106)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(106)を得た。
Figure 2010055666
[実施例62]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(107)
表42で示すように(t)及び(ac)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(107)を取得するために、前記の参考例41記載の形質転換体(102)より回収したプラスミド(102)を鋳型とし、配列表の配列番号:24、37、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(107)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(107)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例41記載のプラスミド(102)に、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(107)、及び、そのベースとなった形質転換体(102)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(107)では、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(102)に対し、2.11倍の反応初速度の向上、及び、1.88倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例63]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(108)
表42で示すように(t)及び(al)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(108)を取得するために、前記の参考例30記載の形質転換体(70)より回収したプラスミド(70)を鋳型とし、配列表の配列番号:24、37、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(108)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(108)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例30記載のプラスミド(70)に、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(108)、及び、そのベースとなった形質転換体(70)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(108)では、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(70)に対し、1.98倍の反応初速度の向上、及び、2.34倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例64]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(109)
表42で示すように(t)及び(az)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(109)を取得するために、前記の参考例42記載の形質転換体(106)より回収したプラスミド(106)を鋳型とし、配列表の配列番号:24、37、及び、60に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(109)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(109)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例43記載のプラスミド(106)に、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(109)、及び、そのベースとなった形質転換体(106)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(109)では、αサブユニットの197番目のGlyをCys、及び、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(106)に対し、2.05倍の反応初速度の向上、及び、1.62倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[参考例43]ニトリルヒドラターゼ活性を保持したアミノ酸置換体の取得(110)
表43で示すように(ba)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(110)を取得するために、上記参考例2記載の変異導入キットを用いた部位特異的な変異導入を行った。実施例1記載のリボゾーム結合配列を改変したニトリルヒドラターゼ発現プラスミド(1)を鋳型とし、配列表の配列番号:66、及び、67に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(110)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(110)を得た。
Figure 2010055666
[実施例65]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(111)
表44で示すように(u)及び(aq)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(111)を取得するために、前記の参考例19記載の形質転換体(38)より回収したプラスミド(38)を鋳型とし、配列表の配列番号:33、及び、69に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(111)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(111)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例19記載のプラスミド(38)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(111)、及び、そのベースとなった形質転換体(38)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(111)では、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(38)に対し、1.46倍の反応初速度の向上、及び、1.43倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例66]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(112)
表44で示すように(u)及び(ap)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(112)を取得するために、前記の参考例5記載の形質転換体(9)より回収したプラスミド(9)を鋳型とし、配列表の配列番号:33、及び、69に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(112)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(112)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例5記載のプラスミド(9)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(112)、及び、そのベースとなった形質転換体(9)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(112)では、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(9)に対し、1.42倍の反応初速度の向上、及び、1.66倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例67]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(113)
表44で示すように(u)及び(ba)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(113)を取得するために、前記の参考例43記載の形質転換体(110)より回収したプラスミド(110)を鋳型とし、配列表の配列番号:33、及び、69に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(113)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(113)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例43記載のプラスミド(110)に、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(113)、及び、そのベースとなった形質転換体(110)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(113)では、βサブユニットの79番目のHisをAsn、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(110)に対し、1.39倍の反応初速度の向上、及び、1.38倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[実施例68]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(114)
表45で示すように(v)及び(al)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(114)を取得するために、前記の参考例30記載の形質転換体(70)より回収したプラスミド(70)を鋳型とし、配列表の配列番号:16、38、及び、70に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(114)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(114)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例30記載のプラスミド(70)に、αサブユニットの92番目のAspをGlu、βサブユニットの24番目のValをIle、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(114)、及び、そのベースとなった形質転換体(70)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(114)では、αサブユニットの92番目のAspをGlu、βサブユニットの24番目のValをIle、及び、βサブユニットの226番目のValをIleとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(70)に対し、2.43倍の反応初速度の向上、及び、1.63倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[実施例69]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(115)
表46で示すように(w)及び(al)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(115)を取得するために、前記の参考例30記載の形質転換体(70)より回収したプラスミド(70)を鋳型とし、配列表の配列番号:24、37、60及び、70に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(115)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(115)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例30記載のプラスミド(70)に、αサブユニットの197番目のGlyをCys、βサブユニットの24番目のValをIle、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(115)、及び、そのベースとなった形質転換体(70)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(115)では、αサブユニットの197番目のGlyをCys、βサブユニットの24番目のValをIle、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(70)に対し、2.23倍の反応初速度の向上、及び、2.51倍の熱安定性の向上が見られた。
[実施例70]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(116)
表46で示すように(w)及び(az)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(116)を取得するために、前記の参考例42記載の形質転換体(106)より回収したプラスミド(106)を鋳型とし、配列表の配列番号:24、37、60、及び、70に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(116)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(116)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例42記載のプラスミド(106)に、αサブユニットの197番目のGlyをCys、βサブユニットの24番目のValをIle、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(116)、及び、そのベースとなった形質転換体(106)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(116)では、αサブユニットの197番目のGlyをCys、βサブユニットの24番目のValをIle、βサブユニットの107番目のProをMet、及び、βサブユニットの230番目のAlaをGluとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(106)に対し、2.35倍の反応初速度の向上、及び、1.87倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666
[実施例71]ニトリルヒドラターゼ活性及び熱安定性が向上したアミノ酸置換体の取得(117)
表47で示すように(x)及び(aq)のアミノ酸置換位置でニトリルヒドラターゼを変異させたニトリルヒドラターゼ変異体を発現する形質転換体(117)を取得するために、前記の参考例19記載の形質転換体(38)より回収したプラスミド(38)を鋳型とし、配列表の配列番号:33、69、及び70に記載のプライマーを用い、参考例2に記載の方法を変異点毎に繰り返すことにより、上記ニトリルヒドラターゼ変異体をコードするプラスミド(117)を作製した。該プラスミドにて大腸菌HB101のコンピテントセル(東洋紡績社製)を形質転換し、形質転換体(117)を得た。また上記菌体からアルカリSDS抽出法によりプラスミドを調製し、DNAシーケンサーにてニトリルヒドラターゼ遺伝子部分の塩基配列を決定し、参考例19記載のプラスミド(38)に、βサブユニットの24番目のValをIle、βサブユニットの79番目のHisをAsn、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加された目的通りの配列を有していることを確認した。こうして得られた形質転換体(117)、及び、そのベースとなった形質転換体(38)を用いたアミド化合物の製造における反応初速度、並びに熱安定性を実施例1記載の方法と同様の方法により比較した。
その結果、形質転換体(117)では、βサブユニットの24番目のValをIle、βサブユニットの79番目のHisをAsn、βサブユニットの230番目のAlaをGlu、及び、βサブユニットの231番目のAlaをValとする変異が新たに追加されたことにより、形質転換体(38)に対し、1.73倍の反応初速度の向上、及び、1.50倍の熱安定性の向上が見られた。
Figure 2010055666

Claims (17)

  1. 3以下1以上のアミノ酸置換により、ニトリルヒドラターゼの2以上の性質を改善する少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体。
  2. 請求項1に記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、改善される前記性質が反応初速度及び熱安定性であることを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体。
  3. 請求項1又は2に記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、
    配列表の配列番号:1に示されるαサブユニットと、配列表の配列番号:2に示されるβサブユニットとからなり、下記(a)〜(l)からなるアミノ酸置換位置より選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体。
    (a)αサブユニットの92番目
    (b)αサブユニットの94番目
    (c)αサブユニットの197番目
    (d)βサブユニットの4番目
    (e)βサブユニットの24番目
    (f)βサブユニットの79番目
    (g)βサブユニットの96番目
    (h)βサブユニットの107番目
    (i)βサブユニットの226番目
    (j)βサブユニットの110番目、及び、βサブユニットの231番目
    (k)βサブユニットの206番目、及び、βサブユニットの230番目
    (l)αサブユニットの13番目、αサブユニットの27番目、及び、βサブユニットの110番目
  4. 請求項3に記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、さらに下記(m)〜(u)からなるアミノ酸置換位置より選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むことを特徴とするニトリルヒドラターゼ変異体。
    (m)(b)又は(g)のとき、αサブユニットの13番目
    (n)(b)又は(h)のとき、αサブユニットの27番目
    (o)(d)及び(f)
    (p)(f)のとき、βサブユニットの230番目
    (q)(a)及び(i)
    (r)(i)のとき、αサブユニットの13番目、及び、βサブユニットの206番目
    (s)(a)及び(d)のとき、βサブユニットの206番目
    (t)(c)及び(h)のとき、βサブユニットの230番目
    (u)(f)のとき、βサブユニットの230番目、及び、βサブユニットの231番目
  5. 請求項3に記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、(e)のとき、(a)、(c)、(f)、(i)、(h)、βサブユニットの230番目、及びβサブユニットの231番目からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸の他のアミノ酸への置換をさらに含むことを特徴とするニトリルヒドラターゼ変異体。
  6. 請求項1乃至5いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、
    αサブユニットの13番目のアミノ酸が置換されているとき、IleがLeuに置換されており、
    αサブユニットの27番目のアミノ酸が置換されているとき、MetがIleに置換されており、
    αサブユニットの92番目のアミノ酸が置換されているとき、AspがGluに置換されており、
    αサブユニットの94番目のアミノ酸が置換されているとき、MetがIleに置換されており、
    αサブユニットの197番目のアミノ酸が置換されているとき、GlyがCysに置換されており、
    βサブユニットの4番目のアミノ酸が置換されているとき、ValがMetに置換されており、
    βサブユニットの24番目のアミノ酸が置換されているとき、ValがIleに置換されており、
    βサブユニットの79番目のアミノ酸が置換されているとき、HisがAsnに置換されており、
    βサブユニットの96番目のアミノ酸が置換されているとき、GlnがArgに置換されており、
    βサブユニットの107番目のアミノ酸が置換されているとき、ProがMetに置換されており、
    βサブユニットの110番目のアミノ酸が置換されているとき、GluがAsnに置換されており、
    βサブユニットの206番目のアミノ酸が置換されているとき、ProがLeuに置換されており、
    βサブユニットの226番目のアミノ酸が置換されているとき、ValがIleに置換されており、
    βサブユニットの230番目のアミノ酸が置換されているとき、AlaがGluに置換され
    βサブユニットの231番目のアミノ酸が置換されているとき、AlaがValに置換されていることを特徴とするニトリルターゼ変異体。
  7. 請求項3乃至6いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体において、更に下記(aa)〜(br)からなるアミノ酸置換より選ばれる少なくとも1つのアミノ酸の置換を含むことを特徴とするニトリルヒドラターゼ変異体。
    (aa)αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
    (ab)αサブユニットの148番目のGlyをAsp、及び、αサブユニットの204番目のValをArg
    (ac)βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
    (ad)βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
    (ae)βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
    (af)αサブユニットの6番目のLeuをThr、αサブユニットの36番目のThrをMet、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
    (ag)αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの71番目のArgをHis、及び、αサブユニットの126番目のPheをTyr
    (ah)αサブユニットの36番目のThrをMet、αサブユニットの148番目のGlyをAsp、及び、αサブユニットの204番目のValをArg
    (ai)βサブユニットの10番目のThrをAsp、βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
    (aj)βサブユニットの37番目のPheをLeu、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
    (ak)βサブユニットの37番目のPheをVal、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
    (al)βサブユニットの41番目のPheをIle、βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
    (am)βサブユニットの46番目のMetをLys、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
    (an)βサブユニットの48番目のLeuをVal、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
    (ao)βサブユニットの127番目のLeuをSer、βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
    (ap)αサブユニットの6番目のLeuをThr、αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの46番目のMetをLys、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
    (aq)αサブユニットの6番目のLeuをThr、αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの48番目のLeuをVal、βサブユニットの108番目のGluをArg、及び、βサブユニットの212番目のSerをTyr
    (ar)αサブユニットの6番目のLeuをAla、αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの127番目のLeuをSer、βサブユニットの160番目のArgをTrp、及び、βサブユニットの186番目のLeuをArg
    (as)αサブユニットの6番目のLeuをThr、αサブユニットの36番目のThrをMet、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの10番目のThrをAsp、βサブユニットの118番目のPheをVal、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
    (at)αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの71番目のArgをHis、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの37番目のPheをLeu、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
    (au)αサブユニットの19番目のAlaをVal、αサブユニットの71番目のArgをHis、αサブユニットの126番目のPheをTyr、βサブユニットの37番目のPheをVal、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
    (av)αサブユニットの36番目のThrをMet、αサブユニットの148番目のGlyをAsp、αサブユニットの204番目のValをArg、βサブユニットの41番目のPheをIle、βサブユニットの51番目のPheをVal、及び、βサブユニットの108番目のGluをAsp
    (aw)αサブユニットの148番目のGlyをAsp、αサブユニットの204番目のValをArg、βサブユニットの108番目のGluをAsp、及び、βサブユニットの200番目のAlaをGlu
    (ax)αサブユニットの36番目のThrをGly、及び、αサブユニットの188番目のThrをGly
    (ay)αサブユニットの36番目のThrをAla、及び、αサブユニットの48番目のAsnをGln
    (az)αサブユニットの48番目のAsnをGlu、及び、βサブユニットの146番目のArgをGly
    (ba)αサブユニットの36番目のThrをTrp、及び、βサブユニットの176番目のTyrをCys
    (bb)βサブユニットの176番目のTyrをMet、及び、βサブユニットの217番目のAspをGly
    (bc)αサブユニットの36番目のThrをSer、及び、βサブユニットの33番目のAlaをVal
    (bd)βサブユニットの176番目のTyrをAla、及び、βサブユニットの217番目のAspをVal
    (be)βサブユニットの40番目のThrをVal、及び、βサブユニットの218番目のCysをMet
    (bf)βサブユニットの33番目のAlaをMet、及び、βサブユニットの176番目のTyrをThr
    (bg)βサブユニットの40番目のThrをLeu、及び、βサブユニットの217番目のAspをLeu
    (bh)βサブユニットの40番目のThrをIle、及び、βサブユニットの61番目のAlaをVal
    (bi)βサブユニットの61番目のAlaをThr、及び、βサブユニットの218番目のCysをSer
    (bj)βサブユニットの112番目のLysをVal、及び、βサブユニットの217番目のAspをMet
    (bk)βサブユニットの61番目のAlaをTrp、及び、βサブユニットの217番目のAspをHis
    (bl)βサブユニットの61番目のAlaをLeu、及び、βサブユニットの112番目のLysをIle
    (bm)βサブユニットの146番目のArgをGly、及び、βサブユニットの217番目のAspをSer
    (bn)βサブユニットの171番目のLysをAla、及び、βサブユニットの217番目のAspをThr
    (bo)βサブユニットの150番目のAlaをSer、及び、βサブユニットの217番目のAspをCys
    (bp)βサブユニットの61番目のAlaをGly、及び、βサブユニットの150番目のAlaをAsn
    (bq)βサブユニットの61番目のAlaをSer、及び、βサブユニットの160番目のArgをMet
    (br)βサブユニットの160番目のArgをCys、及び、βサブユニットの168番目のThrをGlu
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子。
  9. 配列表の配列番号:3に示されるαサブユニットをコードする遺伝子と、配列表の配列番号:4に示されるβサブユニットをコードする遺伝子とからなる、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子において、下記(a)〜(l)からなる塩基置換位置より選ばれる、少なくとも1つの塩基置換を含むことを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子。
    (a)配列番号:3の塩基配列の274番目〜276番目
    (b)配列番号:3の塩基配列の280番目〜282番目
    (c)配列番号:3の塩基配列の589番目〜591番目
    (d)配列番号:4の塩基配列の10番目〜12番目
    (e)配列番号:4の塩基配列の69番目〜71番目
    (f)配列番号:4の塩基配列の235番目〜237番目
    (g)配列番号:4の塩基配列の286番目〜288番目
    (h)配列番号:4の塩基配列の319番目〜321番目
    (i)配列番号:4の塩基配列の676番目〜678番目
    (j)配列番号:4の塩基配列の328番目〜330番目、及び、配列番号:4の691番目〜693番目
    (k)配列番号:4の塩基配列の616番目〜618番目、及び、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目
    (l)配列番号:3の塩基配列の37番目〜39番目、及び、配列番号:3の塩基配列の79番目〜81番目、及び、配列番号:4の塩基配列の328番目〜330番目
  10. 請求項9に記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子において、さらに下記(m)〜(u)からなる塩基置換位置より選ばれる、少なくとも1つの塩基置換を含むことを特徴とする遺伝子。
    (m)(b)又は(g)のとき、配列番号:3の塩基配列の37番目〜39番目
    (n)(b)又は(h)のとき、配列番号:3の塩基配列の79番目〜81番目
    (o)(d)及び(f)
    (p)(f)のとき、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目
    (q)(a)及び(i)
    (r)(i)のとき、配列番号:3の塩基配列の37〜39番目及び、配列番号:4の塩基配列の616番目〜618番目
    (s)(a)及び(d)のとき、配列番号:4の塩基配列の616番目〜618番目
    (t)(c)及び(h)のとき、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目
    (u)(f)のとき、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目、及び、配列番号:4の塩基配列の691番目〜693番目
  11. 請求項9に記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子において、(e)のとき、(a)、(c)、(f)、(i)、(h)、配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目、及び配列番号:4の塩基配列の691番目〜693番目からなる塩基置換位置から選択される少なくとも1つの塩基の他の塩基への置換をさらに含むことを特徴とする遺伝子。
  12. 請求項9乃至11いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子において、
    配列番号:3の塩基配列の37番目〜39番目が塩基置換されているとき、ATCがCTCに置換されており、
    配列番号:3の塩基配列の79番目〜81番目が塩基置換されているとき、ATGがATCに置換されており、
    配列番号:3の塩基配列の274番目〜276番目が塩基置換されているとき、GACがGAGに置換されており、
    配列番号:3の塩基配列の280番目〜282番目が塩基置換されているとき、ATGがATCに置換されており、
    配列番号:3の塩基配列の589番目〜591番目が塩基置換されているとき、GGCをTGCに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の10番目〜12番目が塩基置換されているとき、GTGをATGに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の69番目〜71番目が塩基置換されているとき、GTCがATCに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の235番目〜237番目が塩基置換されているとき、CACがAACに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の286番目〜288番目が塩基置換されているとき、CAGがCGTに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の319番目〜321番目が塩基置換されているとき、CCCがATGに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の328番目〜330番目が塩基置換されているとき、GAGがAACに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の616番目〜618番目が塩基置換されているとき、CCGがCTGに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の676番目〜678番目が塩基置換されているとき、GTCがATCに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の688番目〜690番目が塩基置換されているとき、GCGがGAGに置換されており、
    配列番号:4の塩基配列の691番目〜693番目が塩基置換されているとき、GCCがGTCに置換されていることを特徴とする遺伝子。
  13. 請求項9乃至12いずれかに記載の遺伝子が、下記(aa)〜(br)からなる塩基置換位置より選ばれる、少なくとも1つの塩基置換を含み、かつ、ニトリルヒドラターゼ活性を有することを特徴とする、ニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子。
    (aa)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、及び、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC
    (ab)配列番号:3の塩基配列の442番目〜444番目のGGCをGAC、及び、配列番号:3の塩基配列の610番目〜612番目のGTCをCGC
    (ac)配列番号:4の塩基配列の151番目〜153番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT
    (ad)配列番号:4の塩基配列の352番目〜354番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
    (ae)配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の556番目〜558番目のCTGをCGG
    (af)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをACG、配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、及び、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC
    (ag)配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の211番目〜213番目のCGTをCAT、及び、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC
    (ah)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、配列番号:3の塩基配列の442番目〜444番目のGGCをGAC、及び、配列番号:3の塩基配列の610番目〜612番目のGTCをCGC
    (ai)配列番号:4の塩基配列の28番目〜30番目のACCをGAC、配列番号:4の塩基配列の352番目〜354番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
    (aj)配列番号:4の塩基配列の109番目〜111番目のTTCをCTC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
    (ak)配列番号:4の塩基配列の109番目〜111番目のTTCをGTC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
    (al)配列番号:4の塩基配列の121番目〜123番目のTTCをATC、配列番号:4の塩基配列の151番目〜153番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT
    (am)配列番号:4の塩基配列の136番目〜138番目のATGをAAG、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをCGG、及び、配列番号:4の塩基配列の634番目〜636番目のTCCをTAC
    (an)配列番号:4の塩基配列の142番目〜144番目のCTGをGTG、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをCGG、及び、配列番号:4の塩基配列の634番目〜636番目のTCCをTAC
    (ao)配列番号:4の塩基配列の379番目〜381番目のCTGをTCG、配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の556番目〜558番目のCTGをCGG
    (ap)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをACG、配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の136番目〜138番目のATGをAAG、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをCGG、及び、配列番号:4の塩基配列の634番目〜636番目のTCCをTAC
    (aq)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをACG、配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の142番目〜144番目のCTGをGTG、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをCGG、及び、配列番号:4の塩基配列の634番目〜636番目のTCCをTAC
    (ar)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをGCG、配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の379番目〜381番目のCTGをTCG、配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の556番目〜558番目のCTGをCGG
    (as)配列番号:3の塩基配列の16番目〜18番目のCTGをACG、配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の28番目〜30番目のACCをGAC、配列番号:4の塩基配列の352番目〜354番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
    (at)配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の211番目〜213番目のCGTをCAT、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の109番目〜111番目のTTCをCTC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
    (au)配列番号:3の塩基配列の55番目〜57番目のGCGをGTG、配列番号:3の塩基配列の211番目〜213番目のCGTをCAT、配列番号:3の塩基配列の376番目〜378番目のTTCをTAC、配列番号:4の塩基配列の109番目〜111番目のTTCをGTC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
    (av)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをATG、配列番号:3の塩基配列の442番目〜444番目のGGCをGAC、配列番号:3の塩基配列の610番目〜612番目のGTCをCGC、配列番号:4の塩基配列の121番目〜123番目のTTCをATC、配列番号:4の塩基配列の151番目〜153番目のTTCをGTC、及び、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT
    (aw)配列番号:3の塩基配列の442番目〜444番目のGGCをGAC、配列番号:3の塩基配列の610番目〜612番目のGTCをCGC、配列番号:4の塩基配列の322番目〜324番目のGAGをGAT、及び、配列番号:4の塩基配列の598番目〜600番目のGCCをGAG
    (ax)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをGGG、及び、配列番号:3の塩基配列の562番目〜564番目のACCをGGC
    (ay)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをGCG、及び、配列番号:3の塩基配列の142番目〜144番目のAACをCAA
    (az)配列番号:3の塩基配列の142番目〜144番目のAACをGAA、及び、配列番号:4の塩基配列の436番目〜438番目のCGGをGGG
    (ba)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の526番目〜528番目のTACをTGC
    (bb)配列番号:4の塩基配列の526番目〜528番目のTACをATG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをGGC
    (bc)配列番号:3の塩基配列の106番目〜108番目のACGをTCG、及び、配列番号:4の塩基配列の97番目〜99番目のGCGをGTG
    (bd)配列番号:4の塩基配列の526番目〜528番目のTACをGCC、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをGTC
    (be)配列番号:4の塩基配列の118番目〜120番目のACGをGTG、及び、配列番号:4の塩基配列の652番目〜654番目のTGCをATG
    (bf)配列番号:4の塩基配列の97番目〜99番目のGCGをATG、及び、配列番号:4の塩基配列の526番目〜528番目のTACをACC
    (bg)配列番号:4の塩基配列の118番目〜120番目のACGをCTG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをCTC
    (bh)配列番号:4の塩基配列の118番目〜120番目のACGをATT、及び、配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをGTC
    (bi)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをACG、及び、配列番号:4の塩基配列の652番目〜654番目のTGCをTCC
    (bj)配列番号:4の塩基配列の334番目〜336番目のAAGをGTG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをATG
    (bk)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをTGG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをCAC
    (bl)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをCTC、及び、配列番号:4の塩基配列の334番目〜336番目のAAGをATT
    (bm)配列番号:4の塩基配列の436番目〜438番目のCGGをGGG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをAGC
    (bn)配列番号:4の塩基配列の511番目〜513番目のAAGをGCG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをACC
    (bo)配列番号:4の塩基配列の448番目〜450番目のGCGをTCG、及び、配列番号:4の塩基配列の649番目〜651番目のGACをTGT
    (bp)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをGGC、及び、配列番号:4の塩基配列の448番目〜450番目のGCGをAAT
    (bq)配列番号:4の塩基配列の181番目〜183番目のGCCをTCG、及び、配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをATG
    (br)配列番号:4の塩基配列の478番目〜480番目のCGGをTGT、及び、配列番号:4の塩基配列の502番目〜504番目のACGをGAG
  14. 請求項9乃至13いずれかに記載のニトリルヒドラターゼ変異体をコードする遺伝子の5'末端上流に更に、遺伝子の発現に必要とされるプロモーター配列を含むDNAと、該プロモーターの3'末端の下流に、配列番号:7に含まれるリボゾーム結合配列とを含む、連結されたDNA。
  15. 請求項14に記載のDNAを含む、プラスミド。
  16. 請求項15に記載のプラスミドによって宿主細胞を形質転換して得られた形質転換体。
  17. ニトリルヒドラターゼ変異体の生産方法において、請求項16に記載の形質転換体を培地で培養して、該形質転換体にプラスミドの有するニトリルヒドラターゼ遺伝子に基づくニトリルヒドラターゼ変異体を生産させる工程を含むことを特徴とするニトリルヒドラターゼ変異体の生産方法。
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