JP4275383B2 - 新規プラスミド及び当該プラスミドを含むシャトルベクター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食経験のある乳酸菌由来のプラスミド及び当該プラスミド由来の遺伝子を含むシャトルベクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乳酸菌製剤の製造や発酵乳、チーズなどの製造には獣乳を培地として、乳酸菌が培養されるが、この時、乳酸菌の有する生理効果、例えば整腸効果や免疫賦活効果を得るために、乳酸菌の生菌数を高くすることが好ましい。
しかし、培養を長期間継続すると、経済性、作業性が悪く、乳酸蓄積による酸度上昇のため、生菌数が増加し難い。そこで、増殖効率を高める目的で、クロレラエキス、ビタミン類、ペプチド類等の増殖促進物質を培地に添加することが行われているが、これらの添加には、発酵乳等の風味への影響やコストの上昇といった問題があった。また、近年、遺伝子操作技術が急速に発展していることから、ベクターの移入等により乳酸菌の増殖能を高めることも期待されるが、現状では、菌の増殖に関わる遺伝子が特定できておらず、このような遺伝子操作による増殖性の向上は行われていない。
【0003】
一方、インビトロ(in vitro)の遺伝子操作においては、所望の外来遺伝子を宿主細胞に移入させ、その遺伝子情報を発現させるには、宿主細胞に適合したベクターを使用することが必要とされるが、乳酸菌においては、形質転換能が低い、DNAの抽出が容易でない等の理由により、大腸菌や枯草菌とは異なり、専ら乳酸菌及び他の菌の両方で複製可能なシャトルベクターとしての開発が試みられ、例えばpBE31(特許文献1参照)やpH4611(特許文献2参照)が知られている。
【0004】
乳酸菌用シャトルベクターは、研究用途での使用のみならず、有用な外来遺伝子を宿主乳酸菌に導入し、これを発現させることによる乳酸菌の機能性向上等の観点からも期待されている。例えば、本出願人は、前記pBE31を用いてコレラ菌の線毛(toxin coregulated pili:TCP)の構成タンパク質であるTcpAを菌体表層に発現させたラクトバチルス・カゼイを作製し、これをマウスの腹腔内へ投与することにより、血清の抗TcpA抗体価が上昇することを確かめている。このことは、シャトルベクターにより形質転換された宿主乳酸菌が、異種蛋白質を発現し、それがワクチンとしての活性を有することを示しており、医薬用途への利用の可能性を示唆するものである。
【0005】
しかしながら、従来の乳酸菌用シャトルベクターは、発現効率が十分でない、コロニー形成まで時間がかかる、ベクターが宿主中で不安定である等の問題を有していた。また、遺伝子操作により機能性等を向上させた乳酸菌について、ヒトへの利用を考慮した場合には、安全性の面から、ベクターとして食経験のある乳酸菌由来のプラスミド等を用いたものを利用し、乳酸菌の形質転換を行うことが望ましいが、既存のベクターには、そのようなものはなく、食経験豊富な乳酸菌由来のベクターを得ることが期待されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−253861号公報
【特許文献2】
特開平4−5889号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、乳酸菌の増殖性を高める遺伝子上の知見を得るとともに、発現効率、操作性、安定性、形質転換体(組換体)の判別が短時間に行える等の性質を持った良好な乳酸菌用シャトルベクターを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、食経験豊富な乳酸菌であるラクトバチルス・カゼイにはプラスミドが存在し、当該プラスミドにより菌の増殖が高められていることを見出すと共に、当該プラスミド由来の複製必須領域を用いた乳酸菌用シャトルベクターが、優れた安定性、操作性、発現効率等を有することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、ラクトバチルス・カゼイ由来のプラスミドであって、配列番号1で示されるラクトースオペロンをコードする遺伝子と、配列番号2で示される複製必須領域と、配列番号3で示される反復配列とを有することを特徴とするプラスミドを提供するものである。
【0010】
また本発明は、上記配列番号2で示されるラクトバチルス・カゼイ由来のプラスミドの複製必須領域を含むDNAと、大腸菌のプラスミド由来の複製必須領域を含むDNAと、大腸菌及び乳酸菌で機能する薬剤耐性遺伝子を含むDNAとを有することを特徴とする乳酸菌用シャトルベクターを提供するものである。
【0011】
更に本発明は、上記プラスミド又はシャトルベクターを含む形質転換体を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明プラスミドは、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)から単離し得るプラスミドであり、配列番号1で示されるラクトースオペロンをコードする遺伝子と、配列番号2で示される複製必須領域と、配列番号3で示される反復配列とを有する。
ラクトバチルス・カゼイとしては、例えばラクトバチルス・カゼイ YIT9029(FERM BP−1366)が挙げられ、それから得られたプラスミドpLY101が本発明のプラスミドに包含される。
【0013】
本発明のプラスミドに含まれる遺伝子領域のうち、配列番号2で示されるDNA領域は、複製必須領域、すなわちプラスミドの自律複製に必須な領域であり、複製開始部位及び複製蛋白質遺伝子(rep遺伝子)を含む。
また、配列番号1で示されるDNA領域は、乳糖資化に必要な遺伝子を含むラクトースオペロンをコードする遺伝子領域であり、配列番号3で示されるDNA領域は、282塩基対を単位とする14回の反復配列を有する。
そして、このプラスミドは、後記実施例3に示すように、それを含む乳酸菌の増殖能を向上させる作用を有する。
【0014】
本発明プラスミドは、通常用いられる遺伝子工学的手法に従って、ラクトバチルス・カゼイから分離して調製することができる。例えば、ラクトバチルス・カゼイ YIT9029株を培養し、次いでこれを集菌し、これを乳酸菌を溶菌させる公知の方法、例えばN−アセチルムラミダーゼ、リゾチームを用いて溶菌し、得られた溶菌物から、例えば塩化セシウム−臭化エチジウム密度勾配遠心分離のような通常用いられる方法によって、プラスミドを分離・精製することにより得ることができる。
【0015】
培養は、通常乳酸菌に用いられる培地や培養条件により行えばよいが、例えば、培地として、乳糖を添加したMRS培地等を用い、静置培養等の培養法により、約34℃〜37℃の範囲で、通常約1日間〜約2日間培養するのが好ましい。
【0016】
得られたプラスミドは、公知のプラスミドと同様に、制限酵素による切断、リガーゼによるライゲーション等の遺伝子操作を行うことができる。
【0017】
プラスミドの構造決定は、通常の遺伝子工学的手法に準じた方法を用いることができる。すなわち、本発明プラスミドの各種制限酵素消化断片を大腸菌を宿主生物とするプラスミドベクターに挿入し、大腸菌を形質転換した後、当該プラスミドベクターのDNAを抽出し、これを市販の塩基配列決定装置(シーケンサー)に供する。決定された塩基配列は市販のパーソナルコンピュータ用の遺伝子解析ソフトウェアなどを使用すれば、制限酵素地図の作成や既往の核酸塩基配列データとの比較検討などを行うことができる。
【0018】
ラクトバチルス・カゼイ YIT9029(FERM BP−1366)から単離されたプラスミドpLY101は、約66.8Kbの大きさを持ち、その制限酵素地図は図1に示すとおりである。
【0019】
本発明のプラスミドの複製必須領域を含むDNAと、大腸菌等の細菌で自律複製可能なプラスミドの複製必須領域を含むDNAとを連結し、乳酸菌及び大腸菌の双方で自律複製可能なシャトルベクターとすることにより、プラスミドの調製、目的遺伝子を組み込んだ組換えプラスミドの調製等の操作を大腸菌を用いて行うことができる。
すなわち、本発明の乳酸菌用シャトルベクターは、配列番号2で示されるラクトバチルス・カゼイ由来のプラスミドの複製必須領域を含むDNAと、大腸菌のプラスミド由来の複製必須領域を含むDNAと、大腸菌及び乳酸菌で機能する薬剤耐性遺伝子とを連結させてなり、乳酸菌及び大腸菌の双方で複製可能なものである。
【0020】
配列番号2で示される複製必須領域を含むDNA及び大腸菌のプラスミド由来の複製必須領域を含むDNAは、複製必須領域を含むものであれば当該プラスミドの全体であってもよく、或いは一断片であってもよい。例えば、配列番号2で示される複製必須領域を含むDNAとしては、配列番号2で示される複製必須領域の他に、pUC19由来の複製必須領域、pAMβ1由来のエリスロマイシン耐性遺伝子等を含むDNA断片(p101−Pvu、配列番号4)等が挙げられる。
【0021】
大腸菌で自律複製可能なプラスミドとしては、制限酵素地図、配列等が良く知られている、pUC19、pUC18、pBR322、pHSG299、pHSG298、pHSG399、pHSG398、RSF1010、pMW119、pMW118、pMW219、pMW218、pACYC177等が挙げられ、複製必須領域として、複製開始部位とrep遺伝子を含み、更にマルチクローニングサイトを含むpUC19、pUC18、pBR322、pACYC177等が好ましく、特にpUC19が好ましい。
【0022】
また、本発明のプラスミド若しくはシャトルベクター又はそれらの一部に、薬剤耐性遺伝子等のマーカー遺伝子を含むDNAを連結することにより、形質転換体中でのマーカー遺伝子の表現型によって、形質転換体の検出が容易となる。乳酸菌及び大腸菌に使用可能なマーカー遺伝子としては、エリスロマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子等が挙げられる。
【0023】
斯かる本発明の乳酸菌用シャトルベクターは、例えば、ラクトバチルス・カゼイ YIT9029から単離されたプラスミドpLY101を、適当な制限酵素で切断し、得られた断片を大腸菌で複製可能でありかつ大腸菌と乳酸菌で選択可能なマーカー遺伝子を持つプラスミドに挿入し、大腸菌内で増やした後乳酸菌に形質転換することにより製造することができる。
【0024】
かくして得られる本発明の乳酸菌用シャトルベクターの例としては、図4に示す制限酵素地図を有するpCAT1−1が挙げられる。
【0025】
本発明のプラスミド及びシャトルベクターは、ラクトバチルス・カゼイをはじめとする乳酸菌及び大腸菌中で複製できるので、常法によりこれらのプラスミド又はシャトルベクターのいずれかの位置に外来遺伝子を挿入し、得られる組換えプラスミドで宿主微生物を形質転換すれば、その外来遺伝子の遺伝情報を宿主微生物内で発現させることが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
実施例1
ラクトバチラス・カゼイYIT9029からのプラスミドpLY101の単離
プラスミドの抽出は、文献(App. Environ. Microbiol. 53: 2987-2991, 1987)に従って行った。即ち、0.1%ブドウ糖を含むILS培地で34℃、定常期初期まで培養した菌体を集菌、洗浄し、同量の1M蔗糖を含む10mMリン酸緩衝液(pH6.9)に懸濁した。リゾチームとN−アセチルムラミダーゼSGをそれぞれ40μg/ml及び2μg/mlになるよう加え、37℃、20分間保温してプロトプラストを作製した。プロトプラストを25分の1量の50mMトリス塩酸バッファー(pH8.0)−20mMEDTA溶液に懸濁し、SDSを0.1%になるよう加え、60℃、10分間インキュベートして溶菌した。溶菌液のアルカリ処理、中和処理、フェノール抽出をAnderson and McKayの方法(Appl. Environ. Microbiol. 46: 549-552, 1983)に従って行った後、2度の塩化セシウム−臭化エチジウム密度勾配遠心分離によりプラスミドDNAを精製した。
【0028】
実施例2 pLY101のシークエンシング
pLY101のDNAをDNA分解酵素I(Deoxyribonuclease I)で部分分解して得たDNA断片をベクターM13mp18にクローン化し、各クローンからDNAを調製した。BigDye Terminator(PEバイオシステムズ社)でシークエンシング反応を行い、ABI377型DNAシークエンサー(PEバイオシステムズ社)で塩基配列の読み取りを行った。塩基配列データの編集連結はソフトウェアAutoAssembler(PEバイオシステムズ社)を用いて行った。
【0029】
得られたプラスミドDNA(pLY101)の全塩基配列からコンピューターにより制限酵素切断部位を検索し、まとめたものが図1の制限酵素地図である。全体の長さは約66.8キロ塩基対(Kb)である。
【0030】
また、塩基配列データから検索したORF(Open reading frame)のうち、公開されている遺伝子配列データベースと相同性検索をすることにより、乳糖資化に必要な遺伝子を含むラクトースオペロン(配列番号1)及びDNA複製起点とDNA複製に必須の遺伝子が隣接している複製必須領域(配列番号2)を同定した。また、反復配列の検索から、282塩基対を単位とする14回の反復配列(配列番号3)を見出した。
【0031】
実施例3 ラクトバチルス・カゼイYIT9029とpLY101が欠失した株との増殖性の比較
ラクトバチルス・カゼイYIT9029を、ブドウ糖を糖源とした培地で長期間継代培養するとpLY101が欠失した株ラクトバチルス・カゼイYIT0291が得られた。この株は乳糖を糖源とした培地では増殖できない。しかし、この株を、乳糖を糖源とした寒天培地で培養することにより乳糖を資化できる様な復帰株ラクトバチルス・カゼイYIT10024が得られた。即ち、pLY101を有しているのはラクトバチルス・カゼイYIT9029だけで、他の2株(ラクトバチルス・カゼイYIT0291とラクトバチルス・カゼイYIT10024)はpLY101を有していない。以下に、この3株を用いて乳糖を糖源とした培地での増殖性を比較した。
MRS培地で前培養した菌体を生理的食塩水で2回洗浄後、BaseLT培地に2%接種し、経時的にクレット値を測定しながら24時間培養した。クレット値の経時変化を図2に示す。
用いたBaseLT培地の組成は表1の通りである。
【0032】
【表1】
【0033】
YIT9029が良い増殖を示したのに対し、YIT0291は低い増殖性しか示さなかった。乳糖を資化できるとされているYIT10024はYIT9029とYIT0291の中間の値を示したが、増殖性はYIT9029のレベルまで回復しなかった。YIT9029とYIT10024の、乳糖培地での増殖性の差は、YIT9029が有しているpLY101の為であると考えられる。更に、24時間後の培養上清のpHを比較した。表2にその結果を示す。YIT0291では、pHの低下は僅かであったが、YIT10024及びYIT9029では、大きく酸性側に傾いていた。ここでも、YIT10024とYIT0929とでは、pHの下がり具合に違いが見られた。
【0034】
【表2】
【0035】
次にこのpHの変化は何によるものかを調べる為に、24時間後の培養上清の有機酸測定を行った。酢酸、コハク酸は僅かながら検出されたが、ここでは主要の有機酸である乳酸の値のみを表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
BaseLT培地での増殖性・pH・有機酸濃度のどの項目を見てもYIT10024とYIT9029には違いが見られた。両株とも乳糖を資化し得るが、その資化性に関しては差があり、その差はプラスミドpLY101を保持しているか否かの差である。
乳酸菌は乳糖などの糖源を資化して乳酸を産生する事が特徴であり、工業的にも乳酸菌が産生する乳酸は重要であり、効率良く乳酸を産生する菌は有用性が高い。以上、プラスミドpLY101を有する事により、乳糖を糖源とした培地(例えば、脱脂粉乳培地)で優れた増殖性を発揮し、効率良く乳酸を産生する事が判明し、pLY101の有用性が明らかにされた。
【0038】
実施例4 シャトルベクターpCAT1−1の作製
大腸菌で複製するベクターpNDE4(特願2002−043414号明細書)を制限酵素BspHIとHindIIIで切断し、エリスロマイシン耐性遺伝子を含む1768bpの断片を得た。大腸菌で複製するプラスミドpBR322を制限酵素BspHIとAvaIで切断し、大腸菌用複製領域を含む1414bpの断片を得た。両断片を連結し、pBRE1とした。pBRE1を制限酵素HindIIIで切断し、T4DNAポリメラーゼにより平滑化した後再連結することによって、HindIIIサイトがNheIサイトに変換したpBRE2を得た。pBRE2を制限酵素BamHIとSphIで切断し、pSG−TERM(特開平10−117783号公報)を制限酵素BamHIとNspVで切断して得られたエリスロマイシン耐性遺伝子由来プロモーターを含む120bpの断片と、黄色ブドウ球菌由来のプラスミドpC194のクロラムフェニコール耐性遺伝子をPCRで増幅して得られた722bpのNspV−SphI断片を挿入して、pBRE3−catを得た。pBRE3−catをNheIで切断後T4DNAポリメラーゼにより平滑化し、同じく平滑化したpLY101の複製領域を含む4983bpのPvuI断片(配列番号2)と連結して、pCAT1−1を得た(図3、図4)。
【0039】
実施例5 シャトルベクターpCAT1−1の安定性
シャトルベクターpCAT1−1を保持したラクトバチルス・カゼイYIT9029をエリスロマイシンを含むMRS培地で定常期(2〜5×109cfu/ml)まで培養し、薬剤を含まないMRS培地で106倍に希釈したのち再び定常期に達するまで36〜48時間培養した。それを適宜希釈し、薬剤を含まないMRS寒天培地上でコロニーを作らせ、そのうち164コロニーをエリスロマイシンを含む同寒天培地に釣菌した。その結果、薬剤耐性を保持してコロニーを形成し得たものは、164個中161個であり、耐性保持率は98.2%であった。一方、エンテロコッカス・フェカリス由来のプラスミドpAMβ1の複製領域を持つシャトルベクターpSAK−NS(特開平10−117783号公報)を保持したラクトバチルス・カゼイYIT9029株について同様の操作を行った。その結果、調べた154個のコロニーのうち薬剤耐性を保持していたものは13個であり、耐性保持率は8.4%であった。以上の結果から、pLY101の複製領域を持つシャトルベクターがラクトバチルス・カゼイYIT9029内で安定に保持されることが明らかとなり、pAMβ1の複製領域を持つベクターに比べて優れていることがわかった。
【0040】
【配列表】
【0041】
【発明の効果】
本発明プラスミドは、乳酸菌の増殖能を向上させる作用を有し、食経験のある乳酸菌から分離されたものであることから安全性も高い。そして、当該プラスミドを用いて構築された乳酸菌用シャトルベクターは、従来のシャトルベクターに比べて宿主中での安定性が高く、また操作性にも優れることから、食品又は医薬品を製造するためのベクターとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、プラスミドpLY101の制限酵素地図である。
【図2】図2は、各菌株のクレット値の変化を示すグラフである。
【図3】図3は、シャトルベクターpCAT1−1の作成工程を示す図である。
【図4】図4は、シャトルベクターpCAT1−1の制限酵素地図である。
Claims (5)
- ラクトバチルス・カゼイ由来のプラスミドであって、配列番号1で示されるラクトースオペロンをコードする遺伝子と、配列番号2で示される複製必須領域とを有することを特徴とするプラスミド。
- さらに配列番号3で示される反復配列を有する請求項1記載のプラスミド。
- 図1の制限酵素地図で示されるプラスミドpLY101である請求項1又は2記載のプラスミド。
- 配列番号2で示されるラクトバチルス・カゼイ由来のプラスミドの複製必須領域を含むDNAと、大腸菌のプラスミド由来の複製必須領域を含むDNAと、大腸菌及び乳酸菌で機能する薬剤耐性遺伝子を含むDNAとを有することを特徴とする乳酸菌用シャトルベクター。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載のプラスミド又は請求項4記載のシャトルベクターを含む形質転換体。
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