JP4081531B2 - プラスミド欠失用組換えプラスミド、アグロバクテリア内のプラスミドを除去する方法、及び、これより得られるプラスミドを欠失した微生物 - Google Patents

プラスミド欠失用組換えプラスミド、アグロバクテリア内のプラスミドを除去する方法、及び、これより得られるプラスミドを欠失した微生物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アグロバクテリアを遺伝的に改変する技術に関する。詳しくは、外来遺伝子の導入の方法、および導入に用いられるアグロバクテリアおよびプラスミドに関する。更に詳しくは、本発明は、腫瘍誘導プラスミドならびに毛根状病誘導プラスミドを欠失したアグロバクテリアの製造法ならびにプラスミドを導入することによって感染注入能力を付与したアグロバクテリアの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
作物の耐性を増したり貯蔵性や薬効成分の付与などの目的で、植物に組み換え遺伝子を導入して遺伝子組み換え植物を作成する技術が頻用されている。アグロバクテリアは遺伝子を植物細胞核に輸送する機能を有するため、遺伝子組み換え植物を作成する主要な技術に必要不可欠な細菌である。アグロバクテリアは根頭癌腫病菌ならびに毛状根病菌として自然界から多数分離されて保管されている。これらの菌は種々の宿主範囲を有し特定の植物種に高い感染・病徴誘導能を持つものも知られている。しかし、採取・保管された野生型アグロバクテリアのすべてが遺伝子組換えに使われているわけではない。
【0003】
アグロバクテリアを用いて外来遺伝子を植物に組み込む方法には、中間ベクター法、バイナリーベクター法(ホーケマー他、特許第2,003,610号)が知られている。中間ベクター法は、図9(1)に示すように、野生型アグロバクテリア(a)のTiプラスミドAから、T-DNA領域の中にあるonc遺伝子を除去した改変型プラスミドA’を持つアグロバクテリア(b)を作成する。その後、大腸菌内で作成した所要遺伝子を持つプラスミドベクター(I:中間ベクター)を導入して相同的組換えによりプラスミドA’のT-DNA領域にIを組み込み(d)これを植物(p)に感染させる。この中間ベクター法は手順が複雑なため、課題が多くあまり用いられていない。
【0004】
次にバイナリーベクター法は、操作が容易なので多用されている方法である。図9(2)に示す野生型アグロバクテリア(a)からまず、植物への感染に必須であるvir領域を保持したままで、全T-DNA領域(LBとRBとその内部部域、onc遺伝子を含む)を除去した改変型プラスミドA’を作成する。大腸菌と野生型アグロバクテリアの両方で複製可能であり、境界領域の中に所要のDNAを組み込んでT-DNA領域としたプラスミドBを感染させる(c)。アグロバクテリア(c)を植物に感染させると、プラスミドA’にあるvir領域の働きで、プラスミドBのT-DNA領域を植物(p)に導入する。
【0005】
バイナリーベクター法において、遺伝子組み換え植物を作製するためのアグロバクテリアは、アグロバクテリウム・ツメファシエンスで腫瘍形成の主体でるTiプラスミド、あるいはアグロバクテリウム・リゾゲネスで毛状根形成の主体であるRiプラスミド(図9(2)のA)を改変して、病徴発現遺伝子を含むT-DNA領域が除去されている必要がある。植物に感染し細胞核に DNAを注入する機能領域は有するがT-DNA領域が除去された菌株(図9(2)の(b))を作成するのは容易でないため、遺伝子組み換え植物を作成するアグロバクテリア菌株の数は少ない。
【0006】
一般にアグロバクテリアにおいて、植物に感染し細胞核にDNAを注入する機能領域(vir)は有するがT-DNA領域が除去された菌株を作成するのは容易でない。また、これらのプラスミドはアグロバクテリアで安定に維持する複製機構を有するためプラスミドを除去することは容易でない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来報告されているプラスミドを除去する方法は、高温加熱法、洗剤添加法、臭化エチジウム(EtBr)添加法等が知られている。これらの方法は、プラスミドを除去する効率が低いため、プラスミドを除去した細胞株を得るのに多大な労力を要するだけでなく、プラスミドを除去できない細胞株も多い。さらに、従来のプラスミドを除去する方法は細胞を高温・洗剤添加・EtBr添加等の培養液で長時間培養することを特徴とするため、これらの条件で増殖できない細胞株があるだけでなく、しかも染色体DNAに突然変異が蓄積することが避けがたいという難点がある。
【0008】
アグロバクテリアに複数のプラスミドがあるとき、プラスミドの複製機構間に干渉作用があり、同種のプラスミドが同一の細胞内で複製困難になるという現象が知られている。同種の複製機構を持ち薬剤耐性を付与した小型プラスミドを用意して、除去したいプラスミドを持つ細胞株へ導入すれば既存のプラスミドを除去できる。しかし、新たに導入されたプラスミドも同じ複製機構を有するため安定に維持されるので、これを除去するのが容易でないのは必然である。
【0009】
一方、これら有用アグロバクテリアで遺伝子組み換え植物の作成が困難な事例が多くあるため、感染ならびにDNA注入能の高いアグロバクテリアが求められている。感染ならびにDNA注入能を決定するアグロバクテリアの遺伝子はTiあるいはRiプラスミド上の毒性遺伝子(ヴィルレンス領域:vir)と染色体上の染色体性毒性遺伝子(chv)ならびに植物が保持する種々の物質に耐性を与える遺伝子などによって決定さるが、その詳細な情報は未だ知られていない。また、これらの特徴がプラスミドによって決定されているのか染色体遺伝子によっているのかを調べるのは容易でない。
【0010】
従って、本発明はアグロバクテリアにおいて腫瘍誘導(Ti)プラスミドならびに毛根状病誘導(Ri)プラスミド等のプラスミドを高い効率で、かつ細胞株の染色体DNAに突然変異を誘起することなく、しかも著しく安定に複製維持されるプラスミドをも容易にかつ着実に欠失除去する方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、こうしてプラスミドが欠失除去されたアグロバクテリアに既知プラスミドを導入することによって遺伝子組み換え植物の作成等に適した有用能力を付与した新規アグロバクテリアを容易に作成する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題を達成するために、アグロバクテリアの感染・病徴誘導能を遺伝子面から研究した結果、プラスミドの脱落を顕著に促進する脱落用プラスミドを作成し、これを用いて着実かつ容易な方法で高頻度に脱落した細胞を得ることができ、プラスミドが除去されていることを確認して発明を完成させた。従って、本発明は下記のいずれかに係るものである。
【0012】
1.野生型アグロバクテリアが持つ複製遺伝子と不和合性をもつ複製遺伝子、及び、感受性遺伝子を有する、プラスミド欠失用組換えプラスミド。
2.感受性遺伝子がレヴァンスクラーゼ遺伝子である、上記1記載のプラスミド欠失用組換えプラスミド。
3.更に、接合起点遺伝子を有する、上記1又は2記載のプラスミド欠失用組換えプラスミド。
4.更に、薬剤耐性遺伝子を有する、上記1ないし3のいずれか一項に記載のプラスミド欠失用組換えプラスミド。
5.薬剤耐性遺伝子がゲンタマイシン耐性遺伝子又はカナマイシン耐性遺伝子である、上記4記載のプラスミド欠失用組換えプラスミド。
6.上記1ないし5のいずれか一項に記載のプラスミド欠失用組換えプラスミドにより形質転換されたバクテリア。
7.上記6記載の形質転換された野生型アグロバクテリア。
8.上記7記載の形質転換された野生型アグロバクテリア・ツメファシエンス。
9.上記8記載の形質転換された野生型アグロバクテリア・ツメファシエンスMAFF301001株。
10.野生型アグロバクテリア菌株へ、上記1ないし上記5のいずれか一項に記載のプラスミド欠失用組換えプラスミドを導入し、感受性培地で培養することを特徴とするプラスミドを欠失したアグロバクテリア細胞株の作成方法。
11.(i) 野生型アグロバクテリア菌株へ上記1ないし上記5のいずれか一項に記載のプラスミド欠失用組換えプラスミドを導入し、(ii) 該プラスミド欠失用組換えプラスミドが導入された形質転換株と導入されなかった菌株を選別し、(iii) 複製遺伝子間の不和合性に基づき、野生型アグロバクテリア菌株に元々存在したプラスミドを失いプラスミド欠失用組換えプラスミドのみを有する形質転換株を得、(iv) プラスミド欠失用組換えプラスミドのみを有する形質転換株を判別し、その後、(v) プラスミド欠失用組換えプラスミドを有する形質転換株を感受性培地で培養することから成る、上記10記載の作成方法。
12.薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤を含む培地で培養することにより、プラスミド欠失用組換えプラスミドが導入された形質転換株と導入されなかった菌株を選別することを特徴とする、上記11記載の作成方法。
13.オパイン資化性の有無により、プラスミド欠失用組換えプラスミドのみを有する形質転換株を判別することを特徴とする、上記11又は12記載の作成方法。
14.感受性培地が蔗糖含有培地であることを特徴とする、上記10ないし13のいずれか一項に記載の作成方法。
15.プラスミドを欠失した遺伝子組換え用アグロバクテリア細胞株。
16.上記10ないし14のいずれか一項に記載の方法によって作成された、上記15記載の遺伝子組換え用アグロバクテリア細胞株。
17.アグロバクテリア・ツメファシエンスMNS1株である、上記15又は16記載の遺伝子組換え用アグロバクテリア細胞株。
18.上記15、16又は17に記載のプラスミドを欠失した遺伝子組換え用アグロバクテリア細胞株に外来型プラスミドを導入することを特徴とするアグロバクテリア細胞株の作成方法。
19.外来型プラスミドが、中間ベクター法において野生型アグロバクテリアのTiプラスミドAからT-DNA領域中にあるonc遺伝子を除去し、その代わり所要遺伝子が導入されたプラスミド(即ち、「vir遺伝子を有するプラスミド」)であることを特徴とする、上記18記載の作成方法。
20.外来型プラスミドが、バイナリーベクター法におけるT‐DNA領域は欠失しているがvir領域を有するプラスミド(即ち、「vir領域を有するプラスミド」)及びT‐DNA領域を有する外来型プラスミドであることを特徴とする、上記18記載の作成方法。
21.上記15、16又は17に記載の遺伝子組換え用アグロバクテリアに、外来型プラスミドが導入されたアグロバクテリア細胞株。
22.上記19又は20に記載の方法により作成されたことを特徴とする、上記21記載のアグロバクテリア細胞株。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一般的な実施方法、変形の例、好ましい実施形態について述べる。
【0014】
図10は、本発明による植物への外来DNAの導入を示す図である。図10において、(a)は野生型のアグロバクテリア、(b)は本発明のプラスミドBが導入されたアグロバクテリア、(c)はプラスミドA及びBが欠失したアグロバクテリア、(d)は外来型プラスミド1個をもつアグロバクテリア、(e)はT‐DNA領域が欠失し外来型vir領域を有するプラスミド及びT‐DNA領域を有する外来型プラスミドを導入したアグロバクテリア、(f)は本発明のプラスミドを持つ大腸菌、(g)及び(h)は上述した外来型プラスミドを持つ大腸菌、(p)は遺伝子導入される植物を示す。
【0015】
アグロバクテリア(a)は、図10では、アグロバクテリア・ツメファシエンスの例で示している。野生型のアグロバクテリアとしては、当業者に公知の任意のもの、例えば、アグロバクテリア・ツメファシエンス、アグロバクテリア・リゾゲネスなど、土壌から採取され植物への感染能を持つ各種のアグロバクテリアが利用できる。
【0016】
野生型のアグロバクテリアaは、プラスミドAに複製遺伝子(rep)を持っている。従って、その複製遺伝子(rep)と不和合性をもつ複製遺伝子及び感受性遺伝子を有する本発明のプラスミドBを、任意のバクテリア、例えば大腸菌内に作成する。
本明細書中で、「感受性遺伝子」とは、一般に、特定の条件下での細胞増殖能力あるいは生存能力を低下させる機能を有する遺伝子を意味し、例えば、感受性遺伝子としてレヴァンスクラーゼ遺伝子を用いる場合には、ホスト細胞にショ糖高感受性を付与し、ショ糖添加培地中で培養することによりプラスミドBが除去されたプラスミド欠失アグロバクテリア(c)を得ることができる。その他の当業者に公知の任意の感受性遺伝子としては、例えば発現を制御できるように加工した毒素遺伝子やFluoro-orotic acid超感受性となるpyrB遺伝子などを用いることができる。
【0017】
そして本発明のプラスミドBを野生型アグロバクテリアaに導入する。導入の方法としては当業者に公知の任意の方法を使用することが出来る。例えば、incP型のoriTやincQ型のoriT等の接合起点遺伝子を持つプラスミドの場合には、細胞接合による導入方法を用いることができる。大腸菌内に作成した場合は、アグロバクテリアとの接合効率が10−2から10−3程度と高いので細胞接合法が広汎に適用できる。細胞接合法以外にも、使用するバクテリアの種類と性質によっては、電気的導入方法(エレクトロポレーション法)、化学的処理によるDNA導入法などの手段を用いて本発明のプラスミドを導入することができる。バクテリアとしては、大腸菌以外に、例えば、ネズミチフス菌などを用いることもできる。
【0018】
本発明のプラスミドBに薬剤耐性遺伝子を含有されておくことによって、その薬剤で細胞培養することにより、本発明のプラスミドが導入されたアグロバクテリアbを、導入されなかったアグロバクテリアから容易に選別することができる。薬剤耐性遺伝子としては、ゲンタマイシン耐性(Gm)、カナマイシン耐性(Km)、テトラサイクリン耐性(Tc)等の当業者に公知の任意の遺伝子を単独でまたは複数組合わせて含有させる。野生型アグロバクテリアは菌株ごとに異なる薬剤耐性を示すため、一種類の薬剤耐性遺伝子を持つプラスミドよりも複数持つプラスミドの方が適用できるアグロバクテリアの数を格段に高めることができる。
【0019】
本発明のプラスミドBと、野生型アグロバクテリアに元々存在したプラスミドAとが共に存在するアグロバクテリアbは、細胞培養すると、複製遺伝子間に不和合性があるため、両方のプラスミドをもつアグロバクテリアは生存できず、一方のプラスミドのみを持つアグロバクテリアが殆どとなる。プラスミドBが耐性を付与する薬剤を添加した培地で培養すれば、プラスミドAが欠失した細胞が高度に濃縮選別される。その後、野生型アグロバクテリアに元々存在したプラスミドAが欠失したアグロバクテリア(図10には省略)を判別する。
【0020】
判別する方法は、例えば次のようにする。
(1)オパインによる判別法
TiおよびRiプラスミドはオパインと総称される有機化合物を分解資化するための遺伝子を持っている。ノパリン型プラスミドはノパリン資化遺伝子を有しているため、これを保持する野生型アグロバクテリアAはノパリン資化可能型であり、これを脱落したアグロバクテリア(c)はノパリン資化不能型として見分けることができる。一方で、これを保持する野生型アグロバクテリアAがノパリン資化不能型である場合、本発明のプラスミドBとしてノパリン資化遺伝子を付与したプラスミドを用いれば、ノパリンの資化の可否によって本発明のプラスミドBを有するアグロバクテリアを選別することができる。ノパリンを唯一の炭素源として添加した培地で培養すると、ノパリン資化不能型のアグロバクテリア(プラスミドAを持つ)は、増殖することができない。
(2)サザンハイブリタイゼイション法による判別法
野生型のプラスミドAには病原性遺伝子(vir)が含まれている。その遺伝子配列はアグロバクテリア間で高度に保存されているために、この配列をもつプローブを作成することにより、プラスミドAがあるアグロバクテリアを検出できる。本発明のプラスミドBは、vir遺伝子を持っていない。従って、信号検出できないアグロバクテリアが、本発明で今後使用するプラスミドAが欠失したアグロバクテリアである。
(3)電気泳動法による判別法
本発明のプラスミドAの塩基配列が解っている場合あるいは制限酵素切断片の長さが解っている場合には、プラスミドA、B間の塩基配列の長さの相違によって判別することができる。プラスミドA、Bを適切な制限酵素で切断し、断片を電気泳動で比較する。存在有無が対比できる部位について、存在する断片が本発明のプラスミドBのそれであるとき、そのクローンは本発明で今後使用するプラスミドAが欠失したアグロバクテリアである。
【0021】
野生型のプラスミドAが欠失したアグロバクテリアが判別された後、そのアグロバクテリアに残っているプラスミドBを除去する。この際、上記のような感受性遺伝子を利用することによって、プラスミドBが欠失した本発明の遺伝子組換え用アグロバクテリア細胞株(c)を得ることができる。
【0022】
こうして得られたプラスミド欠失アグロバクテリア細胞株(c)に、外来DNAを持つ外来型プラスミドCを導入する。導入の方法は公知の手段が適用できる。導入されたアグロバクテリア(d)を選別するにも公知の手段が適用できる。例えば、外来型プラスミドCとして例えば中間ベクター法(図9(1))による組換えプラスミド(d)のA’+Iを用いれば、そのまま植物へ感染させて植物の形質転換を行なうことができる。
【0023】
上記のアグロバクテリア(d)に、更に、外来DNAを持つ外来型プラスミドDを導入することもできる。導入の方法は公知の手段が適用できる。
外来DNAのCおよびDを持つアグロバクテリア(e)を、植物pに感染させる。その方法は公知の手段が適用できる。
例えば、外来型プラスミドC及びD2つのプラスミドの組合わせとして、T‐DNA領域が欠失し、外来型vir領域を有するプラスミドと、T‐DNA領域を有する外来型プラスミドを使用すれば、バイナリーベクター法(図9(2))による従来の植物感染がそのまま使えるので、感染操作が容易となる。
【0024】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0025】
以下の実施例で用いた菌株とプラスミドを表1に示す。
バクテリアの菌株と培養条件
【0026】
【表1】
Figure 0004081531
【0027】
大腸菌(Escherichia coli)は37℃でLuria-Bertani(LB)培地(1% Difco Bacto-trypton, 0.5% Difco Bacto-yeast extract, and 0.5% NaCl)にて成長させた。アグロバクテリア・ツメファシエンス(以下ATと略すことがある)菌株は28℃でLBないしミネラル塩混合培地(文献Petit and Tempe, (1993))で成長させた。抗生物質は下記の最終濃度(μg/mL)で培地に添加した:ゲンタマイシン(45)、カナマイシン(100)、リファピシン(30)。ノパリン(培地中濃度2mg/ml)またはグルコース(培地中濃度5mg/ml)のいずれかを、ミネラル塩混合物培地中の炭素源として用いた。
【0028】
DNAの準備と解析
大腸菌からのプラスミドDNA抽出は、アルカリSDS法(文献Bironboim et.al.,1979)によって行なった。
無傷のゲノムDNAをアガロースゲル内に作製する方法は(文献Suzuki et.al.,(2001))に従った。液体溶解法によるゲノムDNA抽出は(文献Suzuki et.al. (2001))の手法に下記の変更をして実施した。一晩培養した培養液4mLから回収したバクテリア細胞を抽出に用いた。純化操作の規模は培養体の容積に応じて減少させた。DNAファイバーをガラス棒へ巻き付ける代わりに短時間の遠心沈降をおこなった。アグロバクテリウムの接合転換体は抗生物質を添加したLB培地で培養し選択した。DNAの消化分解と通常のアガロース電気泳動は標準手法によった。サザン法による正電荷ナイロン膜への転写とハイブリダイゼイションは、別に述べた方法(文献Suzuki et al,(2001))によった。
【0029】
実施例1
プラスミド欠失用組換えプラスミド pMGTrep1 の作成
図2に示すように、プラスミド欠失用組換えプラスミド(脱落除去用プラスミド)は、RP4からのoriTをもつpK18mobsacB(文献Schafer et al (1994))を出発材料とした。これは、大腸菌からATを含むグラム陽性・グラム陰性の両方のバクテリアに移動可能である。このプラスミド上のsacB遺伝子は細胞を高濃度蔗糖を含む培地で培養すると細胞を死滅させる効果がある(文献Steinmetz et al (1983), Gay et al (1985))ので、遺伝子を欠失した細胞を単離(カウンター選別)するのに有用である。また、pK18mobsacBは、AT細胞内で複製不能のため自動的に消滅するプラスミドであるため、アグロバクテリウム細胞内では他のレプリコンへ挿入されたときのみ維持される。プラスミド作成のホスト菌株として大腸菌JM109を用いた。先ず、pMGプラスミドを作成した。pMGはpHRP309 (文献Parales & Harwood et al,(1993))からのゲンタマイシン耐性遺伝子Gm を付加したpK18mobsacBの派生物である。これはpK18mobsacBのPstI部位に、ゲンタマイシン耐性遺伝子であるpHRP309(Parales & Harwood (1993))の2.9kbp PstI断片を挿入して作成した。 次に、pTi-SAKURAのrepABC遺伝子を含んでいるHindIII断片を、pMGの中に挿入した。pTi-SAKURAのrepABCセグメント(全塩基配列中17,363bp〜 22,482bp間の部位)(文献Suzuki et al (1998), Suzuki et al (2000))はPCRで増幅した。そのPCR産物をHindIIIで消化し、rep遺伝子を含む4.9kbp HindIII断片DNAをpMGに挿入した。こうして得られた本発明に係る脱落除去用プラスミドをpMGTrep1と命名した(図2)。このpMGTrep1プラスミドを接合能を持つ大腸菌E.coli S17-1λpirに形質転換法で導入した。
利用したプラスミドの塩基配列をユニバーサルプライマー及びカスタムプライマーを用いたプライマー伸長法によって決定した。先ず、pK18mobsacBプラスミドの塩基配列は公知で無いため次のように決定した。pK18mobとsacB遺伝子の塩基配列はDNAデータアクセッション番号AF012346(3793bp)ならびにDNAデータアクセッション番号X02730.1のデータ(2007 bp)を利用した。sacB遺伝子中の制限酵素切断部位を少なくするために行われた人為的配列改変の部分はSelbitschka等(引用文献Selbitschka et al (1993))のデータを引用した。pK18mobのAsuII切断サイトにおけるpK18mobとsacB遺伝子を含む断片の境界(連結)部周辺1kbの塩基配列を決定した。文献およびデータベース上のデータと今回決定した塩基配列のデータとの食い違いのある部分では今回得られた塩基配列データを採用した。これでpK18mobsacBの全塩基配列が判明した。さらに、pMGはpK18mobsacBとGm遺伝子を含むPstI断片で構成されている。Gm遺伝子を含むPstI断片の配列は公知で無いため、全塩基配列を決定した。pK18mobsacBのPstI切断サイトとGmR遺伝子を含むPstI断片の境界(連結)部周辺の塩基配列1kbも決定した。以上の結果、pMG の全塩基配列は8623bpであった。pMGTrep1はpMG とPCR増幅されたpTi-SAKURA のrepABCを含むHindIII断片とで構成されている。pTi-SAKURA のrepABCを含むHindIII断片の塩基配列は pTi-SAKURAのrepABCの塩基配列データ(DNAデータアクセッション番号AB006857あるいはAB016260)を利用した。PCR増幅されたpTi-SAKURA のrepABCを含むHindIII断片 とpMGのHindIII切断部との境界(連結)部周辺1.5kbの塩基配列も決定した。塩基配列の全長は13525bpであった。pMGTrep1の全塩基配列を配列表1に示した。PCR増幅に起因すると考えられる塩基置換が見られた部位ではその塩基を表示してある。
【0030】
実施例2
脱落除去用プラスミド pMGTrep1 の接合的導入
pMGTrep1のC58rifとMAFF301001rifへの導入は、pMGTrep1を保持した大腸菌S17-1λpirとの接合によって実施した。接合方法は他に報告された方法(文献Simon et al (1983))によった。ドナーと受け取り細胞は細胞密度が1.0D600になるまで培養した。細胞は10mMのMgSOで洗浄した。アグロバクテリア細胞を同容積のドナー大腸菌細胞と混合した後に、LB寒天培地上のニトロセルロース膜フィルター(Millipore)に滴下した。28℃で15時間インキュベートした後、フィルター上の細胞混合物を洗浄し、0.9% (w/v)NaClに分散し、その後リファンピシン、カナマイシン、ゲンタマイシンを添加したLB寒天培地上に塗布した。3日間の培養で生じたコロニー(接合体)の数を用いたドナー細胞数当たりの比率(接合効率)として表2に示した。
【0031】
実施例3
接合によるTiプラスミドの除去効率
接合体細胞の中にTiプラスミドが存在するかどうかを試験した。pTi-SAKURA と pTiC58はそれぞれMAFF301001とC58にあったノパリン型のTiプラスミドである。従って、これらプラスミドを持つ野生型のアグロバクテリア細胞はノパリンを唯一の炭素源として用いることができる。しかし、Ti欠失接合体はノパリンを含むミニマム塩培地で育つことができないと予想された。
その接合体コロニーは、ノパリン (2mg/ml) を唯一の炭素源として添加されたミネラル塩培地(ノパリン培地)寒天で培養した。アグロバクテリウム接合体はAT MAFF301001rifと大腸菌S17-1λpir (pMGTrep1)との交配によるものを図3(a)に、および、AT C58rifと d大腸菌 S17-1λpir (pMGTrep1)との交配によるものを図3(b)に示してある。図3において、ノパリン培地に等間隔で植菌したコロニーのうち、成長しなかったコロニーは比較的小さな形状で、成長したコロニーはより明瞭な白色で比較的大きな形状で観察されている。
【0032】
【表2】
Figure 0004081531
【0033】
C58rifの接合体では、図3と表2に示すように99%のコロニーはノパリン培地上で生育しなかった。一方、MAFF301001rifの接合体コロニーでは32%が生育しなかった。
野生型MAFF301001rifとノパリン培地上で生育しなかった(ノパリン資化不能)接合体コロニーの腫瘍誘導能を調べた。セイロンベンケイソウの茎に注射針で傷をつけてATを感染させた。25度にて30時間保持した後に、温室内で栽培したところ、ノパリン資化不能株接種部位に腫瘍は発生しなかった(図4 Ti-less)。一方、欠失前の野生型ATでは腫瘍が発生した(図4 WT)。
【0034】
実施例4
生化学的分析によるTiプラスミドの除去の証明
上述したノパリン資化不能型接合体でTiプラスミドが欠失しているか確かめるために、サザンハイブリダイズ法を適用した。病原性遺伝子(vir)はTiプラスミドにコードされているので、pTi-SAKURAのvirB領域4.4kb断片をTiプラスミド検出用プローブとして用いた。図5に示したように、virB断片は、野生型菌株とノパリン資化可能型接合体で明瞭に検出された。pTiC58のvirB遺伝子はpTi-SAKURAのvirB遺伝子に対して99%以上の高い相同性を持っているので、同じプローブによってpTiC58を持つ野生型C58rifをpTi-SAKURAを持つ野生型MAFF301001rifの場合と同様に効率良く検出できた。一方、図5に示したように、すべてのノパリン資化不能型接合体はシグナルを全く示さなかったので、Tiプラスミドを失っているといえる。
ノパリン資化不能型接合体におけるTiプラスミドの欠失は、接合体細胞全DNAのパルスフィールドゲル電気泳動分析で更に確認した。制限酵素SwaIで消化した全DNAは、1% (wt/vol)アガロースゲルを用い、200Vで24時間、パルス時間40秒、0.5×TBE バッファの条件でパルスフィールドゲル電気泳動法によって分析した。ゲル中のDNA断片は臭化エチジウム(0.5μg/ml)で1時間染色した。染色後、ゲルを蒸留水でリンスし、デジタルカメラシステムFasII(東洋紡)を用いてUV光励起蛍光像を撮影した。その結果を図6に示す。
MAFF301001から調整した全ゲノムDNAのSwaI消化産物では10個の断片が検出された。図6のレーン1の第9番目のバンドは、以前にpTi-SAKURAの203kbpの断片として同定されている(文献Suzuki et al(2001))。図6のレーン2に示したように、MAFF301001rifのノパリン資化不能型接合体は、明らかにこの9番目のバンドが欠失していた。これらの結果は、アグロバクテリウム細胞に導入されたpMGTrep1によって、Tiプラスミドの脱落除去が明らかに成功したことを示している。以上の結果はpMGTrep1を用いたノパリン資化能の消失とvirB遺伝子の消失の点でpMGTrep1を導入した野生型アグロバクテリアコロニーでTiプラスミドが高頻度に欠失していたことを示している。脱落頻度は、2つのアグロバクテリウム菌株間で相違があったが、薬剤耐性コロニーの少なくとも3割でTiプラスミドが欠失していた。すなわち、pMGTrep1を導入したアグロバクテリアコロニーを数個中に一個の割合でTiプラスミド欠失細胞が得られる。
【0035】
実施例5
pMGTrep1 の除去
上記のTi欠失接合体はTiプラスミドの代わりにpMGTrep1を持っている。アグロバクテリア細胞を活用するにはpMGTrep1を除去する必要があるが、pMGTrep1はrepABC遺伝子を持つため安定に複製するので既存の方法で除去するのは容易でない。図2に示したように、pMGTrep1は、ホスト細胞を蔗糖高感受性にするsacB遺伝子をもっている。従って、接合体細胞からのpMGTrep1除去は、高濃度蔗糖処理で実施できると期待された。Ti欠失菌株をLB培地で一晩培養した後に10%蔗糖を添加した新しいLBで培養した。この処理の後に回収された細胞にpMGTrep1が存在するかどうかを、ゲンタマイシン耐性遺伝子(Gm) (図2参照)をプローブに用いたサザンハイブリダイゼイション実験で試験した。図7レーン1〜3に示したように、高い蔗糖濃度で培養して得た細胞には、シグナルが全く検出されなかった。この結果はpMGTrep1プラスミドを欠失したMAFF301001rif菌株を得たことを示している。この細胞株では新たに外来のTiプラスミドを導入できる状態にある。MAFF301001rif由来のMNS-1はプラスミドを欠失していると確認できた菌株の一つである。
こうして得られた本発明に係る遺伝子組換え用アグロバクテリア細胞株であるアグロバクテリア・ツメファシエンス (Agrobacterium tumefaciens) MNS1株は、平成14年3月22日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託され、受託番号 FERM P−18794が付与されている。
【0036】
比較例1
従来法によるプラスミド欠失効率
一方、高温培養処理でTi欠損を誘起した後に、Ti欠損菌株を単離することを試みた。
MAFF301001をLB培養液にて37度で2日間震盪培養した。培養液を希釈してからLB寒天培地上に塗沫してコロニーを形成させた。コロニーをノパリン培地上に移植して培養したところ全てのコロニーが生育した。この結果はMAFF301001細胞ではTiプラスミドの安定性が高く高温培養法ではプラスミド欠失株の作出が容易でないことを示している。
【0037】
実施例6
MAFF301001rifで観察されたプラスミド脱落頻度が低いという性質は宿主ベクター系としては有用な性質である。しかし、この特質がプラスミドによって支配決定されているのか、染色体遺伝子の特質で決定されているのか不明であった。一般に、細胞株の形質がプラスミドの特質なのか、染色体遺伝子の特質であるかを着実容易に判別することができれば、その特質をさらに詳細に分析してその原因となる遺伝子を見出してクローニングすることで特質を広範に応用するための出発点となる。プラスミドの安定性の異なる複数種の細胞株から一旦プラスミドを除去した上で、同一のプラスミドをそれぞれの細胞株へ導入して安定性を測定すれば、プラスミドの安定性の差が染色体の特質が原因かプラスミドの特質が原因であるか判明する。
本発明で作成したプラスミド欠失ATを用いて、別細胞のプラスミドをプラスミド欠失ATに導入した上で、細胞株間でのプラスミドのpMGTrep1導入による脱落頻度を測定試験した。実施例3(表2)で示されているように、C58rifでのTiプラスミド脱落頻度はMAFF301001rifより明らかに高い。MAFF301001rif由来のTiプラスミドを持たないMNS1細胞に公知の方法でC58のTiプラスミドを導入した。この新規細胞株MNS1(pTiC58)のプラスミド脱落頻度が野生型MAFF301001rifの頻度と近ければ染色体が安定性に寄与していると考えられ、逆に、C58の頻度と近ければプラスミドが原因と判断される。図8に示すように新規細胞株のプラスミド脱落頻度はC58のプラスミド脱落頻度と近いことが明らかになった。従って、プラスミド脱落頻度の差はプラスミド上に存在する遺伝子の差異が原因と判明した。
尚、こうして得られたアグロバクテリア・ツメファシエンス (Agrobacterium tumefaciens) MNS1(pTiC58)株は、平成14年3月22日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託され、受託番号 FERM P−18793が付与されている。
【0038】
【発明の効果】
上述した方法によれば、野生型アグロバクテリアからプラスミド欠失アグロバクテリアを得る収率は接合体コロニーの30%〜90%を越える高い割合(b/c)である。また、熱や有機媒質を添加することなく、T−DNAが欠失したアグロバクテリアCを得ることができる。Cは、染色体DNAなど遺伝物質の破壊や突然変異という障害を受けずに済み、しかも、これまでT−DNAを除去できなかった多様なアグロバクテリア菌株を植物へ遺伝子導入に用いることができるようになる。
更に、本発明によれば、アグロバクテリアに任意の外来プラスミドを高頻度に導入することができる。そのため、複数の異なる宿主アグロバクテリアで同一のプラスミドを共通に持つ細胞株を作成して形質を比較することによって宿主アグロバクテリア間の能力を比較できる。同様に異なるプラスミドを同一の宿主アグロバクテリアに導入した細胞株を作成して形質を比較することによってプラスミド間の能力を比較できる。従って、有用な形質がプラスミドにあるのか、染色体側にあるのかを精査することが容易となる。能力の高い宿主アグロバクテリア細胞と効率の良いプラスミドを選抜して、両者を組み合わせて格段に優れた新規アグロバクテリア株を作成することが可能となる。
【0039】
引用文献
Gay, P., Le coq, D., Steinmetz, M., Berkelmann, T., and Kado, C. I. 1985. Positive selection procedure for entrapment of insertion sequence elements in Gram-negative bacteria. J. Bacteriol. 164, 918-921Petit, A., and Tempe, J. (1978) Isolation of Agrobacterium Ti-plasmid regulatory mutants. Mol. Gen. Genet. 167: 147-155. and Puhler, A. (1993) Construction of gene replacement vectors for Gram- bacteria using a genetically modified sacRB gene as a positive selection marker. Appl. Microbiol. Biotech. 38: 615-618.
Schafer, A., Tauch, A., Jager, W., Kalinowski, J., Thierbach, G., an d Puhler, A. 1994. Small mobilizable multi-purpose cloning vector deri ved from the Escherichia coli plasmid pK18 and pK19: selection of defined deletions in the chromosome of Corynebacterium glutamicum. Gene 145: 69-73
Simon, R., Priefer, U., and Puhler, A. 1983. A broad host range mobil ization system for in vivo genetic engineering: transposon mutagenesis in Gram-negative bacteria. Bio/ Technology 1: 784-794
Steinmetz, M., Le Coq, D., Ben Diemia, H., and Gay, P. 1983. Analysis genetique de sacB, gene de structure d'une enzyme secreetee, la leva nesaccharase de Bacillus subtilis Marburg. Mol. Gen. Genet. 191: 138-144
Suzuki, K., Hattori, Y., Uraji, M., Ohta, N., Iwata, K., Murata, K., Kato, A., and Yoshida, K. 2000. Complete nucleotide sequence of a plant tumor-inducing Ti plasmid. Gene 242: 331-336
Suzuki, K., Iwata, K. and Yoshida, K. 2001.Genome analysis of Agrobacterium tumefaciens: construction of physical maps for linear and circular chromosomal DNAs, determination of copy number ratio and mapping of chromosomal virulence genes. DNA Res. 8: 141-52.
Suzuki K., Ohta N., Hattori Y., Uraji M. , Katoh A. & Yoshida K. (1998) Novel structural difference between nopaline- and octopine- type trbJ gene: construction of genetic and physical map and sequencing of trb/traI and rep gene clusters of a new Ti plasmid pTi-SAKURA. Biochim. Biophys. Acta 1396: 1-7.27.
Lin, B. C., and Kado, C. I. (1997) Studies on Agrobacterium tumefaciens. VII. Avirulence induced by temperature and ethidium bromide. Can. J. Microbiol.23, 1554-1561.
Parales, R. E., and Harwood, C. S.(1993) Construction and use of a new broad-host-range lacZ transcriptional fusion vector, pHRP309, for Gram bacteria. Gene 133, 23-30.
Yanisch-Perron, C., Vieira, J., and Messing, J. (1995) Improved M13 phage cloning vectors and host starins: nucleotide sequence of the M13mp18 and pUC19 vectors. Gene 33, 103-119.
【0040】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の、プラスミドの不和合性を用いた新脱落除去法を示す図である。この方法は、次に述べる3段階からなる。1)アグロバクテリウム菌株に脱落除去用不和合性プラスミドを接合導入する。2)Ti欠失接合体をノパリン(オパイン)資化能等の細胞の形質を用いて識別する。あるいは核酸ハイブリダイゼーション法等の生化学的方法で判別する。3)脱落除去用プラスミドを除去する。
【図2】図2は、本発明の脱落除去用プラスミドpMGTrep1の構成を説明する図である。
【図3】図3は、本発明のオパイン資化不能型の接合体の選別を示す写真である。
【図4】図4は、本発明の腫瘍形成不能接合体の選別を示す写真である。
【図5】図5は、本発明のサザンハイブリタイゼイズ法によるpMGTrep1由来の接合体におけるTiプラスミドの分析の結果を示す写真である。
【図6】図6は、本発明のpMGTrep1による接合体におけるパルスフィールドゲル電気泳動を用いたTiプラスミド欠失の分析の結果を示す写真である。
【図7】図7は、本発明のサザンハイブリタイゼイズ法によるTi欠失菌株の高濃度蔗糖処理によるpMGTrep1脱落除去を示す写真である。
【図8】図8は、本発明の共通のプラスミドを持つが異なる染色体DNAの細胞の間での形質の比較、ならびに、共通の染色体DNAを持つが異なるプラスミドの細胞の間での形質の比較を示す図である。
【図9】図9は、アグロバクテリアを用いて外来遺伝子を植物に組み込む従来の方法(中間ベクター法、及びバイナリーベクター法)の概念を示す図である。
【図10】図10は、本発明方法による植物への外来DNAの導入を示す図である。

Claims (5)

  1. Tiプラスミド又はRiプラスミド由来の複製遺伝子及び oriT 遺伝子と共に、薬剤耐性遺伝子及び感受性遺伝子を有する組換えプラスミドでありTiプラスミド又はRiプラスミドよりもサイズが小さい、プラスミド欠失用組換えプラスミド。
  2. 請求項1に記載のプラスミド欠失用組換えプラスミドにより形質転換されたバクテリア。
  3. Tiプラスミド又はRiプラスミドを有するアグロバクテリア菌株へ、請求項に記載のプラスミド欠失用組換えプラスミドを導入し、感受性培地で培養することを特徴とするTiプラスミド又はRiプラスミドを欠失したアグロバクテリウム属細胞株の作成方法。
  4. (i)Tiプラスミド又はRiプラスミドを有するアグロバクテリア菌株へ請求項に記載のプラスミド欠失用組換えプラスミドを導入し、(ii) 薬剤耐性遺伝子に対応する薬剤を含む培地で培養することにより、該プラスミド欠失用組換えプラスミドが導入された形質転換株を選別し、(iii) 複製遺伝子間の不和合性に基づき、当該アグロバクテリア菌株に元々存在したTiプラスミド又はRiプラスミドを排除して、プラスミド欠失用組換えプラスミドのみを有する形質転換株の比率を顕著に高め、(iv)プラスミド欠失用組換えプラスミドのみを有する形質転換株を判別し、その後、(v) プラスミド欠失用組換えプラスミドのみを有する形質転換株を感受性培地で培養することから成る、請求項記載の作成方法。
  5. 請求項3又は4に記載の作成方法を用いて、Tiプラスミド又はRiプラスミドを有するアグロバクテリア菌株のプラスミドを欠失させ、次いで外来型プラスミドを導入することを特徴とする、植物の遺伝子組換え用アグロバクテリア細胞株の作成方法。
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