JPH074257B2 - 新規なプラスミド - Google Patents

新規なプラスミド

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JPH074257B2
JPH074257B2 JP58107842A JP10784283A JPH074257B2 JP H074257 B2 JPH074257 B2 JP H074257B2 JP 58107842 A JP58107842 A JP 58107842A JP 10784283 A JP10784283 A JP 10784283A JP H074257 B2 JPH074257 B2 JP H074257B2
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tryptophan
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光伸 島津
真人 寺沢
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/70Vectors or expression systems specially adapted for E. coli
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/88Lyases (4.)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はトリプトフアンシンターゼの生合成を司る遺伝
子を含む画分を有する新規なプラスミドに関し、さらに
詳しくは、宿主内に安定に維持することのできる、トリ
プトフアンシンターゼの生合成を司る遺伝子を含む画
分、例えばトリプトフアンオペロンを有するプラスミド
に関する。
トリプトフアンオペロンのクローニングについては従来
からいろいろと研究されているが、例えばJournal of G
eneral Microbiology,Vol.118,253(1980)に記載され
ているように、宿主内での安定性に問題があり、トリプ
トフアンの工業的製造に応用するには多くの困難がある
と考えられている。
一方、プラスミドの宿主内での安定性において、応用的
に最も重要な要素は一般に宿主の継代培養におけるプラ
スミドの脱落現象である。そのため、従来よりプラスミ
ドの脱落を防止するために種々の試みがなされており、
例えば、エシエリヒア属のストレプトマイシンに依存し
ないという性質を司る染色体遺伝子DNAフラグメントが
組み込まれたプラスミドを、エシエリヒア属のストレプ
トマイシン依存性変異株に含有せしめて、プラスミドを
含有する微生物の性質を安定する方法が提案されている
(特開昭55−156591号公報)。しかしながら、かかる方
法は経済的に問題があるのみならず、目的のプラスミド
に複雑な機能を組み込む必要があるため、宿主の分裂増
殖時にプラスミドが安定に娘細胞に分配され難いことが
予想され、工業的に応用するにはかなりの問題がある。
そこで、本発明者らは、トリプトフアンシンターゼの生
合成を司る遺伝子を含む画分、例えばトリプトフアンオ
ペロンを、親細胞から娘細胞へと継代的に安定に分配す
ることを可能にする機能をもつプラスミドについて鋭意
研究を行なつた。その結果、本発明者らは、F因子プラ
スミド(又はFプラスミド)は通常細胞染色体当り1〜
2個のコピー数しかもたないが、細胞分裂時に安定に娘
細胞に受け継がれていく機構を有していることに着目
し、このF因子プラスミドの増殖制御分配系を司る遺伝
子を含む画分と、上記のトリプトフアンシンターゼの生
合成を司る遺伝子を含む画分とを組合せることにより、
本発明を完成するに至つた。
しかして、本発明によれば、 (1)大腸菌のトリプトフアンオペロンに由来するトリ
プトフアンシンターゼの生合成を司る遺伝子を含む画分
と、F因子プラスミドに由来する増殖制御分配系を司る
遺伝子を含むmini−F画分とを有することを特徴とする
組換えプラスミド、 (2)該組換えプラスミドで形質転換された大腸菌、及
び (3)該大腸菌の培養物又はその処理物の存在下に、イ
ンドールとL−又はDL−セリンとを反応させて反応液中
にL−トリプトフアンを生成せしめ、該反応液からL−
トリプトフアンを採取することを多特徴とするL−トリ
プトフアンの製造方法が提供される。
本発明のプラスミドを構成する「トリプトフアンシンタ
ーゼの生合成を司る遺伝子を含む画分」(以下「T画
分」と略称することがある)とは、インドールとL−又
はDL−セリンからL−トリプトフアンの生合成を司る遺
伝子を含む画分を意味し、しかして、T画分にはトリプ
トフアンオペロン又はトリプトフアンオペロンを含むも
つと大きな遺伝子画分、或いは、トリプトフアンオペロ
ン中のトリプトフアンシンターゼの生合成を司る遺伝子
であるTrp AとTrp Bにプロモータ及びオペレーターを結
合した画分、又はTrp AとTrp BにTrp C、Trp D及びTrp
Eの少なくとも1種とプロモーター及びオペレーターを
結合した画分(例えば、Trp A、Trp B、Trp C及びTrp E
にプロモーター及びオペレーターが結合した画分)等が
包含される。これらのT画分としては実用的には大腸菌
由来のものが好適に使用され、中でも、トリプトフアン
オペロンそれ自体及びフアージφ80ptの遺伝子を制限酵
素Bam HIにより切断して得られる約22.6kbの分子量を有
するトリプトフアンオペロンを含む画分が有利に使用さ
れる。
本発明は前述したように、上記のT画分を、F因子プラ
スミドの増殖制御分配系を司る遺伝子を含む画分と組合
わせる点に特徴を有する。F因子プラスミドは例えば
「蛋白質、核酸、酵素」第27巻第1号(1982)の98頁の
図1の遺伝子地図及びEco RIによる物理的地図に示され
る如き構造をもつ、分子量が94.5kb(62×106dolton)
の既知のプラスミドであり、大腸菌などの腸内細菌中に
通常細胞染色体当り1〜2個のコピー数で存在し、従つ
て染色体が細胞当り2個あるとすればF因子プラスミド
としては2〜4個しか担われていない。このプラスミド
は細胞分裂時にちようど倍化してそれぞれの娘細胞に正
確に伝達されるような機構を備えている(このように、
コピー数を低いレベルに保ちつつ、正確に宿主の増殖と
ペースを合わせて増やす仕組みをstringentな増殖の制
御と呼んでいる)。F因子プラスミドにおけるこのよう
なstringentな増殖の制御機能が、mini−Fと呼ばれる
分子量が9.1kbの自律増殖できる断片に担われているこ
とも既に究明されており、このmini−FがF因子プラス
ミドにより制限酵素EcoRIにより切り出し可能であるこ
とも知られている。
本発明はこのmini−Fに担われている増殖制御分配系を
利用するものであり、しかして「F因子プラスミドの増
殖制御分配系を司る遺伝子を含む画分」(以下F画分と
略称することがある)とは、上述したようなF因子プラ
スミドを娘細胞に正確に伝達する機構を備えた遺伝子画
分を意味し、そのようなF画分の代表例としては約9.1k
bの分子量を有するmini−F画分が挙げられる。
本発明のプラスミドは、以上に述べたT画分とF画分に
加えて、さらに他の遺伝子画分、例えば各種細菌の薬剤
耐性を司る、例えばカナマイシン耐性等の遺伝子画分、
例えばカナマイシン耐性を司る遺伝子画分等を含有して
いてもよい。
そのようなプラスミドの代表例として、本発明では、ト
リプトフアンオペロン画分及びF因子プラスミドのmini
−F画分を含有し、分子量が約31.7kbであり且つ下記の
制限酵素に対して下記の感受性を示す、すなわち (a) EcoRIに対する認識部位が5ケ所であり、 (b) Bam HIに対する認識部位が2ケ所であり、 (c) Hind IIIに対する認識部位が3ケ所であること
を特徴とするプラスミドpMTY−1が提供される。
このプラスミドpMTY−1は下記のとおり約31.7kbの分子
量を有するが、この分子量はアガロース・ゲル電気泳動
法により測定したものである。
また、プラスミドPMTY−1の各種制限酵素に対する感受
性は上記(a)〜(c)に示すとおりであり、より詳細
に各制限酵素による分解断片の分子量(kb)を示せば次
のとおりである。
(a) Eco RI:9.1,7.0,6.4,6.1,3.1 (b) Bam HI:22.6,9.1 (c) Hind III:18.0,10.8,2.9 以上に述べた如き特性をもつプラスミドpMTY−1は例え
ば次のようにして製造することができる。
まず、トリプトフアンオペロン画分の調製は、例えば、
染色体遺伝子中にトリプトフアンオペロンをもつ大腸
菌、例えば、Escherichia coli K−12(IFO3301,ATCC10
798,ATCC e23562)などに、フアージ、例えばフアージ
φ80(ATCC11456a−B1)などを感染させ、溶源化及び誘
発現象を利用して、フアージDNA中にトリプトフアンオ
ペロンを取り込んだフアージを大量に調製し〔R.M.Denn
ey、C.Yanofsky;J.Bacteriol.,118、505(1974)参
照〕、それから常法〔E.F.Fritsch,Sambrook,“Molecul
ar cloning"(1982)p.164〜165、Cold Spin Harbor La
boratory参照〕に従つてフアージDNAを抽出し、制限酵
素、例えばBamHI,EcoRI等を用いてトリプトフアンオペ
ロンを含む遺伝子画分を切り出すことにより行なうこと
ができる。
他方、mini F画分の調製は、例えば、F因子プラスミド
を保有する微生物、例えば、大腸菌(E.coli)K−12株
(ATCC15153,ATCC e23589,ATCC e23590)等からそれ
自体公知の方法で、例えばP.Guerry、D.L.LeBlanc、S.F
alkow;J.Bact.,116,1064(1973)等の文献に記載の方法
でF因子プラスミドを取り出し、それから制限酵素Eco
RIを用いて分子量が約9.1kbのmini F断片を切り出すこ
とにより調製することができる。
このようにして調製されたmini F断片は、上記トリプト
フアンオペロンを含む遺伝子画分の切り出しに用いたと
同じ制限酵素で処理した後、上記で調製したトリプトフ
アンオペロンを含む遺伝子画分と一緒にし、リガーゼ、
例えばT4フアージ由来のリガーゼ等を作用させて結合さ
せることにより、目的とするプラスミドpMTY−1が得ら
れる。
なお、プラスミドpMTY−1の具体的調製法については後
記実施例1に詳細に説明されている。
このようにして調製される本発明のプラスミドは、コピ
ー数は少ないが、宿主の細胞分裂に際して娘細胞に正確
に受け継がれ、脱落することが少ないという優れた特性
を有する。
従つて、本発明のプラスミドはトリプトフアンの製造に
おいて工業的に応用することが大いに期待される。トリ
プトフアンの製造に際しては、本発明のプラスミドで宿
主が形質転換される。この形質転換に利用できる宿主菌
としては、例えば、大腸菌、枯草菌、サツカロマイセス
等が挙げられるが、これらの中でも大腸菌が好ましい。
更に、これら宿主菌をトリプトフアン要求性変異株とし
たものが特に好ましいものである。
また、これら宿主菌に対する本発明のプラスミドの導入
はそれ自体公知の方法、例えばM.Mandel,A.Higa;J.Mol.
Biol,53,159(1970)等の文献に記載の方法で行なうこ
とができる。
このようにして形質転換された宿主菌はそれ自体公知の
方法で培養することにより、トリプトフアンシンターゼ
を充分に生産蓄積させた後、インドールとL−又はDL−
セリンとからL−トリプトフアンを製造する際の酵素反
応に利用することができる。培養された菌体を該酵素反
応に利用する場合、該菌体はそのままで使用することが
できるが、該菌体を超音波処理等で破砕した破砕物、又
はその破砕物をさらに水等で抽出した抽出物、或いは該
抽出物をさらに硫安等で処理して酵素成分を沈澱させた
粗精製物の形で使用することもでき、さらに、該菌体又
はこれら処理物は必要により固定化して用いることもで
きる。
該菌体又はその処理物の存在下でのインドールとL−又
はDL−セリンとの反応は、通常の酵素反応と同様に例え
ば0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0〜9.0)あるいは水(pH7.0
〜9.0)等の溶媒中で、約20〜約50℃、好ましくは約30
〜約40℃の温度で通常約10〜72時間行なわれる。
インドールとL−又はDL−セリンの反応時の使用量には
特に制限はないが、一般にはそれぞれを0.1〜20%(wt/
vol)の濃度範囲で使用するのが適当である。また、該
菌体又はその処理物の使用量も特に制限されるものでは
ないが、一般に1〜10%(wt/vol)の濃度で使用するこ
とができる。
なお、上記形質転換された菌の培養は宿主菌の種類によ
つて異なるが、一般には、通常用いられる合成或いは天
然培地を用いて行なうことができる。しかして炭素源と
しては、グルコース、グリセロース、フラクトース、シ
ユクロース、糖密等の種々の炭水化物が使用できる。ま
た、窒素源としては、トリプトン、酵母エキス、コーン
・スチープ・リカー、カゼイン加水分解物等の天然有機
窒素源が使用できる。天然有機窒素源の多くは窒素源と
共に炭素源にもなり得る。
培養は、振盪培養或いは通知撹拌深部培養などの好気的
条件下に行うことができる。溶媒温度は一般に20〜50℃
であり、培地中の培地のpHは中性または微アルカリ性附
近に維持することが望ましい。培養期間は、通常1〜5
日である。
上記のような培養方法によつて得られた菌体又はその処
理物を用いてインドールとL−、又はDL−セリンを反応
せしめて得られる、反応液中に生成したL−トリプトフ
アンの分離・精製は、イオン交換樹脂、活性炭等による
吸着・脱着処理等の公知の方法により行うことができ
る。
また、本発明のプラスミドで形質転換した宿主菌はL−
トリプトフアンの発酵法による生産にも利用することが
できる。すなわち、本発明のプラスミドで形質転換した
宿主をインドールを含む培地で培養すれば、培地中にL
−トリプトフアンが生産蓄積し、これを採取することに
よりL−トリプトフアンを製造することができる。
実施例1:プラスミドpMTY−1の調製 (A) mini F画分の調製 大腸菌(E.coli)K−12菌株(ATCC15153)を1のL
培地(Bactoトリプトン10g、酵母エキス5g、NaCl5g、グ
ルコース1g、水1;pH7.2)に接種し、約37℃で約4時
間振盪培養した後、菌体を集め、リゾチウム処理を行な
い且つドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加して溶菌
させた。この溶菌液を32,000×gで40分間遠心分離処理
し、上清を分画し、次いで塩化セシウム−エチジウムブ
ロマイド平衡密度勾配遠心分離処理を行なつた後、透析
処理により、F因子プラスミドを含む溶液を分取した。
この溶液にエタノール沈澱を行ない、最終的に約20μg
のF因子プラスミドを採取した。
次に、mini F画分の調製に際して、上記のF因子プラス
ミドを5μgとり、制限酵素であるEcoRIを37℃、1時
間作用させて該F因子プラスミドDNA鎖を切断し、約9.1
kbのmini F断片を含むDNA溶液を調製した。
(B) フアージφ80ptの調製 大腸菌(E.coli)K−12株(IFO3301)を100mlのL培地
(組成は前記と同じ)に接種し、37℃で約4時間振盪し
た培養物の0.2mlと、フアージφ80(ATCC11456a−B1)
水溶液(105ケ/ml)の0.1mlとを、L培地軟寒天(L培
地+寒天沫)中に混合したのち、L培地寒天プレート上
に重層する。該プレートを37℃にて約5時間培養すると
プラーク(溶菌斑)を生じ、さらに2〜3日間37℃にて
培養を継続すると、プラーク中にフアージφ80溶原菌の
生育コロニーを生ずる。該溶原菌をL培地にて37℃で4
時間培養後、上記と同じL培地寒天プレート上に塗抹し
たのち、紫外線照射(400〜800ergs/mm2、10〜20秒)に
よる溶原フアージの誘発によりフアージφ80pt(トリプ
トフアンオペロンを含むフアージDNA)を調製する。
(C) トリプトフアンオペロン画分の調製 大腸菌(E.coli)K−12株(IFO3301)を1のL培地
(組成は前記と同じ)に接種し、約37℃で約3時間振盪
培養し、対数増殖期に25%(w/v)グルコース溶液10ml
と上記で調製したフアージφ80pt溶液を1011ケ/mlの濃
度で添加し(moi 2.0)、5時間振盪を継続後常法通り
クロロホルムの添加により、フアージφ80ptを大量に調
製した〔T.Maniatis,E.F.Fritsch,Sambrook;“Molecula
r cloning"(1982)p.76〜80Cold Spring Harbor Labor
atory参照〕。
次に取得したフアージφ80pt溶液をトリス緩衝液(pH7.
8にて透析後、フエノール法により、DNA抽出法〔上記
“Molecular Cloning"p.85参照〕によつてフアージDNA
を抽出精製し、これに制限酵素BamHIを与え30℃で30分
間反応させ、トリプトフアンオペロンを含む遺伝子画分
を得た。
(D) トリプトフアンオペロン画分とmini F画分の結
合 前記(A)で得たmini F画分に制限酵素BamHIを30℃に
て30分間反応させ、次いで、60℃で5分間熱処理してBa
mHIを失活させた後、前記(C)で得たトリプトフアン
オペロン画分を添加混合し、ATP(アデノシントリホス
フエート)及びジチオスチレイトールを加え、さらにT4
フアージ由来のDNAリガーゼ(DNA結合作用を有する;宝
酒造(株)製「T4DNAリガーゼ」)を添加した後、12℃
で17時間反応を行なつた。次いで60℃で5分間熱処理し
て、DNAリガーゼを失活させた後、エタノール沈澱法に
て、プラスミドpMTY−1を採取した。
得られたプラスミドpMTY−1の分子量を、アガロース・
ゲル電気泳動法により測定した。使用したアガロース・
ゲル電気泳動装置は、マリソル産業(株)型フラツトア
ガロースゲル電気泳動装置KS−8422FAE型であり、電気
泳動条件は、0.6%寒天ゲルを作製し、緩衝液(0.04M T
ris、0.04M酢酸ソーダ、0.008M EDTA、酢酸でpH8.3に調
製)中に制限酵素(Eco RI、Bam HI又はHind III)を用
いてプラスミドpMTY−1を分解させたDNA断片の混合物
を入れ、80V、4〜5時間電気泳動させた。
泳動後、寒天ゲルを取り出し、エチジウムブロマイドに
て染色後、254nmUV光で照射してDNAの移動位置を検出
し、分子量既知のDNA断片(λDNAをHind IIIで分解して
得られたDNA:和光純薬工業(株)製「λDNA−Hind III
digests」)との比較により分子量を決定した。
実施例2:プラスミドpMTY−1による大腸菌K−12系変異
株の形質転換 (A) 宿主菌の準備 大腸菌(E.coli)K−12株(IFO3301)から常法に従
い、NTG(ニトロソグアニジン)処理によつてトリプト
フアン要求性変異株を調製した〔E.A.Adelberg et al.,
Biochem,Biophys,Res. Comm,18,788(1965)参照〕。
すなわち、上記E.coli K−12株をL培地にて対数増殖中
期まで培養し、遠心分離により集菌して菌株をTris−マ
レイン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁した後、100μg/ml〜20
0μg/mlのNTG(N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロ
ソグアニジン)を添加し、15〜30分間処理する。該処理
物を同じ緩衝液にて洗浄後、L培地に添加し、37℃にて
振盪培養を行ない、該培養物は常法に従い、ペニシリン
濃縮法およびレプリカ法を併用してトリプトフアン要求
性変異株を単離した。
(B) 形質転換 上記(A)で得た大腸菌K−12系株(トリプトフアン要
求性変異株を、前記実施例で用いたと同じL培地10mlに
接種し、37℃にて振盪培養を行ない、対数増殖中期もし
くは、後期まで生育させた後遠心分離にて集菌し、これ
を0℃の氷冷下に0.1MMgCl2及び0.1MCaCl2の水溶液に懸
濁させてDNA受容状態菌(コンピーテント菌)を調製し
た。これに前記実施例1で得たプラスミドpMTY−1を加
え、0℃の氷冷下に40分間反応させ、次いで40℃にて3
分間加温処理した後、再度0℃の氷冷下にて2時間反応
させた。
次にL培地に上記処理菌体を接種し、37℃にて1時間30
分振盪培養後、遠心分離にて集菌し、菌体を洗浄後、最
少培地(Davis培地:K2HPO47g、KH2PO42g、MgSO4・7H2O
0.1g、(NH42SO41g、グルコース2g、純水1)にて
調製した平板培地に塗抹し、37℃にて培養し、生育した
コロニーを再び同培地上で純化した後、形質転換株(Tr
p要求性の消失、すなわちプラスミド上のトリプトフア
ンオペロンにより生合成可能となり、最少培地上にて生
育可能となつた菌株)を得た。この形質転換株は茨木県
つくば市東1丁目1番3号の工業技術院微生物工業技術
研究所に、昭和58年7月6日付で受託番号:微工研菌寄
第7139号にて寄託されている。
参考例1:形質転換株の安定性 前述のL培地100mlを500ml容三角フラスコに分注し、12
0℃で15分間滅菌処理したものに、実施例2で得た形質
転換株を植菌し、37℃にて24時間振盪培養を行なつた
後、同様にして調製したL培地に2ml植継し、同じく37
℃にて24時間振盪培養を行ない、この操作を繰返し実施
して計5回の培養を行なつた。
各培養終了時(24時間培養時)に集菌し、菌体を洗浄
後、前記最少培地にL−トリプトフアン20mg/を添加
して調製した平板培地に一定量塗抹し、37℃にて1日培
養した。生育コロニー200ケ(無差別選択)をし、トリ
プトフアンを含まない最少培地に植菌し、37℃にて2日
間培養後、再度同様の最少培地に植菌し、生育コロニー
をカウントする。
この結果、トリプトフアン添加培地に生育したコロニー
はすべてトリプトフアンを含まない最少培地にも生育す
ること、すなわち該プラスミドの高度な安定性を確認し
た。
なお、形質転換株中のプラスミド存在の確認試験とし
て、形質転換株のアクリジンオレンジ処理法により、Tr
p要求性株が出現し、また、前記のSDS−リゾチーム法及
び塩化セシウム−エチジウムブロマイド法により、プラ
スミド確認を併行して行ない、プラスミドの分子量に変
化の無いことを確認した。
実施例3:L−トリプトフアンの製造 L培地100mlを500ml容三角フラスコに分注し、120℃で1
5分間滅菌後、実施例2で得た形質転換株を植菌し、37
℃にて一夜振盪培養後、同様の培地500mlに10ml接種
し、同じく37℃にて5時間振盪培養した。遠心分離によ
り菌体を回収し、これをインドール500mg、DL−セリン
2.0gおよびピリドキサールリン酸5mgを含む50mMリン酸
緩衝液(pH7.5)50mlに懸濁し、振盪しながら30℃、72
時間反応を行なつた。反応終了後液を10mlとり、メタノ
ール10mlを加えて激しく撹拌した後、遠心分離により得
た上澄液について高速液体クロマトグラフイーで生成し
たL−トリプトフアンの分析を行なつたところ、15mg/m
lの生成が認められた。
反応終了液50mlに苛性ソーダ水溶液を加えてpH10にした
のち、アンモニア型強酸性イオン交換樹脂(ダイヤイオ
ンSKI−B、三菱化成製)のカラムを通してL−トリプ
トフアンを吸着せしめ、2N−アンモニア水で溶出せしめ
た。溶出液を濃縮してL−トリプトフアンの粗結晶を析
出させたのち、これをアセトンで洗浄し、乾燥してL−
トリプトフアンの結晶を360mg得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 高山 義博 茨城県稲敷郡阿見町大字若栗1315 三菱油 化株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−80398(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大腸菌のトリプトフアンオペロンに由来す
    るトリプトフアンシンターゼの生合成を司る遺伝子を含
    む画分と、F因子プラスミドに由来する増殖制御分配系
    を司る遺伝子を含むmini−F画分とを有することを特徴
    とする組換えプラスミド。
  2. 【請求項2】大腸菌のトリプトフアンオペロンに由来す
    るトリプトフアンシンターゼの生合成を司る遺伝子を含
    む画分と、F因子プラスミドに由来する増殖制御分配系
    を司る遺伝子を含むmini−F画分とを有する組換えプラ
    スミドで形質転換された大腸菌。
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