JPH0686365B2 - 貝類付着防止材 - Google Patents

貝類付着防止材

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JPH0686365B2
JPH0686365B2 JP1226726A JP22672689A JPH0686365B2 JP H0686365 B2 JPH0686365 B2 JP H0686365B2 JP 1226726 A JP1226726 A JP 1226726A JP 22672689 A JP22672689 A JP 22672689A JP H0686365 B2 JPH0686365 B2 JP H0686365B2
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shellfish
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barnacles
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prevention material
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重周 山口
壽久 鈴木
誠 中嶋
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西武ポリマ化成株式会社
株式会社野村事務所
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水中における構造物や船舶の接水部等へのフジ
ツボ、ムラサキイガイ、カキ等付着性の貝類の付着を防
止するための付着防止材に関する。
〔従来技術と発明が解決しようとする課題〕
海岸や湖沼等の沿岸に設置された工場や発電所における
冷却用水として海水や淡水を使用する場合、水と接触し
ている配管機器にブジツボ、ムラサキイガイ、カキ等付
着性貝類の付着が極めて多く、これらの配管機器の運転
上大きな障害となっている。たとえば海水取入口および
放水用の導水路においてはフジツボやムラサキイガイ等
の付着が著るしく、これらの付着によって有効径が小さ
くなったり、剥離したこれら貝類によってポンプの吸引
口が詰まり、または剥離した貝類がポンプのライナーや
インペラに衝突してこれらに損傷を来たし、さらには電
気系統に過負荷がかかり火災事故を惹き起すことすらあ
る。また原子力発電所等の海水取入口および導管内に貝
類が付着する場合は熱交換器の効率が著るしく低下す
る。またこれらの貝類が船舶の接水部と船底に付着する
場合は船の摩擦抵抗を増大させ速力が低下させる。
このように、フジツボ等付着性貝類の水中構造物や船舶
への付着はこれらの構造物や船舶に重大な被害をもたら
し、かつ美観をそこなうものであるが、これら貝類の付
着防止対策としては未だこれといって決め手となるもの
が現われていない。海岸や湖沼の沿岸に設置される工場
や発電所等においては年1回程度人力によってこれら回
類の除去作業を行っているが、これらの施設においては
事業の性格上ポンプを止めることができない場合が多
く、作業員の作業上の危険度は極めて高い。また水中構
造物の表面に銅化合物または有機錫化合物、塩素系化合
物等の無機または有機系の化学物質からなる防汚剤を配
合した塗料を塗布し、その塗膜から水中に徐々に溶出す
る防汚剤によって貝類を殺す方法も採られて来たが、こ
れら防汚剤は無毒ではなく、海洋汚染、労働衛生等の公
害・安全面の規制が強化されたためこれらの使用は禁止
される傾向にある。またこれら毒性の防汚剤にかわる無
毒性防汚塗料としてシリコーンゴム系の低臨界表面張力
物質を利用する方法が種々提案されているが、これらシ
リコーンゴム系の防汚剤の貝類付着防止効果はいずれも
不充分であり、またシリコーンゴムは高価であることも
実用上の障害となっている。
よって、本発明の目的は、無害であって公害・安全面の
問題がなく、充分な貝類付着防止効果があり、しかも効
果が長期間にわたり持続する貝類付着防止材を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段および作用〕
陸棲の昆虫に対する殺虫剤や防虫剤の殺虫・防虫効果が
昆虫の種類により異なり、ある昆虫に対し有効な殺虫剤
・防虫剤が他の昆虫に対してはまったく効果がないこと
は日常経験するところである。同様に、フジツボ、ムラ
サキイガイ等の付着性貝類に対する付着防止の問題は、
単に昆虫等陸棲の生物に対する既存の殺虫剤や防虫剤を
転用することによっては解決できない。特にフジツボ等
付着性貝類の生態は陸棲生物とまったく異り、解明され
ていない部分が多く、充分な研究がなされていないのが
現状であるから、上記公知の付着防止剤以外のいかなる
物質がこれらの貝類に対し付着防止効果を有するかとい
うことはまったく予測できない問題である。
本発明者らは研究実験を重ねた結果、従来防カビ剤とし
て使用されていた10,10′−オキシビスフエノキシアル
シンを配合した合成樹脂シート、ゴムシートおよび塗料
等には意外なことにフジツボ、ムラサキイガイ等の付着
性貝類の付着が極めて少ないことを見出し、本発明をな
すに至った。
本発明は、10,10′−オキシビスフエノキサルシンを含
有する貝類付着防止材を要旨とするものであり、10,1
0′−オキシビスフエノキサルシンという既知物質の新
規な用途の開発にかかるものである。
本発明にかかる貝類付着防止剤は10,10′−オキシビス
フエノキサルシンを含有するだけで実用上充分な貝類付
着防止効果を発揮しうるものであるが、これに他の付着
防止剤を混合しても使用することができる。
本発明にかかる貝類付着防止材は10,10′−オキシビス
フエノキサルシンを含有するゴムまたは合成樹脂からな
る板またシートとして形成し構造物に貼着してもよい
し、エポキシ樹脂等に該化合物を添加した塗料として形
成し、これを構造物、船底等に塗布してもよい。また構
造物を形成するモルタルやコンクリートの中に該化合物
を直接混合してもよい。
ゴム・合成樹脂の板、シートまたは塗料中の10,10′−
オキシビスフエノキサルシンの添加量は0.1〜10重量%
の範囲が適当であり、この範囲内の添加量で充分な貝類
付着防止効果を納めることができる。
10,10′−オキシビスフエノキサルシンを含有する本発
明の付着防止材がフジツボ等の付着防止に有効な理由は
明らかではないが、ゴム・合成樹脂、塗料等の材料の表
面附近に存在する該化合物がフジツボ等の付着性貝類に
よって有害であるため、これら貝類が嫌って付着しない
ものと推測される。
〔実施例〕
本発明にかかる貝類付着防止材について行った実験の結
果を以下に述べる。
10,10′−オキシビスフエノキシアルシンを活性原体と
して含有し、抗カビ材として市販されているモートン・
インターナショナル社製のバイナジン(商標)を配合ゴ
ムまたは半硬質塩化ビニル樹脂に添加、混合してなる下
記配合例(b)、(d)の2mm厚のシートおよびバイナ
ジンを添加しない配合ゴムまたは半硬質塩化ビニル樹脂
からなる下記配合例(a)、(c)の2mm厚シートを作
製した。次にこれらのシートをそれぞれ200mm×200mm角
の鉄板上に被覆した板を作り、各板についてそれぞれ縦
方向に2枚ずつ2列(計4枚)並べて海水中に浸漬し、
縦方向の2枚の中心部が水深1.5mの位置になるように設
置した。12カ月の期間経過後、これらの板へのフジツ
ボ、ムラサキガイおよびカキの付着個性を記録した。こ
の間海水の温度は10℃〜23℃であった。
上記配合例(a),(b),(c),(d)の実験結果
を下表に示す。
以上の実験結果から、バイナジンを添加しない配合例
(a),(c)においては多量の貝類が付着したのに対
し、バイナジンを添加した配合例(b),(d)におい
ては貝類の付着が皆無かまたは極めて少いことが判る。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明にかかる10,10′−オキシビ
スフエノキサルシンを含有する貝類付着防止材は、フジ
ツボ等付着性貝類の水中構造物や船舶への付着を防止す
る効果が極めて大きい。
特に10,10′−オキシビスフエノキサルシンは、有機錫
化合物等と異り、水中にほとんど溶出しないため、無害
であって公害・安全面の問題を生じるおそれがなく、し
かも貝類付着防止効果を長期間にわたり持続することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭47−49818(JP,B1) 特公 昭45−21195(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10,10′−オキシビスフエノキサルシンを
    含有する貝類付着防止材。
JP1226726A 1989-09-01 1989-09-01 貝類付着防止材 Expired - Fee Related JPH0686365B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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