JPH0576504B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は、防汚塗料組成物に係り、更に詳しく
は、銅配位マンガニーズエチレンビスジチオカー
バメートを有効成分として含有する防汚塗料組成
物に関する。 （従来技術） 高温多湿な場所や水中の計器、装置、通信や輸
送用のパイプ、船体、冷却や熱交換用のパイプ等
の工業用装置、筏、ブイ、水槽内面、海中構築物
等には、水棲生物例えば、バクテリヤ、菌、カ
ビ、虫類、微生物、軟体動物等の付着寄生を受
け、これにより非常に多大な被害を生じ、その除
去、補修、再塗装等に多大の損害を及ぼしてい
る。 例えば船舶においては、海水中の船体の数パー
セントの抵抗増大により速度の低下や燃料効率の
低下を来たし、極めて多大なる損失となり又、冷
却水熱交換パイプにおいては、熱伝導に障害を来
たす。そして、一定期間毎に操業を停止して、こ
れらの付着物を除去している。 従来からこれらの汚損防止を目的として、銅、
水銀、スズ等の無機金属化合物や、有機スズ、有
機塩素化合物、有機硫黄化合物等の有機化合物が
塗料中に配合され、目的とする箇所に塗布されて
来た。いずれも人畜に対し毒性が強かつたり、環
境汚染や塗料組成物としたときに長期にわたつて
充分な効果が発揮されない等の欠点を持つてい
る。 （発明が解決しようとする問題点） このような現状から塗布作業上安全で、水中で
の残効機関が長く塗膜物理化学的性状の劣化が少
ない塗料組成物が所望されている。 （問題を解決するための手段） 本発明は、銅配位マンガニーズエチレンビスジ
チオカーバメートを塗料中に含有せしめたもので
あり、人体、魚類に対し安全性が高く、水中に発
生する付着汚染を防止し、その塗料の物理化学的
性状の劣化が少ない防汚塗料組成物を提供するこ
とにある。銅配位マンガニーズエチレンビスジチ
オカーバメートは、従来から農園芸用殺菌剤とし
て、特公昭56−35642号公報や特公昭44−2821号
に開示されている。銅イオンがマンガニーズエチ
レンビスジチオカーバメートに極めて安定に配位
されている。 本発明の塗料組成物は、ビヒクル成分として、
動物油、植物油、天然油脂、アクリル系樹脂、ビ
ニル系樹脂等の公知の塗料に用いられるものが使
用できる。この塗料成分に顔料、体質顔料、展着
剤、固着剤、固化防止剤、その他補助成分を適宜
配合出来る。 塗料中の本発明の有効成分含有量は、所望に応
じて変えることが出来るが、好ましくは、１〜50
％である。本発明の有効成分は、あらかじめ粉砕
したものを塗料成分中に添加してもよいが、添加
した後ビヒクル中にて粉砕攪拌してもよい。本発
明の防汚塗料組成物は、前記の通り、パイプ、船
体、筏、プイ、海洋構築物、養殖網、定置網、ロ
ープ等に使用する場合には、特に有効に作用す
る。 更に本発明の有効成分は、単独で添加するのは
勿論、他の公知の防汚剤成分と混用して防汚塗料
として使用できる。 （実施例および発明の効果） 実施例 １ 3μ以下に微粉砕された銅配位マンガニーズエ
チレンビスジチオカーバメート20部、タルク15
部、松脂30部、アクリル樹脂15部、キシレン20部
を捏和、混合及び分散した。 実施例 ２ 3μ以下に微粉砕した銅配位マンガニーズエチ
レンビスジチオカーバメート25部、チタンホワイ
ト15部、松脂25部、メチルイソブチルケトン20
部、キシレン15部を捏和、混合、分散せしめて塗
料とした。 実施例 ３ 3μ以下に微粉砕した銅配位マンガニーズエチ
レンビスジチオカーバメート10部、亜酸化銅５
部、チタンホワイト10部、タルク10部、松脂30
部、アクリル樹脂15部、トルエン20部を捏和、混
合、分散せしめて塗料とした。 試験例 １ 試験片としてブリキ板（防錆塗料にて下塗りし
たもの、15cm×10cm）を実施例１にて調整したサ
ンプル防汚塗料を刷毛で２回塗布し、その塗布し
た試験片は海水中（和歌山県勝浦港）1.5ｍの深
海に浸漬した。

【表】 試験例 ２ 実施例１で調整された防汚塗料をガラスビンに
入れ、30℃で１ケ月間保存後、取り出し、その経
時変化を調査した。この場合、塗料の粘度の変化
は製造時と保存後では、ほとんど変化がみられな
かつた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 銅配位マンガニーズエチレンビスジチオカー
   バメートを有効成分として含有することを特徴と
   する防汚塗料組成物。