JPH0761903A - 水中付着生物忌避剤及びこれを含む防汚塗料 - Google Patents
水中付着生物忌避剤及びこれを含む防汚塗料Info
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- JPH0761903A JPH0761903A JP23246993A JP23246993A JPH0761903A JP H0761903 A JPH0761903 A JP H0761903A JP 23246993 A JP23246993 A JP 23246993A JP 23246993 A JP23246993 A JP 23246993A JP H0761903 A JPH0761903 A JP H0761903A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 環境を汚染することなく、船底等に対する生
物の付着を抑える。 【構成】 水中付着生物忌避剤は、次の化学式(1)に
示すオキシンを有効成分として含むものである。 【化1】 防汚塗料は、上記水中付着生物忌避剤を含むものであ
り、又は化学式(1)に示すオキシンを10〜40重量
%含むものである。
物の付着を抑える。 【構成】 水中付着生物忌避剤は、次の化学式(1)に
示すオキシンを有効成分として含むものである。 【化1】 防汚塗料は、上記水中付着生物忌避剤を含むものであ
り、又は化学式(1)に示すオキシンを10〜40重量
%含むものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中付着生物忌避剤
(以下、単に「忌避剤」という。)及びこれを含む防汚
塗料に係り、詳しくは、船底,漁網,水中の設備等に対
する水中生物の付着を防ぎ、かつ、環境汚染のない忌避
剤及びこれを含む防汚塗料に関する。
(以下、単に「忌避剤」という。)及びこれを含む防汚
塗料に係り、詳しくは、船底,漁網,水中の設備等に対
する水中生物の付着を防ぎ、かつ、環境汚染のない忌避
剤及びこれを含む防汚塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】船底,漁網,水中の設備等の常に水と接
触する部分には、アオサ,アオノリ,フジツボ,ムラサ
キイガイ,カキ,ホヤなどの生物が付着して繁殖する。
これらの付着生物は、船舶の造波抵抗増大による航行速
度の低下,漁網の目詰まり,水中の設備の劣化等を招
く。
触する部分には、アオサ,アオノリ,フジツボ,ムラサ
キイガイ,カキ,ホヤなどの生物が付着して繁殖する。
これらの付着生物は、船舶の造波抵抗増大による航行速
度の低下,漁網の目詰まり,水中の設備の劣化等を招
く。
【0003】従来、このような生物の付着を抑える忌避
剤として、有機錫化合物,亜酸化銅化合物,フェノール
系化合物等が知られている。また、これらの忌避剤を含
む防汚塗料が知られている。
剤として、有機錫化合物,亜酸化銅化合物,フェノール
系化合物等が知られている。また、これらの忌避剤を含
む防汚塗料が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな有機金属又は重金属を含む忌避剤は、水中付着生物
だけではなく、他の生物に対しても害を及ぼし、養殖魚
介類の奇形や、特に魚介類を通しての人体への影響が問
題となっている。また、フェノール系化合物に対して
も、同様にその発ガン性が問題となっている。
うな有機金属又は重金属を含む忌避剤は、水中付着生物
だけではなく、他の生物に対しても害を及ぼし、養殖魚
介類の奇形や、特に魚介類を通しての人体への影響が問
題となっている。また、フェノール系化合物に対して
も、同様にその発ガン性が問題となっている。
【0005】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、上記問題を解
決して、環境を汚染することのない安全な忌避剤及びこ
れを含む防汚塗料を提供することにある。
決して、環境を汚染することのない安全な忌避剤及びこ
れを含む防汚塗料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々の物質
の安全性及び防汚効果について研究を行った結果、次の
化学式(1)に示すオキシンが上記目的を達成するもの
であることを見いだした。
の安全性及び防汚効果について研究を行った結果、次の
化学式(1)に示すオキシンが上記目的を達成するもの
であることを見いだした。
【化2】
【0007】すなわち、本発明に係る忌避剤は、化学式
(1)に示すオキシンを有効成分とするものである。ま
た、この忌避剤は、オキシン100%からなるものとし
てもよく、又は、このオキシン以外の忌避剤(例えばサ
リチルアルデヒド銅)を含むものとしてもよい。
(1)に示すオキシンを有効成分とするものである。ま
た、この忌避剤は、オキシン100%からなるものとし
てもよく、又は、このオキシン以外の忌避剤(例えばサ
リチルアルデヒド銅)を含むものとしてもよい。
【0008】本発明に係る防汚塗料は、本発明に係る忌
避剤を含むものであり、例えば、化学式(1)に示すオ
キシンを10〜40重量%含むものである。この防汚塗
料は、本発明に係る忌避剤を塗料形成剤等に配合して調
整され、船底,漁網,水中の設備等に塗布されるもので
ある。
避剤を含むものであり、例えば、化学式(1)に示すオ
キシンを10〜40重量%含むものである。この防汚塗
料は、本発明に係る忌避剤を塗料形成剤等に配合して調
整され、船底,漁網,水中の設備等に塗布されるもので
ある。
【0009】
【作用】化学式(1)に示すオキシンは、白色の結晶又
は粉末を呈し、微生物及び動植物の呼吸系代謝経路に作
用する。特に、植物の光合成の初期段階にアスコルビン
酸を酸化してデヒドロアスコルビン酸に変換する代謝経
路中のアスコルビン酸酸化酵素の活性を阻害する。従来
の有機錫化合物等が付着生物を殺傷することで忌避性を
示すのに対して、このオキシンは付着生物を殺傷せずに
付着後の生長を抑制することで忌避性を示す。
は粉末を呈し、微生物及び動植物の呼吸系代謝経路に作
用する。特に、植物の光合成の初期段階にアスコルビン
酸を酸化してデヒドロアスコルビン酸に変換する代謝経
路中のアスコルビン酸酸化酵素の活性を阻害する。従来
の有機錫化合物等が付着生物を殺傷することで忌避性を
示すのに対して、このオキシンは付着生物を殺傷せずに
付着後の生長を抑制することで忌避性を示す。
【0010】また、このオキシンは、既存の化学物質で
あり医薬品としても使用されているので、既に種々の安
全性試験が実施されている。したがって、その安全性に
ついては問題がない。例えば、金属化合物ではないの
で、生体内に蓄積するおそれがない等である。
あり医薬品としても使用されているので、既に種々の安
全性試験が実施されている。したがって、その安全性に
ついては問題がない。例えば、金属化合物ではないの
で、生体内に蓄積するおそれがない等である。
【0011】さらに、このオキシンは、既に医薬品とし
て大量に生産されているので、安価である。
て大量に生産されているので、安価である。
【0012】
【実施例】図1に、標準防汚塗料及び本発明に係る試作
防汚塗料の配合を示す。この試作防汚塗料の配合は、日
本工業規格の定める標準防汚塗料と防汚効果を比較する
ため、標準防汚塗料の配合に準じた。また、標準防汚塗
料Aに含まれる忌避剤は亜酸化銅100%であり、標準
防汚塗料Bに含まれる忌避剤はトリブチルスズ100%
であり、試作防汚塗料A〜Dに含まれる本発明に係る忌
避剤はオキシン100%である。
防汚塗料の配合を示す。この試作防汚塗料の配合は、日
本工業規格の定める標準防汚塗料と防汚効果を比較する
ため、標準防汚塗料の配合に準じた。また、標準防汚塗
料Aに含まれる忌避剤は亜酸化銅100%であり、標準
防汚塗料Bに含まれる忌避剤はトリブチルスズ100%
であり、試作防汚塗料A〜Dに含まれる本発明に係る忌
避剤はオキシン100%である。
【0013】次に、これらの防汚塗料を鋼板に塗布し、
実際の海洋における防汚効果を検証した。試験方法は、
JIS K5630 鋼船船底塗料防汚性浸海試験方法に準じた。
試験板とする鋼板は、一辺 300mm×300mm,厚さ3.2mm の
SPHC(熱間圧延軟鋼板)を使用した。この塗装した試験
板を静岡県浜名湖(海水湖)の海面下50cmの位置に浸漬
した。その期間は平成5年4月26日から平成5年7月23
日までの三ヵ月である。
実際の海洋における防汚効果を検証した。試験方法は、
JIS K5630 鋼船船底塗料防汚性浸海試験方法に準じた。
試験板とする鋼板は、一辺 300mm×300mm,厚さ3.2mm の
SPHC(熱間圧延軟鋼板)を使用した。この塗装した試験
板を静岡県浜名湖(海水湖)の海面下50cmの位置に浸漬
した。その期間は平成5年4月26日から平成5年7月23
日までの三ヵ月である。
【0014】図2に試験結果を示す。この結果は、浸漬
した試験板についての経日変化を目視により観察して評
価したものである。試作防汚塗料A〜Dは、多少の付着
生物を確認したが、これらの付着後の生長が抑制され
た。特に、オキシンを10〜40重量%含む試作防汚塗
料B〜Dについて、好ましい結果が得られた。さらに、
オキシンを20〜40重量%含む試作防汚塗料C,Dに
ついては、より好ましい結果が得られた。
した試験板についての経日変化を目視により観察して評
価したものである。試作防汚塗料A〜Dは、多少の付着
生物を確認したが、これらの付着後の生長が抑制され
た。特に、オキシンを10〜40重量%含む試作防汚塗
料B〜Dについて、好ましい結果が得られた。さらに、
オキシンを20〜40重量%含む試作防汚塗料C,Dに
ついては、より好ましい結果が得られた。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る忌避
剤及びこれを含む防汚塗料によれば、安全性及び防汚効
果に優れた化学式(1)に示すオキシンを有効成分とし
て含むので、環境を汚染することなく船底等に付着する
水中生物の発生を抑えることができる。
剤及びこれを含む防汚塗料によれば、安全性及び防汚効
果に優れた化学式(1)に示すオキシンを有効成分とし
て含むので、環境を汚染することなく船底等に付着する
水中生物の発生を抑えることができる。
【0016】また、このオキシンは、既に医薬品として
安価に大量生産されているので、極めて安価な忌避剤及
びこれを含む防汚塗料を提供できる。
安価に大量生産されているので、極めて安価な忌避剤及
びこれを含む防汚塗料を提供できる。
【図1】標準防汚塗料及び本発明に係る試作防汚塗料の
配合を示す図表である。
配合を示す図表である。
【図2】図1における各防汚塗料の試験結果を示す図表
である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 次の化学式(1)に示すオキシンを有効
成分として含むことを特徴とする水中付着生物忌避剤。 【化1】 - 【請求項2】 請求項1記載の水中付着生物忌避剤を含
むことを特徴とする防汚塗料。 - 【請求項3】 前記化学式(1)に示すオキシンを10
〜40重量%含むことを特徴とする請求項2記載の防汚
塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23246993A JPH0761903A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 水中付着生物忌避剤及びこれを含む防汚塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23246993A JPH0761903A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 水中付着生物忌避剤及びこれを含む防汚塗料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0761903A true JPH0761903A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16939789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23246993A Pending JPH0761903A (ja) | 1993-08-25 | 1993-08-25 | 水中付着生物忌避剤及びこれを含む防汚塗料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0761903A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003014029A3 (en) * | 2001-08-06 | 2004-03-18 | A Y Lab Ltd | Control of development of biofilms in industrial process water |
GB2469171A (en) * | 2009-04-01 | 2010-10-06 | Russell Taylor | Anti-fouling and anti-corrosion coating |
GB2477788A (en) * | 2009-04-01 | 2011-08-17 | Russell Taylor | Reducing frictional drag |
-
1993
- 1993-08-25 JP JP23246993A patent/JPH0761903A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003014029A3 (en) * | 2001-08-06 | 2004-03-18 | A Y Lab Ltd | Control of development of biofilms in industrial process water |
US7052614B2 (en) | 2001-08-06 | 2006-05-30 | A.Y. Laboratories Ltd. | Control of development of biofilms in industrial process water |
US7189329B2 (en) | 2001-08-06 | 2007-03-13 | A.Y. Laboratories Ltd. | Control of development of biofilms in industrial process water |
US7628929B2 (en) | 2001-08-06 | 2009-12-08 | A.Y. Laboratories Ltd. | Control of development of biofilms in industrial process water |
US7927496B2 (en) | 2001-08-06 | 2011-04-19 | A.Y. Laboratories Ltd. | Control of development of biofilms in industrial process water |
GB2469171A (en) * | 2009-04-01 | 2010-10-06 | Russell Taylor | Anti-fouling and anti-corrosion coating |
GB2477788A (en) * | 2009-04-01 | 2011-08-17 | Russell Taylor | Reducing frictional drag |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20001107 |