JP2759522B2 - 水中生物付着忌避性防汚塗料組成物 - Google Patents
水中生物付着忌避性防汚塗料組成物Info
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- antifouling paint
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Description
【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はナフトキノン誘導体あるいはその還元体であ
るパラヒドロキシナフトキノン誘導体を有効成分として
含む低毒性で産業上及び環境に対し、高い安全性を有
し、かつ強力な防汚効果を有する防汚塗料組成物に関す
る。
るパラヒドロキシナフトキノン誘導体を有効成分として
含む低毒性で産業上及び環境に対し、高い安全性を有
し、かつ強力な防汚効果を有する防汚塗料組成物に関す
る。
従来技術 海中構造物、例えば船舶，海洋構築物，養殖用漁網、
浮標等にはフジツボ，イガイ，アオサ等の大型付着動植
物および珪藻，バクテリア等の微細生物が付着し、構造
物の腐食、船舶の海水摩擦抵抗の増大、漁網の目詰りに
よる魚介類の大量ヘイ死、浮力低下による沈降、作業能
率の低下等の被害が発生する。これら有害生物の付着を
防止するためには、従来より防汚塗料を塗装する方法が
とられ、その防汚塗料には防汚剤として無機銅化合物や
有機錫化合物などが主に用いられている。こられの防汚
剤は、その塗料ビヒクルの一部としてロジンを配合する
ことによって、該塗膜から海水中でロジンとともに溶出
せしめられる。
浮標等にはフジツボ，イガイ，アオサ等の大型付着動植
物および珪藻，バクテリア等の微細生物が付着し、構造
物の腐食、船舶の海水摩擦抵抗の増大、漁網の目詰りに
よる魚介類の大量ヘイ死、浮力低下による沈降、作業能
率の低下等の被害が発生する。これら有害生物の付着を
防止するためには、従来より防汚塗料を塗装する方法が
とられ、その防汚塗料には防汚剤として無機銅化合物や
有機錫化合物などが主に用いられている。こられの防汚
剤は、その塗料ビヒクルの一部としてロジンを配合する
ことによって、該塗膜から海水中でロジンとともに溶出
せしめられる。
また近年、トリアルキル錫高分子重合体をビヒクルと
する防汚塗料が出現している。この防汚塗料はトリアル
キル錫重合体が海水中の微アルカリ性雰囲気で加水分解
し、有機錫化合物を溶出するとともに、ビヒクルが水溶
化し、配合した防汚剤が溶出するものである。
する防汚塗料が出現している。この防汚塗料はトリアル
キル錫重合体が海水中の微アルカリ性雰囲気で加水分解
し、有機錫化合物を溶出するとともに、ビヒクルが水溶
化し、配合した防汚剤が溶出するものである。
このようにして溶出される防汚剤成分はいずれも毒性
が高く、この毒性によって接近する有害付着生物を殺
生、もしくは付着不能な状態にまで傷害を与えることで
防汚性能が発揮されるものである。従って、従来の防汚
塗料はいずれも生体に対し有害物を配合しているもので
あって、作業者にとり安全衛生上問題である。さらに環
境汚染の観点からも重大な問題であった。
が高く、この毒性によって接近する有害付着生物を殺
生、もしくは付着不能な状態にまで傷害を与えることで
防汚性能が発揮されるものである。従って、従来の防汚
塗料はいずれも生体に対し有害物を配合しているもので
あって、作業者にとり安全衛生上問題である。さらに環
境汚染の観点からも重大な問題であった。
発明が解決しようとする問題点 従って水中有害生物に対し、より有効な防除効果を示
し、人畜に無害で、効力持続性の大なる防汚塗料組成物
で求められている。天然動植物体に含まれる物質で水中
有害付着生物に対し高濃度で与えても障害がなく、しか
も低濃度で付着行動を阻止できる活性、即ち付着忌避活
性を有する物質が望まれていた。
し、人畜に無害で、効力持続性の大なる防汚塗料組成物
で求められている。天然動植物体に含まれる物質で水中
有害付着生物に対し高濃度で与えても障害がなく、しか
も低濃度で付着行動を阻止できる活性、即ち付着忌避活
性を有する物質が望まれていた。
問題点を解決する為の手段 本発明者らは前述のごとき付着忌避活性を有する物質
の探索を行った結果、ビタミンＫに分類される特定のナ
フトキノン誘導体に極めて強い活性を存在することを見
出し、さらにこの特定のナフトキノン誘導体を還元して
得られるパラヒドロキシナフトキノン誘導体にも強力な
付着忌避活性能を持つことが明らかとなった。
の探索を行った結果、ビタミンＫに分類される特定のナ
フトキノン誘導体に極めて強い活性を存在することを見
出し、さらにこの特定のナフトキノン誘導体を還元して
得られるパラヒドロキシナフトキノン誘導体にも強力な
付着忌避活性能を持つことが明らかとなった。
本発明に従えば、 式 （式中R1は水素原子，水酸基あるい炭素数１〜30の飽和
または不飽和脂肪族炭化水素残基；R2は水素原子あるい
はメチル基） で表されるナフトキノン誘導体 及び 式 （式中R1，R2は夫々前述せる通り） で表されるパラヒドロキシナフトキノン誘導体 からなる群より選ばれる少なくとも１種を有効成分とし
て含む水中生物付着忌避性防汚塗料組成物により達成せ
られる。
または不飽和脂肪族炭化水素残基；R2は水素原子あるい
はメチル基） で表されるナフトキノン誘導体 及び 式 （式中R1，R2は夫々前述せる通り） で表されるパラヒドロキシナフトキノン誘導体 からなる群より選ばれる少なくとも１種を有効成分とし
て含む水中生物付着忌避性防汚塗料組成物により達成せ
られる。
ナフトキノン誘導体としては、合成品としてナフタリ
ンから誘導されるα−ナフトキノン，ビタミンK3である
２−メチル−1.4ナフトキノン（一般名メナジオン），
及びナメジオンとフィチルアセタールを縮合させて得ら
れるビタミンK1である２−メチル−３−フィチル1.4−
ナフトキノン（一般名フィロキノン）等がある。
ンから誘導されるα−ナフトキノン，ビタミンK3である
２−メチル−1.4ナフトキノン（一般名メナジオン），
及びナメジオンとフィチルアセタールを縮合させて得ら
れるビタミンK1である２−メチル−３−フィチル1.4−
ナフトキノン（一般名フィロキノン）等がある。
また天然にはフィロキノンを始め、ビタミンK2である
２−メチル−３−ジファネルシル−1.4−ナフトキノン
（一般名メナキノン）,2−メチル−３−ヒドロキシ−1.
4−ナフトキノン（一般名フチオコール）等が知られて
いる。
２−メチル−３−ジファネルシル−1.4−ナフトキノン
（一般名メナキノン）,2−メチル−３−ヒドロキシ−1.
4−ナフトキノン（一般名フチオコール）等が知られて
いる。
さらに、パラヒドロキシナフトキノン誘導体として
は、メナジオンのハイドロキノン型となった２−メチル
−1.4−パラヒドロキシ−ナフトキノンが合成品として
得られる。
は、メナジオンのハイドロキノン型となった２−メチル
−1.4−パラヒドロキシ−ナフトキノンが合成品として
得られる。
これらのナフトキノン誘導体もしくはパラヒドロキシ
ナフトキノン誘導体は塗料組成物に0.5〜50重量％、好
ましくは１〜30重量％含有せしめることにより防汚塗料
として用いた場合、一年以上にわたり、強力な水中生物
付着忌避効果を示すものである。
ナフトキノン誘導体は塗料組成物に0.5〜50重量％、好
ましくは１〜30重量％含有せしめることにより防汚塗料
として用いた場合、一年以上にわたり、強力な水中生物
付着忌避効果を示すものである。
本発明にかかる塗料組成物には、その防汚性能上特に
必須というわけではないが、さらに公知の銅系またはジ
チオカルバミン酸系防汚剤を防汚性助剤として配合する
ことも可能である。それらを例示すれば、銅系防汚剤と
しては、亜鉛化銅，ロダン銅，水酸化銅，金属銅などが
あり、ジチオカルバミン酸誘導体としては、テトラメチ
ルチウムモノサルファイド，ビス−（ジメチルジチオカ
ルバミン酸）亜鉛エチレン−ビス（ジチオカルバミン
酸）亜鉛，エチレン−ビス（ジチオカルバミン酸）マン
ガン，ビス−（ジメチルジチオカルバミン酸）銅などが
ある。
必須というわけではないが、さらに公知の銅系またはジ
チオカルバミン酸系防汚剤を防汚性助剤として配合する
ことも可能である。それらを例示すれば、銅系防汚剤と
しては、亜鉛化銅，ロダン銅，水酸化銅，金属銅などが
あり、ジチオカルバミン酸誘導体としては、テトラメチ
ルチウムモノサルファイド，ビス−（ジメチルジチオカ
ルバミン酸）亜鉛エチレン−ビス（ジチオカルバミン
酸）亜鉛，エチレン−ビス（ジチオカルバミン酸）マン
ガン，ビス−（ジメチルジチオカルバミン酸）銅などが
ある。
また該塗料に使用される樹脂ビヒクルは防汚塗料に一
般に使用されている樹脂でよく、例えば塩化ビニル系樹
脂，塩化ゴム系樹脂，塩素化ポリエチレン樹脂，塩素化
ポリプロピレン樹脂，アクリル樹脂，スチレン−ブタジ
エン樹脂，ポリエステル系樹脂，エポキシ樹脂，ポリア
ミド樹脂，石油系樹脂，ワックスパラフィン，シリコー
ンレジン，シリコーンゴム系樹脂，ロジンエステル，ロ
ジン系樹脂等が挙げられる。また防汚性を有するビヒク
ルとして（メタ）アクリル酸のような重合性不飽和カル
ボン酸と、ビス（トリブチル錫）オキサイドのような有
機錫化合物との反応で得られる重合性不飽和カルボン酸
の有機錫化合物塩を構成単位として含むアクリル共重合
体樹脂や銅，亜鉛，テルルなどの金属元素を側鎖に含有
する樹脂などを使用することもできる。
般に使用されている樹脂でよく、例えば塩化ビニル系樹
脂，塩化ゴム系樹脂，塩素化ポリエチレン樹脂，塩素化
ポリプロピレン樹脂，アクリル樹脂，スチレン−ブタジ
エン樹脂，ポリエステル系樹脂，エポキシ樹脂，ポリア
ミド樹脂，石油系樹脂，ワックスパラフィン，シリコー
ンレジン，シリコーンゴム系樹脂，ロジンエステル，ロ
ジン系樹脂等が挙げられる。また防汚性を有するビヒク
ルとして（メタ）アクリル酸のような重合性不飽和カル
ボン酸と、ビス（トリブチル錫）オキサイドのような有
機錫化合物との反応で得られる重合性不飽和カルボン酸
の有機錫化合物塩を構成単位として含むアクリル共重合
体樹脂や銅，亜鉛，テルルなどの金属元素を側鎖に含有
する樹脂などを使用することもできる。
その他に通常使用される可塑剤，着色顔料，体質顔
料，溶剤等を任意割合に含有することができる。
料，溶剤等を任意割合に含有することができる。
また塗料構造においては、塗料製造技術分野におい
て、それ自体公知の方法によって調製することができ
る。調合は公知の機械、例えばボールミル，ペブルミ
ル，ロールミル，スピードランミル等を使用する。この
様にして調製された塗料は塗装作業上、自然環境上安全
性が極めて高く、強力な防汚性能を有する。
て、それ自体公知の方法によって調製することができ
る。調合は公知の機械、例えばボールミル，ペブルミ
ル，ロールミル，スピードランミル等を使用する。この
様にして調製された塗料は塗装作業上、自然環境上安全
性が極めて高く、強力な防汚性能を有する。
以下本発明による付着忌避性防汚組成物を、塗料とし
た場合の実施例および比較例によって本発明を詳しく説
明する。尚、特にことわりなき限り部および％は重量に
よる。
た場合の実施例および比較例によって本発明を詳しく説
明する。尚、特にことわりなき限り部および％は重量に
よる。
実施例及び比較例 ボールミルを用い下記配合にて夫々防汚塗料組成物１
〜９及び比較例塗料１を得た。
〜９及び比較例塗料１を得た。
試験例 前記実施例１〜９、比較例１で得た各塗料を、100×3
00×3.2m/m軟鋼板に塩化ゴム系防錆塗装を施した上に、
夫々乾燥膜厚100μで塗装し試験片とした。
00×3.2m/m軟鋼板に塩化ゴム系防錆塗装を施した上に、
夫々乾燥膜厚100μで塗装し試験片とした。
付着性試験 フジツボ幼生1000個体を3000ml海水中に放飼し付着期
に達した段階で上記試験片の1/5を浸漬し、24時間後の
付着率，ヘイ死率を求めた。
に達した段階で上記試験片の1/5を浸漬し、24時間後の
付着率，ヘイ死率を求めた。
同様の試験をアオノリ胞子でも実施し、24時間後の付
着率を求めた。またイガイの成体100個体のついても24
時間後の足糸による付着率とヘイ死率を同様に求めた。
着率を求めた。またイガイの成体100個体のついても24
時間後の足糸による付着率とヘイ死率を同様に求めた。
経時浸漬試験 上記試験片を岡山県玉野市沖の水深1mの海中に垂下
し、２年後までの経時での海中生物による汚損を調べ
た。
し、２年後までの経時での海中生物による汚損を調べ
た。
Claims (1)
- 【請求項１】式 （式中R1は水素原子，水酸基あるい炭素数１〜30の飽和
または不飽和脂肪族炭化水素残基；R2は水素原子あるい
はメチル基） で表されるナフトキノン誘導体 及び 式 （式中R1，R2は夫々前述せる通り） で表されるパラヒドロキシナフトキノン誘導体 からなる群より選ばれる少なくとも１種を有効成分とし
て含む水中生物付着忌避性防汚組成物
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26994889A JP2759522B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 水中生物付着忌避性防汚塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26994889A JP2759522B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 水中生物付着忌避性防汚塗料組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03131669A JPH03131669A (ja) | 1991-06-05 |
| JP2759522B2 true JP2759522B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=17479440
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26994889A Expired - Lifetime JP2759522B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 水中生物付着忌避性防汚塗料組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2759522B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6596064B2 (en) | 1999-10-15 | 2003-07-22 | Luigi Stoppani S.P.A. | Biocidal-antifouling agents with low ecotoxicity index |
| IT1315247B1 (it) * | 1999-10-15 | 2003-02-03 | Stoppani Luigi Spa | Agenti bioacidi-antivegetativi a basso indice di ecotossicita' |
-
1989
- 1989-10-16 JP JP26994889A patent/JP2759522B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03131669A (ja) | 1991-06-05 |
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