JPH0685373B2 - 超低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

超低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH0685373B2 JP59096042A JP9604284A JPH0685373B2 JP H0685373 B2 JPH0685373 B2 JP H0685373B2 JP 59096042 A JP59096042 A JP 59096042A JP 9604284 A JP9604284 A JP 9604284A JP H0685373 B2 JPH0685373 B2 JP H0685373B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 超低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法に関して、この明
細書で述べる技術内容は、とくに従来良好な鉄損値を得
るのが困難とされた板厚が0.18mm以下の極薄材につき、
その表面への絶縁被膜の被成のし方に工夫を加えること
により、鉄損特性の有利な改善を図ることに関連してい
る。
背景技術 方向性けい素鋼板は主として変圧器その他の電気磁気の
鉄心として利用され、その磁化特性が優れていること、
とくに鉄損(W17/50で代表される)が低いことが要求さ
れている。
このためには、第一に鋼板中の2次再結晶粒の〈001〉
粒方位を圧延方向に高度に揃えることが必要であり、第
二には、最終製品の鋼中に存在する不純物や析出物をで
きるだけ減少させる必要がある。かかる配慮の下に製造
される方向性けい素鋼板は、今日まで多くの改善努力に
よって、その鉄損値も年を追って改善され、最近では板
厚0.30mmの製品でW17/50の値が1.05W/kg,また0.23mmの
製品でW17/15の値が0.90W/kgの低鉄損のものが得られて
いる。
しかし、数年前のエネルギー危機を境にして、電力損失
のより少ない電気機器を求める傾向が一段と強まり、そ
れらの鉄芯材料として、さらに鉄損の低い一方向性けい
素鋼板が要請されるようになっている。
従来技術とその問題点 ところで、方向性けい素鋼板の鉄損を下げる手方として
は、Si含有量を高める、2次再結晶粒を細かくする、不
純物含有量を低減する、そして(110)〔001〕方位の2
次再結晶粒をより高度に揃えるなど、主に治金学的方法
が一般に知られているが、これらの手方は、現行の生産
手段の上からはもはや限界に達していて、これ以上の改
善は極めて難しく、たとえ多少の改善が認められたとし
ても、その努力の割には鉄損改善の実効はわずかとなる
に至っている。
また最近に至り、製品板の表面に圧延方向と直角の向き
に微小歪を導入し、磁区を細分化させることによって渦
電流損を低減する方法が提案されているが、この方法で
は、製品板の形状、平均結晶粒径および板厚などによっ
ては、その効果が十分に発揮されるとは限らないだけで
なく、巻きトランス製造時などに必要な歪取り焼鈍を施
した場合にはせっかく低下させた鉄損値が元に戻ってし
まうところに致命的な欠陥を残していた。
さらに上述した各改善策とは別に、製品板厚を薄くする
ことが、鉄損低減に有効であることが知られている。し
かしながら現実的には板厚を薄くすると、2次再結晶粒
が粗大化すると共に、2次再結晶にとって不可欠なイン
ヒビターが不安定になって、かえって磁気特性の劣化を
招いていたのである。この点、製品の2次粒径の粗大化
の防止対策として、ダイロールを用いる方法(特開昭57
-73127号公報)や、フォルステライト被膜の厚みを制御
して鉄損を良好にする方法(特開昭57-41326号公報)な
どが提案されている。
しかしながら上述した従来の改善策はいずれも板厚が0.
15〜0.25mm程度の範囲に限られ、実際には板厚0.18mmの
場合に最良の鉄損特性が得られ、それより薄くなると鉄
損はかえって増大していたのである。かような現象は従
来からよく知られていて、たとえばLittmannをはじめと
して多くの研究者によって確認されていることである。
すなわち鉄損(WT)はヒステリシス損(Wh)と渦電流損
(We)とからなっているが、第1図に示したように、渦
電流損は板厚の減少と共に次第に低下するもののある板
厚以下ではその低下傾向は弱まり、一方ヒステリシス損
はある板厚以下になると急激に増大する結果、鉄損
(WT)は板厚0.18mm〜0.20mm程度で極小値を示し、従
来、かかる現像は不変であると一般的に確認されていた
のである。
なお、比較的厚い製品を機械的または化学的研磨によっ
て上記の範囲よりも板厚を薄くした場合に、良好な特性
が得られることがあるが、それらは表面にフォルステラ
イト被膜をそなえていないために実用性に乏しく、また
上記したような製造法は工業的規模での生産には適さな
い。さらに一旦研磨によって薄くしたのちにフォルステ
ライト被膜を被成した場合には、鉄損の著しい劣化を招
くのが常であった。
発明の端緒 この発明は、上記した如き渦電流損とヒステリシス損の
板厚依存性について綿密な検討を重ねた末に開発された
もので、以下に述べるように、従来信じられていたこと
とは全く異なる新規な知見事実に立脚する。
(1)渦電流損が、ある板厚以下になるとほとんど低下
しなくなる理由は、渦電流損を決定する大きな役割りを
果たす180°磁区の幅が次第に増大するためであり、さ
らにそれに加えて板厚が薄い製品ほど2次粒径が一般的
に大きくなることも関連している。
(2)しかしながらさらに板厚を減少していくと、渦電
流損は再び低下していく。
(3)板厚を低減することに伴うヒステリシス損増大の
原因は、けい素鋼そのもののもつ本来的な性質でなく、
フォルステライト被膜と地鉄との界面状態と強い相関が
ある。第2図に、けい素鋼板のもつ本来の鉄損と板厚と
の関係を示す。
(4)従って、かかる界面を適切に制御することによ
り、板厚をさらに薄くして、より一層の鉄損の低減が望
み得る。すなわち、板厚が0.18mm以下の極薄材において
も、フォルステライト被膜と地鉄との界面の平滑度を、
後述する平滑度Rで10以下とし、かつ2次再結晶粒の平
均粒径を8mm以下とすることにより、鉄損特性の改善に
関し、従来比類のない効果が得られたのである。
この発明は、上記の知見に基づいて開発されたもので、
従来通常の技術では不可能とされていた極薄の板厚領域
において、今日得ることができる最良レベルの鉄損値を
も下回るすなわち W17/50≦0.83W/kgの鉄損特性を有する超低鉄損方向性け
い素鋼板の有利な製造方法を提案するものである。
発明の構成 すなわちこの発明は、Si:2.0〜4.0重量%(以下単に%
で示す)を含有する一方向性けい素鋼用のスラブに、熱
間圧延ついで冷間圧延を施して最終製品板厚としたの
ち、脱炭焼鈍を施して鋼板表面に酸化物層を形成させ、
ついで焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上げ焼鈍を施す
ことからなる方向性けい素鋼板の製造方法において、 最終製品板厚を0.18mm以下にすると共に、脱炭焼鈍後の
表面酸化物中の酸素目付量OS(g/m2)を、最終製品板厚t
(mm)に応じて次式、 の関係を満足させ、さらに上記焼鈍分離剤中に、アンチ
モンまたはその化合物をSbとして0.01〜1.0重量%と、
ストロンチウムまたはその化合物をSrとして1.0〜20.0
重量%とを含有させることを特徴とする超低鉄損方向性
けい素鋼板の製造方法である。
以下この発明を具体的に説明する。
まずこの発明の素材について述べると、この発明ではSi
を2.0〜4.0%含有する一方向性けい素鋼用素材を用いる
必要がある。
Siは、鋼の電気抵抗を高めて鉄損を低減するのに極めて
有効な元素であるが、2%より少ないとその効果に乏し
く、一方4%より多いと加工性が著しく劣化して工業的
規模での加工が事実上不可能になるので、Si量は2.0〜
4.0%の範囲に限定した。
この発明において成分的には、上記したSiの他はとくに
限定されることはなく、方向性けい素鋼として通常含有
される元素を適宜に添加することができるが、参考まで
にその代表組成を示すと、次のとおりである。
C≦0.06%、Si:2.0〜4.0%、 Mn:0.01〜0.20%、 S,Se:単独あるいは複合で0.005〜0.1%、 Sb:0.005〜0.20%、残部Fe。
またこの発明では、最終製品板厚を0.18mm以下に限定し
たが、その理由は、従来の方向性けい素鋼板において鉄
損の極小値を示した板厚が0.18mmであったことおよび0.
18mm以下の厚みになると渦電流損が再び減少することに
よる。
さらにこの発明による方向性けい素鋼板はフォルステラ
イト被膜を有していることが必要であるが、その理由
は、かかるフォルステライト被膜の存在によって従来か
ら良く知られているように、製品表面に絶縁性が付与さ
れると同時に渦電流損が低減し、加えてその形成過程で
ある仕上げ焼鈍時に鋼板地鉄中からの不純物が効果的に
除去されるからである。しかし、フォルステライト被膜
を有することでヒステリシス損が大きくなり全鉄損W17/
50が0.83W/kgを超えるおそれが生じるところ、かような
特性劣化を防止するために前述したようにして地鉄とフ
ォルステライト被膜との界面の制御が行うわけである。
ここで平滑度Rの定義ならびにその測定法について述べ
る。
平滑度Rは、第3図に示したような鋼板断面において、
0.1mm以上離れたフオルステライト/地鉄界面上の2点
A,B間の直線距離をl0とし、一方AB間に存在するフオル
ステライト(地鉄中に独立に存在するフオルスナライト
を含む)と地鉄との境界線の全長をlとした場合に、l/
l0で定義される。
従来、平滑度の測定は、表面粗さの測定などにおけるよ
うに、レコード針などのセンサーの機械的接触が可能な
領域にしか適用できなかった。従ってこの発明における
フオルステライトと地鉄との界面の如き表面に出現しな
い界面の測定は極めて困難だったのであるが、これを可
能にしたのが、近年における画像解析装置の開発であ
る。
以下に標準的な平滑度Rの測定方法について説明する。
まず2次再結晶焼鈍後の鋼板断面を、常法に従って研磨
ついで検鏡に付す。得られる断面像は、第3図aに示し
たようなものであるが、これを一旦写真化してもよい
し、また直接画像解析装置にインプットしてもよい。
次に、かかる画像の界面上に2点A,Bを定める。AB間の
距離l0は簡単に測定できるが、lの測定は以下のように
して行う。
まずフオルステライトのイメージだけを抽出するが、こ
のとき第3図a中にDで示したような独立したフオルス
テライト粒ならびにCで示したような連結しているフオ
ルステライト粒も計測する必要がある。そしてその全界
面長lを出すには、画像処理によって「細線化処理」を
行えばよいが、このとき独立したフオルステライト粒D
のようなものを正しく評価するためには、最近接界面と
の「連結処理」を加えたのち「細線化処理」を行うこと
が望ましい。というのは、独立粒は、「細線化処理」に
よって極めて微細な点となってしまうからである。第3
図bに連結−細線化処理後の画像を示す。
かような抽出→連結処理→細線化処理という一連の処理
を行えば、あとは容易に境界線実長lを求めることがで
きる。なおかかる一連の処理は自動的に行い、また少な
くとも10ヶ所以上測定してその平均値を得るのが望まし
い。
第4図に、板厚0.15mmの方向性けい素鋼板における平滑
度Rと鉄損との関係について調べた結果を示す。
同図より明らかなように、鉄損W17/50が0.83W/kg以下で
あるためには、平滑度Rを10以下にする必要がある。
ところで上掲第4図からも明らかなように、平滑度が10
以下であっても必ずしも0.83W/kg以下の鉄損値が得られ
るわけではない。この理由は、板厚が薄くなると、2次
粒径が増大するため、渦電流損が増大して界面の平滑化
による効果が減殺されるためと考えられる。
この点、第5図に2次粒の平均粒径と鉄損との関係(平
滑度Rはいずれも10以下)を示したように、2次粒径が
8mm以下であれば、上記の弊害は効果的に解消されるこ
とが判明した。
次にこの発明に従う製造法について説明する。Si:2.0〜
4.0%を含む一方向性けい素鋼板素材は、常法に従って
熱間圧延ついで1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2
回以上の冷間圧延が施されて、厚み0.18mm以下の最終製
品板厚に仕上げられる。
ついでかかる冷延鋼板に、水蒸気を含む水素雰囲気中に
脱炭焼鈍を施してその表面にSiO2および鉄酸化物からな
る層を形成したのち、引続いてMgOを主成分とする焼鈍
分離剤を塗布してから仕上げ焼鈍を施して、表面にフォ
ルステライト絶縁被膜を形成させると共に2次再結晶を
行わせるのであるが、この焼鈍分離剤中にアンチモンま
たはその化合物およびストロンチウムまたはその化合物
を複合添加するのである。
第6図に、焼鈍分離剤中にストロンチウム化合物(SrSO
4)を、単独(図中×印)、またはSb換算で0.2%のSb2O
5と共に(図中◇印)種々の割合で添加した場合の、鉄
損特性W17/50とSrSO4中のSr分との関係を示す。
同図より明らかなように、SrSO4の単独添加ではさほど
の鉄損改善は期待できないが、Sbと複合添加することに
よって著しく鉄損が低減された。
なおかようなSrとSbとの複合添加によって、上記した如
き顕著な鉄損低減効果が得られる理由は、まだ明確に解
明されていないけれども、フォルステライト被膜と地鉄
との界面の平滑化に寄与するSrの効果が、製品板厚の薄
肉化に伴う2次粒径の粗大化によって阻止される弊害
が、Sbの微粒化効果によって解消されるためと考えられ
る。
ここにストロンチウムまたはストロンチウム化合物の添
加量が、Srとして1.0%に満たないと前掲第6図にも示
したようにその添加効果に乏しく、一方20.0%を超える
とかえって被膜の平滑度が失われ鉄損特性はむしろ低下
する傾向にあるためである。
またアンチモンまたはアンチモン化合物の添加量を、Sb
として0.01〜1.0%の範囲に限定したのは、0.01%未満
ではその添加効果に乏しく、一方1.0%を超えると鋼板
全面が細粒化されて鉄損特性が急激に劣化するためであ
る。
なおストロンチウム化合物およびアンチモン化合物とし
ては、酸化物、硫化物および窒化物などいずれも適合す
るが、代表例を示すと次のとおりである。
ストロンチウム化合物 SrSO4,Sr(OH)2,SrCO3,Sr(NO3)2など アンチモン化合物 Sb2O3,Sb2O5,SbS2,SbS3,Sb2(SO4)3など上記のよう
にして焼鈍分離剤中にSrとSbとを複合添加することによ
って初期した低鉄損の方向性けい素鋼板が得られるが、
時として特性値に若干のばらつきが生じることが認めら
れた。
この理由は主として、インヒビターが板厚の薄肉化によ
って不安定になるためと考えられるが、この点について
は、脱炭焼鈍時における表面酸化物中の酸素目付量OS(g
/m2)を、板厚t(mm)に応じて、下記式、 の関係を満足する範囲に制御することによって、効果的
に解消されることが究明された。
ここにOSとは、脱炭焼鈍によって増加した鋼板単位面積
当たりの酸素量のことであり、フォルステライト被膜の
生成量を支配する主要因子である。
すなわち脱炭焼工程において、鋼板表面近傍には主とし
てシリカ(SiO2)からなる酸化物が形成されるが、これは
後続の最終仕上げ焼鈍工程において形成されるフォルス
テライト被膜の反応物質であり、フォルステライト被膜
の量は主としてこの酸化物量を管理することによって制
御される。このためには、脱炭焼鈍によって増加した酸
素量を測定し、単位面積当たりに換算した量(被膜量な
ので単位面積当たりに換算する必要がある)すなわちOS
量を正確に把握することが重要であり、かかるOS量の制
御は、脱炭焼鈍時の雰囲気の酸素ポテンシャルP(H2O)/P
(H2)、焼鈍温度および焼鈍時間などを調整して行うこと
ができる。
第7図に、種々の板厚のものを、H250%−H250%,55〜6
3℃の種々の露点の雰囲気中で、830℃、3分の焼鈍を施
した場合における酸素目付量と鉄損との関係について調
べた結果を示す。
同図より明らかなように、酸素目付量OSが板厚tに対し
上掲式の関係を満足させることにより所期した効果が安
定して得られている。
上記のように、脱炭焼鈍時における表面酸化物中の酸素
目付量OSならびに焼鈍分離剤中へのSbおよびSrの添加量
を適正範囲に制御することにより、板厚の薄肉化による
インヒビターの不安定化を招くことなしに、安定して所
望の平滑度Rひいては鉄損特性が得られるのである。
なおSbは結晶粒径の微細化効果があるので、この発明に
従い焼鈍分離剤中へアンチモンまたはその化合物をSbと
して0.01%以上添加してやれば、所望の平滑度のみなら
ず、その後の最後仕上げ焼鈍において、2次再結晶粒の
平均結晶粒径:8mm以下も同時に達成される。
実施例 実施例1 Si:3.2%を含有する方向性けい素鋼熱延板を、2回冷延
法で0.15mmの最終板厚としたのち、H250%,N250%、露
点61℃の雰囲気中で830℃,3分間の焼鈍を施して酸素目
付量2.0g/m2の酸化物層を得た。ついでこの脱炭焼鈍板
の表面に、SrSO4とSb2O3またはSb2S3とを種々の割合で
配合したMgOを主成分とする焼鈍分離剤をスラリー状で
塗布し、乾燥したのち、1200℃,10hの仕上げ焼鈍を施し
た。
得られた絶縁被膜付き一方向性けい素鋼板の鉄損特性に
ついて調べた結果を表1に示す。なお比較のため焼鈍分
離剤中にSr化合物やSb化合物を全く含有させないものな
らびに片方のみそれぞれ添加したものについても同様の
調査を行い、得られた結果を表1に併記した。
同表より明らかなように、この発明に従い得られた方向
性けい素鋼板は、比較材に較べて格段に低い鉄損値が得
られている。
実施例2 Si:3.2%を含有する方向性けい素鋼熱延板を、2回冷延
法で0.10mmの最終板厚としたのち、H250%,N250%、露
点55〜62℃の雰囲気中で820℃,3分間の条件で脱炭焼鈍
を行った。その後Sb2S3をSb鈍分として0.2%と、SrSO4
をSr鈍分として10%とを含有する焼鈍分離剤を塗布した
のち仕上げ焼鈍を行った。
得られた絶縁被膜付き一方向性けい素鋼板の鉄損値を、
脱炭焼鈍後の酸素目付量と共に表2に示す。
表2の成績から明らかなように、この発明法に従い得ら
れた方向性けい素鋼板はいずれもW17/50が0.83以下の優
れた鉄損特性を示し、中でも前掲式の関係を満足する場
合にとりわけ良好な結果が得られた。
発明の効果 かくしてこの発明によれば、一方向性けい素鋼板におい
て従来比類のない超低鉄損を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来の一方向性けい素鋼板における板厚と鉄
損値との関係を示したグラフ、 第2図は、けい素鋼板のもつ本来の、板厚と鉄損値との
関係を示したグラフ、 第3図aは、フオルステライト被膜付き方向性けい素鋼
板の断面図、同図bは、その連結−細線化処理後の画
像、 第4図は、界面の平滑度と鉄損値との関係を示したグラ
フ、 第5図は、鋼板の平均粒径と鉄損との関係を示したグラ
フ、 第6図は、Sr添加量と鉄損値との関係を、Sbを複合添加
した場合とSb無添加の場合とで、比較して示したグラ
フ、 第7図は、鉄損値に及ぼす板厚と酸素目付量との関係を
示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 的場 伊三夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内 (72)発明者 伊藤 庸 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−41326(JP,A) 特開 昭57−32716(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si:2.0〜4.0重量%を含有する一方向性け
    い素鋼用のスラブに、熱間圧延ついで冷間圧延を施して
    最終製品板厚としたのち、脱炭焼鈍を施して鋼板表面に
    酸化物層を形成させ、ついで焼鈍分離剤を塗布してから
    最終仕上げ焼鈍を施すことからなる方向性けい素鋼板の
    製造方法において、 最終製品板厚を0.18mm以下にすると共に、脱炭焼鈍後の
    表面酸化物中の酸素目付量OS(g/m2)を、最終製品板厚t
    (mm)に応じて次式、 の関係を満足させ、さらに上記焼鈍分離剤中に、アンチ
    モンまたはその化合物をSbとして0.01〜1.0重量%と、
    ストロンチウムまたはその化合物をSrとして1.0〜20.0
    重量%とを含有させることを特徴とする超低鉄損方向性
    けい素鋼板の製造方法。
JP59096042A 1984-05-14 1984-05-14 超低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JPH0685373B2 (ja)

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