JPH0684789U - Ｉｇｂｔのドライブ回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直流電源Ｄ₁，Ｄ₂から、並列接続された複数
のＩＧＢＴ１〜ｎにオンゲート電圧、オフゲート電圧を
供給するＩＧＢＴのドライブ回路において、ＩＧＢＴの
オン、オフ動作時に発生するゲート、エミッタ間電圧の
過電圧を抑制する。 【構成】 直流電源Ｄ₁，Ｄ₂と各ＩＧＢＴ１〜ｎのエミ
ッタを結ぶ電路（エミッタ線）に抵抗Ｒｅ₁〜Ｒｅ_nを各
々介挿する。ＩＧＢＴ１〜ｎのオン、オフ動作時は各Ｉ
ＧＢＴの特性のバラツキおよびエミッタ線の漂遊インダ
クタンスＬ_s1〜Ｌ_snに起因して電圧Ｖ₁〜Ｖ_nに差が生じ
る。この電位差によって、エミッタ線に破線の矢印のよ
うに電流が流れるが、この電流は抵抗Ｒｅ₁〜Ｒｅ_nによ
って低減される。これによってＩＧＢＴ１〜ｎのゲー
ト、エミッタ間電圧に過電圧は生じない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、並列接続されたＩＧＢＴのドライブ回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、並列接続された複数のＩＧＢＴを各々オン、オフ駆動させるドライブ回 路は、例えば図２のように構成されていた。図２において、１〜ｎは並列接続さ れたｎ個のＩＧＢＴである。Ｄ₁はオンゲート用の直流電源であり、その正極は スイッチＳ₁およびｎ個の抵抗Ｒｇ₁〜Ｒｇ_nを介してＩＧＢＴ１〜ｎの各ゲート Ｇ₁〜Ｇ_nに接続されている。Ｄ₂は前記直流電源Ｄ₁に直列接続されたオフゲート 用の直流電源である。この直流電源Ｄ₂の負極はスイッチＳ₂を介してスイッチＳ ₁ および抵抗Ｒｇ₁の共通接続点に接続されている。直流電源Ｄ₁およびＤ₂の共通 接続点は前記ＩＧＢＴ１〜ｎの各エミッタＥ₁〜Ｅ_nに接続されている。

【０００３】 尚Ｌ_s1〜Ｌ_snはエミッタ側の配線の漂遊インダクタンスを示しており、また抵 抗Ｒ_g1〜Ｒ_gnは、ＩＧＢＴを並列接続することによるゲート、エミッタ間電圧の 発振を防止するように動作する。

【０００４】 上記のように構成された回路において、各ＩＧＢＴ１〜ｎをオンドライブする ときには、スイッチＳ₁をオンさせることにより、直流電源Ｄ₁→スイッチＳ₁→ 抵抗Ｒｇ₁…Ｒｇ_n→ゲートＧ₁…Ｇ_n→エミッタＥ₁…Ｅ_nの経路で各ゲート、エミ ッタの間に正方向の電圧を印加しＩＧＢＴをオンさせる。

【０００５】 また各ＩＧＢＴ１〜ｎをオフドライブするときには、スイッチＳ₂をオンさせ ることにより、直流電源Ｄ₂→エミッタＥ₁…Ｅ_n→ゲートＧ₁…Ｇ_n→抵抗Ｒｇ₁… Ｒｇ_n→スイッチＳ₂の経路で各ゲート、エミッタ間に逆方向の電圧を印加し、Ｉ ＧＢＴをオフさせる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記のドライブ回路において、ＩＧＢＴ１〜ｎの特性のバラツキにより、オン 、オフ動作時間に若干のバラツキが生ずる場合がある。この時エミッタの主回路 配線の漂遊インダクタンスＬ_s1〜Ｌ_snによる電圧Ｖ₁〜Ｖ_nに差が生じ、これによ り図２の破線の矢印で示す経路でドライブ回路のエミッタ線を通して電流が流れ る。この電流とドライブ回路のエミッタ線のインピーダンス（主に）によって電 圧が発生する。この電圧と、ドライブ回路の直流電源（Ｄ₁又はＤ₂）電圧とを加 算した電圧はＩＧＢＴのゲート、エミッタ間に印加されるので、該電圧が素子定 格以上発生すると、素子を破壊してしまう場合がある。

【０００７】 本考案は、上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、並列接続された複数 のＩＧＢＴの特性のバラツキに起因し、オン、オフ動作時に発生するゲート、エ ミッタ間の過電圧を抑制することができるＩＧＢＴのドライブ回路を提供するこ とにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、並列接続された複数のＩＧＢＴの各ゲート、エミッタ間に、オンゲ ート電圧、オフゲート電圧を各々印加するオンゲート用直流電源およびオフゲー ト用直流電源を有したＩＧＢＴのドライブ回路において、前記オンゲート用直流 電源およびオフゲート用直流電源と前記複数のＩＧＢＴの各エミッタとを結ぶ複 数の電路に各々抵抗を介挿したことを特徴としている。

【０００９】

【作用】

並列接続された複数のＩＧＢＴをオン、オフさせるとき、各ＩＧＢＴの特性の バラツキによりオン、オフ動作時間に若干のずれが生じる。このとき各ＩＧＢＴ のエミッタに接続されている配線（エミッタ線）の漂遊インダクタンスに起因す る電圧に差が生じる。このため複数のエミッタ線間で電流が流れようとするが、 この電流は各エミッタ線に接続された抵抗によって限流される。

【００１０】 これによって配線インダクタンスにより生じる電圧が低減され、この電圧と前 記各直流電源の電圧との合計値が上昇することはなく、ＩＧＢＴのゲート、エミ ッタ間に過電圧が印加されることはない。

【００１１】

【実施例】

以下図面を参照しながら本考案の一実施例を説明する。図１において図２と同 一部分は同一符号をもって示している。図１において図２と異なる点は、並列接 続されたＩＧＢＴ１〜ｎの各エミッタ線に抵抗Ｒｅ₁〜Ｒｅ_nを各々接続した点に あり、その他の部分は図２と同一に構成されている。

【００１２】 図１の回路構成において、前述したエミッタの主回路配線の漂遊インダクタン スに発生する電圧差（｜Ｖ₁−Ｖ₂｜）によって、ドライブ回路のエミッタ線に図 示破線の矢印の経路で流れる電流は、抵抗Ｒｅ₁〜Ｒｅ_nによって低減される。こ れによってドライブ回路の配線インダクタンスによって生じる電圧差を低減させ る事ができる。したがってＩＧＢＴ１〜ｎのオン、オフ動作時にゲート、エミッ タ間に過電圧が印加されることはない。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案によればドライブ回路の電源と並列接続された複数のＩＧ ＢＴを結ぶ各エミッタ線に各々抵抗を接続したので、複数のＩＧＢＴの特性のバ ラツキおよび配線の漂遊インダクタンスに起因してエミッタ線に流れる電流を低 減することができ、これによってＩＧＢＴのオン、オフ動作時に発生するゲート 、エミッタ間の過電圧を抑制し、素子を保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す回路図。

【図２】従来のＩＧＢＴのドライブ回路の一例を示す回
路図。

【符号の説明】

１〜ｎ…ＩＧＢＴ Ｄ₁、Ｄ₂…直流電源 Ｓ₁、Ｓ₂…スイッチ Ｒｅ₁〜Ｒｅ_n…抵抗

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 並列接続された複数のＩＧＢＴの各ゲー
   ト、エミッタ間に、オンゲート電圧、オフゲート電圧を
   各々印加するオンゲート用直流電源およびオフゲート用
   直流電源を有したＩＧＢＴのドライブ回路において、前
   記オンゲート用直流電源およびオフゲート用直流電源と
   前記複数のＩＧＢＴの各エミッタとを結ぶ複数の電路に
   各々抵抗を介挿したことを特徴とするＩＧＢＴのドライ
   ブ回路。