JPH0683630B2 - 乳化性油脂組成物の製造方法 - Google Patents

乳化性油脂組成物の製造方法

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JPH0683630B2
JPH0683630B2 JP60186825A JP18682585A JPH0683630B2 JP H0683630 B2 JPH0683630 B2 JP H0683630B2 JP 60186825 A JP60186825 A JP 60186825A JP 18682585 A JP18682585 A JP 18682585A JP H0683630 B2 JPH0683630 B2 JP H0683630B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は乳化性油脂組成物の製造法に関する。さらに詳
しくは脂肪酸モノグリセリドをプロピレングリコールモ
ノ脂肪酸エステルと混合し、それを水相に分散させて安
定なα型結晶の混晶水系分散液とし、これを食用油脂中
に乳化させると、可塑性の優れた乳化性油脂が得られ、
これを製菓製パンに用いることにより、焼成後の製品に
対し均一なきめの細い気孔、老化防止性、容積のアップ
等の性状を付与するところの乳化性油脂組成物の製造方
法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来製菓製パンにおける製品の気孔、老化防止等の改良
のために、種々の油脂組成物や乳化剤組成物が考え出さ
れており、そこに用いる乳化剤としては脂肪酸モノグリ
セリドが広く知られている(例えばCereal Chem 57
(4)239〜241頁、1980年)。また脂肪酸モノグリセリ
ドを油脂に溶解して、それを水と乳化して、乳化性油脂
組成物とし、それをパン、ケーキの製造に用いることも
広く行われている(例えば「食用固型油脂」160〜161頁
昭和50年12月15日発行、建帛社刊)。
脂肪酸モノグリセリドはそれを単体にて粉末状、すなわ
ちβ型の結晶にて用いたり、また他の化合物と混合して
用いている。脂肪酸モノグリセリドと他の化合物とを併
用する例としてソルビトール脂肪酸モノエステルを併用
する(特開昭54−37843)、アルコール類、有機酸、レ
シチン、ステアリルラクチレートより選ばれたる一種を
併用する(特開昭56−82064)、酒石酸モノグリセリド
を併用する(特公昭59−9149)方法等がある。
上記のように脂肪酸モノグリセリドを用いるのは、モノ
グリセリドがアミロースと結合することにより、でんぷ
んの結晶化を防止してパンの老化を防止したり、他の性
状を改質することによるものである(Cereal Chem.58
(3)186〜190頁、1981年)が、その結晶は熱力学的に
α型よりβ型の方が安定であり、α型は時間と共にβ型
に移行することが知られている(油脂37(2)45〜52
頁、1984年、)。
また、プロピレングリコールモノエステルとの混晶とし
て得られる安定なα型結晶の脂肪酸モノグリセリドを水
に分散させて、またはそのままパンやケーキ等の製造に
用いて、それらの老化防止その他に効果のあることが報
告されており、さらにパン等の老化防止にはα型結晶の
脂肪酸モノグリセリドがβ型結晶のそれより効果が高い
ことが示されている(ジャーナルアメリカンオイルケミ
ストソサァイアティー40巻12号725〜733頁、1960年)。
〔発明の目的〕
しかしながら、脂肪酸モノグリセリドを油脂に溶解して
それを水と乳化したものは、モノグリセリドが油相にあ
るため油相の融点が上昇して堅くなり、結晶によるザラ
つきがあり、滑らかな可塑性の乳化性油脂が得られな
い。またモノグリセリドの結晶がβ型であると共に油脂
で被われているため、アミロースと結合し難く、老化防
止能、その他の改質能が低いと云う欠点がある。脂肪酸
モノグリセリドを単体もしくは他の物質と混合して、粉
末状にて用いた場合にはモノグリセリドの結晶がβ型の
ため、アミロースの結晶との結合が完全に行なわれず、
そのためでんぷんの結晶化が防止されず、従って製品の
日持ちが悪くボソボソしたものになり易い。
これに対し、α型結晶としてモノグリセリドを結晶の水
分散液として用いた場合には老化防止能、その他の性能
も高いものが得られるが、モノグリセリドの混晶の水分
散液は性状的に不安定で水と混晶の分離を起し易いた
め、製品安定上の問題があると共に使用する上でもまた
水分を多量に含むため微生物の発生が起り、製品保存上
に問題がある。また水を含まない粉状のまま用いた場合
には、融点が高く流動性がないため、製造における取扱
上の困難があると共に製品状態を粉末にするための技術
的困難性と特殊装置を必要とし、コスト的に高価なもの
になる。
以上のような従来の技術の問題点に対して、それを解決
すべく鋭意検討した結果本発明に到達したものである。
〔発明の概要〕
すなわち、本発明は食用油脂中に水相を乳化分散させて
乳化性油脂組成物を製造するに際して、該水相として
(I)炭素数14〜24の脂肪酸基を有する脂肪酸モノグリ
セリド(A)(以下「MGE」と称す)と炭素数14〜24の
脂肪酸基を有するプロピレングリコールモノ脂肪酸エス
テル(B)(以下「PGE」と称す)が、重量比でA:B=1:
0.6〜9に混合して成る混合物を溶解し、該混合物濃度
が5〜60重量%になるように、水またはそれに食塩等を
加えた水溶液又は水分散液と混合分散し、次いで30〜40
℃に冷却してα型結晶を含有する混晶水系分散液を調製
し、(II)該混晶水系分散液を10〜70重量%とし、それ
を動植物油脂または及びそれらの硬化油より成る融点20
〜50℃の食用油脂または乳化した食用油脂に加えて乳化
分散させることにより乳化性油脂組成物を製造する方法
である。
ここに用いる食用油脂は融点20〜50℃、好ましくは30〜
40℃であり、動植物油脂またはそれらの硬化油より選ん
で単独または2種以上を調合したものを用いる。動植物
油脂としては牛脂、ラード、大豆油、ナタネ油、綿実
油、カポック油、サフラワー油、ゴマ油、米糠油、ヤシ
油、パーム油、パーム核油及びこれら動植物油脂並びに
魚油の硬化油等が用いられる。これらの油脂は、本発明
で油脂そのものとしても用いることができるが、油脂に
予め乳化剤等を加え、溶解しても用い得る。また食塩や
脱脂粉乳を溶解した水溶液を予め油脂に加えて乳化して
も用い得る。
またMGEには炭素数14〜24の脂肪酸の単体又は混合脂肪
酸のモノグリセリドとして50%以上含有するものが良
く、より好ましくは90%以上である。モノグリセリドの
含量が50%以下では得られた混晶水分散液中のα型結晶
の安定性が低く、α型からβ型に変り易い。脂肪酸の炭
素数は16〜20がより好ましく、また脂肪酸中には飽和酸
の外に不飽和酸が混入していても使用することができ、
脂肪酸モノグリセリドのヨウ素価として20以下が好まし
く、さらにヨウ素価の低い方がα型結晶が得られ易い。
20以上ではα型結晶を得るのは極めて難しい。
MGEは脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応により得
られた生成物を分子蒸留を行っても得られるが、先に述
べた食用油脂の硬化油をグリセリンとのエステル交換反
応後、蒸留によっても得られる。
またPGEも炭素数14〜24の脂肪酸の単体又は混合脂肪酸
のプロピレングリコールモノエステルを用いるが、炭素
数は16〜20がより好ましく、プロピレングリコールモノ
エステルを60%以上含有していることが必要であり、よ
り好ましくは80%以上である。また脂肪酸は飽和脂肪酸
が好ましいが、不飽和脂肪酸を含んでいてもよく、PGE
のヨウ素価として、10以下が好ましい。10以上である
と、α型結晶が得られ難い。
MGEとPGEの比率はMGE:PGE=1:0.6〜9であり、好ましく
は1:1〜3であり、PEGが0.6以下では得られた混晶水系
分散液におけるα型結晶の安定性が悪く、α型からβ型
へ結晶性が変化し易くなり、9以上ではモノグリセリド
の比率が低く、製菓製パンにおける老化防止性、均一で
きめの細い気孔、容積アップ等の求める性能が得られな
い。
次にMGEとPGEの混晶水系分散液の水相には、水またはそ
れに必要により食塩、食用乳化剤、香料、着色料を加え
た水溶液または水分散液として用いる。食用乳化剤とし
ては食品添加物として許可されているもの、脂肪酸モノ
グリセリド、脂肪酸ポリグリセリンエステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、庶糖脂肪酸エステル、レ
シチン等が挙げられ、その他に卵白、脱脂粉乳、カゼイ
ン、大豆蛋白、小麦蛋白等の蛋白質も用いることができ
る。
またこの水相に用いる水または食塩水または水分散液
(以下これらを「水等」と称す)の量はMGEとPGEと水等
の合計量に対して、重量にて最小40%用いるが、60〜80
%が好ましく、水等が40%以下では混晶水系分散液の粘
度が増加し、製造上好ましくない。また、上記混晶水系
分散液を食用油脂中に乳化分散するに当たっても必要に
より、食用乳化剤、香料、着色料を食用油脂中にまたは
乳化時に加えて用いる。ここに用いる食用乳化剤は上に
掲げた食用乳化剤より少くとも1種を選んで用いる。そ
の使用量は食用油脂に対して0.01〜3.0%(重量)、好
ましくは0.1〜1.0%である。香料、着色料の添加量はそ
の目的に対して適量を加えれば良い。
次に本発明の乳化性油脂組成物の製造方法について述べ
れば、まず混晶水系分散液を製造する方法は、所定の重
量比のMGEとPGEを容器(A)に仕込み、加熱して溶解す
る。溶解温度は出来る限り低い方が良いが、少くとも60
℃〜70℃に加熱する。別容器(B)に水等を入れ、容器
(A)の内容物と大体同じ温度に加熱する。MGEとPGEの
混合物と水等との混合分散方法は容器(A)に水等を加
えても良く、また逆に容器(B)にMGEとPGEの混合物を
加えても良い。撹拌には特殊な撹拌機を必要とせず、加
えられる容器の内容物を撹拌しながら他方の容器の内容
物を加える。撹拌には例えばプロペラ型撹拌羽のついた
撹拌機にて10〜1000RPMにて0.1〜2時間撹拌すれば良
い。撹拌は均一になった時点を終点とし、その後0.5〜1
0時間かけて30〜40℃に冷却する。冷却後の温度は用い
たMGE、PGEの融点等の性状並びにMGEとPGEの混合物の融
点等の性状により決ってくる。例えば90%以上の純度を
持つステアリン酸のMGEとPGEを1:1で用いた場合は、最
初の加熱温度70℃とした場合、冷却後の温度は40℃であ
り、40℃以下にした方がより好ましい結果が得られる。
以上のようにして、MGEとPGEの混合物をα型結晶として
含んだ混晶水系分散液が得られる。水ゐ加える食塩等は
上に述べたものが用いられる。このようにして得られた
混晶水系分散液を上記の単体または混合物として融点20
〜50℃の食用油脂に加え、撹拌し乳化する。混晶水系分
散液の乳化に際して、食用油脂の温度は70℃以下、好ま
しくは40℃以下で加えるのが良い。
また食用油脂中には予め必要により食用乳化剤を加え、
均一に溶解または分散しておくこともできる。また、製
品としての乳化性油脂組成物に必要とする水分が、混晶
水系分散液より供給される量より足りない時には、水ま
たは食塩等を加えた水相を予め食用油脂に加えて乳化し
ておくか、その全量を混晶水系分散液に予め加え均一化
した後食用油脂に加えることもできる。混晶水系分散液
を食用油脂に均一に乳化分散後にボテーターを通して冷
却しながら安定な乳化状態にする、または食用油脂に水
等を加えて乳化させ、それを次いでボーテーターに通
し、その通過の途中又は通過後混晶水系分散液を加えて
乳化させてもよく、目的の乳化性油脂組成物が得られ
る。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
試験例1 まずMGEとPGEの混晶水系分散液の調製を行った。MGEとP
GEとして次のものを用いた。MGE(1):ステアリン酸
モノグリセリド88%、パルミチン酸モノグリセリド12%
を含有。PGE(1):ステアリン酸プロピレングリコー
ルモノエステル99.1%(理研ビタミンKK製、商品名「PS
100」)。
MGE(1)、PGE(1)、水の混合比を表−1の様にし
て、混晶水系分散液を次の様に調製した。容器(A)に
所定量のMGEとPGEを仕込み、70〜75℃に加熱して溶解す
る。別に容器(B)に表−3に示す食塩を水に溶解した
食塩水(9〜17%濃度)を仕込み、それを70〜72℃に加
熱しておき、容器(A)に容器(B)の食塩水を撹拌し
ながら加える。撹拌はプロペラ型撹拌機を用い、150〜2
00rpmで10分間撹拌し、均一に混合した後40℃に冷却す
る。40℃で30分間撹拌して混晶水系分散液を得る。
試験例1〜14の組成と試験結果を表−1に示す。
試験方法は次の通り。
i)均一性:100ccのメスシリンダーにサンプル100ccを
採取し、30℃に1時間静置した後肉眼で次の基準により
判定した。
◎:全く水と結晶が分離しない。
○:水が若干分離している。
△:水がかなり分離している。
×:水と結晶がほとんど分離している。
ii)粘度:B型粘度計を用い30℃で測定。
iii)β型結晶生成量(%):赤外線法により11.77μm
と12.05μmにおける吸光度を測定し、次の式により算
出した。
A:12.05μmにおける吸光度 B:11.77μmにおける吸光度 C:脂肪酸モノグリセリドのモル数 D: 〃 〃 のβ型の割合(%) 表−1の結果、混晶水系分散液としてMGEとPGEの合計量
の濃度は、液状で粘度の低い水系分散液を得るには60%
以下であり、水相として40%以上必要である。また、MG
EとPGEの比率は1:0.5(試験例NO.5)ではα型結晶が得
られず、1:0.67(同NO.4,8,12)で十分ではないがα型
結晶が得られ、1:0.6以上を必要とする。
実施例、比較例 表−2に示すMGEとPGEを用いて表−3の実施例1〜8、
比較例1〜2、4〜6に示す配合組成で混晶水系分散液
(1系)を調製し、さらにその全量を用いて表−3の組
成のマーガリンを調製した。マーガリンの調製方法は次
のように行った。表−3に示す4種の食用油脂に庶糖脂
肪酸エステル、レシチンを加え、75℃に加熱しよく混合
したのち、それに表−3のII系に示す脱脂粉乳と水の全
量を用いて得られる脱脂粉乳水溶液を加え乳化する。乳
化後40℃に冷却し、それに40℃の混晶水系分散液を加
え、撹拌乳化させる。さらにそれに香料を加え、40℃で
0.5時間撹拌後ボテーターに通し、マーガリンを得た。
上で得たマーガリンを用いて食パンを70%中種生地法に
て焼成し、得られた食パンにつきテストを行った。
比較例3として、表−3に示すMGE:PGE=3.8:6.2の混合
物105部を、牛脂85部、大豆硬化油(MP35℃)508部、パ
ーム油85部と綿実油170部にレシチン10部と庶糖脂肪酸
エステル1部と共に加え、加熱混合しておき、それに脱
脂粉乳5部を加え溶解した水分散液35部を加え、70℃に
て乳化分散させた後、60℃に冷却後香料を加え、ボーテ
ーターに通して得られたマーガリンを用いて、食パンを
焼成した。中種生地の組成を表−4に示す。また表−3
で得られたマーガリンの性状及び焼成した食パンの性状
を表−5に示す。
イ)中種の製造 表−4の中種の組成物をカントーたて型ミキサー10コー
トに入れ、低速(140RPM、以下同じ)で3分間、次いで
高速(280−290RPM、以下同じ)で1分間捏上温度24.5
℃にてミキシングした後、4時間発酵させ、終了時温度
29.5℃にて中種を得る。
ロ)生地の製造 イ)で得た中種全量に表−4の生地の組成のうち乳化油
脂組成物を除く原材料のすべて640部を加え、イ)と同
じ、ミキサーで、低速で2分間、高速で2分間ミキシン
グ後、乳化性油脂組成物60部を加え、さらに低速2分
間、高速で5分間ミキシングし、捏上温度27℃の生地を
28±1℃で20分間静置(フロアータイム)し、次いで45
0gに分割して、28±1℃で20分間ねかす(ベンチタイ
ム)。次いで、ワンローフに成型し、それを38℃、85%
RHのホイロ中に45分間入れたのち、220℃で40分間焼成
を行い、冷却後食パンをポリエチレン袋に密封して、試
験に供した。
表−5の実施例1〜8、比較例1〜6に用いた乳化性油
脂組成物及びそれを用いて焼成した食パンの性状の試験
方法は次の通りである。
試験方法 a)製品状態:製品化直後の製品を採り、触感により、
なめらかさ、結晶によるザ ラつきを次の基準により判定した。
○:なめらか △:やゝザラつく ×:ザラつき多い b)乳化性:製品化後30℃に24時間放置し、光学顕微鏡
で観察し、エマルジヨンの均一性を次の基準により判定
した。
○:均一な乳化 △:やゝ分離が見られる。
×:かなり分離が見られる。
c)針入度:AOCS Method Cc16−60に準じてペネトロ
メーターを用いて10、20、30℃で測定した。
d)パン容積:パンを箱に入れ、空間に菜種を詰めて、
パンの容積を求めた。
e)Compressibility:AACCBaker′s Compressimerer
を用い、焼上後1日目および4日目のスライスした食パ
ンの上、中、下部の3点における、2mm、4mm変形するに
要する力を測定し、平均値で示した。
実施例9 (1)撹拌機を設置した容器に10%食塩水210部を仕込
み、70℃に加熱しておく、それにMGE(表−2のMGE−
4)、PGE(表−2のPGE−4)を重量比にMGE:PGE=1:
2.2より成る混合物90部を70℃に加熱して加え、0.5時間
撹拌し分散させる。水系分散液を冷却し、40℃にて1時
間撹拌してMGEの安定なα型結晶を含む水系分散液を得
た。
(2)牛脂(MV41℃)64部、大豆硬化油(MP35℃)380
部、パーム油(MP39℃)64部綿実油126部より成る食用
油脂634部に、ショ糖エステル1部を加えて75℃に加熱
溶解しておき、それに脱脂粉乳0.5部を溶解した10%食
塩水60部50℃にして加え、撹拌し乳化分散させる。得ら
れた乳化油脂をボテーターに通し、冷却した後25〜30℃
にて(1)で得た水分散液を加え、混練し、目的の乳化
性油脂組成物を得た。
実施例10 (1)撹拌機を付した容器に10%食塩水180部を仕込
み、70℃に加熱しておく。それにMGE(表−2のMGE−
3)、PGE(表−2のPGE−2)を重量比にてMGE:PGE=
1:2.5より成る混合物120部を70℃にして加え、0.5時間
撹拌し分散させる。水系分散液を冷却し、さらに40℃に
て1時間撹拌して安定なα型結晶の水系分散液を得た。
(2)牛脂(MP41℃)64部、大豆硬化油(MP35℃)380
部、パーム油(MP39℃)64部、綿実油126部より成る食
用油脂634部にショ糖エステル1部を加え、75℃に加熱
分散しておき、それに脱脂粉乳5部を溶解した水溶液50
部を75℃にして加え、撹拌し乳化分散させ40℃に冷却
後、さらに0.5時間撹拌する。
(3)(2)で得られた乳化油脂に(1)で得られた水
系分散液を加え、35〜40℃にて撹拌し、よく混合後ボテ
ーターを通し製品を得る。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明の乳化油脂組成物の製造方法
は、炭素14〜24の脂肪酸基を有する脂肪酸モノグリセリ
ド(A)と、炭素数14〜24の脂肪酸基を有するプロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル(B)が重量比にてA:
B=1:0.6〜9より成る混合物を40℃以下にてα型結晶を
含む混晶の水系分散液としたのち、油脂中に乳化分散さ
せることにより、α型結晶の多い可塑性の乳化油脂とし
て、結晶によるザラツキの少い滑らかなマーガリンが製
造でき、そのマーガリンを用いて製造した食パン等はパ
ン容積の高い、細い気孔を持ち、さらに焼成後堅くなり
難く、日持ちの良い食パン等が得られるという効果を有
する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食用油脂中に水相を乳化分散させて乳化性
    油脂組成物を製造するに際して、該水相として(I)炭
    素数14〜24の脂肪酸基を有する脂肪酸モノグリセリド
    (A)と炭素数14〜24の脂肪酸基を有するプロピレング
    リコールモノ脂肪酸エステル(B)が、重量比でA:B=
    1:0.6〜9に混合溶解して成る混合物を、該混合物濃度
    が5〜60重量%になるように水またはそれに食塩等を加
    えた水溶液又は水分散液と混合分散させ、次いで30〜40
    ℃に冷却してα型結晶を含有する混晶水系分散液を調製
    し、(II)該混晶水系分散液を10〜70重量%となるよう
    に動植物油脂または及びそれらの硬化油より成る融点20
    〜50℃の食用油脂に加えて乳化分散させることを特徴と
    する乳化性油脂組成物の製造方法。
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