JPH0682398A - X線回折分析装置 - Google Patents

X線回折分析装置

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JPH0682398A
JPH0682398A JP3756993A JP3756993A JPH0682398A JP H0682398 A JPH0682398 A JP H0682398A JP 3756993 A JP3756993 A JP 3756993A JP 3756993 A JP3756993 A JP 3756993A JP H0682398 A JPH0682398 A JP H0682398A
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rays
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智也 新井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回折X線分析において、X線を分光する際の
強度の低下を防止して、回折X線の強度を強くして、分
析精度の向上を図る。 【構成】 X線源PからのX線を人工多層膜格子1によ
り単色化させるとともに、試料2にほぼ平行に入射させ
る。人工多層膜格子1は、X線源Pから入射角θで入射
したX線B1を反射面1aにおいて、回折面θで回折し
て単色化する。この人工多層膜格子1における格子面間
隔の周期dは、反射面1aの表面に沿って連続的に大き
くなるように設定されている。上記周期dは、X線源P
との関係では、X線源Pから矢印10のように遠ざかる
に従い大きく設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、試料にX線を入射さ
せ、このX線が回折される回折角から試料の格子の構造
を知るX線回折分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線回折分析は、ほぼ平行なX線を試料
に照射し、試料を回転させながら、試料において回折さ
れた回折X線を検出し、ブラッグの式に基づいて、試料
を構成する物質の格子面間隔を知ることで、試料の分析
を行うものである。かかるX線回折分析の1つとして、
分析精度を向上させる目的で、試料に単色化したX線を
照射する方法が知られている。この一例を図8に示す。
【0003】図8において、湾曲型の分光結晶50は、
X線源Pから入射したX線B1を反射面51において回
折し、単色化した第1の回折X線B2を試料2に向って
反射する。上記第1の回折X線B2は、集光点Qに集っ
た後、再び発散して試料2に入射し、この試料2で再び
回折されてX線検出器3に入射する。上記試料2とX線
検出器3は、1:2の角速比で回転され、第2の回折X
線B6が検出される回折角から、試料2の物質の構造を
知ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、試料2の組成
は、その分析箇所により、多少のばらつきがあるのに対
し、上記従来技術では、集光点Qに集った後の発散した
第1の回折X線B2を試料2に照射することにより、あ
る程度広い範囲(たとえば1cm角〜2cm角程度)の
分析を可能にしている。しかし、第1の回折X線B2
は、一度集光した後に、広がるので、光路が長くなるの
は避けられず、そのため、図8の紙面に直角な方向Zに
も拡がるので、X線強度が低下する。したがって、分析
精度が低下する。
【0005】ところで、この種の光学系では、X線源P
から湾曲型の分光結晶50に入射する発散X線B1の発
散角Ωoと、集光点Qに集まる第1の回折X線B2の束
が収束する角度(以下、「収束角」という。)Ωが等し
くなる。そのため、分光後の第1の回折X線B2をほぼ
平行な所定の小さな収束角Ωで試料(図示せず)に照射
する必要があるX線回折分析の場合には、X線B1の発
散角Ωoも小さくする必要がある。したがって、試料に
入射する回折X線B2の強度が弱くなり、やはり、分析
精度を向上できないなどの原因となる。
【0006】この発明は、上記従来の問題に鑑みてなさ
れたもので、X線を分光する際の強度の低下を防止し
て、回折X線の強度を強くすることにより、分析精度の
向上を図り得るX線回折分析装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の、この発明の構成および原理を、第1実施例を示す図
1を用いて説明する。図1において、人工多層膜格子1
は、X線源Pから入射角θで入射したX線B1を反射面
1aにおいて、回折角θで回折して単色化する。この人
工多層膜格子1は、その格子面間隔の周期dが、反射面
1aの表面に沿って連続的に大きくなるように設定され
ており、発散した状態のままで、かつ、発散角Ω0 を小
さくして第1の回折X線B2を試料2に入射させる。上
記周期dは、X線源Pとの関係では、X線源Pから矢印
10のように遠ざかるに従い大きく設定されている。第
1の回折X線B2は、試料2における仮想の曲面2bで
回折されて、第2の回折X線B6としてX線検出器3に
入射する。上記試料2およびX線検出器3は、ゴニオメ
ータ6により、それぞれ1:2の角速比で回転される。
ここで、人工多層膜格子1における反射面1aの縦断面
の形状は、下記の(1)式で表される極座標により設定
されているのが好ましい。
【0008】
【数2】
【0009】上記X線源PからX線検出器3までの光路
には、X線B1,B2,B6を単色化する分光結晶を挿
入するのが好ましい。
【0010】
【作用】X線の回折条件は、周知のように下記のブラッ
グの式で与えられる。 2d・sinθ=nλ θ:入射角、回折角 λ:X線の波長 n:反射の次数 入射X線B1と回折X線B2のなす角(以下、「反射
角」という。)をΨN (図面では、Ψ1 ,Ψ2 を代表し
て示す。)とすれば、上記ブラッグの式は、下記の
(2)式で表される。 2d・sin{(π−ΨN )/2}=nλ…(2) 更に、この(2)式は下記の(3)式に変換できる。 2d・cos(ΨN /2)=nλ…(3)
【0011】この(3)式より、周期dが大きくなる
と、つまり、X線分光素子1においてX線源Pから遠い
反射点では、反射角ΨN が大きくなり、Ψ1 <Ψ2 とな
る。今、ΔPL1 1 とΔQ1R1 1 に注目すると、
Ω0 =−Ψ1 +角Q1O1 1であり、一方、Ω2 =Ψ
2 −角Q1O1 1 であるから、Ψ1 ,Ψ2 および角Q
1O1 1 を適当な値に設定することで、仮想上の集光
点Q1に集まる仮想上の収束角(発散角)Ω2 が発散角
Ωoよりも小さくなる。したがって、大きな発散角Ωo
で人工多層膜格子1に向って出射されるX線B1を小さ
な仮想上の収束角(発散角)Ω2 で試料2に入射させる
ことができるから、回折X線B2の強度の低下を抑制し
て、従来よりも強度を大きくすることができる。
【0012】ここで、X線回折分析では、以下の理由か
ら、人工多層膜格子1で回折された第1の回折X線B2
を、発散した状態で試料2に入射させる必要がある。す
なわち、X線検出器3に入射する第2の回折X線B6を
X線検出器3において収束させて、検出するX線の強度
を向上させる必要があり、そのためには、試料2の仮想
上の曲面2bで回折されるX線B2が、発散した状態で
試料2に入射する必要がある。また、試料2の組成は、
その位置により、多少のばらつきがあるので、十分な精
度で分析を行うには、試料2に対し、ある程度の広い範
囲に第1の回折X線B2を照射する必要があり、そのた
めには、やはり、仮想上の収束角(発散角)Ω2 が1°
程度の発散した状態で、第1の回折X線B2を試料に入
射させる必要がある。
【0013】これに対し、この発明は、人工多層膜格子
1がX線源Pからの大きな発散角Ωoで、出射されたX
線B1を回折させるとともに、発散した状態のままで、
かつ、発散角Ω2 を小さくして第1の回折X線B2を試
料2に入射させるので、試料2の広い範囲について分析
ができるとともに、発散角Ω2 を小さくした第2の回折
X線B6をX線検出器3に入射させることができるか
ら、分析の精度が著しく向上する。
【0014】ところで、人工多層膜格子1における格子
面間隔を表面に沿って変化させた先行技術としては、特
開昭63−61200号公報、R.K.Smither 「 New met
hodfor focusing x rays and gamma rays」REVIEW OF S
CIENTIFIC INSTRUMENTS.VOL.53(2), Feb.1982, Ameri
can Institute of physics がある。しかし、いずれ
も、第1の回折X線B2が、発散した状態のままで、か
つ、発散角を小さくするものではなく、収束ないし平行
な状態である点において、この発明とは異なり、そのた
め、広い分析面積を必要とする試料2においては、従来
例で述べたように、第2の回折X線B6の光路が長くな
るので、X線の強度が低下する。したがって、十分な分
析精度が得られない。
【0015】また、特開平4−169898号公報(本
願の先の出願後に出願公開されたもの)には、人工多層
膜格子における格子面間隔を表面に沿って変化させ、こ
のような人工多層膜格子をX線回折分析に適用できる旨
の開示がなされている。しかし、この先行技術の人工多
層膜格子は、反射面が回転放物面になっており、平行光
線を焦点に集光させるもので、同様に、第1の回折X線
B2が収束している点においてこの発明とは異なり、そ
のため、X線回折分析に用いても、分析精度が十分に向
上しない。
【0016】ところで、格子面間隔の周期dが一定であ
る一般の分光結晶においては、ヨハン型分光器、ヨハン
ソン型分光器およびログ・スパイラル型分光器が知られ
ている。これらの分光器のうちヨハン型分光器は、その
性能上、結晶の長さが短い場合にのみ用いられ、一般
に、ヨハンソン型分光器およびログ・スパイラル型分光
器が用いられている。しかし、ヨハンソン型分光器は、
結晶の一部を研磨するので、格子層の極く薄い人工多層
膜格子1には、適用することは困難である。したがっ
て、この発明のX線回折分析装置においては、ログ・ス
パイラル型分光器を用いるのが好ましい。
【0017】ここで、図2において、一般のログ・スパ
イラルの式は、反射面1aのいずれの点においても入射
角θN が等しくなるから、下記の(4)式で与えられ、
したがって、傾角φにおけるX線源Pから反射面1aま
での距離(動径)rは、下記の(5)式で表される。
【0018】
【数3】
【0019】一方、この発明では、人工多層膜格子1の
反射面1aにおけるX線源Pから遠い点程、格子面間隔
の周期dが大きくなるので、人工多層膜格子1への入射
角θN が小さくなる必要がある。そこで、この発明者
は、人工多層膜格子1の反射面1aの断面形状について
鋭意研究を重ねたところ、図2の傾角φが大きくなるに
従い、動径rが(5)式で与えられるrよりも大きくな
れば、入射角θN が小さくなることを発見し、請求項2
の発明を完成した。つまり、前述の(1)式のように、
動径rを傾角φの高次の指数関数で表すことにより、傾
角φが大きくなるに従い、入射角θN が小さくなる。よ
って、上記(1)式で表される極座標により、この発明
のX線回折分析装置に適用する人工多層膜格子1を得る
ことができる。
【0020】ところで、人工多層膜格子1は、その格子
面間隔が大きく、かつ、その周期がばらつくのは避けら
れず、単結晶よりもエネルギの分解能が低い。これに対
し、請求項3の発明のように、図1のX線源PからX線
検出器3までの光路に分光結晶を挿入することにより、
分解能の回復を図ることができるから、より一層分析精
度が向上する。なお、このように、分光結晶を挿入する
ことでX線の強度が若干低下する。しかし、たとえば、
Ω0 =10Ω2 に設定すれば、分光結晶において、1/
2倍〜1/5倍程度にX線強度が低下しても、従来より
もX線強度が向上する。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面にしたがって
説明する。図1は、この発明の第1実施例を示す。図1
において、人工多層膜格子1の反射面1aは緩やかな凹
面で形成されている。この実施例の場合、試料2および
試料2で回折された第2の回折X線B6を検出するX線
検出器(図示せず)は、試料表面2aを中心としてゴニ
オメータ6により、1:2の角速比で回転される。X線
検出器3は、試料2において回折された第2の回折X線
B6を検出する。これにより、試料2に入射する回折X
線B2の入射角を演算して、試料2の格子面間隔の周期
を知ることで、試料2の分析がなされる。なお、試料2
は粉体を加圧成形したものである。その他の構成は、上
記手段において述べた構成と同様であり、同一部分また
は相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明を省略
する。
【0022】試料2に入射する回折X線B2の束の仮想
上の集光点をQ1とすると、仮想上の集光点Q1に集ま
る仮想上の収束角(発散角)Ω2 は、回折X線B2を平
行光線に近いものとする必要があることから、1°程度
に設定される。したがって、通常の単結晶からなる平板
結晶では、X線源Pからの発散角Ωoも1°程度に設定
する必要があるから、回折X線B2のX線強度を十分に
大きくすることができない。これに対し、この実施例で
は、人工多層膜格子1における格子面間隔の周期dを反
射面1aの表面に沿って、X線源Pから遠ざかるに従い
連続的に大きく設定したので、前述の[作用]の項で述
べたと同様に仮想上の収束角(発散角)Ω2 よりも発散
角Ωoが大きくなる。たとえば、発散角Ωo=10°に
対し、収束角Ω2 =1.0°程度にすることができ、し
たがって、Ω2 =1°に保ったままで、回折X線B2の
強度を従来よりも強くしうる。その結果、分析精度が向
上する。
【0023】つぎに、X線分光素子1の格子面間隔の周
期dの決定方法について説明する。まず、仮想上の収束
角Ω2 を決定するとともに、用いる単色光(回折X線)
B2の波長λを決定する。ついで、人工多層膜格子1の
両端の反射角Ψ1 およびΨ2を定め、両端のL1 点およ
びR2 点における周期d1 およびd2 を定める。L1
およびR1 点の間については、ブラッグの式における入
射角θの値が一般に小さいことから、近似的にリニアに
変化させれば、十分な精度で、回折X線B2の波長がほ
ぼ一定の値になる。
【0024】つぎに、人工多層膜格子1の反射面1aの
断面形状について説明する。図2において、反射面1a
の断面形状は、たとえば、下記の(6)式により設定さ
れている。
【0025】
【数4】
【0026】上記のように、動径rを傾角φの高次の指
数関数で表すことにより、この発明に用いる人工多層膜
格子1の反射面1aの凹面が得られるのであるが、この
とき、格子面間隔の周期dは、リニアに変化させればよ
いから、以下のような製造方法により、人工多層膜格子
1を容易に得ることができる。
【0027】図3は第2実施例を示す。この第2実施例
では、試料2からX線検出器3までの光路に、分光結晶
9が挿入されている。この分光結晶9は、第2の回折X
線B6を単色化するもので、可動板12によりX線検出
器3と一体になっており、ゴニオメータ6により、試料
2の2倍の角速比で回転される。
【0028】このように、分光結晶9により第2の回折
X線B6を単色化すれば、前述の〔作用〕の項で述べた
ように、人工多層膜格子1の分解能の低い欠点を補うこ
とができ、分析精度をより一層向上させることができ
る。
【0029】なお、上記第2実施例において、分光結晶
9はX線源Pと人工多層膜格子1との間などに挿入して
もよい。つまり、分光結晶9は、X線源PからX線検出
器3までのX線B1,B2,B6の光路に挿入すればよ
い。
【0030】図4は、この発明の第3実施例を示す。図
4において、X線源Pと人工多層膜格子1との間のX線
B1の光路には、X線用ハーフミラー20が挿入されて
いる。このX線用ハーフミラー20は、X線源Pからの
X線B1の一部B11を、一点鎖線で示すように全反射
させて、波長が長いX線B11の成分を減少させるとと
もに、波長の短いX線を透過させる。このX線用ハーフ
ミラー20は、たとえばポリプロピレン(密度:約1g
/cm3)や、ポリエステル(密度:約1.3g/cm3
のような密度(比重)の小さい樹脂膜の反射面20a
に、アルミのような軽金属からなるコーティング(厚
さ:200Å)を設けてなる。
【0031】この実施例では、発散角Ωoが10°程度
に設定されており、図4のX線用ハーフミラー20に入
射するX線B1の入射角βを一定にするために、X線用
ハーフミラー20がログスパイラル状(対数螺旋状)に
曲げられている。なお、X線用ハーフミラー20への入
射角βは、Ti,FeおよびNiを分析元素とする場
合、たとえば0.22°程度に設定される。ログスパイ
ラル状のX線用ハーフミラー20は、下記の(7),
(8)式により、その反射面20aの形状が決定され
る。
【0032】
【数5】
【0033】ところで、図4の人工多層膜格子1は、分
光結晶よりも格子面間隔の周期dが大きいので、前述の
ブラッグの式から分るように入射角θが小さくなる。そ
のため、人工多層膜格子の表面で、波長の長いX線B1
が全反射され、この全反射された連続X線が第1の回折
X線B2と共に試料2に入射する。この波長の長い連続
X線は、第2の回折X線B6のバックグラウンドとなっ
て、分解能(S/N比)を低下させ、したがって、極く微量
の不純物については正確に分析できないという欠点が生
じる。
【0034】これに対し、この第3実施例においては、
X線用ハーフミラー20がX線源PからのX線B1のう
ち波長の長いX線B11を一点鎖線のように全反射させ
て、波長の長いX線B11の成分が減少ないし除去され
たX線B1が人工多層膜格子1に入射する。そのため、
波長の長いX線を全反射するおそれのある人工多層膜格
子1を用いていても、第2の回折X線B2には、波長の
長い成分が殆んど含まれていない。したがって、X線検
出器3にも、連続X線が殆ど入射しないので、分析精度
が著しく向上する。
【0035】ところで、上記実施例では、図4のX線用
ハーフミラー20をX線源Pと人工多層膜格子1の間の
X線の光路に挿入した。しかし、この発明では、X線用
ハーフミラー20を、たとえば、試料2とX線検出器3
との光路に挿入して、第2の回折X線B2のうちの波長
の長いX線の成分を全反射させて減少させてもよい。
【0036】つぎに、上述の人工多層膜格子1の製造方
法の一例を図6を用いて説明する。まず、たとえばシリ
コンウエハのような平坦な面を有する基板1bを用意
し、その右端1Rの真下あたりに、タングステンからな
る蒸着用基材6wおよびシリコンからなる蒸着用基材6
siを設置する。つづいて、図6(a)のように、タング
ステンの蒸着用基材6wを真空中で蒸発させ、基材1b
の表面にタングステン薄膜1wを形成させる。ついで、
図6(b)のように、シリコンの蒸着用基材6siを真空
中で蒸発させ、タングステン膜1wの上にシリコン薄膜
1siを真空蒸着させる。このタングステンとシリコンの
蒸着を交互に繰り返すことにより、図6(c)の人工多
層膜格子1が得られる。
【0037】ここで、図6(a),(b)の蒸着用基材
6w,6siは、共に、右端1Rの真下に設置してあるか
ら、各薄膜1w,1siは、右端1Rにおいて厚くなり、
左端1Lにおいて薄くなる。したがって、図6(c)の
ように、右側に行くに従い、格子面間隔の周期dN が反
射面1aの表面に沿って連続的に大きくなる。なお、反
射面1aは、若干凸面状になるが、人工多層膜格子1を
曲げることで凹面にする。
【0038】つぎに、人工多層膜格子1の製造方法の他
の例について図7を用いて説明する。この例は、ケミカ
ルベイパーディポジョンと呼ばれる方法を用いており、
その要点のみを説明する。図7において、シリコンウエ
ハからなる基板1bの下面に微小なスリット7aを有す
るマスク7を水平方向に移動自在に設置する。マスク7
の下方にはガリウムGaの化合物と、ひ素Asの化合物
の混合気をガス室8内に密閉する。マスク7を左側へ徐
々に移動させるとともに、ガス室8から排気を行いつ
つ、インジウムInの化合物をガス室8に供給する。こ
れにより、直径が互いに異なる原子から薄膜が形成され
るとともに、基板1bに付着するIn-Ga-As化合物のガリ
ウムとインジウムの割合が右端1Rから左端1Lに行く
に従い徐々に変化した状態 (InxGa1-XAs) となり、たと
えば、右端1Rの格子面間隔の周期d2 が左端1Lの周
期d1 よりも大きくなる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項の発明に
よれば、人工多層膜格子の格子面間隔の周期が反射面の
表面に沿ってX線源から遠ざかるに従い連続的に大きく
なるように設定されており、かつ、この人工多層膜格子
により、ほぼ平行に近い発散した状態の第1の回折X線
を試料に入射させるので、分析の精度が向上する。
【0040】また、請求項2の発明によれば、人工多層
膜格子の格子面間隔の周期をリニアに変化させればよい
から、人工多層膜格子の製造が容易になる。
【0041】一方、請求項3の発明によれば、人工多層
膜格子の他に分光結晶を挿入したので、分解能の低い人
工多層膜格子の欠点を補って、分析精度をより一層向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示すX線回折分析装
置の概略構成図である。
【図2】人工多層膜格子の反射面の形状を示す側面図で
ある。
【図3】同第2実施例を示すX線回折分析装置の概略構
成図である。
【図4】同第3実施例を示すX線回折分析装置の概略構
成図である。
【図5】ハーフミラーの形状を示す側面図である。
【図6】人工多層膜格子の製造方法の一例を示す工程図
である。
【図7】同他の例を示す正面図である。
【図8】一般的な分光器を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1…人工多層膜格子、1a…反射面、2…試料、3…X
線検出器、6…ゴニオメータ、9…分光結晶、B1…X
線、B2…第1の回折X線、B6…第2の回折X線、d
N …周期、P…X線源。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格子面間隔の周期が反射面の表面に沿っ
    てX線源から遠ざかるに従い連続的に大きくなるように
    設定されて、上記X線源からのX線を回折させて単色化
    するとともに、発散した状態のままで、かつ、発散角を
    小さくして第1の回折X線を試料に入射させる人工多層
    膜格子と、 上記試料で回折された第2の回折X線が入射するX線検
    出器と、 上記試料およびX線検出器を1:2の角速比で回転させ
    るゴニオメータとを備えたX線回折分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、人工多層膜格子にお
    ける反射面の縦断面の形状が、下記の(1)式で表され
    る極座標により設定されているX線回折分析装置。 【数1】
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記X線源からX線
    検出器までの光路には、X線を単色化する分光結晶が挿
    入されているX線回折分析装置。
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