JP2530029B2 - 多層膜分光器 - Google Patents

多層膜分光器

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願発明は、必要とする帯域のX線を分光するのに好
適な多層膜分光器に関する。
〔従来の技術〕 近年、電子蓄積リング(SOR)やレーザープラズマ光
源の開発に伴い、真空紫外から数Å程度の範囲の波長の
X線を利用した製品開発や科学研究が盛んになってきて
いる。それに従い、白色のX線光源から必要とする帯域
の波長のX線を分光して利用する機会が多くなってきて
いる。この為の分光器としては、数Å以下の波長のもの
に対しては結晶分光器が利用され、数Å以上の波長に対
しては凹面回折格子が利用されることが多い。
結晶分光器としては、例えば第14図に示したような、
分光と結像を兼ねた湾曲結晶モノクロメーターや、第15
図に示したような、裾引のない(tailless)角分布のX
線束を得るために多重回の対称反射を起こさせる逐次的
対称反射型の結晶モノクロメーターがある。尚、第14図
において、1は結晶から成る凹面回折格子、2はローラ
ンド円(回折格子の凹面の曲率半径を直径とし、該凹面
の中央で接する円)であって、X線源がローランド円2
内にあると回折後のX線はローランド円2の円周上に結
像する性質がある。又、第15図において、互いに平行に
配置された長短の結晶から成る平板状の回折格子であ
る。
これらの分光器の波長分解能λ/Δλは、スリットと
の組合わせで本体104程度である。これらの分光器にお
いて、使用する波長,光源(X線源)及び焦点の位置関
係はブラッグ条件で規定される。即ち、光源から回折格
子の結晶面への斜入射角と回折角をθ、分光するX線の
波長をλ、結晶の格子間隔をdとすると、周知のブラッ
グ条件 nλ=2d sin θ(nは正整数) ……(1) を満足する。そして、第14図のような湾曲結晶モノクロ
メーターの場合には、波長,光源の位置,焦点の位置が
式(1)の関係を満たし、且つ光源の位置と焦点の位置
がローランド円2上に位置している。従って、波長を変
えて分光するときは、光源の位置と焦点の位置をローラ
ンド円2上で移動させる。一方、第15図のような逐次的
対称反射型の結晶モノクロメーターの場合も各回折面で
式(1)の関係を満足していて、特定の波長に対して、
光線の入射角と射出角が決定される。
又、表面に格子溝を設けて成る凹面回折格子を初めと
する回折格子も、式(1)と同様な関係式がある。即
ち、波長λの光が入射角αで入射するとき、m次の回折
光の回折角βは、格子溝間隔dに対して次式で与えられ
る。
mλ=d(sin α+sin β) ……(2) このような凹面回折格子の場合も、式(2)の条件を
満足しつつ、入射スリット(光源)と射出スリット(焦
点)がローランド円上に位置している。波長分解能λ/
Δλは、詳細に論理的に考察されている(T.Namioka Jo
urnal of the Optical Society of America Vol 49,No.
5,(1959)446参照)。
となる。但し、 ここで、Rは凹面回折格子の曲率半径である。そし
て、R=1000mm,λ=40.5Å,α=88゜,β=−80゜,d
=1/3600mmの場合には、λ/Δλ4×104と計算され
るが、実際には入射スリットなどの影響でλ/Δλ=10
2〜103程度となる。
又、この他に第16図に示した如き軟X線多層膜反射鏡
の開発が進み、この軟X線多層膜反射鏡も分散素子とし
ての性能を有しているので、分光素子として利用する動
きもある。この多層膜反射鏡は、基板5上に層厚d1の物
質aの層と層厚d2の物質bの層から成る厚さdの層対を
多数積層して形成して成るものである。図中、6は入射
スリット、ψは入射角、7は反射点、8は射出スリット
である。
ここで、物質a,bの組合わせとしてW(タングステ
ン)/C(炭素)を選び、128層対,入射角45゜とした場
合の波長に対する反射率依存性(T.Namioka Revue Phy
s.Appl.Vol.23(1988)1711〜1726参照)を第17図に示
す。この図によれば、λ/Δλ60程度の波長分解能を
有していることが分かる。大体この値は格子線数が600
本/mm程度の市販の凹面回折格子の分光器の波長分解能
に相当する。
ところで、従来の湾曲結晶モノクローメーター或は凹
面回折格子を用いたX線分光器においては、光源或は入
射スリット,焦点或は射出スリット,回折面の位置が常
にローランド円上にあり、且つ上記条件式(1)或は
(2)を満たす必要がある。
従って、これらの分光器は、分光する波長が変わる
と、光源,回折面,焦点の位置をローランド円上で移動
させて条件式(1)或は(2)を満たすようにその都度
調整する必要がある。そして格子溝形の凹面回折格子を
有するものの調整方式としては、例えば第18図に示した
如く、スリットS1,S2を固定しておいて、これらが常に
ローランド円上に位置するように凹面回折格子Gを回転
させる方式(定偏角トロイダル回折格子モノクローメー
ター光学系)や、第19図に示した如く、検出側のスリッ
トS1を固定しておいて、ローランド円が常にスリット
S1,S2を通るように凹面回折格子G及び入射側のスリッ
トS1を動かす方式(ボダール・モノクロメーター)や、
第20図に示した如く、入射側のスリットS1及び凹面回折
格子Gを固定しておき、検出側のスリットS2をローラン
ド円に沿って動かす方式(ランドン・モノクロメータ
ー)がある。又、湾曲結晶モノクロメーターの場合も同
様な調整方式が採用される。第18図乃至第20図におい
て、αは入射角、βは回折角である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記調整方式のものは、何れも回転運動を
実現するために、機械系が大変高精度であることが要求
され、複雑な構造になってしまうという欠点があった。
特に、第19図に示した方式のものは、スリットS1及び凹
面回折格子Gの両方を動かさなければならないので大変
である。又、第20図に示した方式のものは、実際にはロ
ーランド円2の中心0を支点として動く棒の先にネジ部
9を設け、該ネジ部9に螺合するナット10に直角に取付
けた棒の先にスリットS2を装着しておき、前記棒の回転
角に合わせてナット10を進退させて位置合せをするた
め、位置合せ機構が極めて複雑になる。そして、その結
果製造コストも著しく高くなってしまうという問題があ
った。
本発明は、上記問題点に鑑み、機械系が極めて簡単で
あり、製造コストも安い分光器を提供することを目的と
している。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明による多層膜反射鏡は、所定の入射角の入射光
に対して反射点を変えた時異なる波長において反射率が
最大となるようにして成ることにより、入射スリット及
び射出スリットを固定しつつ多層膜反射鏡をスライドさ
せるだけでかなりの波長域に亘って分光が行なわれるよ
うにしたものである。
以下、この点について詳細に説明する。
軟X線多層膜反射鏡は、第16図に示すように屈折率差
が大きい2種類の物質a,bの薄膜を夫々層厚d1,d2で交互
に積層した構造になっている。この層対の厚み(周期
厚)をdとしてX線の入射角をψとすれば、ブラッグ条
件に従い、ほぼ λ=2d sin(π/2−ψ) ……(5) を満たす条件で、特定の波長λのX線の反射率が最大と
なる。即ち、入射角を固定した場合、次式 にほぼ従うように周期dを選択し、反射角ψの方向に射
出スリットを置けば、波長λのX線を分光できる。従来
方式では基本的には角度ψを変化させることで分光を行
っていたが、上記のことは、dを何らかの方法で変化さ
せれば、光源,入射スリット,射出スリット,検出器等
を固定したまま分光できることを示している。そこで、
本発明では、同一基板上に周期厚が連続的又段階的に変
化する多層膜を被覆した軟X線多層膜反射鏡を提案して
いる。
第1図は、長さlの基板5の上に周期厚を線型に変化
させた多層膜を被覆した多層膜反射鏡の概念図を示して
いる。
断面Aにおける周期厚をd、断面Bにおける周期厚を
d′とし、断面Aよりxだけ離れた断面Cにおける周期
厚をdxとすると、 と書ける。ここで、式(6)のdをdxで置き換えると、 となる。式(8)は、ψが固定であっても、xを変化さ
せて適当に反射点7を選べば、波長λのX線を固定した
スリットから取り出せることを意味している。第1図に
おいては、多層膜反射鏡の法線に対して角度ψで入射ス
リット6と射出スリット8を設置したようすを示してい
る。この図では、多層膜反射鏡の反射面にかなりの角度
のついているように描かれているが、実際にはX線領域
でのd′とdの差は大きくても数μm程度であって、殆
ど反射面に角度がつかないのに等しいので、反射点を移
動させることでブラッグ条件は崩れない。
第2図は、多層膜反射鏡の反射率の物質の組合わせに
対する依存性を示している(T.Namioka Revue Phys.App
l.Vol.23(1988)1711〜1726参照)。ここで、各元素名
の添字L,Kは夫々各元素のL殻,K殻に対応する吸収端を
表わしている。又、多層膜反射鏡の総厚は3660Åとなっ
ている。
この図によれば、特定の物質の組合わせでは、特定の
波長領域のみでしか十分な反射率が得られないことが判
る。即ち、多層膜反射鏡において、広い波長領域に対し
て有効な分光素子を一種類の材料の組合わせで実現する
ことは困難であることが判る。従って、第3図のように
同一基板5の上に、異なる材料の組合わせの多層膜を数
種類異なる位置に被覆してできるだけ広い波長域のX線
を分光できるようにする工夫が必要である。第3図は、
4種類の物質の組合わせ(a1/b1,a2/b2,a3/b3,a4/b4
の多層膜L1〜L4を異なる位置に被覆して成る多層膜反射
鏡の断面を示している。
第4図及び第5図は、何れも分光の際必要な反射点の
移動方式の原理を示す図である。何れも、本発明の趣旨
に従い、入射スリット6,射出スリット8が固定され、機
械的操作が極めて簡単なものになっている。第4図のも
のは本発明による多層膜反射鏡11を一次元の位置決めス
テージ12の上に搭載したものであり、反射点7の移動は
簡単に一次元の移動で事足りる。尚、13は反射点7のみ
を露出させるためのマスクである。又、第5図は本発明
による多層膜反射鏡11をディスク12′上に設け、そのデ
ィスク12′を回転させることで反射点7の移動を実現し
たものを示している。これらの方式の機構は、従来のボ
ダール・モノクロメーター(第19図)やランドン・モノ
クロメーター(第20図)の機構と比較して大変簡単なも
のとなっている。又、従来の定偏角トロイダル回折格子
モノクロメーター光学系(第18図)のような高精度な凹
面回折格子Gの回転操作が不用となる。
尚、第1図に示したような連続的に膜厚の変化した多
層膜の作製も比較的簡単であり、これは第6図に示すよ
うに、蒸着の際に基板5を蒸発源に対して傾けて設置す
れば、連続的に膜厚が変化した多層膜が作製できる。即
ち、真空槽14の下部に薄膜材料15を載置する蒸発源16が
上部に、基板5と膜厚計17が夫々設けられていると共
に、基板5と蒸発源16との間に挿脱自在であって挿入さ
れた時に薄膜材料が基板5に届くのを妨げるシャッタ18
が設けられており、電流導入端子19から蒸発源16に電流
を加えると薄膜材料15が蒸発して基板5に付着するが、
基板5を傾けておくと、薄膜材料15が存在する蒸発源16
の中心点から基板5に対する単位放射角当りの蒸発量が
等しいとすれば、基板5の蒸発源16の中心点から遠い部
分の方が近い部分よりも面積が大となるので膜厚が薄く
なるのである。
又、実際、多層膜反射鏡の周期厚,各物質の膜厚を設
計する場合、X線も多層膜反射鏡境内で光路長が変化す
るので、厳密には式(5)のブロッグ条件を満足しな
い。従って、その都度最適化設計が必要である。
〔実施例〕
以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。
第7図は本発明による多層膜反射鏡の一実施例の光学
的モデルを示しており、これは、NiとTi,NiとCから構
成される多層膜反射鏡である。軟X線領域の多層膜反射
鏡の設計と評価に対してはフレネルの漸化式が可視光域
のものに対する場合と同じく有効である。Rm-1は(m−
1)層まで積層して製膜した時の複素振幅反射率を示
し、Nm-1は(m−1)層の複素屈折率を示している。こ
の場合、フレネルの漸化式を利用すれば、更に複素屈折
率Nmを有する物質を厚みdmで積層した時の複素振幅反射
率Rmは次式(波岡 武昭和60年度科学研究費研究成果報
告書「軟X線リソグラフィの開発参照)で表現できる。
ここで、rmは新しく積層した第m層の真空に対するフ
レネル係数である。そして、P偏光成分に対しては、 S偏光成分に対しては、 である。但し、φはX線が真空から多層膜へ入射すると
きの入射角であり、φは複素屈折角である。又、δ
は第m層内1往復の位相差であり、波長λとすれば、 δ=(2π/λ)Nm dm cos φ ……(12) と書ける。
従って、基板をm=0層として、順次第m層まで式
(9)を利用してRmを求めれば、目的とする多層膜反射
鏡の反射率が計算できる。そして、dmについて最適化設
計をすれば、与えられた物質と入射角に対する最大反射
率が得られる。
又、X線領域における複素屈折率は以下の式(青木貞
雄 光学Vol.13 No.1(1984)18参照)で与えられる。
ここで、f1は原子散乱因子の実部、f2は原子散乱因子
の虚部、reは電子古典半径、niは単位体積当りの原子数
である。又、f1とf2については、B.Henke(B.Henke Ato
mic data & nuclear data tables 27,1−144(1982)
参照)によって各元素について測定されている。
第8図はNi/Ti,Ni/C多層膜反射鏡の最適化された時の
反射率の波長依存性を示している。入射角は75゜で、層
数41層である。この図から、大体27.4Å〜44.7Åまでの
波長領域では、Ni/Tiの組み合わせの多層膜反射鏡が反
射率が良く、44.7Å〜70Åまでの波長領域ではNi/Cの組
合わせの多層膜反射鏡の反射率が良いことが判る。又、
第9図は、その場合の多層膜反射鏡の最適周期厚を示し
ている。Ni/Ti多層膜反射鏡においては、波長領域が27.
4Å〜44.7Åの間ではNi層とTi層の膜厚比は40:60で一定
であり、Ni/C多層膜反射鏡においても、波長領域が44.7
Å〜67.6Å間ではNi層とC層の膜厚比は22:78で一定で
ある。
第10図は、Ni/Ti,Ni/C多層膜を組合せた多層膜反射鏡
(分散素子)の具体例を示している。Ni/Ti,Ni/C多層膜
は共に41層である。Ni/Ti多層膜については、断面Aに
おいて周期厚d1は53.7Åであり、接合面Bでの周期厚は
88.6Åである。断面Aと接合面Bの間隔は17.3mmであ
る。d1は75゜入射,波長27.4Åの時の最適値(反射率54
%)であり、d2は75゜入射,波長44.7Åの最適値(反射
率24%)である。この断面Aより接合面Bまでの間の多
層膜反射鏡を利用することにより、75゜入射の白色X線
を27.4Å〜44.7Åの間のX線に分光することができる。
一方、Ni/C多層膜については、接合面Bにおいて周期
厚d3は88.3Åであり、断面Cでの周期厚d4は154.7Åで
ある。接合面Bと断面Cの間隔は22.9mmである。d3は75
゜入射,波長44.7Åの時の最適値(反射率56%)であ
り、d4は75゜入射,波長67.6Åの時の最適値(反射率35
%)である。接合面Bより断面Cの間の多層膜反射鏡を
利用することにより、75゜入射の白色X線を44.7Å〜67
Åの間のX線に分光することができる。
従って、第10図のようなNi/Ti,Ni/C多層膜反射鏡を用
いれば、波長27.4Å〜67.6ÅのX線を十分な反射率で、
入射角と観測角(共に75゜)を固定したまま分光するこ
とができる。
仮に、本実施例を分光素子として第4図のような方式
で利用する場合を想定する。光源がSORの場合は大体ビ
ーム径が0.5mm程度なので、マスク13の窓は0.5mm程度の
幅が適当である。そして、この分光素子の場合、1mm移
動することにより反射率が最大となるX線の波長がほぼ
1Å変化するので、0.5mm/stepで位置決めステージ12を
移動させると、ほぼ0.5Å/stepピッチで分光することが
できる。
第11図は、Ni/Ti多層膜反射鏡の波長31.6Åにおける
反射率の波長依存性を示している。この図によれば、半
値幅は2Å程度であって、分解能λ/Δλは大体15程度
であることが判る。
更に、Ni/Ti多層膜反射鏡をψ=0近くの直入射領域
に適するように設計すれば、より波長分解能が高い分散
素子を実現することができる。
第12図は、Ni/Ti201層,直入射,波長39.8Å設計の多
層膜反射鏡の反射率の波長依存性を示している。第12図
によれば、λ/Δλ100程度であり、市販の斜入射型
分光器に近い分解能を有していることが判る。
尚、本発明による多層膜反射鏡は第1図のように周期
厚が線型に変化するのではなく、場合によっては非線型
に変化するようにしてもかまわない。例えば、第13図に
示したように、同じ入射角に対して最大反射率を与える
波長が異なる即ち周期厚が異なる多層膜L1〜L8を不連続
的に基板5に被覆することにより、周期厚が非線型に変
化するように構成することもできる。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明による多層膜分光器は、複雑かつ
高精度な機械系を不要となして極めて簡単な機械系によ
って製造コストを大幅に下げることができ、また分光素
子を2種類以上の多層膜を形成した多層膜反射鏡にする
ことができるので、極めて広い波長域のX線を分光する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による多層膜反射鏡の概念を示す断面
図、第2図は多層膜反射鏡の反射率の材料の組合わせに
対する依存性を示す図、第3図は本発明多層膜反射鏡の
具体例の断面図、第4図及び第5図は何れも本発明多層
膜反射鏡の反射点の移動方式を示す図、第6図は本発明
多層膜反射鏡の多層膜の作製装置の一例を示す図、第7
図は本発明による多層膜反射鏡の一実施例の光学的モデ
ルを示す図、第8図及び第9図は夫々Ni/Ti,Ni/C多層膜
反射鏡の最適化された時の反射率の波長依存性を示す図
及びその場合の最適周期厚を示す図、第10図はNi/Ti,Ni
/C多層膜を組合わせた多層膜反射鏡の具体例の断面図、
第11図はNi/Ti多層膜反射鏡の波長31.6Åにおける反射
率の波長依存性を示す図、第12図はNi/Ti201層,直入
射,波長39.8Å設計の多層膜反射鏡の反射率の波長依存
性を示す図、第13図は本発明多層膜反射鏡の他の具体例
の断面図、第14図及び第15図は夫々従来の結晶分光器の
概略断面図、第16図及び第17図は夫々従来の多層膜反射
鏡及びその反射率の波長依存性を示す図、第18図乃至第
20図は夫々従来例における光源,回折面,焦点の位置の
調整方式を示す図である。 5……基板、a,a1,a2,a3,a4,b,b1,b2,b3,b4……物質、
d,d′……周期厚、6……入射スリット、7……反射
点、9……射出スリット、ψ……入射角、L1〜L8……多
層膜、11……多層膜反射鏡、12……位置決めステージ、
12′……ディスク、13……マスク。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の入射角の入射光に対して反射点を変
    えた時異なる波長において反射率が最大となるようにし
    て成る多層膜反射鏡の分光素子と、前記反射点の移動手
    段と、X線を入射する入射スリットと、前記分光素子で
    分光されたX線を射出する射出スリットとで構成される
    多層膜分光器。
  2. 【請求項2】上記分光素子が2種類以上の多層膜を形成
    した多層膜反射鏡であることを特徴とする特許請求の範
    囲(1)に記載の多層膜分光器。
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