JPH0681830B2 - 生理用品用粘着剤組成物および生理用ナプキン - Google Patents

生理用品用粘着剤組成物および生理用ナプキン

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JPH0681830B2
JPH0681830B2 JP2277978A JP27797890A JPH0681830B2 JP H0681830 B2 JPH0681830 B2 JP H0681830B2 JP 2277978 A JP2277978 A JP 2277978A JP 27797890 A JP27797890 A JP 27797890A JP H0681830 B2 JPH0681830 B2 JP H0681830B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ナプキンなど人の肌と衣類との間で使用さ
れる生理用品を衣類に付着させるための粘着剤組成物、
および、この粘着剤組成物を用いた生理用ナプキンに関
する。
〔従来の技術〕
生理用ナプキンなどの生理用品は、使用時、ショーツな
どの衣類に付着させて固定し、ずれるのを防止してい
る。生理用品の表面シートは、水分の透過性が良くなけ
ればならないため、布、微小のメッシュ状のシートや不
織布などが使われている。ただし、生理用品は、人の肌
に接して使用されるので、肌触りの良いものが好まれ、
この点で、ポリエチレン製の微小のメッシュ状のシート
を用いたものがうけている。
生理用品の衣類への付着は、生理用品の表面シートに施
された粘着剤により行われる。
このような粘着剤としては、従来、芳香族ビニルブロッ
ク−ブタジエンブロック−芳香族ビニルブロックからな
るトリブロックコポリマー(SBSと言う)、芳香族ビニ
ルブロック−ブタジエンブロック−芳香族ビニルブロッ
クからなりブタジエン部分が水素添加されたトリブロッ
クコポリマー(SEBSと言う)などをベースポリマーとし
て用いたホットメルト接着剤が使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のような生理用品の付着に用いる粘着剤には、優れ
た粘着力、優れた凝集力および良好な加熱安定性のすべ
てを備えていることが要求される。優れた粘着力は、生
理用品を衣類にしっかりと付着させて固定する効果(ア
ンチスリップ効果、ずれ止め効果とも言う)をもたら
す。優れた凝集力は、引き剥がしの際に糸ひき現象を生
じにくくし、たとえ糸曳き現象が生じても、粘着剤が被
塗物の方へ引き戻し、糊移りを起こりにくくする効果を
もたらす。良好な加熱安定性は、粘着剤を加熱溶融した
ときに物性劣化を起こりにくくする効果をもたらす。
しかし、上記従来の粘着剤は次のような欠点がある。
SBSをベースポリマーとするホットメルト接着剤
は、凝集力に優れているが、粘着力が弱い。
SEBSをベースポリマーとするホットメルト接着剤
は、加熱安定性に優れているが、一般に粘着力が弱い。
粘着剤の粘着力が強いと、使用の際に粘着剤を覆ってい
る離型紙を剥がしたり、使用後に衣類から生理用品を剥
がしたりするときに糸曳きが起こる。この場合、粘着剤
が凝集力に劣っていると、糸曳きにより伸びた粘着剤が
切れてしまい、衣類などの付着物への糊移りが生じてし
まう。離型紙に粘着剤が残ると粘着力の低下が起こり、
他方、衣類に残った粘着剤は通常の洗濯では落ちにく
く、しかもこれに付着した汚れも落ちにくいので、衣類
の永久的な汚れとなる。また、接着剤が、糸曳きが起こ
しても切断しない程度に凝集力に優れていて粘着力に劣
っていると、肝心の衣類への付着力が弱くなってしま
う。
従来の粘着剤は、粘着力に優れているか、または、凝集
力に優れているかのいずれかである。
そこで、この発明は、非常に優れた、加熱安定性、粘着
力および凝集力を持つ粘着剤組成物、およびこのような
粘着剤組成物を用いた生理用ナプキンを提供することを
課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、発明者らは、ベースポリマ
ーの検討を行った。SBSまたはSEBSを用いた粘着剤は粘
着力が弱いので、粘着力を上げようとすると凝集力を低
下してしまい、また、低下した凝集力を上げようとする
と向上した粘着力が低下してしまい、粘着力と凝集力の
バランスをとることができない。このため、SBSおよびS
EBSは、考慮の対象から外した。
また、生理用品にはあまり使われていないが、ホットメ
ルト接着剤には芳香族ビニルブロック−イソプレンブロ
ック−芳香族ビニルブロックからなるトリブロックコポ
リマー(SISと言う)がよく使われている。そこで、上
記課題を解決するためにSISをベースポリマーとして使
用することを考えてみた。しかし、SISは、粘着力の点
では問題ないが、糸曳きを起こして切れやすいため糊移
りを起こす上、加熱安定性に劣っている。これがSISを
ナプキンなどの生理用品に使用しない大きな理由であ
る。
ところが、SISは、そのソフトセグメントであるイソプ
レン部分に水素添加することにより、SISの特徴である
優れた粘着力を保持したまま、加熱安定性が向上する。
このようにSISに水素添加してなるコポリマー(以下、
水添SISまたはSEPSと言うことがある)は、芳香族ビニ
ルブロック−エチレン・プロピレンブロック−芳香族ビ
ニルブロックからなるトリブロックコポリマーの構造を
有している。また、水添SISは、ポリマー自身の凝集力
が高いため、適度な粘度の粘着剤組成物が得られる。そ
こで、この水添SISで粘着剤組成物を調製し、ナプキン
に適用したところ、依然として粘着力が高すぎて、糸曳
き、糊移りの起こるものであった。
ここで、凝集力を落とさず、粘着力を若干低下させるた
めに、水添SISのイソプレン部分には相溶せず、ハード
セグメントである芳香族ビニル部分にのみ相溶する樹脂
を添加してみたところ、凝集力を落とさずに粘着力をコ
ントロールできることがわかった。このような相溶性を
示す樹脂としては、スチレン系樹脂を用いることがよい
ことを見出した。これらの知見に基づきこの発明を完成
したのである。
従って、この発明は、水添SIS、可塑剤および粘着付与
剤のうちの少なくとも粘着付与剤、ならびに、スチレン
系樹脂を有効成分とする生理用品用粘着剤組成物(以
下、単に「粘着剤」と言うことがある)を提供する。
また、この発明は、衣類への付着面に前記この発明の生
理用品用粘着剤組成物が塗布されている生理用ナプキン
を提供する。
この発明で用いる水添SISは、たとえば、スチレンブロ
ック−イソプレンブロック−スチレンブロックからな
り、イソプレン部分が水素添加されたトリブロックコポ
リマーである。ただし、中間セグメントであるイソプレ
ンへの水素添加は100%行われている必要はなく、部分
水素添加(たとえば、30%以上)であってもよい。SEPS
または水添SISの一般名称で市販されているトリブロッ
クポリマーを使用することができる。水添SISの芳香族
ビニルブロックは、たとえば、スチレン、α−メチルス
チレンなどのスチレン系モノマーから導かれるポリマー
で形成される。
この発明で用いるスチレン系樹脂は、スチレン、α−メ
チルスチレンなどのスチレン系モノマーのホモポリマー
またはコポリマーであってもよく、スチレン系モノマー
とこれと共重合可能なモノマーとのコポリマーであって
もよい。スチレン系樹脂は、たとえば、水添SISのイソ
プレン部分には相溶せず、芳香族ビニル部分にのみ相溶
するものが使用される。これにより粘着力のコントロー
ルはもちろん芳香族ビニル部分を強化することになり、
凝集力の低下を防ぐ。スチレン系樹脂の軟化点が低すぎ
ると芳香族ビニル部分の強化にはならず、高すぎると分
子量が大きすぎるため相溶する量が限られ、粘着力のコ
ントロールができなくなるおそれがある。これらの点を
考慮すると、スチレン系樹脂の軟化点は、たとえば、70
〜120℃が好ましく、より好ましくは85〜115℃である。
ホットメルト型の粘着剤では、一般に、配合成分の相溶
性が悪く不均一になると、経時的に可塑剤のブリードや
粘着力の変化などといった問題が出てくる傾向がある。
このため、スチレン系樹脂の軟化点は前記範囲の上限以
下が好ましい。
この発明で用いる可塑剤および粘着付与剤は、たとえば
従来のホットメルト接着剤に使用されているものが挙げ
られるが、これらのものに限定されるわけではない。可
塑剤は、液状粘着付与剤を用いる場合には用いても用い
なくてもよい。可塑剤としては、たとえば、ナフテン系
プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル、動植物
油およびその誘導体、ならびに、ポリオレフィン系低分
子量ポリマーなどがそれぞれ単独で使用されたり、また
は2以上で併用されたりする。粘着付与剤としては、液
状粘着付与剤および固形粘着付与剤のいずれか一方また
は両方が使用される。液状粘着付与剤としては、たとえ
ば、ロジンエステル系液状樹脂、ポリテルペン系液状樹
脂、C5系液状樹脂、C9系液状樹脂、C5系およびC9系液状
共重合樹脂、ならびに、これらの水添化液状樹脂などが
挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、または2以上
で併用されたりする。固形粘着付与剤としては、たとえ
ば、ロジンエステル系固形樹脂、ポリテルペン系固形樹
脂、C5系固形樹脂、C9系固形樹脂、C5系およびC9系固形
共重合樹脂、ならびに、これらの水添化固形樹脂などが
挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、または2以上
で併用されたりする。なお、粘着付与剤の液状と固形の
区域は、軟化点が室温付近以下かそれよりも高いか、す
なわち、室温にて流動するかしないかによってなされ
る。
この発明の粘着剤は、上記成分のみからなっていてもよ
いが、必要に応じてその他の成分、たとえば酸化防止
剤、少量のワックス類などをも含んでいてもよい。ま
た、ここに挙げた化合物以外のものもこの発明の目的達
成を損なわなければ含みうる。
上記成分の配合は特に限定されないが、たとえば、水添
SIS、可塑剤、粘着付与剤およびスチレン系樹脂の合計1
00重量部に対して、水添SIS15〜40重量部(より好まし
くは17〜25重量部)、スチレン系樹脂10〜30重量部(よ
り好ましくは15〜25重量部)、可塑剤0〜30重量部(よ
り好ましくは5〜25重量部)、液状粘着付与剤0〜30重
量部(より好ましくは0〜20重量部)、固形粘着付与剤
20〜60重量部(より好ましくは30〜50重量部)、上記そ
の他の成分0〜15重量部(より好ましくは0〜10重量
部)である。水添SISの割合が上記範囲を越えると溶融
粘度が高く、塗布できないおそれがあり、下回ると充分
な凝集力が得られず、耐熱性が悪くなり、のり移りが発
生するおそれがある。スチレン系樹脂の割合が上記範囲
を越えると硬くて風合が悪く、初期タックがなくなるお
それがあり、下回ると凝集力がなくなり、のり移りが発
生するおそれがある。なお、この発明では、凝集力を落
とさずに粘着力をコントロールするため(すなわち、粘
着力を下げるため)、従来のホットメルト粘着剤よりも
多量のスチレン系樹脂を加えるが、相溶性が悪く不均一
になるという問題が生じにくい。可塑剤の割合が上記範
囲を越えると凝集力が低下し、保持力が弱くなるおそれ
がある。液状粘着付与剤の割合が上記範囲を越えると充
分な凝集力が得られず、耐熱性が悪くなるおそれがあ
る。固形粘着付与剤の割合が上記範囲を越えると硬くて
風合で悪く、初期タックがなくなるおそれがあり、下回
ると充分な接着性がなくなるおそれがある。上記その他
の成分の割合が上記範囲を越えると粘着力が低下するお
それがある。
この発明の粘着剤は、たとえば、上記必須成分および必
要に応じて使用する任意成分を用い、従来のホットメル
ト接着剤(または従来の生理用品用粘着剤。以下同様)
の製造方法と同様の方法により製造することができる。
しかし、製造方法には特に限定はない。
この発明の粘着剤は、たとえば、従来のホットメルト接
着剤と同様の方法により塗布対象物に塗布される。塗布
対象物は、たとえば、離型紙などの離型シート、あるい
は、上述したように、布、微小のメッシュ状のシートや
不織布などの生理用ナプキンの表面シートなどである。
通常は離型シートに塗布し、その塗布面を表面シートと
重ね合わせて圧着するという方法が採用されるが、これ
以外のやり方を採ってもよい。この発明の接着剤は、プ
ラスチックに対する接着性が良いので、離型紙などの離
型シートから表面シートへ容易に転写される。
この発明の生理用ナプキンは、従来の生理用ナプキンに
おいて、いわゆるアンチスリップ用の粘着剤としてこの
発明の粘着剤を用いたものであり、従来の生理用ナプキ
ンと同様の製造方法により製造することができる。ま
た、この発明の粘着剤が、たとえば配合成分の種類およ
び/または割合などを適宜設定することにより従来の粘
着剤と同程度の粘度を持つように調製されると、従来の
粘着剤と同じ装置を用いてこの発明の粘着剤を付与する
ことが可能である。
〔実施例〕
以下に、この発明を、その実施例を表す図面を参照しな
がら、詳しく説明する。
第1図は、この発明の生理用ナプキンの1実施例の断面
を模式的に表す。吸水剤や防水シートなど(図示省略)
からなるナプキン本体1が表面シート2で覆われてい
る。使用時にショーツなどの衣類に接する側の表面シー
ト2上にこの発明の粘着剤4の層が設けられている。粘
着剤4の層の厚みは、たとえば10〜30μmとされるが、
これに限定されるわけではない。表面シート2は、多数
のメッシュ21を有する1枚の多孔質ポリエチレンシート
を重ね合わせるようにして折り曲げて端で固定一体化し
た袋である。前記粘着剤4の層は、表面シート2の全体
または一部を覆うように適当な広さを持った面状に設け
られてもよいし、並列する複数本のビードとなるように
設けられてもよく、特に限定はない。粘着剤4の表面は
通常、離型紙5で覆われている。使用時に離型紙5を引
き剥がしてショーツなどの衣類にナプキン10を粘着剤4
により付着させ固定し、表面シート2が肌に接する。
第1図および第2図にみるように、粘着剤4および41は
表面シート2のメッシュ部分では付着せずにフリーにな
っている。第2図にみるように従来の粘着剤41を用いた
ナプキン100だと、粘着剤に付着している離型紙や衣類
をはがすときに、粘着剤41がそれらに付着したまま伸び
だして糸状になってしまい、やがては切断してしまう。
このため、糊移りが生じていた(図中、42で示す)。し
かし、第1図にみるようにこの発明の粘着剤4を用いた
ナプキン10だと、糸ひきが全く生じないか、または糸ひ
きが生じても切断せずに表面シート2の方へ戻るので糊
移りが起こらない。
なお、上記実施例の説明では、表面シートが多孔質ポリ
エチレンシートの場合について述べていたが、不織布な
どもメッシュが細かく大きさの不揃いである多孔質シー
トとみなせるので同様の効果が期待される。すなわち、
表面シートの材質、形状には特に限定されない。もちろ
ん、この発明は第1図の実施例に限られるものではな
い。
以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示す
が、この発明は下記実施例に限定されない。
−実施例1〜8− 水添SISとして株式会社クラレ製の商品名「セプトン」
(品番KL−2043)を用いた。セプトンKL−2043は、ポリ
イソプレンを水素添加した形のブロックの両端にポリス
チレンブロツクを持つトリブロックコポリマーであり、
スチレン含量13重量%、溶液粘度720cps(温度30℃での
20重量%トルエン溶液)、MFR(メルト・フロー・レイ
ト:Melt flow rate)13g/10分(ASTM D−1238、200
℃、10kg)である。
スチレン系樹脂として理化ハーキュレス株式会社製の商
品名「クリスタレックス3100」を用いた。クリスタレッ
クス3100は、軟化点100℃のスチレン系およびα−メチ
ルスチレン系樹脂である。
可塑剤としてエッソ石油株式会社製の商品名「クリスト
ール(CRYSTOL)352」を用いた。クリストール352は、
流動点−17.5℃、粘度71cSt(温度40℃)の流動パラフ
ィンである。
固形粘着付与剤としてトーネックス株式会社製の商品名
「エスコレッツ5300」を用いた。エスコレッツ5300は、
軟化点105℃の水添脂環族炭化水素樹脂である。
液状粘着付与剤として丸善石油化学株式会社製の商品名
「マルカクリヤーH」を用いた。マルカクリヤーHは、
軟化点0℃の液状C5系石油樹脂である。
その他の成分として、チバガイギー(CIBA−GEIGY)株
式会社製の商品名「イルガノックス(IRGANOX)1010」
を用いた。イルガノックス1010は、ごく一般的なヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤である。
第1表に示す配合割合で通常のホットメルト接着剤と同
様の方法・装置を用いてこの発明の粘着剤を調製した。
−比較列1− 実施例3において、スチレン系樹脂を用いず、エスコレ
ッツ5300の量を60重量部に変更したこと以外は実施例3
と同様にして比較用粘着剤を得た。
−比較例2,4,6− 水添SISを用いず、他のベースポリマーすなわちSIS、SB
Sおよび水添SBS(SEBS)を用いた場合の粘着剤を示す。
SISとして、シェル化学株式会社製の商品名「クレイト
ンTR−1107」を用いた。クレイトンTR−1107は、ポリイ
ソプレンブロックの両端にポリスチレンブロツクを持つ
トリブロックコポリマーであり、スチレン含量14重量
%、溶液粘度1600cps(温度25℃での25重量%トルエン
溶液)である。
SBSとして、旭化成工業株式会社製の商品名「タフプレ
ンA」を用いた。タフプレンAは、ポリブタジエンブロ
ックとポリスチレンブロツクを持つブロックコポリマー
であり、スチレン含量40重量%、溶液粘度650cps(温度
23℃での25重量%トルエン溶液)である。
水添SBSとして、シェル化学株式会社製の商品名「クレ
イトンG−1652」を用いた。クレイトンG−1652は、ポ
リブタジエンが水素添加された形のブロックの両端にポ
リスチレンブロツクを持つトリブロックコポリマーであ
り、スチレン含量29重量%、溶液粘度550cps(温度25℃
での20重量%トルエン溶液)である。
比較例1において、水添SISの代わりに第2表に示すベ
ースポリマーを用いたこと以外は比較例1と同様にして
比較用粘着剤を得た。
−比較例3− 比較例2において、上述の「クリスタレックス3100」を
20重量部用い、エスコレッツ5300の量を40重量部に変更
したこと以外は比較例2と同様にして比較用粘着剤を得
た。
−比較例5− 比較例4において、上述の「クリスタレックス3100」を
20重量部用い、エスコレッツ5300の量を40重量部に変更
したこと以外は比較例4と同様にして比較用粘着剤を得
た。
−比較例7− 比較例6において、上述の「クリスタレックス3100」を
20重量部用い、エスコレッツ5300の量を40重量部に変更
したこと以外は比較例6と同様にして比較用粘着剤を得
た。
−参考例1〜4− 第3表に示す配合で実施例1と同様にして粘着剤を得
た。ベースポリマーは、上述の「セプトンKL−2043」お
よび「クレイトンTR−1107」を用いた。液状粘着付与剤
は、トーネックス株式会社製の商品名「エスコレッツ25
20」およびアリゾナ化学株式会社製の商品名「ゾナレッ
ツ(Zonarez)A−25」を用いた。エスコレッツ2520
は、軟化点25℃のC5−C9共重合石油樹脂である。ゾナレ
ッツA−25は、軟化点25℃のα−ピネン樹脂である。固
形粘着付与剤は、上述の「エスコレッツ5300」およびト
ーネックス株式会社製の商品名「エスコレッツ1310」を
用いた。エスコレッツ1310は、軟化点93℃のC5系石油樹
脂である。スチレン系樹脂は、上述の「クリスタレック
ス3100」および理化ハーキュレス株式会社製の商品名
「エンデックス(Endex)160」を用いた。エンデックス
160は、軟化点160℃のスチレン系樹脂である。酸化防止
剤は、チバ・ガイギー株式会社製の商品名「イルガノッ
クス(lrganox)1076」を用いた。イルガノックス1076
は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である。
−実施例9〜16、比較例8〜14および参考例5〜8− 実施例1〜8、比較例1〜7および参考例1〜4で得ら
れた粘着剤を離型紙(グラシン紙に離型処理したもの)
に15μmの厚みで塗布機にて全面的にコーティングし、
これを多孔質ポリエチレンシート(六角形のメッシュ
(孔径約1mm)を有する多孔質シート)に塗布面側から
重ね合わせ、圧着ローラ(自重12kg)を用いその自重で
圧着することにより粘着剤を転写した。
上記実施例、比較例および参考例の粘着剤について、粘
着力、のり移り、粘度、軟化点および加熱安定製を調
べ、結果を第1〜3表に示した。
(1) 粘着力およびのり移りの測定 前記のようにして多孔質ポリエチレンシートに粘着剤を
転写したものから離型紙を引きはがし、その粘着剤面に
カナキン3号(日本規格協会が指定している基準基材:
綿100%の織布)を2kgローラーにて室温で圧着し、レオ
メーターで22℃および40℃における90度剥離強度を測定
した。それと同時にその時ののり移りの状態を観察し、
次の基準で評価した。
×:糸ひきが激しく、基材へののり移りがある。
○:糸ひきがあるが、基材へののり移りはない。
◎:糸ひきが全くない。
なお、剥離強度は、上記試験方法では、室温(22℃)に
おいて80〜130gf/20mmおよび温度40℃において50〜100g
f/20mmが良好である。剥離強度がこれらの範囲を下回る
と、基材への接着性が不充分であり、ずれるおそれがあ
る。また、前記範囲を上回ると基材への接着性が強すぎ
て、はがすのが困難になり使用しづらい。
(2) 粘度の測定 サーモセル−システム ブルックフィールド型粘度計を
用い、温度140℃、160℃および180℃で測定した。
(3) 軟化点の測定 ジェイエーアイ(JAI)7−1980のボールアンドリング
法(Ball & Ring method)に準じて測定した。
(4) 加熱安定性の測定 約200gの粘着剤を磁製ビーカーに取り、アルミフォイル
で覆いをした後、160℃の温度の熱風循環式恒温槽に放
置し、経時的にサンプリングを行い、粘度変化を観察し
た。なお、粘度変化は、上記粘度計を用いて、160℃の
温度で測定した。
第1,2表にみるように、実施例の各粘着剤は適度な粘着
力を有し、のり移りがなく、しかも、良好な加熱安定性
を示している。比較例1の粘着剤は加熱安定性は良いが
粘着力が強すぎ、糊移りを起こした。比較例2の粘着剤
は粘着力は良好であるが、のり移りがあり、しかも加熱
安定性が悪い。比較例3の粘着剤はのり移りはなくなっ
ているが、加熱安定性が悪い。比較例4の粘着剤は粘着
力が弱く、しかも、糊移りを起こした。比較例5の粘着
剤は糊移りがなくなっているが粘着力が弱い。比較例6
の粘着剤は加熱安定性は非常に良いが、粘着力が弱い。
比較例7の粘着剤は加熱安定性は非常に良く、のり移り
は全くないが、粘着力が非常に弱い。
第3表にみるように、参考例1から4までの粘着剤は、
粘着力が高すぎるため、綿の織布(カナキン)の剥離が
困難であり、基材(多孔質ポリエチレンシート)が破れ
るおそれがあった。しかも、粘度が高い(160℃で約100
00cpsよりも大)ため、生理用ナプキンなどに用いると
きに高速で薄く塗工するためには高度な技術や塗工機が
必要である。また、参考例2および3の粘着剤は、相溶
性が悪いため、経時的に粘着剤の変化が起こる危険性が
ある。実施例の粘着剤では相溶性に問題はなかった。
〔発明の効果〕
この発明の粘着剤は、以上に述べたように、水添SIS、
可塑剤および粘着付与剤のうちの少なくとも粘着付与
剤、ならびに、スチレン系樹脂を有効成分とするので、
非常に優れた、加熱安定性、粘着力および凝集力を持
ち、粘着力と凝集力とのバランスが良い。これにより、
すべり止め(アンチスリップ)効果が得られるととも
に、糊移りが防止される。しかも、アプリケーション上
のトラブル(溶融タンク内でのコゲつき、ノズル詰まり
等、粘度変化からくる吐出量や塗布厚みの変化、変色
等)が防がれる。
このため、この発明の粘着剤組成物を用いたこの発明の
生理用ナプキンは、離型紙や衣類への粘着剤の糊移りが
ない。
【図面の簡単な説明】 第1図は、この発明の生理用ナプキンの1実施例を表す
模式断面図、第2図は、従来の粘着剤を用いた生理用ナ
プキンの1例を表す模式断面図である。 1……ナプキン本体、2……表面シート、4……粘着
剤、5……離型紙、10……生理用ナプキン、21……表面
シートのメッシュ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニルブロック−イソプレンブロッ
    ク−芳香族ビニルブロックからなりイソプレン部分が水
    素添加されたトリブロックコポリマー、可塑剤および粘
    着付与剤のうちの少なくとも粘着付与剤、ならびに、ス
    チレン系樹脂を有効成分とする生理用品用粘着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】スチレン系樹脂が、70〜120℃の軟化点を
    有する請求項1記載の生理用品用粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】配合割合がトリブロックコポリマー15〜40
    重量%、可塑剤0〜30重量%、粘着付与剤20〜60重量
    %、および、スチレン系樹脂10〜30重量%(ただし、ト
    リブロックコポリマー、可塑剤、粘着付与剤およびスチ
    レン系樹脂の合計100重量%)である請求項2記載の生
    理用品用粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】衣類への付着面に請求項1から3までのい
    ずれかに記載の生理用品用粘着剤組成物が塗布されてい
    る生理用ナプキン。
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