JPH0680937A - 主剤−プライマー型アクリル系接着剤 - Google Patents

主剤−プライマー型アクリル系接着剤

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JPH0680937A
JPH0680937A JP25914292A JP25914292A JPH0680937A JP H0680937 A JPH0680937 A JP H0680937A JP 25914292 A JP25914292 A JP 25914292A JP 25914292 A JP25914292 A JP 25914292A JP H0680937 A JPH0680937 A JP H0680937A
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JP
Japan
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primer
acid
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adhesive
phosphate
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JP25914292A
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English (en)
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Hidemi Doi
秀美 土肥
Fumitoshi Imaoka
史利 今岡
Hideaki Matsuda
▲ひで▼明 松田
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Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化速度が早く、無機材料、プラスチック木
材等の難接着材料に対する接着特性が優れた接着剤を提
供する。 【構成】 重合性(メタ)アクリルモノマー及び有機過
酸化物を主成分とする主剤と、アルデヒドとアミンの縮
合物及び可溶性バナジウム化合物を主成分とする(レド
ックス触媒系を形成する還元剤)プライマーからなり、
主剤またはプライマーの少なくとも一方に酸性リン化合
物、有機カルボン酸、有機スルホン酸から選ばれた酸性
化合物の一種以上を含有させたことを特徴とする主剤−
プライマー型アクリル系接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室温下短時間で硬化
し、かつ無機材料、プラスチック、木材などの難接着材
料に対する接着性が良好な、主剤−プライマー型アクリ
ル系接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリルモノマー[本発明にお
いて(メタ)アクリルは、アクリルまたはメタクリルを
表すものとする。]、有機過酸化物及び有機過酸化物と
レドックス触媒系を形成する還元剤の組み合わせからな
る二液型のアクリル系接着剤は室温において短時間で接
着し、かつ完全な二液の混合が不用であるといった作業
性の良さを特徴としている。このような、二液型のアク
リル系接着剤は作業性の良さと接着強度特性が優れてい
る点が評価されて、電気、機械、建築等の工業分野で多
く使用されている。
【0003】一方、有機過酸化物と還元剤からなるレド
ックス触媒系についても、従来から有機過酸化物と可溶
性バナジウム化合物の組み合わせからなる接着剤(特公
昭49−21093号公報)、有機過酸化物、バナジウ
ム化合物及び酸性リン酸エステルの組み合わせからなる
レドックス触媒系を用いた不飽和ポリエステル樹脂
(L.H.ALLAN、Plastics、June
p250−253、1960、特公昭56−33403
号公報)等に多数報告されている。
【0004】そして、二液型のアクリル系接着剤につい
て各種モノマー組成、添加剤、レドックス触媒系等につ
いて盛んに改良が進められているが、使用実績の増加と
共に新たな改良の要望が出されている。その第一は、省
力、省エネルギーのニーズにともなう硬化時間の短縮化
であり、第二は広範な材質に対する接着の可能化であ
る。ところが特公昭55−1957号公報等に開示され
ている組成で代表される従来の二液型のアクリル系接着
剤はバランスの取れた接着性能を示すものの、接着可能
な被接着体が主に金属材料のように(メタ)アクリルモ
ノマーの重合反応に悪影響を及ぼしにくいものが中心で
あり、以下に述べるような材料は接着が困難であった。
すなわち、 (1)(メタ)アクリルモノマーの重合が酸素によって
大きく阻害されるため、無機材料や硬質発泡プラスチッ
クのようにそれ自身が多量の空気を含有しているもの。 (2)それ自体表面エネルギーが小さく、さらに表面に
存在する離型剤や可塑剤及び酸化防止剤、安定剤、紫外
線吸収剤などの添加剤によって硬化不良や密着力低下を
起こしやすいプラスチック。 (3)種類によっては(メタ)アクリルモノマーのラジ
カル重合反応を抑制する物質を含有している木材などで
ある。
【0005】一方、特公昭53−41699号公報、特
公昭57−20347号公報、特公昭57−20347
号公報、及び特公昭63−66873号公報等に(メ
タ)アクリルモノマー、クロロスルホン化ポリエチレ
ン、有機過酸化物を主たる成分とする主剤とアルデヒド
とアミンの縮合物をプライマーとする接着剤組成物が開
示されている。これらの接着剤は成分中に存在するクロ
ロスルホン基が脱塩素化反応によって解裂して発生する
スルホニルラジカルをグラフト点として(メタ)アクリ
ルモノマーが重合硬化する機構を利用したものであり、
室温短時間硬化が可能であり、また難接着材料に対する
接着性も良好である。
【0006】しかしながら、これらの接着剤はクロロス
ルホン化ポリエチレンを必須成分としている関係上、ク
ロロスルホン基に基因する残留塩素の影響により耐熱性
に劣るという問題点を有している。更に、前記問題点を
解決する目的でクロロスルホン基を含有する化合物を除
去すると硬化しないか又は硬化時間が遅延され、難接着
材料に対する接着性も低下する。従って組成面での制約
から種々の要望を十分に満たすことはできなかった。
【0007】上記問題を解決するものとして特開平2−
97585号公報、特開平3−134080号公報、特
開平3−134081号公報、特開平3−134082
号公報、特開平4−46977号公報、及び特開平4−
149290号公報には、(メタ)アクリルモノマー
と、有機過酸化物としてのハイドロパーオキサイドまた
はパーオキシエステル、または更に有機二塩基酸、ピロ
ガロールまたは没食子酸、サッカリン、有機塩化スルホ
ニル化合物から選ばれた添加剤を加えた主剤と、アルデ
ヒドとアミンの縮合物と銅の塩からなるプライマーから
なり、主剤またはプライマーのいずれか一方に特定構造
の酸性リン化合物を存在させた主剤−プライマー型のア
クリル系接着剤が開示されている。これらの接着剤は特
にクロロスルホン化ポリエチレンを必要とせずに短時間
接着が可能であり、金属のなかでも難接着性のアルミニ
ウム、ステンレス、クロメートメッキに対する密着性が
よく、金属部品やセラミック部品に使用できるものであ
る。しかし、前記難接着材料に対する接着性は必ずしも
十分とはいえないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特にクロロ
スルホン化ポリエチレンを使用することなく、硬化時間
が短縮され、さらに、無機材料、プラスチック、木材等
の難接着材料に対しても硬化を阻害されることなく、優
れた接着性を示す主剤−プライマー型アクリル系接着剤
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、重合性
(メタ)アクリルモノマー及び有機過酸化物を主成分と
する主剤と、主剤中の有機過酸化物とレドックス触媒系
を形成する還元剤を主成分とするプライマーからなる、
主剤−プライマー型アクリル系接着剤において、プライ
マーがアルデヒドとアミンの縮合物及び可溶性バナジウ
ム化合物を主成分とし、主剤またはプライマーの少なく
とも一方に酸性リン化合物、有機カルボン酸及び有機ス
ルホン酸から選ばれた酸性化合物の一種以上を含有させ
たことを特徴とする主剤−プライマー型アクリル系接着
剤が提供される。
【0010】即ち、本発明の主剤−プライマー型アクリ
ル系接着剤は、特に組成面での制約なしに通常の材料は
もちろん、従来クロロスルホン化ポリエチレンを使用し
ないと接着し難いとされていた無機材料、発泡プラスチ
ック、木材等に対しても優れた接着性能を示し、しかも
室温下で短時間で硬化することを見い出し、また、クロ
ロスルホン化ポリエチレンを使用した場合は更に短時間
で硬化することを見いだし本発明を完成するに至った。
【0011】本発明において主剤中の成分として用いら
れる重合性(メタ)アクリルモノマーとしては、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、
多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、エポキシ
樹脂に(メタ)アクリル酸を付加反応させて得られるエ
ポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)ア
クリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビス
フェノールAまたはビスフェノールSのアルキレンオキ
サイド付加物のジ(メタ)アクリレートなどがあげられ
る。
【0012】主剤中に含有させる有機過酸化物として
は、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ
イド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルパーオキシラウレート等のパーオキシエステル類、
1,5−ジtブチルパーオキシー3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、アセト酢
酸エチルパ−オキサイド等のケトンパーオキサイド類等
があげられる。
【0013】プライマー中の主成分であり硬化促進剤と
して作用するアルデヒドとアミンの縮合物としては、例
えば、ブチルアルデヒドとアニリンの縮合物、ブチルア
ルデヒドとn−ブチルアミンの縮合物、ヘプトアルデヒ
ドとアニリンの縮合物等が挙げられる。また、可溶性の
バナジウム化合物とは、溶解した状態で使用できること
が必須であり、通常は上記アルデヒドとアミンの縮合物
に溶解することができるが、溶解性の悪いバナジウム化
合物は有機溶媒に溶解して用いたり、場合によっては後
述する酸性化合物と併存させることによって使用可能で
ある。これらの可溶性パナジウム化合物の例として、バ
ナジルアセチルアセテート、バナジウムアセチルアセテ
ート、ステアリン酸バナジル、バナジウムプロポキシ
ド、バナジウムブトキシド、五酸化バナジウム等があげ
られる。バナジウム化合物はプライマー中に0.01〜
5.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%含有さ
せるのが好ましい。
【0014】さらに、主剤またはプライマーの少なくと
も一方に含有させる酸性リン化合物、有機カルボン酸、
有機スルホン酸から選ばれる酸性化合物としては、以下
に例示されるものが挙げられる。 (1)酸性リン化合物 モノメチルホスフェート、ジメチルホスフェート、モノ
エチルホスフェート、ジエチルホスフェート、モノイソ
プロピルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、
モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノ
−β−クロロエチルホスフェート、ジ−β−クロロエチ
ルホスフェート、モノ−β−ブロモエチルホスフェー
ト、ジ−β−ブロモエチルホスフェート、モノエトキシ
エチルホスフェート、ジエトキシエチルホスフェート、
モノブトキシエチルホスフェート、ジブトキシエチルホ
スフェート、フェニルホスフェート、ジフェニルホスフ
ェートなどの分子中にアルキル基、ハロゲン化アルキル
基、アルコキシアルキル基、またはアリール基を含有す
る酸性リン酸エステル、モノアクリロイルオキシエチル
ホスフェート、ジアクリロイルオキシエチルホスフェー
ト、モノメタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジ
メタクリロイルオキシエチルホスフェート、モノアクリ
ロイルオキシプロピルホスフェート、ジアクリロイルオ
キシプロピルホスフェート、モノメタクリロイルオキシ
プロピルホスフェート、ジメタクリロイルオキシプロピ
ルホスフェート、モノアクリロイルオキシ−β−クロロ
プロピルホスフェート、ジアクリロイルオキシ−β−ク
ロロプロピルホスフェート、モノメタクリロイルオキシ
−β−クロロプロピルホスフェート、ジメタクリロイル
オキシ−β−クロロプロピルホスフェートなどの分子中
に(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する酸性リン酸
エステル、フェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸
などのホスホン酸類、フェニル亜ホスホン酸、ジフェニ
ル亜ホスホン酸などの亜ホスホン酸類、エチルピロホス
フェート、ブチルピロホスフェートなどの酸性ピロリン
酸エステル、さらにリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピ
ロリン酸、ポリリン酸等のリンのオキシ酸等。
【0015】(2)有機カルボン酸 アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、β−アクリロ
イルオキシプロピオン酸、モノ(β−メタクリロイルオ
キシエチル)フタレート、モノ(β−メタクリロイルオ
キシエチル)サクシネート、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、テトラヒドロフタル酸等の不飽和カルボン
酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、ラウリン酸、コ
ハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、
フタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸等。
【0016】(3)有機スルホン酸 β−スルホエチルメタクリレート、アリルスルホン酸、
メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸等の不飽和スル
ホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−エ
チルヘキサンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、α−ナフタリ
ンスルホン酸、β−ナフタリンスルホン酸等の芳香族ス
ルホン酸等。上記(1)〜(3)の化合物は主剤または
プライマーの少なくとも一方に、0.1〜20重量%、
好ましくは0.5〜10重量%含有させる。更に、これ
らは2種以上併用することができる。特に、本発明にお
いては(1)で示される酸性リン化合物が、本発明の接
着剤の特徴である速硬化性と難接着材料に対する優れた
接着性を示すと共に接合部からあふれて空気と接触して
いる部分の硬化性を改善する効果も有しているので好適
に使用することができる。
【0017】その他本発明においては、接着剤の性能を
向上させる目的で以下のような化合物を添加することが
できる。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリビニ
ルブチラール、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸エステルーブ
タジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メタクリ
ル酸エステル−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体(MBAS樹脂)等の熱可塑性樹脂、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム
(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、クロロプレン
ゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、塩化ゴム、ア
クリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロルスルホン
化ポリエチレン等のゴム、液状ポリブタジエン、末端ア
クリル変性液状ポリブタジエン、液状アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体等の液状ゴム等の粘度調整及び硬
化物の柔軟性を向上させることを目的とする各種ポリマ
ーを要求される性能によって適宜選択して使用すること
ができる。
【0018】また、微粉末ポリエチレン、ジベンジリデ
ン−D−ソルビトール、セルローストリアセテート、ス
テアリン酸アミド、ベントナイト、微粉末ケイ酸等の揺
変性付与剤や2,6−ジtブチル−4−メチルフェノー
ル、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tブチ
ルフェノール)、ベンゾキノン、ハイドロキノン、エチ
レンジアミン4酢酸4ナトリウム、シュウ酸、N−メチ
ル−N−ニトロソアニリン、N−ニトロソジフェニルア
ミン等のラジカル重合禁止剤、染料や顔料等の着色剤を
使用することもできる。
【0019】及び、エチレンチオ尿素、アセチルチオ尿
素、ベンゾイルチオ尿素、サッカリン、α,α′−ジピ
リジン、アスコルビン酸、バルビツール酸、アセチルア
セトン、α−ヒドロキシアセトン、ジヒドロキシアセト
ン、アセトイン、塩化ベンジル、p−トルエンスルホニ
ルクロライド等の公知の促進剤が使用できる。
【0020】
【作用】本発明の主剤−プライマー型アクリル系接着剤
においては、有機過酸化物、アルデヒドとアミンの縮合
物、可溶性バナジウム化合物、及び上述した酸性化合物
が必須成分であり、これらの相互作用によって上述した
効果を発揮できるのであって、これらのうちの1つでも
欠けると十分な接着性能が発揮できないものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例によってさら
に詳細に説明する。なお、これらの例において部は全て
重量部を表すものとし、物性の測定は以下のように行っ
た。 <引張せん断強度の測定>23℃、50%RHの室内
で、主剤及びプライマーを重量比で10:1になるよう
に別々の被着体(寸法25×100mm)に薄く塗り、
その後両者を擦り合わせるようにしてラップ長さ12m
mで貼り合わせ、24時間養生後にASTMD1002
−64に従って測定した。被着体は難接着材料の代表と
して2.5mm厚さのラワン合板、4mm厚さの石綿ス
レート板、及び2mm厚さのポリスチレン板を、接着性
の良好なものの代表として1.6mm厚さの冷間圧延鋼
板(以下鋼板と略す。)を用いた。 <セットタイムの測定>接着強度の測定と同様の操作で
1.6mm厚さの鋼板を接着し、5kgの荷重をかけて
も剥がれなくなるまでの時間をセットタイムとした。
【0022】実施例1 下記に示した組成の主剤(No.1)及びプライマー
(No.1)からなるアクリル系接着剤を調製し接着試
験を行った。結果を表1に示す。本発明の接着剤は速硬
化性で難接着材料に対しても優れた接着性を示した。 <主剤(No.1)> ヒドロキシプロピルメタクリレート 70部 ABS樹脂(住友ノーガタック社製、クララスチックK2540A) 30部 p−ベンゾキノン 0.1部 クメンハイドロパーオキサイド 4部 メチルホスフェート(モノエステルとジエステルの当モル混合物) 1部 <プライマー(No.1)> ブチルアルデヒドとアニリンの縮合物(大内新興化学社製、ノクセラー8) 100部 バナジルアセチルアセトネート 0.5部
【0023】実施例2〜13、比較例1〜6 実施例1で使用した主剤(No.1)中の酸性化合物と
してのメチルホスフェートを本発明の他の酸性化合物、
または本発明以外のリン化合物や酸性化合物を使用する
か、もしくはそれらを使用しない以外は実施例1と同様
にして得られたアクリル系接着剤のセットタイム、引張
せん断強度を測定した。結果を表1に示す。本発明の酸
性化合物を使用した場合に比べて、他のリン化合物(ト
リメチルホスフェート、トリフェニルホスフィン、亜リ
ン酸ジメチル)やレゾルシン、ホウ酸を使用した場合は
セットタイムが極めて遅く、難接着材料に対する接着性
も悪かった。
【0024】
【表1】
【0025】比較例7〜12 実施例1で使用したプライマー(No.1)中の可溶性
バナジウム化合物としてのバナジルアセチルアセトネー
トにかえて各種金属化合物またはその他の重合促進剤を
使用した以外は実施例1と同様にして得られたアクリル
系接着剤のセットタイム、引張せん断強度を測定した。
結果を表2に示す。本発明以外のコバルト、鉄、マンガ
ンのアセチルアセトネートや公知の硬化促進剤であるサ
ッカリン、アセチルチオ尿素では可溶性バナジウム化合
物のような接着性は得られなかった。また、銅アセチル
アセトネートを使用した場合はラワン合板に優れた接着
性を示したものの石綿スレートの接着に問題があった。
【0026】
【表2】
【0027】実施例14〜18 下記に示した組成の主剤(No.2)及びプライマー
(No.2)からなるアクリル系接着剤を調製し接着試
験を行った。結果を表3に示す。表3からも明らかなよ
うに本発明においては使用した有機過酸化物の種類によ
らず良好な性能を示す。 <主剤(No.2)> ヒドロキシプロピルメタクリレート 70部 ABS樹脂(住友ノーガタック社製、クララスチックK2540A) 30部 p−ベンゾキノン 0.1部 有機過酸化物 4部 <プライマー(No.2)> ブチルアルデヒドとアニリンの縮合物(大内新興化学社製、ノクセラー8) 80部 ジブチルホスフェート 20部 五酸化バナジウム 0.1部
【0028】
【表3】
【0029】実施例19 下記に示す主剤(No.3)とプライマー(No.3)
からなる接着剤を調製して、接着試験を行った。結果を
表4に示す。本発明の接着剤は難接着材料に対しても良
好な接着性能を示した。 <主剤(No.3)> アートレジンUN−1255TM(根上工業社製、アクリル変性ウレタンプレ ポリマー) 60部 ヒドロキシエチルメタクリレート 40部 t−ブチルパーオキシベンゾエート 4部 モノメタクリロイルオキシエチルホスフェート 5部 <プライマー(No.3)> ブチルアルデヒドとアニリンの縮合物(大内新興化学社製、ノクセラー8) 30部 ステアリン酸バナジル 0.5部 アセトン 70部
【0030】比較例13〜15 実施例19で使用したプライマー(NO.3)中のステ
アリン酸バナジルをステアリン酸銅に代えて調製した接
着剤(比較例13)及び該接着剤の主剤に更にp−トル
エンスルホニルクロライド、またはサッカリンを配合し
て調製した接着剤(比較例14、15)について接着試
験を行った。結果を表4に示す。表4から明らかなよう
に、本発明の接着剤は難接着材料に対しても優れた接着
性を示したが、比較例の接着剤は難接着材料に対しては
必ずしも満足できるものではなかった。
【0031】
【表4】
【0032】実施例20 下記に示す主剤(No.4)とプライマー(No.4)
からなる接着剤を調製して、接着試験を行った結果、セ
ットタイム40秒、引張せん断強度はラワン合板が38
kg/cm2で材料破壊、石綿スレートが28kg/c
2で材料破壊、ポリスチレンが29kg/cm2、鋼板
が208kg/cm2であり、クロロスルホン化ポリエ
チレンを併用すると、極めて良好な性能を示した。 <主剤(No.4)> メチルメタクリレート 60部 メタクリル酸 10部 エチレングリコールジメタクリレート 3部 ハイパロン#20(デュポン社製、クロロスルホン化ポリエチレン) 30部 クメンハイドロパーオキサイド 3部 <プライマー(No.4)> ブチルアルデヒドとアニリンの縮合物(大内新興化学社製、ノクセラー8) 100部 バナジウムアセチルアセトネート 0.5部
【0033】実施例21、比較例16〜19 表5に示した組成の主剤とプライマーとからなるアクリ
ル系接着剤を調製し、接着性能を測定した結果を表5に
示す。表5から明らかなように本発明の必須成分を使用
していない場合十分な接着性能が得られない。
【0034】
【表5】
【0035】
【効果】本発明の主剤−プライマー型アクリル系接着剤
は、室温におけるセットタイムが速く、かつ金属はもと
より、無機材料、プラスチック、木材等の難接着材料に
対する接着性にも優れている。また、重合性モノマー、
ポリマー等を使用する際の組成上の制約がないので、様
々な要求に合ったアクリル系接着剤の調製が可能となり
利用範囲を拡大することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】プライマー中の主成分であり硬化促進剤と
して作用するアルデヒドとアミンの縮合物としては、例
えば、ブチルアルデヒドとアニリンの縮合物、ブチルア
ルデヒドとn−ブチルアミンの縮合物、ヘプトアルデヒ
ドとアニリンの縮合物等が挙げられる。また、可溶性の
バナジウム化合物とは、溶解した状態で使用できること
が必須であり、通常は上記アルデヒドとアミンの縮合物
に溶解することができるが、溶解性の悪いバナジウム化
合物は有機溶媒に溶解して用いたり、場合によっては後
述する酸性化合物と併存させることによって使用可能で
ある。これらの可溶性ナジウム化合物の例として、バ
ナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセ
トネート、ステアリン酸バナジル、バナジウムプロポキ
シド、バナジウムブトキシド、五酸化バナジウム等があ
げられる。バナジウム化合物はプライマー中に0.01
〜5.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%含有
させるのが好ましい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性(メタ)アクリルモノマー及び有
    機過酸化物を主成分とする主剤と、主剤中の有機過酸化
    物とレドックス触媒系を形成する還元剤を主成分とする
    プライマーからなる、主剤−プライマー型アクリル系接
    着剤において、プライマーがアルデヒドとアミンの縮合
    物及び可溶性バナジウム化合物を主成分とし、主剤また
    はプライマーの少なくとも一方に酸性リン化合物、有機
    カルボン酸及び有機スルホン酸から選ばれた酸性化合物
    の一種以上を含有させたことを特徴とする主剤−プライ
    マー型アクリル系接着剤。
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