JPH0680813A - 高分子量ポリカーボネート樹脂発泡体とその製造方法 - Google Patents

高分子量ポリカーボネート樹脂発泡体とその製造方法

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JPH0680813A
JPH0680813A JP23383992A JP23383992A JPH0680813A JP H0680813 A JPH0680813 A JP H0680813A JP 23383992 A JP23383992 A JP 23383992A JP 23383992 A JP23383992 A JP 23383992A JP H0680813 A JPH0680813 A JP H0680813A
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卓 中尾
Takeshi Yasui
武 安井
Hiroshi Yatani
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Shinsuke Fukuoka
伸典 福岡
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量平均分子量が40000以上30000
0以下のポリカーボネート樹脂を発泡させた高分子量ポ
リカーボネート樹脂発泡体。 【効果】 高分子量のポリカーボネート樹脂のため、発
泡体を広い温度範囲にて発泡倍率を均一に制御でき、し
かも、耐熱性、耐溶剤性、耐熱水性等の向上した発泡体
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細気泡を有する高分
子量ポリカーボネート樹脂発泡体とその製造方法に関す
るものであり、詳しくは、自動車や建築用途の内装材、
複合芯材等及び包装資材等、なかでも特に耐熱性を要求
される電子レンジ容器、レトルト食品容器等に好適に用
いうる、耐熱性に優れ、有害物質を含まない、高分子量
ポリカーボネート樹脂発泡体及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリカーボネート樹脂発泡体
に関しては、押出発泡及び含浸発泡に於いて、その発泡
剤、発泡条件等が種々検討されてきた。たとえば、特公
昭59−23336号公報、特公昭63−4502号公
報、特公平1−41485号公報、特開平2−2618
36号公報等である。ただし、いずれの場合も発泡体の
平均セル径が0.2mm以上と比較的大きいか、また
は、セル径の厳密な検討はなされていなかった。
【0003】また、V.Kumarら(ANTEC ’
91.P1401〜1405、P1406〜P141
0、及びAm.Soc.Mech.Eng.Mate
r.Div.Vol19,P197〜212)は、重量
平均分子量がせいぜい35000程度の市販のポリカー
ボネート樹脂シートに炭酸ガスを含浸させ、マイクロセ
ル(セル径が10μm以下)発泡体が得られたと報告し
ているが、低倍率(せいぜい10倍強)の発泡体を得た
に過ぎない。
【0004】以上述べたように、広い範囲で発泡倍率を
変えることができ、しかもその均一な制御が容易であ
る、ポリカーボネート樹脂のマイクロセル発泡体は、従
来技術では得られていなかった。さらにこれら従来の方
法にて得られたポリカーボネート樹脂発泡体は、もちろ
ん、耐熱性、耐溶剤性、耐熱水性が不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2倍から4
0倍程度の広い範囲の発泡倍率を制御することができ、
しかも、その発泡倍率の制御が容易でかつ均一に達成さ
れうるポリカーボネート樹脂発泡体、なかでも特に耐熱
性に優れるマイクロセル発泡体を得ることを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、樹脂の重量平均分子量の課題解決に及ぼす効果、特
に市販されておらず従来全く検討されていなかった、重
量平均分子量が40000以上の高分子量ポリカーボネ
ート樹脂に着目して種々検討を加えた結果、広い温度範
囲にて発泡倍率を均一にコントロールでき、しかも、耐
熱性、耐溶剤性、耐熱水性等の向上したポリカーボネー
ト樹脂発泡体が得られることを見い出した。
【0007】すなわち、本発明は、以下の通りである。 (1) 重量平均分子量が40000〜300000の
高分子量ポリカーボネート樹脂発泡体。 (2) 発泡体の平均セル径が100μm以下であるこ
とを特徴とする上記(1)記載の高分子量ポリカーボネ
ート樹脂発泡体。 (3) 炭酸ガスを発泡剤として、重量平均分子量が4
0000〜300000の高分子量ポリカーボネート樹
脂を発泡させることを特徴とする高分子量ポリカーボネ
ート樹脂発泡体の製造方法。
【0008】重量平均分子量が40000未満の樹脂と
比較して、重量平均分子量40000〜300000の
範囲のものは、高温で発泡させても収縮、表面のあれ等
が発生しないため、広い温度範囲にて発泡倍率を変える
ことができ、しかも図1の1で示すように発泡倍率と発
泡温度の関係がなだらかであることにより、加熱温度が
多少ばらついても発泡倍率の変動が少なく均一な発泡と
なるため、発泡条件の制御が容易である。しかも、その
発泡体は、樹脂の耐熱性が向上しているのに加え、セル
の大きい従来品より、より微細なセルを均一に形成して
いるため実用上の耐熱性に優れるということを見出し
た。ここでいう実用上の耐熱性とは、長時間連続使用時
の耐熱性ではなく、たとえば電子レンジ加熱用容器等の
短時間の耐熱性のことである。
【0009】本発明では、ポリカーボネート樹脂の平均
分子量(以下で記述する平均分子量とは重量平均分子量
のことを意味する。)は、40000〜300000で
あることが必要である。分子量が40000未満のもの
は、発泡加熱温度を高くした場合、発泡体の収縮、表面
のあれ等が起こるため、発泡温度範囲を広くとることが
できない。また、発泡倍率と発泡温度との関係が急峻で
あるため、加熱温度が多少ばらつくと発泡倍率が大きく
変動するため、発泡条件の制御が難しい。また、分子量
が300000を越えるものは、発泡時の粘弾性が大き
すぎるため発泡倍率が大きくとれないため、本発明の目
的を達成しない。
【0010】平均分子量は、好ましくは42500〜2
00000、より好ましくは45000〜10000
0、特に好ましくは50000〜80000の範囲であ
る。本発明におけるポリカーボネート樹脂の平均分子量
の測定は、GPCを用いて行い、測定条件は下記の方法
によった。テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレン樹脂
ゲルを使用し、標準単分散ポリスチレン樹脂の較正曲線
をもとに下記式による換算分子量較正曲線から平均分子
量を算出した。
【0011】Mpc=0.359Mps 1.0389 (ここでのMpcは、ポリカーボネート樹脂の平均分子量
であり、Mpsはポリスチレン樹脂の平均分子量であ
る。)本発明に用いられるポリカーボネート樹脂は、下
記(1)式で表される繰り返し単位からなる主鎖を有す
るポリカーボネート樹脂である。
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Arは、二価の芳香族残基であ
り、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、
ピリジレンや、下記(2)式で表されるものが挙げられ
る。) −Ar1 −Y−Ar2 − (2) (式中、Ar1 及びAr2 は、それぞれアリーレン基で
あって、例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ピリジレン等の基を表し、Yは下記化2に表される
アルキレン基または置換アルキレン基である。)
【0014】
【化2】
【0015】また、下記(3)式で示される二価の芳香
族残基を共重合体成分として含有していても良い。 −Ar1 −Z−Ar2 − (3) 〔式中、Ar1 、Ar2 は前記と同じであり、Zは単な
る結合、または、−O−、−CO−、−S−、−SO2
−、−CO2 −、−CON(R1 )(R2 )−、
(R1 、R2 は前記と同様)等の二価の基である。〕こ
れら二価の芳香族残基の例としては、下記の化3、化
4、化5に表されるもの等が挙げられる。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R5 及びR6 は、それぞれ、水
素、ハロゲン、C1 〜C10アルキル基、C1 〜C10アル
コキシ基、C1 〜C10シクロアルキル基またはフェニル
基であって、m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の
場合には各R5 はそれぞれ同一でも異なるものであって
もよいし、nが2〜4の場合は各R6 はそれぞれ同一で
も異なるものであっても良い。)なかでも、下記(4)
式で表されるものが好ましい一例である。
【0020】
【化6】
【0021】特に、上記の(4)式をArとする繰り返
しユニットを85モル%以上含むものが好ましい。ま
た、本発明のポリカーボネート樹脂は、三価以上の芳香
族残基を共重合成分として含有していても良い。ポリマ
ー末端の分子構造は特に限定されないが、ヒドロキシル
基、アリールカーボネート基、アルキルカーボネート基
から選ばれた1種以上の末端基を結合することができ
る。
【0022】アリールカーボネート末端基は、下記
(5)式
【0023】
【化7】
【0024】(式中、Ar3 は一価の芳香族残基であ
り、芳香環は置換されていても良い。)で表され、具体
例としては、例えば、
【0025】
【化8】
【0026】等が挙げられる。アルキルカーボネート末
端基は、下記(6)式
【0027】
【化9】
【0028】(式中、R7 は炭素数1〜20の直鎖もし
くは分岐アルキル基である。)で表され、具体例として
は、例えば、
【0029】
【化10】
【0030】等が挙げられる。これらの中で、フェニル
カーボネート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート
基、p−クミルフェニルカーボネート基等が好ましく用
いられる。ヒドロキシル基末端は、耐熱性、耐熱水性等
を低下させるため、極力少ない方が好ましい。これらポ
リカーボネート樹脂は、公知の方法で製造できる。例え
ば、特開昭61−238823号公報に記載の方法に
て、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、p−t−ブチルフェノールとホスゲンを用いて重合
する方法、または、特開平3−68627号公報記載の
方法にて、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンとジフェニルカーボネートを用いて重合する方法
等が適宜用いられる。後者の方法にて製造したポリカー
ボネート樹脂は、有害なハロゲン成分が残存せず、安全
性に優れる。
【0031】さらに、必要に応じて、発泡性を著しく変
化させない範囲で、公知の滑剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤等の添加剤を加えて用いても良い。本発明で用いる化
学発泡剤とは、公知の加熱分解型発泡剤が用いられ、ア
ゾジカルボンアミド、トリヒドラジノトリアジン、ベン
ゼンスルホニルセミカルバジド、p,p´−オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド等が適宜選択され用いら
れる。
【0032】本発明で用いる物理発泡剤とは、通常公知
の、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メ
タノール、エタノール等のアルコール系炭化水素、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン系炭化水素、1,
1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素、炭酸ガス、チッ素ガ
ス等の無機ガス等が、好適に用いられる。中でも、無機
ガス、特に炭酸ガスが、発泡体の平均セル径が小さいフ
ァインセルとなるため好ましい。
【0033】さらに、特開平3−68627号公報記載
の固相重合法で得られたポリカーボネート樹脂は、溶液
重合法に比べ有害であるハロゲンを殆ど含まないことが
特徴であり、またその樹脂の発泡剤として炭酸ガスを用
いると、従来の技術では得られない有害物質を殆ど含ま
ない、耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂発泡体が得
られる。
【0034】物理発泡剤は、公知の方法、たとえばシー
トや成形体を入れたオートクレーブ等の高圧容器内に導
入され、必要であれば高温高圧条件下にて含浸される。
含浸条件および含浸量は、必要とされる発泡倍率、発泡
温度を考慮して適宜選択されうる。例えば、発泡剤とし
て炭酸ガスを用いる場合には、特に限定されないが、温
度0〜30℃、圧力10〜75kg/cm2 、時間5〜
48時間が好ましく用いられる。またさらには、必要に
応じて公知の追添発泡の手段も取りうる。
【0035】また、発泡時の加熱手段としては、公知の
方法である、熱風加熱、加熱オイル加熱、遠赤外線加
熱、スチーム加熱等が適宜選択される。特に、ポリカー
ボネート樹脂の比較的高い水蒸気透過性を有効に利用し
て、スチーム加熱法では高倍発泡品が得られる。また、
本発明の発泡体の平均セル径は、断熱性が高いほど、実
用上の耐熱性を向上させられるため、そのセル径は小さ
いほど良く、好ましくは100μm以下である。より好
ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以
下、特に好ましくは20μm以下である。ここでいう、
発泡体の平均セル径とは、100〜1000倍程度の倍
率の電子顕微鏡写真〔走査型電子顕微鏡 日本電子
(株)製JSM−T300−FCS〕にて発泡体の断面
を観察し、50個以上のセルの直径を測定し、平均して
求めた値である。
【0036】さらに、本発明の発泡体の密度は、その用
途により適宜選択されうるが、通常0.60〜0.02
g/cm3 のものが好適である。好ましくは、0.40
〜0.025g/cm3 、さらに好ましくは0.30〜
0.03g/cm3 、特に好ましくは、0.24〜0.
04g/cm3 である。なお、発泡体の倍率とは、樹脂
の密度を発泡体の密度で割った値である。
【0037】本発明の発泡体の製法は、適宜その用途を
勘案し、一般公知の発泡体の製法が用いられる。たとえ
ば、発泡性ビーズは、予め目的とする樹脂のビーズ状ペ
レットを物理発泡剤溶液中、または物理発泡剤気相中、
もしくは物理発泡剤を含む水性懸濁溶液中で、必要なら
ばかくはんしながら、発泡剤をペレットに吸収させる
か、または、目的とするポリマー組成のペレットを押出
機で押し出す途中で、物理発泡剤または化学発泡剤を圧
入し、これを溶融混練りした後、ダイス小孔ノズルより
押し出し、水槽中で発泡を抑えるために急冷し、発泡剤
を含んだビーズを得るか、のいずれの方法を用いても良
い。発泡剤を含んだビーズは、ビーズ発泡ポリスチレン
に代表されるような公知のビーズ発泡体と同様に、成形
金型内で加熱成形し、任意の成形体に成形できる。
【0038】また、押出発泡にて平板状またはシート状
の発泡体を得ることも、樹脂ペレットを押出機で押し出
す途中で、物理発泡剤または化学発泡剤を圧入し、これ
を溶融混練りしプレートクーラー等を通過させた後、ダ
イスから押し出し圧を解放し、平板状またはシート状の
発泡体を得ることができる。これらは真空成形等の方法
により任意の成形体に加工できる。
【0039】
【実施例】以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
【0040】
【実施例1】特開平3−68627号公報記載の方法に
て、ジフェニルカーボネートと2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンとから製造されたポリカーボ
ネート樹脂(重量平均分子量56000)のペレット
を、押出機を用いてシリンダー温度320℃で溶融押出
しを行い、厚さ1.3mmのシートを作成した。
【0041】このシートから100×100mmのサン
プルを切り出し、小型オートクレーブに入れ、炭酸ガス
を40kg/cm2 まで圧入し、室温で48時間放置し
た。圧を解放し、サンプルの重量を測定したところ、サ
ンプル重量に対して9.5重量部、炭酸ガスが含浸され
ていた。この含浸サンプルをオイルバスにて発泡温度を
150〜180℃まで変えて、30秒間加熱して発泡さ
せたところ、発泡倍率は、この温度範囲で温度上昇に比
例して150℃で2.5倍(密度0.48g/cm3 )か
ら180℃で18倍(密度0.07g/cm3 )にまで上
昇し、均一に発泡倍率をコントロールすることが確認で
きた。得られた発泡体はいずれも、セル径は10μm以
下であった。
【0042】また、オイルバス175℃で60秒間加熱
しても発泡体は収縮せず、比較例より耐熱性に優れてい
た。この含浸サンプルを、スチーム式加熱装置にて、そ
れぞれ加熱温度147℃、151℃、155℃にて1分
間加熱して、発泡体を得た。これら発泡体の密度は、そ
れぞれ0.24、0.11、0.06g/cm3 であ
り、平均セル径は約10μm以下の均一なマイクロセル
発泡体であった。JIS−K6767に準じて測定した
引張強度は、それぞれ168、56、20kg/cm2
で、引張伸度は、それぞれ61、59、44%であっ
た。
【0043】
【実施例2】実施例1と同様の方法にて固相重合した
後、重量平均分子量42000(A)と、95000
(B)のポリカーボネート樹脂を得た。実施例1と同様
な方法にて、押出シートを作製し、炭酸ガスを含浸し、
9.5重量部の含浸サンプルを得た後、この含浸サンプ
ルを、オイルバスに浸漬して加熱発泡させた。(A)と
(B)の含浸サンプルを、オイルバスにて発泡温度を1
50〜180℃まで変えて、30秒間加熱して発泡させ
たところ、この温度範囲で、温度上昇に比例して発泡倍
率は上昇し、均一に発泡倍率をコントロールすることが
確認できた。(A)から170℃、1分間加熱で、得ら
れた発泡体の密度は0.07g/cm3 であり、(B)
から180℃、1分間加熱で、得られた発泡体の密度は
0.06g/cm3 であり、いずれも平均セル径約10
μm以下の均一なマイクロセル発泡体であった。
【0044】また、いずれの含浸サンプルも175℃オ
イルバスにて1分間加熱発泡させても、発泡体の収縮は
起こらず、比較例に比べ耐熱性に優れていた。
【0045】
【比較例1】重量平均分子量22500〔パンライトL
−1225、帝人化成(株)製〕(C)と重量平均分子
量30000〔パンライトK−1300、帝人化成
(株)製〕(D)を用いて、実施例1と同様な方法に
て、厚み1.3mmの押出シートを得た。
【0046】このシートを、50×50mm角にサンプ
リングし、実施例1と同様な方法にて炭酸ガスを含浸し
た。含浸量はいずれも9.5重量部であった。これらの
含浸シートを、155℃、165℃、175℃のオイル
バスに30秒間浸漬し発泡させたところ、得られた発泡
体はセル径は小さいものの、その密度は、(C)、0.
17、0.18、0.30g/cm3 で、(D)、0.
24、0.09、0.08g/cm3 であった。いずれ
も175℃では、30秒以上経過した時点で発泡中に収
縮が始まり、実施例のものに比べ、耐熱性が不足してお
り、発泡温度範囲が狭かった。このことは、実施例に比
べ均一な発泡体を得るための発泡温度条件の制御が難し
いことを示している。
【0047】
【比較例2】実施例1と同様な方法にて固相重合した
後、重量平均分子量325000のポリカーボネート樹
脂を得た。実施例1と同様な方法にて、押出シートを作
製し、炭酸ガスを含浸し、8.2重量部の含浸サンプル
を得た後、この含浸サンプルを、オイルバスに浸漬して
加熱発泡させた。加熱温度を180℃まで上昇させ、3
0秒間加熱して発泡させたところ、得られた発泡体はマ
イクロセル発泡体であったが、発泡体密度0.13g/
cm3 (発泡倍率9倍)のものしか得られず、これ以上
の加熱条件では発泡体表面にあれが発生した。これは、
分子量が高すぎるために発泡倍率を大きくとれなかった
と考えられる。
【0048】
【実施例3】実施例1の樹脂を用いて、押出機にて、平
均1mmφ程度のビーズ状ペレットを得た。このビーズ
状ペレットを、小型オートクレーブに入れ、炭酸ガスを
45kg/cm2 まで圧入し、室温で48時間放置し
た。圧を解放し、サンプルの重量を測定したところ、サ
ンプル重量に対して8.9重量部、炭酸ガスが含浸され
ていた。この含浸ビーズを金網篭に入れ、スチーム式加
熱装置にて、加熱温度150℃にて1分間加熱して、密
度0.13g/cm3 の予備発泡ビーズを得た。この予
備発泡ビーズに再度炭酸ガスを含浸し、約15重量部ま
で含浸した、発泡性ビーズを得た。このビーズを成形用
金型に充填し、金型ごとスチーム式加熱装置に入れ、加
熱発泡させ、100×150×20mmの板状のビーズ
発泡成形体が得られた。
【0049】
【実施例4】実施例1で得られた押出シートから50×
50mm角にサンプリングし、n−ペンタンを液相で含
浸し、4重量部の含浸サンプルを得た。この含浸サンプ
ルを、170℃のオイルバスに1分間浸漬して加熱発泡
させ、密度0.20g/cm 3 で、平均セル径約100
μm以下の均一なマイクロセル発泡体を得た。また、こ
の含浸サンプルも175℃オイルバスにて1分間加熱発
泡させても、発泡体の収縮は起こらず、比較例に比べ耐
熱性に優れていた。
【0050】
【実施例5】実施例1と同様な方法にて、165℃オイ
ルバスで30秒加熱し、密度0.15g/cm3 のマイ
クロセル発泡体を得た。この発泡体に再度炭酸ガスを追
含浸し、炭酸ガスを12部含浸したサンプルを得た。こ
のサンプルを175℃のオイルバスで30秒加熱し、密
度0.03g/cm3 (発泡倍率40倍)で、セル径約
30μm以下の均一なマイクロセル発泡体を得た。この
含浸サンプルも175℃で、オイルバスにて1分間加熱
発泡させても、発泡体の収縮は起こらず、比較例に比べ
耐熱性に優れていた。
【0051】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂の発泡体
は、広い温度範囲にて発泡することができ、発泡温度が
多少ばらついても均一な発泡体となる。また、従来のポ
リカーボネート樹脂発泡体に比べ、樹脂そのものの耐熱
性が向上したばかりでなく、本発明の発泡体は微細セル
を均一に形成していることが特徴であり、そのため、セ
ルの大きい従来品よりさらに断熱性が向上し、実用上の
耐熱性が優れている。
【0052】また、炭酸ガスを発泡剤とした本発明の発
泡体の製造方法では、セル径10μm以下の発泡体が得
られ、これはより微細なセルの発泡体であるため、実用
上の耐熱性がさらに優れた発泡体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1で用いたポリカーボネー
ト樹脂の発泡倍率と加熱温度との関係を示すグラフ図で
ある。
【符号の説明】
1 実施例1における重量平均分子量64000のポリ
カーボネート樹脂 2 比較例1における重量平均分子量30000のポリ
カーボネート樹脂 3 比較例1における重量平均分子量22500のポリ
カーボネート樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福岡 伸典 岡山県倉敷市潮通3丁目13番1 旭化成工 業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が40000〜3000
    00の高分子量ポリカーボネート樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 発泡体の平均セル径が100μm以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の高分子量ポリカー
    ボネート樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 炭酸ガスを発泡剤として、重量平均分子
    量が40000〜300000の高分子量ポリカーボネ
    ート樹脂を発泡させることを特徴とする高分子量ポリカ
    ーボネート樹脂発泡体の製造方法。
JP23383992A 1992-09-01 1992-09-01 高分子量ポリカーボネート樹脂発泡体 Expired - Lifetime JP3333241B2 (ja)

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