JP2020164581A - 発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観及び機械的強度が良好で、かつ融着性が向上した発泡成形体を成形性よく与え得るポリカーボネート系樹脂の発泡粒子を提供することを課題とする。【解決手段】ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子であり、前記発泡粒子は、前記発泡粒子の嵩倍数で前記発泡粒子の平均気泡径を除した場合、2.5〜12μm/倍の範囲内の値を有することを特徴とする発泡粒子により上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、発泡粒子及び発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とし、良好な外観及び高い機械的強度を有する発泡成形体及び、成形性よくこの発泡成形体を与える発泡粒子に関する。
発泡成形体は、軽いことに加え、加工性及び形状保持性がよく、比較的強度も高いため、食品トレーや自動車用部材を始め、建材、土木資材、照明器具等のさまざまな分野で使用されている。特に耐熱性が要求されない場合にはポリスチレン系樹脂製の発泡成形体が用いられ、緩衝特性、回復性、柔軟性等が必要な場合にはポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂製の発泡成形体が用いられる傾向にある。
これらポリスチレン系樹脂及びオレフィン系樹脂よりも一般的に耐熱性が高い樹脂として、ポリカーボネート系樹脂がある。これは、乾燥地帯や熱帯地帯等の過酷な気候の場所でも利用可能な樹脂素材である。このポリカーボネート系樹脂は、耐熱性に優れているだけでなく、耐水性、電気特性、機械的強度、耐老化性及び耐薬品性にも優れている。そのため、ポリカーボネート系樹脂は、これまで建造物の内装材として用いられてきたが、近年その優れた特性を活用した自動車用部材、包装材、各種容器等への用途展開も期待されている。
ところで、ポリカーボネート系樹脂の発泡成形体の製法としては、例えば、発泡粒子を金型内で発泡及び融着させる型内発泡成型法が知られている。この方法では、所望の形状に対応する空間を有する金型を用意し、その空間内に発泡粒子を充填し、加熱により発泡粒子を発泡及び融着させることで、複雑な形状を有する発泡成形体を得ることができる。しかしながら、この方法では、発泡成形体の外観が良好ではなく、かつ発泡粒子相互の融着も十分ではないという課題があった。
そこで、本願出願人は、発泡粒子相互の融着性を向上させることで、良好な外観の発泡成形体を提供する技術を特許文献1(特開2016−188321号公報)で提案している。
特開2016−188321号公報
特許文献1では、良好な外観の発泡成形体が得られているが、発泡粒子相互の融着性をより向上させることで、更に良好な外観及びより高い機械的強度の発泡成形体を提供することが望まれていた。
本発明の発明者等は、上記課題を鑑み、発泡粒子の嵩倍数と平均気泡径とを特定の範囲とすることで、発泡粒子から得られる発泡成形体の外観及び機械的強度を良好にできると共に、発泡粒子相互の融着性を向上できることを意外にも見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子であり、
前記発泡粒子は、前記発泡粒子の嵩倍数で前記発泡粒子の平均気泡径を除した場合、2.5〜12μm/倍の範囲内の値を有することを特徴とする発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とし、複数の発泡粒子から構成される発泡成形体であり、
前記発泡成形体は、前記発泡成形体の倍数で前記発泡成形体の平均気泡径を除した場合、2.5〜12μm/倍の範囲内の値を有することを特徴とする発泡成形体が提供される。
本発明によれば、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする外観及び機械的強度が良好で、かつ融着性が向上した発泡成形体、及び成形性よくこの発泡成形体を与えるポリカーボネート系樹脂の発泡粒子を提供できる。
以下のいずれかの場合、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする外観及び機械的強度がより良好で、かつ融着性がより向上した発泡成形体、及び成形性よくこの発泡成形体を与えるポリカーボネート系樹脂の発泡粒子を提供できる。
(1)発泡粒子が、1.0×10〜1.0×10個/cmの気泡数密度を示す。
(2)発泡粒子が、2〜20倍の嵩倍数を有する。
(3)発泡粒子が、0〜10%の連続気泡率を有する。
実施例1〜6の発泡粒子及び発泡成形体の切断面の写真である。 実施例7〜9の発泡粒子及び発泡成形体の切断面の写真である。 比較例1〜3の発泡粒子及び発泡成形体の切断面の写真である。
1.発泡粒子
発泡粒子は、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする。また、発泡粒子の嵩倍数で発泡粒子の平均気泡径を除した値が2.5〜12μm/倍の範囲内の値を発泡粒子は示す。発明者等は、嵩倍数と平均気泡径とを調整することで、発泡成形体の外観と融着性をより向上できることを見い出している。
1−1.発泡粒子の嵩倍数で発泡粒子の平均気泡径を除した値
発泡粒子の嵩倍数で発泡粒子の平均気泡径を除した値は、2.5〜12μm/倍の範囲内の値を示す。値が2.5μm/倍未満の場合、気泡膜が薄くなり成形時に気泡膜が破れ、連続気泡の割合が増え、気泡の座屈による発泡粒子の収縮等が生じることがある。12μm/倍より大きい場合、気泡膜が厚くなり成形性が低下することがある。値は、3.0〜10.0μm/倍であることが好ましく、3.0〜6.5μm/倍であることがより好ましい。
嵩倍数は、2〜20倍の範囲であることが好ましい。嵩倍数が2倍未満の場合、気泡膜が厚くなり成形性が低下することがある。20倍より大きい場合、気泡膜が薄くなり成形時に気泡膜が破れ、連続気泡の割合が増え、気泡の座屈による発泡粒子の収縮等が生じることがある。嵩倍数は、3〜18倍であることがより好ましく、5〜16倍であることが更に好ましい。
平均気泡径は、20〜200μmの範囲であることが好ましい。平均気泡径が20μm未満の場合、気泡膜が薄くなり成形時に気泡膜が破れ、連続気泡の割合が増え、気泡の座屈による発泡粒子の収縮等が生じることがある。200μmより大きい場合、気泡膜が厚くなり成形性が低下することがある。平均気泡径は、20〜150μmであることがより好ましく、30〜120μmであることが更に好ましい。
1−2.気泡数密度
気泡数密度は、1.0×10〜1.0×10個/cmを示すことが好ましい。気泡数密度が1.0×10個/cm未満の場合、高倍化が難しくなることがある。気泡数密度が1.0×10個/cm以上の場合、気泡壁厚みが小さくなり成形性が悪くなることがある。気泡数密度は、3.0×10〜5.0×10個/cmであることがより好ましい。
ここで、気泡数密度は、下記式:
気泡数密度=(ρ/D−1)/{(4/3)・π・(C/10000/2)3
により算出できる。式中、Cは平均気泡径(mm)、ρはポリカーボネート系樹脂の密度(kg/m)、Dは発泡粒子の見かけ密度(kg/m)を意味している。
平均気泡径Cは、上記20〜200μmの範囲であることが好ましい。
ポリカーボネート系樹脂の密度ρは、1.0×10〜1.4×10kg/mの範囲であることが好ましい。密度ρが1.0×10kg/m未満の場合、耐熱温度が低下することがある。1.4×10kg/mより大きい場合、耐熱温度が上昇し、発泡成形が困難となることがある。密度ρは1.10×10〜1.35×10kg/mであることがより好ましく、1.15×10〜1.30×10kg/mであることが更に好ましい。
発泡粒子の見かけ密度Dは、20〜640kg/mの範囲であることが好ましい。見かけ密度Dが20kg/m未満の場合、気泡膜が薄くなり成形時に気泡膜が破れ、連続気泡の割合が増え、気泡の座屈による発泡粒子の収縮等が生じることがある。640kg/mより大きい場合、気泡膜が厚くなり成形性が低下することがある。見かけ密度Dは40〜400kg/mであることがより好ましく、50〜250kg/mであることが更に好ましい。
気泡壁厚みは、1〜15μmの範囲であることが好ましい。平均気泡壁厚みが1μm未満の場合、成型時の成形性、特に融着が悪くなることがある。15μmより大きい場合、高倍化が困難となることがある。平均気泡壁厚みは、1〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることが更に好ましい。
1−3.連続気泡率
連続気泡率は、0〜10%であることが好ましい。連続気泡率が10%より大きい場合、発泡成形体の成形性が低下することがある。連続気泡率は、0〜5%であることがより好ましい。
1−4.ポリカーボネート系樹脂
ポリカーボネート系樹脂は、直鎖状ポリカーボネート系樹脂でも、分岐鎖状ポリカーボネート系樹脂でもよい。
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコール又は2価のフェノールとのポリエステル構造を有することが好ましい。耐熱性をより一層高める観点からは、ポリカーボネート系樹脂は、芳香族骨格を有することが好ましい。ポリカーボネート系樹脂の具体例としては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂は、ポリカーボネート樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、アクリル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂等が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂には、上記ポリカーボネート樹脂を50重量%以上含むことが好ましい。
また、ポリカーボネート系樹脂は1〜20g/10minのMFRを有していることが好ましい。この範囲の樹脂は発泡に適しており、より高発泡化させやすい。より好ましいMFRの範囲は、2〜15g/10minである。
1−5.発泡粒子の形状
発泡粒子の形状は特に限定されない。例えば、球状、円柱状等が挙げられる。このうち、できるだけ球状に近いことが好ましい。即ち、発泡粒子の短径と長径との比ができるだけ1に近いことが好ましい。
発泡粒子は、1〜20mmの平均粒子径を有していることが好ましい。
1−6.発泡粒子の製造方法
発泡粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得、発泡性粒子を発泡させることにより得ることができる。
1−6−1.発泡性粒子の製造
発泡性粒子は、ポリカーボネート系樹脂製の樹脂粒子に発泡剤を含浸させることにより得ることができる。
樹脂粒子は、公知の方法により得ることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂を、必要に応じて他の添加剤と共に、押出機中で溶融混練して押出すことでストランドを得、得られたストランドを、空気中でカット、水中でカット、加熱しつつカットすることで、造粒する方法が挙げられる。樹脂粒子には、市販の樹脂粒子を使用してもよい。樹脂粒子には、必要に応じて、樹脂以外に他の添加剤が含まれていてもよい。他の添加剤としては、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、防曇剤、香料等が挙げられる。
次に、樹脂粒子に含浸される発泡剤としては、既知の揮発性発泡剤や無機発泡剤を使用できる。揮発性発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素や、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族アルコール等が挙げられる。無機発泡剤としては、炭酸ガス、窒素ガス、空気、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)等が挙げられる。これら発泡剤は2種以上併用してもよい。これら発泡剤のうち、無機発泡剤が好ましく、炭酸ガスがより好ましい。
発泡剤の含有量(含浸量)は、ポリカーボネート系樹脂100重量部に対して、3〜15重量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が3重量部未満であると、発泡力が低くなり、良好に発泡させ難いことがある。含有量が15重量部を超えると、可塑化効果が大きくなり、発泡時に収縮が起こりやすく、生産性が悪くなると共に、安定して所望の発泡倍数を得難くなることがある。より好ましい発泡剤の含有量は、4〜12重量部である。
含浸方法としては、樹脂粒子を水系に分散し、撹拌させながら発泡剤を圧入することで含浸させる湿式含浸法や、密閉可能な容器に樹脂粒子を投入し、発泡剤を圧入して含浸させる実質的に水を使用しない乾式含浸法(気相含浸法)等が挙げられる。特に水を使用せずに含浸できる乾式含浸法が好ましい。樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際の含浸圧、含浸時間及び含浸温度は特に限定されない。
含浸を効率的に行い、より一層良好な発泡粒子及び発泡成形体を得る観点からは、含浸圧は0.5〜10MPa(ゲージ圧)であることが好ましい。1〜4.5MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。
含浸時間は、0.5〜200時間であることが好ましい。0.5時間未満の場合、発泡剤の樹脂粒子への含浸量が低下するため、十分な発泡力が得られ難いことがある。200時間より長い場合、生産性が低下することがある。より好ましい含浸時間は、1〜100時間である。
含浸温度は、0〜60℃であることが好ましい。0℃未満の場合、発泡剤の樹脂への溶解性は高まり、必要以上に発泡剤が含浸される。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は低下する。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。60℃より高い場合、発泡剤の樹脂への溶解性は低下し、発泡剤の含浸量が低下する。また、発泡剤の樹脂中での拡散性は高まる。よって、所望の時間内に十分な発泡力(1次発泡力)が得られ難いことがある。より好ましい含浸温度は、5〜50℃である。
含浸物には、結合防止剤(合着防止剤)、帯電防止剤、展着剤等の表面処理剤を添加してもよい。
上記結合防止剤は、発泡工程において、発泡粒子同士の合着を防止する役割を果たす。ここで、合着とは、複数の発泡粒子が合一して一体化することをいう。上記結合防止剤の具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
上記帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
上記展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル等が挙げられる。
1−6−2.発泡粒子の製造
発泡性粒子を発泡させて発泡粒子(1次発泡粒子)を得る方法としては、発泡性粒子を熱風、オイルのような熱媒、スチーム(水蒸気)等により加熱して発泡させる方法がある。安定的に製造する為には、スチームが好ましい。
発泡時の発泡機には密閉耐圧の発泡容器を使用することが好ましい。また、スチームの圧力は0.10〜0.80MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、0.25〜0.45MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。発泡時間は所望の発泡倍数を得るのに必要な時間であればよい。好ましい発泡時間は、5〜180秒である。180秒を超えると発泡粒子の収縮が始まることがあり、そのような発泡粒子からは良好な物性の発泡成形体が得られないことがある。
上記結合防止剤は成形前に除去してもよい。除去方法としては、水、塩酸等の酸性水溶液を用いて洗浄することが好ましい。
1−6−3.嵩倍数及び平均気泡径の調整
上記発泡粒子の製造工程のうち、含浸条件(含浸圧、含浸時間、含浸温度)、1次発泡条件(発泡圧、発泡時間)を調整することで嵩倍数及び平均気泡径を大きく又は小さくすることができる。
2.発泡成形体
発泡成形体は、ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする。また、発泡成形体は、複数の発泡粒子から構成される。更に、発泡成形体の倍数で発泡成形体の平均気泡径を除した値が2.5〜12μm/倍の範囲内の値を発泡成形体は示す。発明者等は、倍数と平均気泡径とを調整することで、外観と融着性がより向上した発泡成形体を提供できることを見い出している。
2−1.発泡成形体の倍数で発泡成形体の平均気泡径を除した値
発泡成形体の倍数で発泡成形体の平均気泡径を除した値は、2.5〜12μm/倍の範囲内の値を示す。値が2.5μm/倍未満の場合、気泡膜が薄くなり気泡の座屈による発泡粒子の収縮等が生じ、結果発泡成形体の機械的強度が低下することがある。12μm/倍より大きい場合、気泡膜が厚くなり成形性が低下し、結果発泡成形体の機械的強度が低下することがある。値は、3.0〜10.0μm/倍であることが好ましく、3.0〜6.5μm/倍であることがより好ましい。
倍数は、2〜20倍の範囲であることが好ましい。倍数が2倍未満の場合、気泡膜が厚くなり成形性の低下や成形時の発泡粒子同士の融着性が低下することがある。20倍より大きい場合、気泡膜が薄くなり成形時に気泡膜が破れ、連続気泡の割合が増え、成形体としての強度劣化に繋がることがある。倍数は、3〜18倍であることがより好ましく、5〜16倍であることが更に好ましい。
2−2.気泡数密度
気泡数密度Xは、発泡成形体を構成する発泡粒子から算出される。気泡数密度は、上記発泡粒子と同様、下記式:
気泡数密度=(ρ/D−1)/{(4/3)・π・(C/10000/2)
から算出できる。ここで、Dは、発泡成形体の密度である。
気泡数密度Xは、1.0×10〜1.0×10個/cmを示すことが好ましい。気泡数密度が上記特定の範囲外の場合、成型性が悪く機械的強度が低下することがある。気泡数密度の好ましい範囲及びより好ましい範囲は、上記発泡粒子のそれぞれの範囲と同様である。
更に、平均気泡径C及びポリカーボネート系樹脂の密度ρの好ましい範囲、その範囲とした理由、より好ましい範囲、更に好ましい範囲は、上記発泡粒子のそれぞれと同様である。
発泡成形体の密度Dは、12〜600kg/mの範囲であることが好ましい。密度Dが12kg/m未満の場合、気泡膜が薄くなり成形時に気泡膜が破れ、連続気泡の割合が増え、成形体としての強度劣化に繋がることがある。600kg/mより大きい場合、気泡膜が厚くなり成形性の低下や成形時の発泡粒同士の融着性が低下することがある。密度Dは、24〜240kg/mであることがより好ましく、30〜120kg/mであることが更に好ましい。
発泡成形体は、1〜15μmの範囲の平均気泡壁厚みを有していることが好ましい。平均気泡壁厚みが1μm未満の場合、成型時の成形性、特に融着が悪くなることがある。15μmより大きい場合、高倍化が困難となることがある。平均気泡壁厚みは、1〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることが更に好ましい。
2−3.連続気泡率
連続気泡率は0〜50%であることが好ましい。連続気泡率が50%より大きい場合、機械強度が乏しくなることがある。連続気泡率は、0〜40%であることがより好ましく、0〜30%であることが更に好ましい。
2−4.ポリカーボネート系樹脂
ポリカーボネート系樹脂は、上記発泡粒子と同じポリカーボネート系樹脂を使用できる。
2−5.発泡成形体の用途
発泡成形体は、特に限定されず、用途に応じて種々の形状をとり得る。例えば、発泡成形体は、建材(土木関係、住宅関係等)、自動車、航空機、鉄道車輛、船舶等の輸送機器の部品、風車、ヘルメット等の構造部材、梱包材、複合部材としてのFRPの芯材等の用途に応じて種々の形状をとり得る。
自動車の部品としては、例えば、エンジン付近に用いられる部品、外装材等が挙げられる。その自動車の部品としては、例えば、フロアパネル、ルーフ、ボンネット、フェンダー、アンダーカバー、ホイール、ステアリングホイール、コンテナ(筐体)、フードパネル、サスペンションアーム、バンパー、サンバイザー、トランクリッド、ラゲッジボックス、シート、ドア、カウル等の部品が挙げられる。
2−6.発泡成形体の製造方法
発泡成形体は、例えば、上記発泡粒子の気泡を押し広げる力を付与させ、次いでこの発泡粒子を成形工程に付すことで得ることができる。
発泡成形体を作製する前に、発泡粒子内に発泡剤を含浸させ発泡力(2次発泡力)を付与することが好ましい。
含浸方法としては、発泡粒子を水系に分散し、撹拌させながら発泡剤を圧入することで含浸させる湿式含浸法や、密閉可能な容器に発泡粒子を投入し、発泡剤を圧入して含浸させる実質的に水を使用しない乾式含浸法(気相含浸法)等が挙げられる。特に水を使用せずに含浸できる乾式含浸法が好ましい。発泡粒子に発泡剤を含浸させる際の含浸圧、含浸時間及び含浸温度は特に限定されない。
使用する発泡剤は、発泡粒子製造時の発泡剤を使用できる。その中でも、無機発泡剤を使用することが好ましい。特に、窒素ガス、空気、不活性ガス(ヘリウム、アルゴン)、及び炭酸ガスから1つを使用すること又は2つ以上を併用することが好ましい。
内圧を付与するための圧力は、発泡粒子がつぶれてしまわない程度の圧力でかつ発泡力を付与できる範囲であることが望ましい。そのような圧力は、0.1〜4MPa(ゲージ圧)であることが好ましく、0.3〜3MPa(ゲージ圧)であることがより好ましい。このように発泡粒子に発泡剤を含浸することを内圧付与とする。
含浸時間は、0.5〜200時間であることが好ましい。0.5時間未満の場合、発泡剤の発泡粒子への含浸量が少なすぎて、成形時に必要な2次発泡力が得られ難いことがある。200時間より長い場合、生産性が低下することがある。より好ましい含浸時間は、1〜100時間である。
含浸温度は、0〜60℃であることが好ましい。0℃未満の場合、所望の時間内に十分な2次発泡力が得られ難いことがある。60℃より高い場合、所望の時間内に十分な2次発泡力が得られ難いことがある。より好ましい含浸温度は、5〜50℃である。
内圧付与した発泡粒子を含浸時の容器から取り出し、発泡成形機の成形金型内に形成された成形空間に供給した後、加熱媒体を導入することで、所望の発泡成形体に型内成形できる。発泡成形機としては、ポリスチレン系樹脂製の発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられるEPS成形機やポリプロピレン系樹脂製の発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられる高圧仕様の成形機等を用いることができる。加熱媒体は、加熱時間が長くなると発泡粒子に収縮や融着不良が生じることがあるため、短時間に高エネルギーを与えうる加熱媒体が望まれるから、そのような加熱媒体としては水蒸気が好適である。
水蒸気の圧力は、0.2〜1.0MPa(ゲージ圧)であることが好ましい。また、加熱時間は、10〜90秒であることが好ましく、20〜80秒であることがより好ましい。
なお、倍数及び平均気泡径の調整は、上記特定の嵩倍数及び平均気泡径を有する発泡粒子を使用すること以外に、発泡成形体の製造工程のうち、含浸条件(含浸温度、含浸時間、含浸圧)、1次発泡条件(発泡圧、発泡時間)を調整することで倍数及び平均気泡径を大きく又は小さくすることができる。
2−7.強化複合体
発泡成形体の表面に表皮材を積層一体化させて強化複合体として用いてもよい。発泡成形体が発泡シートである場合、発泡成形体の両面に積層一体化されている必要はなく、発泡成形体の両面のうち少なくとも一方の面に表皮材が積層一体化されていればよい。表皮材の積層は、強化複合体の用途に応じて決定すればよい。なかでも、強化複合体の表面硬度や機械的強度を考慮すると、発泡成形体の厚み方向における両面のそれぞれに表皮材が積層一体化されていることが好ましい。
表皮材としては、特に限定されず、繊維強化プラスチック、金属シート、合成樹脂フィルム等が挙げられる。このうち、繊維強化プラスチックが好ましい。繊維強化プラスチックを表皮材とする強化複合体を繊維強化複合体と称する。
繊維強化プラスチックを構成している強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維等の無機繊維;ステンレス繊維、スチール繊維等の金属繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維等の有機繊維;ボロン繊維が挙げられる。強化繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。なかでも、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。これらの強化繊維は、軽量であるにも関わらず優れた機械的物性を有している。
強化繊維は、所望の形状に加工された強化繊維基材として用いられることが好ましい。強化繊維基材としては、強化繊維を用いてなる織物、編物、不織布、及び強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる面材等が挙げられる。織物の織り方としては、平織、綾織、朱子織等が挙げられる。また、糸としては、ポリアミド樹脂糸、ポリエステル樹脂糸等の合成樹脂糸、及びガラス繊維糸のようなステッチ糸が挙げられる。
強化繊維基材は、一枚の強化繊維基材のみを積層せずに用いてもよく、複数枚の強化繊維基材を積層して積層強化繊維基材として用いてもよい。複数枚の強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材としては、(1)一種のみの強化繊維基材を複数枚用意し、これらの強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材、(2)複数種の強化繊維基材を用意し、これらの強化繊維基材を積層した積層強化繊維基材、(3)強化繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる強化繊維基材を複数枚用意し、これらの強化繊維基材を繊維束の繊維方向が互いに相違した方向を指向するように重ね合わせ、重ね合わせた強化繊維基材同士を糸で一体化(縫合)してなる積層強化繊維基材等が用いられる。
繊維強化プラスチックは強化繊維に合成樹脂が含浸されてなるものである。含浸させた合成樹脂によって強化繊維同士を結着一体化させている。
強化繊維に合成樹脂を含浸させる方法としては、特に限定されず、例えば、(1)強化繊維を合成樹脂中に浸漬する方法、(2)強化繊維に合成樹脂を塗布する方法等が挙げられる。
強化繊維に含浸させる合成樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれも用いることができ、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。強化繊維に含浸させる熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂等が挙げられ、耐熱性、衝撃吸収性又は耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂及びビニルエステル樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤等の添加剤が含有されていてもよい。なお、熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
また、強化繊維に含浸させる熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、アミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、発泡成形体との接着性又は繊維強化プラスチックを構成している強化繊維同士の接着性に優れていることから、ポリエステル系樹脂及び熱可塑性エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物同士の重合体又は共重合体であって直鎖構造を有する重合体や、エポキシ化合物と、このエポキシ化合物と重合し得る単量体との共重合体であって直鎖構造を有する共重合体が挙げられる。具体的には、熱可塑性エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性エポキシ樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ジオールとジイソシアネートとを重合させて得られる直鎖構造を有する重合体が挙げられる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。ジオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
繊維強化プラスチック中における合成樹脂の含有量は、20〜70重量%が好ましい。含有量が20重量%未満の場合、強化繊維同士の結着性や繊維強化プラスチックと発泡成形体との接着性が不十分となり、繊維強化プラスチックの機械的物性や繊維強化複合体の機械的強度を十分に向上できないことがある。70重量%より多い場合、繊維強化プラスチックの機械的物性が低下して、繊維強化複合体の機械的強度を十分に向上できないことがある。含有量は30〜60重量%がより好ましい。
繊維強化プラスチックの厚みは、0.02〜2mmが好ましく、0.05〜1mmがより好ましい。厚みがこの範囲内である繊維強化プラスチックは、軽量であるにも関わらず機械的物性に優れている。
繊維強化プラスチックの目付は、50〜4000g/mが好ましく、100〜1000g/mがより好ましい。目付がこの範囲内である繊維強化プラスチックは、軽量であるにも関わらず機械的物性に優れている。
次に、強化複合体の製造方法を説明する。発泡成形体の表面に表皮材を積層一体化させて強化複合体を製造する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)発泡成形体の表面に接着剤を介して表皮材を積層一体化する方法、(2)発泡成形体の表面に、強化繊維に熱可塑性樹脂が含浸されてなる繊維強化プラスチック形成材を積層し、強化繊維中に含浸させた熱可塑性樹脂をバインダーとして発泡成形体の表面に繊維強化プラスチック形成材を繊維強化プラスチックとして積層一体化する方法、(3)発泡成形体の表面に、強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化プラスチック形成材を積層し、強化繊維中に含浸させた熱硬化性樹脂をバインダーとして、熱硬化性樹脂を硬化させて形成された繊維強化プラスチックを発泡成形体の表面に積層一体化する方法、(4)発泡成形体の表面に、加熱されて軟化状態の表皮材を配設し、発泡成形体の表面に表皮材を押圧させることによって表皮材を必要に応じて発泡成形体の表面に沿って変形させながら発泡成形体の表面に積層一体化させる方法、(5)繊維強化プラスチックの成形で一般的に適用される方法等が挙げられる。発泡成形体は高温環境下における耐荷重性のような機械的物性に優れている観点では、上記(4)の方法も好適に用いることができる。
繊維強化プラスチックの成形で用いられる方法としては、例えば、オートクレーブ法、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法、PCM(Prepreg Compression Molding)法、RTM(Resin Transfer Molding)法、VaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)法等が挙げられる。
このようにして得られた繊維強化複合体は、耐熱性、機械的強度及び軽量性に優れている。そのため、自動車、航空機、鉄道車輛、船舶等の輸送機器分野、家電分野、情報端末分野、家具の分野等の広範な用途に用いることができる。
例えば、繊維強化複合体は、輸送機器の部品、及び、輸送機器の本体を構成する構造部品を含めた輸送機器構成用部品(特に自動車の部品)、風車翼、ロボットアーム、ヘルメット用緩衝材、農産箱、保温保冷容器等の輸送容器、産業用ヘリコプターのローターブレード及び部品梱包材として好適に用いることができる。
本発明によれば、本発明の繊維強化複合体から構成される自動車の部品が提供され、その自動車の部品としては、例えば、フロアパネル、ルーフ、ボンネット、フェンダー、アンダーカバー、ホイール、ステアリングホイール、コンテナ(筐体)、フードパネル、サスペンションアーム、バンパー、サンバイザー、トランクリッド、ラゲッジボックス、シート、ドア、カウル等の部品が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず実施例における各種物性の測定法を下記する。
[ポリカーボネート系樹脂の密度]
ポリカーボネート系樹脂の密度はISO1183−1:2004、もしくは、ASTM D−792に規定した方法で測定した。
[発泡剤含浸量]
発泡剤含浸量は下記の式により算出した値とした。
発泡剤含浸量(重量%)=(含浸取り出し直後の重量−含浸前の重量)/含浸前の重量×100
[平均粒子径]
平均粒子径はD50で表現される値とした。
具体的には、ロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き26.5mm、22.4mm、19.0mm、16.0mm、13.2mm、11.20mm、9.50mm、8.80mm、6.70mm、5.66mm、4.76mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mm及び0.180mmのJIS標準篩(JIS Z8801−1:2006)で試料約25gを10分間分級し、篩網上の試料重量を測定した。得られた結果から累積重量分布曲線を作成し、累積重量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とした。
[発泡粒子の平均気泡径]
1次発泡によって得られた発泡粒子を抜き取った発泡粒子の中心部で略二分割した断面の中心部を走査電子顕微鏡を用いて200倍〜1200倍に拡大して撮影した。撮影した画像をA4用紙上に印刷した。発泡粒子断面画像に、縦方向及び横方向に平行な3本の任意の直線(長さ60mm)を描き、極端に気泡径が大きい気泡がある場合にはその気泡は避けて任意の直線を各方向3本ずつ描いた。
なお、任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにし、接してしまう場合には、この気泡も数に加えた。縦方向、横方向の各方向の3本の任意の直線について数えた気泡数を相加平均し、気泡数とした。
気泡数を数えた画像倍率とこの気泡数から気泡の平均弦長tを次式により算出した。
平均弦長t(mm)=60/(気泡数×画像倍率)
画像倍率は画像上のスケールバーをミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」にて1/100mmまで計測し、次式により求めた。
画像倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
そして次式により気泡径を算出した。
平均気泡径C(μm)=(t/0.616)×1000
[発泡成形体の平均気泡径]
縦400mm×横300mm×厚さ30mmの成形体中央部から縦50mm×横50mm×厚さ30mmを切り出し、切り出した成形体片の厚み方向断面を走査電子顕微鏡を用いて200倍〜1200倍に拡大して撮影した。撮影した画像をA4用紙上に印刷した。発泡成形体断面画像に、縦方向及び横方向に平行な3本の任意の直線(長さ60mm)を描き、極端に気泡径が大きい気泡がある場合にはその気泡は避けて任意の直線を各方向3本ずつ描いた。
なお、任意の直線はできる限り気泡が接点でのみ接しないようにし、接してしまう場合には、この気泡も数に加えた。縦方向、横方向の各方向の3本の任意の直線について数えた気泡数を相加平均し、気泡数とした。
気泡数を数えた画像倍率とこの気泡数から気泡の平均弦長tを次式により算出した。
平均弦長t(mm)=60/(気泡数×画像倍率)
画像倍率は画像上のスケールバーをミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」にて1/100mmまで計測し、次式により求めた。
画像倍率=スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)
そして次式により平均気泡径を算出した。
平均気泡径C(μm)=(t/0.616)×1000
[発泡粒子の嵩密度及び嵩倍数]
発泡粒子約1000cmを、メスシリンダー内に1000cmの目盛りまで充填した。なお、メスシリンダーを水平方向から目視し、発泡粒子が1つでも1000cmの目盛りに達していれば、その時点で発泡粒子のメスシリンダー内への充填を終了した。次に、メスシリンダー内に充填した発泡粒子の重量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その重量をWgとした。そして、下記式により発泡粒子の嵩密度を求めた。
嵩密度(kg/m)=(W/1000)/〔1000×(0.01)
嵩倍数は嵩密度の逆数にポリカーボネート系樹脂の密度(kg/m)を積算(乗算)した値とした。
[発泡粒子の見かけ密度]
発泡粒子約25cmの重量A(g)を測定した。続いて、蓋を閉じた状態で入れた発泡粒子がこぼれることのない金網製の空容器を水中に浸漬し、水中に浸漬した状態における金網製の空容器の重量B(g)を測定した。次に、この金網製の容器内に前記発泡粒子を全量入れた上で、この金網製の容器を水中に浸漬し、容器を数回振って、容器と発泡粒子に付着した気泡を除去後、水中に浸漬した状態における金網製の容器とこの金網製容器に入れた発泡粒子の全量とを併せた重量C(g)を測定した。そして、下記式により発泡粒子の見かけ密度D(kg/m)を算出した。
D=A/(A+(B−C))×1000
見かけ倍数は見かけ密度の逆数にポリカーボネート系樹脂の密度(kg/m)を積算した値とした。
[発泡成形体の密度及び倍数]
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×30mm)の重量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(kg/m)を求めた。
倍数は密度の逆数にポリカーボネート系樹脂の密度(kg/m)を積算した値とした。
[発泡粒子の連続気泡率]
東京サイエンス社製「空気比較式比重計1000型」の試料カップを準備し、この試料カップの80%程度を満たす量の発泡粒子の全重量A(g)を測定した。前記発泡粒子全体の体積B(cm)を、空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法により測定し、標準球(大28.96cm 小8.58cm)にて補正を行った。続いて、蓋を閉じた状態で入れた発泡粒子がこぼれることのない金網製の空容器を水中に浸漬し、水中に浸漬した状態における金網製の空容器の重量C(g)を測定した。次に、この金網製の容器内に前記発泡粒子を全量入れた上で、この金網製の容器を水中に浸漬し、容器を数回振って、容器と発泡粒子に付着した気泡を除去後、水中に浸漬した状態における金網製の容器とこの金網製容器に入れた発泡粒子の全量とを併せた重量D(g)を測定した。そして、下記式により発泡粒子の見かけ体積E(cm)を算出した。この見かけ体積E(cm)と前記発泡粒子全体の体積B(cm)に基づいて下記式により発泡粒子の連続気泡率を算出した。
E=A+(C−D)
連続気泡率(%)=100×(E−B)/E
[発泡成形体の連続気泡率]
発泡体を成形体6面とも成形面表皮を有しないように切り出し、更に切断面表面を冨士島工機社製「FK−4N」パンスライサーにて仕上げ、25mm×25mm×25mmの立方体状の試験片を5つ作製した。得られた試験片の外寸を、ミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」ノギスを用いて、1/100mmまで測定し、見かけの体積(cm)を求めた。次に東京サイエンス社製「1000型」空気比較式比重計を用いて、1−1/2−1気圧法により試験片の体積(cm)を求めた。下記式により連続気泡率(%)を計算し、5つの試験片の連続気泡率の平均値を求めた。試験片は予め、JIS K7100:1999 記号23/50、2級の環境下で16時間保管した後、同環境下において測定を実施した。なお、空気比較式比重計は、標準球(大28.96cm 小8.58cm)にて補正を行った。
連続気泡率(%)=(見かけ体積−空気比較式比重計での測定体積)/見かけ体積×100
[発泡粒子の平均気泡壁厚み]
発泡粒子の平均気泡壁厚みとしては次の通りに算出した。上記測定方法により得られた発泡粒子の平均気泡径及び見かけ倍数を用いて下記式より算出した。
平均気泡壁厚み(μm)=平均気泡径C(μm)×(1/(1−(1/見かけ倍数))(1/3)−1)
[発泡成形体の平均気泡壁厚み]
発泡成形体の平均気泡壁厚みとしては次の通りに算出した。上記測定方法により得られた発泡成形体の平均気泡径及び倍数を用いて下記式より算出した。
平均気泡壁厚み(μm)=平均気泡径C(μm)×(1/(1−(1/倍数))(1/3)−1)
[曲げ試験:密度ならびに最大点の荷重、応力、変位及びエネルギー]
最大点の荷重、応力、変位及びエネルギーはJIS K7221−1:2006「硬質発泡プラスチック−曲げ試験−第1部:たわみ特性の求め方」に準拠した方法により測定した。即ち、発泡成形体から、幅25mm×長さ130mm×厚さ20mmの直方体形状の試験片を切り出した。測定には、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製「UCT−10T」)を用いた。曲げ強度の曲げ最大点応力は、万能試験機データ処理システム(ソフト・ブレーン社製「UTPS−237S Ver,1.00」)を用いて算出した。
短冊状試験片を支持台に載置し、ロードセル1000N、試験速度10mm/min、支持台の先端治具5R、開き幅100mmの条件下で曲げ最大点応力を測定した。試験片の数は5個以上とし、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定した。各試験片の曲げ最大点応力の相加平均値をそれぞれ、発泡成形体の曲げ最大点応力とした。
また、単位密度当たりの曲げ最大点応力は、曲げ最大点応力を発泡成形体の密度で除して算出した。
なお、発泡成形体の密度(kg/m)は、発泡成形体から切り出した試験片の重量(a)と体積(b)を測定し、式(a)/(b)により求めた。
[曲げ試験:弾性率]
曲げ弾性率はJIS K7221−1:2006「硬質発泡プラスチック−曲げ試験−第1部:たわみ特性の求め方」に準拠した方法により測定した。即ち、発泡成形体から、幅25mm×長さ130mm×厚さ20mmの直方体形状の試験片を切り出した。測定には、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製「UCT−10T」)を用いた。曲げ弾性率は、万能試験機データ処理システム(ソフト・ブレーン社製「UTPS−237S Ver,1.00」)を用いて下記式により算出した。試験片の数は5個以上とし、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定した。各試験片の圧縮弾性率の相加平均値をそれぞれ、発泡成形体の曲げ弾性率とした。
曲げ弾性率は、荷重−変形曲線の始めの直線部分を用いて次式により計算した。
E=Δσ/Δε
E:曲げ弾性率(MPa)
Δσ:直線上の2点間の応力の差(MPa)
Δε:同じ2点間の変形の差(%)
また、単位密度当りの曲げ弾性率は、曲げ弾性率を発泡成形体の密度で除して算出した。
[圧縮試験:密度ならびに5%、10%、25%及び50%応力]
発泡成形体の5%圧縮応力、10%圧縮応力、25%圧縮応力、50%圧縮応力は、JIS K7220:2006「硬質発泡プラスチック−圧縮特性の求め方」記載の方法により測定した。即ち、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製「UCT−10T」)、万能試験機データ処理システム(ソフト・ブレーン社製「UTPS−237S Ver,1.00」)を用いて、試験体サイズ断面50mm×50mm、厚み25mmで圧縮速度を2.5mm/minとして圧縮強さ(5%変形圧縮応力、25%変形圧縮応力、圧縮弾性率)を測定した。試験片の数は5個以上とし、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定を行った。各試験片の圧縮強さ(5%変形圧縮応力、10%変形圧縮応力、25%変形圧縮応力、50%変形圧縮応力)の相加平均値をそれぞれ、発泡成形体の5%圧縮応力、10%圧縮応力、25%圧縮応力、50%圧縮応力とした。
(5%(10%、25%、50%)変形圧縮応力)
5%(10%、25%、50%)変形圧縮応力は次式により算出した。なお、()内は10%変形圧縮応力、25%変形圧縮応力、50%変形圧縮応力を算出するときの条件とした。
σ5(10、25、50)=F5(10、25、50)/A
σ5(10、25、50):5%(10%、25%、50%)変形圧縮応力(MPa)
F5(10、25、50):5%(10%、25%、50%)変形時の力(N)
0:試験片の初めの断面積(mm
[圧縮試験:弾性率]
発泡成形体の圧縮弾性率は、JIS K7220:2006「硬質発泡プラスチック−圧縮特性の求め方」記載の方法により測定した。即ち、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製「UCT−10T」)、万能試験機データ処理システム(ソフト・ブレーン社製「UTPS−237S Ver,1.00」)を用いて、試験体サイズ断面50mm×50mm、厚み25mmで圧縮速度を2.5mm/minとして圧縮弾性率を下記式により算出した。試験片の数は5個以上とし、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定を行った。各試験片の圧縮弾性率の相加平均値を、発泡成形体の圧縮弾性率とした。
圧縮弾性率は、荷重−変形曲線の始めの直線部分を用いて次式により計算した。
E=Δσ/Δε
E:圧縮弾性率(MPa)
Δσ:直線上の2点間の応力の差(MPa)
Δε:同じ2点間の変形の差(%)
また、単位密度当りの圧縮弾性率は、圧縮弾性率を発泡成形体の密度で除して算出した。
実施例1
(樹脂粒子製造工程)
ポリカーボネート系樹脂粒子(帝人社製パンライト、L−1250Y 密度1.20×10kg/m)を120℃で4時間乾燥させた。得られた乾燥物を口径が40mmの単軸押出機に時間当たり10kg/hrの割合で供給して290℃で溶融混練した。続いて、単軸押出機の先端部に装着したダイス(温度:290℃、入り口側樹脂圧:13MPa)のダイス孔(直径1.5mmのノズルが4個配置)から約10℃の冷却水を収容したチャンバー内に押出し、4枚の切断刃を有する回転刃の回転軸を5000rpmの回転数で回転させ、粒状に切断することで、前記冷却水で冷却させて樹脂粒子(平均粒子径1.4mm)を作製した。
(含浸工程)
上記樹脂粒子100重量部を圧力容器中に密閉し、圧力容器内を炭酸ガスで置換した後、炭酸ガスを、含浸圧2.0MPaまで圧入した。20℃の環境下に静置し、含浸時間24時間が経過した後、5分間かけて圧力容器内をゆっくりと除圧した。このようにして、樹脂粒子に炭酸ガスを含浸させて、発泡性粒子を得た。またこの時の発泡剤含浸量は5.8重量%であった。
(発泡工程)
上記含浸工程における除圧の後直ぐに、圧力容器から発泡性粒子を取り出した後、水蒸気を用いて、発泡温度142℃で39秒間撹拌しながら、高圧の発泡槽で、上記含浸物を水蒸気により発泡させた。発泡後に、気流乾燥機にて乾燥を行い、発泡粒子を得た。上述した方法により、得られた発泡粒子の嵩密度を測定したところ、109kg/m(嵩倍数11.05倍)であった。
(成形工程)
得られた発泡粒子を1日間室温(23℃)に放置した後、圧力容器中に密閉し、圧力容器内を窒素ガスで置換した後、窒素ガスを、含浸圧(ゲージ圧)1.0MPaまで圧入した。20℃の環境下に静置し、加圧養生を24時間実施した。取り出し後、30mm×300mm×400mmの成形用金型に充填し、0.85MPaの水蒸気にて40秒間加熱を行い、次いで、発泡成形体の最高面圧が0.05MPaに低下するまで冷却することで、倍数11.45倍(密度105kg/m)の発泡成形体を得た。
実施例2
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
含浸圧:1.7MPa
発泡剤含浸量:5.6重量%
発泡時間:42秒
実施例3
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
含浸圧:1.5MPa
発泡剤含浸量:5.0重量%
発泡時間:48秒
実施例4
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
含浸圧:1.3MPa
発泡剤含浸量:4.5重量%
発泡時間:61秒
実施例5
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
含浸圧:2.0MPa
発泡剤含浸量:5.8重量%
発泡温度:144℃
発泡時間:22秒
実施例6
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
含浸圧:2.0MPa
発泡剤含浸量:5.6重量%
発泡時間:8秒
実施例7
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子を得た。
ポリカーボネート系樹脂粒子:帝人社製パンライトZ−2601(密度1.2×10kg/m
含浸圧:2.0MPa
発泡剤含浸量:5.3重量%
発泡温度:144℃
発泡時間:21秒
また、成形工程として窒素ガスを、含浸圧(ゲージ圧)1.6MPaまで圧入したこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
実施例8
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子を得た。
ポリカーボネート系樹脂粒子:帝人社製パンライトK−1300Y(密度1.2×10kg/m
含浸圧:2.0MPa
発泡剤含浸量:5.5重量%
発泡温度:148℃
発泡時間:26秒
また、成形工程として窒素ガスを、含浸圧(ゲージ圧)1.6MPaまで圧入したこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。
実施例9
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
ポリカーボネート系樹脂粒子:奇美実業社製ワンダーライトPC−110(密度1.2×10kg/m
含浸圧:2.0MPa
発泡剤含浸量:5.8重量%
発泡温度:139℃
発泡時間:41秒
比較例1
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
含浸圧:4.0MPa
発泡剤含浸量:9.5重量%
発泡時間:8秒
比較例2
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
ポリカーボネート系樹脂粒子:サビック社製レキサン153(密度1.2×10kg/m
含浸圧:4.0MPa
発泡剤含浸量:9.9重量%
発泡時間:10秒
比較例3
以下の条件以外は実施例1と同様にして発泡粒子及び発泡成形体を得た。
含浸圧:1.0MPa
発泡剤含浸量:3.5重量%
発泡時間:147秒
実施例及び比較例の発泡粒子及び発泡成形体の各種物性を表1〜4に示す。
また、実施例及び比較例の発泡粒子及び発泡成形体の切断面の拡大写真を図1〜3に示す。
上記表1〜4から、嵩倍数及び平均気泡径を特定の範囲とすることで、高い機械的強度を有する発泡成形体が得られることが分かる。
また、図1〜3から、比較例の発泡成形体は、発泡粒子間の融着が不十分であり、発泡粒子間に隙間が多く存在するため、外観が不良であるのに対して、実施例の発泡成形体は発泡粒子間の隙間が殆どなく、外観が良好であることが分かる。

Claims (6)

  1. ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子であり、
    前記発泡粒子は、前記発泡粒子の嵩倍数で前記発泡粒子の平均気泡径を除した場合、2.5〜12μm/倍の範囲内の値を有することを特徴とする発泡粒子。
  2. 前記発泡粒子が、1.0×10〜1.0×10個/cmの気泡数密度を示す請求項1に記載の発泡粒子。
  3. 前記発泡粒子が、2〜20倍の嵩倍数を有する請求項1又は2に記載の発泡粒子。
  4. 前記発泡粒子が、0〜10%の連続気泡率を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡粒子。
  5. ポリカーボネート系樹脂を基材樹脂とし、複数の発泡粒子から構成される発泡成形体であり、
    前記発泡成形体は、前記発泡成形体の倍数で前記発泡成形体の平均気泡径を除した場合、2.5〜12μm/倍の範囲内の値を有することを特徴とする発泡成形体。
  6. 前記発泡成形体は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の前記発泡粒子を型内発泡して得られる発泡成形体。
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