JPH0680794A - フッ化ビニリデン樹脂フィルム、その用途およびその製造方法 - Google Patents
フッ化ビニリデン樹脂フィルム、その用途およびその製造方法Info
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Abstract
フッ化ビニリデン(PVDF)樹脂フィルムおよび該P
VDF樹脂層を一外層とする多層フィルム、さらにそれ
らフィルムの製造方法を提供する。 【構成】 フィルムに含まれる平均球晶半径が1.6μ
m以下であり、厚さが1〜30μmであるPVDF樹脂
フィルム、または含まれる平均球晶半径が1.6μm以
下である厚さが1〜30μmのPVDF樹脂層を一外層
とし、フィルム全層の厚さが2〜300μmであり、同
曇価が8%以下である多層フィルム、およびこれらから
なる表面保護用フィルム。さらにダイからの溶融樹脂流
束の吐出速度、引取速度、ダイから冷却に接するまでの
滞留時間や樹脂流路長さ、およびダイ温度と冷媒温度差
を特定の条件に設定することを特徴とするこれらのフィ
ルムの製造方法である。
Description
ビニリデン(PVDF)樹脂フィルムおよび該PVDF
樹脂層を一外層とする多層フィルムに関する。さらに詳
しくはPVDF樹脂層中に生成する平均球晶半径を1.
6μm以下に抑制することによって得られる透明性にす
ぐれたPVDF樹脂フィルムまたは該PVDF樹脂層を
一外層とする多層フィルムおよびそれらからなる表面保
護用フィルムに関し、さらにそれらフィルムの製造方法
に関する。
しかも耐食性(耐溶剤性)や耐紫外線性に優れるところ
から簡易倉庫のテントやトラック用幌布等の膜構造体の
表面保護用フィルムとして、また電照式看板や主として
屋外に設置される機器、装備類の外装フィルムやステッ
カー、マーキングフィルムの保護用フィルムとして広く
使用されるようになって来た。
着外装されて使用される。そのために長期間使用中に剥
離の生じない接着性と基材の表面に施した印刷文字や文
様などが充分よく見える程度の透明性が求められるもの
である。さらにまた厚さの均一性も必要である。透明性
に関しては、保護用フィルムそのものがJIS−K−7
105による曇価の評価値で8%以下であることが求め
られている。
の他系樹脂のほとんどの樹脂に対して相溶性、親和性に
乏しく、これがPVDF樹脂成形物を他樹脂成形物に接
着させて使用しようとする上で解決しなければならない
難点のひとつであった。
接着性の改良については特開昭55−44898(特公
平3−13059)号、特開昭61−8350(特公平
3−80424)号などにPVDF樹脂と特異的に相溶
性に優れ、また他の熱可塑性樹脂とも比較的よい相溶性
を示すポリメタクリル酸メチル系(PMMA)樹脂を用
い、これをPVDF樹脂層と塩化ビニル樹脂層の間に接
着性樹脂層として介在させた3層共押出シートや、PV
DF樹脂層と接着性樹脂層であるPMMA樹脂層との間
にさらにこれら相互の層間接着力を改善する目的でPV
DF樹脂とPMMA樹脂混合層を配置した共押出シート
などが開示されている。
しかも結晶化速度が大きい。発明者らの知見では、たと
えば溶融状態の樹脂を12μm程度の極めて薄いフィル
ムに押出し、ガラス転移温度(ー40℃)以下に急冷却
しても結晶化し、その結晶化度は約15〜25%であ
り、生成する球晶の平均半径は0.5〜0.7μmとな
る。このフィルムは常温放置では数分間で、また110
℃程度の加温下では数秒間で結晶化度が約40%の上限
に達し、その球晶半径は約0.6〜1.6μm、平均球
晶半径0.7〜0.8μmとなる。通常のPVDF樹脂
フィルムの製造においては、このような急冷過程は採用
できず、またPVDF樹脂を単独で通常のダイリップク
リアランス、例えば0.5mmから押し出して、前記の
ような薄いフィルムに急変化させることも装置上の制限
からも困難であった。このような理由から、溶融延伸法
によってPVDFフィルムの球晶半径を0.5μm以下
に抑制することは困難であり、また事実上は球晶半径を
1.6μm以下に抑制する延伸方法も見出されていなか
った。すなわち従来知られているPVDF樹脂フィルム
は、平均球晶半径が1.6μmを越える不透明なもので
あった。このためPVDF樹脂フィルムに透明性が要求
される場合、その厚さを5μm程度あるいはそれ以下の
薄膜として使用しているのが実情である。このPVDF
樹脂フィルムの透明性改良に関し、特開平3−1500
5号にはPVDF樹脂とPMMA樹脂の特定範囲の混合
物を二軸延伸して得た厚さ100μmのフィルムが曇価
0.5%以下の値を示し、極めて透明性にすぐれたフィ
ルムであることが記載されている。しかしながら耐食性
に劣るPMMA樹脂が混合されたPVDF樹脂フィルム
を本発明の目的とする保護用フィルムの外装に採用する
ことの是非は当業者にとって明白である。
伸法を用いて保護用フィルムとして実用上充分な程度の
透明性を有するPVDF樹脂フィルムもしくはPVDF
樹脂を一外層とする多層フィルムを提供することにあ
る。具体的にはJIS−K−7105に定められる曇価
が8%以下となる保護用フィルムに適したPVDF樹脂
フィルムもしくはPVDF樹脂層を一外層とする多層フ
ィルムを提供することにある。ここで本発明の目的のひ
とつであるPVDF樹脂層を一外層に有する多層フィル
ムの場合、PVDF樹脂層を除く他の層はPMMA樹脂
層であるか、これにさらに塩化ビニル樹脂層を追加した
2層または3層の多層フィルムを好ましい対象としてい
るが、これらの樹脂はいずれも非晶性の樹脂であり、い
ずれも極めて透明性にすぐれるものである。したがって
本発明が解決すべき課題は、ひとえにPVDF樹脂層の
透明性をいかにして曇価8%以下に調整するかその確実
な達成手法を完成することにある。
によりPVDF樹脂層を有する2ないし3層の保護用フ
ィルムの試作を数多くくりかえし、得られた保護用フィ
ルムの曇価を測定しPVDF樹脂層中の平均球晶半径と
の関係を調べた。その結果PVDF樹脂層の曇価(縦
軸、単位%)とその層中に生成している平均球晶半径
(横軸、単位μm)との間に図1に示すような一定の関
係があることを見出した。この関係は平均球晶半径が約
1.4〜1.7μmの範囲において直線関係であり、下
式(4)の如くの簡単な式で示される。
25〜40%の範囲内にあるPVDF樹脂フィルムの曇
価と平均球晶半径の関係の実体をよく示している。ここ
で平均球晶半径φrの測定は、日本電気(株)製He−
NeガスレーザーGLG5360(6328オングスト
ローム)を用いてレーザー小角散乱法により測定した。
また曇価HzはJIS−K−7105に準じて日本電色
工業(株)製カラー測定システムΣ80(Color
Measuring System Σ80)を用いて
測定した。なお透明性の良い非晶性樹脂との多層フィル
ムにおいては、フィルム全層の曇価もPVDF樹脂層の
曇価とほとんど違わないので、曇価はフィルム全層につ
いて測定した。また2層構造フィルムからPVDF樹脂
層(フィルム)をクロロフォルムに浸漬後、剥離して球
晶半径測定用試料とした。
DF樹脂フィルム中の平均球晶半径を1.6μm以下に
抑制する因子をさらに追求し、それが溶融押出され押出
機のダイから吐出されたのち冷却装置に導入され固化す
るまでのいわゆる流動変形過程で加えられる変形歪量
と、その間の温度変化に大きく依存することをつきとめ
て平均球晶半径を1.6μm以下に制御する条件を見出
し、本発明を完成するに至った。
イから押し出される溶融樹脂流束の吐出速度をV1(m
m/秒)、この流出樹脂流束を引取る引取速度をV
2(mm/秒)、ダイの出口から冷却装置の冷媒に接す
るまでの樹脂流路長をG(mm)とし、さらに冷媒温度
Tb(℃)とダイ出口樹脂温度Td(℃)との差ΔT
(=Td−Tb)としたときに下記(1)、(2)、
(3)の条件を同時に満足するようV1、V2、G、ΔT
の値を設定して表面保護用フィルムに適したPVDF樹
脂フィルムまたはPVDF樹脂層を一外層有する保護用
フィルムを製造することを内容とするものである。
る。結晶性ポリマーの結晶生成過程については古くから
多くの研究がなされ、鎖状の分子が延伸配向されきちん
と整列している部分からは、いわゆる高圧結晶と呼ばれ
る高密度な球晶が生成することや、ランダムな配列の分
子鎖からはいわゆる房状ミセルと呼ばれるゆるやかな比
較的低密度の球晶が生成するとの報告がある。本発明者
らは、PVDF樹脂の球晶半径を小さいものにするには
極端に速い冷却が必要であり、とくに前記のように通常
のPVDF樹脂フィルムの製造においてはそのような急
冷過程は採用できず、またPVDF樹脂を単独で押し出
して薄いフィルムに急変化させることも装置上の制限か
らも困難であることから、実現可能な装置条件で、平均
球晶半径が1.6μm以下となるフィルムの製造条件を
追求しようと考えた。なお、核剤添加により生成する球
晶を小さくすることも考えられるが、添加工程が入り、
全体の製造工程が長くなるという不利も伴う。
F樹脂に着目し、この樹脂が流動可能な時に応力をかけ
て、いわゆる流動配向によって大きい球晶の生成阻害効
果がもたらされないものかを検討し、その結果本発明を
完成したものである。
あるV1/V2θはPVDF樹脂が流動可能な時間中に受
ける単位時間当りのズリ、つまり剪断応力に対応する値
と考えられる。ここでθは後記のように溶融樹脂流束が
ダイを出て冷却装置の冷媒(または冷却ロール)に接す
るまでの見かけの滞留時間である。このパラメーター値
が5秒-1より小さいと大きい球晶の生成を阻害するよう
な分子配向は示さず、一方150秒-1より大きいと配向
が逆に結晶核の生成を促進し、球晶そのものは大サイズ
にならないが数を増し曇価を大きくしてしまうものと考
えられる。V1/V2θの好ましい範囲は8秒-1以上70
秒-1以下である。実際上のズリはPVDF樹脂フィルム
の最終の厚さも考慮に入れる必要がある。したがってV
1/V2θをそれぞれのケースについて得られたPVDF
樹脂フィルム(多層の場合はPVDF樹脂層)の厚さD
で除して1μm当りの値で見れば、より現実にストレス
配向の程度の差が明確になる。たとえば5μm厚さのP
VDF樹脂フィルムの曇価が4.0%のものを単純に2
0μm厚さに換算した曇価20.0%に対して、はじめ
から20μm厚さのPVDF樹脂フィルムを得た場合に
曇価が3.3%以下である理由が両者の差で示される。
すなわち5μmのPVDF樹脂フィルムではこの値が
3.0%以上であるのに対し、20μmのPVDF樹脂
フィルムでは3.0%以下である。
V1/V2θD秒-1・μm-1)とすると、好ましい範囲は
0.2から65.0(秒-1・μm-1)であり、より好ま
しくは0.4から3.0(秒-1・μm-1)の範囲とな
る。
V1+V2)はダイを出て冷媒に接触するまでの流動樹脂
流束の見かけの流路内滞留時間である。この時間が2秒
を越えると、PVDF樹脂流束(多層の場合は一外層に
配されているPVDF樹脂層)の外表面が空気によって
冷却されて固化がすすみ、ストレス配向の効果がPVD
F樹脂層の芯層側に偏ってしまい、結果的に平均球晶サ
イズを1.6μm以下に制御出来なくなる。路長G(m
m)は理論的には制限はない。実際上押出機ダイと水な
どの冷媒の直接接触(G=0)は装置上ありえないし、
引取速度V2も押出製造物の所望厚さや引取機の能力に
よって制限されるからGはむやみに長くとる必要はなく
適宜選択すればよいが、通常300mm以下3mm以上
あればよい。その意味からすれば、θの下限は0.04
秒でなくともそれより短かくともさしつかえないことに
なるが、冷媒の温度と樹脂流束温度に200℃以上の差
があると冷媒中に導入された樹脂流束の凝縮固化が急激
に起るため、流束のもつ弾性収縮挙動との間に位相差が
生じ、いわゆるドローレゾナンスと呼ばれる振動が発生
して著しい厚さムラの原因となる。したがってθが極端
に短いとこのような厚さムラを誘発しかねない。したが
って通常エアーギアップとして採用されている短い距離
50mmを通常生産速度として速いとされる1250m
m/秒(75m/分)で通過する時間をθの下限とした
ものである。θは好ましくは0.4秒以上1秒以下であ
る。
イを出た時点の樹脂流束の温度と冷媒の温度Tbとの差
であり、通常80℃ないし240℃の範囲で適宜選択決
定される。冷媒温度はPVDF樹脂フィルム製造の場合
通常20℃から60℃が採用される。ダイを出た直後の
樹脂温はしばしばダイ温度(Td)で代用されるが、実
際上樹脂温度はダイ温度に等しいか10℃ないし15℃
程度高い程度であり、ダイ温度を代用しても特に問題は
ない。ΔTが80℃を下まわると冷媒によって樹脂流束
の固化される速度がおそくなり、ストレス延伸応力が固
化しつつある樹脂の分子配向に消費され、効果的な球晶
生成阻止効果が認められなくなる。また240℃を上ま
わると、前述したドローレゾナンスを生じやすくなり好
ましくない。
(κ)は前述したストレス延伸の効果を補償するパラメ
ーターと考えられる。κ値は70〜4500(℃/秒)
の範囲にあることが好ましく、500ないし4000
(℃/秒)の範囲にあることがさらに好ましい。κ値が
70(℃/秒)以下であると、ストレス延伸が好ましく
行える条件でPVDF樹脂フィルムを製造しても、実際
上平均球晶半径が1.6μmより大きく、曇価も8.0
%以上となる。例えば比較例3の場合、ストレス延伸パ
ラメーターλの値は好ましい範囲内の0.60秒-1・μ
m-1の値を示しているが、平均球晶半径は1.63μm
であり、曇価も8.4%である。
F樹脂フィルムは、PVDF樹脂の単層フィルムであっ
てもよいが、好ましくはPVDF樹脂層を一外層とする
他の熱可塑性樹脂との多層フィルムである。いずれにし
ても、本発明のフィルムのPVDF樹脂層に含まれるP
VDF樹脂の平均球晶半径の上限については1.6μm
以下であり、下限については装置条件など前記した事情
により0.5μm以下に抑制することはすこぶる困難で
あり、好ましくは0.6μm以上1.6μm以下の範囲
であり、さらに好ましくは0.7μm以上1.4μm以
下の範囲である。
としては、フッ化ビニリデン単独重合体、フッ化ビニリ
デンを構成単位として70モル%以上含有する共重合
体、さらにこれら重合体の混合物であってもよい。フッ
化ビニリデンと共重合されるモノマーとしては、四フッ
化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレン、
三フッ化塩化エチレン、フッ化ビニルなどが挙げられ、
これらの1種または2種以上を用いることができる。こ
れらPVDF樹脂は、その融点が146℃から178℃
の範囲にあるが、本発明のフィルムを構成するPVDF
樹脂はフィルムの状態で基材の膜構造物などに熱ロール
などの手段でラミネートされる場合も多くあり、その際
ラミネートロールへの粘着など製品外観を損なう現象を
避けるため、融点が165℃以上、好ましくは170℃
以上、さらに好ましくは175℃以上のものを用いるこ
とが望ましい。なおPVDF樹脂には、本発明の効果を
阻害しない範囲内で、必要に応じて紫外線吸収剤、核
剤、可塑剤等が添加されていても良い。
熱可塑性樹脂としては、通常透明性の良好な非晶性樹脂
が用いられる。このような非晶性樹脂としては、PMM
A系樹脂や塩化ビニル樹脂が例示される。PMMA系樹
脂としては、メタクリル酸メチル単独重合体のほか、メ
タクリル酸メチル単量体を構成単位として50モル%以
上とアクリル酸エステル、あるいはメタクリル酸メチル
以外のメタクリル酸エステルを50モル%未満含有する
共重合、さらにこれら重合体の2種以上の混合物などを
例示することができる。上記アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチルなどを、またメタクリル酸
メチル以外のメタクリル酸エステルとしては、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピルなどを例示すること
ができる。なお、共重合体としはランダムコポリマーに
限られず、例えばグラフトコポリマー等も用いられ、ア
クリル系飽和架橋ゴムにメチルメタクリレートを主とす
るモノマーをグラフト重合したものも好ましく用いられ
る。本発明に用いられる熱可塑性樹脂には、必要に応じ
て抗酸化剤、紫外線吸収剤等が添加されていても良い。
系樹脂とPVDF樹脂との混合物を挙げることができ
る。両者の混合重量比(PMMA系樹脂/PVDF樹
脂)としては、15/85〜75/25の範囲にあるも
のがPVDF樹脂層に対する接着性に優れると共に他の
樹脂や基材との接着性が良好であることから特に好まし
い。
護用フィルムとして用いる際には、各種基材との接着性
を考慮して表面層にPVDF樹脂層を、接着層としてP
MMA樹脂系樹脂層を、あるいはさらにその外側に塩化
ビニル樹脂層を用いることが好ましく、とくにPVDF
樹脂層/PMMA系樹脂層からなるもの、あるいはPV
DF樹脂層/PMMA系樹脂層/塩化ビニル樹脂層の順
に層構成されているものが好ましい。
して用いる際のフィルム厚さとしては、多層フィルムの
場合は2〜300μmであり、フィルム全層の曇価が8
%以下であることが、透明性の点から要求される。以下
実施例を示し本発明を説明するが、本実施例によって本
発明の内容は何ら制限されるものではない。
樹脂用40mmΦ、L/D=22の押出機とPMMA樹
脂用90mmΦ、L/D=26の押出機を用い、PVD
F樹脂として呉羽化学工業(株)製KF−1000、P
MMA樹脂として三菱レイヨン(株)製HBS001を
溶融押出しし、巾1700mmのTダイにて両方の樹脂
流を積層合流して二層積層シートを成形した。Tダイの
リップクリアランスは0.6mmとした。またダイ温度
Tdは240℃とし、ダイ直下に冷却槽を置き、冷媒の
レベルを変化させ種々の2層フィルムを製作した。各実
施例における製造条件および各種パラメーター、さらに
得られた2層の保護用フィルムの曇価とPVDF樹脂層
中の平均球晶半径の測定結果を表−1〜3に示す。なお
実施例6は冷媒をグリセリンとし、実施例7では直径5
00mmΦの加熱装置付きロールを冷却ロールとして使
用し、2秒間接触させた。他の実施例や比較例では、冷
媒として水を用いた。また実施例4、5および比較例2
のPMMA樹脂層は前記PVDF樹脂を20%混合した
混合品を用いた。さらに溶融樹脂流束の吐出速度V1は
ダイリップクリアランス、樹脂の押出量および使用樹脂
割合を考慮した溶融状態の樹脂比重から算出した。溶融
状態の樹脂比重としてPVDF樹脂は1.41g/c
c、PMMA樹脂は1.01g/cc、塩化ビニル樹脂
は1.16g/ccの値を用いた。
実施例1〜9および比較例1〜2に用いたPVDF樹脂
用40mmΦ、L/D=22の押出機を2台用意してP
VDF樹脂とPMMA樹脂用の押出機とし、前記例でP
MMA樹脂の押出に用いた90mmΦ、L/D=26の
押出機で呉羽化学工業(株)製塩化ビニル樹脂(「S−
903」、重合度1300)に可塑剤DOP(大八化学
製)50PHR、亜鉛系安定剤(共同薬品「KV−69
B−4」)2.5PHR、抗酸化剤(日本チバガイギー
「イルガノックス1010」)0.1PHRを処方した
コンパウンドを押出し、巾1300mmのTダイで樹脂
流を積層合流させて押出しし、3層構成の保護用フィル
ムを製造した。Tダイのダイ温度Tdは210℃、リッ
プクリアランスは0.8mmとした。他の製造条件につ
いては、前記例と同様に変化させた。条件および結果を
表−4〜5にまとめて示す。
条件(1)、(2)および(3)を同時に満足する
V1、V2、G、およびΔTの設定値で製造されたPVD
F樹脂層を有する本発明の保護用フィルムは市場が要求
する透明性を充分に満足するものである。
脂フィルムおよびPVDF樹脂を一外層とする多層フィ
ルムが提供され、これらは透明性、耐食性、さらには耐
紫外線性に優れる表面保護用フィルムとして用いること
が出来る。
ムに含まれるPVDF樹脂の平均球晶半径φrと曇価と
の関係を示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 フィルムに含まれる平均球晶半径が1.
6μm以下であり、厚さが1〜30μmであることを特
徴とするフッ化ビニリデン樹脂フィルム。 - 【請求項2】 一外層を形成する厚さが1〜30μmの
フッ化ビニリデン樹脂層と他の熱可塑性樹脂層との多層
フィルムであって、該フッ化ビニリデン樹脂層に含まれ
る平均球晶半径が1.6μm以下であり、該多層フィル
ムの厚さが2〜300μmでありかつJISーKー71
05に定める曇価が8%以下であることを特徴とする多
層フィルム。 - 【請求項3】 フィルムに含まれる平均球晶半径が1.
6μm以下であり、厚さが1〜30μmであるフッ化ビ
ニリデン樹脂フィルムからなる表面保護用フィルム。 - 【請求項4】 一外層を形成する厚さが1〜30μmの
フッ化ビニリデン樹脂層と他の熱可塑性樹脂層との多層
フィルムであって、該フッ化ビニリデン樹脂層に含まれ
る平均球晶半径が1.6μm以下であり、該多層フィル
ムの厚さが2〜300μmでありかつJISーKー71
05に定める曇価が8%以下である多層フィルムからな
る表面保護用フィルム。 - 【請求項5】 多層フィルムがフッ化ビニリデン樹脂層
とメタクリル酸メチル系樹脂層の二層からなることを特
徴とする請求項4記載の表面保護用フィルム。 - 【請求項6】 多層フィルムがフッ化ビニリデン樹脂
層、メタクリル酸メチル系樹脂層、および塩化ビニル樹
脂層の順に積層された三層からなることを特徴とする請
求項4記載の表面保護用フィルム。 - 【請求項7】 メタクリル酸メチル系樹脂層がポリメチ
ルメタクリレートまたはポリメチルメタクリレートとポ
リフッ化ビニリデンとの混合樹脂層であることを特徴と
する請求項5または6記載の表面保護用フィルム。 - 【請求項8】 フッ化ビニリデン樹脂を溶融押出する際
またはフッ化ビニリデン樹脂と積層する他の熱可塑性可
塑性樹脂とを溶融共押出する際に、ダイからの溶融樹脂
流束の吐出速度V1(mm/秒)、この樹脂流束の引取
速度V2(mm/秒)、溶融樹脂流束がダイを出て冷却
装置の冷媒に接触するまでの見かけの滞留時間θ
(秒)、およびダイの出口から冷媒に接するまでの樹脂
流路長さG(mm)の間に下記(1)、(2)の条件を
同時に満足するようV1、V2、Gを設定し、かつダイ温
度Td(℃)と冷媒温度Tb(℃)の差ΔTを下記
(3)の条件を満たすようにTdおよびTbを定めて押
出成形を行うことを特徴とする請求項1または2記載の
フッ化ビニリデン樹脂フィルムまたは多層フィルムの製
造方法。 【式1】 (1) 2.0≧θ≧0.04(秒) θ=2G/(V1+V2) ただし、300≧G>0(mm) (2) 150≧V2/V1θ≧5(秒-1) (3) 240≧ΔT≧80(℃)
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