JPH0680581B2

JPH0680581B2 - 電子銃

Info

Publication number: JPH0680581B2
Application number: JP8262686A
Authority: JP
Inventors: 律雄石田
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1986-04-08
Filing date: 1986-04-08
Publication date: 1994-10-12
Anticipated expiration: 2009-10-12
Also published as: JPS62237644A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、電子ビームが受ける偏向収差を補正するた
めの四極電極を備えた電子銃に関するものである。

〔従来の技術〕

セルフコンバーゼンス形の偏向ヨークを有するカラー陰
極線管では、偏向磁界によって電子ビームが変形を受け
て、蛍光面の周縁部分のスポット像が長楕円形になると
いう偏向収差はよく知られている。

このような偏向収差の解消手段として、電子銃内に四極
電極を配置して、静電的に電子ビームの変形を補正する
ようになした電子銃が提案されている。

第２図および第３図は、それぞれ従来の四極電極を示す
一部破断拡大斜視図である。

第２図に示す従来の四極電極（100）は、同軸に配設さ
れた２つの円筒電極（６），（７）のうち、内側の円筒
電極（７）に互いに径方向で対向させて２つの透孔（7
a），（7b）を設け、これら２つの円筒電極（６），
（７）の間に形成される電界が、上記２つの透孔（7
a），（7b）を通って内側の円筒電極（７）内の空間に
入り込んで四極レンズを形成するように構成されてい
る。

また、第３図に示す従来の四極電極（100）Ｆは、イン
ライン形の電子銃に適用したものであって、同一面内の
一線に並べられた３つの円筒電極（81），（82），（8
3）それぞれの上下に対向する面に互いに径方向に対向
させて計６つの透孔（81a），（81b）、（82a），（82
b）、（83a），（83b）を設け、これら透孔（81a）〜
（83b）の外側に互いに対向して配置された２枚の平行
板電極（9a），（9b）と、上記３つの円筒電極（81），
（82），（83）の間に形成される電界が、上記６つの透
孔（81a）〜（83b）を通って四極レンズを形成するよう
に構成されている。

しかし、上記のような構造の従来の四極電極において
は、各電極の一体化がむずかしく、また、構造上、組立
作業が複雑なものになるという問題点があった。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような問題点を解消するための構成として、第４
図に示したような一体化構造の四極電極が考えられる。
すなわち、第４図に示す四極電極（100）は、第１の電
極（１）の電子ビームが通る四角形の開口部（11）を上
下に切起して上下で対向する一対の水平電極片（11
a），（11b）を形成する一方、第２の電極（２）の電子
ビームが通る四角形の開口部（21）を左右両側に切起し
て左右両側で対向する一対の垂直電極片（21a），（21
b）を形成し、これら一対の水平電極片（11a），（11
b）および一対の垂直電極片（21a），（21b）の組合せ
により、所定の四極電極（100）としたものであり、こ
の対向する第１および第２の電極（１），（２）間に、
偏向収差を補正するのに必要な電圧を印加することによ
り、各電極（１），（２）の開口部（11），（21）を通
る電子ビーム（20）の断面形状を補正するもので、その
補正量は、各電極片（11a），（11b）、（21a），（21
b）の長さl₁，l₂と、印加される電圧とに比例する。

しかしながら、上述したような四極電極は、図２や図３
に示すものに比べて、電極構造の一体化が容易であり、
また、電子銃内での組立て作業も簡単であるものの、四
極電極（100）を構成する第１および第２の電極
（１），（２）の切起しにより形成される電極片（11
a），（11b）、（21a），（21b）の長さl₁，l₂が、開口
部（11），（21）の大きさによって制限されるために、
十分な長さに形成することが難しく、したがって、必要
な補正量を得るためには、印加電圧を高くする必要があ
り、これにともなって、多くの問題が派生する。

この発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、
構成が簡単で、かつ、組立も容易であるだけでなく、低
い印加電圧によって必要十分な補正量を得ることができ
る四極電極を備えた電子銃を提供することを目的として
いる。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る電子銃は、陰極から放出された電子を電
子ビームに形成して加速する電極と、この電子ビームを
集束する集束電極と、上記電子ビームが通る空間に電界
を形成して当該電子ビームが受ける偏向収差を補正する
四極電極とを有する電子銃において、上記四極電極は、
上記電子ビームの通る開口部分が両側に切起されて一対
の垂直電極片が形成されている第２の電極と、同じく上
下に切起されて一対の水平電極片が形成されている第１
の電極とを対向させて１組の四極電極を構成し、この四
極電極を軸方向に複数段重ね合わせてなることを特徴と
する。

〔作用〕

この発明によれば、電子ビームの通る開口部分を両側に
切起して形成される一対の垂直電極片を有する第２の電
極と、電子ビームの通る開口部分を上下に切起して形成
される一対の水平電極片を有する第１の電極とから構成
される四極電極を、軸方向に必要段数だけ重ね合わせる
ことにより、当該四極電極を形成する各電極片の軸方向
の長さを所望のものに形成することが可能である。した
がって、印加電圧を低くしても、偏向収差の補正量を大
きくすることができる。

〔実施例〕

以下、この発明の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図は、この発明の一実施例による電子銃内の要部で
ある四極電極を示す一部破断分解斜視図である。同図に
おいて、（100）は１組の四極電極であり、この四極電
極（100）は、第１の電極（１）と第２の電極（２）
を、互いに接触しない程度の間隔を置いて対向配置する
ことにより構成されている。

上記四極電極（100）を構成する第１の電極（１）およ
び第２の電極（２）には、それぞれ四角形の電子ビーム
の通る３つの開口部（11）および（21）がそれぞれ形成
されている。

そのうち、第１の電極（１）の開口部（11）の上下に
は、当該開口部（11）となる部分を上下に切起して一対
の平板状の水平電極片（11a），（11b）が形成されてい
る一方、第２の電極（２）の開口部（21）の左右両側に
は、当該開口部（21）となる部分を左右両側に切起して
一対の平板状の垂直電極片（21a），（21b）が形成され
ており、このような水平電極片（11a），（11b）を有す
る第１の電極（１）と、垂直電極片（21a），（21b）を
有する第２の電極（２）とを、軸方向に互いに接触しな
い程度の間隔を置いて対向配置することで、上記１組の
四極電極（100）が構成されている。

（200）は上記したような構成の１組の四極電極（100）
を、180度回転させた構成の別組の四極電極であり、こ
のような四極電極（100），（200）を軸方向に２段重ね
合わせて所定の四極電極（300）を構成している。

なお、各組の四極電極（100），（200）における第２の
電極（２），（２）は、接続線（５）を介して互いに電
気的に接続されており、補正用集束電源（10）から、２
組の四極電極（100），（200）における第１および第２
の電極（１），（２）間に補正用集束電圧を印加するよ
うになされている。

また、上記のように構成された四極電極（300）を含
め、陰極、加速電極および集束電極を備えたインライン
形電子銃の構成およびその組立ては、従来から周知であ
るため、ここでは詳細な説明を省略する。

つぎに、上記構成の四極電極（300）における動作につ
いて説明する。

２組の四極電極（100），（200）における第１および第
２の電極（１），（２）間にそれぞれ補正用集束電源
（10）から補正用集束電圧を印加すると、開口部（21）
−（11）−（21）を通る電子ビームは、２組の四極電極
（100），（200）で形成される２回の補正を受けること
になる。したがって、２つの四極レンズによって受ける
補正量で偏向収差を補正すればよいから、印加電圧を低
くしても、電子ビームに対して必要十分な補正量を与え
ることが可能であり、補正用集速電源（10）として低出
力の安価なものを使用することができる。

なお、上記実施例では、各組の四極電極（100），（20
0）を構成する第１および第２の電極（１），（２）の
開口部（11），（21）の形状を四角形としたものについ
て説明したが、それら開口部（11），（21）の形状を円
形あるいは楕円形としてもよい。

また、上記実施例では、２組の四極電極（100），（20
0）を軸方向に重ね合わせた四極電極（300）を例にして
説明したが、必要に応じて、その重ね合わせ段数を増や
してもよい。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、四極レンズを形成す
る四極電極を、一対の電極片が切起し形成されてなる簡
単な構造の第１および第２の電極を軸方向に重ね合わせ
るという簡易に組立可能な構成としたので、製作及び組
立コストの低減が図れて、電子銃全体のコストダウンを
実現できる。また、四極電極を軸方向に必要段数だけ重
ね合わせることにより、当該四極電極を形成する各電極
片の軸方向の長さを所望のものに形成することが可能で
あり、したがって、開口部の大きさの関係から、１つの
電極片の長さが制限される場合であっても、低い印加電
圧をもって、偏向収差の補正量を大きくすることができ
て、この面からも電子銃の低コスト化を促進することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による電子銃の主要構成で
ある四極電極の一部破断分解斜視図、第２図および第３
図はそれぞれ従来の電子銃における四極電極の構成を示
す一部破断斜視図、第４図はこの発明の開発に際して中
間案となった四極電極の一部破断分解斜視図である。（１）…第１の電極、（２）…第２の電極、（11），
（21）…開口部、（11a），（11b）…一対の水平電極
片、（20）…電子ビーム、（21a），（21b）…一対の垂
直電極片、（100），（200），（300）…四極電極。なお、図中の同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】陰極から放出された電子を電子ビームに形
成して加速する電極と、この電子ビームを集束する集束
電極と、上記電子ビームが通る空間に電界を形成して当
該電子ビームが受ける偏向収差を補正する四極電極とを
有する電子銃において、上記四極電極は、上記電子ビー
ムの通る開口部分が両側に切起されて一対の垂直電極片
が形成されている第２の電極と、同じく上下に切起され
て一対の水平電極片が形成されている第１の電極とを対
向させて１組の四極電極を構成し、この四極電極を軸方
向に複数段重ね合わせてなることを特徴とする電子銃。