JPH0679961U - 型枠の洩れ止め具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【構成】 軟質合成樹脂製の断面形状が溝型鋼状のもの
を環状に一体に形成して、中心に鉄筋挿通用の孔を設
け、該鉄筋挿通孔から外周に向けて途中まで、スリット
を１ヶ所以上設けたことを特徴とする型枠６の洩れ止め
具８。 【効果】 スリットが中心の鉄筋挿入用孔から外周部ま
で切られていないので鉄筋を洩れ止め具に力まかせに押
し込んでも変形することがなく、筒形のリブが内、外に
環状に設けられているので、より変形しない。さらに筒
形の厚肉部の内外に薄肉部を設けているので型枠の内壁
に良く密着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、異形鉄筋を使用した場合、節があるため、節のある部分と節のない 部分で節の高さだけ太さが相違する。そのためにこの異形鉄筋を型枠等の製品か ら突き出す種類のコンクリート製品では、型枠に孔をあけて鉄筋を突き出した状 態で生コンを打ち込むが、型枠の孔は節のある部分に相当する大きな孔が開いて いるために、ここからモルタル洩れが生ずる。このモルタル洩れを防ぐための型 枠の洩れ止め具である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の洩れ止め具は、軟質ポリエチレン製の平板材を使用してリング 状に形成し、このリング状の一部を切断しているものが存在している（図６参照 ）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら前記の従来技術では、異形鉄筋にはめ込む時に極めて狭いスリッ トから鉄筋孔径に近い太さの鉄筋を力まかせに押し込むために、洩れ止め具は大 きく変形してねじれてしまう。このねじれのため洩れ止め具は、コンクリートの 型枠に密着せず、また、洩れ止め具の鉄筋挿通孔は鉄筋の節の大きさに合わせて いるため、節と節の間では隙間ができてしまい、ここからモルタルが流れ込み、 型枠の鉄筋孔の隙間から洩れ出すため、コンクリート製品は、この部分が軽石状 となって、強度を失い、著しく外観を損なう。 こうした問題をカバーする為、現場では、２枚重ねて使用する等しているが効 果がなかった。 本考案は、このような事情に鑑み、簡単な構成で前記の問題を解決して、軟質 合成樹脂製の断面形状が溝型鋼状のものを環状に一体に形成して、中心に鉄筋挿 通用の孔を設け、スリットも鉄筋挿入孔から、外周まで完全に切らずに途中まで 切ることにより、鉄筋を力まかせに押し込んでも復元力によって変形しない型枠 の洩れ止め具を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記の課題の解決を図ったもので、軟質合成樹脂製の断面形状が溝 型鋼状のものを環状に一体に形成して、中心に鉄筋挿通用の孔を設け、スリット も鉄筋挿入孔から、外周まで完全に切らずに途中まで切ったものを１ヶ所以上設 けた型枠の洩れ止め具という技術手段を採用した。

【０００５】

【作用】

本考案は、以上の構成を採用することにより、簡単な構成で、断面形状が 溝型鋼状のものを環状に一体に形成したものであるので環状の内輪部、外輪部が 厚肉になり、復元力が強く変形しない。しかも、スリットが、中心の鉄筋挿入用 孔から外周部に達しないようにしてあるので、相俟って鉄筋を力まかせに洩れ止 め具に押し込んでも変形することがないものである。

【０００６】

【実施例】

先ず、図６に基づいて従来例について説明すると、軟質ポリエチレンの円板材 に中心に鉄筋挿入孔を穿設し、外周部から中心の鉄筋孔までスリットを切ってあ るものである。 これに対して以下、本考案の実施例を添付図面で詳細に説明する。 第１実施例として図１〜図３に基づいて詳細に説明すると、軟質合成樹脂材に より成形するもので、断面形状が溝型鋼状のものを環状に一体に形成し、鉄筋の 周囲を丸く包むように前記溝型鋼状の内輪により筒形のリブ１を形成し、さらに この筒形のリブ１に連続して鉄筋側（中心方向）に薄肉部２を形成し、この薄肉 部２に複数ヶ所スリット３を設ける。このスリット３のどれか１つに図示のよう に連続して、筒形のリブ１までスリットを設ける。この筒形のリブ１のスリット は、薄肉部２のスリット３と連続してなくても同様の機能を奏する。この薄肉部 ２は、例えば、型枠６の、鉄筋孔の近くに稀に傷などがあることがある。また傷 がなくても、掃除作業のミスなどのために、砂粒などが付着していて洩れ止め具 ８が砂粒のために型枠６に密着しない時がある。これは洩れ止め具８は、軟質ゴ ムのように柔軟ではないために止むを得ない。そこで洩れ止め具８の外周部に薄 膜状の、柔軟部を設けて砂粒などで型枠６と洩れ止め具８が密着しない場合でも 、柔軟部が生コンクリートの僅かな圧力で忽ちに砂粒を包み込んで洩れを塞ぐこ とができるようにしたものである。また保形を高めるために、外周にも前記溝型 鋼の外輪により厚肉の筒形リブ４が形成され、この厚肉の筒形リブ４と鉄筋周囲 を包むようになっている筒形のリブ１の間は薄肉部で連接してあり、補強のため に複数本の放射状リブ５が連設されている。なお、図３に示したものは、本考案 の型枠６の洩れ止め具８を利用した具体的な実施例で、６は型枠、７は異形鉄筋 で、型枠６から異形鉄筋７が突き出した状態で、この異形鉄筋７の節が通る孔を 塞ぐ状態を表している。 次に図４、図５に基づいて第２実施例を説明する。図示の通り第１実施例との 違いは厚肉の筒形リブ４の外周に、さらに、薄肉のリング部材９を連続して設け たもので、型枠６の内壁にさらに確実に密着させる機能を奏するものである。そ の他の点については、第１実施例と同一であるので説明は省略する。

【０００７】

【考案の効果】

本考案は、以上の構成に基づき次の効果を得ることができる。 （１）スリットが中心の鉄筋挿入用孔から外周部まで切られていないので鉄筋 を洩れ止め具に力まかせに押し込んでも変形することがない。 （２）筒形のリブが内、外に環状に設けられているので、より変形しない。 （３）筒形の厚肉部の内外に薄肉部を設けているので型枠の内壁に更に良く密 着する

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例を示す平面図である。

【図２】前記第一実施例における、Ａ−Ａ矢視断面図で
ある。

【図３】前記第一実施例における使用状態を示す概略説
明図である。

【図４】本考案の第２実施例を示す平面図である。

【図５】前記第二実施例におけるＢ−Ｂ矢視断面図であ
る。

【図６】従来技術における使用状態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１‥‥筒形のリブ ２‥‥薄肉部 ３‥‥スリット ４‥‥厚肉の筒形
リブ ５‥‥放射状リブ ６‥‥型枠 ７‥‥異形鉄筋 ８‥‥洩れ止め具 ９‥‥薄肉のリング部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軟質合成樹脂製の断面形状が溝型鋼状の
   ものを環状に一体に形成して、中心に鉄筋挿通用の孔を
   設け、該鉄筋挿通孔から外周に向けて途中まで、スリッ
   トを１ヶ所以上設けたことを特徴とする型枠の洩れ止め
   具。