JPH0678582B2 - 永久磁石材料 - Google Patents

永久磁石材料

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JPH0678582B2
JPH0678582B2 JP60061709A JP6170985A JPH0678582B2 JP H0678582 B2 JPH0678582 B2 JP H0678582B2 JP 60061709 A JP60061709 A JP 60061709A JP 6170985 A JP6170985 A JP 6170985A JP H0678582 B2 JPH0678582 B2 JP H0678582B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は高価で資源希少なコバルトを全く使用しない,
磁石特性の温度係数(特に残留磁束密度の温度係数)の
すぐれた希土類・鉄系高性能永久磁石材料に関する。
<従来の技術> 現在の代表的な永久磁石材料はアルニコ,ハードフェラ
イトおよび希土類コバルト磁石である。最近のコバルト
の原料事情の不安定化にともない,コバルトを20〜30重
量%含むアルニコ磁石の需要は減り、鉄の酸化物を主成
分とする安価なハードフェライトが磁石材料の主流を占
めるようになった。一方,希土類コバルト磁石は最大エ
ネルギー積20MGOe以上を有する高性能磁石であるが,コ
バルトを50〜65重量%も含むうえ,希土類鉱石中にあま
り含まれていないSmを多量に使用するため大変高価であ
る。しかし,他の磁石に比べて,磁気特性が格段に高い
ため,主として小型で,付加価値の高い磁気回路に多く
使われるようになった。
本出願人は先に高価なSmやCoを含有しない新しい高性能
永久磁石としてFe−B−R系,Fe−B−R−M系(Rは
Yを含む希土類元素のうち少なくとも1種,Mは添加元
素)永久磁石を提案した。(特開昭59−46008号,特開
昭59−89401号) しかしながら,前記Fe−B−R系,Fe−B−R−M系合
金の残留磁化Brの室温附近での温度係数αは多くのSm−
Co系に比べて劣っていた。これは前記合金のキュリー点
が一般に300℃前後〜370℃と低いためであった。
また本出願人は,前記合金のキュリー点を上昇し,磁石
合金の磁石特性の温度係数改善のため,Coを含有した磁
石合金をも提案した(特開昭59−64733号,特開昭59−1
32104号)。
<解決すべき問題点> しかしながら前記Co含有のFe−Co−B−R系,Fe−Co−
B−R−M系合金は磁石特性の温度係数の安定化に有効
であるが,Coの量を多くすると磁石特性の劣化(特に保
磁力の減少)を招来するため,Co添加によるBrの温度係
数αの改善はα=−0.08%/℃程度が限度であった。実
際に前述の特開昭59−64733号明細書第1表によれば、
保磁力や最大エネルギー積が最も優れた試料(No.と
9)でα=−0.07〜−0.09%/℃(平均−0.08%/℃)
であるが、それらの保磁力は平均7.0kOeしかなかった。
さらにCoを20%を超えて添加することによりα=−0.08
%/℃以下にすれば、保磁力や最大エネルギー積のさら
なる低下が顕著であった。
航空機用計測機などの高度の精密度が求められる用途に
は更に高度の温度安定性がBr、保磁力を含めた磁石特性
に要求される。
本発明は上述の高度な温度安定性の要求を充足するべく
さらに従来のFeBR系ないしFeBRM系磁石材料を改良する
ことを基本的目的とする。
<問題点の解決手段> 本発明によれば,上述の目的は下記の永久磁石材料
(1)により達成される。
(1)下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)としたと
き、 原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但しR1>5%)を満足し原
子百分比でR12.5〜20%、B4〜11%、及び残部Fe及び不
可避の不純物からなり、(R1、R2)2Fe14B化合物を主相
として(但し、R1へDy、Tb、Hoの内Dy単独を除く一種以
上、R2はNdとPrの一種以上の合計が80%以上で、残りは
R1以外のYを包含する他の希土類元素の少なくとも一
種)、 その残留磁束密度Brの温度係数αの絶対値が100〜400K
の温度範囲で0.08%/℃以下であること、を特徴とする
永久磁石材料。
そして、第1の視点における好ましい範囲として、下記
R1と下記R2の和をR(希土類元素)としたとき、原子比
で0.6≦R2/R1≦1.0(但しR1>5%)を満足し原子百分
比でR13〜19%、B5〜11%、及び残部Fe及び不可避の不
純物からなり、(R1、R2)2Fe14B化合物を主相として
(但し、R1はDy、Tb、Hoの内Dy単独を除く一種以上、R2
はNdとPrの一種以上の合計が80%以上で、残りはR1以外
のYを包含する他の希土類元素の少なくとも一種)、 その残留磁束密度Brの温度係数αの絶対値が100〜400K
の温度範囲で0.05%/℃以下であること、を特徴とする
永久磁石材料。
さらに,本発明の第2の視点として,上記永久磁石材料
(1)において、Feに部分的に代わり下記の所定%以下
の添加元素Mの一種以上(但し,Mとして二種以上の前記
添加元素を含む場合は,M合量は当該の添加元素のうち最
大値を有するものの原子百分比以下)を含むその残留磁
束密度Brの温度係数αの絶対値が100〜400Kの温度範囲
で0.08%/℃以下であること、を特徴とする永久磁石材
料。が提供される。
添加元素Mは下記の通りである: Ti 3 %, Zr 3.3%, Hf 3.3%, Cr 4.5%, Mn 5 %, Ni 6 %, Ta 7 %, Ge 3.5%, Sn 1.5%, Sb 1 %, Bi 5 %, Mo 5.2%, Nb 9 %, Al 5 %, V 5.5%, W 5 %, Si 5.0%, Zn 0.5%, <好適な態様に基づく発明の開示及び作用> 以下に本発明をさらに詳述する。
航空機に用いられる進行波管や自動誘導装置用計器など
の用途には高い保磁力と残留磁化Brの高い温度安定性が
広い温度範囲に渡って要求される。従来のSmCo7〜8
石などではEr等でSmを置換することによってBrをかなり
儀牲にしてもαの値(絶対値)を小さくすることがはか
られてきた。SmやCoを全く含まないFe−B−R系,Fe−
B−M系では磁気特性の温度係数が大きいため,そのす
ぐれた磁気特性にもかかわらず前記の用途には使用でき
なかった。Co添加による方法(特開昭59−64733号,特
開昭59−132104号)ではαの改善は−0.08%/℃が限度
である上,保磁力がCoの量とともに減少するので,Coを
含むFe−Co−BrR系,Fe−Co−B−R−M系でも前記の用
途にはなお不十分であった。
本出願人は以上のことから出発しさらに改善をめざして
前記Fe−B−R系,Fe−B−R−M系磁石合金中の主相
であるR2Fe14B化合物(単結晶)の磁気的性質を全ての
Rについて詳細に調べたところ,磁化の温度変化につい
て第4図,第5図に示すような結果を得た。この結果か
ら,第4図に示す軽希土類R2と第5図に示す重希土類R1
を含む(R11−xR22Fe14Bを主相として含む合金を
磁石化することに成功すれば,αの値を非常に小さくで
きることがわかった。この方法はR1がTb,Dy,Hoのうち少
なくとも一種の場合にのみ可能であることもわかった。
即ち,希土類元素RのうちDy,Tb,Hoの一種以上(Dy単独
を除く)のR1と,NdやPrなどの軽希土類元素R2を特定比
率に組み合わせ含有することによって,従来FeBR系磁石
では得られなかった高い保磁力とBrの温度係数の顕著な
改善を達成することができた。
更に,本発明による成分系では,iHcの増大のみならず、
減磁曲線の角形性の改善,即ち磁気回路中の動作点の変
動に対する安定性を増大する効果をも具備することが判
った。
本発明の永久磁石材料の主相はFe−R−B正方晶化合物
であり中心組成はR2Fe14Bであると考えられる。また,
主相の粒界相としてRリッチな非磁性相が有効量存在す
ることが重要である。非磁性相はわずかでも有効であり
例えば1vol%は十分な量である。
なおFeBR系磁石材料のiHcを増大させるために様々の検
討を行った結果,以下の方法が有効である。即ち, (1)R(R1+R2)又はBの含有量を多くする (2)R2/R1の比率を特定範囲とする (3)添加元素Mを加える(FeBRM系磁石)。
しかしながら、R又はBの含有量を増加する方法は,各
々iHcを増大するが,含有量が多くなるにつれてBrが低
下し,その結果(BH)maxの値も低くなる。
R2/R1を前記特定範囲にすることによりBrの温度係数を
非常に改善するが,R2/R1が小さくなりすぎるとBrが劣化
し,Brは9kGより低くなる。
また,添加元素MもiHc増大の効果を有するが,添加量
の増加につれて(BH)maxが低下し飛躍的な改善効果に
は繁がらない。
本発明の永久磁石材料においては,重希土類元素R1(D
y,Tb,Hoの内Oy単独を除く一種以上の含有と,R2としてN
d,Prを主体とすることと,さらにR2/R1の比率を特定範
囲とし,R,Bの所定範囲内の組成とに基づき,特に時効処
理を施した場合のBrの温度係数の安定化とiHcの増大が
顕著である。特に,上記特定の組成の材料からなる磁気
異方性焼結体に時効処理を施すと、Brの値を損ねること
なくiHcを増大させ,さらに減磁曲線の角形性改善の効
果もあり,(BH)maxは同等かまたはそれ以上となり,
その効果は顕著である。なお,R,Bの範囲と,(Nd+Pr)
の量を規定することにより、時効処理前においてもiHc
約11kOe以上が達成され,R内におけるR1の所定の含有に
より時効処理の効果がさらに著しく付加される。
即ち,本発明によれば(BH)max20MGOe以上を保有した
まま,iHc11kOe以上で示される十分な安定性を兼ね備
え,しかもBrの温度係数を絶対値で0.08%/℃以下にお
さえ,従来の高性能磁石よりも広範な用途に適用し得る
高性能磁石材料を提供することができる。
(BH)max,iHcの最大値は各々27.4MGOe(後述第1表,N
o.1),20kOe以上(第1表,No.6,8)を示した(ここで,i
Hc20kOe以上とは,通常の電磁石タイプの減磁特性試験
器では,測定できなかったためである)。
本発明の永久磁石材料に用いるRは,R1とR2の和より成
るが,RとしてYを包含し,Nd,Pr,La,Ce,Tb,Dy,Ho,Eu,Pm,
Luの希土類元素である。そのうちR1はDy,Tb,Hoの3種の
うち少なくとも1種(但しDy単独の場合を除く)を用
い,R2は上記3種以外の希土類元素を示し,特に軽希土
類の内NdとPrの一種以上の合計を80%以上包含するもの
(特に95%以上のもの)を用いる。
これらRは必ずしも純希土類元素でなくてもよく,工業
上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物(Sm,Gd,Er,T
m,Yb,等の他の希土類元素Ca,Mg,Fe,Ti,C,O等)を微量含
有するものでも差支えない。なおSm,Er及びTmのR2Fe14B
は室温以上で一軸異方性を示さない。
B(ホウ素)としては、純ボロン又はフェロボロンを用
いることができ、不純物としてAl,Si,C等を含むものも
用いることができる。
本発明の永久磁石材料は,既述のRをR1とR2の合計とし
て原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但し,R1>5%)を満足し
原子百分比でR12.5〜20%,B4〜11%,残部Feの組成にお
いてαの絶対値が0.08%以下,保磁力iHc約11kOe以上,
残留磁束密度Br9kG以上,最大エネルギー積(BH)max20
MGOe以上の高保磁力,高いBrの温度安定性,高エネルギ
ー積を示す。ここにαは約400K以下,少くとも100−400
Kの温度範囲について上記の値を満足できる(第1図参
照)。
0.6≦R2/R1≦1.0,R13〜19%,B5〜11%,残部Feの組成は
αの絶対値が0.05%/℃以下最大エネルギー積(BH)ma
x22MGOe以上を示し,好ましい範囲である。
また,R1としてはHo,またはHoとDyの組み合せが特に望ま
しい。
Rの量を12.5%以上としたのは、Rがこの量よりも少な
くなると本系合金化合物中にFeが析出して保磁力が急激
に低下するためである。Rの上限を20%としたのは,20
%以上でも保磁力は10kOe以上の大きい値を示すがBrが
低下して(BH)max20MGOe以上を実現するために必要なB
r(約9kG)が得られなくなるからである。R2/R1の比を
0.4以上1.5以下としたのは,Brの温度係数αの絶対値が
この範囲で0.08%/℃を越えず,しかも(BH)max20MGO
e以上を得るために必要なBrの値が確保されるためであ
る。
本発明において,R2/R1比0.4〜1.5の増大に伴い飽和磁束
密度Bsは温度の変化に従い第1図に示す如く変化する。
第1図においてx=0.4,0.7は夫々R2/R1比1.5,0.4に凡
そ対応する。αの絶対値が最小である温度範囲はxの値
の増大と共に高温側へシフトする傾向がある。なお約40
0Kを越えるとαの絶対値は増大するが,超低温域(例え
ば100K以下)では余り変化しない。
第4,5図はR2Fe14Bの単結晶について測定したものであ
る。これに基づいて各種R1,R2の組み合せの場合の磁気
特性が設計可能である。Hoについては温度の上昇と共に
磁化μは増大して約370〜390Kでピークに達し400Kを
越えると減少し始める。Dyも勾配はHoよりゆるやかであ
るがHoと同様の傾向を示す。
なおDy単独の場合のデータは、他のR1との併用の場合の
特性の推計の根拠を与える。
また,第1図をベースとし第4,5図を参照すれば所定の
温度範囲内において最小のαを達成するR2/R1比が適宜
選択可能である。なおR2/R1比は第1図では(1−x)/
xで与えられる。
本発明の第2の視点によれば添加元素Mを所定量以下含
む。この添加元素MはiHcを増し、減磁曲線の角形性を
増す効果があるが,一方その添加量が増すに従い,Brが
低下していくため,(BH)max20MGOe以上を有するにはB
r9kG以上が必要であり,添加量の各々の上限は下記の値
以下と定められる。
Ti 3 %, Zr 3.3%, Hf 3.3%, Cr 4.5%, Mn 5 %, Ni 6 %, Ta 7 %, Ge 3.5%, Sn 1.5%, Sb 1 %, Bi 5 %, Mo 5.2%, Nb 9 %, Al 5 %, V 5.5%, W 5 %, Si 5.0%, Zn 0.5%, 但し,2種以上のMを添加する場合のM合計の上限は,実
際に添加された当該のM元素の各上限値のうち最大値を
有するものの値以下となる。例えばTi,Ni,Nbを添加した
場合には,Nbの9%以下となる。Mとしては,V,Nb,Ta,M
o,W,Cr,Alが好ましい。なおNi,Mnの限度はiHcから定め
られる。但し上記添加元素Mの含有量は一般にBrの所望
値に応じて適宜上記範囲内で選択でき,一部のM(Sb,S
n,Zn等)を除き一般に0.1〜3原子%以下(特に1%以
下)が有効である。なおこれらの添加元素Mは母合金中
に含有させておくことができ,酸素物又は他の構成元素
との混合酸化物として母合金製造のための直接還元の際
の出発原料中に配合しておくこともできる。このMはま
た,粒界相成分中に合金化して添加することもできる。
この粒子相成分は,R50原子%以上のR−Fe合金もしくは
R50原子%以上,B40原子%以下,残部Feから成るR−B
−Fe合金の1以上,又はこれらと,金属ホウ素;フェロ
ボロン;R15原子%以下,B38原子%以上,残部Feから成る
BリッチB−Fe−R合金からなる群から選ばれた1以上
の粉末との混合物から構成できるものである。
さらに前述のように、第1の視点における好適な態様と
して、 下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)としたとき、 原子比で0.6≦R2/R1≦1.0(但しR1>5%)を満足し原
子百分比でR13〜19%、B5〜11%、及び残部Feの及び不
可避の不純物からなり、(R1、R2)2Fe14B化合物を主相
として(但し、R1はDy、Tb、Hoの内Dy単独を除く一種以
上、R2はNdとPrの一種以上の合計が80%以上で、残りは
R1以外のYを包含する他の希土類元素の少なくとも一
種)、 その残留磁束密度Brの温度係数αの絶対値が100〜400K
の温度範囲で0.05%/℃以下であること、を特徴とする
永久磁石材料が提供される。
本発明の永久磁石材料は代表例としては焼結体として得
られ、その平均結晶粒径は,FeBR系において1〜80μm,F
eBRM系において1〜90μmの範囲にあることが重要であ
る(好ましくは夫々2〜40μm)。焼結は900〜1200℃
の温度で行うことができる。
時効処理は焼結体の場合、焼結後350℃以上当該焼結温
度以下,好ましくは450〜800℃で行うことができる。さ
らに好ましい時効処理は次の通りである。即ち,焼結後
750〜1000℃(好ましくは770〜920℃)の温度で1次熱
処理を行い,その後3〜2000℃/min(好ましくは20〜10
00℃/min)の冷却速度で680℃以下の温度まで冷却し,
さらに480〜700℃(好ましくは550〜650℃)の温度で2
次熱処理する。熱処理は凡そ0.5〜12時間行う。
焼結に供する合金粉末は0.3〜80μm(好ましくは1〜4
0μm,特に好ましくは2〜20μm)の平均粒度のものが
適当である。これらの焼結条件等については,すでに同
一出願人の出願に係る特開昭59−215460号,59−219452
号に開示されている。
なお,特にエネルギー積20MGOe以上の高い磁気特性を実
現するためには,酸素,炭素,Caの含有量を規制するこ
とが好ましい。即ち,本発明の永久磁石材料の酸素含有
量は6000ppm以下,炭素含有量は1000ppm以下,Ca含有量
は2000ppm以下にすることが好ましい。即ち,本発明の
永久磁石材料に含まれる酸素は酸化しやすい希土類元素
と結合して希土類酸化物を形成し,酸素含有量が6000pp
mを越えると永久磁石材料中に酸化物(R2O3)として4
%以上残留することになり,磁石特性とくに保磁力が10
kOe以下になるので好ましくない。
含有炭素量が1000ppmを越えると酸素の場合と同様炭化
物(RC2)として永久磁石材料中に残留し著しい保磁力
の低下を生ずる。
またカルシウム含有量が2000ppmを越えると本発明の永
久磁石材料を焼結により磁石化する場合、途中の焼結工
程において還元性の極めて高いCa蒸気を多量に発生し,
熱処理炉をいちじるしく汚染することになって、場合に
よっては熱処理炉の炉壁を損耗して工業的に安定な生産
が不可能となる。また,でき上った永久磁石中に含まれ
るCa量も多くなって磁石特性の劣化を生ずる。なお,上
記の酸素,炭素,Ca含有量の条件は合金粉末(配合・混
合を含む)微粉末状態で達成することが好ましい。
なお最終製品中のMg,Pは各1.7原子%以下(Brによる)
とし,S,Cuは各2原子%以下とする(Brによる)が,こ
れらはいずれもBrの減少を招くので少ない程よい。
<実施例> 以下本発明の好適な態様及び効果について実施例に従っ
て説明する。試料はつぎの工程によって作成した。
約1kgの合金を高周波炉によって溶解し,鉄ハース上に
鋳造してインゴットを得た。出発原料はFeとして純度9
9.9%の電解鉄,Bとしてフェロボロン合金(19.38%B,5.
32%Al,0.74%Si,0.03%C,残部Fe),Rとして純度99.7%
以上(不純物は主として他の希土類金属)を使用。
このインゴットをジヨークラッシャーで粉砕し,更にフ
ロン中でボールミルにより微粉砕して粉末を得た。この
粉末の平均粒径はフィッシャーの粒度計にて約22μであ
った。粉末は約10kOeの磁場中で配向されて磁場方向に
垂直な方向から圧縮した。得られたグリーンコンパクト
は充分な脱ガス処理の後,Ar雰囲気中で約1080℃〜1120
℃の温度で1.5時間焼結し,更に熱処理をほどこした。
磁石特性は通常のB−H及びI−Hトレーサーを用い閉
回路で行った。熱処理は800℃×1hの後急冷し630℃×1h
の2次熱処理を行った。
得られた試料を加工研摩後,電磁石型の磁石特性試験に
よって磁石特性を調べた。
実施例1 R1としてDy,Tb,Ho,R2としてNd又はPrを用いR1とR2を組
合せた合金を作り,上記の工程により磁石化した。その
結果を比較例と共に第1表に示す。第1表においてiHc,
Br,(BH)maxの値は室温付近(0〜30℃)での測定値を
示しBrの温度係数αの値は−190〜100℃での絶対値の最
大値に符号を付したものを示す。
第3図に,同様にして求めた77Fe−8B−15(Nd,Ho),79
Fe−7B−14(Nd,Dy)及び78.5Fe−7B−14.5(Nd,Ho)に
ついてのBrの温度係数α,(BH)maxとR2/R1比の間の関
係を示す。
実施例2,3 81.5Fe−6.0B−12.5(Nd1−x Ho)(実施例2) 81.5Fe−6.0B−12.5(Nd1−xDy)(実施例3) これらは正方晶単相組成でBr(正確にはBs;飽和磁束密
度)を調べる目的で実験に基づき計算によって求めたも
のである。即ち,単結晶のNd2Fe14BとHo2Fe14Bとの磁化
=温度曲線を精密に測定し,その結果を横軸をT/Tc(温
度をキュリー温度で割ったもの)に対してプロットして
x=0とx=1.0のカーブが実験的に得られた。中間の
xに対しては重み平均をとって各温度(T/Tc)での値を
求め,なめらかにつなぐ方法で求めた。その結果を第1,
2図に示す。
実施例4 R2Fe14Bの単結晶の磁気特性を各種Rについて測定し第
4,5図に磁化μと温度(K)の関係を示す。
<効果> 以上詳述のとおり本発明によればR2/R1比の選定に基きB
rの温度係数を低く保ちかつエネルギー積20MGOe以上の
永久磁石材料が所定のR1,R2及びR,Fe,B(さらにM)の
組成範囲内において得られる。特に400K以下から超低温
域に至るまでの各種温度範囲においてαを最小ないし実
質上零に保つことも可能である。
なお,本発明の開示事項に従えば,本発明の範囲外とし
た部分においてもαに関する有利な情報が得られてい
る。即ち、αを最小とする温度域がR2/R1比によって定
まり,エネルギー積がもう少し低くてもよい場合には,
本発明の組成範囲外でも十分に利用されうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例 81.5Fe−6.0B−12.5(Nd1−xHo)についてx=0〜
1とした場合の温度T(K)と飽和磁化Bsとの関係をプ
ロットしたグラフ, 第2図は,81.5Fe−6.0B−12.5(Nd1−dDy)の参考
例について第1図と同様なグラフ, 第3図は,R2/R1比とBrの温度係数α(%/℃)の関係を
示すグラフ,及び 第4,5図は,単結晶R2Fe14Bの磁化μと温度T(K)の
関係を示すグラフ, を夫々示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 節夫 大阪府三島郡島本町江川2−15―17 住友 特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 山本 日登志 大阪府三島郡島本町江川2−15―17 住友 特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 松浦 裕 大阪府三島郡島本町江川2−15―17 住友 特殊金属株式会社山崎製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−46008(JP,A) 特開 昭58−123853(JP,A) 特開 昭60−32306(JP,A) 特開 昭61−147503(JP,A) 特開 昭61−157659(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)と
    したとき、 原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但しR1>5%)を満足し原
    子百分比でR12.5〜20%、B4〜11%、及び残部Fe及び不
    可避の不純物からなり、(R1、R2)2Fe14B化合物を主相
    として(但し、R1はDy、Tb、Hoの内Dy単独を除く一種以
    上、R2はNdとPrの一種以上の合計が80%以上で、残りは
    R1以外のYを包含する他の希土類元素の少なくとも一
    種)、 その残留磁束密度Brの温度係数αの絶対値が100〜400K
    の温度範囲で0.08%/℃以下であること、を特徴とする
    永久磁石材料。
  2. 【請求項2】下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)と
    したとき、 原子比で0.6≦R2/R1≦1.0(但しR1>5%)を満足し原
    子百分比でR13〜19%、B5〜11%、及び残部Fe及び不可
    避の不純物からなり、(R1、R2)2Fe14B化合物を主相と
    して(但し、R1はDy、Tb、Hoの内Dy単独を除く一種以
    上、R2はNdとPrの一種以上の合計が80%以上で、残りは
    R1以外のYを包含する他の希土類元素の少なくとも一
    種) その残留磁束密度Brの温度係数αの絶対値が100〜400K
    の温度範囲で0.05%/℃以下であること、を特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の永久磁石材料。
  3. 【請求項3】下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)と
    したとき、 原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但しR1>5%)を満足し原
    子百分比でR12.5〜20%、B4〜11%、 下記の所定の%以下の添加元素Mの一種以上(但し、M
    として二種以上の前記添加元素を含む場合は、M合量は
    当該の添加元素の最大値を有するものの原子百分比以
    下)、 及び残部Fe及び不可避の不純物から成り、(R1、R2)2F
    e14B化合物を主相として(但し、R1はDy、Tb、Hoの内Dy
    単独を除く一種以上、R2はNdとPrの一種以上の合計が80
    %以上で、残りはR1以外のYを包含する他の希土類元素
    の少なくとも一種)、 その残留磁束密度Brの温度係数αの絶対値が100〜400K
    の温度範囲で0.08%/℃以下であること、を特徴とする
    永久磁石材料。 (但し、R1はDy、Tb、Ho、の内Dy単独を除く一種以上、
    R2はNdとPrの一種以上の合計が80%以上で、残りがR1
    外のYを包含する他の希土類元素の少なくとも一種であ
    り、添加元素Mは下記の通り: Ti 3 %、 Zr 3.3%、 Hf 3.3%、 Cr 4.5%、 Mn 5 %、 Ni 6 %、 Ta 7 %、 Ge 3.5%、 Sn 1.5%、 Sb 1 %、 Bi 5 %、 Mo 5.2%、 Nb 9 %、 Al 5 %、 V 5.5%、 W 5 %、 Si 5.0%、 Zn 0.5%)。
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