JPH089756B2 - 永久磁石材料 - Google Patents

永久磁石材料

Info

Publication number
JPH089756B2
JPH089756B2 JP5208141A JP20814193A JPH089756B2 JP H089756 B2 JPH089756 B2 JP H089756B2 JP 5208141 A JP5208141 A JP 5208141A JP 20814193 A JP20814193 A JP 20814193A JP H089756 B2 JPH089756 B2 JP H089756B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rare earth
permanent magnet
temperature
magnet material
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5208141A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06256913A (ja
Inventor
哲 広沢
眞人 佐川
節夫 藤村
日登志 山本
裕 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to JP5208141A priority Critical patent/JPH089756B2/ja
Publication of JPH06256913A publication Critical patent/JPH06256913A/ja
Publication of JPH089756B2 publication Critical patent/JPH089756B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/047Alloys characterised by their composition
    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/057Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高価で資源希少なコバル
トを全く使用しない、磁石特性の温度係数のすぐれた希
土類・鉄・ボロン系高性能永久磁石材料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の代表的な永久磁石材料はアルニ
コ、ハードフェライトおよび希土類コバルト磁石材料で
ある。最近のコバルトの原料事情の不安定化にともな
い、コバルトを20〜30重量%含むアルニコ磁石の需要は
減り、鉄の酸化物を主成分とする安価なハードフェライ
トが磁石材料の主流を占めるようになった。一方、希土
類コバルト磁石は最大エネルギー積20MGOe以上を有する
高性能磁石であるが、コバルトを50〜65重量%も含むう
え、希土類鉱石中にあまり含まれていないSmを多量に
使用するため大変高価である。しかし、他の磁石に比べ
て、磁気特性が格段に高いため、主として小型で、付加
価値の高い磁気回路に多く使われるようになった。
【0003】本出願人は先に高価なSmやCoを含有し
ない新しい高性能永久磁石としてFe−B−R系、Fe
−B−R−M系(RはYを含む希土類元素のうち少なく
とも1種、Mは添加元素)永久磁石を提案した。(特開
昭59−46008号、特開昭59−89401号)
【0004】しかしながら、前記Fe−B−R系、Fe
−B−R−M系合金の残留磁化Brの室温附近での温度
係数αは多くのSm−Co系に比べて劣っていた。これ
は前記合金のキュリー点が一般に300℃前後〜370
℃と低いためであった。
【0005】また本出願人は、前記合金のキュリー点を
上昇し、磁石合金の磁石特性の温度係数改善のため、C
oを含有した磁石合金をも提案した(特開昭59−64
733号、特開昭59−132104号)。
【0006】
【本発明により解決すべき課題】しかしながら前記Co
含有のFe−Co−B−R系、Fe−Co−B−R−M
系合金は磁石特性の温度係数の安定化に有効であるか、
Coの量を多くすると磁石特性の劣化(特に保持力の減
少)を招来するため、Co添加によるBrの温度係数α
の改善はα=−0.08%/程度が限度であった。
【0007】航空機用計測機などの高度の付加価値のあ
る用途には更に高度の温度安定性が保持力、Brを含め
た磁石特性に要求される。
【0008】本発明は上述の高度な温度安定性の要求を
充足するべくさらに従来のFeBR系ないしFeBRM
系磁石材料を改良することを基本的目的とする。
【0009】
【発明による課題の解決手段】本発明によれば、上述の
目的は下記の永久磁石材料(1)により達成される。 (1)下記Rと下記Rの和をR(希土類元素)とし
たとき原子比で0.4≦R/R≦1.5(但し、R
>5%)を満足し原子百分比でR12.5〜20%、
B4〜11%、及び残部Fe及び不可避の不純物から成
り、(R,RFe14B化合物を主相としBr
の温度係数の絶対値が100〜400Kの温度範囲で
0.08%/以下である永久磁石材料(但し、R
Dy、RはNdとPrの1種以上の合計が80%以上
で、残りはDy,Tb,Ho,Nd,Pr以外のYを包
含する他の希土類元素の少なくとも一種)。
【0010】さらに、本発明の第2の視点として、上記
永久磁石材料(1)において、Feに部分的に代わり下
記の所定%以下の添加元素Mの一種以上(但し、Mとし
て二種以上の前記添加元素を含む場合は、M合量は当該
の添加元素のうち最大値を有するものの原子百分比以
下)を含む永久磁石材料(2)が提供される。
【0011】添加元素Mは下記の通りである:Ti 3
%、 Zr 3.3%、Hf 3.3%、 Cr 4.5
%、Mn 5 %、 Ni 6 %、Ta 7 %、
Ge 3.5%、Sn 1.5%、 Sb 1 %、Bi
5 %、 Mo 5.2%、Nb 9 %、 Al 5
%、V 5.5%、 W 5 %、Si 5.0%、
Zn 0.5% )。
【0012】
【好適な態称に基づく発明の開示及び作用】以下に本発
明をさらに詳述する。
【0013】航空機に用いられる進行波管や自動誘導装
置用計器などの用途には高い保磁力と残留磁化Brの高
い温度安定性が広い温度範囲に渡って要求される。従来
のSmCo磁石などではEr等でSmを置換する
ことによってBrをかなり犠牲にしてもαの値(絶対
値)を小さくすることがはかられてきた。SmやCoを
全く含まないFe−B−R系、Fe−B−R−M系では
磁気特性の温度係数が大きいため、そのすぐれた磁気特
性にもかかわらず前記の用途には使用できなかった。C
o添加による方法(特開昭59−64733号、特開昭
59−132104号)ではαの改善は−0.08%/
が限度である上、保磁力がCoの量とともに減少する
ので、Coを含むFe−Co−B−R系、Fe−Co−
B−R−M系でも前記の用途にはなお不十分であった。
【0014】本出願人は以上のことから出発しさらに改
善をめざして前記Fe−B−R系、Fe−B−R−M系
磁石合金中の主相であるR2Fe14B化合物(単結晶)
の磁気的性質を全てのRについて詳細に調べたところ、
磁化の温度変化について図3、図4に示すような結果を
得た。この結果から、図3に示す軽希土類R2と図4に
示す重希土類R1を含む(R11-xR2x2Fe14Bを主相
として含む合金を磁石化することに成功すれば、αの値
を非常に小さくできることがわかった。この方法はR1
がDyの場合に可能であることもわかった。
【0015】即ち、希土類元素RのうちDyのRと、
NdやPrなどの軽希土類元素を主体とするを特定
比率に組み合わせ含有することによって、従来FeBR
系磁石では得られなかった高い保磁力とBrの温度係数
の顕著な改善を達成することができた。
【0016】更に、本発明による成分系では、iHcの増
大のみならず、減磁曲線の角形性の改善、即ち磁気回路
中の動作点の変動に対する安定性を増大する効果をも具
備することが判った。
【0017】本発明の永久磁石材料の主相はFe−R−
B正方晶化合物であり中心組成はR2Fe14Bであると
考えられる。また、主相の粒界相としてRリッチな非磁
性相が有効量存在することが重要である。非磁性相はわ
ずかでも有効であり例えば1vol%は十分な量である。
【0018】なおFeBR系磁石材料のiHcを増大させるた
めに様々の検討を行った結果、以下の方法が有効であ
る。即ち、 (1) R(R1+R2)又はBの含有量を多くする (2) R2/R1の比率を特定範囲とする (3) 添加元素Mを加える(FeBRM系磁石材料)。
【0019】しかしながら、R又はBの含有量を増加す
る方法は、各々iHcを増大するが、含有量が多くなるに
つれてBrが低下し、その結果(BH)maxの値も低くな
る。
【0020】R2/R1を前記特定範囲にすることにより
Brの温度係数を非常に改善するが、R2/R1が小さく
なりすぎるとBrが劣化し、焼結磁石材料の場合、Br
は9kGより低くなる。
【0021】また、添加元素MもiHc増大の効果を有す
るが、添加量の増加につれて(BH)maxが低下し飛躍的な
改善効果には繋がらない。
【0022】本発明の永久磁石材料においては、重希土
類元素R1の含有と、R2としてNd、Prを主体とする
ことと、さらにR2/R1の比率を特定範囲とし、R、B
の所定範囲内の組成とに基づき、特に時効処理を施した
場合のBrの温度係数の安定化とiHcの増大が顕著であ
る。特に、上記特定の組成の材料からなる磁気異方性焼
結体に時効処理を施すと、Brの値を損ねることなくiH
cを増大させ、さらに減磁曲線の角形性改善の効果もあ
り、(BH)maxは同等かまたはそれ以上となり、その効果
は顕著である。なお、R、Bの範囲と、(Nd+Pr)
の量を規定することにより、時効処理前においてもiHc
約11kOe以上が達成され、R内におけるR1の所定の含
有により時効処理の効果がさらに著しく付加される。
【0023】即ち、本発明によれば(BH)max20
MGOe以上を保有したまま、iHc11kOe以上で
示される十分な安定性を兼ね備え、しかもBrの温度係
数を絶対値で0.08%/以下におさえ、従来の高性
能磁石材料よりも広範な用途に適用し得る高性能磁石材
料を提供することができる。
【0024】(BH)maxの最大値は28.0MGO
e(後述表、No.1)、いずれも20MGOe以上
を示した。また、iHcはいずれも20kOe以上を示
した。(ここで、iHc20kOe以上とは、通常の電
磁石タイプの減磁特性試験器では、測定できなかったた
めである)。
【0025】本発明の永久磁石材料に用いるRは、R
とRの和より成るが、RとしてYを包含し、Nd、P
r、La、Ce、Tb、Dy、Ho、Eu、Pm、Lu
の希土類元素である。そのうちRはDyを用い、R
はNdとPrの1種以上の合計が80%以上(好ましく
は特に95%以上のもの)で、残りはDy,Tb、H
o,Nd,Pr以外のYを包含する他の希土類元素の少
なくとも一種以上を用いる。
【0026】これらRの原料としては、必ずしも純希土
類元素でなくてもよく、工業上入手可能な範囲で製造上
不可避な不純物(Sm、Gd、Er、Tm、Yb、等の
他の希土類元素Ca、Mg、Fe、Ti、C、O等)を
微量含有するものでも差支えない。これらの不純物は本
発明の材料中において、不可避の不純物として存在して
も差し支えない。なおSm、Er及びTmのRFe
14Bは室温以上で一軸異方性を示さない。
【0027】B(ホウ素)としては、純ボロン又はフェ
ロボロンを用いることができ、不純物としてAl、S
i、C等を含むものも用いることができる。
【0028】本発明の永久磁石材料は、既述のRをR
とRの合計として原子比で0.4≦R/R≦1.
5(但し,R>5%)を満足し原子百分比でR12.
5〜20%、B4〜11%、残部Feの組成においてα
の絶対値が0.08%/K以下となり、焼結磁石材料に
おいては保磁力iHc約11kOe以上、残留磁束密度
Br9kG以上、最大エネルギー積(BH)max20
MGOe以上の高保磁力、高いBrの温度安定性、高エ
ネルギー積を示す。ここにαは約400K以下、少くと
も100−400Kの温度範囲について上記の値を満足
できる(図1参照)。
【0029】以下焼結磁石材料を代表例として、本発明
の好適な実施態様について述べる。0.6≦R/R
≦1.0、R13〜19%、B5〜11%、残部Feの
組成はαの絶対値が0.05%/以下最大エネルギー
積(BH)max22MGOe以上を示し、好ましい範
囲である。
【0030】Rの量を12.5%以上としたのは、Rが
この量よりも少なくなると本系合金化合物中にFeが析
出して保磁力が急激に低下するためである。Rの上限を
20%としたのは、20%以上でも保磁力は10kOe
以上の大きい値を示すがBrが低下して(BH)max
20MGOe以上を実現するために必要なBr(約9k
G)が得られなくなるからである。R/Rの比を
0.4以上1.5以下としたのは、Brの温度係数αの
絶対値がこの範囲で0.08%/を越えず、しかも
(BH)max20MGOe以上を得るために必要なB
rの値が確保されるためである。
【0031】本発明において、R2/R1比 0.4〜 1.5の
増大に伴い飽和磁束密度Bsは温度の変化に従い図1に
示す如く変化する。図1においてx=0.4、0.7は
夫々R2/R1比1.5、0.4に凡そ対応する。αの絶
対値が最小である温度範囲はxの値の増大と共に高温側
へシフトする傾向がある。なお約400Kを越えるとα
の絶対値は増大するが、低温域(200K以下)ないし
超低温域(例えば100K以下)では余り変化しない。
【0032】図3、図4はR2Fe14Bの単結晶につい
て測定したものである。これに基づいて各種R1、R2
組み合せの場合の磁気特性が設計可能である。図4にお
いてDyについては温度の上昇と共に磁化は増大して約
370〜390Kでゆるやかなピークに達し400Kを
越えると僅かに減少し始め450Kをこえると減少勾配
が徐々に増大する。
【0033】また、図1をベースとし図3、図4を参照
すれば所定の温度範囲内において最小のαを達成するR
2/R1比が適宜選択可能である。なおR2/R1比は図1
では1−x/xで与えられる。
【0034】本発明の第2の視点によれば添加元素Mを
所定量以下含む。この添加元素MはiHcを増し、減磁曲
線の角形性を増す効果があるが、一方その添加量が増す
に従い、Brが低下していくため、(BH)max20MGOe以
上を有するにはBr9kG以上が必要であり、添加量の
各々の上限は下記の値以下と定められる。
【0035】Ti 3 %、 Zr 3.3%、Hf
3.3%、 Cr 4.5%、Mn 5 %、 Ni 6
%、Ta 7 %、 Ge 3.5%、Sn 1.5%、
Sb 1 %、Bi 5 %、 Mo 5.2%、Nb
9 %、 Al 5 %、V 5.5%、 W 5
%、Si 5.0%、 Zn 0.5%
【0036】但し、2種以上のMを添加する場合のM合
計の上限は、実際に添加された当該のM元素の各上限値
のうち最大値を有するものの値以下となる。例えばT
i、Ni、Nbを添加した場合には、Nbの9%以下と
なる。Mとしては、V、Nb、Ta、Mo、W、Cr、
Alが好ましい。なおNi、Mnの限度はiHcから定め
られる。但し上記添加元素Mの含有量は一般にBrの所
望値に応じて適宜上記範囲内で選択でき、一部のM(S
b、Sn、Zn等)を除き一般に0.1〜3原子%以下
(特に1%以下)が有効である。なおこれらの添加元素
Mは母合金中に含有させておくことができ、酸化物又は
他の構成元素との混合酸化物として母合金製造のための
直接還元の際の出発原料中に配合しておくこともでき
る。このMはまた、粒界相成分中に合金化して添加する
こともできる。この粒界相成分は、R50原子%以上の
R−Fe合金もしくはR50原子%以上、B40原子%
以下、残部Feから成るR−B−Fe合金の1以上、又
はこれらと、金属ホウ素;フェロボロン;R15原子%
以下、B38原子%以上、残部Feから成るBリッチB
−Fe−R合金からなる群から選ばれた1以上の粉末と
の混合物から構成できるものである。
【0037】本発明の永久磁石材料、代表例としては焼
結体として得られ、その平均結晶粒径は、FeBR系におい
て1〜80μm、FeBRM系において1〜90μmの範囲
にあることが重要である(好ましくは夫々2〜40μ
m)。焼結は900〜1200℃の温度で行うことがで
きる。
【0038】時効処理は焼結体の場合、焼結後350℃
以上当該焼結温度以下、好ましくは450〜800℃で
行うことができる。さらに好ましい時効処理は次の通り
である。即ち、焼結後750〜1000℃(好ましくは
770〜920℃)の温度で1次熱処理を行い、その後
3〜2000℃/min (好ましくは20〜1000℃/
min)の冷却速度で680℃以下の温度まで冷却し、さら
に480〜700℃(好ましくは550〜650℃)の
温度で2次熱処理する。熱処理は凡そ0.5〜12時間
行う。
【0039】焼結に供する合金粉末は0.3〜80μm
(好ましくは1〜40μm、特に好ましくは2〜20μ
m)の平均粒度のものが適当である。これらの焼結条件
等については、すでに同一出願人の出願に係る特開昭5
9−215460号、59−219452号に開示され
ている。
【0040】なお、特にエネルギー積22MGOe以上の高
い磁気特性を実現するためには、酸素、炭素、Caの含
有量を規制することが好ましい。即ち、本発明の永久磁
石材料の酸素含有量は6000ppm 以下、炭素含有量は
1000ppm以下、Ca含有量は2000ppm以下にする
ことが好ましい。即ち、本発明の永久磁石材料に含まれ
る酸素はも酸化しやすい希土類元素と結合して希土類酸
化物を形成し、酸素含有量が6000ppm を越えると永
久磁石材料中に酸化物(R2 O3 )として4%以上残留
することになり、磁石特性とくに保磁力が10kOe以下
になるので好ましくない。
【0041】含有炭素量が1000ppmを越えると酸素
の場合と同様炭化物(RC2 )として永久磁石中に残留
し著しい保磁力の低下を生ずる。
【0042】またカルシウム含有量が2000ppmを越
えると本発明の永久磁石材料を焼結により磁石化する場
合、途中の焼結工程において還元性の極めて高いCa蒸
気を多量に発生し、熱処理炉をいちじるしく汚染するこ
とになって、場合によっては熱処理炉の炉壁を損耗して
工業的に安定な生産が不可能となる。また、でき上った
永久磁石中に含まれる。Ca量も多くなって磁石特性の
劣化を生ずる。なお、上記の酸素、炭素、Ca含有量の
条件は合金粉末(配合・混合を含む)微粉末状態で達成
することが好ましい。
【0043】なお最終製品中のMg、Pは各1.7原子
%以下(Brによる)とし、S、Cuは各2原子%以下
とする(Brによる)が、これらはいずれもBrの減少
を招くので少ない程よい。
【0044】
【実施例】以下本発明の好適な態様及び効果について実
施例に従って説明する。試料はつぎの工程によって作成
した。
【0045】約1kgの合金を高周波炉によって溶解し、
鉄ハース上に鋳造してインゴットを得た。出発原料はF
eとして純度99.9%の電解鉄、Bとしてフェロボロ
ン合金(19.38%B、5.32%Al、0.74%
Si、0.03%C、残部Fe)、Rとして純度99.
7%以上(不純物は主として他の希土類金属)を使用。
【0046】このインゴットをジヨークラッシャーで粉
砕し、更にフロン中でボールミルにより微粉砕して粉末
を得た。この粉末の平均粒径はフィッシャーの粒度計に
て約22μであった。粉末は約10kOeの磁場中で配向
されて磁場方向に垂直な方向から圧縮した。得られたグ
リーンコンパクトは充分な脱ガス処理の後、Ar雰囲気
中で約1080℃〜1120℃の温度で1.5時間焼結
し、更に熱処理をほどこした。この磁石材料の磁石特性
の測定は通常のB−H及びI−Hトレーサーを用い閉回
路で行った。熱処理は800℃×1hの後急冷し630
℃×1hの2次熱処理を行った。
【0047】得られた試料を加工研摩後、電磁石型の磁
石特性試験によって磁石特性を調べた。
【0048】実施例1 R1としてDy、Tb、Ho、R2としてNd又はPrを
用いR1とR2を組合せた合金を作り、上記の工程により
磁石材料とした。その結果を比較例と共に表1に示す。
表1においてiHc、Br、(BH)maxの値は室温付近(0〜
30℃)での測定値を示しBrの温度係数αの値は−1
90〜100℃での絶対値の最大値に符号を付したもの
を示す。なお、R1としてHo,Tbを用いたものは参
考例であり、Dyと同様に優れた特性を示すものであ
る。特にNo.9〜14は、R1,R2の他に添加元素M
を添加した場合の効果を推計するための参考例となる。
【0049】図2に、同様にして求めた79Fe−7B
−14(Nd、Dy)についてのBrの温度係数α、(B
H)maxとR2/R1比の間の関係を示す。
【0050】
【表1】
【0051】実施例2 81.5Fe−6.0B−12.5(Nd1−x
)(実施例2)これらは正方晶単相組成でBr(正確にはBs;飽和磁
束密度)を調べる目的で実験に基づき計算によって求め
たものである。即ち、単結晶のNd Fe 14 Bの磁化
=温度曲線を精密に測定し、その結果を横軸をT/Tc
(温度をキュリー温度で割ったもの)に対してプロット
してx=0とx=1.0のカーブが実験的に得られた。
中間のxに対しては重み平均をとって各温度(T/T
c)での値を求め、なめらかにつなぐ方法で求めた。そ
の結果を第1図に示し、Prを含むものと併せて表2に
対応データを示す。
【0052】
【表2】
【0053】実施例3 R2Fe14Bの単結晶の磁気特性を各種Rについて測定
し図3、図4に磁化と温度(K)の関係を示す。
【0054】
【発明の効果】以上詳述のとおり本発明によればR2
1比の選定に基きBrの温度係数を低く保ちかつエネ
ルギー積20MGOe以上の永久磁石材料が所定のR1、R2
及びR、Fe、B(さらにM)の組成範囲内において得
られる。特に400K以下から超低温域に至るまでの各
種温度範囲においてαを最小ないし実質上零に保つこと
も可能である。
【0055】なお、本発明の開示事項に従えば、本発明
の範囲外とした部分においてもαに関する有効な情報が
得られている。即ち、αを最小とする温度域がR2/R1
比によって定まり、エネルギー積がもう少し低くてもよ
い場合には、本発明の組成範囲外でも十分に利用されう
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例 81.5Fe−6.0B−12.5(Nd1-xDyx)の
実施例についてx=0〜1とした場合の温度T(K)と
飽和磁化Bsとの関係をプロットしたグラフを示す。
【図2】R2/R1比とBrの温度係数α(%/℃)の関
係を示すグラフを示す。
【図3】単結晶R2Fe14Bの磁化と温度T(K)の関
係を示すグラフを示す。
【図4】単結晶R2Fe14Bの磁化と温度T(K)の関
係を示すグラフを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 日登志 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社 山崎製作所内 (72)発明者 松浦 裕 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社 山崎製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記R下記Rの和をR(希土類元素)
    としたとき原子比で0.4≦R/R≦1.5(但
    し、R>5%)を満足し原子百分比でR12.5〜2
    0%、B4〜11%、及び残部Fe及び不可避の不純物
    から成り(R,RFe14B化合物を主相とし
    Brの温度係数の絶対値が100〜400Kの温度範囲
    0.08%/以下である永久磁石材料(但し、R
    はDy、RはNdとPrの1種以上の合計が80%以
    上で、残りはDy,Tb,Ho,Nd,Pr以外のYを
    包含する他の希土類元素の少なくとも一種)。
  2. 【請求項2】下記Rと下記Rの和をR(希土類元
    素)としたとき原子比で0.4≦R/R≦1.5
    (但し、R>5%)を満足し原子百分比でR12.5
    〜20%、B4〜11%、下記の所定%以下の添加元素
    Mの一種以上(但し、Mとして二種以上の前記添加元素
    を含む場合は、M合量は当該の添加元素のうち最大値を
    有するものの原子百分比以下)、及び残部Fe及び不可
    避の不純物から成り(R,RFe14B化合物
    を主相とし、Brの温度係数の絶対値が100〜400
    Kの温度範囲で0.08%/以下である永久磁石材
    料: (但し、RはDy、RはNdとPrの1種以上の合
    計が80%以上で、残りがDy,Tb,Ho,Nd,P
    r以外のYを包含する他の希土類元素の少なくとも一種
    であり、添加元素Mは下記の通り: Ti 3 %、 Zr 3.3%、 Hf 3.3%、 Cr 4.5%、 Mn 5 %、 Ni 6 %、 Ta 7 %、 Ge 3.5%、 Sn 1.5%、 Sb 1 %、 Bi 5 %、 Mo 5.2%、 Nb 9 %、 Al 5 %、 V 5.5%、 W 5 %、 Si 5.0%、 Zn 0.5%)。
JP5208141A 1993-08-02 1993-08-02 永久磁石材料 Expired - Lifetime JPH089756B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5208141A JPH089756B2 (ja) 1993-08-02 1993-08-02 永久磁石材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5208141A JPH089756B2 (ja) 1993-08-02 1993-08-02 永久磁石材料

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60061709A Division JPH0678582B2 (ja) 1985-03-26 1985-03-26 永久磁石材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06256913A JPH06256913A (ja) 1994-09-13
JPH089756B2 true JPH089756B2 (ja) 1996-01-31

Family

ID=16551320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5208141A Expired - Lifetime JPH089756B2 (ja) 1993-08-02 1993-08-02 永久磁石材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH089756B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61147503A (ja) * 1984-11-30 1986-07-05 Tohoku Metal Ind Ltd 希土類磁石
JPS61157659A (ja) * 1984-12-28 1986-07-17 Tohoku Metal Ind Ltd 希土類磁石

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61147503A (ja) * 1984-11-30 1986-07-05 Tohoku Metal Ind Ltd 希土類磁石
JPS61157659A (ja) * 1984-12-28 1986-07-17 Tohoku Metal Ind Ltd 希土類磁石

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06256913A (ja) 1994-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0126179B1 (en) Process for producing permanent magnet materials
EP0134304B1 (en) Permanent magnets
CA1315571C (en) Magnetic materials and permanent magnets
JP4648192B2 (ja) R−t−b系希土類永久磁石
JP2751109B2 (ja) 熱安定性の良好な焼結型永久磁石
US10083783B2 (en) Rare earth based magnet
JP4371188B2 (ja) 高比電気抵抗性希土類磁石及びその製造方法
JP2001189206A (ja) 永久磁石
JP2007157901A (ja) R−t−b−c型焼結磁石の製造方法
JP2000114017A (ja) 永久磁石材料および永久磁石
JP3715573B2 (ja) 磁石材料及びその製造方法
JPH0316761B2 (ja)
JP2853838B2 (ja) 希土類永久磁石の製造方法
JPH0678582B2 (ja) 永久磁石材料
US5230749A (en) Permanent magnets
JPH0561345B2 (ja)
TW202142708A (zh) 異向性稀土類燒結磁鐵及其製造方法
JPH0536495B2 (ja)
JPS6247455A (ja) 高性能永久磁石材料
JPS6223960A (ja) 高性能永久磁石材料
JPH089756B2 (ja) 永久磁石材料
JPH0570700B2 (ja)
US20240153680A1 (en) Rare-earth anisotropic magnet powder, and method for producing same
JPS59163803A (ja) 永久磁石用合金
JP2983902B2 (ja) 超低温用永久磁石材料

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960723

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term