JPH0536494B2 - - Google Patents

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JPH0536494B2
JPH0536494B2 JP2203936A JP20393690A JPH0536494B2 JP H0536494 B2 JPH0536494 B2 JP H0536494B2 JP 2203936 A JP2203936 A JP 2203936A JP 20393690 A JP20393690 A JP 20393690A JP H0536494 B2 JPH0536494 B2 JP H0536494B2
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rare earth
ihc
alloy
magnets
magnet
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JP2203936A
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Setsuo Fujimura
Masato Sagawa
Yutaka Matsura
Hitoshi Yamamoto
Masao Togawa
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高価で資源稀少なコバルトを全く使用
しない、希土類・鉄系高性能永久磁石材料に関す
る。 永久磁石材料は一般家庭の各種電気製品から、
自動車や通信器部品、大型コンピユータの周辺端
末機まで、幅広い分野で使われるきわめて重要な
電気・電子材料の一つである。近年の電気、電子
機器の高性能化・小型化の要求にともない、永久
磁石材料もまた性能化が求められている。 現在の代表的な永久磁石材料はアルニコ、ハー
ドフエライト、および希土類コバルト磁石であ
る。最近のコバルトの原料事情の不安定化にとも
ない、コバルトを20〜30重量%含むアルニコ磁石
の需要は減り、鉄の酸化物を主成分とする安価な
ハードフエライトが磁石材料の主流を占めるよう
になつた。一方希土類コバルト磁石は最大エネル
ギー積20MGOe以上を有する高性能磁石である
が、コバルト50〜65重量%も含むうえ、希土類鉱
石中にあまり含まれていないSmを使用するため
大変高価である。しかし、他の磁石に比べて、磁
気特性が格段に高いため、主として小型で、付加
価値の高い磁気回路に多く使われるようになつ
た。 希土類コバルト磁石のような高性能磁石がもつ
と広い分野で安価に、かつ多量に使われるように
なるたには高価なコバルトを含まず、かつ希土類
金属として鉱石中に多量に含まれているネオジム
やプラセオジウムのような軽希土類を中心成分と
することが必要である。 このような希土類コバルト磁石に代る永久磁石
材料の試みは、まず希土類・鉄二元系化合物につ
いてなされた。 希土類・鉄系化合物は希土類コバルト系化合物
と比べて存在する化合物の種類が少なく、また一
般的にキユリー点も低い。そのため、希土類コバ
ルト化合物の磁石化に用いられている鋳造法や粉
末冶金的手法では、希土類鉄系化合物において
は、従来いかなる方法も成功していない。 クラーク(A.E.Clark)はスパツタしたアモル
フアスTbFe2が42〓で30kOeの高い保磁力(Hc)
を有することを見い出し、300〜350℃で熱処理す
ることによつて、室温でHc=3.4kOe、最大エネ
ルギー積((BH)max)=7MGOeを示すことを
見い出した(Appl.Phys.Lett.23(11)、1973、642−
645)。 クロート(J.J.Croat)等はNd、Prの軽希土類
元素を用いたNdFe及びPrFeの超急冷リボンが
Hc=7.5kOeを示すことを報告している。しか
し、Brは5kG以下で(BH)maxは3〜4MGOe
を示すにすぎない(Appl.PhysLett.37、1980、
1096、J.Appl.Phys.53、(3)1982、2402〜2406) このように、予め作成したアモルフアスを熱処
理する方法と超急冷法の二つが、希土類・鉄系磁
石を得る最も有望な手段として知られていた。 しかし、これらの方法で得られる材料はいずれ
も薄膜又は薄帯であり、スピーカやモータなどの
一般の磁気回路に用いられる磁石材料ではない。 さらに、クーン(N.C.Koon)等はLaを加える
ことによつて重希土類元素を含有したFeB系合金
の超急冷リボンを得て、(Fe0.82B0.180.9Tb0.05
La0.05の組成のリボンを熱処理することにより、
Hc=9kOeに達することを見い出した(Br=
5kG、Appl.Phys.Lett.39(10)、1981、840−842)。 ガバコフ(L.Kabacoff)等はFeB系合金でア
モルフアス化が容易になることに注目し、(Fe0.8
B0.21-XPrX(X=0〜0.3原子比)の組成の超急冷
リボンを作成したが、室温でのHcは数Oeのレベ
ルのものしか得られなかつた(J.Appl.Phys.53(3)
1982、2255〜2257)。 これらのスパツタリングによるアモルフアス薄
膜及び超急冷リボンから得られる磁石は、薄く、
寸法的な制約を受け、それ自体として一般の磁気
回路に使用可能な実用永久磁石ではない。即ち、
従来のフエアイトや希土類コバルト磁石のような
任意の形状・寸法を有するバルク永久磁石体を得
ることができない。また、スパツタ薄膜及び超急
冷リボンはいずれも本質上等方性であり、室温で
の磁気特性は低く、これらから高性能の磁気異方
性永久磁石を得ることは、事実上不可能である。 最近、永久磁石はますます過酷な環境−たとえ
ば、磁石の薄型化にともなう強い反磁界、コイル
や他の磁石によつて加えられる強い逆磁界、これ
らに加えて機器の高速化、高負荷化により高温度
の環境−にさらされることが多くなり、多くの用
途において、特性安定化のために、一層の高保磁
力化が必要とされる。(一般に永久磁石のiHcは
温度上昇にともない低下する。そのため室温にお
けるiHcが小さければ、永久磁石が高温度に露さ
れると減磁が起こる。しかし、室温におけるiHc
が十分高ければ実質的にこのような減磁は起こら
ない。) フエライトや希土類コバルト磁石では、高保磁
力化を図るため、添加元素や異なる組成系を利用
しているが、その場合一般に飽和磁化が低下し、
(BH)maxも低い。 本発明はかかる従来法の欠点を解消した新規な
永久磁石用合金を提供することを基本的目的とす
る。 かかる観点より、本発明者等は先にR−Fe二
元系をベースとして、キユリー点が高く、且つ室
温付近で安定な化合物合金ないしは磁石を作るこ
とを目標とし、多数の系を探つた結果、特に
FeBR系化合物及びFeBRM系化合物が磁石化に
最適であることを見出した(特願昭57−145072、
特願昭57−200204)。 ここでRとはYを包含する希土類元素の内、少
なくとも一種以上を示し、特にNd、Prの軽希土
類元素が望ましい。Bはホウ素を示す。MはTi、
Zr、Hf、Cr、Mn、Ni、Ta、Ge、Sn、Sb、Bi、
Mo、Nb、Al、V、Wの内から選ばれた一種以
上を示す。 このFeBR系磁石は実用に十分な300℃以上の
キユリー点を有し、且つ、R−Fe二元系では従
来成功していなかつたフエライトや希土類コバル
トと同じ粉末冶金的手法によつて得られる。 またRとしてNdやPrなどの資源的に豊富な軽
希土類元素を中心組成とし、高価なCoやSmを必
ずしも含有せず、従来の希土類コバルト磁石の最
高特性((BH)max=31MGOe)をも大幅に越
える(BH)max40MGOe以上もの特性を有す
る。 さらに、本発明者らはこれらFeBR系、
FeBRM系化合物合金ないしは磁石が従来のアモ
ルフアス薄膜や超急冷リボンとはまつたく異なる
結晶性のX線回折パターンを示し、新規な正方晶
系結晶構造を主相として有することを見出した
(特願昭58−94876)。 本発明はさらに、前述のFeBR及びFeBRM系
合金磁石において得られる同等又はそれ以上の最
大エネルギー積(BH)maxを保有したままで
iHcを向上せしめ得る永久磁石用合金を提供する
ことを具体的目的とする。 本発明によれば、RとしてNdやPrなどの軽希
土類を中心としたFeBR及びFeBRM系磁石用合
金に、Rの一部として重希土類を中心としたR1
としてDy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、Ybの少く
とも一種を含有することによつて、FeBR系、
FeBRM系において高い(BH)maxを保有した
まま、iHcを飛躍的に向上せしめた。 即ち、本発明による永久磁石用合金は次の通り
である。 室温以上で磁気的に安定で、磁気異方性を有す
るFe−B−R正方晶化合物(Rは希土類元素)
を含み、かつ合金組成が原子百分比でR(下記R1
とR2とからなる)12.5〜20%、R10.05〜5%、
B6〜20%、及び残部実質的にFeから成ることを
特徴とする永久磁石用合金: 但し、R1はDy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、Yb
の内一種以上、R2はNdとPrの一種以上、又は
NdとPrの合計が80%以上で、残りがR1以外のY
を包含する希土類元素の少くとも一種。 室温以上で磁気的に安定で、磁気異方性を有す
るFe−B−R正方晶化合物(Rは希土類元素)
を含み、かつ合金組成が原子百分比でR(下記R1
とR2とからなる)12.5〜20%、R10.05〜5%、
B6〜20%、下記の所定%以下の添加元素Mの一
種以上(但し、Mとして二種以上の前記添加元素
を含む場合は、M合量は当該添加元素のうち最大
値を有するものの原子百分比以下)、及び残部実
質的にFeから成ることを特徴とする永久磁石用
合金: 但し、R1は、Dy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、
Ybの内一種以上、R2はNdとprの一種以上、又は
NdとPrの合計が80%以上で、残りがR1以外のY
が包含する希土類元素の少くとも一種であり、添
加元素Mは下記の通り: Ti 3%、 Zr 3.3%、 Hf 3.3%、 Cr 4.5%、 Mn 5%、 Ni 6%、 Ta 7%、 Ge 3.5%、 Sn 1.5%、 Sb 1%、 Bi 5%、 Mo 5.2%、 Nb 9%、 Al 5%、 V 5.5%、 W 5%。 また、最終製品中には下記の数値以下の代表的
な不純物が含有されてもよい: Cu 2%、 C 2%、 P 2%、 Ca 4%、 Mg 4%、 O 2%、 Si 5%、 S 2%、 但し、不純物の合計は5%以下とする。 これらの不純物は原料または製造工程中に混入
することが予想されるが、上記限界量以上になる
と特性が低下する。これらの内、Siはキユリー点
を上げ、また耐食性を向上させる効果を有する
が、5%を越えると、iHcが低下する。Ca、Mg
はR原料中に多く含まれることがあり、また、
iHcを増す効果も有するが、製品の耐食性を低下
させるため多量に含有するのは望ましくない。 なお、本発明においてボロン(B)は、従来の磁性
材料におけるように、例えば非晶質合金作成時の
非晶質化促進元素又は粉末冶金法における焼結促
進元素として添加されるものではなく、本発明に
係るR−Fe−B正方晶化合物の必須構成元素で
ある。 本発明の新規な化合物に基づく合金は粉末化し
た後成形焼結することによつてもつとも効果的に
実用永久磁石を得ることが可能である。 上記組成による永久磁石用合金は、特に最も効
果的に用いた場合、即ち磁気異方性焼結永久磁石
として用いた場合、最大エネルギー積(BH)
max20MGOe以上を有したまま、保磁力
iHc10kOe以上を有する高性能磁石が得られる。 本発明の永久磁石用合金は室温以上で磁気的に
安定で、磁気異方性を有するFe−B−R正方晶
化合物を含むものであれば、その形態は問わず、
鋳塊あるいは粉末等の公知の形態の永久磁石用の
素材の他、Fe−B−R正方晶化合物を含む任意
の形態からなる永久磁石材料をも包含する。 以下に本発明をさらに詳述する。 FeBR系合金を用いてなする磁石は前述の通り
高い(BH)maxを有するが、iHcは従来の高性
能磁石の代表であるSm2Co17型磁石と同等程度
(5〜10kOe)であつた。 これは強い減磁界を受けたり、温度が上昇する
ことによつて減磁されやすいこと、即ち安定性が
良くないことを示している。磁石のiHcは一般に
温度上昇と共に低下する。例えば前述の
3OMGOe級のSm2Co17型磁石やFeBR系磁石では
100℃ではおよそ5kOe程度の値しか保有しない。
(表4) 電算機用磁気デイスクアクチユエータや自動車
用モータ等では強い減磁界や温度上昇があるた
め、このようなiHcでは使用できない。高温にお
いても尚一層の安定性を得るためには室温付近で
のiHcの値をもつと大きくする必要がある。 また、室温付近においても、磁石の時間経過に
よる劣化(経時変化)や衝撃や接触などの物理的
な攪乱に対しても一般的にiHcが高い方が安定で
あることがよく知られている。 以上のことから、本発明者等はFeBR成分系を
中心に更に詳しい検討を行つた結果、希土類元素
中のDy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、Ybの一種以
上と、NdやPrなどの軽希土類元素等を組合せる
ことによつて、従来FeBR系合金を用いた磁石で
は得られなかつた高い保磁力を得ることができ
た。 更に、本発明による成分系では、iHcの増大の
みならず、減磁曲線の角形性の改善、即ち
(BH)maxの一層増大の効果をも具備すること
が判つた。 なお本発明者等はFeBR系合金を用いた磁石の
iHcを増大させるために様々の検討を行つた結
果、以下の方法が有効であることを既に知つた。 即ち、 (1) R又はBの含有量を多くする。 (2) 添加元素Mを加える。(FeBRM系磁石)し
かしながら、R又はBの含有量を増加する方法
は、各々iHcを増大するが、含有量が多くなる
につれてBrが低下し、その結果(BH)maxの
値も低くなる。 また、添加元素MもiHc増大の効果を有する
が、添加量の増大につれて(BH)maxが低下し
飛躍的な改善効果には繋がらない。 本発明の永久磁石用合金においては、重希土類
元素R1の含有と、R2としてNd、Prを主体とする
ことと、さらにR、Bの所定範囲内の組成とに基
づき、特に、時効処理を施した場合のiHcの増大
が顕著である。即ち、上記特定の組成の合金から
なる磁気異方性焼結体に時効処理を施すと、Br
の値を損ねることなくiHcを増大させ、さらに減
磁曲線の角形性改善の効果もあり、(BH)max
は同等かまたはそれ以上となり、その効果は顕著
である。なお、R、Bの範囲と、(Nd+Pr)の
量を規定することにより、時効処理前においても
iHc約10kOe以上が達成され、R内におけるR1
所定の含有により時効処理の効果がさらに著しく
付加される。 即ち、本発明合金を用いることにより、(BH)
max20MGOe以上を保有したまま、iHc10kOe以
上で示される十分な安定性を兼ね備え、従来の高
性能磁石よりも広範な用途に適用し得る高性能磁
石を提供できる。 (BH)max、iHcの最大値は各々43.2MGOe
(後述表2、No.22)、20kOe以上(表2、No.8、表
3、No.14、22、23)を示した。(ここで、
iHc20kOe以上とは、通常の電磁石タイプの減磁
特性試験器では、測定できなかつたためである。) 本発明の永久磁石用合金に用いるRは、R1
R2の和より成るが、RとしてYを包含し、Nd、
Pr、La、Ce、Tb、Dy、Ho、Er、Eu、Sm、
Gd、Pm、Tm、Yb、Luの希土類元素である。
そのうちR1は、Dy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、
Ybの七種のうち少なくとも一種を用い、R2は上
記七種以外の希土類元素を示し、特に軽希土類の
内NdとPrの合計を80%以上包含するものを用い
る。(但しSmは高価であり、iHcを降下させるの
でできるだけ少ない方が好ましく、Laは不純物
として希土類金属中によく含まれるがやはり少な
い方が好ましい。) これらRは純希土類元素でなくともよく、工業
上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物(他の
希土類元素Ca、Fe、Ti、C、O等)を含有する
もので差支えない。 B(ホウ素)としては、純ボロン又はフエロボ
ロンを用いることができ、不純物としてAl、Si、
C等を含むものも用いることができる。 本発明の永久磁石用合金は、磁気異方性焼結永
久磁石として用いた場合(以下同様)、既述のR
をR1とR2の合計として原子百分比でR10.05〜5
%、R12.5〜20%、B4〜20%(特に6%以上)、
残部Feの組成において保磁力iHc約10kOe以上、
残留磁束密度Br9kG以上、最大エネルギー積
(BH)max20MGOe以上の高保磁力・高エネル
ギー積を示す。 R10.2〜3%、R13〜19%、B5〜11%、残部Fe
の組成は最大エネルギー積(BH)max30MGOe
以上を示し、好ましい範囲である。 また、R1としてはDy、Tbが特に望ましい。 Rの量を12.5%以上としたのは、Rがこの量よ
りも少なくなると本系合金化合物中にFeが析出
して保磁力が急激に低下するためである。Rの上
限を20%としたのは、20%以上でも保磁力は
10kOe以上の大きい値を示すがBrが低下して
(BH)max20MGOe以上に必要なBrが得られな
くなるからである。 R1の量は上述Rに置換することによつて捉え
られる。R1量は表2、No.2に示すように僅か0.1
%の置換でもHcが増加しており、さらに減磁曲
線の角形性も改善され(BH)maxが増加してい
ることが判る。R1量の下限値はiHc増加の効果と
(BH)max増大の効果を考慮して0.05%以上とす
る(第2図参照)。R1量が増加するにつれて、
iHcは上昇していき(表2、No.2〜8)、(BH)
maxは0.4%をピークとしてわずかずつ減少する
が、例えば3%の置換でも(BH)maxは
30MGOe以上を示している(第2図参照)。 安定性が特に要求される用途にはiHcが高いほ
ど、すなわちR1多く含有する方が有利であるが、
しかしR1を構成する元素は希土類鉱石中にもわ
ずかしか含まれておらず、大変高価である。従つ
てその上限は5%とする。B量は、4%以下にな
るとiHcが10kOe以下になる。またB量の増加も
R量の増加と同じくiHcを増加させるが、Brが低
下していく。(BH)max20MGOe以上であるた
めにはB20%以下が必要である。 添加元素MはiHcを増し、減磁曲線の角形性を
増す効果があるが、一方その添加量が増すに従
い、Brが低下していくため、(BH)
max20MGOe以上を有するにはBr9kG以上が必
要であり、添加量の各々の上限は先述の値以下と
定められる。2種以上のMを添加する場合のM合
計の上限は、実際に添加された当該M元素の各上
限値のうち最大値を有するものの値以下となる。
例えばTi、Ni、Nbを添加した場合には、Nbの
9%以下となる。Mとしては、V、Nb、Ta、
Mo、W、Cr、Alが好ましい。 本発明の永久磁石用合金はもつとも効果的に実
用永久磁石するため焼結体とすることが好まし
く、その場合平均結晶粒径は、FeBR系において
1〜80μm、FeBRM系において1〜90μmの範囲
にあることが重要である。焼結は900〜1200℃の
温度で行うことができる。時効処理は焼結後350
℃以上当該焼結温度以下、好ましくは450〜800℃
で行うことができる。焼結に供する合金粉末は
0.3〜80μm(好ましくは1〜40μm、特に好まし
くは2〜20μm)の平均粒度のものが適当であ
る。これらの焼結条件等については、すでに同一
出願人の出願に係る特願昭58−88372号、58−
90038号に開示されている。 以下本発明の態様及び効果について実施例に従
つて説明する。試料はつぎの工程によつて作成し
た。 (1) 合金を高周波溶解し、水冷銅鋳型に鋳造、出
発原料はFeとして純度99.9%の電解鉄、Bとし
てフエロボロン合金(19.38%B、5.32%Al、
0.74%Si、0.03%C、残部Fe)、Rとして純度
99.7%以上(不純物は主として他の希土類金
属)を使用。 (2) 粉砕 スタンプミルにより35メツシユスルー
までに粗粉砕し、次いでボールミルにより3時
間微粉砕(3〜10μm)。 (3) 磁界(10kOe)中配向・成形(1.5t/cm2にて
加圧して磁気異方性圧粉体とする)。 (4) 焼結 1000〜1200℃ 1時間Ar中、焼結後
放冷。 得られた試料を加工研摩後、電磁石型の磁石特
性試験によつて磁石特性を調べた。 実施例 1 Rとして、Ndと他の希土類元素とを組合せた
合金を作り、上記の工程により磁石化した。結果
を表1に示す。希土類元素Rの中でも、No.6〜9
に示すようにGd、Ho、Er、Yb等、iHc改善に特
に顕著な効果を有する元素が存在することが判つ
た。なお、No.*1〜*5は比較例を示す。 実施例 2 Nd、Prを中心とした軽希土類元素に、実施例
1で挙げた希土類の種類及び含有量をもつと広汎
に選んで合金を作製し、前述の方法で磁石化し
た。さらに、一層のiHc増大効果を持たせるた
め、600〜700℃×2時間、Ar中において熱処理
を施した。効果を表2に示す。 表2、No.*1は希土類としてNdだけを用いた
比較例である。No.2〜8はDyをNdに置換してい
つた場合を示す。Dy量の増加に伴ないiHcは次
第に増大してゆくが(BH)maxは0.4%Dyのあ
たりで最高値を示す(第2図参照)。 第2図(横軸logスケール)によれば、Dyは
0.05%から効果を示し始め、0.1%、0.3%と増大
に伴いiHcへの効果を増す。Gd(No.10)、Ho(No.
9)、Tb(No.11)、Er(No.12)、Yb(No.13)等も同

の効果を有するが、Dy、TbはHc増大に効果が
特に顕著である。R1の内、Dy、Tb以外の元素も
10kOeを十分に超えるiHcを有し、高い(BH)
maxを有する。(BH)max30MGOe級で、こ
れほどの高いiHcを有する磁石材料はこれまでに
ない。 第3図に典型的なiHcを有する3%Dy(表2、
No.8)の減磁曲線を示す。Fe−B−Nd系の例
(表2、No.*1)に比べてiHcが十分高くなつて
いる様子が判る。 第4図には本発明によつて得られたFe−8B−
13.5Nd−1.5Dy(表2、No.7)の20%及び100℃の
B−H減磁曲線を示す。 第1図の30MGOe級希土類コバルト磁石の減
磁曲線と比較すると第4図の本発明合金の場合は
第2象限においてB−Hカーブは100℃でもほぼ
直線のまま推移している。これは、B−Hカーブ
がパーミアンス係数(B/H)=1付近で屈折し
ている第1図の希土類コバルト磁石の例に比べ
て、20℃においても、100℃においても外部から
の減磁界等に対してより安定であることを示す。 さらにこの2種類の磁石の安定性を具体的に比
較するため、パーミアンス係数(B/H)が0.5、
2、4付近の試料を作成して、着磁後大気中で
100℃1時間の条件で暴露テストを行ない、室温
に戻して減磁確率を測定した。結果を第5図に示
す。 本発明合金を用いた磁石は従来合金を用いた磁
石と比較して十分な安定性を有することが示され
る。 一般に合金磁石を高温に暴露してその減磁の様
子を観る方法は、室温での安定性(経時変化)の
加速テストの一方法としても知られており、この
結果より、本発明合金を用いた磁石は室温でも十
分な安定性を有していることが予想される。 実施例 3 添加元素Mとして、純度99%のTi、Mo、Bi、
Mn、Sb、Ni、Ta、Sn、Ge、98%のW、99.9%
のAl、95%のHf、またVとして81.2%のVを含
むフエロバナジウム、Nbとして67.6%のNbを含
むフエロニオブ、Crとして61.9%のCrを含むフエ
ロクロムおよびZrとして75.5%のZrを含むフエロ
ジルコニウムを使用した。 これらを前記と同様の方法で合金化し、さらに
500〜700℃で時効処理を行なつた。結果を表3に
示す。 FeBR系に添加元素Mを加えたFeBRM系合金
についても、本発明は十分にiHc増大の効果を持
つことが確かめられる(例えば、表3、No.15と
29、No.18と30、No.13と31とを比較)。なお一部の
M(Sb、Sn等)を除き、Mの添加量は凡そ3%以
内が好ましくAlは0.1〜3%(特に0.2〜2%)が
好ましい。
【表】 * 本発明でない合金
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 以上、本発明は、Coを必須とせずFeを主体と
し、またRとしても資源的に豊富であり工業上入
手し易い希土類元素(Nd、Pr)を主体とした新
規なFe−B−R正方晶化合物を含む永久磁石合
金を提供するものであり、この合金は特に永久磁
石用素材として有用である。これを用いることに
より高残留磁化、高保磁力、高エネルギ積を有す
る磁気異方性焼結体永久磁石の提供も可能とした
ものであり、しかも所定のR(R1、R2)を組合せ
ることにより温度特性(特に保磁力)を高いエネ
ルギー積(BH)maxを保有したまま一層高める
ことを達成でき、従つて工業的に極めて高い価値
をもつものである。特に永久磁石材料としての利
点は、従来のSm−Co系と対比するとその主成分
元素の点で極めて顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、R−Co磁石のB−H減磁曲線(20
℃、100℃)をパーミアンス係数B/Hと共に示
すグラフ、第2図は、本発明の一実施例において
DyでNdを置換した場合のiHc(kOe)及び(BH)
max(MGOe)の変化を示すグラフ(横軸logス
ケール、xはDyの原子%)、第3図は、本発明合
金を用いた磁石の減磁曲線を示すグラフ、第4図
は、本発明合金を用いた磁石のB−H減磁曲線
(20℃、100℃)をパーミアンス係数B/Hと共に
示すグラフ、第5図は、本発明合金を用いた磁石
とSm2Co17型磁石を大気中100℃×1hr暴露後、室
温に戻した時の減磁率を示すグラフ(横軸パーミ
アンス係数B/H、logスケール)、を夫々示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 室温以上で磁気的に安定で、磁気異方性を有
    するFe−B−R正方晶化合物(Rは希土類元素)
    を含み、かつ合金組成が原子百分比でR(下記R1
    とR2とからなる)12.5〜20%、R10.05〜5%、
    B6〜20%、及び残部実質的にFeから成ることを
    特徴とする永久磁石用合金: 但し、R1は、Dy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、
    Ybの内一種以上、R2はNdとPrの一種以上、又
    はNdとPrの合計が80%以上で残りがR1以外のY
    を包含する希土類元素の少なくとも一種。 2 室温以上で磁気的に安定で、磁気異方性を有
    するFe−B−R正方晶化合物(Rは希土類元素)
    を含み、かつ合金組成が原子百分比でR(下記R1
    とR2とからなる)12.5〜20%、R10.05〜5%、
    B6〜20%、下記の所定%以下の添加元素Mの一
    種以上(但し、Mとして二種以上の前記添加元素
    を含む場合は、M合量は当該添加元素のうち最大
    値を有するものの原子百分比以下)、及び残部実
    質的にFeから成ることを特徴とする永久磁石用
    合金: 但し、R1は、Dy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、
    Ybの内一種以上、R2はNdとPrの一種以上、又
    はNdとPrの合計が80%以上で残りがR1以外のY
    を包含する希土類元素の少なくとも一種であり、
    添加元素Mは下記の通り: Ti 3%、 Zr 3.3%、 Hf 3.3%、 Cr 4.5%、 Mn 5%、 Ni 6%、 Ta 7%、 Ge 3.5%、 Sn 1.5%、 Sb 1%、 Bi 5%、 Mo 5.2%、 Nb 9%、 Al 5%、 V 5.5%、 W 5%。
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