JPH0535210B2 - - Google Patents

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JPH0535210B2
JPH0535210B2 JP62329640A JP32964087A JPH0535210B2 JP H0535210 B2 JPH0535210 B2 JP H0535210B2 JP 62329640 A JP62329640 A JP 62329640A JP 32964087 A JP32964087 A JP 32964087A JP H0535210 B2 JPH0535210 B2 JP H0535210B2
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alloy
permanent magnet
rare earth
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JP62329640A
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Masato Sagawa
Setsuo Fujimura
Yutaka Matsura
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Proterial Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はFe、希土類元素を主体とする強磁性
合金、特にFe−B−R系強磁性合金に関する。 従来から強磁性合金の一つとして永久磁石材料
が知られている。永久磁石材料は一般家庭の各種
電気製品から、大型コンピユータの周辺端末機ま
で、幅広い分野で使われるきわめて重要な電気・
電子材料の一つである。近年の電気・電子機器の
小型化、高効率化の要求にともない、永久磁石材
料はますます高性能化が求められるようになつ
た。 現在の代表的な永久磁石材料はアルニコ、ハー
ドフエライトおよび希土類コバルト系磁石材料で
ある。最近のコバルトの原料事情の不安定化にと
もない、コバルトを20〜30重量%含むアルニコ磁
石材料の需要は減り、鉄の酸化物を主成分とする
安価なハードフエライトが磁石材料の主流を占め
るようになつた。一方、希土類コバルト系磁石材
料はコバルトを50〜65重量%も含むうえ、希土類
鉱石中にあまり含まれていないSmを使用するた
め大変高価であるが、他の磁石材料に比べて、磁
気特性が格段に高いため、主として小型で、付加
価値の高い磁気回路に多く使われるようになつ
た。 希土類を用いた磁石材料がもつと広い分野で安
価に、かつ多量に使われるようになるためには、
高価なコバルトを含まず、かつ希土類金属とし
て、鉱石中に多量に含まれている軽希土類を主成
分とすることが必要である。このような永久磁石
材料の一つの試みとして、RFe2系化合物(ただ
しRは希土類元素を示す記号)が検討された。ク
ロート(J.J.Croat)はPr0.4Fe0.6の超急冷リボン
が295KにてHc=2.8kOeの保磁力を示すことを報
告している(J.J.Croat Appl.Phys.Lett.37(12)
15 December1980,1096〜1098頁)。その後
Nd0.4Fe0.6の超急冷リボンにおいても295Kにて
Hc=7.45kOeの保磁力を示すことを報告してい
る(J.J.Croat Appl.Phys.Lett.39(4)15
August1981,357〜358頁)。しかし、これらの超
急冷リボンは、いずれも(BH)maxが低い
(4MGOe未満)。 さらに、クーン(N.C.Koon)等は(Fe0.82
La0.180.9Tb0.05La0.05の超急冷アモルフアスリボ
ンを627℃で焼鈍すると、Hc=9 kOeにも達す
ることを見い出した(Br=5kG)。但し、この場
合、磁化曲線の角形性が悪いため(BH)maxは
低い(N.C.Koon他,Appl.Phys.Lett.39(10),
1981,840〜842頁)。 また、カバコフ(L.Kabacoff)等は(Fe0.8
B0.21-xPrx(x=は0〜0.3原子比)の組成の超急
冷アモルフアスリボンを作製し、その非晶質合金
が50e程度のHcを有することを報告している。
(L.Kabacoff他:J.Appl.Phys.53(3),
March1982,2255〜2257頁)。 以上に示す超急冷リボンのほとんどが希土類と
しては軽希土類を主成分とするものであるが、い
ずれも従来から慣用される永久磁石材料と比べて
(BH)maxが低く、実用永久磁石材料として使
用することは困難であつた。また、これらの超急
冷リボンはそれ自体として一般のスピーカやモー
タ等に使用可能な実用永久磁石(体)ではなく、
これらのリボンから任意の形状・寸法を有する実
用永久磁石を得ることができなかつた。 本発明は、このような要請に応えるべき新規な
実用強磁性合金、特に永久磁石材料として有用な
ものを提供することを基本目的とする。特に、
Feを主体とし、Rとして資源的に豊富な軽希土
類元素を有効に使用できるものを得ることを目的
とする。 このような強磁性合金として、本発明者は、先
に、Nd,Prを中心とする特定の希土類元素とFe
とBとを特定比をもつて必須とする強磁性合金、
特に磁気異方性ないし磁界中配向能力を有する、
全く新しい種類の実用強磁性合金を開発し、本願
と同一出願人により出願した(特願昭57−145072
の分割出願としての特願昭59−246897)。尚、こ
のFe−B−R三元系合金においてボロン(B)
は、従来の、例えば非晶質合金作成時の非晶質促
進元素又は粉末冶金法における焼結促進元素とし
て添加されるものではなく、Fe−B−R三元系
合金のベースとなる室温以上で磁気的に安定で高
い磁気異方性を有するR−Fe−B三元化合物の
必須構成元素である。この合金は実用上十分に高
いキユリー温度(約300℃以上)を有する。 上述のFe−B−R三元系強磁性合金は必ずし
もCoを含む必要がなく、またRとしては資源的
に豊富なNd,Prを主体とする軽希土類を用いる
ことができ、必ずしもSmを必要とせず或いはSm
を主体とする必要もないので原料が安価であり、
きわめて有用である。しかも、この強磁性合金を
用いて得られるFe−B−R系統磁気異方焼結永
久磁石の磁気特性はハードフエライト磁石以上の
特性を有し(保磁力 iHc≧1kOe,残留磁束密
度Br≧4kG,最大エネルギ積(BH)max≧
4MGOe)特に好ましい組成範囲においては希土
類コバルト磁石と同等以上の極めて高いエネルギ
積を示すことができる。 本発明は、かかるFe−B−R三元系強磁性合
金合金において、Ti,Ni,Bi,V,Nb,Ta,
Cr,Mo,W,Mn,Al,Sb,Ge,Sn,Zr,Hf
よりなる群から選択された特定の添加元素M一種
又は二種以上を所定%をもつて加えることによ
り、先願(特願昭59−246897)に係るFe−B−
R三元系合金と同様に、前述した目的を達成する
ものである。即ち、本発明の強磁性合金は次の通
りである。 本願の第1発明:原子百分比で、希土類元素R
(RはNdとPrの一種又は二種)8〜30%、B2〜
28%、下記所定%以下(0%を除く)の添加元素
Mの一種又は二種以上(但し添加元素Mが二種以
上のときは、M合量は当該添加元素のうち最大所
定%を有するものの当該所定%以下)、及び残部
実質的にFeから成ることを特徴とする強磁性合
金; Ti 4.5%, Ni 8% Bi 5%, V 9.5% Nb 12.5%, Ta 10.5% Cr 8.5%, Mo 9.5% W 9.5%, Mn 8% Al 9.5%, Sb 2.5% Ge 7%, Sn 3.5% Zr 5.5%,及び Hf 5.5%。 本願の第2発明:原子百分比で、R(RはNd,
Pr,Dy,Ho,Tb,La,Ce,Gd,Yのうち少な
くとも一種で、かつRの50%以上はNdとPrの一
種又は二種)8〜30%、B2〜28%、所定%以下
(0%を除く)の添加元素Mの一種又は二種以上
(但し添加元素Mが二種以上のときは、M合量は
当該添加元素のうち最大所定%を有するものの当
該所定%以下)、及び残部実質的にFeから成るこ
とを特徴とする強磁性合金(添加元素Mの所定%
は第1発明におけるものと同じ)。 本発明者は、Fe−B−R系三元合金、特に8
〜30%のR、2〜28%のB、残部Feから成るFe
−B−R三元合金をベースとして、前述の目的達
成を目標として、放射性元素等を除くほとんどの
元素についてその微量域(0.005原子%、以下%
は原子%を示す)から10数%に亘る範囲におい
て、その添加による保磁力その他の磁気特性の変
化を詳細に調べた。その結果前記添加元素Mの添
加によつても前述した要請に応え得る新規な実用
強磁性合金をSm,Co等を必須とせずに提供し得
ることを見出した。しかも、永久磁石材料として
使用したときハードフエライト磁石材料と同等以
上の優れた磁気特性を有し、好ましい態様におい
てはFe−B−R三元系合金に比してもより高保
磁力を付与する効果を有することを見出した。但
し、これらの添加元素Mの添加は、夫々の態様に
おいて、Fe−B−R三元系合金に比して永久磁
石材料として残留磁化Brの漸次の低下を招くこ
とも明らかとなつた。従つて、添加元素Mの含有
量は、少くとも残留磁化Brが、従来のハードフ
エライトの残留磁化Brと同等以上の範囲で、か
つ高保磁力を示すものが本発明の対象として把握
される。かくして本発明はFe−B−R三元系合
金において更に特定の添加元素Mを含有すること
により、Fe−B−R化合物をベースとした新規
なFe−B−R−M系強磁性合金を提供するもの
である。Fe−B−R三元系合金と同様に本発明
のFe−B−R−M系合金も高い異方性磁界を示
し磁界中配向能力を有するので、特に異方性磁石
用材料として有用である。 本発明によれば、従来ハードフエライトと同等
以上の磁気特性を有し、Sm−Co磁石材料に代替
可能な高性能磁石材料をも包含する工業上極めて
有用な新規な実用強磁性合金を提供可能とする。 本発明の強磁性合金はFe−B−R−M系であ
り、必ずしもCoを含む必要がなく、またRとし
ては資源的に豊富なNd,Prを主体とする軽希土
類を用いることができ、必ずしもSmを必要とせ
ず或いはSmを主体とする必要もないので原料が
安価であり、きわめて有用である。実施例から明
らかな通り、本発明の合金は磁界中配向能力を有
する。 最近、永久磁石材料はますます苛酷な環境、例
えば磁石の薄型化にともなう強い反磁界、コイル
や他の磁石によつて加えられる強い逆磁界、これ
らに加えて機器の高速化、高負荷化による高温度
の環境にさらされることが多くなり、多くの用途
における、特性安定化のためには、一層の高保磁
力化が必要とされる(一般に永久磁石材料のiHc
は温度上昇にともない低下する。そのため室温に
おけるiHcが小さければ、永久磁石材料が高温度
に晒されると減磁が起こる。しかし、室温におけ
るiHcが十分高ければ実質的ににこのような減磁
は起こらない)。従つて、Fe−B−R系強磁性合
金(特に永久磁石材料)よりもさらに高いiHcを
有する永久磁石材料を提供し得るものを包含する
本発明強磁性合金はこうした苛酷な環境下で使用
される永久磁石材料として特に好適である。 本発明の強磁性合金はその形態は問わず、鋳塊
あるいは粉体等の公知の形態の永久磁石用の素材
の他、任意の形態からなる永久磁石材料をも包含
する。 本発明の強磁性合金において希土類元素RはY
を包含し、軽希土類及び重希土類を包含する希土
類元素でありそのうち所定の一種以上を用いる。
即ちこのRとしては、Nd,Pr,La,Ce,Tb,
Dy,Ho,Er,Eu,Sm,Gd,Pm,Tm,Yb,
Lu及びYが包含される。Rとしては、通常Nd,
Prの一種又は二種をもつて足りるが、これら
Nd,PrをRの50%以上として他のDy,Ho,
Tb,La,Ce,Gd,Yのうち少なくとも一種を
混合して用いることができる。実用上は二種以上
の混合物(ミツシユメタル、ジジム等)を入手上
の便宜等の理由により用いることができる。な
お、これらのRは純希土類元素でなくともよく、
工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物
(他の希土類元素、Ca,Mg,Fe,Ti,C,O
等)を含有するもので差支えない。このようにR
としては工業上入手し易いものを主体として用い
ることができる点で本発明は極めて有利である。 B(ホウ素)としては、純ボロン又はフエロボ
ロンを用いることができ、不純物としてAl,Si,
C等を含むものも用いることができる。 本発明の強磁性合金の組成範囲の限定理由は後
述する実施例によつて詳細に説明するが、特に本
発明を最も効果的に用いた場合、すなわち、磁気
異方性焼結永久磁石として用いた場合にハードフ
エライトと同等以上の磁気特性を得ることが可能
な組成範囲を選定した。すなわち本発明の強磁性
合金は、8〜30%R,2〜28%B,所定%以下
M,残部Fe(原子百分率)において、保磁力iHc
≧1kOe,残留磁束密度Br≧4kG,最大エネルギ
積(BH)maxはハードフエライト(〜4MGOe
程度)と同等以上の異方性焼結磁石とすることが
できる。 本発明のFe−B−R−M系強磁性合金におい
て、R,Bの組成範囲は、基本的にFe−B−R
三元系合金と同様(8〜30%R,2〜28%B)で
ある。即ち、異方性焼結体磁石として、保磁力
iHc≧1kOeを満たすためBは2%以上とし、ハ
ードフエライトの残留磁束密度Br約4kG以上と
するためにBは28%以下とし、Rは保磁力を
1kOe以上とするため8%以上必要であり、また
燃え易く工業的取扱、製造上の困難のため(かつ
また高価であるため)、30%以下とする。このB,
R範囲において異方性焼結磁石の最大エネルギ積
(BH)maxはハードフエライト(〜4MGOe程
度)と同等以上となる。 Nd,PrをRの主成分(即ち全R中Nd,Prの
1種以上が50%以上)とし、11〜24%R,3〜27
%B,残部(Fe+M)の組成は、異方性焼結体
としたとき最大エネルギ積(BH)max≧
7MGOeとするために好ましい範囲である。 さらに好ましくは、Nd,PrをRの主成分(同
上)とし、12〜20%R,4〜24%B,残部(Fe
+M)の組成であり、異方性焼結体としたとき最
大エネルギ積(BH)max≧10MGOeを可能し、
(BH)maxは最高30MGOe以上に達する。なお
所定の最大エネルギ積を得るための所望のBrに
対応するMの範囲は第1図〜第3図を参照して定
められる。 本発明の強磁性合金は、新規なFe−B−R化
合物をベースとするFe−B−R−M系合金であ
るが、Feの一部をCoで置換することによりキユ
リー温度Tcを上昇できる。また、Bの一部をC,
P,Si等により置換することも可能であり、製造
性改善、低価格化が可能となる。なお、本発明の
強磁性合金は、Fe,B,R,Mの外、C,S,
P,Ca,Mg,O,Si等工業的に製造上不可避な
不純物の存在を許容できる。これらの不純物は、
原料或いは製造工程から混入することが多く、合
計5%以下とすることが好ましい。 なお、本発明のFe−B−R−M系合金を用い
て、先に出願したFe−B−R系合金と同様に実
用永久磁石を製造できる。例えば、合金を溶成、
冷却、例えば鋳造し生成合金を粉末化した後、成
形焼結することによつて適当なミクロン組織を形
成することによつて、最も効果的に実用高性能永
久磁石を得ることができる。 〈実施例〉 以下本発明について、実験例及び実施例を引照
しつつ詳述する。 種々の添加元素を含むFe−B−R−M合金を
次の方法で作成した。 合金を高周波溶成し、水冷銅鋳型に鋳造 出発原料はFeとして純度99.9%の電解鉄、Bと
してフエロボロン合金及び99%の純度のボロンを
用い、Rとして純度99.7%以上のもの(不純物は
主として他の希土類元素)を使用、添加元素とし
て、純度99%のTi,Mo,Bi,Mn,Sb,Ni,
Ta,98%のW,99.9%のAl,95%のHf,99.9%
のGe,Sn,またVとして81.2%のVを含むフエ
ロバナジウム、Nbとして67.6%のNbを含むフエ
ロニオブ、Crとして61.9%のCrを含むフエロクロ
ム、及びZrとして75.5%のZrを含むフエロジルコ
ニウムを使用した(なお純度は重量%で示す) この合金を用いて永久磁石試料を次のように作
成 (1) 粉砕 スタンプミルにより35メツシユスルー
まで粗粉砕し、次いでボールミルにより3時間
磁界中配向可能な結晶粒子に微粉砕(3〜10μ
m); (2) 磁界(10kOe)中配向・成形(1.5ton/cm2
て加圧); (3) 焼結 1000〜1200℃1時間Ar中、焼結後放
冷。 上記試料について、iHc,Br,(BH)maxを
夫々測定し、そのうちの代表的な試料についての
結果を第1表(1)〜(4)に示す。又上記と同様な方法
にて作成した本発明試料との比較例を第2表に示
す。なお、第2表の符号Cは比較例であることを
示す。また第1,2表中Feは数値を挙げていな
いが残部を示す。なお前記永久磁石試料の作成工
程において微粉砕後の合金(粉末状態)での特性
を調べたところ、iHc1kOe以上の高い値を示し
ていた。 上記の結果から、次のことが明らかとなつた。
第1表試料1〜36及び試料48〜50は、希土類元素
として軽希土類の代表的なものであるNdを中心
として、Fe−8B−15Nd系(試料1〜26)、Fe−
17B−15Nd系(試料27〜36)及びFe−12B−
20Nd系(試料48〜50)における添加元素Mの効
果を調べたものである。その結果、第2表の試料
C1のiHc7.3kOeに比べて、上記全ての試料(No.
1〜36及びNo.48〜50)についてより高い保磁力を
示し、最大15kOe以上に達している(No.31,36)。
一方、残留磁化BrはC1の12.1kGに比べて同等程
度(No.1,4等)から添加元素Mの増大に従い一
般に徐々に低下を示している。しかし上記いずれ
の本発明試料も従来のハードフエライトのレベル
の残留磁化約4kGよりも十分に高い。 第1表試料37〜39,41,51,52は希土類元素と
して軽希土類であるPrを用いたFe−B−Pr系に
おける添加元素Mの効果を調べたものである。第
1表試料43,44,53〜58,63,64は希土類元素と
してNdを用いるとともに添加元素Mとして2種
以上のものを用いた場合、同じく第1表試料40,
42,65は希土類元素としてPrを用いるとともに
添加元素Mとして2種以上のものを用いた場合を
示し、いずれも良好な結果が得られることを示し
ている。さらに第1表試料45〜47,59〜62は希土
類元素として2種以上のものを用いた場合の添加
元素Mの効果を調べたものである。これら第1表
試料37〜47及び試料51〜65も前記第1表試料1〜
36及び試料48〜50と同様、添加元素Mによる良好
な結果を得ることが可能である。 なお、比較例C5,C6のiHcの値が12.4,
13.9kOeと高いのは、Ndの高含有量によるもの
であり、これらに対しては、試料48〜50,53〜55
及び試料63,64により夫々M添加の効果が明らか
である。 試料No.56はiHc4.3kOeであるが、比較例C16
(iHc2.8kOe)と、また試料No.59のiHc7.3kOeは
C7(iHc5.1kOe)と比較すると、M添加の効果が
認められる。 また試料1,4,20の如く、高(BH)maxを
保持しつつ高保磁力化を実現することも可能であ
る。
【表】
【表】
【表】
【表】 本発明の強磁性合金は、そのベースとなるFe
−B−R三元系において、既述の8〜30%R,2
〜28%B,残部Fe(原子百分率)の全範囲におい
て、添加元素Mの有効性が認められており、この
Fe−B−Rの各組成範囲外では、有効ではない
(比較例C12,C13,C17はR過少;C14はB過
多;C15はR過多;C8〜C11はB不含有等参照)。 次に添加元素Mの夫々の添加の効果を明らかに
するためその添加量を変化させて実験によりBr
の変化を測定し、その結果を第1図〜第3図に示
す。Bi,Mn,Niを除く添加元素M(Ti,Zr,
Hf,V,Ta,Nb,Cr,W,Mo,Sb,Sn,Ge,
Al)の添加量の上限は、第1図〜第3図に示す
通り、異方性焼結体としたときハードフエライト
のBr約4kGと同等以上の範囲として定められる。
さらに、好ましい範囲はBrを6,8,10kG等の
段階をもつて区画することにより夫々第1図〜第
3図から明らかに読むことができる。 Mn,Niは多量に添加すると、iHcが減少する。
即ち、iHcを1kOe以上とするためMn,Niの上限
は夫々8%とする。Mn3.5%,Ni4.5%を夫々越
えると、iHcが無添加の場合よりも低くなつてし
まうため、これをもつて好ましい範囲の上限とす
る。 Biについては、その蒸気圧が極めて高くBi5%
を超える合金の製造が、事実上不可能であり5%
以下とする。2種以上の添加元素Mを含む合金の
場合、異方性焼結体としたときBrが4kG以上の
条件を満たすためには、その合量が上述の各元素
の添加量の上限のうち最大の所定値(%)以下で
あることが必要である。 第1図〜第3図から明らかな通り、添加元素M
の添加はその添加量の増大と共に、ほとんどの場
合Brが減少しており、また(BH)maxも第1表
に示す通り一部の範囲を除き基本的に減少する傾
向を示す。しかし、保磁力iHcの増大は、極めて
強い逆磁場や、高温の苛酷な環境にさらされる場
合、永久磁石材料にとつて重要な特性であり、高
(BH)max型の永久磁石と同様工業的に有用性
が大である。Mとして2種以上含む場合には、
夫々の添加元素の特性曲線を合成したものとほぼ
同様なBr曲線を示す。なおMの添加量はiHcの増
大効果、Br減少傾向、(BH)maxへの影響を考
慮すると0.1〜3%が最も望ましく、Mとしては
第1図〜第3図から明らかな様にV,Nb,Ta,
Mo,W,Cr,Al,Mn,Niは比較的多量に添加
してもBrを著しく低下させることなく(例えば
8%添加してもBrは4kG以上)、特にMn,Niを
除くV,Ta,Nb,Cr,W,Mo,Alは広い範囲
においてiHc向上に寄与する。 第4図に代表例として(1)77Fe−8B−15Nd,(2)
76Fe−8B−15Nd−1Nb、(3)75Fe−8B−15Nd−
2Alの3種の合金から成る焼結磁石の初磁化曲線
及び減磁曲線(1〜3)を示す。 試料(1)(曲線1)は比較例C1(第2表)と同じ
もの、試料(2)(曲線2)は実施例試料No.5と同じ
もの、試料(3)(曲線3)は実施例試料No.21と同じ
ものについて測定したものである。曲線2,3と
も永久磁石材料として有用な高い角形性を示して
いる。 以上詳述の通り、本発明は、新規なFe−B−
R−M系強磁性合金、即ちFeを主体としCoを必
須とせず、またRとしても資源的に豊富であり工
業上入手し易い希土類元素(Nd,Pr)を主体と
したFe−B−R化合物をベースとした強磁性合
金であり、特に永久磁石材料として有用である。
これを用いることによりハードフエライト以上の
磁気特性を有し、Sm−Co系材料にも代替し得る
Fe−B−R−M系磁気異方性焼結体永久磁石の
提供も可能としたもので、工業的に極めて高い価
値をもつものである。特に永久磁石材料としての
利点は、従来のSm−Co系と対比するとその主成
分元素の点で極めて顕著になる。加えて、Fe−
B−R三元系強磁性合金と対比してみても、特定
の添加元素Mの含有によつて焼結磁石の保磁力の
増大も可能ならしめ、応用範囲を拡げ実用的価値
を高めることにも寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、本発明の実施例(77−x)
Fe−8B−15Nd−xM系の合金から成る異方性焼
結磁石について添加金属Mの量(x%)と残留磁
化Br(kG)との関係を示すグラフ、第4図は代
表的な実施例試料No.5(76Fe−8B−15Nd−
1Nd),No.21(75Fe−8B−15Nd−2Al)について
の初磁化曲線及び減磁曲線を、試料No.C1(77Fe−
8B−15Nd)と共に示すグラフ(縦軸は磁化4πI
(kG)、横軸は磁界H(kOe))、を夫々示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子百分比でR(RはNdとPrの一種又は二
    種)8〜30%、B2〜28%、下記所定%以下(0
    %を除く)の添加元素Mの一種又は二種以上(但
    し添加元素Mが二種以上のときは、M合量は当該
    添加元素のうち最大所定%を有するものの当該所
    定%以下)、及び残部実質的にFeから成ることを
    特徴とする強磁性合金; Ti 4.5%, Ni 8% Bi 5%, V 9.5% Nb 12.5%, Ta 10.5% Cr 8.5%, Mo 9.5% W 9.5%, Mn 8% Al 9.5%, Sb 2.5% Ge 7%, Sn 3.5% Zr 5.5%,及び Hf 5.5%。 2 原子百分比でR(RはNd,Pr,Dy,Ho,
    Tb,La,Ce,Gd,Yのうち少なくとも一種で、
    かつRの50%以上はNdとPrの一種又は二種)8
    〜30%、B2〜28%、下記所定%以下(0%を除
    く)の添加元素Mの一種又は二種以上(但し添加
    元素Mが二種以上のときは、M合量は当該添加元
    素のうち最大所定%を有するものの当該所定%以
    下)、及び残部実質的にFeから成ることを特徴と
    する強磁性合金; Ti 4.5%, Ni 8% Bi 5%, V 9.5% Nb 12.5%, Ta 10.5% Cr 8.5%, Mo 9.5% W 9.5%, Mn 8% Al 9.5%, Sb 2.5% Ge 7%, Sn 3.5% Zr 5.5%,及び Hf 5.5%。
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