JPH0151536B2 - - Google Patents

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JPH0151536B2
JPH0151536B2 JP62314249A JP31424987A JPH0151536B2 JP H0151536 B2 JPH0151536 B2 JP H0151536B2 JP 62314249 A JP62314249 A JP 62314249A JP 31424987 A JP31424987 A JP 31424987A JP H0151536 B2 JPH0151536 B2 JP H0151536B2
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JP
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alloy
permanent magnet
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ferromagnetic alloy
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JP62314249A
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Masato Sagawa
Setsuo Fujimura
Yutaka Matsura
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Proterial Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はFe、希土類元素を主体とする強磁性
合金、特にCo置換Fe−B−R系強磁性合金に関
する。 従来から強磁性合金の一つとして永久磁石材料
が知られている。永久磁石材料は一般家庭の各種
電気製品から、大型コンピユータの周辺端末機ま
で、幅広い分野で使われるきわめて重要な電気・
電子材料の一つである。近年の電気、電子機器の
小型化、高効率化の要求にともない、永久磁石材
料はますます高性能化が求められるようになつ
た。 現在の代表的な永久磁石材料はアルニコ、ハー
ドフエライトおよび希土類コバルト系磁石材料で
ある。最近のコバルトの原料事情の不安定化にと
もない、コバルトを20〜30重量%含むアルニコ磁
石材料の需要は減り、鉄の酸化物を主成分とする
安価なハードフエライトが磁石材料の主流を占め
るようになつた。一方、希土類コバルト系磁石材
料はコバルトを50〜65重量%も含むうえ、希土類
鉱石中にあまり含まれていないSmを使用するた
め大変高価であるが、他の磁石材料に比べて、磁
気特性が格段に高いため、主として小型で、付加
価値の高い磁気回路に多く使われるようになつ
た。 希土類を用いた磁石材料がもつと広い分野で安
価に、かつ多量に使われるようになるためには、
高価なコバルトを含まず、かつ希土類金属とし
て、鉱石中に多量に含まれている軽希土類を主成
分とすることが必要である。このような永久磁石
材料の一つの試みとして、RFe2系化合物(ただ
しRは希土類元素を示す記号)が検討された。ク
ロート(J.J.Croat)はPr0.4Fe0.6の超急冷リボン
が295KにてHc=2.8kOeの保磁力を示すことを報
告している(J.J.Croat Appl.Phys.Lett.37(12)15
December 1980、1096〜1098頁)。その後Nd0.4
Fe0.6の超急冷リボンにおいても295KにてHc=
7.45kOeの保磁力を示すことを報告している(J.
J.Croat Appl.Phys.Lett.39(4)15 August 1981、
357〜358頁)。しかし、これらの超急冷リボンは、
いずれも(BH)maxが低い(4MGOe未満)。 さらに、クーン(N.C.Koon)等は、(Fe0.82
B0.180.9Tb0.05La0.05の超急冷アモルフアスリボン
を627℃で焼鈍すると、Hc=9kOeにも達するこ
とを見い出した(Br=5kG)。但し、この場合、
磁化曲線の角形性が悪いため(BH)maxは低い
(N.C.Koon他、Appl.Phys.Lett.39(10)、1981、840
〜842頁)。 また、カバコフ(L.Kabacoff)等は(Fe0.8
B0.21-xPrx(x=0〜0.3原子比)の組成の超急冷
アモルフアスリボンを作製し、その非晶質合金が
5Oe程度のHcを有することを報告している。(L.
Kabakoff他:J.Appl.Phys.53(3) March 1982、
2255〜2257頁)。 以上に示す超急冷リボンのほとんどが希土類と
しては軽希土類を主成分とするものであるが、い
ずれも従来から慣用される永久磁石材料と比べて
(BH)maxが低く、実用永久磁石材料として使
用することは困難であつた。また、これらの超急
冷リボンはそれ自体として一般のスピーカやモー
タ等に使用可能な実用永久磁石(体)ではなく、
これらのリボンから任意の形状・寸法を有する実
用永久磁石を得ることができなかつた。 本発明は、このような要請に応えるべく、特に
永久磁石材料として有用な、新規な強磁性合金を
提供することを基本目的とする。特に、Feを主
体とし、Rとして資源的に豊富な軽希土類元素を
有効に使用できるものを得ることを目的とする。 このような強磁性合金として、本発明者は、先
に、Nd、Prを中心とする特定の希土類元素とFe
とBとを特定比をもつて必須とする強磁性合金、
特に磁気異方性ないし磁界中配向能力を有する、
全く新しい種類の実用強磁性合金を開発し、本願
と同一出願人により出願した(特願昭57−145072
の分割出願としての特願昭59−246897)。尚、こ
のFe−B−R三元系合金においてボロン(B)
は、従来の磁性材料において、例えば非晶質合金
作成時の非晶質促進元素又は粉末冶金法における
焼結促進元素として添加されるものではなく、
Fe−B−R三元系合金のベースとなる室温以上
で磁気的に安定で高い磁気異方性を有する新規な
R−Fe−B三元化合物の必須構成元素である。 上述のFe−B−R三元系強磁性合金は必ずし
もCoを含む必要がなく、またRとしては資源的
に豊富なNd、Prを主体とする軽希土類を用いる
ことができ、必ずしもSmを必要とせず或いはSm
を主体とする必要もないので原料が安価であり、
きわめて有用である。しかも、この強磁性合金を
用いて得られるFe−B−R系磁気異方性焼結永
久磁石の磁気特性はハードフエライト磁石以上の
特性を有し(保磁力iHc≧1kOe、残留磁束密度
Br≧4kG、最大エネルギ積(BH)max≧
4MGOe)特に好ましい組成範囲においては希土
類コバルト磁石と同等以上の極めて高いエネルギ
積を示すことができる。 以上の通りこのFe−B−R三元系強磁性合金
は磁気異方性に基づく高磁気特性、任意成形性、
資源的により豊富な原料を用いることができる等
の点で高いコストパフオーマンスを有し、R−
Co磁石材料にも代わり得る工業上極めて有用な
ものであるが、一方、このFe−B−R三元系強
磁性合金のキユリー点(温度)は、特願昭59−
246897に開示の通り一般に300℃前後、最高370℃
である。このキユリー点は、従来のアルニコ系な
いしR−Co系の永久磁石材料の約800℃のキユリ
ー点と比べてかなり低いものである。従つて、
Fe−B−R系永久磁石(材料)は、従来のアル
ニコ系やR−Co系磁石(材料)に比して磁気特
性の温度依存性が大であり、高温においては磁気
特性の低下が生ずる。本発明者の研究の結果によ
れば、Fe−B−R系焼結磁石(材料)は約100℃
以上の温度で使用するとその温度特性が劣化する
ため、約70℃以下の通常の温度範囲で使用するこ
とが適当であることが判明した。 この様に永久磁石材料にとつて磁気特性の温度
依存性が大きい、即ちキユリー点が低いことはそ
の使用範囲が狭められることとなり、Fe−B−
R系永久磁石材料を広範囲の用途に使用するため
にはキユリー点を上昇せしめ、温度特性を改善す
ることが必要であつた。 本発明は、かかるFe−B−R系強磁性合金に
おいて、その温度特性を改良することを併せて目
的とする。 本発明者は各種の実験及び検討の結果、Feの
Coによる置換がFe−B−R系永久磁石材料の温
度特性の改善に有効であることを見出した。即
ち、本発明は下記の構成により上記目的と達成す
る。 第1発明:原子百分比でR(RはNd、Prの一
種又は二種)8〜30%、B2〜28%及び残部実質
的にFeからなるFe−B−R系強磁性合金におい
て、前記Feの一部を全組成に対して50%以下
(0%を除く)のCoで置換したことを特徴とする
強磁性合金。 第2発明:原子百分比でR(RはNd、Pr、Dy、
Ho、Tb、La、Ce、Gd、Yのうち少なくとも一
種で、かつRの50%以上がNdとPrの一種又は二
種)8〜30%、B2〜28%及び残部実質的にFeか
らなるFe−B−R系強磁性合金において、前記
Feの一部を全組成に対して50%以下(0%を除
く)のCoで置換したことを特徴とする強磁性合
金。 一般に、Fe合金へのCoの添加の際、Co添加量
の増大に従いキユリー点(Tc)が上昇するもの
と下降するものと両方が認められている。そのた
め、FeをCoで置換することは、一般的には複雑
な結果を生来し、その結果の予測は困難である。
例えば、RFe3化合物のFeをCoで置換して行く
と、Co量の増大に伴いTcはまず上昇するが、Fe
を1/2置換したR(Fe0.5Co0.53付近で極大に達し、
その後低下してしまう。またFe2B合金の場合に
は、FeのCoによる置換によりTcは単調に低下す
る。 Fe−B−R系におけるFeのCoによる置換にお
いては、第1図に示す通り、Co置換量の増大に
伴いTcは当初急速に増大し、以後徐々に増大す
ることが明らかとなつた。このFe−B−R系合
金に対しては、Rの種類によらず同様な傾向が確
認される。Coの置換量はわずか(例えば0.1〜1
原子%)でもTc増大に有効であり、第1図とし
て例示する系(77−x)Fe−xCo−8B−15Ndに
おいて明らかな通り、xの調整により400〜800℃
の任意のTcをもつ合金が得られる。かくて本発
明は、新規なFe−B−R化合物をベースとした
Fe−B−R系強磁性合金のFeの一部をCoで置換
することにより合金組成中にCoを50%以下含有
せしめ(Fe、Co)−B−R化合物をベースとした
適当なミクロ組織を有するFe−Co−B−R系強
磁性合金を提供するものである。Fe−B−R三
元系合金と同様に(Fe、Co)−B−R系合金も高
い異方性磁界を示し磁界中配向能力を有するの
で、特に異方性磁石用材料として有用である。 本発明によれば、Coを含有することによりFe
−B−R系永久磁石材料の温度特性を実質的に従
来のアルニコ磁石材料、R−Co系磁石材料と同
等程度に改善する上、さらにその他の利点を保持
する。 即ち、希土類元素Rとして資源的に豊富な軽希
土類即ちNd、Prを主体とするので、従来のR−
Co磁石材料と比較すると、資源的、価格的いず
れの点においても有利であり、磁気特性の上から
もさらに優れたものが得られる。また、本発明の
Fe−Co−B−R系強磁性合金はCoを含有しない
Fe−B−R系強磁性合金と比較して、磁気異方
性焼結体永久磁石にした場合、Brはほぼ同程度、
iHcは同等或いは少し低いがCo置換により角形性
が改善されるため、かなりの範囲で(BH)max
は同等は或いはそれ以上とすることが可能であ
る。さらに、CoはFeに比べて耐食性を有するの
で、Fe−B−R系合金と比較してCoを添加する
ことにより耐食性を付与することも可能となる。 本発明の強磁性合金において形態は問わず、鋳
塊あるいは粉体等の公知の形態の永久磁石用の素
材の他、任意の形態からなる永久磁石材料をも包
含する。 本発明の強磁性合金において希土類元素RはY
を包含し、軽希土類及び重希土類を包含する希土
類元素でありそのうち所定の一種以上を用いる。
即ちこのRとしては、Nd、Pr、La、Ce、Tb、
Dy、Ho、Er、Eu、Sm、Gd、Pm、Tm、Yb、
Lu及びYが包含される。Rとしては、通常Nd、
Prの一種又は二種をもつて足りるが、これら
Nd、PrをRの50%以上として他のDy、Ho、
Tb、La、Ce、Gd、Yのうち少なくとも一種を
混合して用いることができる。実用上は二種以上
の混合物(ミツシユメタル、ジジム等)を入手上
の便宜上の理由により用いることができる。な
お、これらのRは純希土類元素でなくともよく、
工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物を
含有するもので差支えない。このようにRとして
は工業上入手し易いものを主体として用いること
ができる点で本発明は極めて有利である。 B(ホウ素)としては、純ボロン又はフエロボ
ロンを用いることができ、不純物としてAl、Si、
C等を含むものも用いることができる。 本発明の強磁性合金の組成範囲の限界理由は後
述する実施例によつて詳細に説明するが、特に本
発明を最も効果的に用いた場合、すなわち、磁気
異方性焼結永久磁石として用いた場合にハードフ
エライトと同等以上の磁気特性を得ることが可能
な組成範囲を選定した。すなわち本発明の強磁性
合金は、8〜30%R、2〜28%B、Co50%以下、
残部Fe(原子百分率)において保磁力iHc≧
1kOe、残留磁束密度Br≧4kGの磁気特性を示し、
最大エネルギ積(BH)maxはハードフエライト
(〜4MGOe程度)と同等以上となる磁気異方性
焼結永久磁石の提供を可能とする。さらに、12〜
20%R、4〜24%B、45%以下Co、残部Feの組
成は、最大エネルギ積(BH)max≧10MGOeを
示し、特にCoが35%以下では最大エネルギ積
(BH)maxは20MGOe以上となり、最高
33MGOe以上に達する磁気異方性焼結永久磁石
の提供を可能とする。又Coは5%以上でBrの温
度係数約0.1%/℃以下を示し、25%以下で他の
磁気特性を実質的に損うことなくTc増大に寄与
する。 本発明におけるこれらB、Rの含有量は基本的
にFe−B−R系合金(Coを含まない系)の場合
と同様であり(以下%は合金中、原子百分率を示
す)、異方性焼結体としたとき保磁力Hc≧1kOe
を満たすためにBは2%以上とし、残留磁束密度
Br約4kG以上とするためにBは28%以下とする。
Rは、保磁力1kOe以上とするために8%以上必
要であり、また燃え易く工業的取扱、製造上の困
難のため(かつまた高価であるため)、30%以下
とする。 本発明の強磁性合金は、新規な(Fe、Co)−B
−R化合物を含み、合金組成が所定量のR、Bと
残部実質的にFeであつて、Feの一部をCoで置換
してなるものであるが、Bの一部をC、P、Si等
により置換することも可能であり、製造性改善、
低価格化が可能となる。さらに、Al、Ti、V、
Cr、Mn、Zn、Zr、Nb、Mo、Ta、W、Sn、
Bi、Sbの一種以上を添加することにより、永久
磁石とした場合の高保磁力化が可能となり、又
Ni添加により耐食性改善も可能となる。なお、
本発明の強磁性合金は、Fe、Co、B、Rの外、
C、S、P、Ca、Mg、O、Si、Al等工業的に製
造上不可避な不純物の存在を許容できる。これら
の不純物は、原料或いは製造工程から混入するこ
とが多く、合計5%以下が好ましい。 なお、本発明のFe−Co−B−R系合金を用い
て、先に出願したFe−B−R系合金と同様に実
用永久磁石を製造できる。例えば、本発明に係る
鋳造合金を粉末化した後、成形焼結することによ
つて最も効果的に実用高性能永久磁石を得ること
ができる。 実施例 以下本発明の実施例を説明する。但し、この実
施例は本発明をこれらに限定するものではない。 第1図に代表例として77Fe−8B−15NdのFe
の一部をCo(x)で置換した系(77−x)Fe−
xCo−8B−15Ndのxを0〜77に変化させた場合
のキユリー点Tcの変化を示す。このFe−Co−B
−Nd系合金を次の工程より作成した。 合金を高周波溶解し水冷銅鋳型に鋳造、出発原
料はFeとして純度99.9%の電解鉄、Bとしてフエ
ロボロン合金(19.38%B、5.32%Al、0.74%Si、
0.03%C、残部Fe)、Rとして純度99.7%以上
(不純物は主として他の希土類元素)を使用、Co
は純度99.9%の電解Coを使用した(なお純度は重
量%で示す)。 次に、この合金を用いて永久磁石材料を次の工
程により作成した: (1) 粉砕 スタンプミルにより35メツシユスルー
まで粗粉砕し、次いでボールミルにより3時間
微粉砕(3〜10μm); (2) 磁界(10kOe)中配向、成形(1.5t/cm2にて
加圧); (3) 焼結 1000〜1200℃1時間Ar中、焼結後放
冷。 焼結体から約0.1gのブロツク(多結晶)を切
出し、VSMにより次のようにしてキユリー点を
測定した。即ち、試料には10kOeの磁場を印加
し、25℃〜600℃までの温度範囲で4πIの温度変化
を測定し、4πIがほぼ0になる温度をキユリー点
Tcとした。 上記の系でFeに対するCo置換量の増大に伴い
Tcは急速に増大し、Coが30%以上ではTcは600
℃以上に達する。 一般に永久磁石材料において、Tcの増大は磁
気特性の温度変化の減少のための最も重要な要因
とされている。この点の確認のため、Tc測定用
試料と同じ工程により第1表の永久磁石試料を作
製して、Brの温度特性を次のように測定した。
即ち25℃、60℃、100℃の各温度でBHトレーサ
により磁化曲線を測定し、25〜60℃と60〜100℃
におけるBrの温度変化を平均した。各種Fe−B
−R系及びFe−Co−B−R系合金から成る焼結
永久磁石体のBr温度係数の測定結果を第1表に
示す。なお、前記永久磁石材料の作成工程におい
て微粉砕後の合金(粉末状態)での特性を調べた
ところiHc1kOe以上の高い値を示していた。 第1表から、Fe−B−R磁石にCoを含有する
ことにより、Brの温度変化が改善されることは
明らかである。 第1表には各試料の室温における磁気特性も併
記した。大部分の組成で、保磁力iHcはCo置換に
より低下するが、減磁曲線の角形性の向上によ
り、(BH)maxは上昇する。しかし、Co置換量
が多くなるとiHcの低下が著しく、永久磁石材料
としてiHc≧1kOeを得るために、Co量は50%以
下とする。 Bの上限、下限、Rの下限について既述の限定
理由が第1表から(さらに第3,4図から)確か
められる。
【表】
【表】 第1表には、RとしてNd、Pr等の主として軽
希土類を用いたものを多数掲げてあるが、夫々高
い磁気特性を示し、FeのCoによる置換によつて
さらに温度特性が改善されている。Rとしては、
2種以上の希土類元素の混合物も有用であること
が判る。 更に得られた焼結体(第1表No.C2、No.8、No.
24)を80℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に200時
間置き、酸化による重量変化を測定した処、本発
明に係る試料(No.8、No.24)はCoを含まない試
料(No.C2)に比べて重量増加の割合が著しく低
く、又Coの添加量に応じてその効果が顕著に認
められた。 次にFeの一部をCoで置換したFe−Co−B−R
系合金から成る焼結磁石の代表例として57Fe−
20Co−8B−15Ndの室温における磁化曲線を第2
図に示す。初磁化曲線1は低磁界で急峻に立上が
り、飽和に達する。減磁曲線は極めて角形性が高
く、本発明合金から成るこの焼結磁石の実施例は
典型的な高性能異方性磁石であることを示してい
る。初磁化曲線1の形から推察すると、この磁石
はその保磁力が反転磁区の核発生によつて決定さ
れる、いわゆるニユークリエーシヨン型永久磁石
である。なお、第1表に示す、他の試料(比較例
を除く)はいずれも、第2図と同様な磁化曲線を
示した。 前述の工程と同様にして製造した試料により、
(82−x)Fe−10Co−8B−xNdの系においてx
を0〜40に変化させてNd量と焼結時における
Br、iHcとの関係を調べた。その結果を第3図に
示す。さらに、(75−x)Fe−10Co−xB−15Nd
の系においてxを0〜35に変化させてB量と焼結
時におけるBr、iHcとの関係を調べ、その結果を
第4図に示す。第3図、第4図においても本発明
のR、Bの数値限定が対応している。 さらに、同様の工程により、Fe−Co−B−R
四成分系において、一例として(95−x−y)
Fe−5Co−yB−xNdの系についてFe、B、Nd三
成分を変化させてその焼結時における磁気特性を
調べ、その結果を(BH)maxについて第5図に
示す。 本発明のFe−Co−B−R系強磁性合金は、R
として安価な材料である軽希土類用いて高い磁気
特性が得られ、かつCoの含有量も重量百分率で
45%以下(原子%で50%以下)で十分であり、
SmCo系磁石が50〜65重量%のCoを含有するのと
比較すれば、Coを節約可能であり、温度特性は
Fe−B−R系合金に比べて顕著に改善できた。 以上詳述の通り、本発明は、Fe−B−R系強
磁性合金のFeの一部をCoで置換してなるもので
あるので、Feを主体とし、またRとしても資源
的に豊富であり工業上入手し易い希土類元素
(Nd、Pr)を主体とした新規な(Fe、Co)−B−
R化合物を含む強磁性合金であり、特に永久磁石
材料として有用である。これを用いることにより
高残留磁化、高保磁力、高エネルギ積を有し、か
つ温度特性の優れたFe−Co−B−R系磁気異方
性焼結体永久磁石の提供も可能としたもので、工
業的に極めて高い価値をもつものである。特に永
久磁石材料としての利点は、従来のSm−Co系と
対比するとその主成分元素の点で極めて顕著にな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、(77−x)Fe−xCo−8B−15Nd系
において、Co量(横軸原子%)とキユリー点と
の関係を示すグラフ、第2図は、57Fe−20Co−
8B−15Ndの合金から成る磁気異方性焼結磁石の
室温における磁化曲線(初磁化曲線1、減磁曲線
2、縦軸は磁化4πI(kG)、横軸は磁界H(kOe))、
第3図は、(82−x)Fe−10Co−8B−xNd系の
焼結体(異方性)において、Nd量(横軸原子%)
とiHc、Brとの関係を示すグラフ、第4図は、
(75−x)Fe−10Co−xB−15Nd系合金の焼結体
(異方性)において、B量(横軸原子%)とiHc、
Brとの関係を示すグラフ、及び第5図は、(95−
x−y)Fe−5Co−yB−xNd系合金の焼結体
(異方性)において、Fe−B−R三成分の組成と
(BH)maxとの関係を示す三成分系ダイヤフラ
ム、を夫々示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子百分比でR(RはNd、Prの一種又は二
    種)8〜30%、B2〜28%及び残部実質的にFeか
    らなるFe−B−R系強磁性合金において、前記
    Feの一部を全組成に対して50%以下(0%を除
    く)のCoで置換したことを特徴とする強磁性合
    金。 2 原子百分比でR(RはNd、Pr、Dy、Ho、
    Tb、La、Ce、Gd、Yのうち少なくとも一種で、
    かつRの50%以上がNdとPrの一種又は二種)8
    〜30%、B2〜28%及び残部実質的にFeからなる
    Fe−B−R系強磁性合金において、前記Feの一
    部を全組成に対して50%以下(0%を除く)の
    Coで置換したことを特徴とする強磁性合金。
JP62314249A 1987-12-14 1987-12-14 強磁性合金 Granted JPS63213637A (ja)

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JPS57141901A (en) * 1981-02-26 1982-09-02 Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd Permanent magnet powder
JPS5964733A (ja) * 1982-09-27 1984-04-12 Sumitomo Special Metals Co Ltd 永久磁石
JPS59222564A (ja) * 1983-05-31 1984-12-14 Sumitomo Special Metals Co Ltd 希土類・鉄系磁性材料及び永久磁石

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