JPH0535211B2 - - Google Patents

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JPH0535211B2
JPH0535211B2 JP62329641A JP32964187A JPH0535211B2 JP H0535211 B2 JPH0535211 B2 JP H0535211B2 JP 62329641 A JP62329641 A JP 62329641A JP 32964187 A JP32964187 A JP 32964187A JP H0535211 B2 JPH0535211 B2 JP H0535211B2
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JP
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alloy
permanent magnet
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ihc
ferromagnetic alloy
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JP62329641A
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Masato Sagawa
Setsuo Fujimura
Yutaka Matsura
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Proterial Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はFe、希土類元素を主体とする強磁性
合金、特に新規なCo添加Fe−B−R系強磁性合
金に関する。 従来から強磁性合金の一つとして永久磁石材料
が知られている。永久磁石材料は一般家庭の各種
電気製品から、大型コンピユータの周辺端末機ま
で、幅広い分野で使われるきわめて重要な電気・
電子材料の一つである。近年の電気・電子機器の
小型化、高効率化の要求にともない、永久磁石材
料はますます高性能化が求められるようになつ
た。 現在の代表的な永久磁石材料はアルニコ、ハー
ドフエライトおよび希土類コバルト系磁石材料で
ある。最近のコバルトの原料事情の不安定化にと
もない、コバルトを20〜30重量%含むアルニコ磁
石材料の需要は減り、鉄の酸化物を主成分とする
安価なハードフエライトが磁石材料の主流を占め
るようになつた。一方、希土類コバルト系磁石材
料はコバルトを50〜65重量%も含むうえ、希土類
鉱石中にあまり含まれていないSmを使用するた
め大変高価であるが、他の磁石材料に比べて、磁
気特性が格段に高いため、主として小型で、付加
価値の高い磁気回路に多く使われるようになつ
た。 希土類を用いた磁石材料がもつと広い分野で安
価に、かつ多量に使われるようになるためには、
高価なコバルトを含まず、かつ希土類金属とし
て、鉱石中に多量に含まれている軽希土類を主成
分とすることが必要である。このような永久磁石
材料の一つの試みとして、RFe2系化合物(ただ
しRは希土類元素を示す記号)が検討された。ク
ロート(J.J.Croat)はPr0.4Fe0.6の超急冷リボン
が295KにてHc=2.8kOeの保磁力を示すことを報
告している(J.J.Croat Appl.Phys.Lett.37(12)
15 December1980,1096〜1098頁)。その後
Nd0.4Fe0.6の超急冷リボンにおいても295Kにて
Hc=7.45kOeの保磁力を示すことを報告してい
る(J.J.Croat Appl.Phys.Lett.39(4)15
August1981,357〜358頁)。しかし、これらの超
急冷リボンは、いずれも(BH)maxが低い
(4MGOe未満)。 さらに、クーン(N.C.Koon)等は(Fe0.820.1
0.9Tb0.05La0.05の超急冷アモルフアスリボンを
627℃で焼鈍すると、Hc=9 kOeにも達するこ
とを見い出した(Br=5kG)。但し、この場合、
磁化曲線の角形性が悪いため(BH)maxは低い
(N.C.Koon他,Appl.Phys.Lett.39(10),1981,
840〜842頁)。 また、カバコフ(L.Kabacoff)等は(Fe0.8
B0.21-xPrx(x=は0〜0.3原子比)の組成の超急
冷アモルフアスリボンを作製し、その非晶質合金
が50e程度のHcを有することを報告している。
(L.Kabakoff他:J.Appl.Phys.53(3),
March1982,2255〜2257頁)。 以上に示す超急冷リボンのほとんどが希土類と
しては軽希土類を主成分とするものであるが、い
ずれも従来から慣用される永久磁石材料と比べて
(BH)maxが低く、実用永久磁石材料として使
用することは困難であつた。また、これらの超急
冷リボンはそれ自体として一般のスピーカやモー
タ等に使用可能な実用永久磁石(体)ではなく、
これらのリボンから任意の形状・寸法を有する実
用永久磁石を得ることができなかつた。 本発明は、このような要請に応えるべき新規な
強磁性合金、特に永久磁石材料として有用なもの
を提供することを基本目的とする。特に、Feを
主体とし、Rとして資源的に豊富な軽希土類元素
を有効に使用できるものを得ることを目的とす
る。 このような強磁性合金として、本発明者は、先
に、Nd,Prを中心とする特定の希土類元素とFe
とBとを特定比をもつて必須とする強磁性合金、
特に磁気異方性ないし磁界中配向能力を有する、
全く新しい種類の実用強磁性合金を開発し、本願
と同一出願人により出願した(特願昭57−145072
の分割出願としての特願昭59−246897)。尚、こ
のFe−B−R三元系合金においてボロン(B)
は、従来の、例えば非晶質合金作成時の非晶質促
進元素又は粉末冶金法における焼結促進元素とし
て添加されるものではなく、Fe−B−R三元系
合金のベースとなる室温以上で磁気的に安定で高
い磁気異方性を有するR−Fe−B三元化合物の
必須構成元素である。この合金は実用上十分に高
いキユリー温度(約300℃以上)を有する。 上述のFe−B−R三元系強磁性合金は必ずし
もCoを含む必要がなく、またRとしては資源的
に豊富なNd,Prを主体とする軽希土類を用いる
ことができ、必ずしもSmを必要とせず或いはSm
を主体とする必要もないので原料が安価であり、
きわめて有用である。しかも、この強磁性合金を
用いて得られるFe−B−R系磁気異方性焼結永
久磁石の磁気特性はハードフエライト磁石以上の
特性を有し(保磁力 iHc≧1kOe,残留磁束密
度Br≧4kG,最大エネルギ積(BH)max≧
4MGOe)特に好ましい組成範囲においては希土
類コバルト磁石と同等以上の極めて高いエネルギ
積を示すことができる。 以上の通りこのFe−B−R系強磁性合金は従
来のアルニコや希土類コバルト磁石材料に置き変
わり得る新しい強磁性合金であるが、一方、この
Fe−B−R三元系強磁性合金のキユリー点(温
度)は、特願昭59−246897に開示の通り一般に
300℃前後、最高370℃である。このキユリー点
は、従来のアルニコ系ないしR−Co系の永久磁
石材料の約800℃のキユリー点と比べてかなり低
いものである。従つて、Fe−B−R系永久磁石
(材料)は、従来のアルニコ系やR−Co系磁石
(材料)に比して磁気特性の温度依存性が大であ
り、高温においては磁気特性の低下が生ずる。本
発明者の研究の結果によれば、Fe−B−R系焼
結磁石(材料)は約100℃以上の温度で使用する
とその温度特性が劣化するため、約70℃以下の通
常の温度範囲で使用することが適当であることが
判明した。 この様に永久磁石材料にとつて磁気特性の温度
依存性が大きい、即ちキユリー点が低いことはそ
の使用範囲が狭められることとなり、Fe−B−
R系永久磁石材料を広範囲の用途に使用するため
にはキユリー点を上昇せしめ、温度特性を改善す
ることが必要であつた。 本発明は、かかるFe−B−R系永久磁石材料
において、その温度特性を改良することを併せて
目的とする。 本発明はFe−B−R系強磁性合金においてキ
ユリー温度を改良する為に、Feの一部をCoで置
換することが効果的であることを知見するととも
に、Al,Ti,V,Cr,Mn,Zr,Hf,Nb,Ta,
Mo,Ge,Sb,Sn,Bi,Ni及びWよりなる群か
ら選択された特定の添加元素Mを所定%をもつて
加えることにより、先願(特願昭57−145072)に
係るFe−B−R三元系強磁性合金と同様に、前
述した目的を達成するものである。即ち、本発明
の強磁性合金は次の通りである。 第1発明:原子百分比でR(RはNdとPrの一種
又は二種)8〜30%、B2〜28%、下記所定%
以下(0%を除く)の添加元素Mの一種又は二
種以上(但し添加元素Mが二種以上のときは、
M合量は当該添加元素のうち最大所定%を有す
るものの当該所定%以下)、及び残部実質的に
Feから成り、前記Feの一部を全組成に対して
50%以下(0%を除く)のCoで置換したこと
を特徴とする強磁性合金; Al 9.5%, Ti 4.5% V 9.5%, Cr 8.5% Mn 8%, Zr 5.5% Hf 5.5%, Nb 12.5% Ta 10.5%, Mo 9.5% Ge 7%, Sb 2.5% Sn 3.5%, Bi 5% Ni 8%,及び W 9.5%。 第2発明:原子百分比でR(RはNd,Pr,Dy,
Ho,Tb,La,Ce,Gd,Yのうち少なくとも
一種で、かつRの50%以上はNdとPrの一種又
は二種)8〜30%、B2〜28%、下記所定%以
下(0%を除く)の添加元素Mの一種又は二種
以上(但し添加元素Mが二種以上のときは、M
合量は当該添加元素のうち最大所定%を有する
ものの当該所定%以下)、及び残部実質的にFe
から成り、前記Feの一部を全組成に対して50
%以下(0%を除く)のCoで置換したことを
特徴とする強磁性合金(添加元素Mの所定%は
第1発明におけるものと同じ)。 本出願人の先願に係るFe−B−R系合金と同
様に、本発明のFe−Co−B−R−M系合金を用
いて実用永久磁石を製造できる。例えば、合金を
溶成、冷却、例えば鋳造し、生成合金を粉末化し
た後磁界中にて成形し焼結することにより適当な
ミクロ組織を形成することによつて、最も効果的
に実用高性能永久磁石を得ることができる。 本発明においは、Feの一部を全組成に対して
50%以下のCoで置換することによつて(Fe,
Co)−B−R化合物を基礎とした新規なFe−Co
−B−R−M系強磁性合金を提供するものであ
る。 このCoの含有によつて、Fe−B−R系をベー
スとして実用上充分に高いキユリー点を備え温度
依存性を軽減させることができる。さらに所定の
Mを含有することによつてFe−B−R三元系と
同様に従来のハードフエライト磁性材料と同等以
上の磁気特性(保磁力等)を備えた全く新規な強
磁性合金を提供できる。Mとしては、前記の如く
Al,Ti,V,Cr,Mn,Ni,Ge,Nb,Mo,
Sb,Sn,Zr,Hf,Ta,W,Biがあり、その一
種又は二種以上を用いる。加えて、iHcは一般に
温度上昇と共に低下するが上記MのうちV,Ta,
Nb,Cr,W,Mo,Al等の含有によつて常温時
のiHcを高めることにより、高温度に曝されても
減磁が実質的に生じないようにすることができ
る。従つて、苛酷な環境、例えば磁石の薄型化に
伴う強い反磁界、コイルや他の磁石によつて加え
られる強い逆磁界、これらに加えて機器の高速
化、高負荷化による高温環境等にさらされてもこ
れらの用途に適合しうる永久磁石材料が、本発明
により提供される。Fe−B−R三元系と同様に
本発明のFe−Co−B−R−M系合金も高い異方
性磁界を示して磁界中配向能力を有するので、特
に異方性磁石用材料として有用である。 なおMとして2種以上用いる場合、M合量は、
当該添加元素のうち最大所定値を有するものの所
定%以下とし、夫々は前記の所定値以下とする。
また、このMの添加は、夫々の態様において残留
磁化Brの漸次の低下を招くので、M含有量は、
少くとも残留磁化Brが従来のハードフエライト
のBr値と同等以上の範囲としかつ従来品と同等
以上の高保磁力を示す磁気異方性磁石を提供でき
るものが本発明の対象として把握される。かくて
本発明合金は従来のフエライト磁石と同等以上の
磁気特性(エネルギ積約4MGOe以上)を示す永
久磁石を提供可能なものである。 本発明の強磁性合金において、その形態は問わ
ず、鋳塊あるいは粉体等の公知の形態の永久磁石
用の素材の他、任意の形態からなる永久磁石材料
をも包含する。 本発明の強磁性合金の組成範囲の限定理由は後
述する実施例によつて詳細に説明するが、特に本
発明を最も効果的に用いた場合、すなわち、磁気
異方性焼結永久磁石として用いた場合にハードフ
エライトと同等以上の磁気特性を得ることが可能
な組成範囲を選定した。 本発明のFe−Co−B−R−M系合金において、
R,Bの組成範囲は、本出願人の先願に係るFe
−B−R系合金の場合と基本的に同様にして定め
られる。即ち、異方性焼結体としたとき保磁力
iHc≧1kOeを満たすためBは2%以上(原子比、
以下特記なき場合同じ)とし、ハードフエライト
の残留磁束密度Br(約4kG)以上とするためにB
は28%以下とする。Rは、保磁力を1kOe以上と
するため8%以上必要であり、また燃え易く工業
的取扱、製造上の困難のため、30%以下とする。
このB,R範囲において最大エネルギ積(BH)
maxはハードフエライトと同等以上となる。 本発明の強磁性合金は、既述の8〜30%R,2
〜28%B,残部Feの全範囲において、Co及び添
加元素Mの含有の有効性が認められており、この
Fe−B−Rの範囲外では、有効ではない。 本発明の強磁性合金は工業的に入手可能な材料
を用いて製造可能であり、その出発原料として次
の如き金属を用いることができる。 希土類元素Rとしては、軽希土類及び重希土類
更にはYを包含する希土類元素であり、そのうち
所定の一種以上を用いる。即ちこのRとしては、
Nd,Pr,La,Ce,Tb,Dy,Ho,Er,Eu,
Sm,Gd,Pm,Tm,Yb,Lu及びYが包含され
る。Rとしては、Nd,Prの一種または二種をも
つて足りる。Nd,Prは資源的にSmなどに比べ
て豊富であり、しかも一般に用途が余りないた
め、余剰気味であり、このような軽希土類元素
を、本発明の強磁性合金の中心的元素とすること
は、極めて有利である。さらに、これらNd,Pr
をRの50%以上として他のDy,Ho,Tb,La,
Ce,Gd,Yのうち少なくとも一種を混合して用
いることができる。実用上は二種以上の混合物
(ミツシユメタル、ジジム等)を入手上の便宜等
の理由により用いることができる。なお、このR
は純希土類元素でなくともよく、工業上入手可能
な範囲で製造上不可避な不純物(他の希土類元
素、Ca,Mg,Fe,Ti,C,O等)を含有する
もので差支えない。 B(ホウ素)としては、純ボロン又はフエロボ
ロンを用いることができ、不純物としてAl,Si,
C等を含むものも用いることができる。 Coとしては、市販の工業用グレードのCoを用
いることができる。また、これら構成元素の2以
上から成る合金も用いることができる。 尚、本発明の強磁性合金はC,S,P,Ca,
Mg,O,Si等工業的製造上不可避な不純物の存
在を許容できる。これらの不純物は、原料或いは
製造工程から混入することが多く、合計5%以下
が好ましい。またBの一部をC,P,Si等により
置換することも可能である。 〈実施例〉 以下本発明について、実験例及び実施例を引照
しつつ詳述するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 種々の添加元素Mを含むFe−Co−B−R−M
合金(但しMは一種又は二種以上)試料を次の方
法で作成した。 合金を高周波溶解し、水冷銅鋳型に鋳造、 出発原料はFeとして純度99.9%の電解鉄、Bと
してフエロボロン合金及び99%の純度のボロンを
用い、Rとして純度99.7%以上のもの(不純物は
主として他の希土類金属)、Coとして純度99.9%
の電解Coを使用した。添加元素Mとして、純度
99%のTi,Mo,Bi,Mn,Sb,Ni,Ta,98%
のW,99.9%のAl,95%のHf,99.9%のGe,Sn,
またVとして81.2%のVを含むフエロバナジウ
ム、Nbとして67.6%のNbを含むフエロニオブ、
Crとして61.9%のCrを含むフエロクロム及びZr
として75.5%のZrを含むフエロジルコニウムを使
用した(なお純度は重量%); この合金を用いて永久磁石試料を次のように作
成した。 (1) 粉砕:スタンプミルにより35メツシユスルー
まで粗粉砕し、次いでボールミルにより3時間
磁界中配向可能な結晶粒子に微粉砕(3〜10μ
m); (2) 磁界中(10kOe)配向、成形(1.5t/cm2にて
加圧); (3) 焼結 1000〜1200℃1時間Ar中。焼結後放
冷。 多種多用な組成の上記試料について、iHc,
Br,(BH)max等の測定により詳細な磁石特性
の検討を行つた結果、CoとともにMを1種ある
いは2種以上含むFe−Co−B−R−M系合金に
おいて、高い永久磁石特性を示す領域が存在する
ことが判明した。前述の工程と同様にして製造し
た試料により、(81.5−x)Fe−10Co−8B−xNd
−0.5Alの系においてxを0〜40に変化させてNd
量とBr,iHcとの関係を調べた。その結果を第6
図に示す。さらに、(74.5−x)Fe−10Co−xB
−15Nd−0.5Alの系においてxを0〜35に変化さ
せてB量とBr,iHcとの関係を調べ、その結果を
第7図に示す。Fe−Co−B−R−M系における
B,RのBr,iHcに対する基本的傾向は、Nd以
外の希土類元素、Al以外のMの場合でも基本的
に第6,7図と同様である。第1表に代表的な試
料について、永久磁石特性として最も重要な最大
エネルギ積(BH)maxを示す。第1表中、Feは
残部であり、*は参考例を示す。尚、前記永久磁
石試料の作成工程において微粉砕後の合金(粉末
状態)での特性を調べたところ、iHcは1kOe以
上を示していた。 第1表から、Fe−Co−B−R−M系磁石は広
い組成範囲にわたつて10MGOe以上の高いエネ
ルギ積を有していることが分る。この表には主と
してNd,Prを含む合金の例を掲載したが、他の
所定Rとの組合せについても本発明合金は良好な
永久磁石特性を示す。しかし、既述の通り、Nd
やPrは、希土類鉱石中に比較的多量に含まれて
おり、ことにNdは大量に使用される用途がまだ
知られていないので、これらを主体として使用で
きることは他の希少な希土類(Sm,Y,等)を
主原料としなければならない永久磁石材料と比較
するとはるかに有利である。 Fe−Co−B−R−M系強磁性合金において、
Coは含有量が25%以下のとき(BH)maxにあま
り大きい役割を果たさない。例えば、試料No.48と
No.50,No.58とNo.60,及びNo.68とNo.70等を夫々比較
すると、これらの合金の組成差はほとんどCo量
の差だけ(1Coと10Co)で、この差によつて、
(BH)maxは1.5%程度しか違わない。Coの役割
は、これらの合金のキユリー点を上げることであ
る。 一般にFe合金へのCoの添加の際、Co添加量の
増大に従いキユリー点(Tc)が上昇するものと
下降するものと両方が認められている。そのため
FeをCoで置換することは、一般的には複雑な結
果を生来し、その結果の予測は困難である。例え
ばRFe3化合物のFeをCoで置換して行くと、Co量
の増大に併いTcはまず上昇するがFeを1/2置換し
たR(Fe0.5Co0.53付近で極大に達し、その後低下
してしまう。またFe2B合金の場合には、FeのCo
による置換によりTcは単調に低下する。 本発明によるFe−Co−B−R−M系強磁性合
金においては、第1図として例示する系(76−
x)Fe−xCo−8B−15Nd−1Mにおいて明らか
な通り、Co置換量(x)の増大に併いTcは当初
急速に増大し、以後徐々に増大する。この傾向は
Rの種類によらず同様な傾向が確認される。又
Coの置換量はわずか(例えば0.1〜1%)でもTc
増大に有効でありCoの置換量により約310〜約
750℃の任意のTcをもつ強磁性合金が得られる。
又第1図よりキユリー点はCo含有量の増大にと
もなつて大きく上昇していくことが分るが、この
傾向は添加元素Mによつてあまり変化しないこと
が確認される。 Co含有量が25%を超えると(BH)maxは徐々
に低下していき、35%を超えると急激な低下が起
こる。これは、主として磁性材料のiHcの低下に
よる。Co量が50%になると(BH)maxは
4MGOe程度(ハードフエライトのレベル)にま
で低下する。したがつて、Co量は50%が限度で
ある。さらにCo量が35%以下の方が所定量の添
加元素Mを含む場合にも(BH)maxが最高級ア
ルニコの10MGOeを超え、原料価格も低くなる
ので、望ましい。なお好ましい添加元素Mの場
合、Co35%でなお20MGOe近く出る(試料No.57,
67等)。 本発明のFe−Co−B−R−M系強磁性合金は
Coを含有しないFe−B−R三元系強磁性合金と
比較してキユリー点が高く良好な温度特性を示
し、Brはほぼ同程度、iHcは同等以上或いは少し
低いが、Co添加により角形性が改善されるため、
(Co量の多い場合を除き)(BH)maxは同等か或
いはそれ以上である。 またCoはFeに比べて耐食性を有するので、Co
を含有することにより耐食性を付与することも可
能となる。即ち、更に得られた焼結体(第1表No.
5)を80℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に200時
間置き、酸化による重量変化を測定した処、本発
明に係る試料(No.5)はCoを含まない試料(Fe
−8B−15Nd)に比べて重量増加の割合が著しく
低く、又Coの添加量に応じてその効果が顕著に
認められた。又Coは5%未満でもTc増大に寄与
し、特に5%以上でBrの温度係数約0.1%/℃以
下を示し、25%以下では他の特性を損うことな
く、Tcの増大に寄与する。 第2図に、Fe−Co−B−R−M系合金からな
る焼結磁石の代表例及び比較のためにMを含まな
いFe−Co−B−R系磁石の代表例の減磁曲線を
示す。図中1は添加元素Mを含まない磁石、2は
Nb添加(試料No.53)磁石、3はW添加(試料No.
83)磁石の減磁曲線である。 これら以外のV,Ta,Cr,Mo,Alにおいて
も同様にiHc向上効果が認められた。これらのM
添加によるiHcの向上は、磁石の安定性を増し、
その用途が拡大される。しかし、これらのMは非
磁性の元素であるため、添加量の増大によつて、
Brが低下していき、そのため(BH)maxが減少
する。(BH)maxは少し低くなつても、高いiHc
が必要とされる用途は最近ことに多くなつてきた
ため、これらのMを含む合金は大変有用である
が、但し(BH)maxは4MGOe以上の範囲が有
用である。 次に添加元素Mの夫々の添加のBrに及ぼす効
果を明らかにするため、その添加量を変化させて
実験によりBrの変化を測定し、その結果を第3
図〜第5図に示す。Bi,Mn,Niを除く添加元素
M(Ti,Zr,Hf,V,Ta,Nb,Cr,W,Mo,
Sb,Sn,Ge,Al)の添加量の上限は、第3図〜
第5図に示す通り、異方性焼結体としたときハー
ドフエライトのBr約4kGと同等以上の範囲とし
て定められる。さらに、Brの観点からの好まし
い範囲は、Brを6.5,8,10kG等の段階をもつて
区画することにより夫々第3図〜第5図から明ら
かに読むことができる。これらの図からハードフ
エライトのレベルのエネルギ積(BH)max約
4MGOeと同等以上の範囲として添加元素Mの添
加量の上限は次のようになる。 Al 9.5%, Ti 4.5% V 9.5%, Cr 8.5% Mn 8%, Zr 5.5% Hf 5.5%, Nb 12.5% Ta 10.5%, Mo 9.5% Ge 7%, Sb 2.5% Sn 3.5%, Bi 5% Ni 8%,及び W 9.5%。 Mn,Niは多量に添加すると、iHcが減少する
がNiは強磁性元素であるため。Brは余り低下し
ない(第4図参照)。そのため、Niの上限はiHc
を1kOe以上とするため8%とし、iHcの減少の
観点からはNiは4.5%以下が好ましい。Mn添加
はBr減少に与える影響はNiよりは大であるが急
激ではない。かくて、Mnの上限はiHcを1kOe以
上とするため8%とし、iHcの減少の観点からは
Mn3.5%以下が好ましい。 Biについては、その蒸気圧が極めて高くBi5%
を超える合金の製造が、事実上不可能であり5%
以下とする。 上記元素を2種以上含有する場合には、第3〜
5図に示す各添加元素の特性曲線を合成したもの
とほぼ同様なBr曲線を示す。それぞれの元素の
含有量は上記%以下で、かつ、その合量が各元素
に対する上記%の最大値以下となるようにする。 M添加量のさらに望ましい範囲は、(BH)
maxが最高級アルニコの10MGOeを越える範囲
から決められる。(BH)maxが10MGOe以上で
あるためには、Brは6.5kG以上とすることが好ま
しい。 第3図〜第5図からBrが6.5kGとなるM添加量
の上限が次のように望ましい範囲として決定され
る(但しMn,NiはiHcの観点から定められる)。 Al 7.5%, Ti 4% V 8%, Cr 6.5% Mn 3.5%, Zr 4.5% Hf 4.5%, Nb 10.5% Ta 9.5%, Mo 7.5% Ge 5.5%, Sb 1.5% Sn 2.5%, Bi 5% Ni 4.5%,及び W 7.5%。 さらにRの範囲を11〜24%、Bの範囲を4〜24
%、残部Fe(Coの置換量を35%以下)とすること
で(BH)max10MGOe以上の磁気異方性焼結永
久磁石を得ることができる。より好ましい態様に
おいて、本発明の強磁性合金は(BH)max15,
20,25,30さらに33MGOe以上の各特性を示す
磁気異方性焼結永久磁石を提供できる。 添加元素Mはその添加量の増大と共に、一般に
Brが減少しているが、好ましい範囲内では
(BH)maxはM無添加の場合と同等程度の値と
なり、最高33MGOe以上にも達する。又特定の
Mの添加による保磁力の増大は、既述の通り、そ
の磁気特性の安定化に資するのでCoによるキユ
リー点の上昇と相俟つて、実用的に極めて安定な
かつ高エネルギ積の磁気異方性焼結永久磁石が得
られる。 なおMの添加量は、Br減少傾向、(BH)max
への影響を考慮すると、0.1〜3%が最も望まし
い。又Mとしては第3図〜第5図より明らかな様
にV,Ta,Nb,Cr,W,Mo,Mn,Ni,Alは
比較的多量に添加してもBrを著しく低下させる
ことなく(例えば8%添加してもBrは4kG以
上)、特にNi,Mnを除くV,Ta,Nb,Cr,W,
Mo,Alは広い範囲においてiHc向上に寄与する。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 以上詳述の通り、本発明は、新規なFe−Co−
B−R−M系強磁性合金、即ちFeを主体とし、
またRとしても資源的に豊富であり工業上入手し
易い希土類元素(Nd,Pr)を主体とした(Fe,
Co)−B−R化合物をベースとする強磁性合金で
あり、特に永久磁石材料として有用である。これ
を用いることによりハードフエライト以上の磁気
特性を有し、Sm−Co系材料にも代替し得るFe−
Co−B−R−M系磁気異方性焼結体永久磁石の
提供も可能としたもので、工業的に極めて高い価
値をもつものである。特に永久磁石材料としての
利点は、従来のSm−Co系と対比するとその主成
分元素の点で極めて顕著になる。加えて、Fe−
B−R三元系強磁性合金と対比してみても、Co
の含有により実用上充分高いキユリー点を備え、
さらに特定の添加元素Mの含有によつて焼結磁石
の保磁力の増大も可能ならしめ、応用範囲を拡げ
実用的価値を高めることにも寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は(76−x)Fe−xCo−8B−15Nd−
1M系合金からなる異方性焼結磁石についてCo含
有量(横軸)とキユリー点(縦軸)との関係を示
すグラフ、第2図は、Mを含有しない試料
(57Fe−20Co−8B−15Nd)、試料No.53(56Fe−
20Co−8B−15Nd−1Nb)及び試料No.83(56Fe−
20Co−8B−15Nd−1W)からなる異方性焼結磁
石について、減磁曲線(横軸磁界H(kOe)、縦軸
磁化4πI(kG))を示すグラフ、第3〜5図は、
(62−x)Fe−15Co−8B−15Nd−xM系合金か
らなる異方性焼結磁石について、添加元素Mの添
加量(横軸)と残留磁化Br(kG)との関係を示
すグラフ、第6図は、(81.5−x)Fe−10Co−8B
−xNd−0.5Al系合金からなる異方性焼結磁石に
おいて、Nd量(横軸原子%)とiHc,Brとの関
係を示すグラフ、第7図は、(74.5−x)Fe−
10Co−xB−15Nd−0.5Al系合金からなる異方性
焼結磁石において、B量(横軸原子%)とiHc,
Brとの関係を示すグラフ、及び第8図は、(94.5
−x−y)Fe−5Co−yB−xNd−0.5Al系合金か
らなる異方性焼結磁石において、(94.5−x−y)
Fe−yB−xNd三成分に対する(BH)max等高
線図、を夫々に示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子百分比でR(RはNdとPrの一種又は二
    種)8〜30%、B2〜28%、下記所定%以下(0
    %を除く)の添加元素Mの一種又は二種以上(但
    し添加元素Mが二種以上のときは、M合量は当該
    添加元素のうち最大所定%を有するものの当該所
    定%以下)、及び残部実質的にFeから成り、前記
    Feの一部を全組成に対して50%以下(0%を除
    く)のCoで置換したことを特徴とする強磁性合
    金; Al 9.5%, Ti 4.5% V 9.5%, Cr 8.5% Mn 8%, Zr 5.5% Hf 5.5%, Nb 12.5% Ta 10.5%, Mo 9.5% Ge 7%, Sb 2.5% Sn 3.5%, Bi 5% Ni 8%,及び W 9.5%。 2 原子百分比でR(RはNd,Pr,Dy,Ho,
    Tb,La,Ce,Gd,Yのうち少なくとも一種で、
    かつRの50%以上はNdとPrの一種又は二種)8
    〜30%、B2〜28%、下記所定%以下(0%を除
    く)の添加元素Mの一種又は二種以上(但し添加
    元素Mが二種以上のときは、M合量は当該添加元
    素のうち最大所定%を有するものの当該所定%以
    下)、及び残部実質的にFeから成り、前記Feの一
    部を全組成に対して50%以下(0%を除く)の
    Coで置換したことを特徴とする強磁性合金; Al 9.5%, Ti 4.5% V 9.5%, Cr 8.5% Mn 8%, Zr 5.5% Hf 5.5%, Nb 12.5% Ta 10.5%, Mo 9.5% Ge 7%, Sb 2.5% Sn 3.5%, Bi 5% Ni 8%,及び W 9.5%。
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