JP2983902B2 - 超低温用永久磁石材料 - Google Patents
超低温用永久磁石材料Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、150
K以下の超低温用、特に核磁気共鳴断層撮影装置、アン
ジュレーター装置あるいは高速荷電粒子線収束装置、磁
気ベアリング等に用いられる超低温用の高保磁力、高磁
束密度永久磁石材料に係り、Fe−B−R系永久磁石材
料において、Rの50%以上がPrで少なくともRの8
0%以上はPrとNdからなる特定組成とすることによ
り、150K以下で最大エネルギー積(BH)maxが
40MGOe以上が得られる超低温用永久磁石材料に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、核磁気共鳴断層撮影装置、あるい
は高速荷電粒子線収束装置などの高磁界を発生する装置
の磁石には、液体ヘリウムを使用する超電導磁石が用い
られてきたが、ヘリウムは資源として、今後数十年で枯
渇すると言われており、超電導磁石に代わる高性能磁界
発生装置が求められている。 【0003】また、アンジュレーター装置などの用途に
は、希土類コバルト磁石が用いられている例があるが、
主成分のSm、Coは共に資源的に不足し、かつ高価で
あり、今後長期間にわたって、安定して多量に供給され
ることは困難である。そのため、従来の磁気回路の問題
点を解消し、前述の用途に適した、安価でかつ磁気回路
の組立構造及び操作の容易な超低温用永久磁石材料が切
望されてきた。 【0004】本出願人は先に、高価なSmやCoを必ず
しも含有しない新しい高性能永久磁石として、原子百分
比で8〜30%のR(但しRはYを包含する希土類元素
の少なくとも一種)、2〜28%のB及びFeから成る
磁気異方性焼結体であることを特徴とするFe−B−R
系永久磁石を提案した(特開昭59−46008号)。 【0005】また、本出願人は、上記のFe−B−R系
永久磁石のFeをCoで置換することによって温度特性
を改良したFe−B−R系永久磁石として、原子百分比
において、R8〜30%(但しRはYを包含する希土類
元素の少なくとも一種)、B2〜28%、Co50%以
下(但しCo0%を除く)、及び残部Fe及び不可避の
不純物から成る磁気異方性焼結体永久磁石を提案した
(特開昭59−64733号)。 【0006】さらに、本出願人は、前記Fe−B−R系
永久磁石に添加元素Mを含有させることによって保磁力
(iHc)を改良したFe−B−R系永久磁石として、
Ti 4.5%以下、Ni 4.5%以下(Coを含有
する場合は8.0%以下)、Bi 5%以下、V 9.
5%以下、Nb 12.5%以下、Ta 10.5%以
下、Cr 8.5%以下、Mo 9.5%以下、W
9.5%以下、Mn 3.5%以下、Mn 3.5%以
下(Coを含有する場合は8.0%以下)、Al 9.
5%以下、Sb 2.5%以下、Ge 7%以下、Sn
6.5%以下、Zr 5.5%以下、及びHf 5.
5%以下からなる添加元素Mの一種または二種以上(但
しMとして二種以上の前記添加元素を含む場合におい
て、M総量は当該添加元素のうち最大値を有するものの
原子百分比以下)を含む永久磁石を提案した(特開昭5
9−89401号及び特開昭59−132104号)。 【0007】これらのFe−B−R系永久磁石は、Rと
してNdやPrを中心とする資源的に豊富な軽希土類を
用い、Feを主成分として25MGOe以上の極めて高
いエネルギー積を示すすぐれた永久磁石である。 【0008】上記のすぐれた磁気特性を有するFe−B
−R系磁気異方性焼結体からなる永久磁石は、残留磁束
密度(Br)、保磁力(iHc)の温度係数が大きく、
低温において、特性が飛躍的に向上することを見出し
た。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかし、Fe−B−R
系永久磁石の代表的な組成を有する、RにNdを用いた
Fe−B−Nd系永久磁石は、常温並びに低温域ではす
ぐれた特性を示すが、150K以下の超低温域では、異
方性定数(Ku1)、残留磁束密度(Br)、最大エネ
ルギー積((BH)max)が低下する問題があった。 【0010】この発明は、新規なFe−B−R系永久磁
石において、特に150K以下の超低温域での異方性定
数(Ku1)、残留磁束密度(Br)、最大エネルギー
積((BH)max)を改善することを目的とし、超低
温域での用途として、例えば核磁気共鳴断層撮影装置、
アンジュレーター装置あるいは高速荷電粒子線収束装
置、磁気ベアリングなどの高磁界を発生する装置に最適
な超低温用永久磁石材料の提供を目的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段】この発明は、超低温域で
の異方性定数、残留磁束密度、最大エネルギー積が常温
時よりすぐれたFe−B−R系超低温用永久磁石を目的
に種々検討した結果、RにNdを用いたFe−B−Nd
系永久磁石は、図2及び図3に示す如く、常温並びに低
温域ではすぐれた特性を示すが、例えば150K以下の
超低温域では、Nd2Fe14B正方晶相がスピン再配列
転移を示し、磁化容易方向が正方晶のC軸からずれ、異
方性定数(Ku1)、残留磁束密度(Br)、最大エネ
ルギー積((BH)max)が低下することに着目し、
組成的に解決することを目的に種々検討した結果、Fe
−B−R系永久磁石のRの50%以上をPrとすること
により、図1に示す如く、超低温域での異方性定数、残
留磁束密度、最大エネルギー積が常温時より著しく向上
し、特に最大エネルギー積((BH)max)が40M
GOe以上の特性を示すことを知見し、この発明を完成
した。 【0012】すなわち、この発明は、Fe−B−R系
(但しRはYを含む希土類元素の少なくとも1種)永久
磁石材料において、 R 10原子%〜30原子%(但しRの少なくとも80
%以上はPrとNdからなり、かつRの50%以上がP
r)、 B 2原子%〜28原子%、 Fe 65原子%〜80原子%であり、 主相が正方晶相より構成され、150K以下で40MG
Oe以上の(BH)maxを有することを特徴とする超
低温用永久磁石材料である。 【0013】また、この発明は、Fe−B−R系(但し
RはYを含む希土類元素の少なくとも1種)永久磁石材
料において、 R 10原子%〜30原子%(但しRの少なくとも80
%以上はPrとNdからなり、かつRの50%以上がP
r)、 B 2原子%〜28原子%、 Fe及びCo 65原子%〜80原子%(但しCoはF
eの20%以下)であり、 主相が正方晶相より構成され、150K以下で40MG
Oe以上の(BH)maxを有することを特徴とする超
低温用永久磁石材料である。 【0014】また、この発明は、Fe−B−R系(但し
RはYを含む希土類元素の少なくとも1種)永久磁石材
料において、 R 10原子%〜30原子%(但しRの少なくとも80
%以上はPrとNdからなり、かつRの50%以上がP
r)、 B 2原子%〜28原子%、 Fe 65原子%〜80原子%、 Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、M
o、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、
Hfのうち1種または2種以上0.1原子%〜3原子%
(但し、Sbは2.5原子%以下、Znは1.1原子%
以下)であり、主相が正方晶相より構成され、150K
以下で40MGOe以上の(BH)maxを有すること
を特徴とする超低温用永久磁石材料である。 【0015】さらに、この発明は、Fe−B−R系(但
しRはYを含む希土類元素の少なくとも1種)永久磁石
材料において、 R 10原子%〜30原子%(但しRの少なくとも80
%以上はPrとNdからなり、かつRの50%以上がP
r)、 B 2原子%〜28原子%、 Fe及びCo 65原子%〜80原子%(但しCoはF
eの20%以下)であり、 Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、M
o、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、
Hfのうち1種または2種以上0.1原子%〜3原子%
(但し、Sbは2.5原子%以下、Znは1.1原子%
以下)であり、主相が正方晶相より構成され、150K
以下で40MGOe以上の(BH)maxを有すること
を特徴とする超低温用永久磁石材料である。 【0016】 【発明の実施の形態】この発明の永久磁石材料は、結晶
粒径が2〜40μmの範囲にある正方晶系の結晶構造を
有する化合物を主相とし、体積比で1%〜50%の非磁
性相(酸化物相を除く)を含むことを特徴とする。 【0017】また、この発明の永久磁石材料は、Rとし
てPrを中心とする資源的に豊富な軽希土類を主に用
い、Fe,B,Rを主成分とすることにより、図1に示
す如く、150K以下の超低温域で磁気特性がすぐれ、
40MGOe以上の極めて高いエネルギー積並びに高残
留磁束密度、高保磁力を有するすぐれたFe−B−R系
永久磁石を安価に得ることができる。 【0018】この発明の永久磁石材料は、液体空気や液
体窒素などの冷媒を用いて、超低温域まで冷却して使用
することにより、実施例に示す如く、最大エネルギー積
((BH)max)が40MGOe以上の特性を示す。 【0019】永久磁石材料の限定理由 この発明の永久磁石材料に用いる希土類元素Rは、組成
の10原子%〜30原子%を占め、そのRの50%以上
はPrからなり、Rの残部がPr以外のYを含む希土類
元素の少なくとも1種からなる場合は、残部の希土類元
素にNdを用いることが好ましい。また、RがPrとN
dからなる場合の他、Rの残部がPrとNd以外のYを
含む希土類元素の少なくとも1種からなる場合は、Pr
とNd以外の希土類元素はRの20%未満にすることが
好ましい。但し、いずれの場合においてもRの50%以
上がPrである必要がある。Rの原料としては、純希土
類元素でなくてもよく、工業上入手可能な範囲で製造上
不可避な不純物を含有するものでも差し支えない。 【0020】Rは、新規なFe−B−R系永久磁石材料
における必須元素であって、10原子%未満では結晶構
造がα−鉄と同一構造の立方晶組織となるため、高磁気
特性、特に高保磁力が得られず、30原子%を超えると
Rリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)
が低下して、すぐれた特性の永久磁石が得られない。よ
って、希土類元素は、10原子%〜30原子%とする。
また、PrがRの40%未満では、スピン再配列の減少
が超低温域にて発生し、超低温域において40MGOe
以上の(BH)maxが得られないため、PrはRの5
0%以上必要である。 【0021】なお、RとしてPrとNd以外のYを含む
希土類元素を含有させる場合は、その量をRの20%以
下にすることが好ましいことは先に述べたが、Sm、T
m、Erは、異方性磁場を大幅に低下させ、保磁力を劣
化させるため、できれば添加しないほうが好ましい。但
し、希土類元素は、化学的性質が似ており、精製に際し
完全に分離することが困難であるため、不純物レベルで
含む場合には差し支えない。また、Tb、Dyは正方晶
のR2Fe14B化合物の磁気異方性を大幅に向上させ、
保磁力を飛躍的に向上させるため、それらを単独あるい
は複合して、PrとNd以外のYを含む希土類元素中
(Rの20%以下の中)に40%以上含有することが好
ましい。 【0022】Bは、Fe−B−R系永久磁石材料におけ
る必須元素であって、2原子%未満では菱面体組織とな
り、高い保磁力(iHc)は得られず、28原子%を超
えるとBリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度
(Br)が低下するため、すぐれた永久磁石が得られな
い。よって、Bは2原子%〜28原子%の範囲とする。 【0023】Feは、Fe−B−R系永久磁石材料にお
いて必須元素であり、65原子%未満では残留磁束密度
(Br)が低下し、80原子%を超えると高い保磁力が
得られないので、Feは65原子%〜80原子%の含有
とする。 【0024】また、Fe−B−R系永久磁石材料におい
て、Feの一部をCoで置換することは、得られる磁石
の磁気特性を損なうことなく、温度特性を改善すること
ができるが、Co置換量がFeの20%を超えると、逆
に磁気特性が劣化するため好ましくない。Coの置換量
がFeとCoの合計量の5原子%〜15原子%の場合
は、Brは置換しない場合に比較して増加するため、高
いBrを得るためには好ましい。 【0025】また、Fe−B−R系永久磁石材料は、上
述した元素の他に、工業的生産上不可避的不純物の存在
を許容できるが、Bの一部を4.0原子%以下のC、
3.5原子%以下のP、2.5原子%以下のS、3.5
原子%以下のCuのうち少なくとも1種、合計量で4.
0原子%以下で置換することにより、得られる永久磁石
の製造性改善、低価格化が可能である。 【0026】また、Al、Ti、V、Cr、Mn、B
i、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Sn、Zr、
Ni、Si、Zn、Hfからなる添加元素は、いずれも
保磁力の向上に大きく寄与する。また、それらの元素を
選定することによって、保磁力の向上だけでなく、減磁
曲線の角型性の改善、製造性の改善、低価格化を図るこ
ともできるという作用効果を有する。特に、添加元素と
してはV、Nb、Ta、Mo、Cr、Al、Wが好まし
い。 【0027】しかし、保磁力改善のための添加に伴い、
残留磁束密度(Br)の低下を招来するので、超低温域
において、最大エネルギー積40MGOeを得るのに必
要なBr値を下回らない範囲での添加が好ましく、超低
温域にて高磁束密度を得る用途の特殊性を考慮すると、
いずれも0.1原子%〜3原子%が好ましく、特に1原
子%以下が望ましい。但し、Sbは2.5原子%、Zn
は1.1原子%以下である。なお、2種以上含有する場
合は、その最大含有量は当該添加元素のうち最大値を有
するものの原子%以下で含有させることにより、永久磁
石の高保磁力化が可能になる。 【0028】また、前記添加元素は、製造工程の原料微
粉末を得るまでの工程で添加することができる。例え
ば、添加元素を酸化物の形にて、あるいは他の元素との
混合酸化物の形にて直接還元の際に、出発原料に配合す
ることもできる。また、微粉砕工程の前に配合添加する
こともできる。結晶相は主相が正方晶であることが、微
細で均一な合金粉末より、すぐれた磁気特性を有する永
久磁石を作製するのに不可欠である。また、この発明の
永久磁石材料は、磁場中プレス成形することにより磁気
的異方性磁石が得られ、また、無磁界中でプレス成形す
ることにより、磁気的等方性磁石を得ることができる。 【0029】この発明による永久磁石は、液体空気など
の超低温域において、保磁力iHc≧10kOe、残留
磁束密度Br>11kGを示し、最大エネルギー積(B
H)maxは40MGOe以上を示し、最も好ましい組
成範囲ではその最大値は50MGOe以上に達する。ま
た、この発明の永久磁石材料のRの50%以上をPrを
主とする軽希土類金属が占める場合で、R 12.5原
子%〜21原子%、B 5原子%〜15原子%、Fe
74原子%〜80原子%を主成分とするとき、焼結磁石
で超低温域において、(BH)maxが40MGOe以
上のすぐれた磁気特性を示し、特に軽希土類元素がPr
とNdで、Prが両者の合計量の40%以上の場合に
は、(BH)maxは77Kにおいても、その最大値が
40MGOe以上に達する。 【0030】 【実施例】出発原料として、純度99.9%の電解鉄、
純度99.5%以上のB、純度99.9%以上の電解C
o、純度99.7%以上の希土類元素を使用し、さら
に、純度99.5%以上の添加元素を使用し、これらを
第1表に示す組成合金となる如く配合し、これらを高周
波溶解しその後水冷銅鋳型に鋳造し、第1表の各組成の
鋳塊を得た。なお、第1表において、組成No.4,
5,9〜15,17〜22,24が特許請求の範囲に限
定する範囲のものであり、他の*印のNo.は発明者ら
が知見した新規な組成を示す参考例である。 【0031】その後、インゴットをスタンプミルにより
粗粉砕し、次にボールミルにより微粉砕して粒度2μm
の微粉末を得た。この微粉末を金型に挿入して10kO
eの磁界中で配向し、磁界に直角方法に1ton/cm
2の圧力で成形した。得られた成形体を、1060℃、
1.5時間、Ar雰囲気中の条件で焼結し、その後放冷
し、さらにAr中での800℃で1時間と630℃で
1.5時間の2段時効処理を施して、永久磁石を作製し
た。 【0032】得られた各永久磁石材料のBr、(BH)
maxの値を、振動型磁力計(VSM)を用いて77K
の温度にて測定した。表1にその結果を示す。なお、
(BH)maxについては室温時における測定結果を併
記する。また、表1の本発明組成No.1、No.2及
び比較例のNo.27については、77K〜300Kの
温度変化と最大エネルギー積の関係を測定して図4に示
す。なお、図4には、組成No.1は実線●印、組成N
o.2は実線○印、組成No.27は実線△印で表示し
てある。さらに、図5には、本発明組成No.3の永久
磁石材料の77Kにおける減磁曲線を示す。 【0033】表1及び図5から明らかなように、この発
明による永久磁石材料は、超低温域において、磁気特性
が大きく向上し、核磁気共鳴断層撮影装置、アンジュレ
ーター装置あるいは高速荷電粒子線収束装置、磁気ベア
リング等に用いられる超低温用高保磁力高時速密度永久
磁石材料に最適なことが分かる。 【0034】 【表1】 【0035】 【発明の効果】この発明によるFe−B−R系永久磁石
材料は、Rの50%以上がPrで少なくともRの80%
以上はPrとNdからなる特定組成とすることにより、
150K以下の超低温域でも、異方性定数、残留磁束密
度、最大エネルギー積が常温時より著しく向上し、特に
最大エネルギー積((BH)max)が40MGOe以
上の特性を示し、特に核磁気共鳴断層撮影装置、アンジ
ュレーター装置あるいは高速荷電粒子線収束装置、磁気
ベアリング等の用途に最適である。
K以下の超低温用、特に核磁気共鳴断層撮影装置、アン
ジュレーター装置あるいは高速荷電粒子線収束装置、磁
気ベアリング等に用いられる超低温用の高保磁力、高磁
束密度永久磁石材料に係り、Fe−B−R系永久磁石材
料において、Rの50%以上がPrで少なくともRの8
0%以上はPrとNdからなる特定組成とすることによ
り、150K以下で最大エネルギー積(BH)maxが
40MGOe以上が得られる超低温用永久磁石材料に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、核磁気共鳴断層撮影装置、あるい
は高速荷電粒子線収束装置などの高磁界を発生する装置
の磁石には、液体ヘリウムを使用する超電導磁石が用い
られてきたが、ヘリウムは資源として、今後数十年で枯
渇すると言われており、超電導磁石に代わる高性能磁界
発生装置が求められている。 【0003】また、アンジュレーター装置などの用途に
は、希土類コバルト磁石が用いられている例があるが、
主成分のSm、Coは共に資源的に不足し、かつ高価で
あり、今後長期間にわたって、安定して多量に供給され
ることは困難である。そのため、従来の磁気回路の問題
点を解消し、前述の用途に適した、安価でかつ磁気回路
の組立構造及び操作の容易な超低温用永久磁石材料が切
望されてきた。 【0004】本出願人は先に、高価なSmやCoを必ず
しも含有しない新しい高性能永久磁石として、原子百分
比で8〜30%のR(但しRはYを包含する希土類元素
の少なくとも一種)、2〜28%のB及びFeから成る
磁気異方性焼結体であることを特徴とするFe−B−R
系永久磁石を提案した(特開昭59−46008号)。 【0005】また、本出願人は、上記のFe−B−R系
永久磁石のFeをCoで置換することによって温度特性
を改良したFe−B−R系永久磁石として、原子百分比
において、R8〜30%(但しRはYを包含する希土類
元素の少なくとも一種)、B2〜28%、Co50%以
下(但しCo0%を除く)、及び残部Fe及び不可避の
不純物から成る磁気異方性焼結体永久磁石を提案した
(特開昭59−64733号)。 【0006】さらに、本出願人は、前記Fe−B−R系
永久磁石に添加元素Mを含有させることによって保磁力
(iHc)を改良したFe−B−R系永久磁石として、
Ti 4.5%以下、Ni 4.5%以下(Coを含有
する場合は8.0%以下)、Bi 5%以下、V 9.
5%以下、Nb 12.5%以下、Ta 10.5%以
下、Cr 8.5%以下、Mo 9.5%以下、W
9.5%以下、Mn 3.5%以下、Mn 3.5%以
下(Coを含有する場合は8.0%以下)、Al 9.
5%以下、Sb 2.5%以下、Ge 7%以下、Sn
6.5%以下、Zr 5.5%以下、及びHf 5.
5%以下からなる添加元素Mの一種または二種以上(但
しMとして二種以上の前記添加元素を含む場合におい
て、M総量は当該添加元素のうち最大値を有するものの
原子百分比以下)を含む永久磁石を提案した(特開昭5
9−89401号及び特開昭59−132104号)。 【0007】これらのFe−B−R系永久磁石は、Rと
してNdやPrを中心とする資源的に豊富な軽希土類を
用い、Feを主成分として25MGOe以上の極めて高
いエネルギー積を示すすぐれた永久磁石である。 【0008】上記のすぐれた磁気特性を有するFe−B
−R系磁気異方性焼結体からなる永久磁石は、残留磁束
密度(Br)、保磁力(iHc)の温度係数が大きく、
低温において、特性が飛躍的に向上することを見出し
た。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかし、Fe−B−R
系永久磁石の代表的な組成を有する、RにNdを用いた
Fe−B−Nd系永久磁石は、常温並びに低温域ではす
ぐれた特性を示すが、150K以下の超低温域では、異
方性定数(Ku1)、残留磁束密度(Br)、最大エネ
ルギー積((BH)max)が低下する問題があった。 【0010】この発明は、新規なFe−B−R系永久磁
石において、特に150K以下の超低温域での異方性定
数(Ku1)、残留磁束密度(Br)、最大エネルギー
積((BH)max)を改善することを目的とし、超低
温域での用途として、例えば核磁気共鳴断層撮影装置、
アンジュレーター装置あるいは高速荷電粒子線収束装
置、磁気ベアリングなどの高磁界を発生する装置に最適
な超低温用永久磁石材料の提供を目的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段】この発明は、超低温域で
の異方性定数、残留磁束密度、最大エネルギー積が常温
時よりすぐれたFe−B−R系超低温用永久磁石を目的
に種々検討した結果、RにNdを用いたFe−B−Nd
系永久磁石は、図2及び図3に示す如く、常温並びに低
温域ではすぐれた特性を示すが、例えば150K以下の
超低温域では、Nd2Fe14B正方晶相がスピン再配列
転移を示し、磁化容易方向が正方晶のC軸からずれ、異
方性定数(Ku1)、残留磁束密度(Br)、最大エネ
ルギー積((BH)max)が低下することに着目し、
組成的に解決することを目的に種々検討した結果、Fe
−B−R系永久磁石のRの50%以上をPrとすること
により、図1に示す如く、超低温域での異方性定数、残
留磁束密度、最大エネルギー積が常温時より著しく向上
し、特に最大エネルギー積((BH)max)が40M
GOe以上の特性を示すことを知見し、この発明を完成
した。 【0012】すなわち、この発明は、Fe−B−R系
(但しRはYを含む希土類元素の少なくとも1種)永久
磁石材料において、 R 10原子%〜30原子%(但しRの少なくとも80
%以上はPrとNdからなり、かつRの50%以上がP
r)、 B 2原子%〜28原子%、 Fe 65原子%〜80原子%であり、 主相が正方晶相より構成され、150K以下で40MG
Oe以上の(BH)maxを有することを特徴とする超
低温用永久磁石材料である。 【0013】また、この発明は、Fe−B−R系(但し
RはYを含む希土類元素の少なくとも1種)永久磁石材
料において、 R 10原子%〜30原子%(但しRの少なくとも80
%以上はPrとNdからなり、かつRの50%以上がP
r)、 B 2原子%〜28原子%、 Fe及びCo 65原子%〜80原子%(但しCoはF
eの20%以下)であり、 主相が正方晶相より構成され、150K以下で40MG
Oe以上の(BH)maxを有することを特徴とする超
低温用永久磁石材料である。 【0014】また、この発明は、Fe−B−R系(但し
RはYを含む希土類元素の少なくとも1種)永久磁石材
料において、 R 10原子%〜30原子%(但しRの少なくとも80
%以上はPrとNdからなり、かつRの50%以上がP
r)、 B 2原子%〜28原子%、 Fe 65原子%〜80原子%、 Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、M
o、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、
Hfのうち1種または2種以上0.1原子%〜3原子%
(但し、Sbは2.5原子%以下、Znは1.1原子%
以下)であり、主相が正方晶相より構成され、150K
以下で40MGOe以上の(BH)maxを有すること
を特徴とする超低温用永久磁石材料である。 【0015】さらに、この発明は、Fe−B−R系(但
しRはYを含む希土類元素の少なくとも1種)永久磁石
材料において、 R 10原子%〜30原子%(但しRの少なくとも80
%以上はPrとNdからなり、かつRの50%以上がP
r)、 B 2原子%〜28原子%、 Fe及びCo 65原子%〜80原子%(但しCoはF
eの20%以下)であり、 Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、M
o、W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、
Hfのうち1種または2種以上0.1原子%〜3原子%
(但し、Sbは2.5原子%以下、Znは1.1原子%
以下)であり、主相が正方晶相より構成され、150K
以下で40MGOe以上の(BH)maxを有すること
を特徴とする超低温用永久磁石材料である。 【0016】 【発明の実施の形態】この発明の永久磁石材料は、結晶
粒径が2〜40μmの範囲にある正方晶系の結晶構造を
有する化合物を主相とし、体積比で1%〜50%の非磁
性相(酸化物相を除く)を含むことを特徴とする。 【0017】また、この発明の永久磁石材料は、Rとし
てPrを中心とする資源的に豊富な軽希土類を主に用
い、Fe,B,Rを主成分とすることにより、図1に示
す如く、150K以下の超低温域で磁気特性がすぐれ、
40MGOe以上の極めて高いエネルギー積並びに高残
留磁束密度、高保磁力を有するすぐれたFe−B−R系
永久磁石を安価に得ることができる。 【0018】この発明の永久磁石材料は、液体空気や液
体窒素などの冷媒を用いて、超低温域まで冷却して使用
することにより、実施例に示す如く、最大エネルギー積
((BH)max)が40MGOe以上の特性を示す。 【0019】永久磁石材料の限定理由 この発明の永久磁石材料に用いる希土類元素Rは、組成
の10原子%〜30原子%を占め、そのRの50%以上
はPrからなり、Rの残部がPr以外のYを含む希土類
元素の少なくとも1種からなる場合は、残部の希土類元
素にNdを用いることが好ましい。また、RがPrとN
dからなる場合の他、Rの残部がPrとNd以外のYを
含む希土類元素の少なくとも1種からなる場合は、Pr
とNd以外の希土類元素はRの20%未満にすることが
好ましい。但し、いずれの場合においてもRの50%以
上がPrである必要がある。Rの原料としては、純希土
類元素でなくてもよく、工業上入手可能な範囲で製造上
不可避な不純物を含有するものでも差し支えない。 【0020】Rは、新規なFe−B−R系永久磁石材料
における必須元素であって、10原子%未満では結晶構
造がα−鉄と同一構造の立方晶組織となるため、高磁気
特性、特に高保磁力が得られず、30原子%を超えると
Rリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度(Br)
が低下して、すぐれた特性の永久磁石が得られない。よ
って、希土類元素は、10原子%〜30原子%とする。
また、PrがRの40%未満では、スピン再配列の減少
が超低温域にて発生し、超低温域において40MGOe
以上の(BH)maxが得られないため、PrはRの5
0%以上必要である。 【0021】なお、RとしてPrとNd以外のYを含む
希土類元素を含有させる場合は、その量をRの20%以
下にすることが好ましいことは先に述べたが、Sm、T
m、Erは、異方性磁場を大幅に低下させ、保磁力を劣
化させるため、できれば添加しないほうが好ましい。但
し、希土類元素は、化学的性質が似ており、精製に際し
完全に分離することが困難であるため、不純物レベルで
含む場合には差し支えない。また、Tb、Dyは正方晶
のR2Fe14B化合物の磁気異方性を大幅に向上させ、
保磁力を飛躍的に向上させるため、それらを単独あるい
は複合して、PrとNd以外のYを含む希土類元素中
(Rの20%以下の中)に40%以上含有することが好
ましい。 【0022】Bは、Fe−B−R系永久磁石材料におけ
る必須元素であって、2原子%未満では菱面体組織とな
り、高い保磁力(iHc)は得られず、28原子%を超
えるとBリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度
(Br)が低下するため、すぐれた永久磁石が得られな
い。よって、Bは2原子%〜28原子%の範囲とする。 【0023】Feは、Fe−B−R系永久磁石材料にお
いて必須元素であり、65原子%未満では残留磁束密度
(Br)が低下し、80原子%を超えると高い保磁力が
得られないので、Feは65原子%〜80原子%の含有
とする。 【0024】また、Fe−B−R系永久磁石材料におい
て、Feの一部をCoで置換することは、得られる磁石
の磁気特性を損なうことなく、温度特性を改善すること
ができるが、Co置換量がFeの20%を超えると、逆
に磁気特性が劣化するため好ましくない。Coの置換量
がFeとCoの合計量の5原子%〜15原子%の場合
は、Brは置換しない場合に比較して増加するため、高
いBrを得るためには好ましい。 【0025】また、Fe−B−R系永久磁石材料は、上
述した元素の他に、工業的生産上不可避的不純物の存在
を許容できるが、Bの一部を4.0原子%以下のC、
3.5原子%以下のP、2.5原子%以下のS、3.5
原子%以下のCuのうち少なくとも1種、合計量で4.
0原子%以下で置換することにより、得られる永久磁石
の製造性改善、低価格化が可能である。 【0026】また、Al、Ti、V、Cr、Mn、B
i、Nb、Ta、Mo、W、Sb、Ge、Sn、Zr、
Ni、Si、Zn、Hfからなる添加元素は、いずれも
保磁力の向上に大きく寄与する。また、それらの元素を
選定することによって、保磁力の向上だけでなく、減磁
曲線の角型性の改善、製造性の改善、低価格化を図るこ
ともできるという作用効果を有する。特に、添加元素と
してはV、Nb、Ta、Mo、Cr、Al、Wが好まし
い。 【0027】しかし、保磁力改善のための添加に伴い、
残留磁束密度(Br)の低下を招来するので、超低温域
において、最大エネルギー積40MGOeを得るのに必
要なBr値を下回らない範囲での添加が好ましく、超低
温域にて高磁束密度を得る用途の特殊性を考慮すると、
いずれも0.1原子%〜3原子%が好ましく、特に1原
子%以下が望ましい。但し、Sbは2.5原子%、Zn
は1.1原子%以下である。なお、2種以上含有する場
合は、その最大含有量は当該添加元素のうち最大値を有
するものの原子%以下で含有させることにより、永久磁
石の高保磁力化が可能になる。 【0028】また、前記添加元素は、製造工程の原料微
粉末を得るまでの工程で添加することができる。例え
ば、添加元素を酸化物の形にて、あるいは他の元素との
混合酸化物の形にて直接還元の際に、出発原料に配合す
ることもできる。また、微粉砕工程の前に配合添加する
こともできる。結晶相は主相が正方晶であることが、微
細で均一な合金粉末より、すぐれた磁気特性を有する永
久磁石を作製するのに不可欠である。また、この発明の
永久磁石材料は、磁場中プレス成形することにより磁気
的異方性磁石が得られ、また、無磁界中でプレス成形す
ることにより、磁気的等方性磁石を得ることができる。 【0029】この発明による永久磁石は、液体空気など
の超低温域において、保磁力iHc≧10kOe、残留
磁束密度Br>11kGを示し、最大エネルギー積(B
H)maxは40MGOe以上を示し、最も好ましい組
成範囲ではその最大値は50MGOe以上に達する。ま
た、この発明の永久磁石材料のRの50%以上をPrを
主とする軽希土類金属が占める場合で、R 12.5原
子%〜21原子%、B 5原子%〜15原子%、Fe
74原子%〜80原子%を主成分とするとき、焼結磁石
で超低温域において、(BH)maxが40MGOe以
上のすぐれた磁気特性を示し、特に軽希土類元素がPr
とNdで、Prが両者の合計量の40%以上の場合に
は、(BH)maxは77Kにおいても、その最大値が
40MGOe以上に達する。 【0030】 【実施例】出発原料として、純度99.9%の電解鉄、
純度99.5%以上のB、純度99.9%以上の電解C
o、純度99.7%以上の希土類元素を使用し、さら
に、純度99.5%以上の添加元素を使用し、これらを
第1表に示す組成合金となる如く配合し、これらを高周
波溶解しその後水冷銅鋳型に鋳造し、第1表の各組成の
鋳塊を得た。なお、第1表において、組成No.4,
5,9〜15,17〜22,24が特許請求の範囲に限
定する範囲のものであり、他の*印のNo.は発明者ら
が知見した新規な組成を示す参考例である。 【0031】その後、インゴットをスタンプミルにより
粗粉砕し、次にボールミルにより微粉砕して粒度2μm
の微粉末を得た。この微粉末を金型に挿入して10kO
eの磁界中で配向し、磁界に直角方法に1ton/cm
2の圧力で成形した。得られた成形体を、1060℃、
1.5時間、Ar雰囲気中の条件で焼結し、その後放冷
し、さらにAr中での800℃で1時間と630℃で
1.5時間の2段時効処理を施して、永久磁石を作製し
た。 【0032】得られた各永久磁石材料のBr、(BH)
maxの値を、振動型磁力計(VSM)を用いて77K
の温度にて測定した。表1にその結果を示す。なお、
(BH)maxについては室温時における測定結果を併
記する。また、表1の本発明組成No.1、No.2及
び比較例のNo.27については、77K〜300Kの
温度変化と最大エネルギー積の関係を測定して図4に示
す。なお、図4には、組成No.1は実線●印、組成N
o.2は実線○印、組成No.27は実線△印で表示し
てある。さらに、図5には、本発明組成No.3の永久
磁石材料の77Kにおける減磁曲線を示す。 【0033】表1及び図5から明らかなように、この発
明による永久磁石材料は、超低温域において、磁気特性
が大きく向上し、核磁気共鳴断層撮影装置、アンジュレ
ーター装置あるいは高速荷電粒子線収束装置、磁気ベア
リング等に用いられる超低温用高保磁力高時速密度永久
磁石材料に最適なことが分かる。 【0034】 【表1】 【0035】 【発明の効果】この発明によるFe−B−R系永久磁石
材料は、Rの50%以上がPrで少なくともRの80%
以上はPrとNdからなる特定組成とすることにより、
150K以下の超低温域でも、異方性定数、残留磁束密
度、最大エネルギー積が常温時より著しく向上し、特に
最大エネルギー積((BH)max)が40MGOe以
上の特性を示し、特に核磁気共鳴断層撮影装置、アンジ
ュレーター装置あるいは高速荷電粒子線収束装置、磁気
ベアリング等の用途に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による永久磁石材料の温度変化と磁気
特性の関係を示すグラフである。 【図2】比較永久磁石材料の温度変化と磁気特性の関係
を示すグラフである。 【図3】比較永久磁石材料の温度変化と最大エネルギー
積の関係を示すグラフである。 【図4】この発明による永久磁石材料及び比較永久磁石
材料の温度変化と最大エネルギー積の関係を示すグラフ
である。 【図5】第1表の本発明組成No.3の永久磁石材料の
77Kにおける減磁曲線を示すグラフである。
特性の関係を示すグラフである。 【図2】比較永久磁石材料の温度変化と磁気特性の関係
を示すグラフである。 【図3】比較永久磁石材料の温度変化と最大エネルギー
積の関係を示すグラフである。 【図4】この発明による永久磁石材料及び比較永久磁石
材料の温度変化と最大エネルギー積の関係を示すグラフ
である。 【図5】第1表の本発明組成No.3の永久磁石材料の
77Kにおける減磁曲線を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 藤村 節夫
大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17
住友特殊金属株式会社 山崎製作所内
(72)発明者 松浦 裕
大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17
住友特殊金属株式会社 山崎製作所内
(72)発明者 佐川 真人
大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17
住友特殊金属株式会社 山崎製作所内
(56)参考文献 特開 昭60−32306(JP,A)
特開 昭60−34005(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.Fe−B−R系(但しRはYを含む希土類元素の少
なくとも1種)永久磁石材料において、R 10原子%
〜30原子%(但しRの少なくとも80%以上はPrと
Ndからなり、かつRの50%以上がPr)、B 2原
子%〜28原子%、Fe 65原子%〜80原子%であ
り、主相が正方晶相より構成され、150K以下で40
MGOe以上の(BH)maxを有することを特徴とす
る超低温用永久磁石材料。 2.Fe−B−R系(但しRはYを含む希土類元素の少
なくとも1種)永久磁石材料において、R 10原子%
〜30原子%(但しRの少なくとも80%以上はPrと
Ndからなり、かつRの50%以上がPr)、B 2原
子%〜28原子%、Fe及びCo 65原子%〜80原
子%(但しCoはFeの20%以下)であり、主相が正
方晶相より構成され、150K以下で40MGOe以上
の(BH)maxを有することを特徴とする超低温用永
久磁石材料。 3.Fe−B−R系(但しRはYを含む希土類元素の少
なくとも1種)永久磁石材料において、R 10原子%
〜30原子%(但しRの少なくとも80%以上はPrと
Ndからなり、かつRの50%以上がPr)、B 2原
子%〜28原子%、Fe 65原子%〜80原子%、A
l、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、
W、Sb、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、Hf
のうち1種または2種以上0.1原子%〜3原子%(但
し、Sbは2.5原子%以下、Znは1.1原子%以
下)であり、主相が正方晶相より構成され、150K以
下で40MGOe以上の(BH)maxを有することを
特徴とする超低温用永久磁石材料。 4.Fe−B−R系(但しRはYを含む希土類元素の少
なくとも1種)永久磁石材料において、R 10原子%
〜30原子%(但しRの少なくとも80%以上はPrと
Ndからなり、かつRの50%以上がPr)、B 2原
子%〜28原子%、Fe及びCo 65原子%〜80原
子%(但しCoはFeの20%以下)であり、Al、T
i、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、S
b、Ge、Sn、Zr、Ni、Si、Zn、Hfのうち
1種または2種以上0.1原子%〜3原子%(但し、S
bは2.5原子%以下、Znは1.1原子%以下)であ
り、主相が正方晶相より構成され、150K以下で40
MGOe以上の(BH)maxを有することを特徴とす
る超低温用永久磁石材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8115805A JP2983902B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 超低温用永久磁石材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8115805A JP2983902B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 超低温用永久磁石材料 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60085256A Division JP2720027B2 (ja) | 1985-04-19 | 1985-04-19 | 超低温用永久磁石材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09106903A JPH09106903A (ja) | 1997-04-22 |
JP2983902B2 true JP2983902B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=14671530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP8115805A Expired - Fee Related JP2983902B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 超低温用永久磁石材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2983902B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110853855B (zh) * | 2019-11-21 | 2021-08-27 | 厦门钨业股份有限公司 | 一种r-t-b系永磁材料及其制备方法和应用 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6032306A (ja) * | 1983-08-02 | 1985-02-19 | Sumitomo Special Metals Co Ltd | 永久磁石 |
JPS6034005A (ja) * | 1983-08-04 | 1985-02-21 | Sumitomo Special Metals Co Ltd | 永久磁石 |
-
1996
- 1996-04-12 JP JP8115805A patent/JP2983902B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09106903A (ja) | 1997-04-22 |
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