JPH06256913A - 永久磁石材料 - Google Patents
永久磁石材料Info
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- JPH06256913A JPH06256913A JP5208141A JP20814193A JPH06256913A JP H06256913 A JPH06256913 A JP H06256913A JP 5208141 A JP5208141 A JP 5208141A JP 20814193 A JP20814193 A JP 20814193A JP H06256913 A JPH06256913 A JP H06256913A
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- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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- H01F1/04—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
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- H01F1/053—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
- H01F1/055—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
- H01F1/057—Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
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- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
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- Power Engineering (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)とし
たとき原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但し、R1>5%)
を満足し原子百分比でR12.5〜20%、B 4〜20%、及び残
部Fe及び不可避の不純物から成り(R1,R2)2Fe14B
化合物を主相としBrの温度係数の絶対値が0.08%/℃
以下である永久磁石材料(但し、R1はDy、R2はNd
とPrの1種以上の合計が80%以上で、残りはDy,
Tb,Ho,Nd,Pr以外のYを包含する他の希土類
元素の少なくとも一種)。またMo,Nb,Al,Vな
どの添加元素を含むこともできる。 【効果】残留磁束密度Brの温度係数を低くし実質的に
零にもでき、かつエネルギー積20MGOe以上の温度
特性に優れたFeBR系永久磁石材料を提供する。
たとき原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但し、R1>5%)
を満足し原子百分比でR12.5〜20%、B 4〜20%、及び残
部Fe及び不可避の不純物から成り(R1,R2)2Fe14B
化合物を主相としBrの温度係数の絶対値が0.08%/℃
以下である永久磁石材料(但し、R1はDy、R2はNd
とPrの1種以上の合計が80%以上で、残りはDy,
Tb,Ho,Nd,Pr以外のYを包含する他の希土類
元素の少なくとも一種)。またMo,Nb,Al,Vな
どの添加元素を含むこともできる。 【効果】残留磁束密度Brの温度係数を低くし実質的に
零にもでき、かつエネルギー積20MGOe以上の温度
特性に優れたFeBR系永久磁石材料を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高価で資源希少なコバル
トを全く使用しない、磁石特性の温度係数のすぐれた希
土類・鉄・ボロン系高性能永久磁石材料に関する。
トを全く使用しない、磁石特性の温度係数のすぐれた希
土類・鉄・ボロン系高性能永久磁石材料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の代表的な永久磁石材料はアルニ
コ、ハードフェライトおよび希土類コバルト磁石材料で
ある。最近のコバルトの原料事情の不安定化にともな
い、コバルトを20〜30重量%含むアルニコ磁石の需要は
減り、鉄の酸化物を主成分とする安価なハードフェライ
トが磁石材料の主流を占めるようになった。一方、希土
類コバルト磁石は最大エネルギー積20MGOe以上を有する
高性能磁石であるが、コバルトを50〜65重量%も含むう
え、希土類鉱石中にあまり含まれていないSmを多量に
使用するため大変高価である。しかし、他の磁石に比べ
て、磁気特性が格段に高いため、主として小型で、付加
価値の高い磁気回路に多く使われるようになった。
コ、ハードフェライトおよび希土類コバルト磁石材料で
ある。最近のコバルトの原料事情の不安定化にともな
い、コバルトを20〜30重量%含むアルニコ磁石の需要は
減り、鉄の酸化物を主成分とする安価なハードフェライ
トが磁石材料の主流を占めるようになった。一方、希土
類コバルト磁石は最大エネルギー積20MGOe以上を有する
高性能磁石であるが、コバルトを50〜65重量%も含むう
え、希土類鉱石中にあまり含まれていないSmを多量に
使用するため大変高価である。しかし、他の磁石に比べ
て、磁気特性が格段に高いため、主として小型で、付加
価値の高い磁気回路に多く使われるようになった。
【0003】本出願人は先に高価なSmやCoを含有し
ない新しい高性能永久磁石としてFe−B−R系、Fe
−B−R−M系(RはYを含む希土類元素のうち少なく
とも1種、Mは添加元素)永久磁石を提案した。(特開
昭59−46008号、特開昭59−89401号)
ない新しい高性能永久磁石としてFe−B−R系、Fe
−B−R−M系(RはYを含む希土類元素のうち少なく
とも1種、Mは添加元素)永久磁石を提案した。(特開
昭59−46008号、特開昭59−89401号)
【0004】しかしながら、前記Fe−B−R系、Fe
−B−R−M系合金の残留磁化Brの室温附近での温度
係数αは多くのSm−Co系に比べて劣っていた。これ
は前記合金のキュリー点が一般に300℃前後〜370
℃と低いためであった。
−B−R−M系合金の残留磁化Brの室温附近での温度
係数αは多くのSm−Co系に比べて劣っていた。これ
は前記合金のキュリー点が一般に300℃前後〜370
℃と低いためであった。
【0005】また本出願人は、前記合金のキュリー点を
上昇し、磁石合金の磁石特性の温度係数改善のため、C
oを含有した磁石合金をも提案した(特開昭59−64
733号、特開昭59−132104号)。
上昇し、磁石合金の磁石特性の温度係数改善のため、C
oを含有した磁石合金をも提案した(特開昭59−64
733号、特開昭59−132104号)。
【0006】
【本発明により解決すべき課題】しかしながら前記Co
含有のFe−Co−B−R系、Fe−Co−B−R−M
系合金は磁石特性の温度係数の安定化に有効であるが、
Coの量を多くすると磁石特性の劣化(特に保持力の減
少)を招来するため、Co添加によるBrの温度係数α
の改善はα=−0.08%/℃程度が限度であった。
含有のFe−Co−B−R系、Fe−Co−B−R−M
系合金は磁石特性の温度係数の安定化に有効であるが、
Coの量を多くすると磁石特性の劣化(特に保持力の減
少)を招来するため、Co添加によるBrの温度係数α
の改善はα=−0.08%/℃程度が限度であった。
【0007】航空機用計測機などの高度の付加価値のあ
る用途には更に高度の温度安定性が保持力、Brを含め
た磁石特性に要求される。
る用途には更に高度の温度安定性が保持力、Brを含め
た磁石特性に要求される。
【0008】本発明は上述の高度な温度安定性の要求を
充足するべくさらに従来のFeBR系ないしFeBRM
系磁石材料を改良することを基本的目的とする。
充足するべくさらに従来のFeBR系ないしFeBRM
系磁石材料を改良することを基本的目的とする。
【0009】
【発明による課題の解決手段】本発明によれば、上述の
目的は下記の永久磁石材料(1)により達成される。 (1) 下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)としたと
き原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但し、R1>5%)を満
足し原子百分比でR12.5〜20%、B 4〜20%、及び残部F
e及び不可避の不純物から成り、(R1,R2)2Fe14
B化合物を主相としBrの温度係数0.08%/℃以下であ
る永久磁石材料(但し、R1はDy、R2はNdとPrの
1種以上の合計が80%以上で、残りはDy,Tb,H
o,Nd,Pr以外のYを包含する他の希土類元素の少
なくとも一種)。
目的は下記の永久磁石材料(1)により達成される。 (1) 下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)としたと
き原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但し、R1>5%)を満
足し原子百分比でR12.5〜20%、B 4〜20%、及び残部F
e及び不可避の不純物から成り、(R1,R2)2Fe14
B化合物を主相としBrの温度係数0.08%/℃以下であ
る永久磁石材料(但し、R1はDy、R2はNdとPrの
1種以上の合計が80%以上で、残りはDy,Tb,H
o,Nd,Pr以外のYを包含する他の希土類元素の少
なくとも一種)。
【0010】さらに、本発明の第2の視点として、上記
永久磁石材料(1)において、Feに部分的に代わり下記
の所定%以下の添加元素Mの一種以上(但し、Mとして
二種以上の前記添加元素を含む場合は、M合量は当該の
添加元素のうち最大値を有するものの原子百分比以下)
を含む永久磁石材料が提供される。
永久磁石材料(1)において、Feに部分的に代わり下記
の所定%以下の添加元素Mの一種以上(但し、Mとして
二種以上の前記添加元素を含む場合は、M合量は当該の
添加元素のうち最大値を有するものの原子百分比以下)
を含む永久磁石材料が提供される。
【0011】添加元素Mは下記の通りである:Ti 3
%、 Zr 3.3%、Hf 3.3%、 Cr 4.5
%、Mn 5 %、 Ni 6 %、Ta 7 %、
Ge 3.5%、Sn 1.5%、 Sb 1 %、Bi
5 %、 Mo 5.2%、Nb 9 %、 Al 5
%、V 5.5%、 W 5 %、Si 5.0%、
Zn 0.5% )。
%、 Zr 3.3%、Hf 3.3%、 Cr 4.5
%、Mn 5 %、 Ni 6 %、Ta 7 %、
Ge 3.5%、Sn 1.5%、 Sb 1 %、Bi
5 %、 Mo 5.2%、Nb 9 %、 Al 5
%、V 5.5%、 W 5 %、Si 5.0%、
Zn 0.5% )。
【0012】
【好適な態称に基づく発明の開示及び作用】以下に本発
明をさらに詳述する。
明をさらに詳述する。
【0013】航空機に用いられる進行波管や自動誘導装
置用計器などの用途には高い保磁力と残留磁化Brの高
い温度安定性が広い温度範囲に渡って要求される。従来
のSmCo7〜8磁石などではEr等でSmを置換するこ
とによってBrをかなり犠牲にしてもαの値(絶対値)
を小さくすることがはかられてきた。SmやCoを全く
含まないFe−B−R系、Fe−B−R−M系では磁気
特性の温度係数が大きいため、そのすぐれた磁気特性に
もかかわらず前記の用途には使用できなかった。Co添
加による方法(特開昭59−64733号、特開昭59
−132104号)ではαの改善は-0.08%/℃が限度で
ある上、保磁力がCoの量とともに減少するので、Co
を含むFe−Co−B−R系、Fe−Co−B−R−M
系でも前記の用途にはなお不十分であった。
置用計器などの用途には高い保磁力と残留磁化Brの高
い温度安定性が広い温度範囲に渡って要求される。従来
のSmCo7〜8磁石などではEr等でSmを置換するこ
とによってBrをかなり犠牲にしてもαの値(絶対値)
を小さくすることがはかられてきた。SmやCoを全く
含まないFe−B−R系、Fe−B−R−M系では磁気
特性の温度係数が大きいため、そのすぐれた磁気特性に
もかかわらず前記の用途には使用できなかった。Co添
加による方法(特開昭59−64733号、特開昭59
−132104号)ではαの改善は-0.08%/℃が限度で
ある上、保磁力がCoの量とともに減少するので、Co
を含むFe−Co−B−R系、Fe−Co−B−R−M
系でも前記の用途にはなお不十分であった。
【0014】本出願人は以上のことから出発しさらに改
善をめざして前記Fe−B−R系、Fe−B−R−M系
磁石合金中の主相であるR2Fe14B化合物(単結晶)
の磁気的性質を全てのRについて詳細に調べたところ、
磁化の温度変化について図3、図4に示すような結果を
得た。この結果から、図3に示す軽希土類R2と図4に
示す重希土類R1を含む(R11-xR2x)2Fe14Bを主相
として含む合金を磁石化することに成功すれば、αの値
を非常に小さくできることがわかった。この方法はR1
がDyの場合に可能であることもわかった。
善をめざして前記Fe−B−R系、Fe−B−R−M系
磁石合金中の主相であるR2Fe14B化合物(単結晶)
の磁気的性質を全てのRについて詳細に調べたところ、
磁化の温度変化について図3、図4に示すような結果を
得た。この結果から、図3に示す軽希土類R2と図4に
示す重希土類R1を含む(R11-xR2x)2Fe14Bを主相
として含む合金を磁石化することに成功すれば、αの値
を非常に小さくできることがわかった。この方法はR1
がDyの場合に可能であることもわかった。
【0015】即ち、希土類元素RのうちDyのR1と、
NdやPrなどの軽希土類元素R2を特定比率に組み合
わせ含有することによって、従来FeBR系磁石では得られ
なかった高い保磁力とBrの温度係数の顕著な改善を達
成することができた。
NdやPrなどの軽希土類元素R2を特定比率に組み合
わせ含有することによって、従来FeBR系磁石では得られ
なかった高い保磁力とBrの温度係数の顕著な改善を達
成することができた。
【0016】更に、本発明による成分系では、iHcの増
大のみならず、減磁曲線の角形性の改善、即ち磁気回路
中の動作点の変動に対する安定性を増大する効果をも具
備することが判った。
大のみならず、減磁曲線の角形性の改善、即ち磁気回路
中の動作点の変動に対する安定性を増大する効果をも具
備することが判った。
【0017】本発明の永久磁石材料の主相はFe−R−
B正方晶化合物であり中心組成はR2Fe14Bであると
考えられる。また、主相の粒界相としてRリッチな非磁
性相が有効量存在することが重要である。非磁性相はわ
ずかでも有効であり例えば1vol%は十分な量である。
B正方晶化合物であり中心組成はR2Fe14Bであると
考えられる。また、主相の粒界相としてRリッチな非磁
性相が有効量存在することが重要である。非磁性相はわ
ずかでも有効であり例えば1vol%は十分な量である。
【0018】なおFeBR系磁石材料のiHcを増大させるた
めに様々の検討を行った結果、以下の方法が有効であ
る。即ち、 (1) R(R1+R2)又はBの含有量を多くする (2) R2/R1の比率を特定範囲とする (3) 添加元素Mを加える(FeBRM系磁石材料)。
めに様々の検討を行った結果、以下の方法が有効であ
る。即ち、 (1) R(R1+R2)又はBの含有量を多くする (2) R2/R1の比率を特定範囲とする (3) 添加元素Mを加える(FeBRM系磁石材料)。
【0019】しかしながら、R又はBの含有量を増加す
る方法は、各々iHcを増大するが、含有量が多くなるに
つれてBrが低下し、その結果(BH)maxの値も低くな
る。
る方法は、各々iHcを増大するが、含有量が多くなるに
つれてBrが低下し、その結果(BH)maxの値も低くな
る。
【0020】R2/R1を前記特定範囲にすることにより
Brの温度係数を非常に改善するが、R2/R1が小さく
なりすぎるとBrが劣化し、焼結磁石材料の場合、Br
は9kGより低くなる。
Brの温度係数を非常に改善するが、R2/R1が小さく
なりすぎるとBrが劣化し、焼結磁石材料の場合、Br
は9kGより低くなる。
【0021】また、添加元素MもiHc増大の効果を有す
るが、添加量の増加につれて(BH)maxが低下し飛躍的な
改善効果には繋がらない。
るが、添加量の増加につれて(BH)maxが低下し飛躍的な
改善効果には繋がらない。
【0022】本発明の永久磁石材料においては、重希土
類元素R1の含有と、R2としてNd、Prを主体とする
ことと、さらにR2/R1の比率を特定範囲とし、R、B
の所定範囲内の組成とに基づき、特に時効処理を施した
場合のBrの温度係数の安定化とiHcの増大が顕著であ
る。特に、上記特定の組成の材料からなる磁気異方性焼
結体に時効処理を施すと、Brの値を損ねることなくiH
cを増大させ、さらに減磁曲線の角形性改善の効果もあ
り、(BH)maxは同等かまたはそれ以上となり、その効果
は顕著である。なお、R、Bの範囲と、(Nd+Pr)
の量を規定することにより、時効処理前においてもiHc
約11kOe以上が達成され、R内におけるR1の所定の含
有により時効処理の効果がさらに著しく付加される。
類元素R1の含有と、R2としてNd、Prを主体とする
ことと、さらにR2/R1の比率を特定範囲とし、R、B
の所定範囲内の組成とに基づき、特に時効処理を施した
場合のBrの温度係数の安定化とiHcの増大が顕著であ
る。特に、上記特定の組成の材料からなる磁気異方性焼
結体に時効処理を施すと、Brの値を損ねることなくiH
cを増大させ、さらに減磁曲線の角形性改善の効果もあ
り、(BH)maxは同等かまたはそれ以上となり、その効果
は顕著である。なお、R、Bの範囲と、(Nd+Pr)
の量を規定することにより、時効処理前においてもiHc
約11kOe以上が達成され、R内におけるR1の所定の含
有により時効処理の効果がさらに著しく付加される。
【0023】即ち、本発明によれば(BH)max20MGOe以
上を保有したまま、iHc11kOe以上で示される十分な安
定性を兼ね備え、しかもBrの温度係数を絶対値で0.
08%/℃以下におさえ、従来の高性能磁石材料よりも
広範な用途に適用し得る高性能磁石材料を提供すること
ができる。
上を保有したまま、iHc11kOe以上で示される十分な安
定性を兼ね備え、しかもBrの温度係数を絶対値で0.
08%/℃以下におさえ、従来の高性能磁石材料よりも
広範な用途に適用し得る高性能磁石材料を提供すること
ができる。
【0024】(BH)max、iHcの最大値は各々27.4MGOe
(後述表1、No. 1)、20kOe以上(表1、No.6、
8)を示した(ここで、iHc20kOe以上とは、通常の電
磁石タイプの減磁特性試験器では、測定できなかったた
めである)。
(後述表1、No. 1)、20kOe以上(表1、No.6、
8)を示した(ここで、iHc20kOe以上とは、通常の電
磁石タイプの減磁特性試験器では、測定できなかったた
めである)。
【0025】本発明の永久磁石材料に用いるRは、R1
とR2の和より成るが、RとしてYを包含し、Nd、P
r、La、Ce、Tb、Dy、Ho、Eu、Pm、Lu
の希土類元素である。そのうちR1はDyを用い、R2は
Dy,Tb,Ho以外の希土類元素を示し、特に軽希土
類の内NdとPrの1種以上の合計を80%以上包含す
るもの(特に95%以上のもの)を用いる。
とR2の和より成るが、RとしてYを包含し、Nd、P
r、La、Ce、Tb、Dy、Ho、Eu、Pm、Lu
の希土類元素である。そのうちR1はDyを用い、R2は
Dy,Tb,Ho以外の希土類元素を示し、特に軽希土
類の内NdとPrの1種以上の合計を80%以上包含す
るもの(特に95%以上のもの)を用いる。
【0026】これらRは必ずしも純希土類元素でなくて
もよく、工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物
(Sm、Gd、Er、Tm、Yb、等の他の希土類元素
Ca、Mg、Fe、Ti、C、O等)を微量含有するも
のでも差支えない。なおSm、Er及びTmのR2Fe
14Bは室温以上で一軸異方性を示さない。
もよく、工業上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物
(Sm、Gd、Er、Tm、Yb、等の他の希土類元素
Ca、Mg、Fe、Ti、C、O等)を微量含有するも
のでも差支えない。なおSm、Er及びTmのR2Fe
14Bは室温以上で一軸異方性を示さない。
【0027】B(ホウ素)としては、純ボロン又はフェ
ロボロンを用いることができ、不純物としてAl、S
i、C等を含むものも用いることができる。
ロボロンを用いることができ、不純物としてAl、S
i、C等を含むものも用いることができる。
【0028】本発明の永久磁石材料は、既述のRをR1
とR2の合計として原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但
し,R1>5%)を満足し原子百分比でR12.5〜20%、B 4
〜20%、残部Feの組成においてαの絶対値が 0.08%以
下となり、焼結磁石材料においては保磁力iHc約11kOe
以上、残留磁束密度Br9kG以上、最大エネルギー積(B
H)max20MGOe以上の高保磁力、高いBrの温度安定
性、高エネルギー積を示す。ここにαは約400K以
下、少くとも100−400Kの温度範囲について上記
の値を満足できる(図1参照)。
とR2の合計として原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但
し,R1>5%)を満足し原子百分比でR12.5〜20%、B 4
〜20%、残部Feの組成においてαの絶対値が 0.08%以
下となり、焼結磁石材料においては保磁力iHc約11kOe
以上、残留磁束密度Br9kG以上、最大エネルギー積(B
H)max20MGOe以上の高保磁力、高いBrの温度安定
性、高エネルギー積を示す。ここにαは約400K以
下、少くとも100−400Kの温度範囲について上記
の値を満足できる(図1参照)。
【0029】以下焼結磁石材料を代表例として、本発明
の好適な実施態様について述べる。0.6≦R2/R1≦1.
0、R13〜19%、B 5〜11%、残部Feの組成はαの絶対
値が0.05%/℃以下最大エネルギー積(BH)max22M
GOe以上を示し、好ましい範囲である。
の好適な実施態様について述べる。0.6≦R2/R1≦1.
0、R13〜19%、B 5〜11%、残部Feの組成はαの絶対
値が0.05%/℃以下最大エネルギー積(BH)max22M
GOe以上を示し、好ましい範囲である。
【0030】Rの量を12.5%以上としたのは、Rが
この量よりも少なくなると本系合金化合物中にFeが析
出して保磁力が急激に低下するためである。Rの上限を
20%としたのは、20%以上でも保磁力は10kOe以
上の大きい値を示すがBrが低下して(BH)max20MGOe
以上を実現するために必要なBr(約9kG)が得られな
くなるからである。R2/R1の比を0.4以上1.5以
下としたのは、Brの温度係数αの絶対値がこの範囲で
0.08%/℃を越えず、しかも(BH)max20MGOe以上
を得るために必要なBrの値が確保されるためである。
この量よりも少なくなると本系合金化合物中にFeが析
出して保磁力が急激に低下するためである。Rの上限を
20%としたのは、20%以上でも保磁力は10kOe以
上の大きい値を示すがBrが低下して(BH)max20MGOe
以上を実現するために必要なBr(約9kG)が得られな
くなるからである。R2/R1の比を0.4以上1.5以
下としたのは、Brの温度係数αの絶対値がこの範囲で
0.08%/℃を越えず、しかも(BH)max20MGOe以上
を得るために必要なBrの値が確保されるためである。
【0031】本発明において、R2/R1比 0.4〜 1.5の
増大に伴い飽和磁束密度Bsは温度の変化に従い図1に
示す如く変化する。図1においてx=0.4、0.7は
夫々R2/R1比1.5、0.4に凡そ対応する。αの絶
対値が最小である温度範囲はxの値の増大と共に高温側
へシフトする傾向がある。なお約400Kを越えるとα
の絶対値は増大するが、低温域(200K以下)ないし
超低温域(例えば100K以下)では余り変化しない。
増大に伴い飽和磁束密度Bsは温度の変化に従い図1に
示す如く変化する。図1においてx=0.4、0.7は
夫々R2/R1比1.5、0.4に凡そ対応する。αの絶
対値が最小である温度範囲はxの値の増大と共に高温側
へシフトする傾向がある。なお約400Kを越えるとα
の絶対値は増大するが、低温域(200K以下)ないし
超低温域(例えば100K以下)では余り変化しない。
【0032】図3、図4はR2Fe14Bの単結晶につい
て測定したものである。これに基づいて各種R1、R2の
組み合せの場合の磁気特性が設計可能である。図4にお
いてDyについては温度の上昇と共に磁化は増大して約
370〜390Kでゆるやかなピークに達し400Kを
越えると僅かに減少し始め450Kをこえると減少勾配
が徐々に増大する。
て測定したものである。これに基づいて各種R1、R2の
組み合せの場合の磁気特性が設計可能である。図4にお
いてDyについては温度の上昇と共に磁化は増大して約
370〜390Kでゆるやかなピークに達し400Kを
越えると僅かに減少し始め450Kをこえると減少勾配
が徐々に増大する。
【0033】また、図1をベースとし図3、図4を参照
すれば所定の温度範囲内において最小のαを達成するR
2/R1比が適宜選択可能である。なおR2/R1比は図1
では1−x/xで与えられる。
すれば所定の温度範囲内において最小のαを達成するR
2/R1比が適宜選択可能である。なおR2/R1比は図1
では1−x/xで与えられる。
【0034】本発明の第2の視点によれば添加元素Mを
所定量以下含む。この添加元素MはiHcを増し、減磁曲
線の角形性を増す効果があるが、一方その添加量が増す
に従い、Brが低下していくため、(BH)max20MGOe以
上を有するにはBr9kG以上が必要であり、添加量の
各々の上限は下記の値以下と定められる。
所定量以下含む。この添加元素MはiHcを増し、減磁曲
線の角形性を増す効果があるが、一方その添加量が増す
に従い、Brが低下していくため、(BH)max20MGOe以
上を有するにはBr9kG以上が必要であり、添加量の
各々の上限は下記の値以下と定められる。
【0035】Ti 3 %、 Zr 3.3%、Hf
3.3%、 Cr 4.5%、Mn 5 %、 Ni 6
%、Ta 7 %、 Ge 3.5%、Sn 1.5%、
Sb 1 %、Bi 5 %、 Mo 5.2%、Nb
9 %、 Al 5 %、V 5.5%、 W 5
%、Si 5.0%、 Zn 0.5%
3.3%、 Cr 4.5%、Mn 5 %、 Ni 6
%、Ta 7 %、 Ge 3.5%、Sn 1.5%、
Sb 1 %、Bi 5 %、 Mo 5.2%、Nb
9 %、 Al 5 %、V 5.5%、 W 5
%、Si 5.0%、 Zn 0.5%
【0036】但し、2種以上のMを添加する場合のM合
計の上限は、実際に添加された当該のM元素の各上限値
のうち最大値を有するものの値以下となる。例えばT
i、Ni、Nbを添加した場合には、Nbの9%以下と
なる。Mとしては、V、Nb、Ta、Mo、W、Cr、
Alが好ましい。なおNi、Mnの限度はiHcから定め
られる。但し上記添加元素Mの含有量は一般にBrの所
望値に応じて適宜上記範囲内で選択でき、一部のM(S
b、Sn、Zn等)を除き一般に0.1〜3原子%以下
(特に1%以下)が有効である。なおこれらの添加元素
Mは母合金中に含有させておくことができ、酸化物又は
他の構成元素との混合酸化物として母合金製造のための
直接還元の際の出発原料中に配合しておくこともでき
る。このMはまた、粒界相成分中に合金化して添加する
こともできる。この粒界相成分は、R50原子%以上の
R−Fe合金もしくはR50原子%以上、B40原子%
以下、残部Feから成るR−B−Fe合金の1以上、又
はこれらと、金属ホウ素;フェロボロン;R15原子%
以下、B38原子%以上、残部Feから成るBリッチB
−Fe−R合金からなる群から選ばれた1以上の粉末と
の混合物から構成できるものである。
計の上限は、実際に添加された当該のM元素の各上限値
のうち最大値を有するものの値以下となる。例えばT
i、Ni、Nbを添加した場合には、Nbの9%以下と
なる。Mとしては、V、Nb、Ta、Mo、W、Cr、
Alが好ましい。なおNi、Mnの限度はiHcから定め
られる。但し上記添加元素Mの含有量は一般にBrの所
望値に応じて適宜上記範囲内で選択でき、一部のM(S
b、Sn、Zn等)を除き一般に0.1〜3原子%以下
(特に1%以下)が有効である。なおこれらの添加元素
Mは母合金中に含有させておくことができ、酸化物又は
他の構成元素との混合酸化物として母合金製造のための
直接還元の際の出発原料中に配合しておくこともでき
る。このMはまた、粒界相成分中に合金化して添加する
こともできる。この粒界相成分は、R50原子%以上の
R−Fe合金もしくはR50原子%以上、B40原子%
以下、残部Feから成るR−B−Fe合金の1以上、又
はこれらと、金属ホウ素;フェロボロン;R15原子%
以下、B38原子%以上、残部Feから成るBリッチB
−Fe−R合金からなる群から選ばれた1以上の粉末と
の混合物から構成できるものである。
【0037】本発明の永久磁石材料、代表例としては焼
結体として得られ、その平均結晶粒径は、FeBR系におい
て1〜80μm、FeBRM系において1〜90μmの範囲
にあることが重要である(好ましくは夫々2〜40μ
m)。焼結は900〜1200℃の温度で行うことがで
きる。
結体として得られ、その平均結晶粒径は、FeBR系におい
て1〜80μm、FeBRM系において1〜90μmの範囲
にあることが重要である(好ましくは夫々2〜40μ
m)。焼結は900〜1200℃の温度で行うことがで
きる。
【0038】時効処理は焼結体の場合、焼結後350℃
以上当該焼結温度以下、好ましくは450〜800℃で
行うことができる。さらに好ましい時効処理は次の通り
である。即ち、焼結後750〜1000℃(好ましくは
770〜920℃)の温度で1次熱処理を行い、その後
3〜2000℃/min (好ましくは20〜1000℃/
min)の冷却速度で680℃以下の温度まで冷却し、さら
に480〜700℃(好ましくは550〜650℃)の
温度で2次熱処理する。熱処理は凡そ0.5〜12時間
行う。
以上当該焼結温度以下、好ましくは450〜800℃で
行うことができる。さらに好ましい時効処理は次の通り
である。即ち、焼結後750〜1000℃(好ましくは
770〜920℃)の温度で1次熱処理を行い、その後
3〜2000℃/min (好ましくは20〜1000℃/
min)の冷却速度で680℃以下の温度まで冷却し、さら
に480〜700℃(好ましくは550〜650℃)の
温度で2次熱処理する。熱処理は凡そ0.5〜12時間
行う。
【0039】焼結に供する合金粉末は0.3〜80μm
(好ましくは1〜40μm、特に好ましくは2〜20μ
m)の平均粒度のものが適当である。これらの焼結条件
等については、すでに同一出願人の出願に係る特開昭5
9−215460号、59−219452号に開示され
ている。
(好ましくは1〜40μm、特に好ましくは2〜20μ
m)の平均粒度のものが適当である。これらの焼結条件
等については、すでに同一出願人の出願に係る特開昭5
9−215460号、59−219452号に開示され
ている。
【0040】なお、特にエネルギー積22MGOe以上の高
い磁気特性を実現するためには、酸素、炭素、Caの含
有量を規制することが好ましい。即ち、本発明の永久磁
石材料の酸素含有量は6000ppm 以下、炭素含有量は
1000ppm以下、Ca含有量は2000ppm以下にする
ことが好ましい。即ち、本発明の永久磁石材料に含まれ
る酸素はも酸化しやすい希土類元素と結合して希土類酸
化物を形成し、酸素含有量が6000ppm を越えると永
久磁石材料中に酸化物(R2 O3 )として4%以上残留
することになり、磁石特性とくに保磁力が10kOe以下
になるので好ましくない。
い磁気特性を実現するためには、酸素、炭素、Caの含
有量を規制することが好ましい。即ち、本発明の永久磁
石材料の酸素含有量は6000ppm 以下、炭素含有量は
1000ppm以下、Ca含有量は2000ppm以下にする
ことが好ましい。即ち、本発明の永久磁石材料に含まれ
る酸素はも酸化しやすい希土類元素と結合して希土類酸
化物を形成し、酸素含有量が6000ppm を越えると永
久磁石材料中に酸化物(R2 O3 )として4%以上残留
することになり、磁石特性とくに保磁力が10kOe以下
になるので好ましくない。
【0041】含有炭素量が1000ppmを越えると酸素
の場合と同様炭化物(RC2 )として永久磁石中に残留
し著しい保磁力の低下を生ずる。
の場合と同様炭化物(RC2 )として永久磁石中に残留
し著しい保磁力の低下を生ずる。
【0042】またカルシウム含有量が2000ppmを越
えると本発明の永久磁石材料を焼結により磁石化する場
合、途中の焼結工程において還元性の極めて高いCa蒸
気を多量に発生し、熱処理炉をいちじるしく汚染するこ
とになって、場合によっては熱処理炉の炉壁を損耗して
工業的に安定な生産が不可能となる。また、でき上った
永久磁石中に含まれる。Ca量も多くなって磁石特性の
劣化を生ずる。なお、上記の酸素、炭素、Ca含有量の
条件は合金粉末(配合・混合を含む)微粉末状態で達成
することが好ましい。
えると本発明の永久磁石材料を焼結により磁石化する場
合、途中の焼結工程において還元性の極めて高いCa蒸
気を多量に発生し、熱処理炉をいちじるしく汚染するこ
とになって、場合によっては熱処理炉の炉壁を損耗して
工業的に安定な生産が不可能となる。また、でき上った
永久磁石中に含まれる。Ca量も多くなって磁石特性の
劣化を生ずる。なお、上記の酸素、炭素、Ca含有量の
条件は合金粉末(配合・混合を含む)微粉末状態で達成
することが好ましい。
【0043】なお最終製品中のMg、Pは各1.7原子
%以下(Brによる)とし、S、Cuは各2原子%以下
とする(Brによる)が、これらはいずれもBrの減少
を招くので少ない程よい。
%以下(Brによる)とし、S、Cuは各2原子%以下
とする(Brによる)が、これらはいずれもBrの減少
を招くので少ない程よい。
【0044】
【実施例】以下本発明の好適な態様及び効果について実
施例に従って説明する。試料はつぎの工程によって作成
した。
施例に従って説明する。試料はつぎの工程によって作成
した。
【0045】約1kgの合金を高周波炉によって溶解し、
鉄ハース上に鋳造してインゴットを得た。出発原料はF
eとして純度99.9%の電解鉄、Bとしてフェロボロ
ン合金(19.38%B、5.32%Al、0.74%
Si、0.03%C、残部Fe)、Rとして純度99.
7%以上(不純物は主として他の希土類金属)を使用。
鉄ハース上に鋳造してインゴットを得た。出発原料はF
eとして純度99.9%の電解鉄、Bとしてフェロボロ
ン合金(19.38%B、5.32%Al、0.74%
Si、0.03%C、残部Fe)、Rとして純度99.
7%以上(不純物は主として他の希土類金属)を使用。
【0046】このインゴットをジヨークラッシャーで粉
砕し、更にフロン中でボールミルにより微粉砕して粉末
を得た。この粉末の平均粒径はフィッシャーの粒度計に
て約22μであった。粉末は約10kOeの磁場中で配向
されて磁場方向に垂直な方向から圧縮した。得られたグ
リーンコンパクトは充分な脱ガス処理の後、Ar雰囲気
中で約1080℃〜1120℃の温度で1.5時間焼結
し、更に熱処理をほどこした。この磁石材料の磁石特性
の測定は通常のB−H及びI−Hトレーサーを用い閉回
路で行った。熱処理は800℃×1hの後急冷し630
℃×1hの2次熱処理を行った。
砕し、更にフロン中でボールミルにより微粉砕して粉末
を得た。この粉末の平均粒径はフィッシャーの粒度計に
て約22μであった。粉末は約10kOeの磁場中で配向
されて磁場方向に垂直な方向から圧縮した。得られたグ
リーンコンパクトは充分な脱ガス処理の後、Ar雰囲気
中で約1080℃〜1120℃の温度で1.5時間焼結
し、更に熱処理をほどこした。この磁石材料の磁石特性
の測定は通常のB−H及びI−Hトレーサーを用い閉回
路で行った。熱処理は800℃×1hの後急冷し630
℃×1hの2次熱処理を行った。
【0047】得られた試料を加工研摩後、電磁石型の磁
石特性試験によって磁石特性を調べた。
石特性試験によって磁石特性を調べた。
【0048】実施例1 R1としてDy、Tb、Ho、R2としてNd又はPrを
用いR1とR2を組合せた合金を作り、上記の工程により
磁石材料とした。その結果を比較例と共に表1に示す。
表1においてiHc、Br、(BH)maxの値は室温付近(0〜
30℃)での測定値を示しBrの温度係数αの値は−1
90〜100℃での絶対値の最大値に符号を付したもの
を示す。なお、R1としてHo,Tbを用いたものは参
考例であり、Dyと同様に優れた特性を示すものであ
る。特にNo.9〜14は、R1,R2の他に添加元素M
を添加した場合の効果を推計するための参考例となる。
用いR1とR2を組合せた合金を作り、上記の工程により
磁石材料とした。その結果を比較例と共に表1に示す。
表1においてiHc、Br、(BH)maxの値は室温付近(0〜
30℃)での測定値を示しBrの温度係数αの値は−1
90〜100℃での絶対値の最大値に符号を付したもの
を示す。なお、R1としてHo,Tbを用いたものは参
考例であり、Dyと同様に優れた特性を示すものであ
る。特にNo.9〜14は、R1,R2の他に添加元素M
を添加した場合の効果を推計するための参考例となる。
【0049】図2に、同様にして求めた79Fe−7B
−14(Nd、Dy)についてのBrの温度係数α、(B
H)maxとR2/R1比の間の関係を示す。
−14(Nd、Dy)についてのBrの温度係数α、(B
H)maxとR2/R1比の間の関係を示す。
【0050】
【表1】
【0051】実施例2 81.5Fe−6.0B−12.5(Nd1-xDyx)
(実施例2)
(実施例2)
【0052】これらは正方晶単相組成でBr(正確には
Bs;飽和磁束密度)を調べる目的で実験に基づき計算
によって求めたものである。即ち、単結晶のNd2Fe
14Bの磁化=温度曲線を精密に測定し、その結果を横軸
をT/Tc(温度をキュリー温度で割ったもの)に対し
てプロットしてx=0とx=1.0のカーブが実験的に
得られた。中間のxに対しては重み平均をとって各温度
(T/Tc)での値を求め、なめらかにつなぐ方法で求
めた。その結果を第1図に示す。
Bs;飽和磁束密度)を調べる目的で実験に基づき計算
によって求めたものである。即ち、単結晶のNd2Fe
14Bの磁化=温度曲線を精密に測定し、その結果を横軸
をT/Tc(温度をキュリー温度で割ったもの)に対し
てプロットしてx=0とx=1.0のカーブが実験的に
得られた。中間のxに対しては重み平均をとって各温度
(T/Tc)での値を求め、なめらかにつなぐ方法で求
めた。その結果を第1図に示す。
【0053】実施例3 R2Fe14Bの単結晶の磁気特性を各種Rについて測定
し図3、図4に磁化と温度(K)の関係を示す。
し図3、図4に磁化と温度(K)の関係を示す。
【0054】
【発明の効果】以上詳述のとおり本発明によればR2/
R1比の選定に基きBrの温度係数を低く保ちかつエネ
ルギー積20MGOe以上の永久磁石材料が所定のR1、R2
及びR、Fe、B(さらにM)の組成範囲内において得
られる。特に400K以下から超低温域に至るまでの各
種温度範囲においてαを最小ないし実質上零に保つこと
も可能である。
R1比の選定に基きBrの温度係数を低く保ちかつエネ
ルギー積20MGOe以上の永久磁石材料が所定のR1、R2
及びR、Fe、B(さらにM)の組成範囲内において得
られる。特に400K以下から超低温域に至るまでの各
種温度範囲においてαを最小ないし実質上零に保つこと
も可能である。
【0055】なお、本発明の開示事項に従えば、本発明
の範囲外とした部分においてもαに関する有効な情報が
得られている。即ち、αを最小とする温度域がR2/R1
比によって定まり、エネルギー積がもう少し低くてもよ
い場合には、本発明の組成範囲外でも十分に利用されう
る。
の範囲外とした部分においてもαに関する有効な情報が
得られている。即ち、αを最小とする温度域がR2/R1
比によって定まり、エネルギー積がもう少し低くてもよ
い場合には、本発明の組成範囲外でも十分に利用されう
る。
【図1】本発明の一実施例 81.5Fe−6.0B−12.5(Nd1-xDyx)の
実施例についてx=0〜1とした場合の温度T(K)と
飽和磁化Bsとの関係をプロットしたグラフを示す。
実施例についてx=0〜1とした場合の温度T(K)と
飽和磁化Bsとの関係をプロットしたグラフを示す。
【図2】R2/R1比とBrの温度係数α(%/℃)の関
係を示すグラフを示す。
係を示すグラフを示す。
【図3】単結晶R2Fe14Bの磁化と温度T(K)の関
係を示すグラフを示す。
係を示すグラフを示す。
【図4】単結晶R2Fe14Bの磁化と温度T(K)の関
係を示すグラフを示す。
係を示すグラフを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 日登志 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 松浦 裕 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内
Claims (2)
- 【請求項1】下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)
としたとき原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但し、R1>5
%)を満足し原子百分比でR12.5〜20%、B 4〜20%、及
び残部Fe及び不可避の不純物から成り(R1,R2)2Fe
14B化合物を主相としBrの温度係数の絶対値が0.08%
/℃以下である永久磁石材料(但し、R1はDy、R2は
NdとPrの1種以上の合計が80%以上で、残りはD
y,Tb,Ho,Nd,Pr以外のYを包含する他の希
土類元素の少なくとも一種)。 - 【請求項2】下記R1と下記R2の和をR(希土類元素)
としたとき原子比で0.4≦R2/R1≦1.5(但し、R1>5
%)を満足し原子百分比でR12.5〜20%、B 4〜20%、下
記の所定%以下の添加元素Mの一種以上(但し、Mとし
て二種以上の前記添加元素を含む場合は、M合量は当該
の添加元素のうち最大値を有するものの原子百分比以
下)、及び残部Fe及び不可避の不純物から成り
(R1,R2)2Fe14B化合物を主相とし、Brの温度
係数の絶対値が0.08%/℃以下である永久磁石材料:
(但し、R1はDy、R2はNdとPrの1種以上の合計
が80%以上で、残りがDy,Tb,Ho,Nd,Pr
以外のYを包含する他の希土類元素の少なくとも一種で
あり、添加元素Mは下記の通り: Ti 3 %、 Zr 3.3%、 Hf 3.3%、 Cr 4.5%、 Mn 5 %、 Ni 6 %、 Ta 7 %、 Ge 3.5%、 Sn 1.5%、 Sb 1 %、 Bi 5 %、 Mo 5.2%、 Nb 9 %、 Al 5 %、 V 5.5%、 W 5 %、 Si 5.0%、 Zn 0.5% )。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5208141A JPH089756B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 永久磁石材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5208141A JPH089756B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 永久磁石材料 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60061709A Division JPH0678582B2 (ja) | 1985-03-26 | 1985-03-26 | 永久磁石材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06256913A true JPH06256913A (ja) | 1994-09-13 |
JPH089756B2 JPH089756B2 (ja) | 1996-01-31 |
Family
ID=16551320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5208141A Expired - Lifetime JPH089756B2 (ja) | 1993-08-02 | 1993-08-02 | 永久磁石材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH089756B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61147503A (ja) * | 1984-11-30 | 1986-07-05 | Tohoku Metal Ind Ltd | 希土類磁石 |
JPS61157659A (ja) * | 1984-12-28 | 1986-07-17 | Tohoku Metal Ind Ltd | 希土類磁石 |
-
1993
- 1993-08-02 JP JP5208141A patent/JPH089756B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61147503A (ja) * | 1984-11-30 | 1986-07-05 | Tohoku Metal Ind Ltd | 希土類磁石 |
JPS61157659A (ja) * | 1984-12-28 | 1986-07-17 | Tohoku Metal Ind Ltd | 希土類磁石 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH089756B2 (ja) | 1996-01-31 |
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