JPH0678494U - 鉄骨吊り足場用固定金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 鉄骨のフランジ縁部に確実且つ安定性良く固
定でき、取り付け作業能率並びに調整取付作業能率が高
い鉄骨吊り足場用固定金具を提供する。 【構成】 金具基体３の左右上部に締付体６，７を対向
状態に突設し、一方の締付体６を金具基体３の左右長さ
方向に沿ってスライド自在に構成し、ハ字状の対向締付
テーパ縁６Ａ，７Ａに形成する。この双方の締付体６，
７の外側面に傾き防止用の突出部20，21を傾斜突出形成
し、スライド調整装置８を金具基体３の一側に設け、締
付体７を金具基体３より抜脱不能とするストッパー19を
金具基体３の他側に設ける。スライド調整装置８により
締付体６，７の対向間隔Ｌを調整して、この対向締付テ
ーパ縁間６Ａ，７Ａに鉄骨１のフランジ縁部２の上縁を
当接し、下縁を支承上面20Ａ，21Ａ並びに金具基体３の
支承上面３Ａに当接して、この各三点で調整締付固定す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鉄骨のフランジ縁部に本案品を取り付け、この本案品に足場装置の 足場吊杆を連結して、鉄骨に足場装置を吊り上げ状態に固定する鉄骨吊り足場用 固定金具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、種々のタイプの鉄骨吊り足場用固定金具が提案されている。

【０００３】 そのうち、鉄骨のフランジ縁部に確実に固定でき、しかも鉄骨の種類即ちフラ ンジ縁部の巾や厚みが異なっても調整して取り付けることができる構成でなけれ ば実用性に乏しい。

【０００４】 従来、このような鉄骨の種類に応じて調整固定できるものには、例えば以下の 構造のものが公知である。

【０００５】 一対のスライド部材をスライド自在に重合して左右方向の長さが調整自在な金 具基体を形成し、この金具基体の左右上部に締付嵌合体を対向状態に突設し、こ の締付嵌合体の対向縁に鉄骨のフランジ縁側端部を嵌合するコ字状嵌合部を形成 し、この夫々のコ字状嵌合部の上部にコ字状嵌合部に嵌合したフランジ縁の側端 部の上面を締め付ける固定ボルトを垂設したものである。

【０００６】 従って、この従来構造は金具基体を構成する一対のスライド部材同志をスライ ドさせてコ字状嵌合部の対向間隔を調整するものである。

【０００７】 また、フランジ縁部の厚みの変化に対しては固定ボルトの締付垂下度を変える ものである。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来構造では、確かにフランジ縁部巾や厚みの変化 に対応して調整固定できるが、前記のように巾調整に対しては、金具基体を構成 する一対のスライド部材同志をスライドさせてコ字状嵌合部の対向間隔を調整し なければならないため、フランジ縁部の取り付けに対して予め先に金具基体に足 場装置の足場吊杆を連結して置くことができない。そのため先に本金具をフラン ジ縁部に取り付け、この高所で本金具に足場吊杆を連結して行かなければならず 、作業能率が上がらない。

【０００９】 従って、これをさけるため取り付けに際して金具基体の長さを少し長めに固定 し、この金具基体に予め先に足場吊杆を付設して置くと、逆にフランジ縁部は左 右方向にガタ付き得る状態で取り付けることとなり、非常に危険である。

【００１０】 また、フランジ縁部の厚みの変化に対しては固定ボルトの締付垂下度を変える ことで調整できるが、比較的フランジ縁部が薄い場合には固定ボルトを垂下して フランジ縁部上面を押圧するものの、このフランジ縁部上面にはガタ付き得る遊 び間隙が生じ、これも極めて危険である。

【００１１】 また、従来構造では、左右夫々２ヶ所の固定ボルトを上方から締め付けなけれ ばならず、特に取付作業が高所となる本金具においては作業性が著しく低下する 。

【００１２】 本考案は、このような欠点を解決し、鉄骨のフランジ縁部に確実に固定でき、 しかも鉄骨の種類即ちフランジ縁部の巾や厚みが異なっても、極めて容易に調整 して取り付けることができ、取り付け作業能率並びに調整取付作業能率が極めて 向上する鉄骨吊り足場用固定金具を提供することが技術的課題である。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

【００１４】 鉄骨１のフランジ縁部２に金具基体３を固定し、この金具基体３に足場装置４ の足場吊杆５を連結して鉄骨１に足場装置４を吊り下げ状態に固定する鉄骨吊り 足場用固定金具であって、金具基体３の左右上部に締付体６，７を対向状態に突 設し、少なくとも一方の締付体６を金具基体３の左右長さ方向に沿ってスライド 自在に構成し、双方の締付体６，７の対向縁を上方程対向間隔Ｌが小さいハ字状 の対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａに形成すると共にこの双方の締付体６，７の外側 面に傾き防止用の突出部20，21を突出形成し、締付体６，７に対して夫々外側に 突出部20，21が配され、内側に金具基体３が配され、この突出部20，21の支承上 面20Ａ，21Ａが金具基体３の支承上面３Ａと略面一位置となるように構成して、 鉄骨１を左右の支承上面20Ａ，21Ａ・３Ａ，３Ａとその中間上部の対向締付テー パー縁６Ａ，７Ａとの各三点支承構造に構成し、少なくとも前記一方の締付体６ をスライド調整移動せしめるスライド調整装置８を金具基体３の一側に設け、金 具基体３の中央部に前記足場吊杆５を連結するボルト孔９を金具基体３の左右長 さ方向に複数並設若しくは金具基体３の左右長さ方向に長いスライド長孔状に形 成し、前記スライド調整装置８により締付体６，７の対向締付テーパ縁６Ａ，７ Ａの対向間隔Ｌを調整して、この対向締付テーパ縁間６Ａ，７Ａに前記鉄骨１の フランジ縁部２を挾着し、且つ、この対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａ間のほぼ中央 に足場装置４の重みが負荷されるように前記ボルト孔９を選択若しくはボルト孔 ９の所定位置に前記足場吊杆５を連結し得るように構成したことを特徴とする鉄 骨吊り足場用固定金具に係るものである。

【００１５】

【作用】

例えば、予め先に本案品を鉄骨１のフランジ縁部２に締付固定した際、対向す る締付体６，７の対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａ間のほぼ中央に位置するように金 具基体３にボルト孔９を介して足場装置４（図示省略）の足場吊杆５を連結し、 この金具基体３の対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａ間に鉄骨１のフランジ縁部２を配 して、スライド調整装置８を作動し、一方の締付テーパ縁６をスライド移動し、 対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａにフランジ縁部２を締付挾着固定する。

【００１６】 フランジ縁部２の上縁は、上方に向かって傾斜する対向締付テーパ縁６Ａ，７ Ａに、下縁は傾き防止用の突出部20，21の支承上面20Ａ，21Ａ並びに金具基体３ の支承上面３Ａ，３Ａに夫々密着当接し、上方に向かうほど対向締付テーパ縁６ Ａ，７Ａが対向間隔Ｌが狭いため、フランジ縁部２は前記各三点によって係止固 定されることになる。

【００１７】

【実施例】

本実施例の金具基体３はアルミ製であって、本案品をできるだけ軽量としてい る。

【００１８】 この金具基体３は、断面Ｌ字状のアルミ製のアングル材で形成し、このアング ル状の金具基体３に金具基体３の上部平面に沿ってスライド自在に締付体６，７ を対向状態に嵌合している。

【００１９】 この締付体６，７の下部の一側面の上部と下部とを抱き包み嵌合させ、上部を 互いに向き合う方向に傾斜突出せしめ、この突出部の対向縁を互いに向き合う側 の上方に向かって傾斜する対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａをこの締付体６，７の外 側面と面一状態に溶接一体形成している。

【００２０】 また、この締付体６，７の外側面にフランジ縁部２の下縁に金具基体３の支承 上面３Ａと共に当接して本金具の傾きを防止する傾き防止用の突出部20，21を先 端部が互いに対向状態となるようにを突設し、この突出部20，21の支承上面20Ａ ，21Ａが金具基体３の支承上面３Ａと略面一位置となるよう構成し、この左右の 支承上面20Ａ，21Ａ・３Ａ，３Ａとの中間上部に対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａが 位置するように突出部20，21の突出度を設定している。

【００２１】 この対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａの溶接位置は特に限定されるものではないが 、締付体６，７の外側面と面一状態とした方が正確な取り付け角度で容易に溶接 できるため望ましい。

【００２２】 本実施例は図面左側の締付体７を固定するための取付孔10をわずかな間隔を置 いて三ヶ所、大きな間隔を置いて一ヶ所合計四ヶ所に並設し、このうちの一つを 選んで締付体７をボルト11止めして固定している。

【００２３】 また、この図面左側の締付体７を金具基体３より抜脱不能とするストッパー19 を設けている。このストッパー19は金具基体３の他側にワッシャを介したビスを 螺着し、このワッシャが締付体７に当接して抜脱不能状態とする構成である。

【００２４】 図面の右側の締付体６は、スライドガイド孔12とこれに貫通するガイドボルト 18をガイドとして左右にスライドできるように構成し、この締付体６にスライド 調整装置８を設けている。

【００２５】 また、ガイドボルト18並びにボルト11の頭部が傾き防止用の突出部20，21の下 縁に回り止め係止する構成とし、このガイドボルト18並びにボルト11の緩め、締 め付けが容易に行えるようにしている。

【００２６】 このスライド調整装置８は締付体６に連結する螺子杆13を金具基体３に沿って 左右方向に配設し、この左側端部を締付体６に付設し、右側端部を金具基体３右 側端部に設けた螺子筒14に貫通螺着し、金具基体３の右側に突出するこの螺子筒 14よりの貫通先端に回動用ハンドル15を付設している。

【００２７】 本実施例では、この金具基体３の中央部（取付孔10とスライドガイド孔12との 間に）一定間隔をおいて多数のボルト孔９を並設している。

【００２８】 従って、本実施例では、予め先に、鉄骨１のフランジ縁部２に締付固定した際 に対向する締付体６，７の対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａ間のほぼ中央に位置する ように、足場装置４の足場吊杆５をボルト16止めして連結し、鉄骨１のフランジ 縁部２を対向する対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａ間に配し、回動用ハンドル15を回 して金具基体３と一体の螺子筒14に対して螺子杆13を突出移動して一方の締付体 ６をスライド移動し、対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａの対向間隔Ｌを狭め、フラン ジ縁部２の上縁を対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａに、下縁を傾き防止用の突出部20 ，21の支承上面20Ａ，21Ａ並びに金具基体３の支承上面３Ａの各三点で支持して 締め付け挾持固定する構成である。

【００２９】 この固定状態を安全に保持するために、螺子杆13の螺着したナット17を螺子筒 14に締め付け固定している。

【００３０】 また、ストッパー19を設けたから、締付体７の位置を移動させるためにボルト 11止めを解除した際にも、締付体７の落下の危険がなく、安全性に秀れる。

【００３１】 鉄骨１の寸法・種類が異なりフランジ縁部２の巾・厚みが違うものに取り付け る場合は、他のボルト孔９を選択して足場装置４の重みが対向締付テーパ縁６Ａ ，７Ａ間のほぼ中央に負荷され、安定良く、しかも支承強度が向上するように、 対向締付テーパ縁６Ａ，７Ａ間のほぼ中央に位置すべく足場装置４の足場吊杆５ を移動連結し、再び前述のように締め付ける。

【００３２】 尚、場合によっては、本実施例では左側の締付体７を別の取付孔10を選んで固 定し、調整することもできる。

【００３３】

【考案の効果】

本考案は上述のように構成したから、上方からではなく、側方のスライド調整 装置を締付作動するすることにより本案品を容易に保持固定でき、しかもフラン ジ縁部を挾持する対向締付テーパ縁はハ字状に対向するテーパ縁であるため、単 にスライド調整装置を作動させて締付体をスライド締め付けするだけで巾や厚み の異なるフランジ縁部が確実且つ容易に締め付け固定でき、また、鉄骨をフラン ジ縁部の上縁を対向締付テーパ縁，下縁を傾き防止用の突出部の支承上面並びに 金具基体の支承上面の三点で上下から挟み込むように支持固定する構造としたた め金具自体の傾きが防止される秀れた鉄骨吊り足場用固定金具となる。

【００３４】 また、例えば先ず予め足場装置の足場吊杆を連結した状態で前記調整取り付け 作業が可能となり、また、調整に際して常に足場吊杆を対向締付テーパ縁間のほ ぼ中央に移動固定できるため、従来品に比し、作業能率に秀れると共に、極めて 安定性良く、取り付け強度の高い実用性に秀れた鉄骨吊り足場用固定金具となる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の使用状態の拡大正面図である。

【図２】本実施例の斜視図である。

【図３】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図４】本実施例の締付体の斜視図である。

【図５】本実施例の鉄骨のフランジ縁部を三点支承する
ことを示す要部の端面図である。

【符号の説明】

１ 鉄骨 ２ フランジ縁部 ３ 金具基体 ３Ａ 支承上面 ４ 足場装置 ５ 足場吊杆 ６，７ 締付体 ６Ａ，７Ａ 対向締付テーパ縁 ８ スライド調整装置 ９ ボルト孔 20，21 突出部 20Ａ，21Ａ 支承上面 Ｌ 対向間隔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄骨のフランジ縁部に金具基体を固定
   し、この金具基体に足場装置の足場吊杆を連結して鉄骨
   に足場装置を吊り下げ状態に固定する鉄骨吊り足場用固
   定金具であって、金具基体の左右上部に締付体を対向状
   態に突設し、少なくとも一方の締付体を金具基体の左右
   長さ方向に沿ってスライド自在に構成し、双方の締付体
   の対向縁を上方程対向間隔が小さいハ字状の対向締付テ
   ーパ縁に形成すると共にこの双方の締付体の外側面に傾
   き防止用の突出部を突出形成し、締付体に対して夫々外
   側に突出部が配され、内側に金具基体が配され、この突
   出部の支承上面が金具基体の支承上面と略面一位置とな
   るように構成して、鉄骨を左右の支承上面とその中間上
   部の対向締付テーパー縁との各三点支承構造に構成し、
   少なくとも前記一方の締付体をスライド調整移動せしめ
   るスライド調整装置を金具基体の一側に設け、金具基体
   の中央部に前記足場吊杆を連結するボルト孔を金具基体
   の左右長さ方向に複数並設若しくは金具基体の左右長さ
   方向に長いスライド長孔状に形成し、前記スライド調整
   装置により締付体の対向締付テーパ縁の対向間隔を調整
   して、この対向締付テーパ縁間に前記鉄骨のフランジ縁
   部を挾着し、且つ、この対向締付テーパ縁間のほぼ中央
   に足場装置の重みが負荷されるように前記ボルト孔を選
   択若しくはボルト孔の所定位置に前記足場吊杆を連結し
   得るように構成したことを特徴とする鉄骨吊り足場用固
   定金具。