JPH0356570Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は天井保持用枠材の上下調整構造、特に
狭い天井ふところに手を差し入れることなく作業
することのできる上下調整構造に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、天井取付用の野縁を取付ける野縁受（保
持枠）は、天井スラブより垂下するボルトにハン
ガーをねじ止めし、このハンガーを介して天井ス
ラブに固定していた。この場合、野縁受の上下の
高さ調整は、天井スラブと野縁受との間の狭いふ
ところに手を回し込んで、ハンガーのねじ止め部
を操作してハンガーの上下を調整する方法により
行つていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の従来の天井保持枠の上下
調整では、狭い天井ふところに手を差し入れて、
作業者の目視できない高い位置で上下調整作業を
行わねばならず、作業者に著しい負担を与えるば
かりでなく、調整作業の作業性を阻害したり、あ
るいは作業が不可能となることもあつた。

本考案は、上記実情に鑑み、作業者に負担を与
えることなく、しかも作業性にも優れた天井保持
枠の上下調整構造を提供することを目的としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、天井スラブと一定の間隔を有して対
向する水平片を備え、上記天井スラブに固定され
る固定部材と、上記水平片に形成された孔と、こ
の孔の径よりも大きく設定されかつ上記水平片の
上に位置されるフランジ、このフランジより上記
孔を遊嵌して貫通する如く下方に突出するねじ
頭、上記フランジより上方に突出するねじ頭とか
ら成る回動部材と、上記ねじ頭の天井スラブ側に
螺合するめねじ部、このめねじ部より垂下して、
天井板取付け用の保持枠を保持する可動部材とを
備え、上記ねじ部の定位置での回動にもとづき可
動部材を介して保持枠を上下調整可能とした天井
保持用枠材の上下調整を可能としたことを特徴と
している。

〔作用〕 上記のように構成したので、固定部材の水平片
の孔よりフランジによつて懸垂している回動部材
のねじ頭を下方より回動すると、フランジ上方の
ねじ部に螺合している可動部材の対向片が上下に
移動調整され、この対向片より下方に垂下する垂
直片に固定された天井板取付用の保持枠が可動部
材とともに上下に移動して天井保持枠用枠材の高
さ調節が行われる。従つて、下方からの作業で保
持用枠材の調整が行えるので、作業者の負担の軽
減と、作業性の向上とを実現できる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図ないし第３図を
用いて詳細に説明する。

各図において、天井スラブ１に鋲２により固定
される固定部材３は、固定片３ａと、この固定片
３ａより垂直方向に下方折曲された垂直片をさら
に水平方向に折曲した水平片３ｂとを有してい
る。前記水平片３ｂには、第２図に示すように孔
３ｃが穿設されている。

上記孔３ｃには、回動部材４のねじ頭４ａが遊
嵌されており、ねじ頭４ａの上部のフランジ部４
ｂを前記水平片３ｂに係止して下方よりＥリング
５を嵌合して回動部材４の上下への移動を規制し
ている。

上記回動部材４のフランジ部４ｂ上方にはねじ
部４ｃが形成されており、このねじ部４ｃには逆
Ｌ字状の可動部材６の前記水平片３ｂに対向する
対向片６ａのめねじ部６ｂが螺合している。前記
対向片６ａには折曲されて垂下する垂直片６ｃが
形成されており、この垂直片６ｃには上下に孔６
ｄが多列に穿設されている。

上記可動部材６の垂直片６ｃは両側面より１対
の締付部材７，７により挟持され、この締付部材
７，７は水平方向中央に対向面外方へ湾曲する湾
曲部７ａ，７ａが形成されている。前記締付部材
７，７は前記垂直片６ｃの両端面より断面Ｉ字状
の保持枠８，８で垂直片６ｃを挟持する如くボル
ト９により締付け固定する。

以上の構成において、回動部材４の角状のねじ
頭４ａをスパナ等の治具により下方より回動させ
ると、可動部材６の対向片６ａのめねじ部６ｂが
螺合して可動部材６が上下に調整される。

また、フランジ４ｂを設け、しかもＥリング５
を嵌合して回動部材４の上下への移動を規制する
ようにしたので、回動部材４の定位置での回動に
より可動部材６の上下動を確実に行うことができ
るという特有の効果を奏する。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように、本考案によれば、
天井スラブと一定の間隔を有して対向する水平片
を備え、上記天井スラブに固定される固定部材
と、上記水平片に形成された孔と、この孔の径よ
りも大きく設定されかつ上記水平片の上に位置さ
れるフランジ、このフランジより上記孔を遊嵌し
て貫通する如く下方に突出するねじ頭、上記フラ
ンジより上方に突出するねじ頭とから成る回動部
材と、上記ねじ頭の天井スラブ側に螺合するめね
じ部、このめねじ部より垂下して、天井板取付け
用の保持枠を保持する可動部材とより構成したの
で、作業者は下方よりねじ頭を観察しながら保持
枠の上下調整を行うことができ、作業にあたり負
担を受けないばかりでなく、作業性の向上にも資
することができる等種々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体斜視図、
第２図は同じく要部を示す拡大斜視図、第３図は
同じく動作を示す断面側面図である。 １……天井スラブ、３……固定部材、３ｂ……
水平片、３ｃ……孔、４……回動部材、４ａ……
ねじ頭、４ｂ……フランジ部、４ｃ……ねじ部、
６……可動部材、６ａ……対向片、６ｂ……めね
じ部、６ｃ……垂直片、７……保持枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井スラブと一定の間隔を有して対向する水平
   片を備え、上記天井スラブに固定される固定部材
   と、上記水平片に形成された孔と、この孔の径よ
   りも大きく設定されかつ上記水平片の上に位置さ
   れるフランジ、このフランジより上記孔を遊嵌し
   て貫通する如く下方に突出するねじ頭、上記フラ
   ンジより上方に突出するねじ部とから成る回動部
   材と、上記ねじ部の天井スラブ側に螺合するめね
   じ部、このめねじ部より垂下して、天井板取付け
   用の保持枠を保持する可動部材とを備え、上記ね
   じ部の定位置での回動にもとづき可動部材を介し
   て保持枠を上下調整可能とした天井保持用枠材の
   上下調整構造。