JPH09279737A

JPH09279737A - 外壁パネルの支持構造

Info

Publication number: JPH09279737A
Application number: JP9525496A
Authority: JP
Inventors: Saburo Noda; 三郎野田
Original assignee: Sekisui House Ltd
Current assignee: Sekisui House Ltd
Priority date: 1996-04-17
Filing date: 1996-04-17
Publication date: 1997-10-28
Anticipated expiration: 2016-04-17
Also published as: JP3483699B2

Abstract

(57)【要約】【課題】外壁パネルの高さ調整と取り付けのためのボ
ルトのねじ込み作業を同じ梁の上部側で行うことがで
き、従って、作業性に優れ、また、層間変形に追従する
ロッキング機能も備えた外壁パネルの支持構造を提供す
る。【解決手段】コの字形その他の抜け止め金具(１)を梁
(27)の上下面に跨るようにして設置し、その抜け止め金
具(１)の上部片(２)へねじ込んだ支持ボルト(22)の下端
を梁(27)のボルト穴(29)へ挿入し、更に、梁(27)上部側
において支持ボルト(22)によって外壁パネル(６)の支持
金具(11)を支持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、外壁パネルの支
持構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】カーテンウォールを構成する外壁パネル
の支持は、一般に梁の上に支持金具を取り付け、この支
持金具の外側の端部部分でパネルを吊り下げ支持するこ
とが行われている。例えば、この出願人が先に出願した
特開平6-123144号公報には、梁の上面に支持プレート
(金具)を垂直方向のボルトとナットで固定し、その支持
プレートの先端部分に差し込んだ上下方向のボルトで、
外壁パネルを吊り下げるようにしたものが開示されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなカーテンウ
ォール構造の外壁パネルの支持構造においては、各パネ
ル上端の横方向の目地が揃うよう高さ調節を行えるよう
にすることが必要である。また、地震時の層間変形に追
従できるようなロッキングを許容できるようにすること
が必要で、そのためには、外壁パネルが梁側に対してあ
る範囲で上下に移動できるような構成とする必要があ
る。そして、このような要求を確保しながら、なおか
つ、取り付け作業を容易に行えるようにすることが必要
となる。

【０００４】しかるに、前記従来の取り付け構造におい
ては、まず、支持プレートの取り付け作業を、その支持
プレートと梁へ差し込んだ上下方向のボルトとナットで
締め付けるものであり、そのためには、ボルトの頭部を
梁の下側で支持しながら上部側でナットを回転させる
か、或いは、それと逆のことを行わなければならず、特
に梁の下側においては、その梁と外壁パネルとの間の空
間が狭くなっているから、極めて作業が困難であるとい
う欠点がある。また、レベル調整を同じ位置で行うこと
ができず、それだけ作業性が悪いという欠点もある。

【０００５】この発明は、このような従来の欠点を解消
して、外壁パネルの高さ調整と取り付けのためのボルト
のねじ込み作業を同じ梁の上部側で行うことができ、従
って、作業性に優れ、また、層間変形に追従するロッキ
ング機能も備えた外壁パネルの支持構造を提供すること
を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、梁の上下両面に跨るようにして抜け
止め金具が設置され、この抜け止め金具へ上方からねじ
込んだ支持ボルトの下端を前記梁のボルト穴へ挿入する
とともに、同じくこの支持ボルトを、梁の上面側に設置
したパネル支持金具のボルト穴へ挿入して、その支持金
具を保持してなることを特徴とするものである。

【０００７】また、この出願の請求項２の発明は、上記
において、抜け止め金具より上方に突出した支持ボルト
上端側を前記支持金具のボルト穴へ挿入するとともに、
その支持ボルトへ螺合したナットでその支持金具を締め
付けてなることを特徴とする。

【０００８】更に、請求項３の発明では、支持金具を、
支持ボルトの軸部に形成したフランジ部によって下側か
ら支持してなることを特徴としている。

【０００９】

【発明の実施の形態】図において、(１)はこの発明の抜
け止め金具であって、側面から見て概略コの字形に折り
曲げ形成され、その水平な上部片(２)にはネジ穴(３)
が、同じく水平な下部片(４)には、前記ネジ穴(３)に対
向してボルト穴(５)が形成されている。

【００１０】コンクリート板からなる外壁パネル(６)の
裏面部上端には、金具受け(７)が図示しないインサート
を介して一体に埋設固定されており、この金具受け(７)
には、左右一対のＬ字形突片(８)(８)が一体に形成され
て、互いに対向する上下方向の溝(９)(９)が形成されて
いる。

【００１１】(11)はパネル支持金具であり、この支持金
具(11)は、前記溝(９)(９)の底部間の幅よりも僅かに小
さい幅を備えた垂直プレート(12)と、その垂直プレート
(12)の上端より外方へ水平に突出した水平プレート(13)
とを備えており、その水平プレート(13)の先端部分に１
個のボルト穴(14)が形成されている。また、垂直プレー
ト(12)の下端部分には、左右方向に突出した係止片(15)
(15)が一体に設けられている。

【００１２】水平プレート(13)の上面には、前記ボルト
穴(14)よりも外側においてＬ字形の振れ止金具(16)が固
着されており、上方に突出するその振れ止金具(16)の垂
直片上端部分には、上方に開放された縦方向のスリット
(17)が予め形成されている。この振れ止金具(16)は、支
持金具(11)を固定する外壁パネル(６)よりも一段上の外
壁パネル(18)の下端を支持するものである。即ち、外壁
パネル(18)の下端部分には、その裏面にインサートナッ
ト(19)が予め埋設されており、このインサートナット(1
9)にねじ込んだ振れ止めボルト(20)を、スリット(17)へ
上方から差し込んで揺動しないよう支持させるようにし
たものである。

【００１３】(22)は、垂直方向の支持ボルトであって、
この支持ボルト(22)には、その中間部分に１個の鍔(23)
が一体に形成されるとともに、その上下両側に雄ねじ(2
4)(25)が形成されている。また、支持ボルト(22)の上端
面に六角穴(26)が形成される。(21)はこの支持ボルト(2
2)の上端側の雄ねじ(24)へ螺合される固定ナットであ
る。

【００１４】梁(27)はＨ形鋼からなるものであり、その
上部フランジ(28)にボルト穴(29)が形成されている。

【００１５】次に、上記抜け止めプレート(１)と支持金
具(11)を用いた外壁パネル(６)の取り付け構造を説明す
ると、まず、抜け止めプレート(１)をその上部片(２)と
下部片(４)との間に梁(27)のフランジ(28)が位置するよ
うにして、上部片(２)のネジ穴(３)をフランジ(28)のボ
ルト穴(29)へ合致させて、その上部片(２)をフランジ(2
8)上面に設置する。この状態で、支持ボルト(22)を下端
の胴部(30)側から前記のネジ穴(３)及びボルト穴(29)へ
差し込むとともに、前記鍔(23)より下側の雄ねじ(25)を
ネジ穴(３)へ螺合して取り付ける。更にその胴部(30)下
端を、下部片(４)のボルト穴(５)へ挿入させるととも
に、鍔(23)が適当な高さになるように位置決めする。な
お、この鍔(23)は支持ボルト(22)と一体成形する場合と
ナット等で形成する場合とがある。

【００１６】他方、外壁パネル(６)側においては、前記
支持金具(11)の垂直プレート(12)を、金具受け(７)の前
記の溝(９)(９)間に下側から差し込んで、その垂直プレ
ート(12)下端の係止片(15)(15)が突片(８)(８)の下端へ
当接するまで吊り上げ前に現場で取り付けておく。この
状態で外壁パネル(６)をクレーン等で吊り込んで、裏面
側に突出する支持金具(11)の水平プレート(13)を、その
ボルト穴(14)を支持ボルト(22)の上端へ外嵌して鍔(23)
の上面に載置して設置する。更に、支持ボルト(22)上端
の六角穴(26)へ工具を傾斜させてその支持ボルト(22)を
回転させながら、外壁パネル(６)の上端のレベル調整を
行い、支持ボルト(22)へ上方から固定ナット(21)を螺合
して締め付け固定するものである。

【００１７】図３で示すように、抜け止め金具(１)の上
部片(２)を梁(27)のフランジ(28)へ上面に載置した状態
では、下部片(４)の上面と梁のフランジ(28)との下面と
の間には、隙間(31)が形成されており、この隙間(31)の
範囲で支持ボルト(22)は上下方向に移動可能であって、
この範囲で地震時のロッキング作用を行わしめるように
している。即ち、この隙間(31)は、外壁パネル(６)のロ
ッキング代となっている。更に、この下部片(４)が梁の
フランジ(28)下側に位置していることによって、支持ボ
ルト(22)が上方に抜けるのを防止している。

【００１８】上記下側の外壁パネル(６)の上端を取り付
けた後に、その上部側に前記上部側の外壁パネル(18)が
設置されるが、前記のように、その下端裏面部の振れ止
めボルト(20)を振れ止め金具(16)のスリット(17)へ差し
込むことによって振れ止を行う。その場合、振れ止めボ
ルト(20)の軸部に形成した鍔(32)と頭部(33)とで内外方
向にも移動しないよう保持している。また、この振れ止
めボルト(20)を回転させて、インサートナット(19)への
ねじ込み深さを調節することによって、内外の出入り調
節を行うことができるようにしている。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、梁へ
取り付けた抜け止め金具へ支持ボルトをねじ込んで、こ
の支持ボルトによって外壁パネルを支持するようにして
いるから、従来のように梁の上下両側でボルトナットに
よって固定するものに比較して、支持ボルトをねじ込む
だけで取り付けることができるため、梁の上部側から作
業できるという効果がある。

【００２０】また、この支持ボルトを挿入する支持金具
を、その支持金具裏面側において支持ボルトへ設けた鍔
によって支持するようにすれば、その支持ボルトを回転
操作するだけでレベル調整を行うことができ、このレベ
ル調整も梁の上部側で作業できるという効果がある。ま
た、支持ボルトは梁へねじ込むものではないから、大型
の梁材へネジ穴を形成する必要はないし、その梁へ跨っ
て取り付けた抜け止め金具と梁との隙間の範囲におい
て、地震の際のロッキング作用が得られるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の外壁パネルの取り付け構造を裏面側
から見た分解斜視図である。

【図２】同じく外壁パネルの取り付け後の状態をパネル
裏面側から見た斜視図である。

【図３】同じく外壁パネル取り付け後の状態を示す要部
の縦断面図である。

【符号の説明】

(１) 抜け止め金具 (２) 抜け止め金具上部片 (３) ネジ穴 (４) 抜け止め金具下部片 (５) ボルト穴 (６) 外壁パネル (11) 支持金具 (22) 支持ボルト (23) 支持ボルトの鍔 (27) 梁 (29) 梁のボルト穴

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】梁の上下両面に跨るようにして抜け止め
金具が設置され、この抜け止め金具へ上方からねじ込ん
だ支持ボルトの下端を前記梁のボルト穴へ挿入するとと
もに、同じくこの支持ボルトを、梁の上面側に設置した
パネル支持金具のボルト穴へ挿入して、その支持金具を
保持してなることを特徴とする外壁パネルの支持構造。
【請求項２】抜け止め金具より上方に突出した支持ボ
ルト上端側を前記支持金具のボルト穴へ挿入するととも
に、その支持ボルトへ螺合したナットでその支持金具を
締め付けてなることを特徴とする請求項１記載の外壁パ
ネルの支持構造。
【請求項３】支持金具を、支持ボルトの軸部に形成し
たフランジ部によって下側から支持してなることを特徴
とする請求項２記載の外壁パネルの支持構造。