JPH09279732A - 外壁パネルの支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数が少なくて構造を簡単化することが
でき、レベル調整をナットを回転させるだけで行えてそ
の作業が簡単であり、作業能率を良くすることができ、
且つ頑丈な外壁パネルの支持状態を保持することができ
る外壁パネルの支持構造を提供する。 【解決手段】 外壁パネル(１)のパネル本体(1a)の裏面
上部に取付けた略逆Ｕ字形の取付金具(２)の先端近傍箇
所に形成されたボルト部(２)に係止用ナット(11)を螺合
し、その先端部を梁(20)に穿設された貫通孔(21)に挿入
して前記係止ナット(11)を梁(20)の上面に係止すること
によって、前記梁(20)に前記外壁パネル(１)を支持する
ように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、梁に対して外壁パ
ネルを取付け支持するようにした外壁パネルの支持構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、外壁パネルの支持構造として、例
えば、本出願人が先に出願した特願平４−３００４４２
号（特開平６−１２３１４４号)に記載されたものがあ
る。

【０００３】この従来の外壁パネルの支持構造は、パネ
ル本体裏面のフレーム上面に、水平支持プレートの一端
をボルト、ナットにより枢着して回転自在に取付けると
ともに、この支持プレートの他端にボルト穴を設け、梁
に設けられたボルト穴と前記支持プレートのボルト穴を
合わせて、これらのボルト穴に下側よりボルトを挿入
し、支持プレートの上面側で、前記ボルトにナットを螺
合して、梁にパネル本体を取付け支持する構造となって
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
外壁パネルの支持構造においては、支持プレートと複数
のボルト、ナット等を必要とするので、部品点数が多く
なり、構造も複雑であり、取付け作業が複雑で困難であ
るという問題があった。

【０００５】また、外壁パネルを取り付ける際、クレー
ンで吊り込んだ状態のままボルト・ナットでの仮付けを
行う必要があり、クレーンの稼働率が低いという欠点が
あった。

【０００６】更に、外壁パネルのレベル調整（高さ調
整)を行う場合には、パネル本体の裏面の部分でナット
を回転させて行う必要があり、このパネル本体の裏面部
分が狭くなっていると作業が困難で、その作業に手間が
かかり、作業能率が悪いという問題があった。

【０００７】本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされ
たものであって、部品点数が少なくて構造を簡単化する
ことができ、レベル調整を梁上でナットを回転させるだ
けで行えてその作業が簡単であり、作業能率を良くする
ことができ、且つ頑丈な外壁パネルの支持状態を保持す
ることができる外壁パネルの支持構造を提供することを
目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、請求項１の外壁パ
ネルの支持構造は、外壁パネルのパネル本体の裏面上部
に取付けた略逆Ｕ字形の取付金具の先端近傍箇所に形成
されたボルト部に係止用ナットを螺合し、その先端部を
梁に穿設された貫通孔に挿入して前記係止ナットを梁の
上面に係止することによって、前記外壁パネルを支持す
るように構成したことを特徴としている。

【０００９】請求項２の外壁パネルの支持構造は、前記
取付金具は、パネル本体の裏面上部に取り付けた板状の
プレート部とこのプレ−ト部に取り付けられるパネル支
持部とを有し、前記プレート部の裏側に突出しその先端
が内側水平向きに突出された断面Ｌ字形の支持片部が左
右両端に形成され、前記パネル支持部の本体部が板状に
形成され、その下端部には本体部を前記支持片部間に下
方から挿入したときに前記支持片部の下端に係止する板
状鍔片部が形成されていることを特徴としている。

【００１０】請求項３の外壁パネルの支持構造は、前記
取付金具のプレート部の上端部にＵ字溝を形成する一
方、上部側に配置される他の外壁パネルのパネル本体の
裏面の下端近傍箇所に埋設したインサートナットに螺入
されたボルトの頭部近傍箇所を前記Ｕ字溝に挿入して、
上部側の外壁パネルを揺れ止め支持することを特徴とし
ている。

【００１１】請求項４の外壁パネルの支持構造は、前記
取付金具の先端に、梁に穿設された貫通孔に挿入すると
きに金具内側に凹み、挿入後には金具外側に突出して梁
に対して取付金具を抜け止めする弾性爪を設けたことを
特徴としている。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る外壁パネルの
支持構造の実施の形態について、図面を参照しつつ説明
する。

【００１３】図１は、外壁パネルの裏面上部に固着され
た取付金具のプレート部に同じく取付金具のパネル支持
部を挿入して取り付ける時の状態を示し、図２は外壁パ
ネルの裏面上部に取付けられた略逆Ｕ字形の取付金具の
先端を梁に穿設された貫通孔に挿入するときの状態を示
し、図３は外壁パネルを取付け金具によって梁に取付
け、この取付金具によって、上部側の他の外壁パネルを
揺れ止め固定する際の取付け状態を示し、図４は取付金
具によって外壁パネルを梁に取付けるとともに上部側の
他の外壁パネルを揺れ止め固定した状態を示している。

【００１４】図１に示すように、外壁パネル(１)のパネ
ル本体(1a)の裏面上部には、略逆Ｕ字形の取付金具(２)
の板状のプレート部(３)が固着されており、このプレー
ト部(３)には、その裏側に突出しその先端が内側水平向
きに突出された断面Ｌ字形の支持片部(４)、(４)が左右
両端に形成されている。

【００１５】このプレート部(３)には、取付金具(２)の
パネル支持部(５)の板状の本体部(６)が挿入されるよう
になっており、この本体部(６)の下端には、プレート部
(３)の支持片部(４)、(４)の下端に係止する板状鍔片部
(７)が形成され、更に板状の本体部(６)の上部は先窄み
状のテーパ部を経て幅小に形成され、その上端部には、
Ｕ字溝(15)が形成されている。

【００１６】更に、本体部(６)の裏面には、略逆Ｕ字形
の金具部(８)の基部が溶着されており、この金具部(８)
の先端近傍箇所にボルト部(９)が形成され、このボルト
部(９)にワッシャ(10)を下面に固着した係止用ナット(1
1)が螺合され、その先端には金具部(８)内に凹み可能で
外向きに突出した弾性爪(12)が設けられている。ここ
で、この弾性爪(12)はスプリング等の弾性体（図示略)
によって、金具部(８)に対して出没可能に外向きに付勢
されている。

【００１７】そして、図２に示すように、外壁パネル
(１)のパネル本体(1a)の裏面上部に固着された取付金具
(２)の板状のプレート部(３)に、同じく取付金具(２)の
パネル支持部(５)の板状の本体部(６)を下方より挿入
し、本体部(６)の下端の板状鍔片部(７)をプレート部
(３)の支持片部(４)、(４)の下端に係止するようになっ
ている。また、取付金具(２)の金具部(８)の先端部を梁
(20)に形成された貫通孔(21)に挿入して、図３に示す状
態として、梁(20)に取付金具(２)を介して外壁パネル
(１)のパネル本体(1a)を取付けるようになっている。こ
のとき、弾性爪(12)は、その外端部の傾斜部の作用で貫
通孔(21)の沿って自動的に没し、貫通孔(21)から出たと
きに開く。

【００１８】また、図３に示すように、上部側に位置す
る他の外壁パネル(1B)のパネル本体(1b)の裏面の下端近
傍箇所にはインサートナット(13)が埋設されており、こ
のインサートナット(13)にボルト(14)が螺入されてお
り、このボルト(14)の頭部近傍箇所がパネル支持部(５)
の板状の本体部(６)の上端部に形成されたＵ字溝(15)に
挿入されて揺れ止め固定されるようになっている。

【００１９】ここで、外壁パネル(１)をレベル調整（上
下位置調整)するには、図４に示す取付け完了後に、ナ
ット(11)を、取付金具(２)の金具部(８)のボルト部(９)
に対して上下方向に螺進螺退することによって、梁(20)
に対して外壁パネル(１)のパネル本体(1a)を上下させて
レベル調整するようになっている。

【００２０】本実施形態の外壁パネルの支持構造によれ
ば、取付金具(２)が、プレート部(３)と金具部(８)が設
けられたパネル支持部(５)とからなるものであるので、
部品点数が少なくて構造が簡単であり、梁(20)に対して
外壁パネル(１)をレベル調整（上下位置調整)するとき
に、パネル支持部(５)の金具部(８)に螺着された係止用
ナット(11)を上下方向に螺進螺退するだけでよいので、
その操作が簡単である。

【００２１】また、取付金具(２)のプレート部(３)に対
するパネル支持部(５)の板状の本体部(６)の挿入装着時
に、本体部(６)に形成した先窄み状のテーパ部が挿入時
のガイドの役目をするので、プレート部(３)にパネル支
持部(５)の板状の本体部(６)を装着し易く、更に、挿入
装着完了時には、パネル支持部(５)の板状の本体部(６)
の下端の板状鍔片部(７)が、プレート部(３)の支持片部
(４)、(４)の下端に係止するので、梁(20)に対して外壁
パネル(１)を支持するときに、パネル支持部(５)の板状
の本体部(６)がプレート部(３)から抜けることがないの
で、取付金具(２)を介して梁(20)に対して外壁パネル
(１)を強固に支持することができる。

【００２２】なお、前記弾性爪(12)は、地震等の際に金
具部(８)が上方に抜け出すのを防止するが、この弾性爪
(12)と梁(20)の裏面との間には空隙があり、その範囲で
層間変形に追従し得るロッキング代となっている。更
に、パネル支持部(５)は、外壁パネル(１)をクレーンで
吊り上げるときのフックとして利用することができる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の外壁パ
ネルの支持構造によれば、梁に対する外壁パネルの支持
を、略逆Ｕ字形の取付金具のみでできるので、部品点数
が少なくて構造が簡単であり、更に梁に対する外壁パネ
ルのレベル調整（上下位置調整)を、取付金具の先端近
傍箇所に形成されたボルト部に螺合された係止用ナット
の螺進螺退によって行うことができ余裕空間の大きい梁
上で作業できるので、レベル調整の作業を簡単に行うこ
とがでる。しかも、梁に対する外壁パネルの支持を略逆
Ｕ字形の取付金具で行っているので、その支持が強固な
ものとなる。

【００２４】加えて、パネル側の金具を梁の孔へ上から
挿入するだけで設置できるから、クレーンで吊り上げた
ままボルト締め等を行う必要がなく、クレーンの稼働率
を向上させることができる。更に、パネル本体裏面にボ
ルト等がないので、パネルと躯体との間隔を小さくで
き、不必要に外壁部分の厚みを大きくすることがない。

【００２５】請求項２の外壁パネルの支持構造によれ
ば、梁に対して外壁パネルを支持するための取付金具
が、板状のプレート部とパネル支持部とから構成されて
いるので、その構造が簡単であり、また、プレート部に
パネル支持部の板状の本体部を挿入装着したときに、プ
レート部の支持片部の下端にパネル支持部の板状の本体
部の下端の板状鍔片部が係止することによって、プレー
ト部にパネル支持部を支持固定するので、プレート部に
対してパネル支持部の板状の本体部が抜けることがな
く、この係止によって梁に対して外壁パネルが支持され
るので、その支持状態が強固なものとなる。

【００２６】請求項３の外壁パネルの支持構造によれ
ば、取付金具のプレート部の上端部に形成したＵ字溝
に、上部側に配置される他の外壁パネルのパネル本体の
下端近傍箇所に埋設したインサートナットに螺入された
ボルトの頭部近傍箇所を挿入することによって、上部側
の外壁パネルを揺れ止め固定するようにしたので、その
構造が簡単であり、且つ上部側の外壁パネルの揺れ止め
を確実に行うことができる。

【００２７】請求項４の外壁パネルの支持構造によれ
ば、取付金具の先端に弾性爪を設けたことによって、取
付金具の先端を梁に穿設された貫通孔に挿入した後に
は、取付金具が梁の貫通孔に対して抜けようとしたとき
に、この弾性爪が梁の貫通孔の下面縁に係止するので、
抜け止めすることができ、梁に対して取付金具が抜け出
ることがなく、取付金具を介して梁に対する外壁パネル
の支持を安定したものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る外壁パネルの支持構造に実施の形
態に使用される取付金具のプレート部を外壁パネルの裏
面上部に取付けた状態を示す分解斜視図である。

【図２】取付金具を介して外壁パネルを梁に取り付ける
ときの状態を示す斜視図である。

【図３】取付金具を介して梁に取付けられた外壁パネル
の上部の他の外壁パネルを揺れ止め固定するときの状態
を示す分解斜視図である。

【図４】取付金具を介して梁に外壁パネルを取付け、更
に上部の他の外壁パネルを揺れ止め固定した状態の縦断
面図である。

【符号の説明】

(１) 外壁パネル (1a) パネル本体 (２) 取付金具 (３) プレート部 (４) 支持片部 (５) パネル支持部 (６) 本体部 (７) 板状鍔片部 (９) ボルト部 (11) 係止用ナット (12) 弾性爪 (13) インサートナット (14) ボルト (15) Ｕ字溝 (20) 梁 (21) 貫通孔

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外壁パネルのパネル本体の裏面上部に取
   付けた略逆Ｕ字形の取付金具の先端近傍箇所に形成され
   たボルト部に係止用ナットを螺合し、その先端部を梁に
   穿設された貫通孔に挿入して前記係止ナットを梁の上面
   に係止することによって、前記外壁パネルを支持するよ
   うに構成したことを特徴とする外壁パネルの支持構造。
2. 【請求項２】 前記取付金具は、パネル本体の裏面上部
   に取り付けた板状のプレート部とこのプレ−ト部に取り
   付けられるパネル支持部とを有し、前記プレート部の裏
   側に突出しその先端が内側水平向きに突出された断面Ｌ
   字形の支持片部が左右両端に形成され、前記パネル支持
   部の本体部が板状に形成され、その下端部には本体部を
   前記支持片部間に下方から挿入したときに前記支持片部
   の下端に係止する板状鍔片部が形成されていることを特
   徴とする請求項１の外壁パネルの支持構造。
3. 【請求項３】 前記取付金具のプレート部の上端部にＵ
   字溝を形成する一方、上部側に配置される他の外壁パネ
   ルのパネル本体の裏面の下端近傍箇所に埋設したインサ
   ートナットに螺入されたボルトの頭部近傍箇所を前記Ｕ
   字溝に挿入して、上部側の外壁パネルを揺れ止め支持す
   ることを特徴とする請求項２の外壁パネルの支持構造。
4. 【請求項４】 前記取付金具の先端に、梁に穿設された
   貫通孔に挿入するときに金具内側に凹み、挿入後には金
   具外側に突出して梁に対して取付金具を抜け止めする弾
   性爪を設けたことを特徴とする請求項１〜３の外壁パネ
   ルの支持構造。