JPH0677306B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0677306B2
JPH0677306B2 JP60259529A JP25952985A JPH0677306B2 JP H0677306 B2 JPH0677306 B2 JP H0677306B2 JP 60259529 A JP60259529 A JP 60259529A JP 25952985 A JP25952985 A JP 25952985A JP H0677306 B2 JPH0677306 B2 JP H0677306B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート等の磁気記録媒体に関
するものである。
ロ.従来技術 近年、磁気記録媒体、特に短波長記録を要求されるビデ
オ用磁気記録媒体においては、今まで以上に微粒子化、
高磁力化された磁性粉が使用される傾向が強くなってい
る。ところが磁性粉は、微粒子化や高磁力化するほど、
個々の粒子の凝集力が強まり、その結果、短波長記録の
高い再生出力や良好なS/N比を得るために必要な分散性
や表面平滑性が十分に満足されなくなる。また、かかる
記録媒体は、記録再生時に激しく磁気ヘッドに摺接する
ため、繰返し使用によって磁性塗膜が摩耗し、塗膜中に
含有される磁性粉が脱落しやすく磁気ヘッドの目詰りと
いった好ましくない結果を生ぜしめる。
このため、磁性粉の粒度分布を調整して磁性粉の結合剤
中で分散性を向上させたり、界面活性剤を分散剤として
使用したり、また結合剤中の親水性基、例えば水酸基、
ホスホ基、スルホ基、或いはカルボキシ基等の導入によ
って変性し、特性の改善を行う方法が提案されている。
例えばポリエステル樹脂にスルホン酸金属塩残基を導入
することによって、特開昭56−74824号、同56−74827号
等には表面平滑性(グロス)及び支持体に対する接着性
の向上、特開昭56−13519号、同56−74826号、同56−74
828号、同56−74829号等には分散性、界面張力に係わる
充填性の改善についての開示があり、該スルホン酸金属
塩基導入ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ニトロ
セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル酢酸ビニル樹脂等
の組合せによるバインダー組成の提案が数多くなされて
いる。
更に、塩化ビニル系樹脂は機械的強度が大きいことか
ら、塩化ビニル−醋酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル
共重合体或いは塩合ビニル−醋酸ビニル−ビニルアルコ
ール−無水マレイン酸共重合体等が賞用される。
前記塩化ビニル系樹脂のスルホン酸金属塩残基による変
性については特開昭57−44227号に開示されており、ま
ずOH基を含有する塩化ビニル系樹脂と例えば1分子中に
塩素原子とスルホン酸金属塩残基を含有する化合物との
間で脱塩酸反応を行わしめ、スルホン酸金属塩残基の導
入された変性塩化ビニル系樹脂を得るものである。
またフリーのスルホ基(−SO3H)を含有する塩化ビニル
系共重合体については特開昭58−108032号に開示する所
がある。
しかし、このようなフリーのスルホ基を有する重合性モ
ノマーから得られた塩化ビニル系重合体は、磁性塗料に
混合した場合に塗料粘度を上昇させるため、工程上の支
障をきたし、かつ媒体の走行性にも悪影響を及ぼす。
ハ、発明の目的 本発明の目的は、磁性粉の分散性に優れると共に、耐久
性も良好であり、磁性層の表面平滑性が良好であってブ
ルーミングが生じず、走行安定性に優れた磁気記録媒体
を提供することにある。
ニ、発明の構成及びその作用効果 即ち、本発明は、磁性粉と結合剤と脂肪酸とを含有する
磁性層が設けられた磁気記録媒体であって、前記結合剤
としてスルホ基及び/又はホスホ基をアルカリ金属塩の
形で持つ塩化ビニル系樹脂が用いられてなり、前記脂肪
酸として炭素原子数が8〜17の脂肪酸と炭素原子数が18
〜22の脂肪酸とが用いられてなることを特徴とする磁気
記録媒体に係るものである。
本発明によれば、上記結合剤は、スルホ基及び/又はホ
スホ基をアルカリ金属塩の形で含有しているので磁性塗
料粘度が低くなり、磁性粉の分散性が向上して磁性層の
表面平滑性が良好となる。しかも、磁性層中には、炭素
原子数の異なる脂肪酸(一方は炭素原子数8〜17、他方
は炭素原子数18〜22)を併用しているので、そのブルー
ミングを効果的に防止しながら、走行の安定した、耐久
性のある磁気記録媒体を提供できる。
このためには、炭素原子数8〜17の脂肪酸と炭素原子数
18〜22の脂肪酸との配合比は、重量比で前者:後者=
(1:9)〜(9:1)であるのがよく、(2:8)〜(8:2)が
より好ましい。この範囲を外れて前者の脂肪酸が少なく
なると、ブルーミングが発生し易く、逆に多くなると、
塗料粘度が増える傾向がある。脂肪酸全体としての添加
量は、磁性粉100重量部に対して0.2〜3重量部がよく、
0.5〜2.5重量部が更によい。この範囲を外れて脂肪酸が
少なくなると磁性粉の分散性が低下し、媒体の走行性も
低下し易く、また多くなると脂肪酸がしみ出したり、出
力低下が生じ易くなる。
本発明に係る結合剤、特に塩化ビニル系共重合体は、塩
化ビニルモノマー、スルホン酸もしくはリン酸のアルカ
リ塩を含有した共重合性モノマー及び必要に応じ他の共
重合性モノマーを共重合することによって得ることがで
きる。この共重合体はビニル合成によるものであるので
合成が容易であり且つ共重合成分を種々選ぶことがで
き、共重合体の特性を最適に調整することができる。
スルホン酸もしくはリン酸の塩の金属はアリカリ金属
(特にナトリウム、カリウム、リチウム)であり、特に
カリウムが溶解性、反応性、収率等の点で好しい。
スルホン酸塩を含有する上記の共重合性モノマーとして
は、 CH2=CHSO3M、 CH2=CHCH2SO3M、 CH2=C(CH3)CH2SO3M、 CH2=CHCH2OCOCH(CH2COOR)SO3M、 CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2SO3M、 CH2=C(CH3)COOC2H4SO3M、 CH2=CHCOOC4H8SO3M、 CH2=CHCONHC(CH32CH2SO3M が挙げられる。
またリン酸塩としては、 CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2−O−PO3MY1、 CH2=CHCONHC(CH32CH2−O−PO3MY2CH2=CHCH2O(CH2CH2O)mPO2MX2 上記に於てMはアルカリ金属、Rは炭素原子数1〜20個
のアルキル基、Y1はH、Mまたは CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2−、Y2はH、Mまたは CH2
=CHCONHC(CH32CH2−、X1OHまたはOM、X2はCH2=CHCH2O(CH2CH2O)m−、OHまた
はOMである。またnは1〜100、mは1〜100の整数であ
る。
また必要に応じ共重合させる共重合性モノマーとして
は、公知の重合性モノマーがあり、例えば種々のビニル
エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、スチレン、アクルリ酸、メタクリル酸、
種々のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エ
チレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプ
レン、ビニルエーテル、アリールエーテル、アリールエ
ステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン
酸、マレイン酸エステル等が例示される。
本発明による上記結合剤は乳化重量、溶液重合、懸濁重
合、塊状重合等の重合法により重合される。いずれの方
法に於ても必要に応じて分子量調節剤、重合開始剤、モ
ノマーの分割添加あるいは連続添加など公知の技術が応
用できる。
本発明において用いられる上記結合剤中の前記酸性基の
塩含有モノマー量は0.01〜30モル%であるのが好まし
い。該塩含有モノマー量が多すぎると、溶剤への溶解性
が悪くまたゲル化あ起こりやすい。また塩含有モノマー
量が少なすぎると所望の特性が得られなくなる。
前記結合剤としての特に塩化ビニル系重合体は、磁気媒
体の耐久性を向上するウレタン樹脂と併用されるのがよ
い。
更に従来知られている各種樹脂を併用してもよい。併用
される熱可塑性樹脂としては、軟化温度が150℃以下、
平均分子量が約10000〜200000、重合度が200〜2000程度
のもので、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロ
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、
メタクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メ
タクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリ
ル酸エステル−スチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、
塩化ビニリデン−アクリロニトル共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビ
ニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテ
ートブチレート、セルロースダイアセテート、セルロー
ストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロ
セルロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエ
ステル樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル
共重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹
脂及びこれらの混合物等が使用される。
また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布液の状
態では約200,000以下の分子量であり、縮合、付加等の
反応により分子量は無限大のものとなる。更に、これら
の樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化又は
溶融しないものが好ましい。具体的には例えばフェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アル
キッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、高分
子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの
混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプ
レポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイ
ソシアネートの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低
分子量グリコール/高分子量ジオール/トリフェニルメ
タントリイソシアネートの混合物、ポリアミン樹脂及び
これらの混合物等が例示される。
前記した樹脂は−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO(O
M′)(但しMは水素又はアルカリ金属、M′は水
素、アルカリ金属又は炭化水素残基)等の親水性極性基
を含有した樹脂であってもよい。
本発明に使用可能な塩化ビニル系共重合体とウレタン樹
脂との配合比としては、本発明に係る塩化ビニル系重合
体が90〜10重量部、より好ましくは80〜20重量部である
のが望ましい。上記配合比が90重量部を越えると塗膜が
もろくなりすぎ塗膜の耐久性が著しく劣化し、また支持
体との接着性も悪くなる。また上記配合比が10重量部未
満であると、磁性粉の粉落ちがおこり易くなる。
更に本発明に係る結合剤を含有する磁性塗料には更にポ
リイソシアネート系硬化剤を添加することにより、耐久
性を向上することができる。このようなポリイソシアネ
ート系硬化剤としては、例えば、トリレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサンジ
イソシアネート等の2官能イソシアネート、コロネート
L(日本ポリウレタン工業(株)製)、デスモジュール
L(バイエル社製)等の3官能イソシアネート、または
両末端にイソシアネート基を含有するウレタンプレポリ
マーなどの従来から硬化剤として使用されているもの
や、また硬化剤として使用可能であるポリイソシアネー
トであればいずれも使用できる。また、そのポリイソシ
アネート系硬化剤の量は全結合剤量の5〜80重量部用い
る。
次に本発明に使用する上記の脂肪酸は一塩基性であって
も二塩基性であってもよい。脂肪酸を例示すると以下の
通りである。
炭素原子数8〜17の脂肪酸: カプリル酸(炭素原子数8) アゼライン酸(炭素原子数9) セバシン酸(炭素原子数10) カプリン酸(炭素原子数10) オクタンジカルボン酸(炭素原子数10) 1,12−ドデカンジカルボン酸(炭素原子数12) ラウリン酸(炭素原子数12) ミリスチン酸(炭素原子数14) パルミチン酸(炭素原子数16) 炭素原子数18〜22の脂肪酸: ステアリン酸(炭素原子数18) イソステアリン酸(炭素原子数18) リノレン酸(炭素原子数18) リノール酸(炭素原子数18) オレイン酸(炭素原子数18) エライジン酸(炭素原子数18) ベヘン酸(炭素原子数22) アライジン酸(炭素原子数20) ノナデカイック酸(炭素原子数19) ヘネイコサノイック酸(炭素原子数21) 第1図は、本発明による磁気記録媒体、例えば磁気テー
プを示すものであり、支持体1上に下びき層2(この層
は必要に応じて設けられない場合もある。)磁性層3が
積層せしめられている。そして、本発明に基いて、磁性
層3中には、上述した結合剤、脂肪酸、磁性粉が含有せ
しめられている。
上記支持体1は、帯電防止、転写防止等の目的で磁性層
を設けた側の反対の面が、第2図の如くいわゆるバック
コート(Backcoat)4が施されるのがよい。
磁性層に用いられる磁性粉、特に強磁性粉としては、γ
−Fe2O3、Co含有γ−Fe2O3、、Fe3O4、Co含有Fe3O4等の
酸化鉄磁性粉:Fe、Ni、Co、Fe−Ni−Co合金、Fe−Mn−Z
n合金、Fe−Ni−Zn合金、Fe−Co−Ni−Cr合金、Fe−Co
−Ni−P合金、Co−Ni合金等、Fe、Ni、Co等主成分とす
るメタル磁性粉:CrO2等各種の強磁性粉が挙げられる。
磁性層には、前記の他に添加剤として他の分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤等が加えられてもよい。
併用できる他の分散剤としては、前記の脂肪酸のアルカ
リ金属(Li、Na、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、
Ca、Ba)から成る金属石鹸;前記の脂肪酸エステルの弗
素を含有した化合物;前記の脂肪酸のアミド;レシチ
ン;トリアルキルポリオフィンオキシ第四アンモニウム
塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエチレ
ン、プロピレンなど)等が使用される。この他に炭素数
12以上の高級アルコール、及びこれらの他に硫酸エステ
ル等も使用可能である。潤滑剤としては、ジアルキルポ
リシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)、COOR(R
=H又はC1〜C20のアルキル基)で変性されたジアルキ
ルポリシロキサン、ジアルコキシポリシロキサン(アル
コキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキ
シポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個、アルコ
キシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシロキサン、フ
ロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5
個)などのシリコンオイル;グラファイトなどの導電性
微粉末;二流化モリブデン、二流化タングステンなどの
無機微粉末;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
などのプラスチック微粉末;α−オレフィン重合物;常
温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフィン二重
結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素数約20);炭
素数12〜22個の脂肪酸と炭素数1〜20個の一価のアルコ
ールから成る脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類な
どが使用できる。これらの潤滑剤は磁性粉100重量部に
対して0.2〜30重量部の範囲で添加される。
研磨剤としては、一般に使用される材料でアルミナ、炭
化ケイ素、酸化クロム(Cr2O3)、コランダム、人造コ
ランダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ
石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)等が使用
される。これらの研磨剤はモース硬度が5以上であり、
平均粒子径が0.05〜5μmの大きさのものが使用され、
特に好ましくは0.1〜2μmである。これらの研磨剤は
磁性粉100重量部に対して0.5〜20重量部の範囲で添加さ
れる。
帯電防止剤としては、カーボンブラック、カーボンブラ
ックグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サポニンな
どの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリセ
リン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤;高
級アルキルアミン類、第四級アンモニウム塩類、ピリジ
ンその他の複素環類、ホスホニウム類などのカチオン界
面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エス
テル基、リン酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界
面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノア
ルコールの硫酸またはリン酸エステル類等の両性活性剤
などが使用される。上記の導電性微粉末は磁性粉100重
量部に対して0.2〜20重量部が、界面活性剤は0.1〜10重
量部の範囲で添加される。これらの界面活性剤は単独ま
たは混合して添加してもよい。これらは帯電防止剤とし
て用いられるものであるが、時としてその他の目的、例
えば分散、磁気特性の改良、潤滑性の改良、塗布助剤と
して適用される場合もある。
他に添加剤として次のものを用いてもよい。リン酸、ス
ルファイド、グアニジン、ピリジン、アミン、尿素、ジ
ンククロメート、カルシウムクロメート、ストロンチウ
ムクロメートなどが使用できるが、特にジシクロヘキシ
ルアミンナイトライト、シクロヘキシルアミンクロメー
ト、ジイソプロピルアミンナイトライト、ジエタノール
アミンホスフェート、シクロヘキシルアンモニウムカー
ボネート、ヘキサメチレンジアミンカーボネート、プロ
ピレンジアミンステアレート、グアニジンカーボネー
ト、トリエタノールアミンナイトライト、モルフォリン
ステアレートなど(アミン、アミドまたはイミドの無機
酸塩または有機酸塩)を使用すると防錆硬化が向上す
る。これらは強磁性微粉末100重量部に対して0.01〜20
重量部の範囲で使用される。
又、磁性層の構成材料は有機溶剤と混合して磁性塗料を
調製し、これを支持体上に塗布するが、その磁性塗料の
溶剤としてはケトン(例えばアセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、
アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール)、エステル(例えばメチルアセテー
ト、エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルラク
テート、グリコールアセテートモノエチルエーテル)、
グリコールエーテル(例えばエチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
ジオキサン)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トル
エン、キシレン)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、
ヘプタン)、ニトロプロパン等が挙げられる。この磁性
塗料を塗布する支持体はポリエステル(例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン)、セルロース誘導体(例えばセルローストリア
セテート、セルロースダイアセテート、セルロースアセ
テートブチレート、セルロースアセテートプロピオネー
ト)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリヒドラジド類、金属(例えばアル
ミニウム、銅)、紙等から成っていて良い。
ホ、実施例 以下、本発明を具体的な実施例につき説明する。以下に
示す成分、割合、操作順序等は、本発明の精神から逸脱
しない範囲において種々変更しうる。なお、下記の実施
例において「部」はすべて「重量部」を表わす。
実施例−1 本実施例においては、前記塩を含有する塩化ビニル系共
重合体を次のようにして合成した。
下記の組成物を反応容器に仕込みN2置換し反応させた。
メチルイソブチルケトン 86重量部 酢酸メチル 280 〃 塩化ビニル 150 〃 酢酸ビニル 50 〃 CH2=CHCH2OCOCH(SO3K)CH2COOC8H17 6 〃 ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(重合開始
剤) 2 〃 上記処方組成を撹拌しながら53℃に上げ、処方中の重合
開始剤1に対し9のメチルイソブチルケトンを加えた。
15時間後30℃に冷却し残存塩化ビニルを回収し更に減圧
下に回収を行った。このようにして固形分32%、粘度70
cps(25℃)の共重合体溶液480重量部をえた。
こうして得られた、スルホ基のアルカリ金属塩を有する
不飽和化合物を共重合成分とする塩化ビニル系樹脂をバ
インダーAとする。そして、次の組成物を調製した。
バインダーA 15部 ポリウレタン 7部 Co−γ−Fe2O3 100部 分散剤(レシチン) 3部 アルミナ 2部 カーボンブラック 6部 ラウリン酸 0.5部 ステアリン酸 0.5部 脂肪酸エステル(ブチルステアレート) 0.5部 シクロヘキサノン 150部 メチルエチルケトン 70部 トルエン 30部 上記成分をボールミルに仕込み、分散させた後、この塗
料に3官能イソシアネート5部を添加し、リバースロー
ルコーターにて支持体上に5μm厚みに塗布してスーパ
ーカレンダーをかけ、1/2インチ幅にスリットしてビデ
オテープとした。
実施例−2 実施例−1において、バインダーAに代えて、ホスホ基
のアルカリ金属塩を有する不飽和化合物を共重合成分と
する塩化ビニル系樹脂(実施例−1のバインダーAにお
いて、CH2=CHCH2OCOCH(SO3K)CH2COOC8H17 6重量部
のうち1重量部をCH2=CHCONHC(CH32CH2OPO3K2に代
えて得られたもの:バインダーBとする)を用いた以外
は、実施例−1と同様の操作を行なった。
実施例3 実施例1において、ラウリン酸0.5部をミリスチン酸
(炭素原子数14)0.5部に代えて同様に行なった。
実施例4 実施例1において、ラウリン酸0.5部をパルミチン酸
(炭素原子数16)0.5部に代えて同様に行なった。
実施例5 実施例1において、ラウリン酸0.5部をヘプタデシル酸
(炭素原子数17)0.5部に代えて同様に行なった。
比較例−1 実施例−1において、バインダーAに代えて、スルホ基
を有する不飽和化合物を共重合成分とする塩化ビニル系
樹脂(CH2=CH−CONHC(CH32CH2SO3Hを使用したも
の:バインダーCとする)を用いた以外は、実施例−1
と同様の操作を行なった。
比較例−2 実施例−1において、ラウリン酸0.5部、ステアリン酸
0.5部に代えて、ラウリン酸1部を用いた以外は、実施
例−1と同様の操作を行なった。
比較例−3 実施例−1において、ラウリン酸0.5部、ステアリン酸
0.5部に代えて、ステアリン酸1部を用いた以外は、実
施例−1と同様の操作を行なった。
比較例−4 実施例−1において、ステアリン酸に代えてパルミチン
酸を用いた以外は、実施例−1と同様の操作を行なっ
た。
比較例−5 実施例−2において、ラウリン酸0.5部、ステアリン酸
0.5部に代えて、ステアリン酸1部を用いた以外は、実
施例−2と同様の操作を行なった。
以上のサンプルの諸特性を下記表に示す。
塗料粘度:25℃にてB型粘度計(60r.p.m.)にて測定。
ブルーミング:23℃、80%RHにて1ヶ月放置後、目視に
て判定。
ジッター:VTRジッターメーターMK−612A(目黒電波製)
にて測定。
100パス後のRF出力変化:1パス目のRF出力との差を計
算。
この結果から、本発明に基いて磁性層を形成すれば、磁
性粉は分散性にすぐれ、媒体の走行性も良くなり、ブル
ーミングが少なくなり、従って磁気特性、電気特性にす
ぐれることが分る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すものであって、 第1図及び第2図は磁気テープ二例の一部分の各拡大断
面図 である。 なお、図面に示した符号において、 1……非磁性支持体 2……下びき層 3……磁性層 4……バックコート層 である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性粉と結合剤と脂肪酸とを含有する磁性
    層が設けられた磁気記録媒体であって、前記結合剤とし
    てスルホ基及び/又はホスホ基をアルカリ金属塩の形で
    持つ塩化ビニル系樹脂が用いられてなり、前記脂肪酸と
    して炭素原子数が8〜17の脂肪酸と炭素原子数が18〜22
    の脂肪酸とが用いられてなることを特徴とする磁気記録
    媒体。
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