JPH067472U - 釣り竿のガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い精度に製作せずとも、フレームの内周縁
にガイドリングを容易に嵌込んで密接状態に嵌合させ、
しかも、腐食等の現象による傷みを生じ難いガイドを構
成する。 【構成】 フレーム２の内周に径方向に向かう姿勢の複
数の切り込みＳを放射状に形成し、該フレーム２の軸芯
Ｘに沿う方向に向かう姿勢の屈曲部２Ａを形成し、この
屈曲部２Ａの内周縁にガイドリング１を嵌込み、屈曲部
２Ａの弾性力でガイドリング１を保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、釣り糸を案内するガイドリングと、このガイドリングを支持するリ ング状のフレームと、このフレームを竿材に備える支持部とを備えて成る釣り竿 のガイドの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記のように構成されるガイドとして図６に示すものと例に挙げると、 この種のガイドでは金属材等でリング状のフレーム２を形成すると共に、このフ レーム２の内周に複数の突起２Ｔ‥を形成し、この突起２Ｔに接触する状態にセ ラミック等耐磨耗性に優れたガイドリング１を嵌込んでフレーム２とガイドリン グ１との一体化を図っている。 尚、この種のガイドでは、竿材Ｒに装着する際に用いる脚状の支持部３をフレ ーム２と一体的に形成しており、又、フレーム２にガイドリング１を嵌込んだ状 態で夫々の間に接着剤等の樹脂を注入して嵌合を強固にすることも多く行われて いる。 因みに、図示したガイドは固定ガイドと称せられるものであり、支持部を釣り 竿の外面にスライド移動自在に構成した筒状に成形して移動ガイドに構成したも のも存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ここで、前述した構造のガイドについて考えるに、この構造のガイドでは、複 数の突起に対して接触する状態にガイドリングを嵌込むので、フレーム、ガイド リング夫々に高い製作精度が要求されるものとなり、又、嵌込んだ状態でフレー ムの内周縁とガイドリングとの間に広い間隙が形成されるので、接着材を注入す る構造のものでも、僅かな空間を介してこの間隙に海水等が侵入してフレームに 腐食を発生させたり、塵埃の侵入、侵入した海水の塩分の結晶化等の現象によっ てガイドを傷めることも多いものとなっている。 尚、製作誤差によってフレームの内周径に対してガイドリングの外径が小さく 形成された場合には、使用時にガタツキを発生させるばかりでなく、ガイドリン グを脱落させる現象を生じやすく、又、フレームの内周径に対してガイドリング の外径が大きく形成された場合には、嵌込み操作が困難になり、しかも、ガイド リングを傷めることもある。 又、この様な不都合を解消する観点からは、フレームの内周を円形に成形し、 この内周縁にガイドリングを密接させて夫々を嵌合させることが理想であるが、 このように密接させる構造では、フレーム、ガイドリング夫々の精度を極めて高 くする必要があり、フレームとガイドリングとを別個に大量生産する現状の製造 手段では対応が困難であり改善の余地がある。 本考案の目的は、高い精度に製作せずとも、フレームの内周縁に対してガイド リングを容易に嵌込み、嵌込んだ後には強固な嵌合を維持し、しかも、腐食等の 現象による傷みを生じ難いガイドを合理的に構成する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴は冒頭に記したように、釣り糸を案内するガイドリングと、この ガイドリングを支持するリング状のフレームと、このフレームを竿材に備える支 持部とを備えて成る釣り竿のガイドであって、 前記フレームの内周に径方向に向かう姿勢の切り込みを形成すると共に、この 内周に該フレームの軸芯に沿う姿勢、若しくは、軸芯に沿う方向に向かう姿勢の 屈曲部を形成し、この屈曲部の内周縁に前記ガイドリングを嵌込み保持して成る 点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】

上記特徴を例えば、図１及び図２に示すように構成すると、このフレーム２の 屈曲部２Ａの内周縁の径をガイドリング１の外周径より僅かに小さくなるよう成 形しておくことによって、ガイドリング１を嵌込む際には、フレーム２の屈曲部 ２Ａに対し該フレーム２の軸芯Ｘに沿ってガイドリング１を挿入することにより 、屈曲部２Ａの弾性変形の性質、及び、切り込みＳの幅の広がりによって、この 屈曲部２Ａが軸芯Ｘと直交する方向に弾性変形しながらガイドリング１の全周を 抱き込む状態に達して嵌込みが完了すると共に、この嵌込みの後には屈曲部２Ａ の弾性力によってガイドリング１の外周に該屈曲部２Ａの内周縁が密接する状態 が維持されるものとなる。 つまり、このガイドでは、フレーム２の内周縁を、容易に弾性変形が許される 形状に成形することによってフレーム２、ガイドリング１夫々に多少の製作誤差 を有していても、フレーム２とガイドリング１との間に殆ど隙間を形成しない形 態の嵌合を可能にし、しかも、嵌合後には弾性力によってガタツキ、脱落を生じ 難いものとなる。

【０００６】

【考案の効果】

従って、高い精度に製作せずとも、フレームの内周縁に対してガイドリングを 容易に嵌込み、嵌込んだ後には強固な嵌合を維持し、しかも、腐食等の現象によ る傷みを生じ難いガイドが合理的に構成されたのである。 特に、ガイドリングにフランジ部を形成した場合にはガイドリングとフレーム との接触面積が大きくなって、ガイドリングの姿勢が安定するばかりで無く、接 着効果の向上等によってガイドリングの脱落が一層抑制されるという効果も奏す る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１乃至図３に示すように、釣り糸を案内するガイドリング１と、このガイド リング１を支持するリング状のフレーム２と、このフレーム２を竿材Ｒに備える 支持部３とを備えて釣り竿のガイドを構成する。 前記ガイドリング１はセラミック等、耐磨耗性に優れた素材に滑らかな内周面 １Ａと平坦な外周面１Ｂを形成して成り、又、フレーム２は金属材をリング状に 成形し、その外周部に前記支持部３を脚状に形成し、該フレーム２の内周に径方 向に向かう姿勢の複数の切り込みＳ‥を放射状に形成し、かつ、その内周側ほど 軸芯に沿う姿勢に近づく姿勢の屈曲部２Ａを形成している。 このガイドは、フレーム２の屈曲部２Ａの内周に軸芯Ｘの方向からガイドリン グ１を嵌込み、弾性力によって屈曲部２Ａをガイドリング１の外周に密接する状 態で保持させ、フレーム２とガイドリング１夫々に亘って接着剤４等の樹脂を塗 布することによって製造され、この後、前記支持部３を糸５で縛り、この糸５に 樹脂６の塗布を行って竿材に固定される。 そして、このガイドでは、フレーム２、ガイドリング１夫々に多少の製作誤差 を有していても、フレーム２とガイドリング１との間に殆ど隙間を形成しない状 態に嵌合させ、又、嵌合後には弾性力によってガイドリング１のガタツキ、脱落 を生じ難く、しかも、海水が付着することがあってもフレーム２とガイドリング １との間への侵入を阻止して腐食等の傷みを抑制して長期に亘って快適に使用で きるようになっている。

【０００８】 〔別実施例〕 本考案は上記実施例以外に、例えば、図４に示すように、支持部３を竿材Ｒの 外面にスライド自在に外嵌する筒状に形成して移動ガイドに構成することが可能 であり、又、同図に示すように、ガイドリング１の外周面において軸芯Ｘに沿う 方向の両面にフランジ部１Ｆ，１Ｆを形成して、これらのフランジ部１Ｆ，１Ｆ の間に係合溝１Ｇ等を作る構造を採用し、この係合溝１Ｇにフレーム２の屈曲部 ２Ａを係入させることによって接着剤を用いずに構成することも可能である。 又、図５に示すように、ガイドリング１に対して単一のフランジ部１Ｆを形成 すると共に、このガイドリング１の外周部をフレーム２の屈曲部２Ａに嵌込んで 保持し、かつ、接着材４によって、該ガイドリングをフレーム２に固定するよう にも実施できる。 更に、本考案ではリング状のフレームに対して形成する切り込みが単一であっ て良く、フレームと支持部とを一体的に形成して実施することも可能である。

【０００９】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガイドの正面図

【図２】ガイドの縦断側面図

【図３】ガイドリングとフレームとの嵌合状態を表す拡
大断面図

【図４】第１の別実施例のガイドの縦断側面図

【図５】第２の別実施例のガイドの拡大断面図

【図６】従来のガイドの正面図

【符号の説明】

１ ガイドリング １Ｆ フランジ部 ２ フレーム ２Ａ 屈曲部 ３ 支持部 Ｒ 竿材 Ｓ 切り込み Ｘ 軸芯

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 釣り糸を案内するガイドリング（１）
   と、このガイドリング（１）を支持するリング状のフレ
   ーム（２）と、このフレーム（２）を竿材（Ｒ）に備え
   る支持部（３）とを備えて成る釣り竿のガイドであっ
   て、 前記フレーム（２）の内周に径方向に向かう姿勢の切り
   込み（Ｓ）を形成すると共に、この内周に該フレーム
   （２）の軸芯（Ｘ）に沿う姿勢、若しくは、軸芯（Ｘ）
   に沿う方向に向かう姿勢の屈曲部（２Ａ）を形成し、こ
   の屈曲部（２Ａ）の内周縁に前記ガイドリング（１）を
   嵌込み保持して成る釣り竿のガイド。
2. 【請求項２】 前記ガイドリング（１）の外周面におい
   て、前記軸芯（Ｘ）に沿う方向での少なくとも一方の側
   に径方向外方に張り出すフランジ部（１Ｆ）を形成して
   成る請求項１記載の釣り竿のガイド。