JPH067447B2 - ワイヤーハーネス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ワイヤーハーネスを構成する電線に分岐接続
部のある場合に、この分岐接続部をワイヤーハーネスの
端部に設けられるコネクタ内に収容するワイヤーハーネ
スに関する。

〔従来の技術〕 コネクタは一般に電線が接続された雌または雄ターミナ
ルとこれを収容係止するターミナル収容室をもつコネク
タハウジングとから成り、１個のターミナルには１本の
電線を圧着接続するのが通例である。

一方、従来のワイヤーハーネスにおける分岐接続をその
アース回路を例にとって説明すると、第４図に示す如
く、アース基線ａの中間部の絶縁被覆を剥ぎ取り、露出
した導体ｂに分岐線ｃの導体ｂ′を沿わせ、圧着端子ｄ
を用いて加締圧着する方法がある。

また、別の分岐接続方法として、第５図に示す如く、複
数の雄ターミナルｅを櫛歯状に突設したジョイント端子
ｆを絶縁ハウジングｇのターミナル収容室ｈに挿着し、
該室ｈで分岐電線ｉと１対１で接続された雌ターミナル
（図示せず）と接触させるようにしたジョイントコネク
タｊを使用する方法がある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

圧着端子ｄのようなターミナルと電線の加締圧着による
接続本数はせいぜい２本であり、それ以上では適正な加
締圧とするのが困難で、接触抵抗が安定化せず、電気的
接続の信頼性が低い。

ジョイントコネクタｊは上記欠点をカバーできるが、多
数の分岐電線ｉに対する雌ターミナルの圧着のために、
その工数や部品点数が増大し、製造コストが高くなる。

ワイヤーハーネスを構成する電線の中間部に分岐接続部
がある場合に、この電線に取り付けた第４図の圧着端子
ｄや第５図のジョイントコネクタｊがワイヤーハーネス
を複雑化し、整然と配索する上で妨げになったり、ワイ
ヤーハーネスの外面から突出している圧着端子ｄやジョ
イントコネクタｊに外部のものが当たって分岐接続部を
傷める虞がある。

本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、ワイ
ヤーハーネスの分岐接続部のコネクタ内に収容すること
により配線形態を簡素化し、電気的接続の信頼性が高
く、低減されたコストで製造できるワイヤーハーネスを
提供することを目的とする。

発明の構成 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本発明にあっては、電線相
互の分岐接続部を有するワイヤーハーネスにおいて、分
岐接続部の複数の電線の導体部をターミナルの電線接続
部に一括して溶着固定し、ワイヤーハーネスのコネクタ
ハウジング内に前記ターミナルを収容することにより、
電線相互の分岐接続部をコネクタ内に収容してなる構成
を採用した。

〔実施例〕

以下、本発明を実施例を示す図面を参照して具体的に説
明する。

第１図において、Ｍは雄型のジョイントコネクタで、複
数のターミナル収容室２をもつコネクタハウジング１
と、これに収容係止される雌ターミナル３とから成る。
雌ターミナル３は基板部４の先端部に一対の弾性カール
腕５を有し、後端部には一対の絶縁体加締片６により幹
部電線８と複数の分岐電線８′の絶縁被覆部が一括して
圧着固定され、基板部４の中間部両側に設けられた一対
の溶接ノリ片７，７の間にはこれらの幹部および分岐電
線８，８′の導体部９が溶着固定されている。

雌ターミナル３と電線の接続は溶着方式である。から、
図示のように線径に大小のある異種の幹部および分岐電
線８，８′を接続することができ、電気的接続の信頼性
の高いものが得られる。

Ｆは雌型のコネクタで、そのコネクタハウジング１ ０
のターミナル収容室１１には太径の幹部電線１３を前記
と同様に溶着固定した雄ターミナル１２が収容、係止さ
れる。雌、雄ターミナル３，１２の係止は、可撓性の係
止腕２ａ等による既知の手段で行われる。

なお、幹部および分岐電線８，８′群が接続されるジョ
イントコネクタＭは、そのコネクタハウジング１の後部
に拡大径の枠部１４を一体に形成して電線の引出し方向
や配線作業を楽にできるようにするのが好ましい。

第２図は別の実施例を示し、幹部および分岐電線８，
８′が溶着固定された複数の雌ターミナル３を、複数の
雄ターミナル１６を並設した１個のブスバージョイント
端子１５に接続するようにしたものである。コネクタハ
ウジング１′は前記コネクタハウジング１と同様の構造
であるが、前端開口部にブスバージョイント端子１５に
対する収容部１７を設け、カバー１８を冠着して係止爪
１９および係止孔１９′によりロックする。

前記の雌ターミナル３に対する分岐電線８′などの溶着
および圧着は、例えば第３図に示すような方法で行う。

すなわち、アルビル２０のターミナル載置溝２１に雌タ
ーミナル３をセットし、その基板部４の中央に分岐電線
８′の導体部９を載せ、溶接用のチップ２２を当接し、
溶接を行う。これにより、分岐電線８′の導体部９が溶
融し一体となって溶着固定される。溶接後、図示しない
プレス治具とアンビル２０により絶縁体加締片６をかし
め、絶縁被覆部を一体に圧着、固定する。

超音波溶接を行う場合には、ターミナル載置溝２１に雌
ターミナル３を裏返してセットできるようにその形状を
改変し、図示しない振動ホーンチップの振動が直接導体
部９に加わらないようにするのが好ましい。

発明の効果 本発明は、分岐接続部の複数の電線の導体をターミナル
の電線接続部に一括して溶着固定し、このターミナルを
ワイヤーハーネスのコネクタハウジング内に収容したの
で下記のような効果を奏する。

(a)ワイヤーハーネスの外表面に、電線接続部による膨
らみや突起が生じる虞がなく、ワイヤーハーネスを整然
と配索することができる。

従って、ワイヤーハーネスに分岐接続部を作り易くなっ
た。

(b)１箇所の分岐接続部に多数の電線を確実に接続する
ことができる。

(c)分岐接続部がコネクタ内に収容されるので、外力か
ら保護される。

この(c)と上記(b)とにより、長期間にわたって安定した
電気接続が得られる。

(d)ワイヤーハーネス自体の接続形態が簡素化され、そ
の生産性向上に役立つ。

(e)分岐接続部ごとにワイヤーハーネスの端部を設ける
ことにもなるので、自動車の機種により分岐接続部が一
部増減する場合には、その増減する分岐接続部を含むワ
イヤーハーネスだけを取り替えればよいので、機種の変
更に対応し易くなる等の利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のワイヤーハーネスにおけるコネクタの
一実施例を示す一部切欠分解斜視図、 第２図は他の実施例を示す一部切欠分解斜視図、 第３図は同上の分岐電線の接続方法の説明図、 第４図および第５図はそれぞれ従来例の説明図である。 Ｍ…雄型のジョイントコネクタ、Ｆ…雌型のコネクタ、
１，１′…コネクタハウジング、３…雌ターミナル、６
…絶縁体加締片、７…溶接ノリ片、８，８′…分岐電
線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電線相互の分岐接続部を有するワイヤーハ
   ーネスにおいて、分岐接続部の複数の電線の導体部をタ
   ーミナルの電線接続部に一括して溶着固定し、ワイヤー
   ハーネスのコネクタハウジング内に前記ターミナルを収
   容することにより、電線相互の分岐接続部をコネクタ内
   に収容してなることを特徴とするワイヤーハーネス。