JPH0674206U - 刃先位置変更可能な切削工具装置 - Google Patents
刃先位置変更可能な切削工具装置Info
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- JPH0674206U JPH0674206U JP2018093U JP2018093U JPH0674206U JP H0674206 U JPH0674206 U JP H0674206U JP 2018093 U JP2018093 U JP 2018093U JP 2018093 U JP2018093 U JP 2018093U JP H0674206 U JPH0674206 U JP H0674206U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速加工時においても切削精度の低下を回避
し得る刃先位置変更可能な切削工具装置を得る。 【構成】 チップの半径方向の位置が、工具保持体75
が工具装置本体73に対して嵌合軸部の中心線回りに相
対回転させられることによって変更させられる。つま
り、工具保持体75が工具装置本体73に対して半径方
向に移動させられないのである。しかも、工具保持体7
5の嵌合軸部の中心線Mに対する動バランスがとられ、
工具保持体75と工具装置本体73との組立体の回転軸
線Nに対する動バランスがとられている。そのため、チ
ップの半径方向における位置が変更されても組立体の回
転軸線Nに対する動バランスが保たれることになる。し
たがって、高速加工時においても、振動が起こることが
回避され、切削精度の低下を回避することができる。
し得る刃先位置変更可能な切削工具装置を得る。 【構成】 チップの半径方向の位置が、工具保持体75
が工具装置本体73に対して嵌合軸部の中心線回りに相
対回転させられることによって変更させられる。つま
り、工具保持体75が工具装置本体73に対して半径方
向に移動させられないのである。しかも、工具保持体7
5の嵌合軸部の中心線Mに対する動バランスがとられ、
工具保持体75と工具装置本体73との組立体の回転軸
線Nに対する動バランスがとられている。そのため、チ
ップの半径方向における位置が変更されても組立体の回
転軸線Nに対する動バランスが保たれることになる。し
たがって、高速加工時においても、振動が起こることが
回避され、切削精度の低下を回避することができる。
Description
【0001】
本考案は刃先位置変更可能な切削工具装置に関するものである。
【0002】
刃先位置変更可能な切削工具装置が従来より知られている。例えば、図9,1 0において、210はアダプタであり、212はチップ214を保持するチップ ホルダであり、216は図示しない工作機械の主軸に設けられた孔に軸方向に移 動可能に嵌合されたロッドである。
【0003】 アダプタ210は、ボルト220によって主軸に固定され、主軸と一体的に回 転させられる。アダプタ210の中央部には主軸の回転軸線Lと平行かつ同心の 孔222が形成されている。孔222には回転偏心体228がベアリング230 を介して嵌合されている。回転偏心体228は概して円筒状をなしており、底部 232と筒部234とを備えている。底部232には雌ねじ孔236が形成され ている。また、筒部234の周壁の厚さは一様ではなく、肉厚部238と肉薄部 240とを備えている。すなわち、筒部234の内周側の円形断面は、外周側の 円形断面の中心線、すなわち、主軸およびアダプタ210の回転軸線Lから偏心 しているのである。
【0004】 チップホルダ212は、係合部244において移動部材246に固定されてい る。移動部材246は、円筒部252と円板部254とを備えており、円筒部2 52においてベアリング256を介して回転偏心体228の内周部に嵌合されて いる。また、円筒部252の内周側は嵌合孔258とされている。円板部254 には半径方向に沿って図示しない長穴が形成され、ピン260を介してアダプタ 210に係合させられている。すなわち、移動部材246はアダプタ210に対 して半径方向に相対移動可能に、かつ、相対回転不能に取り付けられているので ある。 ロッド216の先端にはリード角の大きい多条の雄ねじ部262が設けられて おり、雄ねじ部262は回転偏心体228の雌ねじ孔236に螺合され、嵌合孔 258に嵌入させられている。ロッド216は図示しないモータが連結され、ロ ッド216は駆動装置により軸方向に移動させられる。
【0005】 以上のように構成された切削工具装置において、チップ214が図9に示す位 置にある状態において、ロッド216が軸方向に移動させられると回転偏心体2 28が回転軸線L回りに回転させられる。それに伴って移動部材246およびチ ップホルダ212が半径方向にアダプタ210に対して相対移動させられ、チッ プ214が図10に示す位置に移動させられる。チップ214の主軸の回転軸線 Lに対する半径方向の位置が距離dだけ内周側に移動させられるのである。また 、主軸の回転に伴ってアダプタ210,チップホルダ212,移動部材246等 回転部が一体的に回転させられる。
【0006】 しかし、上記切削工具装置は高速加工(回転)に適さないという問題があった 。チップホルダ212および移動部材246が半径方向に移動させられるため、 切削工具装置全体の回転軸線Lに対する動バランスを保つことができないのであ る。たとえ、図9に示す状態において回転軸線Lに対する動バランスがとられて いても、図10に示す状態に変更されると、回転軸線Lに対する動バランスがく ずれるからである。 したがって、切削工具装置の回転速度が小さい間は、動バランスが保たれてい なくても遠心力が小さいためそれほど問題にはならないが、回転速度が大きくな ると遠心力が大きくなるため切削精度の低下等の問題が生じるのである。
【0007】 一方、チップホルダ212および移動部材246(工具保持体)をアダプタ2 10(工具装置本体)に対して半径方向に移動させることなくチップ214(切 削工具の刃先)の半径方向における位置を変更する切削工具装置が、特開平3─ 35906号公報に記載されている。 この切削工具装置は、(a) 工作機械の主軸に取り付けられて主軸と一体的に回 転させられ、回転軸線と平行でかつ偏心した円形断面の第一嵌合部を備えた工具 装置本体と、(b) その工具装置本体の第一嵌合部に第二嵌合部において相対回転 可能に嵌合され、工具保持部に刃先位置が前記第二嵌合部の中心線から偏心した 状態で切削工具を保持する工具保持体と、(c) それら工具装置本体と工具保持体 との相対回転位相を変更する位相変更装置とを備えたものである。
【0008】 この切削工具装置においては、切削工具の刃先の半径方向における位置が、工 具装置本体と工具保持体との相対回転位相を変更することによって変更される。 すなわち、工具保持体を工具装置本体に対して半径方向に移動させなくても刃先 位置を変更することができるはずである。
【0009】 この特徴を利用すれば、工具保持体および工具装置本体の主軸の回転軸線に対 する動バランスが、刃先位置が変更されても保たれるように製造することが可能 である。しかし、上記公報には、そのような思想が記載されていない。
【0010】
本考案は、以上の事情を背景として、高速加工時において切削精度の低下を回 避し得る刃先位置の変更可能な切削工具装置を得ることを課題としてなされたも のである。
【0011】
そして、本考案の要旨は、前記(a) 工具装置本体と、(b) 工具保持体と、(c) 位相変更装置とを含む刃先位置の変更可能な切削工具装置において、工具保持体 の第二嵌合部の中心線に対する動バランスをとるとともに、工具保持体と工具装 置本体との組立体の工具装置本体の回転軸線に対する動バランスもとったことに ある。
【0012】
上記のように構成された切削工具装置において、切削工具の刃先の半径方向に おける位置が、位相変更装置が工具装置本体と工具保持体との相対回転位相を変 更することによって変更される。工具保持体を工具装置本体に対して半径方向に 移動させなくても切削工具の刃先位置が変更されるのである。しかも、工具保持 体の第二嵌合部の中心線に対する動バランスがとられており、工具保持体と工具 装置本体との組立体の工具装置本体の回転軸線に対する動バランスもとられてい るため、切削工具の刃先位置が変更されても組立体の動バランスが保たれる。
【0013】
以上のように本考案の切削工具装置によれば、刃先位置が変更されても動バラ ンスを保つことができる。そのため、高速加工時にも、振動が起こることが回避 され、切削精度の低下が回避される。 また、この利点を特に有効に享受することができる用途の一つは、直径が比較 的大きく変わる段付孔の高速加工である。
【0014】
以下、本考案をドリル兼用中ぐり装置に適用した場合の一実施例を図面に基づ いて詳細に説明する。 図1において、10はドリル兼用中ぐり装置の主軸である。主軸10はベアリ ング12,シール14等を介してハウジング16に回転可能に保持されている。 主軸10のハウジング16から突出した後端部にはVプーリ18が相対回転不能 に取り付けられている。ハウジング16は図2に示すようにスライド20上に載 置されており、スライド20の後部には複数本のボルト22によって高さ調節可 能にプレート24が取り付けられるとともに、そのプレート24上にモータ26 が載置されている。モータ26の出力軸にはVプーリ28が固定されており、V プーリ18とVプーリ28とにVベルト30が巻き掛けられることにより、モー タ26によって主軸10が回転させられるようになっている。
【0015】 主軸10は軸方向に延びる中心穴32を備えており、ロッド34が軸方向に移 動可能に嵌合されている。ロッド34はピン36によって2つの軸部材が連結さ れたものである。中心穴32の先端部は大径の嵌合孔37とされており、ここに アダプタ38の嵌合突部40が精度よく嵌合されている。アダプタ38は主軸1 0の端面42にボルトにより固定されており、アダプタ38の嵌合突部40とは 反対側の端面46には嵌合突部40と同心に嵌合突部45が設けられている。こ の嵌合突部45に円筒状のケーシング44が嵌合孔47において精度よく嵌合さ れボルトによりアダプタ38に固定されている。 すなわち、アダプタ38は主軸10に、嵌合突部40の中心線が主軸10の軸 心と一致した状態で取り付けられ、ケーシング44はアダプタ38に、嵌合孔4 7の中心線がアダプタ38の嵌合突部45の中心線と一致した状態で取り付けら れることになる。また、これらは互いにボルトによって固定され相対回転不能と されているため、主軸10,アダプタ38およびケーシング44は、同一の回転 軸線回りを一体的に回転する。この回転軸線,すなわち、主軸10の軸心,嵌合 突部40の中心線,嵌合孔47の中心線を符号N(図6参照)で表す。
【0016】 ロッド34の先端部は主軸10の軸心Nに対して一定量偏心させられた雄ねじ 部48とされており、アダプタ38を軸方向に貫通する段付の貫通穴50を通っ てケーシング44の偏心嵌合孔51に嵌入させられている。偏心嵌合孔51は前 記嵌合穴47に対して偏心して形成されており、偏心嵌合孔51の中心線Mは前 記回転軸線Nとは一致しない。 雄ねじ部48は4条ねじ等の多条ねじとされており、ねじ山のリード角が大き く設定されている。また、ロッド34の雄ねじ部48の基端部近傍には面取り5 2が4箇所に施され、貫通穴50の角穴部53に嵌合されてロッド34とアダプ タ38との相対回転が防止されている。
【0017】 雄ねじ部48は、偏心孔51内において、偏心回転部材54の嵌合軸部55の 中央部に形成された貫通穴56の雌ねじ孔部58に螺合されている。偏心回転部 材54は前記嵌合軸部55と工具保持部57とを備えており、嵌合軸部55にお いて偏心嵌合孔51にベアリング60,62を介して雄ねじ部48の軸心まわり に回転可能に保持されている。すなわち、図6に示すように、偏心回転部材54 の軸心(嵌合軸部55の中心線)は偏心嵌合孔51の中心線Mと一致させられ、 主軸10およびアダプタ38の軸心Nに対して前記雄ねじ部48の偏心量と同量 だけ偏心させられているのであり、雄ねじ部48の前進・後退によって、偏心回 転部材54がケーシング44に対して偏心した軸心Mのまわりに正・逆両方向に 回転させられる。
【0018】 また、偏心回転部材54の工具保持部57は偏心嵌合孔51から突出させられ ており、工具保持部57にはチップホルダ68が固定されている。チップホルダ 68は、先端部に切削工具たるチップ64,66を嵌合軸部55の中心線Mから 偏心した状態で備えている。偏心回転部材54の貫通穴56の雌ねじ孔部58と は反対側の端部には頭部が花弁形を成す係合部材70の軸部が嵌合されており、 チップホルダ68には、係合部材70の頭部と一定の相対位相では軸方向に嵌合 ・離脱可能であるが、他の位相では嵌合・離脱不能である形状の係合穴72が形 成されている。したがって、この係合穴72に係合部材70を係合させ、偏心回 転部材54に設けられた図示しない引込機構によって係合部材70を偏心回転部 材54内へ引き込むことにより、チップホルダ68を偏心回転部材54に固定し 得るのであり、その状態ではチップホルダ68が偏心回転部材54と一体的に回 転する。 すなわち、本実施例においては、アダプタ38およびケーシング44が工具装 置本体73を構成し、チップホルダ68および偏心回転部材54等が工具保持体 75を構成する。そして、偏心嵌合孔51が第一嵌合部であり、嵌合軸部55が 第二嵌合部である。 工具保持体75は嵌合軸部55の中心線Mに対して、後述のように、動バラン スがとられた状態で嵌合軸部55において偏心孔51に嵌合され、工具装置本体 73と工具保持体75との組立体が、嵌合突部40の中心線Nに対して動バラン スがとられた状態で、嵌合突部40において主軸10の嵌合孔37に嵌合されて いる。
【0019】 図3および図4に拡大して示すように、チップ64,66はチップホルダ68 のホルダ本体74から突出した小径のチップ保持部76の先端部に取り付けられ ている。チップ保持部76の外周面には軸方向に延びる切屑排出溝78,80が 形成されている。チップ64,66は各すくい面がほぼチップホルダ68の軸心 Mを含む一平面上に位置する状態で取り付けられているのである。
【0020】 前記Vプーリ18の後端にはケーシング100が固定されるとともに、ケーシ ング100には更に別のケーシング102が固定されている。ロッド34の後端 部の外周面には、直径方向に隔たった4箇所に面取り104が施され、ケーシン グ102に形成された矩形の貫通穴106に相対回転不能に嵌合されることによ って、ロッド34の主軸10に対する回転が防止されている。ケーシング102 はハウジング16から後方に延び出させられたアーム108に固定のケーシング 110と相対回転可能に嵌合されている。
【0021】 ロッド34には後端面から軸方向穴112が形成されており、ここにねじ軸1 14の前端部が嵌入させられている。ねじ軸114は、その後方に配設されてい るモータ116の出力軸118に連結されている。一方、ケーシング110には 軸方向に延びる貫通穴120が形成されており、貫通穴120の内部には移動部 材122が摺動可能に嵌合されている。移動部材122は軸方向穴124を備え 、その後端部にはねじ軸114と螺合されたナット126が固定されるとともに 、前端部においてベアリング128,130を介してロッド34を回転可能かつ 軸方向に移動不能に保持している。
【0022】 したがって、モータ116によりねじ軸114が回転させられれば、ナット1 26および移動部材122が貫通穴120内を移動し、それに伴ってロッド34 が軸方向に移動させられる。ロッド34が前進させられれば、偏心回転部材54 が回転させられ、それに伴ってチップホルダ68も回転し、チップ64が主軸1 0の半径方向外側に移動させられ、偏心回転部材54が180度回転させられた ときに最も外側に位置する。また、チップ66は逆に最も主軸10の軸心に近い 状態となる。この180度の回転の最初と最後においては、チップ64,66の 先端が主軸10の軸心と偏心回転部材54の軸心とを含む一平面上に位置するよ うにされているのであり、この回転に伴うチップ64,66の先端の主軸10の 半径方向における移動量は、上記両軸心の偏心量の2倍である。逆にロッド34 が後退させられれば、偏心回転部材54およびチップホルダ68が逆回転させら れ、チップ64が主軸10の半径方向内側へ、チップ66が半径方向外側へ移動 させられる。 このように、チップ64,66の半径方向における位置が、偏心回転部材54 およびチップホルダ68の半径方向の移動を伴うことなく変更されるのである。 また、雄ねじ部48,雌ねじ孔部58等が位相変更装置を構成しているのである 。
【0023】 ここで、動バランスについて説明する。 動バランスをとるためには、回転体の慣性主軸を回転軸に一致させる必要があ り、静バランスをとるためには、回転体の重心を回転軸上にする必要がある。し たがって、動バランスをとれば静バランスがとられていることになる。 本実施例においては、まず、図6に示すように、工具保持体75の嵌合軸部5 5の中心線Mに対する動バランスを図示しない釣合い試験機を利用してとる。そ の後、工具保持体75を工具装置本体73に嵌合し、工具装置本体73と工具保 持体75との組立体の嵌合突部40の中心線Nに対する動バランスをとる。そし て、動バランスがとられた状態の組立体を嵌合突部40を嵌合孔37に嵌合し、 ボルトによって端面46に固定する。 したがって、工具保持体75の工具装置本体73に対する相対回転位相が変更 されても、組立体の回転軸線Nに対する動バランスが保たれることになる。
【0024】 釣合い試験機は、軸受け,モータ,不釣合い検出装置等を備えたものであり、 回転体を軸受けで支持し、モータによって高速回転させる。その場合に生じる軸 受けの振動が検出され、その検出値に基づいて不釣合いが不釣合い検出装置によ って検出される。 回転体の動バランスがとられていない場合には、回転体の回転に伴って軸受け が振動させられる。その振動の位相および振幅に基づいて不釣合いの方向(不釣 合い面)および大きさが演算により求められる。その結果に基づいて回転体の偏 心質量を調整するのである。 本実施例においては、工具保持本体75においては、図6に示すX部付近の一 部を切削することによって質量バランスがとられ、組立体においては、Y部付近 の一部を切削することによって質量バランスがとられるのである。
【0025】 図2において、ハウジング16が載置されたスライド20は、ガイドレール1 40上を移動可能とされている。ガイドレール140は、基台142上に設けら れた案内台144上に主軸10の軸心に平行な方向に配設されている。スライド 20の下側に、ブラケット146によって取り付けられたナット148には、モ ータ150によって回転駆動される送りねじ152が螺合されており、スライド 20が送りねじ152の回転によって案内台142上を移動させられることによ り、ハウジング16が主軸10の軸方向に送られるようになっている。
【0026】 モータ116および150は、図5に示す制御装置160によって制御される 。制御装置160は、CPU162,RAM164およびROM166を備えて おり、エンコーダ168,170,モータ116を駆動するための駆動回路17 2およびモータ150を駆動するための駆動回路174が接続されている。制御 装置160は、それぞれエンコーダ168,170により検出されるモータ11 6,150の回転量が目標回転量と等しくなるように、駆動回路172,174 を介してモータ116,モータ150を制御する。
【0027】 以上のように構成されたドリル兼用中ぐり装置によって被加工物の穴あけおよ び中ぐり加工を行う場合には、制御装置160のRAM164に被加工物に施す べき穴あけおよび中ぐり加工に関するデータを入力することにより、モータ11 6,150が制御されて所定の量ずつ回転し、チップ64,66が主軸10の軸 方向および半径方向に移動させられて切削を行う。工具装置本体73はモータ2 6の駆動によって回転させられ、工具装置本体73と一体的に工具保持体75お よびチップ64,66等も回転させられる。
【0028】 チップ64,66が主軸10と共に前進、すなわち正方向に移動させられる際 には、偏心回転部材54が一定量回転させられ、図7に示すように、一点鎖線で 示す主軸10の軸心(回転軸線N)に対してチップ64がチップホルダ68の軸 心Mと同じ側に、また、チップ66が反対側に位置する状態とされ、主軸10の 回転に伴ってチップ64の先端が描く円軌跡の直径がチップ66のそれより大き くされる。すなわち、チップ66の最も外側の切刃eは、チップ64の最も外側 の切刃aより半径方向においても軸方向においても引っ込んだ位置にあるため、 切削には関与しない。チップ64の切刃のうちaおよびcで示す部分と、チップ 66の切刃のうちbおよびdで示す部分とにより被加工物の穴あけが行われるの である。
【0029】 一方、チップ64,66が前進端に達した後、後退、すなわち逆方向に移動さ せられる際には、図8に示すように、主軸10の軸心Nに対してチップ66がチ ップホルダ68の軸心Mと同じ側に、また、チップ64が反対側に位置する状態 とされる。これにより、チップ66の切刃fがチップ64の切刃aよりも半径方 向外側に位置させられ、前進時に切刃aが描いた円軌跡の直径Aと後退時に切刃 fの描く円軌跡の直径Fとの関係がA<Fとなり、切刃fによって、前進時にチ ップ64,66によりあけられた穴の中ぐり加工が行われる。 すなわち、本実施例においては、主軸10の1回の往復移動により穴あけおよ びその穴の中ぐりが行われるのである。
【0030】 この際、工具保持体75の動バランスがとられており、さらに、組立体の動バ ランスがもられているため、チップ64,66が半径方向のどの位置にあっても 動バランスは保たれる。そのため、モータ26の回転数を大きくしても振動が起 こることが回避され、切削精度が低下させられることが良好に回避されるのであ る。
【0031】 なお、上記実施例においては、工具保持体75の工具装置本体73に対する回 転が動力によって行われるようにされていたが、手動で行われるようにしてもよ い。また、必ずしも、嵌合突部を第一嵌合部とし、嵌合孔を第二嵌合部とする必 要はなく、逆にしてもよい。すなわち、工具保持体が有する嵌合突部を工具装置 本体が有する嵌合孔に嵌合させてもよいのである。
【0032】 さらに、上記実施例におけるドリル兼用中ぐり装置においては、穴あけと中ぐ りとの切り換えのために刃先位置が変更されるようにされていたが、中ぐり装置 において、加工終了後、中ぐり工具を原位置へ戻す場合に仕上げ面にかえりマー クが付くことを回避するためのリトラクトや寸法公差を満たすための刃先位置の 微小調節等に本考案を適用することも可能である。 その他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本考案を実 施することができる。
【図1】本考案の一実施例である切削加工装置の主要部
を示す正面断面図である。
を示す正面断面図である。
【図2】上記装置の全体を示す正面図(一部断面)であ
る。
る。
【図3】上記装置の刃具周辺を示す一部正面断面図であ
る。
る。
【図4】上記装置の側面図である。
【図5】上記装置の電気制御部を示すブロック図であ
り、
り、
【図6】上記装置の組立体の概略図である。
【図7】上記装置の刃具の切刃を拡大して示す正面図で
ある。
ある。
【図8】上記装置の刃具の切刃を拡大して示す正面図で
ある。
ある。
【図9】従来の切削工具装置の断面図である。
【図10】従来の切削工具装置の断面図である。
10 主軸 38 アダプタ 44 ケーシング 48 雄ねじ部 51 偏心嵌合孔 54 偏心回転部材 55 嵌合軸部 58 雄ねじ孔部 64,66 チップ 68 チップホルダ 73 工具保持体 75 工具装置本体
Claims (1)
- 【請求項1】 工作機械の主軸に取り付けられて主軸と
一体的に回転させられ、回転軸線と平行でかつ偏心した
円形断面の第一嵌合部を備えた工具装置本体と、 その工具装置本体の第一嵌合部に第二嵌合部において相
対回転可能に嵌合され、工具保持部に刃先位置が前記第
二嵌合部の中心線から偏心した状態で切削工具を保持す
る工具保持体と、 それら工具装置本体と工具保持体との相対回転位相を変
更する位相変更装置とを含む刃先位置の変更可能な切削
工具装置において、 前記工具保持体の前記第二嵌合部の中心線に対する動バ
ランスをとるとともに、工具保持体と工具装置本体との
組立体の工具装置本体の回転軸線に対する動バランスも
とったことを特徴とする刃先位置の変更可能な切削工具
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993020180U JP2585420Y2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 刃先位置変更可能な切削工具装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993020180U JP2585420Y2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 刃先位置変更可能な切削工具装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0674206U true JPH0674206U (ja) | 1994-10-21 |
JP2585420Y2 JP2585420Y2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=12019988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993020180U Expired - Fee Related JP2585420Y2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 刃先位置変更可能な切削工具装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2585420Y2 (ja) |
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-
1993
- 1993-03-25 JP JP1993020180U patent/JP2585420Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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