JPH0673817B2

JPH0673817B2 - カッター

Info

Publication number: JPH0673817B2
Application number: JP1058878A
Authority: JP
Inventors: 雄策松田
Original assignee: 三和ダイヤモンド工業株式会社
Priority date: 1989-03-10
Filing date: 1989-03-10
Publication date: 1994-09-21
Anticipated expiration: 2009-09-21
Also published as: US5014678A; JPH02237771A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明はカッターに関し、特にたとえば石材などを切
断する時などに用いられるカッターに関する。

（従来技術）第５図はこの発明の背景となる従来のカッターの一例を
示す平面図であり、第６図は第５図に示すカッターの線
VI-VIにおける断面図である。このカッター１は、リン
グ状の基板２を含む。基板２の外周側端縁には、スリッ
ト３を挟んで複数の凸部４が形成される。さらに、基板
２の外周側端縁の凸部４の周囲に、リング状の切削体５
が形成される。この切削体５は、たとえばダイヤモンド
微粉粒などの砥粒を含む金属粉末を焼結することによっ
て形成される。なお、切削体５は、スリット３の一部が
露出するように形成される。このスリット３は、カッタ
ー１の使用時に、空気によってカッター１を冷却するた
めのものである。

このカッター１を使用する場合、カッター１が回転させ
られながら被切断物に当てられる。そして、被切断物は
切削体５によって切断される。このとき、切削体５は徐
々に摩耗し、切削体５の新しい部分が表面に表れること
によって、カッター１の切れ味が保たれる。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、このような従来のカッターでは、基板が
１枚の薄い板材で形成されているので、その強度は小さ
い。そのため、カッターを使用するときに、基板が湾曲
したり、振れが出て切断に不具合が発生する場合があっ
た。

また、凸部の厚みを比較的厚くすれば、カッターの使用
時に凸部が摩耗しにくい。そのため、この凸部に妨げら
れて切削体の新しい部分が表面に表れにくくなり、カッ
ターの切れ味が悪くなる。

さらに、スリット部分に形成された切削体の機械的強度
が弱いため、このスリット部分で切削体が破損する場合
があった。

それゆえに、この発明の主たる目的は、基板自体の強度
が大きく、さらに、使用中に切れ味が悪化せず、かつ破
損しにくいカッターを提供することである。

（課題を解決するための手段）この発明は、２つの薄板状のリング部材が接合されて形
成される基板と、基板の外周側端縁にスリットを挟んで
複数形成され、基板より薄くかつ孔の形成された凸部、
複数の凸部を連結するように前記孔に通される線材と、
砥粒を含み、スリットの一部分を露出するように凸部の
周囲に形成されるリング状の切削体を含む、カッターで
ある。

（作用）基板は、２つのリング部材が接合されて形成される。凸
部が薄く形成されているため、カッターの使用時に凸部
が摩耗しやすい。さらに、凸部を連結する線材によっ
て、スリット部分の切削体が補強される。

（発明の効果）この発明によれば、基板は、２つのリング部材が接合さ
れて形成されるので、従来のカッターに使用される基板
に比べて強度が大きい。そのため、このカッターを使用
しても、基板が破損しにくい。

また、使用時に切れ味が悪化せず、かつ破損しにくいカ
ッターを得ることができる。

この発明の上述の目的，その他の目的，特徴および利点
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。

（実施例）第１図はこの発明の一実施例を示す平面図であり、第２
図は第１図実施例の線II-IIおける断面図である。この
カッター10は基板12を含む。基板12は、同じ大きさで、
たとえばステンレス鋼などで薄板状に形成される第１の
リング部材14および第２のリング部材16を有する。この
第１のリング部材14および第２のリング部材16の中央部
には、カッター10を保持するための軸（図示せず）を挿
通するための挿通孔18が形成される。

この第１のリング部材14の外周側端縁には、スリット13
を挟んで複数の凸部20が形成される。この凸部20は、第
１のリング部材14より薄い根元部分20aと、この根元部
分20aより薄い根元部分20aと、この根元部分20aよりさ
らに薄い先端部20bとを含む。これらの根元部分20aと先
端部分20bとによって、第１のリング部材14の一方主面
側に段差部が形成され、他方主面側は平面状に形成され
る。また、同様にして、第２のリング部材16の外周側端
縁には、スリット13を挟んで複数の凸部22が形成され
る。この凸部22は、第２のリング部材16より薄い根元部
分22aと、この根元部分22aよりさらに薄い先端部分22b
とを含む。これらの根元部分20aと先端部分22bとによっ
て、第２のリング部材16の一方主面側に段差部が形成さ
れ、他方主面側は平面状に形成される。

基板12は、第１のリング部材14の平面状に形成される他
方主面と、第２のリング部材16の平面状に形成される他
方主面とが、たとえば接着剤で接合されて形成される。
また、これらの接合された凸部20および22の先端部分20
bおよび22bは、たとえば0.1mm程度の薄さに形成され
る。そして、凸部20および22の先端部分20bおよび22bに
は、それぞれ、第３図に示すように、、３つの孔24a,24
bおよび24cが形成される。これらの孔24aおよび24bは、
凸部20および22の先端部分20bおよび22bの外周側に並ん
で形成され、孔24cは根元部分20aおよび22a側に形成さ
れる。これらの孔24a,24bおよび24cは、たとえば１〜1.
5mmの直径となるように形成される。これらの孔24a,24b
および24cには、２つの線材26aおよび26bが通され、こ
れらの線材26aおよび26bによって複数の接合された凸部
20および22が連結される。一方の線材26aは、孔24aおよ
び24bを通して凸部20および22を連結し、他方の線材26b
は孔24cを通して凸部20および22を連結している。これ
らの線材26aおよび26bとしては、たとえばステンレス
線、ピアノ線および銅線などが用いられる。

さらに、凸部20および22の周囲には、リング状の切削体
28が形成される。この切削体28は、たとえば体積比で１
〜50％のダイヤモンド微粉粒,30〜50％の銅粉末,30〜50
％の鉄粉末および５〜10％の錫粉末などの混合物を加圧
してリング状の圧粉体を形成し、この圧粉体を凸部20お
よび22の周囲に配置して焼結することによって形成され
る。このとき、凸部20および22の根元部分20aおよび22a
が、先端部分20bおよび22bより厚く形成されていること
によって、切削体28形成部分の強度が大きくなってい
る。なお、この切削体28は、スリット13の一部が露出す
るように形成される。スリット13が露出することによっ
て、カッター10はその回転時に空気によって冷却され
る。

このカッター10を使用する場合、カッター10が回転させ
られながら石材などの被切断物に当てられる。こうする
ことによって、被切断物は切削体28によって切断され
る。

このカッター10では、凸部20および22の先端部分20bお
よび22bが薄く形成されているため、カッター10の使用
時にこの凸部20および22の先端部分20bおよび22bが摩耗
しやすい。そのため、切削体28が摩耗するのに応じて凸
部20および22の先端部分20bおよび22bも摩耗し、切削体
28の新しい部分が表面に表れることが妨げられない。し
たがって、このカッター10の切れ味を保つことができ
る。

さらに、複数の凸部20および22が線材26aおよび26bで連
結されているため、スリット13部分に線材26aおよび26b
が存在し、これらの線材26aおよび26bによって切削体28
が補強される。特に、線材26aおよび26bとして銅線を用
いれば、焼成時に切削体28の原料中に含まれる銅粉末と
融着して、線材26aおよび26bと切削体28とが強固に固着
される。したがって、スリット13部分に形成された切削
体28が破損しにくい。このように、このカッター10で
は、その切れ味が劣化せず、かつ従来のカッターに比べ
て破損しにくい。また、基板12は、第１のリング部材14
と第２のリング部材16とが接合されて形成されるので、
従来のカッターに用いられる基板に比べて強度が大き
い。そのため、このカッター10を使用しても、基板12が
破損しにくい。

なお、上述の実施例では、凸部20および22は先端部分20
bおよび22bに、それぞれ３つの孔24a,24bおよび24cを形
成したが、これらの孔の数は任意に変更可能である。

また、上述の実施例では、切削体28に用いられる砥粒と
してダイヤモンド微粉粒が採用されているが、それ以外
にも立方晶窒化硼素（CBN）などの砥粒を用いてもよ
い。

さらに、上述の実施例では、第１のリング部材14の凸部
20と第２のリング部材16の凸部22とを重ね合わせて基板
12を形成したが、基板12は、たとえば第４図に示すよう
に、第１のリング部材14の凸部20と第２のリング部材16
の凸部22とをその円周方向にずらして重ね合わせてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す平面図である。第２図は第１図実施例の線II-IIにおける断面図であ
る。第３図は第１図に示すカッターの要部斜視図である。第４図は第１図実施例に示すカッターの変形例を示す要
部斜視図である。第５図はこの発明の背景となる従来のカッターの一例を
示す平面図である。第６図は第５図に示す従来のカッターの線VI-VIにおけ
る断面図である。図において、10はカッター、12は基板、13はスリット、
14は第１のリング部材、16は第２のリング部材、20およ
び22は凸部、20aおよび22aは凸部の根元部分、20bおよ
び22bは凸部の先端部分、24a,24bおよび24cは孔、26aお
よび26bは線材、28は切削体を示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】２つの薄板状のリング部材が接合されて形
成される基板、前記基板の外周側端縁にスリットを挟んで複数形成さ
れ、前記基板より薄くかつ孔の形成された凸部、複数の前記凸部を連結するように前記孔に通される線
材、および砥粒を含み、前記スリットの一部分を露出するように前
記凸部の周囲に形成されるリング状の切削体を含む、カ
ッター。