JPH0581405B2

JPH0581405B2 -

Info

Publication number: JPH0581405B2
Application number: JP63143296A
Authority: JP
Inventors: Jusaku Matsuda
Original assignee: Sanwa Diamond Industrial Co Ltd
Current assignee: Sanwa Diamond Industrial Co Ltd
Priority date: 1988-06-09
Filing date: 1988-06-09
Publication date: 1993-11-12
Also published as: JPH01310905A; US4909234A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明はカツターに関し、特にたとえば石材
などを切断する時などに用いられるカツターに関
する。

（従来技術）第４図はこの発明の背景となる従来のカツター
の一例を示す平面図であり、第５図は第４図に示
すカツターの線Ｖ−Ｖにおける断面図である。こ
のカツター１は、リング状の基板２を含む。基板
２の外周側端縁には、スリツト３を挟んで複数の
凸部４が形成される。さらに、基板２の外周側端
縁の凸部４の周囲に、リング状の切削体５が形成
される。この切削体５は、たとえばダイヤモンド
微粉粒などの砥粒を含む金属粉末を焼結すること
によつて形成される。なお、切削体５は、スリツ
ト３の一部が露出するように形成される。このス
リツト３は、カツター１の使用時に、空気によつ
てカツター１を冷却するためのものである。

このカツター１を使用する場合、カツター１が
回転させられながら被切断物に当てられる。そし
て、被切断物は切削体５によつて切断される。こ
のとき、切削体５は徐々に摩耗し、切削体５の新
しい部分が表面に表れることによつて、カツター
１の切れ味が保たれる。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、このような従来のカツターで
は、凸部の厚みを比較的厚くすれば、カツターの
使用時に凸部が摩耗しにくい。そのため、この凸
部に妨げられて切削体の新しい部分が表面に表れ
にくくなり、カツターの切れ味が悪くなる。

また、スリツト部分に形成された切削体の機械
的強度が弱いため、このスリツト部分で切削体が
破損する場合があつた。

それゆえに、この発明の主たる目的は、使用中
に切れ味が悪化せず、かつ破損しにくいカツター
を提供することである。

（課題を解決するための手段）この発明は、リング状の基板と、基板の外周側
端縁にスリツトを挟んで複数形成され、基板より
薄くかつ孔の形成された凸部と、複数の凸部を連
結するように孔に通される線材と、砥粒を含みス
リツトの一部が露出するように凸部の周囲に形成
されるリング状の切削体とを含む、カツターであ
る。

（作用）凸部が薄く形成されているため、カツターの使
用時に凸部が摩耗しやすい。さらに、凸部を連結
する線材によつて、スリツト部分の切削体が補強
される。

（発明の効果）この発明によれば、使用時に切れ味が悪化せ
ず、かつ破損しにくいカツターを得ることができ
る。

この発明の上述の目的、その他の目的、特徴お
よび利点は、図面を参照して行う以下の実施例の
詳細な説明から一層明らかとなろう。

（実施例）第１図はこの発明の一実施例を示す平面図であ
り、第２図は第１図実施例の線−における断
面図である。このカツター１０は基板１２を含
む。基板１２は、たとえばステンレス鋼などでリ
ング状に形成される。この基板１２の中央部に
は、カツター１０を保持するための軸（図示せ
ず）を挿通するための挿通孔１４が形成される。

この基板１２の外周側端縁には、スリツト１６
を挟んで複数の凸部１８が形成される。この凸部
１８は、基板１２より薄い根元部分１８ａと、こ
の根元部分１８ａよりさらに薄い先端部分１８ｂ
とを含む。この凸部１８の先端部分１８ｂは、た
とえば0.2mm程度の薄さに形成される。そして、
凸部１８の先端部分１８ｂには、第３図に示すよ
うに、３つの孔２０ａ，２０ｂおよび２０ｃが形
成される。これらの孔２０ａおよび２０ｂは、凸
部１８の先端部分１８ｂの外周側に並んで形成さ
れ、孔２０ｃは根元部分１８ａ側に形成される。
これらの孔２０ａ，２０ｂおよび２０ｃは、たと
えば１〜1.5mmの直径となるように形成される。
これらの孔２０ａ，２０ｂおよび２０ｃには、２
つの線材２２ａおよび２２ｂが通され、これらの
線材２２ａおよび２２ｂによつて複数の凸部１８
が連結される。一方の線材２２ａは、孔２０ａお
よび２０ｂを通して凸部１８を連結し、他方の線
材２２ｂは孔２０ｃを通して凸部１８を連結して
いる。これらの線材２２ａおよび２２ｂとして
は、たとえばスレンレス線、ピアノ線および銅線
などが用いられる。

さらに、凸部１８の周囲には、リング状の切削
体２４が形成される。この切削体２４は、たとえ
ば体積比で１〜50％のダイヤモンド微粉粒、30〜
50％の銅粉末、30〜50％の鉄粉末および５〜10％
の錫粉末などの混合物を加圧してリング状の圧粉
体を形成し、この圧粉体を凸部１８の周囲に配置
して焼結することによつて形成される。このと
き、圧粉体が孔２０ａ，２０ｂおよび２０ｃに入
り込むため、切削体２４が凸部１８に強固に固着
される。また、凸部１８の根元部分１８ａが先端
部分１８ｂより厚く形成されていることによつ
て、切削体２４形成部分の強度が大きくなつてい
る。なお、この切削体２４は、スリツト１６の一
部が露出するように形成される。スリツト１６が
露出することによつて、カツター１０はその回転
時に空気によつて冷却される。

このカツター１０を使用する場合、カツター１
０が回転させられながら石材などの被切断物に当
てられる。こうすることによつて、被切断物は切
削体２４によつて切断される。

このカツター１０では、凸部１８の先端部分１
８ｂが薄く形成されているため、カツター１０の
使用時にこの凸部１８の先端部分１８ｂが摩耗し
やすい。そのため、切削体２４が摩耗するのに応
じて凸部１８の先端部分１８ｂも摩耗し、切削体
２４の新しい部分が表面に表れることが妨げられ
ない。したがつて、このカツター１０の切れ味を
保つことができる。

さらに、複数の凸部１８が線材２２ａおよび２
２ｂで連結されているため、スリツト１６部分に
線材２２ａおよび２２ｂが存在し、これらの線材
２２ａおよび２２ｂによつて切削体２４が補強さ
れる。特に、線材２２ａおよび２２ｂとして銅線
を用いれば、焼成時に切削体２４の原料中に含ま
れる銅粉末と融着して、線材２２ａおよび２２ｂ
と切削体２４とが強固に固着される。したがつ
て、スリツト１６部分に形成された切削体２４が
破損しにくい。このように、このカツター１０で
は、その切れ味が劣化せず、かつ従来のカツター
に比べて破損しにくい。

なお、上述の実施例では、凸部１８の先端部分
１８ｂに３つの孔２０ａ，２０ｂおよび２０ｃを
形成したが、これらの孔の数は任意に変更可能で
ある。

また、上述の実施例では、切削体２４に用いら
れる砥粒としてダイヤモンド微粉粒が採用されて
いるが、それ以外にも立方晶窒化硼素（CBN）
などの砥粒を用いてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す平面図であ
る。第２図は第１図実施例の線−における断
面図である。第３図は第１図に示すカツターの要
部斜視図である。第４図はこの発明の背景となる
従来のカツターの一例を示す平面図である。第５
図は第４図に示す従来のカツターの線Ｖ−Ｖにお
ける断面図である。図において、１０はカツター、１２は基板、１
６はスリツト、１８は凸部、１８ａは凸部の根元
部分、１８ｂは凸部の先端部分、２０ａ，２０ｂ
および２０ｃは孔、２２ａおよび２２ｂは線材、
２４は切削体を示す。

Claims

【特許請求の範囲】１前記基板の外周側端縁にスリツトを挟んで複
数形成され、前記基板より薄くかつ孔の形成され
た凸部、複数の前記凸部を連結するように前記孔に通さ
れる線材、および砥粒を含み、前記スリツトの一部分を露出する
ように前記凸部の周囲に形成されるリング状の切
削体を含む、カツター。