JP2001038636A - ホイールカッターの薄刃ブレード - Google Patents
ホイールカッターの薄刃ブレードInfo
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- B24—GRINDING; POLISHING
- B24D—TOOLS FOR GRINDING, BUFFING OR SHARPENING
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- B24D3/02—Physical features of abrasive bodies, or sheets, e.g. abrasive surfaces of special nature; Abrasive bodies or sheets characterised by their constituents the constituent being used as bonding agent
- B24D3/04—Physical features of abrasive bodies, or sheets, e.g. abrasive surfaces of special nature; Abrasive bodies or sheets characterised by their constituents the constituent being used as bonding agent and being essentially inorganic
- B24D3/06—Physical features of abrasive bodies, or sheets, e.g. abrasive surfaces of special nature; Abrasive bodies or sheets characterised by their constituents the constituent being used as bonding agent and being essentially inorganic metallic or mixture of metals with ceramic materials, e.g. hard metals, "cermets", cements
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ホイールカッターの薄刃ブレードの生産コスト
を切り下げて、産業界その他に対してこのものを安価に
供給するとともに、材料となる人類の重要資源の無益、
又は無意味な消費を回避することが可能な手段を提供す
ることにある。 【解決手段】軸支孔1をもつ薄い円板状の基板層と、基
板層の外周縁部から同心に派生する砥材層とからなって
いる。砥材層はダイヤモンド粒子等と、これらの粒子に
対するマトリックス合金とからなっている。基板層及び
砥材層は同時かつ一体に成型焼結した焼結体である。 【効果】ダイヤモンド粒子等の所要量が従来品よりも
著しく少ない。生産の際および用済み廃棄の際、利用
されずに失われるダイヤ粒子等の量が極小であり、重要
資源の利用効率が高い。生産の所要時間、手間ともに
極小である。生産時の厚さ精度の維持が容易で、規格
品のコスト切り下げに有効である。使用時の切り屑の
排出、及び冷却効果の大きいものが容易、確実に提供さ
れる。
を切り下げて、産業界その他に対してこのものを安価に
供給するとともに、材料となる人類の重要資源の無益、
又は無意味な消費を回避することが可能な手段を提供す
ることにある。 【解決手段】軸支孔1をもつ薄い円板状の基板層と、基
板層の外周縁部から同心に派生する砥材層とからなって
いる。砥材層はダイヤモンド粒子等と、これらの粒子に
対するマトリックス合金とからなっている。基板層及び
砥材層は同時かつ一体に成型焼結した焼結体である。 【効果】ダイヤモンド粒子等の所要量が従来品よりも
著しく少ない。生産の際および用済み廃棄の際、利用
されずに失われるダイヤ粒子等の量が極小であり、重要
資源の利用効率が高い。生産の所要時間、手間ともに
極小である。生産時の厚さ精度の維持が容易で、規格
品のコスト切り下げに有効である。使用時の切り屑の
排出、及び冷却効果の大きいものが容易、確実に提供さ
れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は第一に、石材、宝
玉、磁石等の特殊合金その他、特に高価な硬質材料の切
断、溝掘り、研磨等の加工に使用される、ホイールカッ
ターの薄刃ブレードに関する技術分野に属するものであ
る。本発明は第二に、ダイヤモンド粒子及びボロンカー
バイド粒子の砥材としての利用技術に関する技術分野に
属するものである。本発明はまた、粉末冶金法により前
記した薄刃ブレードを生産する手段に係る技術分野に属
するものである。
玉、磁石等の特殊合金その他、特に高価な硬質材料の切
断、溝掘り、研磨等の加工に使用される、ホイールカッ
ターの薄刃ブレードに関する技術分野に属するものであ
る。本発明は第二に、ダイヤモンド粒子及びボロンカー
バイド粒子の砥材としての利用技術に関する技術分野に
属するものである。本発明はまた、粉末冶金法により前
記した薄刃ブレードを生産する手段に係る技術分野に属
するものである。
【0002】
【発明が解決すべき課題】本発明は、ホイールカッター
の回転軸に着脱自在に装着固定し、回転砥又は回転刃物
として使用される、特に厚さ1mmないし0.03mm
のような薄刃のブレードに関するものである。ホイール
カッターのこのような薄刃ブレードとして、従来、図
1,図2に示すようなものが生産、販売されている。即
ち、このものは軸支孔1をもつ薄い単純な環状物で、適
当な組成をもつ合金粉にダイヤモンド粒子Dを適当な割
合で配合したものを成型原料とし、これに粉末冶金法を
適用して得た焼結物を素材とし、これを所要の厚さtに
研摩して生産する。前記したダイヤモンド粒子Dはボロ
ンカーバイド粒子で代用される場合もある。
の回転軸に着脱自在に装着固定し、回転砥又は回転刃物
として使用される、特に厚さ1mmないし0.03mm
のような薄刃のブレードに関するものである。ホイール
カッターのこのような薄刃ブレードとして、従来、図
1,図2に示すようなものが生産、販売されている。即
ち、このものは軸支孔1をもつ薄い単純な環状物で、適
当な組成をもつ合金粉にダイヤモンド粒子Dを適当な割
合で配合したものを成型原料とし、これに粉末冶金法を
適用して得た焼結物を素材とし、これを所要の厚さtに
研摩して生産する。前記したダイヤモンド粒子Dはボロ
ンカーバイド粒子で代用される場合もある。
【0003】ここで、ホイールカッターの薄刃ブレード
の生産性及び利用性に関する経済問題につき若干言及す
る。言うまでもなく、ホイールカッターの薄刃ブレード
は比較的短時間に消費される消耗品である。従って、こ
れらの薄刃ブレードはできり限り安価かつ多量に供給さ
れ、かつ使用寿命の長いことが要求される。前記した通
り、本発明において“薄刃”と言うのはブレードの厚み
が1mm〜0.05mmのような肉薄のものを指す。こ
のような薄刃のブレードは粉末冶金又は樹脂成型によっ
ては直接生産できないので、あらかじめ、例えば1mm
厚など、即ち、所要の厚さよりもかなり肉厚の焼結体又
は樹脂成型体を素材として成型しておき、ついで素材の
主面を研摩することにより肉厚を削減する。ここで、こ
のような薄刃のブレードの生産コストをみると、工業用
ダイヤモンドやボロンカーバイドなどの高級砥材、及び
これら砥材のマトリックスとしての合金や樹脂のコスト
を含む資材コストと、焼結や樹脂成型などの成型コスト
及び成型品の研摩に要する研摩コスト等の加工コストと
からなっている。
の生産性及び利用性に関する経済問題につき若干言及す
る。言うまでもなく、ホイールカッターの薄刃ブレード
は比較的短時間に消費される消耗品である。従って、こ
れらの薄刃ブレードはできり限り安価かつ多量に供給さ
れ、かつ使用寿命の長いことが要求される。前記した通
り、本発明において“薄刃”と言うのはブレードの厚み
が1mm〜0.05mmのような肉薄のものを指す。こ
のような薄刃のブレードは粉末冶金又は樹脂成型によっ
ては直接生産できないので、あらかじめ、例えば1mm
厚など、即ち、所要の厚さよりもかなり肉厚の焼結体又
は樹脂成型体を素材として成型しておき、ついで素材の
主面を研摩することにより肉厚を削減する。ここで、こ
のような薄刃のブレードの生産コストをみると、工業用
ダイヤモンドやボロンカーバイドなどの高級砥材、及び
これら砥材のマトリックスとしての合金や樹脂のコスト
を含む資材コストと、焼結や樹脂成型などの成型コスト
及び成型品の研摩に要する研摩コスト等の加工コストと
からなっている。
【0004】そこで、まず前記した資材コストについて
みると、前記薄刃のブレードは前記のように、あらかじ
め目的物の肉厚の数倍から数十倍の肉厚をもつブレード
素材に研摩加工を施し、素材量を削り捨てるのであるか
ら、目的のためやむを得ないといえ、研摩の際廃棄され
る資材、特に、使用されることなく無益に消費されるダ
イヤモンド等の高級砥材のコストが異常に大きい。
みると、前記薄刃のブレードは前記のように、あらかじ
め目的物の肉厚の数倍から数十倍の肉厚をもつブレード
素材に研摩加工を施し、素材量を削り捨てるのであるか
ら、目的のためやむを得ないといえ、研摩の際廃棄され
る資材、特に、使用されることなく無益に消費されるダ
イヤモンド等の高級砥材のコストが異常に大きい。
【0005】生産の際におけるこのような高級砥材の無
益の消費は、第一にはカッターホイール装置におけるブ
レードの支持機構に由来し、第二にはブレード自体の構
造に由来するのである。即ち、ブレードの主面を示した
図1を参照して説明すれば、図中の太い円形の破線は、
このブレードを表裏から挟んで固定するための固定具の
フランジCの縁線を示している。Tはブレードの周縁が
フランジCから突き出た距離(突き出し幅とよばれる)
を示しているが、この突き出し幅Tは、ブレードに2
0,000〜30,000r.p.m.の回転をさせて
披加工物を切削加工する際、加工の負荷に対するブレー
ドの強度を確保する必要上、ブレードの厚さtの5倍程
度以内であることが要求されている。
益の消費は、第一にはカッターホイール装置におけるブ
レードの支持機構に由来し、第二にはブレード自体の構
造に由来するのである。即ち、ブレードの主面を示した
図1を参照して説明すれば、図中の太い円形の破線は、
このブレードを表裏から挟んで固定するための固定具の
フランジCの縁線を示している。Tはブレードの周縁が
フランジCから突き出た距離(突き出し幅とよばれる)
を示しているが、この突き出し幅Tは、ブレードに2
0,000〜30,000r.p.m.の回転をさせて
披加工物を切削加工する際、加工の負荷に対するブレー
ドの強度を確保する必要上、ブレードの厚さtの5倍程
度以内であることが要求されている。
【0006】一方、ブレード自体は前記のようにして生
産されているので、ダイヤモンドD等が適切なマトリッ
クス中に、ほぼ全体的に均等に分布した図1,図2のよ
うな構造をもっている。従って、例えば直径が114m
m、軸支孔の孔径が60mm、厚さtが0.2mmの大
型、薄型のものとして考えれば、前記した突き出し幅T
(tの5倍として)は1mm、従って、図1中フランジ
Cの縁線から軸支孔1までの距離Aは26mmとなる
が、前記したように距離Aのような広い領域に分布され
ているダイヤモンド等の砥材は、ブレードの生産におけ
る研摩の際ほとんど全部が無意味に廃棄され、かつ、製
品の使用によって突き出し幅Tの最大限1mm(実際に
はその1/2以下)までブレードが摩損した際は、残り
の全部が無益に廃棄される。
産されているので、ダイヤモンドD等が適切なマトリッ
クス中に、ほぼ全体的に均等に分布した図1,図2のよ
うな構造をもっている。従って、例えば直径が114m
m、軸支孔の孔径が60mm、厚さtが0.2mmの大
型、薄型のものとして考えれば、前記した突き出し幅T
(tの5倍として)は1mm、従って、図1中フランジ
Cの縁線から軸支孔1までの距離Aは26mmとなる
が、前記したように距離Aのような広い領域に分布され
ているダイヤモンド等の砥材は、ブレードの生産におけ
る研摩の際ほとんど全部が無意味に廃棄され、かつ、製
品の使用によって突き出し幅Tの最大限1mm(実際に
はその1/2以下)までブレードが摩損した際は、残り
の全部が無益に廃棄される。
【0007】ここで、ブレードの加工コストについてみ
ると、ブレードの製造にあたっては、前記した通り所定
の厚さtよりもあらかじめ著しい肉厚の素材を用意し、
所定の厚さtまで削り取るのであるが、この素材中には
全体にわたってダイヤモンド粒子Dやボロンカーバイド
粒子のような最高に硬度の高い砥材が分布しているた
め、素材の研摩にはたとえば数十時間にものぼる異常な
長時間と、その研摩時間中における研摩装置の周到な監
視が必要である。また規格品の製作には、たとえば製品
の厚さtが0.2mmのものについて、精度が±1/1
00mmとか、±1/1000mmとかいう高精度を要
するため、作業中しばしば厚みの測定作業が必要であ
り、従って、加工コストが異常に大きくなるのを避ける
ことができない。
ると、ブレードの製造にあたっては、前記した通り所定
の厚さtよりもあらかじめ著しい肉厚の素材を用意し、
所定の厚さtまで削り取るのであるが、この素材中には
全体にわたってダイヤモンド粒子Dやボロンカーバイド
粒子のような最高に硬度の高い砥材が分布しているた
め、素材の研摩にはたとえば数十時間にものぼる異常な
長時間と、その研摩時間中における研摩装置の周到な監
視が必要である。また規格品の製作には、たとえば製品
の厚さtが0.2mmのものについて、精度が±1/1
00mmとか、±1/1000mmとかいう高精度を要
するため、作業中しばしば厚みの測定作業が必要であ
り、従って、加工コストが異常に大きくなるのを避ける
ことができない。
【0008】これまで、もっぱら薄刃ブレードの生産コ
ストの問題について論じてきたが、ここで有限な重要資
源の利用性の問題につき一瞥する。ホイールカッターの
ブレードには、ダイヤモンド粒子やこれに代わるボロン
カーバイド粒子のように高硬度の粒子が配合されている
のであるが、人工ダイヤモンドにしても、ボロンカーバ
イドにしてもいずれもが大量の電力エネルギーの消費
と、周到、緻密に準備した設備によって生産される重要
な資源であり、従って、これらは有効に利用されなけれ
なならない。他の産業手段の振興のためこれらの重要資
源を使用する場合であっても、もしも可能であり、か
つ、そのことが障害にならないのであれば、これら重要
資源の消費は可能な限り少なめに止められるべきであ
る。従って、結論すれば本発明に与えられた課題はホイ
ールカッターの薄刃ブレードの生産コストを低下させて
このものを安価に供給するとともに、前記重要資源の無
益又は無意味な消費を回避する手段を提供することにあ
る。
ストの問題について論じてきたが、ここで有限な重要資
源の利用性の問題につき一瞥する。ホイールカッターの
ブレードには、ダイヤモンド粒子やこれに代わるボロン
カーバイド粒子のように高硬度の粒子が配合されている
のであるが、人工ダイヤモンドにしても、ボロンカーバ
イドにしてもいずれもが大量の電力エネルギーの消費
と、周到、緻密に準備した設備によって生産される重要
な資源であり、従って、これらは有効に利用されなけれ
なならない。他の産業手段の振興のためこれらの重要資
源を使用する場合であっても、もしも可能であり、か
つ、そのことが障害にならないのであれば、これら重要
資源の消費は可能な限り少なめに止められるべきであ
る。従って、結論すれば本発明に与えられた課題はホイ
ールカッターの薄刃ブレードの生産コストを低下させて
このものを安価に供給するとともに、前記重要資源の無
益又は無意味な消費を回避する手段を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題の
解決にきわめて有力な手段を提供することに成功したも
ので、以下本発明の第一実施例を示す図3,図4を参照
されたい。本発明に係るホイールカッターの薄刃ブレー
ドは基板層2と砥材層3とからなっている。基板層2は
軸支孔1をもつ薄い円盤状のものである。砥材層3は基
板層2の外周縁部において基板層2とは同心に基板層2
から派生している。砥材層3は、ダイヤモンド粒子D及
びボロンカーバイドのうち少なくとも一種と、これらの
粒子に対するマトリックス合金とからなっている。そし
て、基板層2は前記したマトリックス合金のみからなっ
ている。ただし、基板層2と砥材層3とは同時かつ一体
に成型焼結した焼結体からなっている。
解決にきわめて有力な手段を提供することに成功したも
ので、以下本発明の第一実施例を示す図3,図4を参照
されたい。本発明に係るホイールカッターの薄刃ブレー
ドは基板層2と砥材層3とからなっている。基板層2は
軸支孔1をもつ薄い円盤状のものである。砥材層3は基
板層2の外周縁部において基板層2とは同心に基板層2
から派生している。砥材層3は、ダイヤモンド粒子D及
びボロンカーバイドのうち少なくとも一種と、これらの
粒子に対するマトリックス合金とからなっている。そし
て、基板層2は前記したマトリックス合金のみからなっ
ている。ただし、基板層2と砥材層3とは同時かつ一体
に成型焼結した焼結体からなっている。
【0010】
【実施例】図3及び図4は既に前記したように、本発明
の第一実施例を示している。この実施例の基本的構成
は、もちろん前記した本発明そのものであり、砥材層3
は基板層2の外周縁部において、基板層2とは同心にこ
の基板層2から派生している。そして、この場合の“派
生”の態様はもっぱら径方向であって、紙面に垂直な軸
方向には派生していないので、砥材層3の厚さt1と基
板層2の厚さとは全く等しい。このような砥材層3の派
生は、基板層2とのあいまいな境界面Bの発生を伴う。
そしてこの境界面Bにおいて、ダイヤモンド粒子D等の
一部は成型焼結の際、基板層2側に入り込み、層間結合
用のくさびとして作用するのである。但し、境界面Bは
図3では一点鎖線、図4では点線で表示してある。
の第一実施例を示している。この実施例の基本的構成
は、もちろん前記した本発明そのものであり、砥材層3
は基板層2の外周縁部において、基板層2とは同心にこ
の基板層2から派生している。そして、この場合の“派
生”の態様はもっぱら径方向であって、紙面に垂直な軸
方向には派生していないので、砥材層3の厚さt1と基
板層2の厚さとは全く等しい。このような砥材層3の派
生は、基板層2とのあいまいな境界面Bの発生を伴う。
そしてこの境界面Bにおいて、ダイヤモンド粒子D等の
一部は成型焼結の際、基板層2側に入り込み、層間結合
用のくさびとして作用するのである。但し、境界面Bは
図3では一点鎖線、図4では点線で表示してある。
【0011】図5,図6に示したのは本発明の第二実施
例である。この実施例において、その基本的構成は前記
した第一実施例と同じであるが、砥材層3が基板層2か
ら派生する態様が第一実施例とは異なる。即ち、この実
施例において砥材層3は基板層2から第一実施例と同様
径方向に派生しているのみならず、特に断面を示す図6
から明らかなように軸方向にも派生していることであ
る。このような軸方向の派生に伴い、砥材層3と基板層
2との間には段差部分31が形成されている。このよう
な段差部分を設けたことにより、切断作業や溝切り作業
の際、切り屑の排出が円滑化され、従って、作業能率が
向上する。砥材層3と基板層2間のあいまいな境界面B
において、ダイヤモンド粒子D等による層間結合作用を
伴う点は第一実施例の場合と同様である。
例である。この実施例において、その基本的構成は前記
した第一実施例と同じであるが、砥材層3が基板層2か
ら派生する態様が第一実施例とは異なる。即ち、この実
施例において砥材層3は基板層2から第一実施例と同様
径方向に派生しているのみならず、特に断面を示す図6
から明らかなように軸方向にも派生していることであ
る。このような軸方向の派生に伴い、砥材層3と基板層
2との間には段差部分31が形成されている。このよう
な段差部分を設けたことにより、切断作業や溝切り作業
の際、切り屑の排出が円滑化され、従って、作業能率が
向上する。砥材層3と基板層2間のあいまいな境界面B
において、ダイヤモンド粒子D等による層間結合作用を
伴う点は第一実施例の場合と同様である。
【0012】図7,図8に示すのは本発明の第三実施例
である。即ち、この実施例における砥材層3の派生の態
様は、前記第二実施例と同じく径方向及び軸方向の派生
である。第二実施例の砥材層3が完全な円環状であるの
に対し、砥材層3の軸方向に派生した部分はセグメント
状に分割配置され、それらのセグメント間には径方向の
溝4が形成されている。このような溝4の存在が、これ
らのブレードを使用しての各種の作業において切り屑並
びに冷却水の排出に大きく寄与することは容易に理解さ
れるであろう。なお、砥材層3の径方向に派生した部分
と基板層2とのあいまいな境界面Bにおいて、前記各実
施例と同様、ダイヤモンド粒子等によるくさび状の結合
作用を伴っている。
である。即ち、この実施例における砥材層3の派生の態
様は、前記第二実施例と同じく径方向及び軸方向の派生
である。第二実施例の砥材層3が完全な円環状であるの
に対し、砥材層3の軸方向に派生した部分はセグメント
状に分割配置され、それらのセグメント間には径方向の
溝4が形成されている。このような溝4の存在が、これ
らのブレードを使用しての各種の作業において切り屑並
びに冷却水の排出に大きく寄与することは容易に理解さ
れるであろう。なお、砥材層3の径方向に派生した部分
と基板層2とのあいまいな境界面Bにおいて、前記各実
施例と同様、ダイヤモンド粒子等によるくさび状の結合
作用を伴っている。
【0013】以上、本発明の若干の実施例について説明
したのであるが、それらの各実施例における形状、構
造、使用材料、配合割合等については各種の変型が可能
であり、前記した本発明の要旨から逸脱しない限り、そ
れらの変型は本発明の技術的範囲に属するものである。
したのであるが、それらの各実施例における形状、構
造、使用材料、配合割合等については各種の変型が可能
であり、前記した本発明の要旨から逸脱しない限り、そ
れらの変型は本発明の技術的範囲に属するものである。
【0014】本発明の実施に必要な情報のうち、ブレー
ド各部の寸度等の例については既に述べたが、その他必
要な若干の情報につき、ここに記載する。即ち、ブレー
ドの砥材層3に配合されるダイヤモンド等の硬質粒子の
粒径は10〜100μm程度が適している。特にブレー
ドの肉厚が0.3mm以下のもののように薄い場合、粒
径が小さい方がよい。砥材層3に配合されるダイヤモン
ド等の砥材の配合割合は体積率にして25%程度が好ま
しい結果を与える。ダイヤモンド等に対するマトリック
ス合金は、同時に基板層2の構成物質であるが、この合
金の例としてはCu80重量%、Sn20重量%又はC
u70重量%,Ni30重量%のものが好結果を与え
る。また、第二実施例及び第三実施例における段差部分
31としては0.01mm〜0.05mmぐらいが最適
であろう。
ド各部の寸度等の例については既に述べたが、その他必
要な若干の情報につき、ここに記載する。即ち、ブレー
ドの砥材層3に配合されるダイヤモンド等の硬質粒子の
粒径は10〜100μm程度が適している。特にブレー
ドの肉厚が0.3mm以下のもののように薄い場合、粒
径が小さい方がよい。砥材層3に配合されるダイヤモン
ド等の砥材の配合割合は体積率にして25%程度が好ま
しい結果を与える。ダイヤモンド等に対するマトリック
ス合金は、同時に基板層2の構成物質であるが、この合
金の例としてはCu80重量%、Sn20重量%又はC
u70重量%,Ni30重量%のものが好結果を与え
る。また、第二実施例及び第三実施例における段差部分
31としては0.01mm〜0.05mmぐらいが最適
であろう。
【0015】
【発明の作用効果】本発明に係るホイールカッターの薄
刃ブレードにおける砥材層3は、前記し、かつ実施例に
例示したように、中央部をなす基板層2の周縁部分から
この基板層2に対して同心状に派生している。そして砥
材層3にはダイヤモンド粒子やボロンカーバイド粒子の
ような超硬質で高価な砥材が含まれている。しかしなが
ら、前記したように、砥材層3を前記した固定具のフラ
ンジCから過度に突出させることは無意味であり、かつ
フランジCからブレードの周面までの突き出し幅が砥材
層3の厚さt1の5倍又はそれ以下という厳しい制限を
受けているので、砥材層3に含まれるダイヤモンド粒子
等の量は図1,図2に示される従来品と較べて著しく少
量であり、従って、生産時における研摩作業の際に失わ
れるダイヤモンド粒子等の高価な資材の量は著しく局限
される。それと同時にブレードの用済み廃棄の際に失わ
れるダイヤモンド粒子等の量も同様に少ない。かくし
て、本発明によればダイヤモンド粒子等の高級資材の利
用効率は顕著に高まる。また、本発明に係る薄刃のブレ
ードは、生産時において基板層2の周縁部分に形成さ
れ、かつ従来品と較べて主面面積のはるかに小さい砥材
層3の研摩のみにより研摩作業が終了するので、ブレー
ドの生産に要する時間も手間も、従来品と較べて非常に
小さい。のみならず、研摩作業における所定の厚み精度
の維持が非常に容易である。さらに、第三実施例に掲げ
たような、ブレード使用時の際の切り屑の排除および冷
却効率の大きいものが同様に容易かつ確実に提供できる
ことも本発明の重要なメリットであることを失わない。
さらにまた、前記のように、基板層と砥材層とのあいま
いな境界面の発生による層間結合が行われている結果、
本発明に係る薄刃ブレードは単層である従来品に勝ると
も劣らない強度を有することが明らかである。
刃ブレードにおける砥材層3は、前記し、かつ実施例に
例示したように、中央部をなす基板層2の周縁部分から
この基板層2に対して同心状に派生している。そして砥
材層3にはダイヤモンド粒子やボロンカーバイド粒子の
ような超硬質で高価な砥材が含まれている。しかしなが
ら、前記したように、砥材層3を前記した固定具のフラ
ンジCから過度に突出させることは無意味であり、かつ
フランジCからブレードの周面までの突き出し幅が砥材
層3の厚さt1の5倍又はそれ以下という厳しい制限を
受けているので、砥材層3に含まれるダイヤモンド粒子
等の量は図1,図2に示される従来品と較べて著しく少
量であり、従って、生産時における研摩作業の際に失わ
れるダイヤモンド粒子等の高価な資材の量は著しく局限
される。それと同時にブレードの用済み廃棄の際に失わ
れるダイヤモンド粒子等の量も同様に少ない。かくし
て、本発明によればダイヤモンド粒子等の高級資材の利
用効率は顕著に高まる。また、本発明に係る薄刃のブレ
ードは、生産時において基板層2の周縁部分に形成さ
れ、かつ従来品と較べて主面面積のはるかに小さい砥材
層3の研摩のみにより研摩作業が終了するので、ブレー
ドの生産に要する時間も手間も、従来品と較べて非常に
小さい。のみならず、研摩作業における所定の厚み精度
の維持が非常に容易である。さらに、第三実施例に掲げ
たような、ブレード使用時の際の切り屑の排除および冷
却効率の大きいものが同様に容易かつ確実に提供できる
ことも本発明の重要なメリットであることを失わない。
さらにまた、前記のように、基板層と砥材層とのあいま
いな境界面の発生による層間結合が行われている結果、
本発明に係る薄刃ブレードは単層である従来品に勝ると
も劣らない強度を有することが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来品の一例の平面図。
【図2】同じく図1のX−X断面図。
【図3】本発明の第一実施例の平面図。
【図4】同じく図3のX−X断面図。
【図5】本発明の第二実施例の平面図。
【図6】同じく一部を省略および拡大して要部を示した
図5のX−X断面図。
図5のX−X断面図。
【図7】本発明の第三実施例の一部を破断省略して要部
を示した平面図。
を示した平面図。
【図8】同じく一部を破断省略及び拡大して要部を示し
た図7のX−X断面図。
た図7のX−X断面図。
1…………………………支持孔 2…………………………基板層 3…………………………砥材層 31………………………段差部分 4…………………………溝 A…………………………固定具のフランジから中心孔ま
での距離 B…………………………あいまいな境界面 C…………………………固定具のフランジ D…………………………ダイヤモンド粒子 t,t1…………………ブレードの厚さ T…………………………固定具のフランジからの突き出
し幅 S…………………………砥材層の幅
での距離 B…………………………あいまいな境界面 C…………………………固定具のフランジ D…………………………ダイヤモンド粒子 t,t1…………………ブレードの厚さ T…………………………固定具のフランジからの突き出
し幅 S…………………………砥材層の幅
Claims (1)
- 【請求項1】軸支孔をもつ薄い円盤状の基板層と、この
基板層の外周縁部においてこの基板層から同心に派生す
る砥材層とからなり、 この砥材層は、ダイヤモンド粒子及びボロンカーバイド
粒子のうちの少なくとも一種と、これらの粒子に対する
マトリックス合金とからなり、 前記基板層は、前記マトリックス合金のみからなり、 前記基板層と砥材層とは同時かつ一体に成型焼結した焼
結体からなる、ホイールカッターの薄刃ブレード。
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CN102691772A (zh) * | 2012-06-15 | 2012-09-26 | 扬州保来得科技实业有限公司 | 一种汽车发动机启动电机齿轮及其制备方法 |
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- 2000-07-26 KR KR10-2000-0043046A patent/KR100369114B1/ko not_active IP Right Cessation
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