JP3251923B2 - 台金付電鋳カッター及びその製造方法 - Google Patents

台金付電鋳カッター及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は台金付電鋳カッター
及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、台金の外周上に電鋳法により形成された耐摩耗性や
台金との密着性に優れる超砥粒層を有し、かつ切れ味及
び寸法安定性が良好で、シリコンやセラミックスや希土
類磁石などの材料の切断や溝入れ、あるいは精密部品の
加工などに好適に用いられる台金付電鋳カッター、及
び、該カッターを生産性よく、かつ効率的に製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス、セラミックス、陶磁器、
フェライト、半導体結晶材料、ゲルマニウム、人造宝
石、超合金、その他超硬脆性材料の切断、溝入れ加工な
どには、ダイヤモンドカッターなどの超砥粒カッターが
用いられている。この種の超砥粒カッターは、一般に砥
粒層部の種類により、分類することができ、例えばレジ
ノイド結合剤(Resinoid bond)を用いた
レジンボンドカッター、メタル結合剤(Metal b
ond)を用いたメタルボンドカッター、ビトリファイ
ド結合剤(Vitrified bond)を用いたビ
トリファイドボンドカッターなどがあり、さらに、電鋳
法により超砥粒をニッケルなどのメッキ中に分散させて
なる電鋳カッターが知られている。これらの超砥粒カッ
ターの中で、レジンボンドカッター、メタルボンドカッ
ター及びビトリファイドボンドカッターは、超砥粒と結
合剤とを含む混合粉末層を金型内で加圧加熱して、固結
させることにより得られる。しかしながら、これらのボ
ンドカッターは、切れ味が優れているものの、超砥粒層
の強度が弱く、0.2mm以下の厚みのものは製造が難し
いという問題がある。これに対し、電鋳カッターは、上
記ボンドカッターに比べて超砥粒層の強度が高く、かつ
耐摩耗性に優れる上、実用的な薄い刃厚のものも製造で
きるという長所を有している。しかし、この電鋳カッタ
ーを、台金の外周上に電鋳法により超砥粒層を形成させ
て製造しようとすると、特に厚さ1mm以下程度の薄いカ
ッターの場合、超砥粒層と台金との密着性が悪く、作業
時に超砥粒層が剥離しやすいために、通常台金を用いて
いない、いわゆるオールブレードタイプの電鋳カッター
が製造されている。ところで、切断や溝入れなどに用い
られるカッターにおいては、切断物がカッターの非作用
面に接触するのを避けるなどの目的で、カッターの両側
面にいわゆる逃げを設けたり、あるいは切れ味をより一
層良好なものにする目的で、カッターの外周から内周に
向けてテーパーを設け、切断抵抗を下げるなどの手段を
講じることが知られている。しかしながら、前記のオー
ルブレードタイプの電鋳カッターにおいては、このよう
な両側面の逃げやテーパーの形成加工が極めて困難であ
り、たとえ加工できたとしても工数がかかり、コスト高
になるのを免れない。また、このオールブレードタイプ
の電鋳カッターは、所望の厚さのものを得るためには、
電鋳後にラップ加工や研削加工などを施す必要がある
上、切断や溝入れなどのカッター機能に関与しない超砥
粒が多数含まれており、これらの点からもコスト的に不
利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような事情のもと
で、本発明の第1の目的は、前記のオールブレードタイ
プの電鋳カッターがもつ長所を活かすとともに欠点を克
服し、超砥粒層の強度が高く、かつ耐摩耗性に優れ、薄
い刃厚のものも製造が可能である上、切れ味及び寸法安
定性がよく、両側面の逃げやテーパーの形成も容易であ
り、しかもコスト的に有利な電鋳カッターを提供するこ
とにある。また、第2の目的は、このような優れた性質
を有する電鋳カッターを生産性よく、かつ効率的に製造
する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、台金の外周面
に電鋳法により超砥粒層を設け、かつ外部から見た台金
と超砥粒層との境界面において、台金又は超砥粒層の一
部が相手材に嵌入した構造の電鋳カッターが、超砥粒層
と台金との密着性に優れるとともに、第1の目的に適合
しうることを見出した。また、台金の外周縁近傍の両側
面に所望形状の非導電性治具を配置し、かつ台金の外周
部の形状及び治具の形状を適宜選択し、該治具と台金と
で形成される空間部に電鋳法により超砥粒層を形成させ
ることにより、第2の目的を達成しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)台金とその外周上に設けられた超砥粒層とが一体
化してなる円盤状カッターであって、該超砥粒層が電鋳
法で形成されたものであり、台金の先端面と超砥粒層の
先端面が近接しており、0.05〜3mmの厚さの台金と
超砥粒層との境界面において超砥粒層の厚さが台金の厚
さより大きく、台金の全外周縁部の一部が超砥粒層の内
周縁部に嵌入した構造を有することを特徴とする台金付
電鋳カッター、 (2)台金の外周縁部に、外周縁に沿って凸部若しくは
凹部を設けたことを特徴とする第1項記載の台金付電鋳
カッター、 (3)台金とその外周上に設けられた超砥粒層とが一体
化してなる円盤状カッターの製造方法であって、台金の
外周縁の位置において、台金の両側面の外側に台金外周
縁より幅が広い間隔の平面状側面を有し、台金の外周縁
の位置より内部側に底面を有する溝部を形成する非導電
性治具を配置し、該溝部に突出した台金外周縁部及び当
該治具とで形成される空間部に電鋳法により超砥粒層を
形成させることを特徴とする台金付電鋳カッターの製造
方法、 (4)外周縁部に、外周縁に沿って凸部若しくは凹部を
設けた台金を用いることを特徴とする第3項記載の台金
付電鋳カッターの製造方法、 (5)台金の外周縁近傍の両側面に、先端部から台金方
向に間隔が狭くなるテーパーを有する形状の非導電性治
具を配置する第3項記載の台金付電鋳カッターの製造方
法、及び (6)台金の両側面と非導電性治具との間に、スペーサ
ーを介在させる第3項、第4項又は第5項記載の台金付
電鋳カッターの製造方法、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の台金付電鋳カッターは、
台金と、その外周上に電鋳法により形成された超砥粒層
とが一体化した構造を有するものである。上記台金とし
ては、内周部を有する円盤状のものが用いられ、その材
質については特に制限はなく、従来超砥粒カッターにお
いて慣用され、かつ電着が可能な導電性材料からなるも
のの中から適宜選択して用いることができる。このよう
な台金としては、例えば炭素鋼、炭素工具鋼、ステンレ
ス綱、タングステン、チタン、モリブデンなどの金属や
これらの合金からなるものが挙げられる。この台金の厚
さについては特に制限はないが、本発明は、厚さの薄い
台金にも有利に適用しうるので、0.05〜3mmの範囲
のものが好適である。一方、この台金の外周上に電鋳法
によって形成される超砥粒層に用いられる超砥粒として
は、従来超砥粒カッターに使用されているダイヤモンド
砥粒及びcBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒などを挙げる
ことができる。これらの超砥粒は単独で用いてもよい
し、2種以上を混合して用いてもよい。この超砥粒の粒
度については特に制限はなく、用途に応じて適宜選定す
ることができる。この超砥粒層の高さ(カッター外周か
ら内周方向の長さ)としては、特に制限はなく、用途、
台金のサイズや厚さなどに応じて適宜選定されるが、通
常0.05〜5mm、好ましくは0.1〜2mmの範囲であ
る。また、この超砥粒層は後で説明する電鋳法によって
形成されるので前記超砥粒以外に、金属成分が含まれて
おり、この金属成分としては、従来電鋳法で慣用されて
いるもの、例えば銅、ニッケル、クロムあるいはこれら
の合金などが挙げられる。本発明の電鋳カッターは、超
砥粒層と台金との密着性を高め、作業時に超砥粒層が台
金から剥離するのを抑制するために、外部から見た台金
と超砥粒層との境界面において、台金又は超砥粒層の一
部が相手材に嵌入した構造を有している。
【0007】この台金外周縁部及び超砥粒層の構造とし
ては、台金又は超砥粒層の一部が相手材に嵌入している
構造であればよく、特に制限されず、例えば下記の図1
に示すような構造のものを挙げることができるが、もち
ろんこれらに限定されるものではない。図1(a)〜
(g)は、それぞれ本発明の台金付電鋳カッターの異な
る例の部分断面図であって、台金1の外周上に電鋳法に
より形成された超砥粒層2を有する構造が示されてい
る。なお、図中、符号Aは外部から見た台金と超砥粒層
との境界面を示す。この図1において、(a)、
(b)、(d)、(e)、(f)及び(g)は、外部か
ら見た台金と超砥粒層との境界面Aにおいて、台金の一
部が超砥粒層に嵌入している構造を示し、(c)は逆に
超砥粒層の一部が台金に嵌入している構造を示す。ま
た、(d)及び(f)は、超砥粒層がカッター外周から
内周に向けてテーパーを形成しており、このようなテー
パー形状の超砥粒層は切断抵抗を下げ、切り味が良好な
ものとなり、好ましい。さらに、(e)及び(f)は、
外部から見た台金と超砥粒層との境界面において、超砥
粒層側面が台金側面の外側に離れて位置する構造、いわ
ゆる逃げを設けた構造のものであり、このような構造の
カッターでは、作業時における切断物の台金への接触が
防止されるため、カッターの耐久性が良好なものとな
り、好ましい。なお、この(e)及び(f)において
は、超砥粒層と台金との密着性をさらに向上させるため
に、台金の外周縁部に、所望形状の凸部又は凹部を設け
てもよい。図1において、(a)、(b)、(c)及び
(g)の構造のカッターは、台金の外周縁部に、図に示
すような凸部又は凹部を設けることにより、容易に製造
することができるし、(d)、(e)及び(f)の構造
のカッターは、後で説明するように、超砥粒層を電鋳法
で形成させるに際し、使用する治具の形状を選択するこ
とにより、あるいは治具と台金との間にスペーサーを介
在させることにより、容易に製造することができる。
【0008】次に、本発明の台金付電鋳カッターの製造
方法について説明する。本発明方法においては、まず、
台金の外周縁近傍の両側面に所望形状の非導電性治具を
配置し、次いで、この治具と台金とで形成される空間部
に電鋳法により、超砥粒層を所望の高さまで成長させ
る。この際、台金としては、例えば前記図1の(a)、
(b)、(c)及び(g)に示されるように、その外周
縁部に所望形状の凸部又は凹部を設けたものを用いるこ
とができる。また、非導電性治具の材質としては、非導
電性であって、加工性の良好なものであればよく、特に
制限されず、例えばポリ塩化ビニルなどのプラスチック
製のものが好ましく用いられる。また、治具の形状とし
ては、超砥粒層の所望形状によって適宜選択される。例
えば、前記図1の(d)及び(f)のように、カッター
外周から内周に向けてテーパーを有する超砥粒層を形成
する場合には、治具として、先端部から台金方向にテー
パーを有する形状のものを用いればよい。また、図1の
(e)及び(f)のように、超砥粒層側面と台金側面と
の間に逃げを形成する手段としては、例えば(1)図2
に示すように、段差を設けた治具を使用する方法及び
(2)台金の両側面と治具との間にスペーサーを介在さ
せる方法などが挙げられる。なお、図2において、1は
台金、3は非導電性治具である。スペーサーを介在させ
る場合には、例えば非導電性レジストなどを用いてスペ
ーサーを形成することができ、また、逃げの厚さについ
ては特に制限はないが、効果の点から通常1〜80μ
m、好ましくは5〜50μmの範囲で選ばれる。電鋳法
による超砥粒層の形成については、特に制限はなく、従
来公知の方法を用いることができる。例えば、銅、クロ
ム、ニッケルなどの金属イオンを含み、かつ超砥粒を分
散した電鋳浴液中に台金を浸漬し、台金に陰極を接続す
ると共に電鋳浴液に陽極を接続して通電することによ
り、台金の外周上に超砥粒と金属の電着を行い、所定の
高さまで砥粒層を成長させ、超砥粒層を形成させる。
【0009】電鋳浴液中の金属イオンとしては、硬度な
どの点から、ニッケルイオンが好ましく、この場合、電
鋳浴液としては、スルファミン酸ニッケル浴液やワット
浴液などのニッケル電鋳浴液が使用できるが、電着され
るニッケルの歪や内部応力などの点から、スルファミン
酸ニッケル浴液が好ましい。また、電流密度については
特に制限はないが、通常0.5〜30A/dm2程度であ
る。超砥粒層の高さは電鋳時間によって調整される。図
3は、本発明の台金付電鋳カッターの製造方法を説明す
るための1例の部分断面図であって、台金1の外周縁近
傍の両側面に、非導電性治具3が、スペーサー4を介し
て配置された構造が示されている。これを、例えばニッ
ケル電鋳浴液などの電鋳浴液中に浸漬し、台金1を陰極
とし、電鋳浴液を陽極として通電することにより、治具
3と台金1とで形成される空間部5に超砥粒層が形成さ
れ、前記図1の(e)で示される形状の台金付電鋳カッ
ターが得られる。なお、台金を陰極とするには、例え
ば、台金の内周に電線を固着させ、これに陰極を接続し
て通電すればよい。このような方法によれば、極めて寸
法精度のよい所望形状の超砥粒層が形成され、電鋳後に
ラップ加工や研削加工などの後工程を施す必要がないの
で、生産性よく、台金付電鋳カッターを製造することが
できる。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 寸法が57D−0.13T−40Hの台金を、ステンレ
ス鋼(SUS403)を施盤加工することにより製作
し、その内周に電線を固着させた。一方、スルファミン
酸ニッケル400g/リットル、ホウ酸30g/リット
ル、ラウリン酸ナトリウム0.5g/リットル及び♯1
000のダイヤモンド砥粒1.5g/リットルを含有す
る電鋳浴液を調製した。次に、図3に示すように、台金
の外周縁近傍の両側面に、ポリ塩化ビニル製治具を厚さ
10μmの非導電性レジストからなるスペーサーを介し
て配置し、これを前記電鋳浴液中に垂直に浸漬した。該
台金の内周に固着させた電線に陰極を接続するととも
に、電鋳浴液に陽極を接続し、浴温40℃、電流密度3
A/dm2の条件で、台金を2分間で1回転させなが
ら、約28時間通電して電鋳を行うことにより、図1の
(e)に示されるような幅0.15mm、高さ0.5mmのダ
イヤモンド砥粒層を形成し、58D−0.15T−40
Hの台金付電鋳カッターを製造した。両側面の逃げは、
それぞれ10μmである。 実施例2 実施例1において、治具としてテーパーを形成したもの
を用いた以外は、実施例1と同様にして、図1の(f)
に示されるような上端幅0.15mm、下端幅0.14mm、
高さ1mmのテーパーを有する超砥粒層を形成し、台金付
電鋳カッターを製造した。両側面の逃げはそれぞれ5μ
mである。 実施例3 実施例1において、台金の外周縁部に高さ0.05mmの
凸条部を設け、かつスペーサーを設けずに治具を配置し
た以外は、実施例1と同様にして、図1の(a)に示さ
れるような幅0.15mm、高さ0.5mmの逃げのない超砥
粒層を形成し、台金付電鋳カッターを製造した。実施例
1〜3で得られた台金付電鋳カッターを用い、以下に示
す方法により、カッティング試験を行った。 〈カッティング試験〉カッティング試験は、加工機とし
て東京精密社製マイクロフォーミングマシンを用い、第
1表に示す慣らし条件及び加工条件にて多結晶フェライ
トの深溝入れ加工することにより行った。
【0011】
【表1】
【0012】この試験により、加工機主軸消費電力増分
(無負荷状態からの電力増加量)推移及びカーフ幅の推
移[測定箇所:入口(被削材左端)、中央(被削材
中央)、出口(被削材右端)]を測定した。図4に、
加工機主軸消費電力増分の推移をグラフで示すととも
に、図5〜図7に、それぞれ実施例1、実施例2及び実
施例3の電鋳カッターにおけるカーフ幅の推移をグラフ
で示す。
【0013】実施例4 寸法が124D−0.28T−40Hの台金を、ステン
レス鋼(SUS403)を施盤加工することにより製作
し、その内周に電線を固着させた。一方、スルファミン
酸ニッケル400g/リットル、ホウ酸30g/リット
ル、ラウリン酸ナトリウム0.5g/リットル及び♯6
00のダイヤモンド砥粒1.5g/リットルを含有する
電鋳浴液を調製した。次に、図3に示すように、台金の
外周縁近傍の両側面に、ポリ塩化ビニル製治具を厚さ1
0μmの非導電性レジストからなるスペーサーを介して
配置し、これを前記電鋳浴液中に垂直に浸漬した。該台
金の内周に固着させた電線に陰極を接続するとともに、
電鋳浴液に陽極を接続し、浴温40℃、電流密度3A/
dm2の条件で、台金を2分間で1回転させながら、約
28時間通電して電鋳を行うことにより、図1の(e)
に示されるような幅0.30mm、高さ0.5mmのダイヤモ
ンド砥粒層を形成し、125D−0.3T−0.28E
(台金)−40Hの台金付電鋳カッターを製造した。両
側面の逃げは、それぞれ10μmである。 比較例1 ステンレス鋼(SUS304)円盤に、ニッケル電鋳に
より#600のダイヤモンド砥粒を固着したのち、ダイ
ヤモンド砥粒層をステンレス鋼円盤から剥がし、両面を
ラップして125D−0.3T−40Hの電鋳カッター
を製造した。 〈カッティング試験〉加工機として(株)東京精機工作所
製、スライシングマシンTSKK4020を用い、実施
例4で製造した台金付電鋳カッター及び比較例1で製造
した電鋳カッターをそれぞれ10枚ずつ2mm間隔でマル
チに組んで、周速度1,800m/min、送り速度20mm
/minで、高さ20mmのネオジム鉄ボロン磁石の切断試
験を行った。切断条件を、まとめて第2表に示す。
【0014】
【表2】
【0015】実施例4において製造した台金付電鋳カッ
ターを用いたとき、スピンドル回転数の低下量は84mi
n-1であり、切り出したワークの厚みバラツキは±20
μm以内であった。比較例1において製造した電鋳カッ
ターを用いたとき、スピンドル回転数の低下量は127
min-1であり、切り出したワークの厚みバラツキは±2
0μm以内であった。切断試験の結果を、まとめて第3
表に示す。
【0016】
【表3】
【0017】第3表に見られるように、実施例4で製造
した台金付電鋳カッターのスピンドル回転数低下量は、
比較例1で製造した従来の電鋳カッターのスピンドル回
転数低下量より小さく、本発明の台金付電鋳カッターの
切れ味が良好であることが分かる。また、切り出したワ
ークの厚みバラツキに差はなく、本発明の台金付電鋳カ
ッターを用いて、従来の電鋳カッターと同じ精度で切断
加工を行い得ることが分かる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、台金の外周上に電鋳法
により形成された耐摩耗性や台金との密着性に優れる超
砥粒層を有し、かつ切れ味及び寸法安定性が良好で、シ
リコンやセラミックスや希土類磁石などの材料の切断や
溝入れ、あるいは精密部品の加工などに好適に用いられ
る台金付電鋳カッターが生産性よく得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の台金付電鋳カッターのそれぞ
れ異なる例を示す部分断面図である。
【図2】図2は、超砥粒層側面と台金側面との間に逃げ
を形成する手段の1例を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の台金付電鋳カッターの製造方
法を説明するための1例の部分断面図である。
【図4】図4は、加工ライン数と加工機主軸消費電力増
分の関係を示すグラフである。
【図5】図5は、加工ライン数とカーフ幅の関係を示す
グラフである。
【図6】図6は、加工ライン数とカーフ幅の関係を示す
グラフである。
【図7】図7は、加工ライン数とカーフ幅の関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 台金 2 超砥粒層 3 非導電性治具 4 スペーサー 5 空間部 A 外部から見た台金と超砥粒層との境界面
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−28289(JP,A) 特開 平9−29645(JP,A) 特開 昭52−14289(JP,A) 特開 平3−270880(JP,A) 特開 昭62−161996(JP,A) 特開 昭64−20972(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/00 B24D 3/06 B24D 5/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台金とその外周上に設けられた超砥粒層と
    が一体化してなる円盤状カッターであって、該超砥粒層
    が電鋳法で形成されたものであり、台金の先端面と超砥
    粒層の先端面が近接しており、0.05〜3mmの厚さの
    台金と超砥粒層との境界面において超砥粒層の厚さが台
    金の厚さより大きく、台金の外周縁部の一部が超砥粒
    層の内周縁部に嵌入した構造を有することを特徴とする
    台金付電鋳カッター。
  2. 【請求項2】台金の外周縁部に、外周縁に沿って凸部若
    しくは凹部を設けたことを特徴とする請求項1記載の台
    金付電鋳カッター。
  3. 【請求項3】台金とその外周上に設けられた超砥粒層と
    が一体化してなる円盤状カッターの製造方法であって、
    台金の外周縁の位置において、台金の両側面の外側に台
    金外周縁より幅が広い間隔の平面状側面を有し、台金の
    外周縁の位置より内部側に底面を有する溝部を形成する
    非導電性治具を配置し、該溝部に突出した台金外周縁部
    及び当該治具とで形成される空間部に電鋳法により超砥
    粒層を形成させることを特徴とする台金付電鋳カッター
    の製造方法。
  4. 【請求項4】外周縁部に、外周縁に沿って凸部若しくは
    凹部を設けた台金を用いることを特徴とする請求項3記
    載の台金付電鋳カッターの製造方法。
  5. 【請求項5】台金の外周縁近傍の両側面に、先端部から
    台金方向に間隔が狭くなるテーパーを有する形状の非導
    電性治具を配置する請求項3記載の台金付電鋳カッター
    の製造方法。
  6. 【請求項6】台金の両側面と非導電性治具との間に、ス
    ペーサーを介在させる請求項3、4又は5記載の台金付
    電鋳カッターの製造方法。
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