JPH0673490A - 高靭性非調質圧延棒鋼 - Google Patents

高靭性非調質圧延棒鋼

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JPH0673490A
JPH0673490A JP25204792A JP25204792A JPH0673490A JP H0673490 A JPH0673490 A JP H0673490A JP 25204792 A JP25204792 A JP 25204792A JP 25204792 A JP25204792 A JP 25204792A JP H0673490 A JPH0673490 A JP H0673490A
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JP
Japan
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steel
rolling
steels
bar steel
high toughness
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Application number
JP25204792A
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English (en)
Inventor
Naoki Iwama
直樹 岩間
Kazue Nomura
一衛 野村
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Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH0673490A publication Critical patent/JPH0673490A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通常の圧延方法による諸特性の優れた有用な
非調質圧延棒鋼。 【構成】 重量比にして、C:0.15〜0.35% 、Si:0.05 〜
0.50% 、Mn:0.80 〜2.00% 、Cr:0.30 〜1.50% 、Mo:0.0
5 〜0.50% 、Al:0.002〜0.060%、V:0.05〜0.50%、N:0.0
08 〜0.020%を含有し、かつMo(%)+V(%)≧0.20、1.8Mn
(%)+Cr(%)+0.5Mo(%) ≦20C(%)、 BS ≧550(℃)( BS =83
0-270C(%)-90Mn(%)-70Cr(%)-83Mo(%)であり残部はFeな
らびに不純物元素からなる。必要に応じてTi:0.005〜0.
030%、Nb:0.01 〜0.30% のうち1種または2種を含有し
てもよい。さらに必要に応じてS:0.04〜0.12% 、Pb:0.0
5 〜0.30% 、Ca:0.0005 〜0.01% のうち1種または2種
以上を含有してもよい。 【効果】直径20〜230mm と広い範囲の棒鋼において制御
圧延・制御冷却を施すことなく通常の圧延条件で調質炭
素鋼以上の特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0010】
【産業上の利用分野】本発明は、制御圧延、制御冷却等
の特殊な圧延技術を用いなくても、通常の圧延後空冷し
たままの非調質で、優れた強度、靱性、疲労強度を有
し、かつ丸棒の直径で20mm〜230mmと広範囲な
寸法においても特性の変化が少なく安定している特徴を
有し、特に高靱性を必要とする建設機械の軸部品等に用
いられる鋼として有用な非調質圧延棒鋼に関する。
【0020】
【従来の技術】従来、ロッド軸、シャフト等の建設機械
の軸部品には高強度、高靱性が要求され、機械構造用炭
素鋼であるS43C、S45C、S48Cなどの熱延丸
棒を焼入焼き戻し(以下、調質という。)した後、機械
加工して使用していた。しかし、この調質処理には多大
のエネルギーを必要とするため、省エネルギーの社会的
要請に応えるべく、熱間圧延のままで使用することので
きる非調質鋼の開発が近年盛んに行われている。例え
ば、Cを0.30〜0.50%含有する中炭素鋼が提案
されている。この非調質鋼は熱間圧延後の冷却過程で析
出するVの炭窒化物がフェライト基地を強化するもので
ある。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら提案されている非調質鋼は強度的には調質鋼とほぼ同
程度のレベルにあるものの、通常の圧延方法では十分な
靱性が得られないために制御圧延や制御冷却等の技術に
より結晶粒を微細化する必要があった。これらの制御圧
延や制御冷却等は、圧延途中において熱間圧延材を所定
温度まで冷却するための圧延待ち時間の増加による生産
性の低下や、圧延温度を低下させているために圧延材の
変形抵抗が大きくなってロール型寿命の低下あるいは熱
間圧延材を所定温度まで冷却するための冷却設備の維持
管理にともなうコストの増加という問題を含んでいた。
また、圧延による鍛練比が小さい太丸材(直径180〜
230mmの丸棒)については制御圧延の効果が発現さ
れず、非調質化することが困難であった。
【0040】本発明は、従来の調質炭素鋼および非調質
鋼の前期のごとき問題点を考慮してなされたもので、丸
棒の直径が20mm〜230mmと広範囲の寸法におい
て、制御圧延や制御冷却を施さずに通常の圧延条件にお
いて、強度、靱性、疲労強度等の特性が調質炭素鋼と同
等以上の特性を有する非調質圧延棒鋼を提供するもので
ある。
【0050】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、初析フェライ
ト・パーライトと微細なベイナイト組織とからなる混合
組織とすることにより、制御圧延や制御冷却を必要とせ
ず、粗大な結晶粒度あっても優れた強度、靱性を達成す
ることを見いだしたものである。また、ベイナイト鋼の
降伏比および耐久比を低下させる原因となる高炭素島状
マルテンサイト(M)および残留オーステナイト(A)
(以下、M−Aという。)と変態歪を低減させるため
に、C量と添加する合金元素量との関係を所定の範囲に
規制し、全ての化学成分の調整によって変態温度の下限
を規制することにより降伏比および耐久比が向上するこ
とを見出すとともに、MoとVとの複合添加によりベイ
ナイトラスが微細化するために著しく靱性が向上するこ
とを併せて知見し、前記の考えの基に設計した鋼は丸棒
の直径が20mm〜230mmと広範囲の寸法において
も安定して優れた特性を示すことを確認し、本発明の完
成に至ったものである。
【0060】すなわち、本発明の第1発明は重量比にし
て、C:0.15〜0.35%、Si:0.05〜0.
50%、Mn:0.80〜2.00%、Cr:0.30
〜1.50%、Mo:0.05〜0.50%、Al:
0.002〜0.060%、V:0.05〜0.50
%、N:0.008〜0.020%を含有し、かつMo
(%)+V(%)≧0.20、1.8Mn(%)+Cr
(%)+0.5Mo(%)≦20C(%)、BS ≧55
0(℃)(BS =830−270C(%)−90Mn
(%)−70Cr(%)−83Mo(%))であり、残
部Feならびに不純物元素からなり、通常の圧延後空冷
したままで使用することを特徴とする高靱性非調質圧延
棒鋼であり、第2発明は、第1発明鋼に比べて結晶粒を
微細化し靱性を向上させるため、Ti:0.005〜
0.030%、Nb:0.01〜0.30%のうち1種
または2種を含有させたものであり、第3、第4発明は
被削性を改善するために第1、2発明鋼にさらにS:
0.04〜0.12%、Pb:0.05〜0.30%、
Ca:0.0005〜0.01%のうち1種または2種
以上を含有させたものである。
【0070】
【作用】次に本発明の高靱性非調質圧延棒鋼における成
分組成の限定理由を以下に説明する。 C;0.15〜0.35% Cは強度を確保するための元素であり、0.15%以上
の含有が必要である。しかし、0.35%を越えて含有
させると靱性が低下するので上限を0.35%とした。
【0080】Si;0.05〜0.50% Siは製鋼時の脱酸剤として添加されるものであり、
0.05%以上含有させることが必要である。しかし、
0.50%を越えて含有させると靱性が低下するので上
限を0.30%とした。
【0090】Mn;0.80〜2.00% Mnは焼入性を向上させて組織をベイナイト化するのに
必要な元素である。Mnの含有が0.80%未満である
と焼入性が不足し、ベイナイトの生成量が少なくなり、
強度および靱性が不足するので下限を0.80%とし
た。しかし、2.00%を越えて含有させると焼入性が
向上しすぎるとともにM−Aの生成を促進し、降伏比お
よび耐久比が低下するので上限を2.00%とした。
【0100】Cr;0.30〜1.50% CrはMnと同様に組織をベイナイト化するのに必要な
元素である。0.30%未満の含有では前記効果が不十
分であるので下限を0.30%とした。しかし、1.5
0%を越えて含有させるとM−Aの生成を促進し、降伏
比および耐久比が低下するので上限を1.50%とし
た。
【0110】Mo;0.05〜0.50% Moは組織をベイナイト化するとともにベイナイトラス
を微細化させ靱性を向上させるために必要な元素であ
る。0.05%未満の含有では前記効果が不十分である
ので下限を0.05%とした。しかし、0.50%を越
えて含有させてもその効果が飽和するとともにコスト高
となり、またMn、Crと同様に過剰添加はM−Aの生
成を促進し、降伏比および耐久比が低下するので上限を
0.50%とした。
【0120】Al;0.002〜0.060% Alは強力な脱酸効果を持つ元素であるが、0.002
%未満の含有では脱酸効果が認められなくなるので下限
を0.002%とした。しかし、0.060%を越えて
含有させると前記効果が飽和するとともに被削性を低下
させるので上限を0.060%とした。
【0130】V;0.05〜0.50% VはC、Nと親和力が強く、鋼中においてもVC、VN
として析出し、初析フェライトが生成した場合にこれを
析出強化させて強度を向上させるとともに、ベイナイト
ラスを微細化させて靱性を向上させる効果のある元素で
あるが、0.05%未満の含有ではその効果が不十分で
あるので下限を0.05%とした。しかし、0.50%
を越えて含有させてもその効果が飽和するとともにコス
ト高となるため上限を0.50%とした。
【0140】N;0.008〜0.020% NはAl、Vと親和力が強く、鋼中においてAlN、V
Nとして析出し、ピン止め効果によりオーステナイト結
晶粒を微細化させて靱性を向上させる効果があり、前記
効果を得るためには少なくとも0.008%の含有が必
要である。しかし、0.020%を越えて含有させると
逆に靱性を低下させるので上限を0.050%とした。
【0150】Ti;0.005〜0.030%、Nb;
0.01〜0.30% TiおよびNbは鋼中においてはTi(CN)、Nb
(CN)として析出し、ピン止め効果によりオーステナ
イト結晶粒を微細化する効果があり、AlN、VNにく
らべてその効果が大きい。従って、靱性をさらに向上さ
せるためには少なくともTiは0.005以上、Nbは
0.01以上の含有が必要である。しかし、Tiは0.
030%、Nbは0.30%を越えて含有させても前記
効果が飽和するとともにコスト高になるので上限をTi
は0.030%、Nbは0.30%とした。
【0160】S;0.04〜0.12%、Pb;0.0
5〜0.30%、Ca;0.0005〜0.01% S、Pb、Caは快削性の改善に有効な元素であり、必
要に応じて添加されるものである。前記効果をえるため
にはそれぞれ0.04%、0.05%、0.0005%
の含有が必要である。しかし、多量に含有させてもその
効果が飽和するとともに、靱性を低下させるのでそれぞ
れ0.12%、0.30%、0.01%とした。
【0170】Mo(%)+V(%)≧0.20 Mo、Vの複合添加はCの拡散を遅滞させベイナイトラ
スの成長を妨げるのでベイナイトラスを特に微細にする
効果がある。前記効果を得るためにはMo、Vの合計含
有量を0.20%以上にする必要がある。
【0180】1.8Mn(%)+Cr(%)+0.5M
o(%)≦20C(%) 1.8Mn(%)+Cr(%)+0.5Mo(%)≦2
0C(%)はベイナイトのミクロ組織中に存在するM−
Aの生成を防止するとともに、微細なセメンタイトを析
出させるための必要条件である。Mn、Cr、Moを過
剰に添加し1.8Mn(%)+Cr(%)+0.5Mo
(%)>20C(%)となるとセメンタイトの析出量が
減少し、これに代わってM−Aを生成し、降伏比および
耐久比を低下させるため1.8Mn(%)+Cr(%)
+0.5Mo(%)≦20C(%)とする必要がある。
【0190】BS ≧550(℃)(BS =830−27
0C(%)−90Mn(%)−70Cr(%)−83M
o(%)) 上式で示されるBS はベイナイト変態開始温度を示し、
S が高いと変態歪は小さく、BS が低いと変態歪が大
きくなる。変態歪は降伏比および耐久比を低下させる
が、特にBS <550(℃)では変態歪が急増し、降伏
比、耐久比を著しく低下させるためBS ≧550(℃)
が必要である。
【0200】
【実施例】次に本発明を比較鋼および従来鋼と対比し
て、その特徴を実施例でもって明らかにする。表1およ
び表2は実施例に用いた供試材の化学成分を示すもので
ある。
【0210】
【表1】
【0220】
【表2】
【0230】表1および表2において、1〜18鋼は本
発明鋼であり、1〜4鋼は第1請求項、5〜7鋼は第2
請求項、8〜12鋼は第3請求項、13〜18鋼は第4
請求項に該当する鋼である。また、19〜25鋼は本発
明の化学組成を部分的に満足しない比較鋼であり、2
6、27鋼はフェライト・パーライト型の従来の非調質
鋼、28鋼は従来鋼であるS45Cである。
【0240】次に表1および表2に示した化学組成を有
する供試鋼を試験溶解により2.3トンの鋼塊を作製
し、130x130mmの断面からなる鋼片を作製し
た。1〜26鋼については鋼片を1200℃に加熱後1
000〜1100℃で直径80mmに圧延し、次いで室
温まで自然空冷の通常圧延にて製造したものである。2
7鋼については、鋼片を1200℃に加熱後850〜9
50℃で直径80mmに圧延し、室温まで自然空冷の制
御圧延にて製造したものである。また、S45Cである
28鋼については、通常圧延にて製造した直径80mm
の丸棒を880℃にて加熱後油浴中にて焼入れを行い、
続いて580℃にて焼戻しを行ったものである。
【0250】1〜28鋼の各供試材について、直径80
mmの丸棒の1/4に相当する位置よりJIS4号引張
試験片、JIS3号Uノッチシャルピー試験片および小
野式回転曲げ疲労試験片を採取し、試験に供した。ま
た、各供試材についてミクロ組織を調査するとともにベ
イナイト組織が現出したものについてはベイナイトラス
の長手方向の寸法およびM−A量を測定した。ベイナイ
トラスの寸法は倍率1000倍の光学顕微鏡にて各試料
につき100視野の測定を行い、その平均値をもって測
定値とした。M−A量については、倍率5000倍の走
査型電子顕微鏡観察により各試料100視野をポイント
カウンティング法で測定しその平均値をもって測定値と
した。オーステナイト結晶の粒度番号については、JI
S G 0551(鋼のオーステナイト結晶粒度試験方
法)に基づいて試験を行った。
【0260】さらに、被削性については各供試材につい
てドリル穿孔試験を行った。試験条件としてドリルの材
質はSKH9、ドリル回転数は1710r.p.m、切
削油なし、荷重75kg、ドリルは5mmφストレート
シャンクを用いた。測定した値は、従来鋼である28鋼
の定荷重単位時間穿孔距離を100とし、それぞれの穿
孔距離を整数比で示し、被削性を評価した。これらの結
果を表3および表4に示した。
【0270】
【表3】
【0280】
【表4】
【0290】表3および表4から明らかなように比較
鋼、従来鋼である19〜28鋼を本発明鋼と比較する
と、19鋼はC含有量が高いことにより衝撃値および被
削性がともに劣るものである。20、21鋼はMnある
いはCr含有量が高いために焼入性が向上しすぎるとと
もにM−A量が非常に多く、また1.8Mn(%)+C
r(%)+0.5Mo(%)≦20C(%)(以下、式
(1)という。)およびBS ≧550(℃)を満足しな
いために降伏比および耐久比が劣るものである。22鋼
はMoの含有量が低くかつ式(1)を満足しないために
ベイナイトラス寸法が大きく、M−A量が多くなり、降
伏比、耐久比および衝撃値が劣るものである。23鋼は
Vの含有量が低いためにベイナイトラス寸法が大きくな
り、耐久比と衝撃値が劣るものである。24、25鋼は
化学成分は本発明鋼の範囲に入っているが、24鋼は式
(1)を、25鋼はBS ≧550(℃)を満足しないため
に降伏比、耐久比が劣るものである。
【0300】また、従来のフェライト・パーライト型非
調質鋼について、通常圧延した26鋼は降伏比、耐久比
および衝撃値が低く、制御圧延した27鋼は結晶粒度番
号が8.5と細粒なため降伏比および衝撃値が改善され
るものの耐久比は依然として低いままである。さらに、
S45Cである28鋼は焼入焼戻しを行っても不完全焼
入組織となり、降伏比、耐久比、衝撃値がともに劣るも
のである。
【0310】これに対して、本発明鋼である1〜18鋼
は通常の圧延ままにおいてもMoとVを複合添加したこ
と、C量と合金元素量の関係において適切な範囲内に規
制した(式(1))こと、およびBs≧550としたこ
とにより、ベイナイトラス寸法が7〜17μmと微細化
され、M−A量も0%となった結果、0.2%耐力は5
6kgf/mm2 以上、引張強さは76kgf/mm2 以上、降伏比
は0.70以上、耐久比は0.50以上、衝撃値は16
kgf ・m/cm2 以上という調質炭素鋼以上の優れた特性が
得られている。なお、本発明の特徴である通常の圧延ま
まにより、混合組織の結晶の粒度番号は5〜7と、従来
鋼である制御圧延を施して粒度番号8.5の細粒からな
る27鋼に比較して粗大な結晶粒度にもかかわらず調質
炭素鋼以上の優れた特性が得られたことである。
【0320】また、被削性については、快削性元素を添
加した第3および第4発明鋼である8〜18鋼は第1お
よび第2発明鋼に比べて強度、靱性、疲労強度などの特
性を損なうことなく、第1、第2発明鋼、比較鋼および
従来鋼に比べて優れた被削性を得ることができた。
【0330】次に圧延寸法の影響について、本発明鋼の
優れた特徴を別の実施例により明らかにする。表1およ
び表2に示す供試鋼のうち、本発明鋼の2、7、10、
16鋼と従来の非調質鋼である26鋼(通常圧延)、2
7鋼(制御圧延)をそれぞれ直径20mm、80mm、
230mmの3サイズに圧延し、0.2%耐力、引張強
さ、降伏比および衝撃値について試験を行った。
【0340】圧延条件は、本発明鋼の2、7、10、1
6鋼については2.3トン鋼塊又は130×130mm
の断面を有する鋼片を1200℃に加熱し、次いで10
00〜1100℃で圧延後室温まで自然空冷した。27
鋼については、2.3トン鋼塊又は130×130mm
の断面を有する鋼片を1200℃に加熱し、次いで85
0〜950℃で圧延後室温まで自然空冷した。なお、直
径20mm、80mmの圧延には130×130mmの
断面を有する鋼片を、直径230mmの圧延には2.3
トン鋼塊を母材として圧延を行った。試験片の採取につ
いては、直径20mmの場合は中心部から、また直径8
0mmおよび230mmの場合にはそれぞれの直径の1
/4の位置より、JIS4号引張試験片およびJIS3
号Uノッチシャルピー試験片を採取した。試験を実施し
た結果を表5に示した。
【0350】
【表5】
【0360】表5から明らかなように、従来のフェライ
ト・パーライト型の非調質鋼は通常圧延の26鋼はもと
より、制御圧延した27鋼においても圧延寸法がφ23
0mmと太くなると降伏比、衝撃値が低下し、特に衝撃
値の低下は著しい。しかし、本発明鋼2、7、10、1
6鋼はφ230mmと寸法が太くなっても降伏比、衝撃
値はわずかな減少にとどまり良好な特性が得られている
ことがわかる。
【0370】また、0.2%耐力および引張強さについ
ても、従来鋼では圧延寸法が太くなるに従って大幅に低
下しているが、本発明鋼はその低下は小さく圧延寸法の
変化への依存性が少なく安定している。
【0380】なお、M−A量については、発明鋼および
従来鋼ともに0%であり、ベイナイトラスの寸法は、直
径20mmの細丸棒では直径80mmに比べてやや細か
く6〜15μm、直径230mmの太丸棒では直径80
mmに比べてやや大きく10〜19μmが得られて、良
好な特性を示している。混合組織の結晶の粒度番号は、
直径20mmの細丸棒および直径230mmの太丸棒の
両サイズともに5〜7と直径80mmと同等の粒度番号
が得られて、圧延寸法へ依存せず、安定している。
【0390】
【発明の効果】本発明の非調質圧延棒鋼は、従来のフェ
ライト・パーライト型の非調質鋼では通常の圧延により
十分な靱性を確保できないために制御圧延を必要とする
ことにより生産性の低下やコストの上昇ならびに鍛練比
の小さい太丸寸法(直径180〜230mm)は制御圧
延の効果が発現されないことによる非調質化が不可能と
いう問題点を解決した。このことは、丸棒の直径が20
〜230mmと広い範囲において、制御圧延あるいは制
御冷却を施すことなく通常の圧延条件であらゆる特性に
ついて調質炭素鋼以上の特性が得られるものであり、省
エネルギーの社会的要請への対応等、産業上寄与すると
ころが大きい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比にして、C:0.15〜0.35
    %、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.80〜
    2.00%、Cr:0.30〜1.50%、Mo:0.
    05〜0.50%、Al:0.002〜0.060%、
    V:0.05〜0.50%、N:0.008〜0.02
    0%を含有し、かつMo(%)+V(%)≧0.20、
    1.8Mn(%)+Cr(%)+0.5Mo(%)≦2
    0C(%)、BS ≧550(℃)(BS =830−27
    0C(%)−90Mn(%)−70Cr(%)−83M
    o(%))であり、残部Feならびに不純物元素からな
    り、通常の圧延後空冷したままで使用することを特徴と
    する高靱性非調質圧延棒鋼。
  2. 【請求項2】 重量比にして、C:0.15〜0.35
    %、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.80〜
    2.00%、Cr:0.30〜1.50%、Mo:0.
    05〜0.50%、Al:0.002〜0.060%、
    V:0.05〜0.50%、N:0.008〜0.02
    0%を含有し、さらにTi:0.005〜0.030
    %、Nb:0.01〜0.30%のうち1種または2種
    を含有し、かつMo(%)+V(%)≧0.20、1.
    8Mn(%)+Cr(%)+0.5Mo(%)≦20C
    (%)、BS ≧550(℃)(BS =830−270C
    (%)−90Mn(%)−70Cr(%)−83Mo
    (%))であり、残部Feならびに不純物元素からな
    り、通常の圧延後空冷したままで使用することを特徴と
    する高靱性非調質圧延棒鋼。
  3. 【請求項3】 重量比にして、C:0.15〜0.35
    %、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.80〜
    2.00%、Cr:0.30〜1.50%、Mo:0.
    05〜0.50%、Al:0.002〜0.060%、
    V:0.05〜0.50%、N:0.008〜0.02
    0%を含有し、さらにS:0.04〜0.12%、P
    b:0.05〜0.30%、Ca:0.0005〜0.
    01%のうち1種または2種以上を含有し、かつMo
    (%)+V(%)≧0.20、1.8Mn(%)+Cr
    (%)+0.5Mo(%)≦20C(%)、BS ≧55
    0(℃)(BS =830−270C(%)−90Mn
    (%)−70Cr(%)−83Mo(%))であり、残
    部Feならびに不純物元素からなり、通常の圧延後空冷
    したままで使用することを特徴とする高靱性非調質圧延
    棒鋼。
  4. 【請求項4】 重量比にして、C:0.15〜0.35
    %、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.80〜
    2.00%、Cr:0.30〜1.50%、Mo:0.
    05〜0.50%、Al:0.002〜0.060%、
    V:0.05〜0.50%、N:0.008〜0.02
    0%を含有し、さらにTi:0.005〜0.030
    %、Nb:0.01〜0.30%のうち1種または2種
    と、S:0.04〜0.12%、Pb:0.05〜0.
    30%、Ca:0.0005〜0.01%のうち1種ま
    たは2種以上とを含有し、かつMo(%)+V(%)≧
    0.20、1.8有し、かつMo(%)+V(%)≧
    0.20、1.8Mn(%)+Cr(%)+0.5Mo
    (%)≦20C(%)、BS ≧550(℃)(BS =8
    30−270C(%)−90Mn(%)−70Cr
    (%)−83Mo(%))であり、残部Feならびに不
    純物元素からなり、通常の圧延後空冷したままで使用す
    ることを特徴とする高靱性非調質圧延棒鋼。
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