JPH0673166U - 単結晶薄膜製造装置における単結晶基板保持ホルダ - Google Patents

単結晶薄膜製造装置における単結晶基板保持ホルダ

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JPH0673166U JP1857793U JP1857793U JPH0673166U JP H0673166 U JPH0673166 U JP H0673166U JP 1857793 U JP1857793 U JP 1857793U JP 1857793 U JP1857793 U JP 1857793U JP H0673166 U JPH0673166 U JP H0673166U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶薄膜製造装置において高温でも強度を
維持する単結晶基板保持ホルダを提供すること。 【構成】 耐熱靱性組成物を含有する白金系材料により
構成される複数本の支持アーム2がホルダ基体3より延
設されてなる単結晶基板保持ホルダ1の先端屈曲部4に
より単結晶基板5を支承し、これを単結晶薄膜製造装置
において溶融体中に浸漬し、液相エピタキシャル法によ
りその基板5面に単結晶薄膜を形成する。支持アーム2
の高温強度及び非溶出性が優れることから、溶融体中で
の高温度にも耐用でき、また薄膜製造後に支持アーム2
を高速回転させて単結晶基板5から溶融体を除去しやす
く、膜厚等の諸特性の均一性がよい単結晶薄膜を良品率
よく製造することができ歩留まりが向上する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、単結晶基板を溶融体に接触させることにより単結晶基板上に単結 晶薄膜を形成する液相エピタキシャル成長法(以下、「LPE法」という)に使 用する単結晶薄膜製造装置における単結晶基板保持ホルダに関し、更に詳細には 、単結晶薄膜形成後における単結晶基板と単結晶基板保持ホルダとの間に溶融体 が残留しにくくかつ高速回転に耐える構造とすることにより、溶融体の振り切り 性をよくした単結晶基板保持ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信や光計測等種々の光応用分野において、単結晶光導波路型の光デ バイスが使用されている。この種の導波路型光デバイスにおいては、種々の電気 光学的、非線形光学的、音響光学的等の特性を有する単結晶の薄膜を単結晶基板 上に格子整合状態で形成し、これを導波路形状に加工して目的とする機能を発揮 させるようにしている。かかる光導波路としての単結晶薄膜には、基板との格子 整合性がよいことばかりでなく、導波光のシングルモード性、光損失が低いこと 、耐光損傷性等の特性が要求される。このため単結晶薄膜は基本的な組成元素に 加えて、格子定数の整合や屈折率等の調整のための種々の添加元素を含有させら れるのが普通である。
【0003】 かかる単結晶薄膜の例としては、ニオブ酸リチウム単結晶を挙げることができ る。そして、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、ホウ素等の添加元素を含 有させたニオブ酸リチウム単結晶の薄膜を、例えばタンタル酸リチウム単結晶基 板上に格子整合させて形成し、導波路型光デバイスを構成することができる。 このような添加元素を含有する単結晶薄膜を基板上に格子整合状態で形成する 手段として、LPE法が盛んに用いられている。熱拡散法等他の手段によるもの と比較して結晶性に優れ、その結果光デバイスとしての諸特性にも優れるからで ある。
【0004】 LPE法は、光導波路となる単結晶薄膜の材料成分を高温で溶融した溶融体に 、単結晶薄膜と同一もしくは近似する結晶構造を有する単結晶基板を接触させ、 単結晶基板上に光導波路となる単結晶薄膜をエピタキシャル成長させるものであ る。かかるLPE法においては、単結晶基板の一面を光学的平滑に調製して結晶 成長面となし、溶融体を充填したルツボの上方にかかる単結晶基板を保持ホルダ により水平に保持し、この保持ホルダを上下移動することにより、単結晶基板の 結晶成長面を溶融体に接触させて結晶成長を行い、そして所定時間の結晶成長が 終了した後は溶融体から基板を離間させるようにしている。
【0005】 従って保持ホルダ、特に単結晶基板や溶融体と直接接触する支持アームの材質 としては、溶融体の温度に耐える耐熱性、その温度での強度及び耐食性、そして 溶融体や基板との反応性がないことが要求される。前記のニオブ酸リチウム単結 晶の薄膜を形成する場合、溶融体の温度は約1000℃に達するので、このような特 性を満たす材料は限られており、例えば白金あるいは白金−ロジウム合金がかろ うじて使用可能なものとして挙げられるに留まっている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の単結晶基板保持ホルダには、以下の問題点があった。 即ち、ニオブ酸リチウム単結晶の薄膜を形成する場合、白金あるいは白金−ロ ジウム合金といえども約1000℃程度の温度領域での強度が充分とはいえないので ある。
【0007】 一方、単結晶基板保持ホルダは水平面内方向の回転機能を有するのが普通であ る。単結晶基板を溶融体に接触させているときにあっては、単結晶基板を回転さ せることにより、形成される単結晶薄膜の膜厚の均一性を向上できるからである 。前記のタンタル酸リチウム基板上にニオブ酸リチウム単結晶薄膜を形成する例 の場合、 5〜150rpm程度の回転速度が一般的に使用される。 そして、単結晶薄膜形成直後にあっては、単結晶基板を回転させることにより 、単結晶基板から溶融体を早期に除去するためである。溶融体が基板上、特に単 結晶薄膜成長面側に残留していると、薄膜の膜厚均一度が悪くなり、さらには熱 履歴の不均一を招くことから、結晶性自体も悪化することがあり好ましくない。 前記のタンタル酸リチウム基板上にニオブ酸リチウム単結晶薄膜を形成した後の 溶融体の振り切りの場合、300〜1500rpm程度の高速回転が望ましい。
【0008】 ここにおいて、従来の白金あるいは白金−ロジウム合金からなる単結晶基板保 持ホルダの支持アームは、約1000℃程度の高温時に200rpm以上の高速回転をさせ ると、強度不足のため遠心力に耐えられず半径方向に拡大し、単結晶基板が保持 ホルダから外れて溶融体のルツボに落下してしまうことがあった。このため、溶 融体振り切り時における基板の回転速度を充分上げることができず、結果として 基板上の溶融体振り切りが不十分となり、単結晶薄膜の膜厚不均一等の不具合を 招いていた。 かかる溶融体の残留は、特に単結晶基板の周縁と支持アームとの接触部分にお いて顕著に起こる。従って、保持ホルダの支持アームは単結晶基板との接触部分 の面積がなるべく小さくなるような形状であるのが望ましいのであるが、従来の 保持ホルダでは前記の強度の問題等により、接触面積を小さくすることができな かった。
【0009】 これらのことから、従来の保持ホルダでは単結晶基板の周縁と支持アームとの 接触部分の面積が大きく、かかる接触部分にかなりの量の溶融体が振り切られず に残留し、単結晶薄膜における欠陥の発生を招いていた。程度によっては肉眼で 識別できる巨視的欠陥が発生することすらあった。このため、基板上に形成され る単結晶薄膜の良品率が悪く、また、良品であってもその面内歩留まりが低く、 生産性を上げることができなかった。特に、単結晶基板が3インチ以上の大径の ものである場合にかかる不具合が顕著であった。 また、製造しようとする単結晶薄膜の種類によっては、白金が溶融体中に溶出 することによる支持アームの劣化と、溶出した白金が単結晶薄膜中に混入するこ とによる薄膜の特性変化が問題となることもあった。
【0010】 この考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、液相エピ タキシャル成長による単結晶薄膜形成時においても充分な高温強度と被溶出性と を有する材質よりなる単結晶基板との接触面積の小さい単結晶薄膜製造装置にお ける単結晶基板保持ホルダを提供することにより、単結晶薄膜成長直後における 基板上への溶融体の残留を最小限とし、且つこれを高速回転により早期に振り切 り、もって形成される単結晶薄膜の歩留まり及び特性を改善して生産性を向上す ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するためにこの考案の単結晶薄膜製造装置における単結晶基板 保持ホルダは、単結晶基板を溶融体中に浸漬し、液相エピタキシャル成長により 、該基板上に単結晶薄膜を形成する単結晶薄膜製造装置において、前記単結晶基 板の周縁を保持する複数本の支持アームがホルダ基体より延設され、該各支持ア ームは耐熱靱性組成物を含有する白金系材料により構成されると共に前記単結晶 基板の周縁に点又は線接触する形状をなしていることを特徴とする単結晶基板保 持ホルダとされる。
【0012】 ここにおいて耐熱靱性組成物とは、例えば酸化ジルコニウム(ZrO2 )のよ うな、高融点でありかつ高温時においても脆化しない材料をいう。酸化ジルコニ ウム以外のこの種の材料としては、例えば、炭化シリコン(SiC)等が考えら れる。そして白金系材料とは、貴金属である白金(Pt)またはこれを主成分と する合金等をいう。かかる合金としては、白金−ロジウム(Rh)合金等が考え られる。前記耐熱靱性組成物の含有量としては、酸化ジルコニウムの場合、炭化 シリコンの場合とも、0.1〜2.0重量%の範囲内が望ましい。
【0013】 白金系材料に耐熱靱性組成物を含有させ均一に分散させることにより、通常の 白金系材料より大幅に強度を向上させた材料とすることができる。特に、通常の 白金系材料では強度を維持しにくい1000℃程度の高温域においてその効果が顕著 である。また、白金の溶融体中への溶出をも防ぐことができる。これにより、白 金系材料が本来有する優れた耐食性、低反応性等の特質を維持しつつ、保持ホル ダの支持アームに適した材料を得ることができる。
【0014】
【作用】
上記の構成を有するこの考案の単結晶薄膜製造装置における単結晶基板保持ホ ルダでは、単結晶基板の周縁を単結晶基板保持ホルダの溶融体ホルダ基体に延設 されている複数本の支持アームにて保持する。これにより単結晶基板は水平に保 たれる。そして、下方に移動して単結晶基板を溶融体に接触させ、液相エピタキ シャル成長を行う。ここで各支持アームは、耐熱靱性組成物を含有する白金系材 料により構成されているので、溶融体の温度まで加熱されても充分に強度を維持 し、かつ溶融体と化学反応したり、溶出したりすることがない。結晶成長が終了 したら、単結晶基板保持ホルダを上昇に移動して単結晶基板を溶融体から離間さ せる。このとき、各支持アームが充分な高温強度を有しているので、高速回転す ることにより単結晶基板から残留溶融体を早期に振り切ることができる。
【0015】
【実施例】
以下、この考案を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。 図1に本実施例に係る単結晶薄膜製造装置における単結晶基板保持ホルダ1の 側面図を示す。図1の単結晶基板保持ホルダ1は、ホルダ基体3と、ホルダ基体 3から斜め下方にそれぞれ固定して延設される複数の支持アーム2より構成され る。各支持アーム2の下端付近には、くの字形に内方向へ屈曲された屈曲部4が 形成されている。各支持アーム2は、それぞれの屈曲部4に単結晶基板5の周縁 を保持して単結晶基板5を水平に載置するものである。従って各支持アーム2に おいて屈曲部4の折角部6は、同一水準の高さに形成されている。単結晶基板5 を保持している単結晶基板保持ホルダ1を斜め上方から見た斜視図を図2に示す 。
【0016】 図1及び図2に示す単結晶基板保持ホルダ1では、3本の支持アーム2により 単結晶基板5の周縁を保持するようになっているが、支持アーム2の本数は3本 に限らず単結晶基板5を確実に保持でき、かつ単結晶基板5の出し入れに邪魔に ならない本数であれば何本でもよい。実際には3本ないし6本程度が好適である 。かかる単結晶基板保持ホルダ1の支持アーム2は、1重量%の酸化ジルコニウ ムを含有する白金系材料により構成されている。尚、耐熱靱性組成物として酸化 ジルコニウムでなく炭化シリコンを含有する材料を使用する場合でも、炭化シリ コンの含有量は1重量%でよい。
【0017】 かかる単結晶基板保持ホルダ1の支持アーム2は、その断面積が0.01〜10mm2 程度であることが望ましい。そして、断面形状は円形、多角形等特に限定はされ ないが、多角形断面とする場合その陵辺が単結晶基板5の周縁に当接する向きに 配置されるのが望ましい。図3に支持アーム2が三角形断面である場合の好まし い方向を水平面内の断面図で示す。各支持アーム2のそれぞれ一陵辺が単結晶基 板5に接触しているように見えるが、実際にはこの支持アーム2はくの字状に屈 曲形成された屈曲部4で単結晶基板5を保持しているので、単結晶基板5に点接 触している状態にあるといえる。尚、支持アーム2が円形断面である場合はむろ ん、好ましい方向は特にない。
【0018】 単結晶基板保持ホルダ1の各支持アーム2は、屈曲部4のみによって単結晶基 板5を保持するようになっており、単結晶基板5を保持するための別個の部材は 何ら有していない。従って、前記のように支持アーム2の断面積が小さいことと 相俟って、単結晶基板5と各支持アーム2との接触はいずれも点接触もしくは線 接触で、その接触面積は非常に小さい。単結晶基板5と各支持アーム2との接触 面積を小さくする理由は、単結晶薄膜製造後における単結晶基板5への溶融体の 残留を少なくするためであるが、詳細は後述する。 また、単結晶基板5と各支持アーム2とがなす角(図1中θ1、θ2)は、いず れも10゜以上80゜以下とされている(10゜≦θ1≦80゜,10゜≦θ2≦80゜)。θ 1 、θ2をかかる範囲内の角度とする理由は、単結晶基板5を確実に単結晶基板保 持ホルダ1に保持し、かつ、単結晶薄膜製造後における単結晶基板5上に残留し た溶融体の振り切りを容易にするためであるが、詳細は後述する。
【0019】 次に、前記構成を有する本実施例に係る単結晶薄膜製造装置における単結晶基 板保持ホルダ1を使用してLPE法により単結晶基板5上に結晶成長を行う単結 晶薄膜製造装置7について、図4を参照して簡単に説明する。単結晶薄膜製造装 置7では、中央に白金ルツボ11が配置され、白金ルツボ11内には製造しよう とする単結晶薄膜の材料成分が熱溶融された溶融体8が入っている。そして、溶 融体8を加熱するための熱源である抵抗加熱ヒータ12が、周囲に巻回されてい る。また、熱電対13により白金ルツボ11の温度をモニタして抵抗加熱ヒータ 12の通電を制御することにより、溶融体8の温度を一定に維持できるようにな っている。
【0020】 かかる単結晶薄膜製造装置7において、単結晶基板保持ホルダ1は回転軸シャ フト14の下端に取り付けられた状態で白金ルツボ11の上方に配置され、回転 軸シャフト14の基端にはこれを回転駆動させるモータ(図示せず)が連繋され ている。そしてこの回転軸シャフト14は、図示しない駆動手段により上下方向 (矢印A)に移動可能とされると同時に前記モータの駆動により回転駆動され、 単結晶基板ホルダ1を垂直軸周りに回転(矢印B)させることもできるようにな っている。かくして、単結晶基板保持ホルダ1を上方に移動させ単結晶薄膜製造 装置7の外部へ出すことにより、単結晶基板5の脱着をすることができ、一方、 単結晶基板保持ホルダ1を下方に移動させると、保持している単結晶基板5を白 金ルツボ11内の溶融体8に接触させることができる。
【0021】 続いて、かかる単結晶薄膜製造装置7により単結晶薄膜製造を行う場合の単結 晶基板保持ホルダ1の動作について説明する。以下、単結晶基板5としてタンタ ル酸リチウム(LiTaO3 )単結晶基板を用い、その(0001)面上にニオブ酸 リチウム(LiNbO3 )単結晶薄膜を製造する場合を例にとって説明する。
【0022】 まず、単結晶基板5となるタンタル酸リチウム単結晶基板の一面を光学研磨し 、更に化学研磨して歪のない平滑面を得る。かかる平滑面を、ニオブ酸リチウム 単結晶薄膜の結晶成長面とする。このとき使用するタンタル酸リチウム単結晶基 板の厚さとしては、0.5〜2mm程度が好適である。 そして、本実施例の単結晶基板保持ホルダ1を上方に移動させ単結晶薄膜製造 装置7の外部へ引き出し、各支持アーム2の屈曲部4により単結晶基板5の周縁 を保持して単結晶基板5を水平に載置する。このとき研磨して得た平滑面が下側 になるように載置する。また、各支持アーム2と単結晶基板5とのなす角(図1 中θ1、θ2)が80゜以内となっているので、保持されている単結晶基板5が不用 意にぐらつくことがない。
【0023】 一方、単結晶薄膜製造装置7の白金ルツボ11内には、ニオブ酸リチウム単結 晶薄膜の原料(Li2O、Nb25 を主成分とする。この他、格子整合等のため に、 Na2O、MgO、B23、V23等を含有させてもよい。)が空気雰囲気 の下、抵抗加熱ヒータ12のジュール熱により加熱溶融され、溶融体8として貯 えられている。溶融体8の温度は、熱電対13の検知温度により抵抗加熱ヒータ 12の通電を制御することにより一定温度に制御され、約1000℃に維持されてい る。かかる溶融体8は、LPE結晶成長に供する前によく攪拌し、微小な結晶核 が残留しないよう完全に融解しておくのがよい。
【0024】 そして、単結晶基板保持ホルダ1を下方に移動して単結晶基板5を単結晶薄膜 製造装置7内に導入し、その結晶成長面を溶融体8に接触させると、ニオブ酸リ チウムの単結晶が単結晶基板5に対し格子整合状態で結晶成長する。このとき、 単結晶基板5に 5〜150rpm程度の水平面内回転を与えておくのがよい。得られる ニオブ酸リチウム単結晶薄膜の膜厚及び特性を均一のものとするためである。こ のとき、単結晶基板保持ホルダ1の各支持アーム2は、耐熱靱性組成物を含有す る白金系材料により構成されているので、約1000℃の温度の空気中でも充分な強 度及び耐食性を有し、かつ、溶融体8と無用な化学反応を起こすことがない。ま た、溶融体8中に溶出してニオブ酸リチウム単結晶薄膜に混入することもない。 形成されるニオブ酸リチウム単結晶薄膜の膜厚は、溶融体8と単結晶基板5との 接触時間に略比例し、その成長速度は溶融体8の温度を微調整すること等により 調整できる。
【0025】 必要とされる膜厚のニオブ酸リチウム単結晶薄膜が得られたら、単結晶基板保 持ホルダ1を上方に移動させ、単結晶基板5を溶融体8から離間し、その位置で 単結晶基板保持ホルダ1の上昇を一旦停止する。そして直ちに、単結晶基板保持 ホルダ1を介して単結晶基板5に300〜1500rpm程度の高速回転を与え、単結晶基 板5に付着している溶融体8を振り切る。単結晶基板5の特にニオブ酸リチウム 単結晶薄膜を形成した面に溶融体8が残留すると、単結晶薄膜の膜厚不均一や、 熱履歴不均一からくる特性不均一を招くからである。 このとき、単結晶基板保持ホルダ1の各支持アーム2は、耐熱靱性組成物を含 有する白金系材料により構成されているので、約1000℃の温度でも充分な強度を 有し、かかる高速回転中も遠心力により半径方向に広がることがなく、従って単 結晶基板5が単結晶基板保持ホルダ1から外れて白金ルツボ11内に落下するこ とがない。
【0026】 また、各支持アーム2はその断面積が0.01〜10mm2 程度の細棒状部材により構 成され、単結晶基板5と各支持アーム2との接触が点もしくは線接触となってい ることから、単結晶基板5への溶融体8の残留(付着)は、そもそも非常に少な い。そして、単結晶基板5と各支持アーム2またはその屈曲部4とがなす角はい ずれも10゜以上の大きさの角度とされているため、高速回転を与えることにより 溶融体8は早期に振り切られる。従って、形成されたニオブ酸リチウム単結晶薄 膜には、膜厚や特性の不均一は生じない。かかる高速回転は、10分程度行えば 充分である。
【0027】 この後、単結晶基板保持ホルダ1を更に上方に移動させ、単結晶薄膜製造装置 7の外部へ出す。このときの上方への移動はゆっくりと行わなければならない。 溶融体8の振り切り後ただちに単結晶薄膜製造装置7の外部へ出すと、単結晶基 板5が室温まで急冷されることになるからである。単結晶基板5が室温まで冷却 される間にタンタル酸リチウムのキュリー温度である約 650℃を通過するので、 冷却速度が速いとキュリー点で相転移が起こるときに、ニオブ酸リチウム単結晶 薄膜に微小クラックが入り品質が低下することとなる。これを防ぐため、溶融体 8の振り切り後における単結晶基板保持ホルダ1の上昇速度は、単結晶薄膜製造 装置7内の温度分布を勘案して、単結晶基板5が急冷されることがないように定 めなければならない。
【0028】 かくして、単結晶基板保持ホルダ1を最終的に単結晶薄膜製造装置7の外部へ 出すと、単結晶基板5を単結晶基板保持ホルダ1から外して回収することができ る。かかる単結晶基板5の片面(結晶成長面)には、基板5のタンタル酸リチウ ム単結晶に対して格子整合されたニオブ酸リチウム単結晶薄膜が形成されている 。このニオブ酸リチウム単結晶薄膜は、良品率がよく、かつ、膜厚、光学特性を 始めとする諸特性の面内均一性が良好である。かかるニオブ酸リチウム単結晶薄 膜に適宜パターニング加工等を施すことにより、特性のよい各種の導波路型電気 光学デバイスを作製することができる。
【0029】 以上詳細に説明したように、本実施例に係る単結晶基板保持ホルダ1によれば 、単結晶基板5を溶融体8中に浸漬し、LPE法によりその基板5上に単結晶薄 膜を形成する単結晶薄膜製造装置7において、単結晶基板5の周縁を保持する複 数本の支持アーム2がホルダ基体3より延設され、各支持アーム2は耐熱靱性組 成物を含有する白金系材料により構成されると共に単結晶基板5の周縁に点又は 線接触する形状をなしていることとしたので、膜厚等の諸特性の均一性がよい単 結晶薄膜を良品率よく製造することができる。
【0030】 尚、前記実施例はこの考案を限定するものではなく、この考案の要旨を逸脱し ない範囲内において種々の変形、改良が可能であることは勿論である。 例えば、前記実施例ではタンタル酸リチウム単結晶基板上にニオブ酸リチウム 単結晶薄膜を形成するものとして説明したが、単結晶基板と単結晶薄膜との組合 せはこれに限られることはなく、他の基板あるいは他の薄膜であってもこの考案 を適用できることはいうまでもない。
【0031】
【考案の効果】
以上説明したことから明かなように、この考案の単結晶基板保持ホルダによれ ば、液相エピタキシャル成長による単結晶薄膜形成時において充分な高温強度性 を備え、かつ非溶出性を有し、しかも単結晶基板との接触面積を小さくすること ができることから、単結晶薄膜成長直後における基板上への溶融体の残留を最小 限とし、且つこれを高速回転により早期に振り切り、もって形成される単結晶薄 膜の歩留まりを改善して生産性を向上することができるものであり、光学デバイ ス類の技術分野の発展に大いに寄与できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例に係る単結晶基板保持ホル
ダの外観構成を示す側面図である。
【図2】図1に示した単結晶基板保持ホルダの構成を示
す斜視図である。
【図3】この考案に係る単結晶基板保持ホルダにおける
支持アームの断面形状の一例を示す図である。
【図4】この考案が適用される単結晶薄膜製造装置の概
略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 単結晶基板保持ホルダ 2 支持アーム 3 ホルダ基体 5 単結晶基板 7 単結晶薄膜製造装置 8 溶融体

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶基板を溶融体中に浸漬し、液相エ
    ピタキシャル成長により、該基板上に単結晶薄膜を形成
    する単結晶薄膜製造装置において、 前記単結晶基板の周縁を保持する複数本の支持アームが
    ホルダ基体より延設され、該各支持アームは耐熱靱性組
    成物を含有する白金系材料により構成されると共に前記
    単結晶基板の周縁に点又は線接触する形状をなしている
    ことを特徴とする単結晶基板保持ホルダ。
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